オートバイ用品ようひん

オートバイ > オートバイ用品ようひん

オートバイ用品ようひん（オートバイようひん、英えい: motorcycle supply）は、オートバイの運用うんように際さいして用もちいられる道具どうぐや衣類いるい、消耗しょうもう品ひんなどの総称そうしょうである。オートバイが「バイク」とも呼よばれるように、用品ようひんに関かんしてもバイク用品ようひんと呼よばれることがある。

概要がいよう

オートバイ用品ようひんはオートバイの乗車じょうしゃ中ちゅうに用もちいられる道具どうぐや衣類いるいのほか、オートバイの保管ほかんのために用もちいられる道具どうぐ、オートバイの保守ほしゅのために用もちいられるオイルなどの消耗しょうもう品ひんなどが含ふくまれ、タイヤや車体しゃたいの装飾そうしょく部品ぶひんを含ふくむ場合ばあいもある。ヘルメットやオイルのように運用うんように必要ひつよう不可欠ふかけつなものから、オートバイ積載せきさい用ように設計せっけいされた鞄かばんのように快適かいてき性せいや利便りべん性せいが向上こうじょうするものまで含ふくまれる。

身体しんたい装備そうび

オートバイ用ようヘルメット（画像がぞう左ひだりからジェット型がた・フルフェイス型がた・フリップアップ型がた）

オートバイに乗車じょうしゃする際さいに身みにつける装備そうびは「ライディングウェア(riding wear)」あるいは「ライディングギア(riding gear)」と呼よばれる場合ばあいが多おおい。ウェアもギアも衣服いふくを意味いみする英語えいごであるが、日本にっぽんでは特とくに“着きるもの”と“穿はくもの”をライディングウェアと呼よび、それらを含ふくめたヘルメットや靴くつ、手袋てぶくろやバッグなどを総称そうしょうしてライディングギアと呼よぶ傾向けいこうがある。これらはオートバイの乗車じょうしゃ姿勢しせいに合あわせて裁断さいだんされ、防護ぼうご性せいや乗車じょうしゃ中ちゅうの快適かいてき性せいを重視じゅうしした作つくりとなっている製品せいひんが多おおい^[1]。なかでもライディングウェアは新しん素材そざいの導入どうにゅうや構造こうぞうの工夫くふうなどによって、通気つうき性せいや透とおる湿性しっせい、防水ぼうすい性せい、防寒ぼうかん性せいといった機能きのうを充実じゅうじつさせて、季き節ぶしを通とおして快適かいてきに乗車じょうしゃできることを利点りてんとする製品せいひんも多おおい^[1]。機能きのうやデザインはスポーツ走行そうこうやツーリング、オフロード走行そうこうなどのTPOに合あわせて多岐たきにわたる^{[要よう出典しゅってん]}。また、女性じょせいライダーが増ふえたことで、女性じょせいの体型たいけいに合あわせた裁断さいだんや女性じょせいに好このまれやすいデザインを取とり入いれた製品せいひんも増ふえてきた^[2]。なおこうしたライディングウェアのうち、乗車じょうしゃ中ちゅうの姿勢しせいや乗車じょうしゃ中ちゅうに求もとめられる機能きのうを優先ゆうせんして作つくられたものは、オートバイを降おりて散策さんさくするなどの状況じょうきょうでは動うごきが制限せいげんされる場合ばあいも多おおい^{[要よう出典しゅってん]}。

安全あんぜん装備そうび

事故じこによる傷害しょうがいからオートバイ乗員じょういんを保護ほごするのは、一部いちぶのエアバッグ装備そうび車輌しゃりょうを除のぞき、身体しんたい装備そうびのみである。このため、ヘルメットの着用ちゃくようが法規ほうきによって義務ぎむづけられていることに加くわえて、適切てきせつな身体しんたい装備そうびの着用ちゃくようが運転うんてん免許めんきょ教習きょうしゅうでも指導しどうされている。

多おおくの国くにと地域ちいきでは乗車じょうしゃ中ちゅうのヘルメット着用ちゃくようが義務ぎむづけられていて、オートバイ乗車じょうしゃ用ようの製品せいひんには強度きょうどや保護ほご性能せいのうについての規格きかくが定さだめられている。

詳細しょうさいは「ヘルメット (オートバイ)」を参照さんしょう

長袖ながそで長ちょうズボンと手袋てぶくろ、足首あしくびまでの長ながさの靴くつ

ヘルメットに加くわえて、運転うんてん免許めんきょ教習きょうしゅうでは長袖ながそで長ちょうズボンと手袋てぶくろ、足首あしくびまでの長ながさの靴くつを着用ちゃくようすることが指導しどうされている。これらは最低限さいていげんの装備そうびとして、転倒てんとう時じに擦過傷さっかしょうなどの出血しゅっけつ性せい外傷がいしょうを負おう危険きけん性せいを低減ていげんするためのものである。同時どうじに、ズボンの裾すそはペダルをはじめとする車体しゃたいの一部いちぶに引ひっかからないようなものを着用ちゃくようすることが指導しどうされている。また一部いちぶの教習所きょうしゅうじょ^[3]や交通こうつう安全あんぜん講習こうしゅう会かい^[4]では胸部きょうぶプロテクターを着用ちゃくようすることを指導しどうし、技能ぎのう教習きょうしゅう中ちゅうの着用ちゃくようを義務ぎむづけている。

より高たかい速度そくどで転倒てんとうしたり事故じこを起おこした場合ばあいにも致命傷ちめいしょうや重傷じゅうしょうを負おう危険きけん性せいを低減ていげんする機能きのうを持もった身体しんたい装備そうびが製品せいひん化かされ^[1]、オートバイ雑誌ざっしなどでも着用ちゃくようが勧すすめられている^{[要よう出典しゅってん]}。ジャケットやズボン、手袋てぶくろといった衣類いるいは、転倒てんとうしても路面ろめんとの摩擦まさつで容易よういに破やぶれないような素材そざいのものが使つかわれていて、古ふるくは革製品かわせいひんが主おもなものであったが、近年きんねんでは軽かるくて強度きょうどが高たかい合成ごうせい繊維せんいを使つかったものが多おおい。

パッドやプレート

オートバイ用ようとして販売はんばいされているジーンズ製品せいひんのなかには、一般いっぱん的てきなジーンズ素材そざいの木綿もめんだけでなくケブラー繊維せんいなどを織おり込こんで強化きょうかされている^[1]。衝突しょうとつによる傷害しょうがい、特とくに骨格こっかく傷害しょうがいを低減ていげんする装備そうびとして、肘ひじ、膝ひざ、肩かた、胸郭きょうかくあるいは脊椎せきついへの衝撃しょうげきを緩和かんわするパッドやプレートが製品せいひん化かされている^[1]。手袋てぶくろには指ゆびや手首てくびの関節かんせつを守まもる機能きのうを持もったもの、靴くつには踝くるぶしや足あしの足あし面めんを守まもる機能きのうを持もったものが製品せいひん化かされている。大別たいべつすると、ジャケットなどの衣類いるいと重かさねて着用ちゃくようするものと、ジャケットやパンツに縫ぬい付つけられていたり内部ないぶのポケットに収おさめられているものがあり、その形態けいたいや衝撃しょうげき吸収きゅうしゅう能力のうりょくは様々さまざまである。保護ほご性能せいのうが高たかいものほど動うごきにくくて重おもい傾向けいこうにあるため、ユーザーがそれぞれの乗車じょうしゃ条件じょうけんに合あわせて選えらべるように幅広はばひろい製品せいひん群ぐんが販売はんばいされている^{[要よう出典しゅってん]}。乗員じょういんが車体しゃたいから離はなれると膨ふくらむエアバッグを内蔵ないぞうしたジャケットや、ダイラタンシーと呼よばれる、強つよい衝撃しょうげきが加くわわると固かたくなる性質せいしつを持もつ素材そざいを利用りようした保護ほごパッドも販売はんばいされている^[5]。

頸椎捻挫ねんざなどの頸部傷害しょうがいを低減ていげんするために、首くびに極度きょくどの曲きょくげ応力おうりょくがかからないようにヘルメットを支ささえる製品せいひん（ネック・ブレース・システム）や肩かたから首くびの周まわりに展開てんかいするエアバッグ付づけのジャケット（ヒットエアー）も製品せいひん化かされている^[6]。

ヘルメット

他たの車両しゃりょうからの視認しにん性せいを高たかくして事故じこを未然みぜんに防ふせぐことを利点りてんとした製品せいひんもある。これらの製品せいひんは赤あかや黄色おうしょくなどの目立めだつ色いろを採用さいようしている場合ばあいが多おおい。あるいは、夜間やかんでの被ひ視認しにん性せいを向上こうじょうさせるために反射はんしゃ帯たいなどを身体しんたいに付つける方法ほうほうがある^{[要よう出典しゅってん]}。オートバイ乗車じょうしゃ用ようのヘルメットには反射はんしゃステッカーを貼はった製品せいひんがあるほか、ジャケットや靴くつ、バッグには表おもて生地きじの一部いちぶに反射はんしゃ布ぬのが縫ぬい付つけられている製品せいひんもある^[1]。

虫むしや塵ちりなどから乗員じょういんの視界しかいを保護ほごするためにヘルメットには風防ふうぼう（シールド）が具そなえられている製品せいひんも多おおい。シールドのないヘルメットではゴーグルが古ふるくから用もちいられている^{[要よう出典しゅってん]}。雨天うてん用ようグローブには降雨こううによりシールドやゴーグルに付ついた水滴すいてきをぬぐい去さるためのワイパーが親指おやゆびの背せの部分ぶぶんに具そなえられたものもある^[1]。

雨具あまぐ

身体しんたいが濡ぬれた状態じょうたいで走行そうこう風ふうにさらされることは体温たいおんの低下ていかや注意ちゅうい力りょくの低下ていかを招まねく場合ばあいがあり、安全あんぜんな運行うんこうに支障ししょうを来きたす可能かのう性せいもある^[7]ことから運転うんてん免許めんきょの教習きょうしゅうでも雨天うてん時じは雨具あまぐの着用ちゃくようが指導しどうされている。また著いちじるしい場合ばあいには低てい体温たいおん症しょうによって代謝たいしゃ機能きのうが低下ていかして非常ひじょうに危険きけんな状態じょうたいになる恐おそれもある。こうした事情じじょうから、走行そうこう風ふうによる影響えいきょうや乗車じょうしゃ姿勢しせいなどを考慮こうりょしてオートバイの乗車じょうしゃ用ように特とく化かした製品せいひんが多岐たきにわたり製造せいぞう、販売はんばいされている^{[要よう出典しゅってん]}。雨天うてん時じ用ようとして作つくられた雨あめガッパ（レインウェア）のほか、防水ぼうすい性せいの高たかい生地きじで作つくられたジャケットやパンツもある^[1]。同様どうように、グローブやブーツにも雨天うてん用ようのカバーの他ほか、全天候ぜんてんこう型がたの製品せいひんがある。ただし、いずれも完全かんぜんに浸水しんすいを防ふせぐことは難むずかしく、襟元えりもとや袖口そでぐち、縫ぬい目めからの浸水しんすいがある。^{[要よう出典しゅってん]}

走行そうこう速度そくどが高たかい状況じょうきょうでは、雨滴うてきの衝突しょうとつ速度そくどが高たかく、風圧ふうあつによって浸透しんとうする圧力あつりょくが高たかくなるため、生地きじには高たかい防水ぼうすい性せい、あるいは耐水たいすい圧あつが要求ようきゅうされる。また、前面ぜんめんの縫ぬい目めが少すくなくなる裁断さいだんや前ぜんあわせの重かさね合あわせ構造こうぞうを工夫くふうした製品せいひんが多おおい^{[要よう出典しゅってん]}。ばたついたり風ふうをはらんだりすると生地きじや縫製ほうせいの傷いたみが早はやくなるだけでなく、運転うんてん動作どうさへの支障ししょうや長時間ちょうじかんの乗車じょうしゃでの疲労ひろうにつながることから、袖そでは比較的ひかくてき細身ほそみに作つくられていたり、裾すそや胴回どうまわりを絞しぼれる構造こうぞうになっていたりと工夫くふうされている^[7]。

雨天うてん用ようのジャケットには、リュックサックやウエストバッグを着用ちゃくようした状態じょうたいでも上うえから着きることができるような機能きのうを持もつものもある^[8]。雨天うてん用ようのパンツはブーツを履はいたままでも着脱ちゃくだつが容易よういなように裾すそを広ひろげることができたり、側面そくめん全体ぜんたいが開ひらくように作つくられているものが多おおい。^{[要よう出典しゅってん]}

スキーウェアやスノーボードウェアで代用だいようできる場合ばあいもあるが、高速こうそく走行そうこう時じに求もとめられる性能せいのうを満足まんぞくしない場合ばあいが多おおい^{[要よう出典しゅってん]}。

全天候ぜんてんこう型がたライディングウェア
インナーウエア・プロテクター

消耗しょうもう品ひん

オートバイを運用うんようする上じょうで定期ていき的てきな交換こうかんや補充ほじゅうが必要ひつような物品ぶっぴんで、油脂ゆし類るいやタイヤ、チェーン、バッテリーなどが該当がいとうする。

工具こうぐ

オートバイの整備せいびや修理しゅうりをユーザー自身じしんが行おこなう場合ばあいもあり、オートバイ特有とくゆうの工具こうぐやツーリングなどに携行けいこうすることを前提ぜんていとした工具こうぐセットなどがある。

部品ぶひん

純正じゅんせい部品ぶひんではない、サードパーティーによる汎用はんよう品ひんやカスタムパーツをオートバイ用品ようひんに含ふくむ場合ばあいもある。