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ウルトラモンタニズム

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ウルトラモンタニズム または ユルトラモンタニスム(ultramontanism) とは、キリスト教きりすときょう歴史れきしじょう、17,18世紀せいきフランスやドイツにおけるカトリック教会きょうかいうち教会きょうかい政治せいじじょう論争ろんそうにおいて、ローマ教皇きょうこう首位しゅいせい主張しゅちょうした立場たちば。しばしば「教皇きょうこう至上しじょうけん主義しゅぎ」「教皇きょうこう至上しじょう主義しゅぎ」と意訳いやくされる。てんじて、教皇きょうこう政治せいじじょう絶対ぜったいてき権威けんいゆうするという近代きんだい主張しゅちょうもこのかたりあらわされる。

概要がいよう

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ウルトラモンタニズムを直訳ちょくやくすると「やまこう主義しゅぎ」。フランスからてローマはアルプスをへだてたこうがわであることによる。類義語るいぎごに「バチカニズム(バチカン主義しゅぎ)」「キュリアリズム(教皇きょうこうちょう主義しゅぎ)」がげられる。ちょうモンタニズム(=ちょうモンタノス主義しゅぎ)ではまったくないこと注意ちゅうい

対立たいりつ概念がいねんは「ガリカニスム」。こちらは直訳ちょくやくすると「ガリア主義しゅぎ=フランス主義しゅぎ」だが、しばしば「国家こっか教会きょうかい主義しゅぎ」と意訳いやくされる。

カトリック教会きょうかい政治せいじ限定げんていされた議論ぎろんのようでありながら、世俗せぞく権力けんりょく主張しゅちょう論争ろんそう発展はってんしたのはつぎ経緯けいいによる。すなわち、王権おうけん神授しんじゅせつ絶対ぜったい君主くんしゅ権威けんいみなもとかみ意思いしというせつだが、そこからすなわち世俗せぞくおうよりかみ代理だいりしょうするローマ教皇きょうこう権威けんい優先ゆうせんするという主張しゅちょう可能かのうであり、これがウルトラモンタニズムである。たいしてガリカニズムは、フランスの大司教だいしきょう権威けんい教皇きょうこうではなく直接ちょくせつかみしであり、ローマ教皇きょうこう従属じゅうぞくするものではないとして、その大司教だいしきょうから戴冠たいかんしたおう権威けんいうえにも直接ちょくせつかみがおり、おう教皇きょうこう支配しはいにはない、と主張しゅちょうした。これに地域ちいき教会きょうかい独立どくりつせい主張しゅちょう観点かんてんから「国家こっか教会きょうかい主義しゅぎ」のわけてる。

したがって、用語ようごウルトラモンタニズムは「教皇きょうこう至上しじょう主義しゅぎ」と日本語にほんごやくされることがあるものの、ローマ教会きょうかい権威けんいにおけるおおやけ会議かいぎ教皇きょうこうとの優位ゆういけんめぐおおやけ会議かいぎ主義しゅぎたいする「教皇きょうこう主義しゅぎ」、プロテスタント標榜ひょうぼうする聖書せいしょ権威けんい教会きょうかい優先ゆうせんするとする「福音ふくいん主義しゅぎ」にたいする「教皇きょうこう主義しゅぎ」の、どちらも意味いみしない。

関連かんれん項目こうもく

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