キャッスル作戦さくせん

キャッスル作戦さくせん・ロメオ実験じっけんのキノコ雲くも

キャッスル作戦さくせん（キャッスルさくせん、Operation Castle）は、アメリカ国防総省こくぼうそうしょうとアメリカ原子力げんしりょく委員いいん会かいが合同ごうどうで、1954年ねんにビキニ環礁かんしょう、エニウェトク環礁かんしょうの二ふたつの環礁かんしょうで行おこなった、一連いちれんの核かく実験じっけん。合計ごうけいで6回かいの実験じっけんが行おこなわれ、特とくに3月1日にちに行おこなわれたブラボー実験じっけんが有名ゆうめい。本ほん実験じっけんはアップショット・ノットホール作戦さくせんに続つづいて実施じっしされたもので、本ほん作戦さくせんに引ひき続つづいてはティーポット作戦さくせんが実施じっしされている。

概要がいよう

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくが行おこなった核かく実験じっけんのうち、1952年ねんのエニウェトク環礁かんしょうにおけるアイビー作戦さくせんに続つづくものである。アイビー作戦さくせんのマイク実験じっけんにおいて、人類じんるい史上しじょう初はつの水素すいそ爆ばく弾だん（水爆すいばく）の爆発ばくはつ実験じっけんが行おこなわれたが、この実験じっけんで使つかわれた水爆すいばくは湿式しっしき水爆すいばくと呼よばれ、極ごく低温ていおんで液化えきかした重水素じゅうすいそと三さん重水素じゅうすいそを使用しようしたため、大だい規模きぼな付属ふぞく機器ききのために質量しつりょうが73.8トンにも及および、実用じつよう兵器へいきには程遠ほどとおいものだった。

ところが、翌よく1953年ねんにソビエト連邦れんぽうが、重水素じゅうすいそや三さん重水素じゅうすいそをリチウムと化合かごうさせて固化こかすることで大幅おおはばに小型こがた軽量けいりょう化かした乾式かんしき水爆すいばくRDS-6の実験じっけんに成功せいこう（ただし現実げんじつには原子げんし爆ばく弾だんにわずかな熱ねつ核かく反応はんのうをプラスした「強化きょうか原爆げんばく」と言いうべきものであったことが判明はんめいしている）し、アメリカも対抗たいこう上じょう、重水素じゅうすいそ化かリチウムを用もちいて小型こがた軽量けいりょう化かした乾式かんしき水爆すいばくの開発かいはつを迫せまられ、テラー・ウラム型がたが開発かいはつされ、その成果せいかを試ためすため、キャッスル作戦さくせんが行おこなわれた。

実験じっけんの結果けっか、第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる等ひとしの船舶せんぱくが被曝ひばくし、広範こうはんな範囲はんいが放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつで汚染おせんされた。高知新聞社こうちしんぶんしゃは2004年ねん夏なつ、「灰はい滅めつの海うみから」と題だいした連載れんさい記事きじを掲載けいさいし、第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる以外いがいにも、多数たすうの日本にっぽん船舶せんぱくがキャッスル作戦さくせんの被害ひがいを受うけたと報ほうじている。 　

実験じっけん内容ないよう

行おこなわれた実験じっけんは以下いかの通とおり。

キャッスル作戦さくせん

実験じっけん名めい	日時にちじ	核かく出力しゅつりょく(計画けいかく)	核かく出力しゅつりょく(実際じっさい)	場所ばしょ	備考びこう
ブラボー	1954年ねん3月がつ1日にち	6 Mt	15 Mt	ビキニ環礁かんしょう	第だい五ご福竜丸ふくりゅうまる事件じけん
ロメオ	1954年ねん3月がつ27日にち	4 Mt	11 Mt	ビキニ環礁かんしょう
クーン	1954年ねん4月がつ7日にち	1 Mt	110 kt	ビキニ環礁かんしょう	失敗しっぱい
ユニオン	1954年ねん4月がつ26日にち	3~4 Mt	6.9 Mt	ビキニ環礁かんしょう
ヤンキー	1954年ねん5月がつ5日にち	8 Mt	13.5 Mt	ビキニ環礁かんしょう
ネクター	1954年ねん5月がつ14日にち	1.8 Mt	1.69 Mt	エニウェトク環礁かんしょう

この実験じっけんで、アメリカは水爆すいばくの小型こがた化かには成功せいこうしたが、まだ爆ばく撃げき機きに搭載とうさいするまでには至いたらず、1956年ねんになってB-52戦略せんりゃく爆撃ばくげき機きからの水爆すいばく投下とうか実験じっけん『レッドウィング作戦さくせん』(チェロキー)に成功せいこうしている。

関連かんれん項目こうもく

• 核かく実験じっけんの一覧いちらん
• アイリンギナ環礁かんしょう
• 風下かざしも住民じゅうみん
• 核兵器かくへいき