カル・リンポチェ

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カル・リンポチェ
1905年ねん??月つき??日ひ
尊称そんしょう カル・リンポチェ
生地きじ チベット（ガンデンポタン）の旗 チベット
宗派しゅうは チベット仏教ぶっきょうカギュ派は
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カル・リンポチェ（Kyabje Kalu Rinpoche 、1905年ねん - 1989年ねん5月がつ10日とおか[1]）は、チベット仏教ぶっきょうカギュ派はのトゥルク。チベット仏教ぶっきょうの瞑想めいそう指導しどう者しゃ、学者がくしゃ、教師きょうし。1959年ねんに難民なんみんとしてインドに亡命ぼうめいし、欧米おうべい人じんにチベット仏教ぶっきょうを伝つたえて信望しんぼう者しゃを増ふやし、尊敬そんけいを集あつめた[2]。

オウム真理教おうむしんりきょうの教祖きょうそ麻原あさはら彰晃しょうこうの依頼いらいで教団きょうだんで講演こうえんを行おこない、麻原あさはらを高たかく評価ひょうかし[3]、日本にっぽんの識者しきしゃたちの麻原あさはらの評価ひょうかに影響えいきょうを与あたえたといわれる[4]。

生涯しょうがい[編集へんしゅう]

生おい立たち[編集へんしゅう]

カル・リンポチェは、1905年ねんに東ひがしチベット・カムのホル地方ちほうに生うまれた。15歳さいのとき、より高度こうどな学究がっきゅうのために、カギュ派はのペルプン僧院そういん(寺てら)に送おくられた。この地ちに10年ねん以上いじょうとどまり、この時期じきに彼かれの仏教ぶっきょう実践じっせんの哲学てつがく的てき基礎きそが形成けいせいされ、次ついで2〜3年間ねんかんの修業しゅうぎょうを修了しゅうりょうした。

チベットで[編集へんしゅう]

カル・リンポチェは、Drupon Norbu Dondrupからカギュ派はの最後さいごの教おしえを受うけるためにペルプン寺てらに戻もどった。

亡命ぼうめい[編集へんしゅう]

カル・リンポチェとLama Denys

カル・リンポチェは、チベットの状況じょうきょうにより亡命ぼうめいを余儀よぎなくされるとインドで活動かつどうし、1960年代ねんだい後半こうはんにインド西部せいぶに弟子でしを集あつめるようになった。 1970年代ねんだい、彼かれは広範囲こうはんいにアメリカやヨーロッパで教おしえ、3回かいの訪問ほうもんで1ダース以上いじょうのセンターを設立せつりつした。フランスでは、カルマ・カギュ派は（カギュ派は）とシャンパ・カギュ派は（シャン派は）の系統けいとうの伝統でんとう的てきな3年間ねんかんの修業しゅうぎょうを西洋せいようの生徒せいとたちに教おしえるために、最初さいしょのリトリートセンターを設立せつりつした。彼かれはチベットから亡命ぼうめいしたラマの中なかで、欧米おうべいでもっとも尊敬そんけいを集あつめた一人ひとりとなった[5]。

麻原あさはら彰晃しょうこう（オウム真理教おうむしんりきょうの創設そうせつ者しゃ）の要望ようぼうで、カル・リンポチェは麻原あさはら彰晃しょうこうの信奉しんぽう者しゃにたいして、日本にっぽんの数すう都市としで講義こうぎを行おこなった。元もとオウム真理教おうむしんりきょう幹部かんぶの上祐じょうゆう史浩ふみひろは、麻原あさはらは、カル・リンポチェのヴィジョンを見みて彼かれを前生ぜんしょうのグルだと考かんがえており、カル・リンポチェは「麻原あさはらを高たかく評価ひょうかし、『偉大いだいな仏教ぶっきょうの師し』とし、『あなた方かたのグルに奉仕ほうしし、そして彼かれがするようにといったことは何なんでもするようにしなさい』と説法せっぽうした」という。上祐じょうゆうは、カル・リンポチェによる麻原あさはらへの高たかい評価ひょうかは、日本にっぽんの識者しきしゃたちの麻原あさはらへの評価ひょうかに影響えいきょうを与あたえたと述のべている[4][6]。

死し[編集へんしゅう]

1989年ねん5月がつ10日とおか、カル・リンポチェはソナーダの修道院しゅうどういんで亡なくなった。

スキャンダル[編集へんしゅう]

彼かれの通訳つうやくであったジューン・キャンベル（June Campbell）は、1996年ねんにTraveller in Space を出版しゅっぱんし、カル・リンポチェは僧院そういん長ちょうとして貞潔ていけつな生活せいかつを送おくる表向おもてむきの顔かおと、彼女かのじょを含ふくむ女性じょせいをタントラの性的せいてき修行しゅぎょう（カルマムドラー（英語えいご版ばん）、羯磨印しるしとも、蔵ぞう: las kyi phyag rgya）の相手あいて、秘密ひみつの配偶はいぐう者しゃ（明あかり妃ひ、蔵ぞう: gsang yum）とした性行為せいこういによる修行しゅぎょうの相手あいてとするもう一ひとつの顔かおという二に面めん性せいを持もっていた[7]と糾弾きゅうだんした[5][8]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ “Kyabje Dorje Chang Kalu Rinpoche”. www.kagyu.com. 2019年ねん4月がつ28日にち閲覧えつらん。
  2. ^ 宮本みやもと, 神酒みき男おとこ. “活仏かつぶつとのスキャンダラスな関係かんけい”. ニエリカ. 2016年ねん3月がつ6日にち閲覧えつらん。
  3. ^ オウム真理教おうむしんりきょうの麻原あさはら氏しに対たいする海外かいがいの聖者せいじゃ達たちの高たかい評価ひょうか　２／２ - YouTube
  4. ^ a b 上祐じょうゆう, 史浩ふみひろ. “【１】入信にゅうしんと麻原あさはらへの帰依きえ １．上祐じょうゆう総括そうかつ：オウム入信にゅうしんから現在げんざいまで 上祐じょうゆう史浩ふみひろ個人こじんの総括そうかつ オウムの教訓きょうくん －オウム時代じだいの反省はんせい・総括そうかつの概要がいよう－”. ひかりの輪わ. 2016年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。
  5. ^ a b Vallely, Paul (1999年ねん2月がつ10日とおか). “I was a Tantric sex slave”. The Independent. Independent Digital News and Media Limited. 2016年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。
  6. ^ 上祐じょうゆう, 史浩ふみひろ (2007年ねん4月がつ1日にち). “島田しまだ裕巳ひろみ氏しの中沢なかざわ氏し批判ひはんの本ほんについて２──両氏りょうしに対たいするお詫わびを兼かねて”. 上祐じょうゆう史浩ふみひろオフィシャルサイト. 2016年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。
  7. ^ Campbell, June『Traveller in Space: Gender, Identity, and Tibetan Buddhism』、A&C Black、2002年ねん6月がつ、p.2
  8. ^ 宮本みやもと, 神酒みき男おとこ. “活仏かつぶつの性的せいてきパートナーであること”. ニエリカ. 2016年ねん3月がつ5日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Foundations of Tibetan Buddhism, Snow Lion Publications, 2004, ISBN 1-55939-212-6
  • Luminous Mind : Fundamentals of Spiritual Practice, Wisdom Publications, 1996, ISBN 0-86171-118-1
  • Gently Whispered: Oral Teachings by the Very Venerable Kalu Rinpoche, Station Hill Press, 1995, ISBN 0-88268-153-2
  • Excellent Buddhism: An Exemplary Life, Clearpoint Press, 1995, ISBN 0-9630371-4-5
  • Profound Buddhism: From Hinayana to Vajrayana, Clearpoint Press, 1995, ISBN 0-9630371-5-3
  • The Dharma: That Illuminates All Beings Like the Light of the Sun and the Moon, State University of New York Press, 1986, ISBN 0-88706-157-5
  • The Gem Ornament of Manifold Oral Instructions Which Benefits Each and Everyone Appropriately Snow Lion, 1987, ISBN 0-937938-59-9
  • Surya Das, Lama (1998). Awakening the Buddha Within. Lark Books. ISBN 0-7679-0157-6 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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