キャスリーン・フェリア

キャスリーン・フェリア Kathleen Ferrier
基本きほん情報じょうほう
生誕せいたん	(1912-04-22) 1912年ねん4月がつ22日にち イングランド・ランカシャー州しゅうプレストン
死没しぼつ	(1953-10-08) 1953年ねん10月8日にち（41歳さい没ぼつ） イングランド・ロンドン
ジャンル	クラシック
職業しょくぎょう	オペラ歌手かしゅ
担当たんとう楽器がっき	コントラルト

キャスリーン・フェリア（Kathleen Ferrier、1912年ねん4月がつ22日にち - 1953年ねん10月8日にち）は、イギリス・イングランドのランカシャー州しゅうプレストン生うまれのコントラルト歌手かしゅ。

生涯しょうがい

フェリアは家庭かていが貧まずしかったため、14歳さいで学校がっこうを終おえるとブラックバーンで電話でんわ交換こうかん手しゅの職しょくに就ついた。1935年ねんに銀行ぎんこうの管理かんり者しゃバート・ウィルスンと結婚けっこんし、カーライルに転居てんきょした。フェリアは正式せいしきな音楽おんがく教育きょういくを受うけてはいなかったものの、歌うたとピアノが得意とくいで、地元じもとのコンクールで受賞じゅしょう経験けいけんもあった。夫おっとがカーライルの音楽おんがく祭さいではフェリアが入賞にゅうしょうできないほうに賭かけるといったため、彼女かのじょはコンクールに出でて歌唱かしょうとピアノの両方りょうほうで優勝ゆうしょうした。フェリア自身じしんはピアノのほうで合格ごうかくすると思おもっていた。この一いち件けんによってフェリアの歌うたの才能さいのうが公衆こうしゅうの関心かんしんを呼よび、彼女かのじょが音楽おんがくでキャリアを積つむことを決意けついする重要じゅうような要因よういんとなったといえる。しかし結婚けっこんは成功せいこうとはいえず、12年ねん後ご離婚りこんに至いたった。

やがて当時とうじ有名ゆうめいな声楽せいがく教師きょうしであったバリトン歌手かしゅのロイ・ヘンダーソンについて学まなんだ。

ブリテンはフェリアの才能さいのうを認みとめ、『ルクレティアの凌辱りょうじょく』のルクレティア、ピーター・ピアーズとフェリアのために書かいた『アブラハムとイサク』、『春はるの交響曲こうきょうきょく』（1949年ねん）など、彼女かのじょのために多おおくのパートを作曲さっきょくした。フェリアはワルターやバルビローリ、マルコム・サージェント、クレメンス・クラウス、カラヤン、ベイヌムなど多おおくの著名ちょめいな指揮しき者しゃ、そして特とくにブリテンの指揮しきのもとで歌うたった。また、フェリアはイソベル・ベイリーやピーター・ピアーズなどの著名ちょめいな歌手かしゅと共演きょうえんした。

フェリアの最後さいごの出演しゅつえんは1953年ねんにコヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスで行おこなわれたグルックの『オルフェオとエウリディーチェ』でオルフェウスを歌うたったものであった。1947年ねんにグラインドボーン音楽おんがく祭さいですでにこの役やくを演えんじていたが、ロイヤル・オペラ・ハウスでの上演じょうえんは英語えいごで行おこなわれた。フェリアはこのとき2回かいの公演こうえんに出演しゅつえんしただけであった。

1953年ねん10月がつ8日にち、乳癌にゅうがんのため、ロンドン大学だいがく病院びょういん（University College Hospital）で41年ねんの短みじかい生涯しょうがいを閉とじた。

レコーディング

フェリアの演奏えんそうで特とくに有名ゆうめいな作品さくひんは次つぎのようなものがある。

• J.S.バッハ：
  • 『マタイ受難じゅなん曲きょく』
  • 『ミサ曲きょくロ短調たんちょう』
• ブラームス：『アルト・ラプソディ』（クレメンス・クラウスとの録音ろくおん）
• ショーソン：『愛あいと海うみの詩し』
• マーラー
  • 『大地だいちの歌うた』（ワルターおよびバルビローリとの録音ろくおん）
  • 『亡なき子こを偲しのぶ歌うた』
  • 『リュッケルト歌曲かきょく集しゅう』
• グルック：『オルフェオとエウリディーチェ』
• ヘンデル：『メサイア』
• 多おおくの民謡みんよう Blow the wind southerly, The Keel Row

フェリアはこれらの作品さくひんのいくつか、例たとえば『マタイ受難じゅなん曲きょく』、バッハやヘンデルのアリア、グルックの『オルフェオ』などでは原語げんごおよび当時とうじの英国えいこくの習慣しゅうかんに従したがって英語えいごで歌うたっている。

フェリアはその短みじかい演奏えんそう家か人生じんせいのうちで多おおくのレコードを残のこしたが、いくつかの演奏えんそうは記録きろくされなかった、あるいは記録きろくが破壊はかいされたものもある。たとえばエルガーの『ゲロンティアスの夢ゆめ』やヘンデルの『メサイア』などはそうである。

録音ろくおん

• Bach, B Minor Mass, w:en:Suzanne Danco, Kathleen Ferrier, Peter Pears, w:en:Bruce Boyce, w:en:Norman Walker, w:en:BBC Chorus, w:en:Boyd Neel Orchestra, conducted by w:en:George Enescu, (1951), BBC
• Bach, St Matthew Passion, Greene, Suddaby, Ferrier, Cummings, Bach Choir, Jacques Orchestra, conducted by w:en:Reginald Jacques, Decca, now on Dutton.
• Bach and Handel arias(sung in English), w:en:London Philharmonic Orchestra conducted by w:en:Adrian Boult, Decca, recorded 7th and 8th October, 1952.
• Brahms, Alto Rhapsody, Op 53, Men of the Oslo Philharmonic Chorus, w:en:Oslo Philharmonic Orchestra, w:en:Erik Tuxen, Oslo (1949), APR
• Brahms, Alto Rhapsody, Op 53, w:en:London Philharmonic Choir, London Philharmonic Orchestra, w:en:Clemens Krauss, (1947), Dutton (transferred from Decca)
• Benjamin Britten, The Rape of Lucretia (1946), Kathleen Ferrier, contralto (Lucretia),Peter Pears, w:en:Joan Cross,w:en:Owen Brannigan,(Collatinus), w:en:Edmund Donleavy (Junius), w:en:Otakar Kraus, baritone (Tarquin), w:en:Anna Pollak (Bianca), w:en:Margaret Ritchie (Lucia) w:en:English Opera Group Orchestra directed by w:en:Reginald Goodall, Gala
• Mahler, Das Lied von der Erde, w:en:Vienna Philharmonic Orchestra, Walter, w:en:Julius Patzak (tenor), Decca, Polygram
• Mahler, Das Lied von der Erde, w:en:Halle Orchestra, Barbirolli, w:en:Richard Lewis (tenor), 1952, APR
• Mahler, Das Lied von der Erde, w:en:New York Philharmonic, Walter, w:en:Svanholm (tenor), 1949, Naxos
• Mahler, Kindertotenlieder, Vienna Philharmonic Orchestra, Walter, EMI
• Mahler, Kindertotenlieder, w:en:Amsterdam Concertgebouw Orchestra, w:en:Otto Klemperer, Decca
• Mahler, Symphony No. 2 in C minor "Resurrection", also Jo Vincent (Soprano), Amsterdam Concertgebouw Orchestra, Otto Klemperer, (1951), Archipel

外部がいぶリンク

• キャサリーン・フェリアー協会きょうかい
• バルローリが寄よせた賛辞さんじ
• iClassics discography
• BBCによるフェリアの紹介しょうかい
• レコード記録きろく選せん