テラー・ウラム型 がた 構造 こうぞう の基本形 きほんけい :核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう の圧縮 あっしゅく と加熱 かねつ に原爆 げんばく の放射 ほうしゃ エネルギーを用 もち いる
テラー・ウラム型 がた (テラー・ウラムがた、英 えい : Teller–Ulam design : H-bomb または、MOS型 がた - 英 えい : MOS-type とも)は、多 た 段階 だんかい 式 しき メガトン 級 きゅう 熱 ねつ 核兵器 かくへいき に使 つか われる構造 こうぞう であり、より一般 いっぱん 的 てき には水爆 すいばく の構造 こうぞう のことを表 あらわ す。この名称 めいしょう は1951年 ねん に構造 こうぞう を考案 こうあん した2人 ふたり 、ハンガリー 生 う まれの物理 ぶつり 学者 がくしゃ エドワード・テラー と、ポーランド 生 う まれの数学 すうがく 者 しゃ スタニスワフ・ウラム から付 つ けられた。このアイディアは、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう のそばに起爆 きばく 剤 ざい として原子 げんし 爆 ばく 弾 だん を置 お くことで考 かんが え出 だ され、核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう を用 もち いて、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう を圧縮 あっしゅく ・加熱 かねつ する方法 ほうほう として知 し られている。ここで述 の べる内容 ないよう は、異 こと なった情報 じょうほう 源 げん からの追加 ついか 情報 じょうほう と差分 さぶん により推定 すいてい されたものである。
本 ほん 理論 りろん に基 もと づく最初 さいしょ の核 かく 実験 じっけん は、1952年 ねん にアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく により"アイビー作戦 さくせん "として実施 じっし された。本 ほん 理論 りろん は、ソビエト連邦 れんぽう ではサハロフ の第 だい 3のアイディア として知 し られている。また同様 どうよう の兵器 へいき は、イギリス 、中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく 、およびフランス でも開発 かいはつ されている。この中 なか でも一番 いちばん 強力 きょうりょく な熱 ねつ 核 かく 爆 ばく 弾 だん は、ソビエトが行 おこな った核 かく 出力 しゅつりょく 50メガトンの核 かく 実験 じっけん で使 つか われたツァーリ・ボンバ である[ 1] [ 2] 。
核兵器 かくへいき の仕様 しよう に関 かん する公開 こうかい 情報 じょうほう [ 編集 へんしゅう ]
実際 じっさい の核分裂 かくぶんれつ および核 かく 融合 ゆうごう 兵器 へいき に関 かん する詳細 しょうさい な情報 じょうほう は、いくつかのレベルに分 わ けられており、実質 じっしつ 的 てき には先進 せんしん 国 こく のすべてにおいて機密 きみつ 扱 あつか いとなっている。例 たと えばアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく では、政府 せいふ にも兵器 へいき 関連 かんれん 企業 きぎょう にも属 ぞく していない人物 じんぶつ によって生 う み出 だ された情報 じょうほう であっても、“機密 きみつ 情報 じょうほう ”(classified)に区分 くぶん されている。これは、“生 う まれながらの機密 きみつ 情報 じょうほう ”であるという法律 ほうりつ 上 じょう の原理 げんり に基 もと づいている(ただし、憲法 けんぽう 上 じょう の効力 こうりょく については疑問 ぎもん が投 な げかけられている)。この“生 う まれながらの機密 きみつ 情報 じょうほう ”に対 たい する法的 ほうてき な規制 きせい は、民間 みんかん が行 おこな う予測 よそく に対 たい しては滅多 めった に適用 てきよう されてこなかった。この点 てん に関 かん しアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく エネルギ えねるぎ ー省 しょう は、公式 こうしき の政策 せいさく として、この種 たね の情報 じょうほう が漏洩 ろうえい したことそれ自体 じたい に言及 げんきゅう しないこととしている。というのも、その種 たね の言及 げんきゅう を行 おこな えば、情報 じょうほう が正 ただ しいということを暗 あん に認 みと めた格好 かっこう になるためである。一般 いっぱん の報道 ほうどう 機関 きかん からの兵器 へいき 関連 かんれん 情報 じょうほう を米国 べいこく 政府 せいふ が事前 じぜん に検閲 けんえつ しようと試 こころ みてきた数少 かずすく ないケースがこれまでにもあった。しかし、大 たい した成果 せいか は得 え られていない。
公式 こうしき 発表 はっぴょう において大量 たいりょう のぼかされた情報 じょうほう が公表 こうひょう されており、また、非公式 ひこうしき にもより一層 いっそう 大量 たいりょう のぼかされた情報 じょうほう が核 かく 爆 ばく 弾 だん の開発 かいはつ 者 しゃ からも提供 ていきょう されている。しかし、一般 いっぱん に流布 るふ している核兵器 かくへいき に関 かん する大抵 たいてい の説明 せつめい は、憶測 おくそく 、既知 きち の情報 じょうほう に基 もと づくリバースエンジニアリング 、または、類似 るいじ の物理 ぶつり 学 がく 領域 りょういき との比較 ひかく 、といったものに相当 そうとう 程度 ていど 依拠 いきょ している(その最 さい たる例 れい が、核 かく 融合 ゆうごう の封 ふう じ込 こ めに関 かん する情報 じょうほう である)。こういった過程 かてい を経 へ て得 え られている核 かく 爆 ばく 弾 だん についての多 おお くの非 ひ 機密 きみつ 情報 じょうほう は、公式 こうしき の非 ひ 機密 きみつ 情報 じょうほう についての公表 こうひょう された内容 ないよう 、関連 かんれん する物理 ぶつり 学 がく とは一般 いっぱん 論 ろん として矛盾 むじゅん せず、また、その情報 じょうほう 相互 そうご の範囲 はんい 内 ない でも矛盾 むじゅん はないと考 かんが えられてはいる。ただし、今 いま でも未解決 みかいけつ の要素 ようそ がいくつか存在 そんざい している。テラー・ウラム型 がた に関 かん する公知 こうち の知識 ちしき についての現状 げんじょう は、そのほとんどが、以下 いか の節 ふし に概要 がいよう が記載 きさい されるわずか数 すう 例 れい の特定 とくてい の実例 じつれい に合 あ わせてまとめてこられたものに過 す ぎない。
テラー・ウラム型 がた の基本 きほん 原理 げんり は、熱 ねつ 核兵器 かくへいき 内 ない の異 こと なった部分 ぶぶん が各 かく 段階 だんかい の爆発 ばくはつ で生 しょう じたエネルギーを、次 つぎ の段階 だんかい の起爆 きばく に利用 りよう する“多 た 段階 だんかい ”として連鎖 れんさ 反応 はんのう させられるという考 かんが えに基 もと づいている。最小限 さいしょうげん の構成 こうせい では、核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん で構成 こうせい されたトリガーとしてのプライマリー(第 だい 1段階 だんかい )と、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう で構成 こうせい されたセカンダリー(第 だい 2段階 だんかい )の部分 ぶぶん から構成 こうせい される。段階 だんかい 式 しき である理由 りゆう により、セカンダリーと同 おな じ構成 こうせい をターシャリー (第 だい 3段階 だんかい )としてさらに核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう を追加 ついか することも可能 かのう である。プライマリーからのエネルギー放射 ほうしゃ によりセカンダリーが圧縮 あっしゅく され、爆 ばく 縮 ちぢみ 論理 ろんり により核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう が加熱 かねつ されて反応 はんのう が始 はじ まる。
テラー・ウラム型 がた 構成 こうせい の一 いち 例 れい
核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう は放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ (ウラン235 など)の容器 ようき に入 はい っており、これはプライマリーで生 しょう じたエネルギーを一時 いちじ 的 てき に閉 と じ込 こ める役割 やくわり を果 は たす。容器 ようき の外側 そとがわ は爆 ばく 弾 だん 自体 じたい の容器 ようき であり、これは全 すべ ての熱 ねつ 核 かく 爆 ばく 弾 だん に共通 きょうつう の構造 こうぞう で、一般 いっぱん に公開 こうかい されるのはこの外観 がいかん だけである。異 こと なった熱 ねつ 核 かく 爆 ばく 弾 だん の外観 がいかん をとらえた膨大 ぼうだい な写真 しゃしん は、機密 きみつ 解除 かいじょ されている[ 3] 。
プライマリーは一般 いっぱん 的 てき な“爆 ばく 縮 ちぢみ ”型 がた 原子 げんし 爆 ばく 弾 だん であると考 かんが えられているが、核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう の強化 きょうか (ブースター)用 よう に少量 しょうりょう の核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう も添加 てんか されている場合 ばあい がある。核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう で核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう が加熱 かねつ ・圧縮 あっしゅく されると大量 たいりょう の中性子 ちゅうせいし を放射 ほうしゃ する。プライマリーが起爆 きばく されると、プルトニウム239 、またはウラン235の核 かく が爆 ばく 縮 ちぢみ レンズ形状 けいじょう に配置 はいち された高性能 こうせいのう 爆 ばく 薬 やく により球形 きゅうけい に圧縮 あっしゅく され、連鎖 れんさ 反応 はんのう を起 お こして核分裂 かくぶんれつ エネルギーを発生 はっせい させる。
セカンダリーは通常 つうじょう 、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう とその他 た の材料 ざいりょう との円筒 えんとう 形 がた 積層 せきそう 構造 こうぞう になっている。円筒 えんとう のいちばん外側 そとがわ は“プッシャー・タンパー”という部分 ぶぶん で、ウラン238 (劣化 れっか ウラン )や鉛 なまり で出来 でき ており、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう の圧縮 あっしゅく を助 たす ける働 はたら きをする(ウランの場合 ばあい には、最終 さいしゅう 的 てき に自身 じしん も核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう を起 お こす)。核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう 部分 ぶぶん は通常 つうじょう 重水素 じゅうすいそ 化 か リチウム で構成 こうせい される。この理由 りゆう は極 ごく 低温 ていおん の必要 ひつよう がある液化 えきか 重水素 じゅうすいそ /三 さん 重水素 じゅうすいそ を使用 しよう するよりも兵器 へいき としての運用 うんよう が遙 はる かに容易 ようい なためである(比較 ひかく として、液化 えきか 三 さん 重水素 じゅうすいそ を使用 しよう したアイビー作戦 さくせん マイク実験 じっけん と、重水素 じゅうすいそ 化 か リチウムを使用 しよう したキャッスル作戦 さくせん ブラボー実験 じっけん があげられる)。重水素 じゅうすいそ 化 か リチウムを用 もち いたものは、乾式 かんしき と呼 よ ばれる。この"乾式 かんしき "燃料 ねんりょう にプライマリーからの中性子 ちゅうせいし が当 あ たると三 さん 重水素 じゅうすいそ が発生 はっせい する。この重 おも い水素 すいそ の同位 どうい 体 たい は、燃料 ねんりょう に含 ふく まれている重水素 じゅうすいそ と共 とも に核 かく 融合 ゆうごう を起 お こす(核 かく 融合 ゆうごう 時 じ の技術 ぎじゅつ 的 てき な振 ふ る舞 ま いに関 かん しては、核 かく 融合 ゆうごう 記事 きじ を参照 さんしょう のこと)。積層 せきそう 燃料 ねんりょう の中心 ちゅうしん 部 ぶ には“スパーク・プラグ”と呼 よ ばれる部分 ぶぶん があり、ここには意図 いと 的 てき に“空気 くうき の泡 あわ ”が入 い れられた核分裂 かくぶんれつ 物質 ぶっしつ (プルトニウム239、またはウラン235)があり、この部分 ぶぶん もプライマリーの爆発 ばくはつ により圧縮 あっしゅく されると核分裂 かくぶんれつ を起 お こす(圧縮 あっしゅく により臨界 りんかい 量 りょう を超 こ える様 よう に設計 せっけい されているため)。さらにターシャリーを設置 せっち する場合 ばあい には、セカンダリーと同等 どうとう の構造 こうぞう のものを、プライマリー=セカンダリーと同等 どうとう の位置 いち 関係 かんけい で、外側 そとがわ に設置 せっち する[ 4] [ 5] 。
プライマリーとセカンダリーの二 に 重 じゅう 構造 こうぞう となっている理由 りゆう は、その中間 ちゅうかん 段階 だんかい にある。核分裂 かくぶんれつ を起 お こすプライマリーは3種 しゅ のエネルギー(高温 こうおん 高 だか 圧 あつ のガス、強力 きょうりょく な電磁波 でんじは 、大量 たいりょう の中性子 ちゅうせいし )を発生 はっせい する。この中間 ちゅうかん 部分 ぶぶん の存在 そんざい により、プライマリーからセカンダリーへの核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう 発生 はっせい のための必要 ひつよう なエネルギー変換 へんかん を行 おこ なわれている。この部分 ぶぶん は高熱 こうねつ のガス、電磁波 でんじは 、および中性子 ちゅうせいし を正 ただ しい方向 ほうこう に正 ただ しいタイミングで送 おく り出 だ すために重要 じゅうよう である。中間 なかま 部分 ぶぶん を持 も たない構造 こうぞう では、セカンダリーは完全 かんぜん には起爆 きばく しない場合 ばあい が多 おお く、この状態 じょうたい は“フィズル”として知 し られている。キャッスル作戦 さくせん の“クーン実験 じっけん ”は良 よ い例 れい で、高 こう 圧 あつ ガスによるセカンダリーの圧縮 あっしゅく がまだ不十分 ふじゅうぶん な内 うち に大量 たいりょう の中性子 ちゅうせいし 放射 ほうしゃ が始 はじ まってしまい、結果 けっか として核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう を阻害 そがい してしまった。
公開 こうかい されている文書 ぶんしょ の中 なか では、この中間 ちゅうかん 段階 だんかい に関 かん する記載 きさい は極 ごく く少 すこ ししか無 な い。その中 なか でもベストなのは、米国 べいこく のW76 型 かた 核弾頭 かくだんとう によく似 に たイギリスの熱 ねつ 核 かく 爆 ばく 弾 だん の簡略 かんりゃく 構造 こうぞう 図 ず である。これはグリーンピース によって"Dual Use Nuclear Technology" と言 い う名称 めいしょう で報告 ほうこく されている [1]
(清書 せいしょ 版 ばん はこちら [2] )。この構造 こうぞう 図 ず には、主 おも な部品 ぶひん とその配置 はいち が描 えが かれているが、詳細 しょうさい についてはほとんどが欠 か けている(この部分 ぶぶん は故意 こい に省略 しょうりゃく された可能 かのう 性 せい が高 たか い)。これらは“終端 しゅうたん キャップと中性子 ちゅうせいし 集束 しゅうそく レンズ”、および“反射 はんしゃ 板 ばん 覆 おお い”と表記 ひょうき されている。中間 なかま 部分 ぶぶん には、プライマリーからスパーク・プラグへの中性子 ちゅうせいし の通路 つうろ と、セカンダリーへのX線 せん の反射 はんしゃ 通路 つうろ がある。一般 いっぱん 的 てき に全体 ぜんたい を包 つつ む容器 ようき は、ウラン等 とう のX線 せん を通 とお さない物質 ぶっしつ で造 つく られる。ただしここはプライマリーからのX線 せん を鏡 かがみ の様 よう にを反射 はんしゃ するのではなく、代 か わりにX線 せん によって高温 こうおん 状態 じょうたい になり、X線 せん をムラ無 な くセカンダリーに伝 つた える(この現象 げんしょう は“放射 ほうしゃ 爆 ばく 縮 ちぢみ ”として知 し られている)。次 つぎ に“反射 はんしゃ 材 ざい /中性子 ちゅうせいし 銃砲 じゅうほう 架 か ”は、中央 ちゅうおう にある中性子 ちゅうせいし 集束 しゅうそく レンズとプライマリー側 がわ の全体 ぜんたい ケースとの隙間 すきま を埋 う め、X線 せん の反射 はんしゃ 材 ざい として機能 きのう している間 あいだ はプライマリーとセカンダリーを分離 ぶんり させ、中性子 ちゅうせいし 銃砲 じゅうほう 架 か のうちのおよそ6個 こ (詳細 しょうさい はサンディア国立 こくりつ 研究所 けんきゅうじょ [3] を参照 さんしょう )は各々 おのおの の一端 いったん と共 とも に反射 はんしゃ 材 ざい の外側 そとがわ に突 つ き抜 ぬ けて砲 ほう 架 か に留 と められ、反射 はんしゃ 板 ばん 覆 おお いの周囲 しゅうい に均等 きんとう に配置 はいち される。しかしながら各々 おのおの は、隣 となり のものよりも高 たか い位置 いち に傾 かたむ いて取 と り付 つ けられている(これは銃身 じゅうしん のライフリング に似 に ている)(“ポリスチレン の偏 へん 光 こう プリズム /プラズマ源 げん ”は以下 いか を参照 さんしょう のこと)。
米国 べいこく 政府 せいふ の文書 ぶんしょ で中間 ちゅうかん 段階 だんかい に関 かん して最初 さいしょ に解説 かいせつ されたのは、公開 こうかい された高信頼 こうしんらい 性 せい 代替 だいたい 核弾頭 かくだんとう (Reliable Replacement Warhead)の中 なか である。この文書 ぶんしょ では、機構 きこう 単位 たんい でみた"RRW" の潜在 せんざい 的 てき 優位 ゆうい 性 せい について述 の べられており、中間 なかま 段階 だんかい 方式 ほうしき の“有害 ゆうがい 物質 ぶっしつ 、不安定 ふあんてい な物質 ぶっしつ 、そして高価 こうか で特別 とくべつ な材料 ざいりょう ”を置 お き換 か える“特別 とくべつ な機構 きこう ”を有 ゆう するとしている[ 6] 。
この“有害 ゆうがい で不安定 ふあんてい な物質 ぶっしつ ”とはベリリウム を指 さ しており、これはプライマリーからの中性子 ちゅうせいし の流 なが れを加減 かげん するものと広 ひろ く知 し られている。またX線 せん の吸収 きゅうしゅう と再 さい 放射 ほうしゃ のためにも、いくつかの物質 ぶっしつ が使 つか われている[ 7] 。
特別 とくべつ な材料 ざいりょう としては、非公式 ひこうしき なコードネーム で“フォグバンク(Fogbank)”と呼 よ ばれるものがあるが、これは物質 ぶっしつ ではなく構造 こうぞう 部品 ぶひん であると考 かんが えられている。この構造 こうぞう 部品 ぶひん はエアロゲル である可能 かのう 性 せい が指摘 してき されている。しかしながらこの生産 せいさん は、もう何 なん 年 ねん も行 おこな われていないが、“核兵器 かくへいき の延命 えんめい 作業 さぎょう ”には生産 せいさん 再開 さいかい を必要 ひつよう としている(唯一 ゆいいつ アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく エネルギ えねるぎ ー省 しょう の国家 こっか 核 かく 安全 あんぜん 保障 ほしょう 局 きょく Y-12プラント(テネシー州 しゅう オークリッジ )のみが供給 きょうきゅう 可能 かのう な工場 こうじょう である)。この製造 せいぞう には有害 ゆうがい で不安定 ふあんてい なアセトニトリル を必要 ひつよう とし、これは作業 さぎょう 者 しゃ に危険 きけん が及 およ ぶ可能 かのう 性 せい がある(2006年 ねん 3月 がつ には、3度 ど の事故 じこ を起 お こしている)[ 8] 。
上記 じょうき の内容 ないよう を簡略 かんりゃく 化 か すると、以下 いか の様 よう になる。
まずプライマリーとして、爆 ばく 縮 ちぢみ 型 がた の核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん が爆発 ばくはつ する。核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう の効率 こうりつ を高 たか めるためにプライマリー・コアに核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう も使用 しよう することは、反応 はんのう の“増強 ぞうきょう (Boosting)”と呼 よ ばれる。極 ごく 少量 しょうりょう の三 さん 重水素 じゅうすいそ ガスがブースター用 よう として、プライマリー内部 ないぶ に入 い れられていた場合 ばあい 、三重 みえ 水素 すいそ は核分裂 かくぶんれつ 爆発 ばくはつ により圧縮 あっしゅく されて核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう が発生 はっせい する。この核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう は核 かく 出力 しゅつりょく にほとんど寄与 きよ しないが、効率 こうりつ 的 てき に中性子 ちゅうせいし を発生 はっせい させる。この中性子 ちゅうせいし が核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう のブースターとして作用 さよう し、発生 はっせい した中性子 ちゅうせいし はプライマリー内 ない のウラン235やプルトニウム239にさらなる核分裂 かくぶんれつ を起 お こさせる。このブースティングにより、核分裂 かくぶんれつ 燃料 ねんりょう の反応 はんのう する割合 わりあい を向上 こうじょう させることができる(この増強 ぞうきょう 手法 しゅほう を使 つか わなかったため、リトルボーイ では1.4%、ファットマン では14%が実際 じっさい に反応 はんのう を起 お こした部分 ぶぶん であると言 い われている)。
プライマリーで発生 はっせい したエネルギーは、セカンダリーの核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう 部分 ぶぶん に転送 てんそう される。しかしながら、転送 てんそう の正確 せいかく な仕組 しく みは不明 ふめい である(この仕組 しく みに関 かん する推測 すいそく は下記 かき を参照 さんしょう のこと)。転送 てんそう されたエネルギーは、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう およびスパーク・プラグを外側 そとがわ から圧縮 あっしゅく する(圧縮 あっしゅく されたスパーク・プラグは臨界 りんかい に達 たっ し、核分裂 かくぶんれつ 連鎖 れんさ 反応 はんのう を起 お こす。この反応 はんのう で出 で る熱 ねつ は、圧縮 あっしゅく された核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう をさらに加熱 かねつ し、核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう が起 お こるに十分 じゅうぶん な温度 おんど にまで燃料 ねんりょう の温度 おんど を上昇 じょうしょう させる。さらにスパーク・プラグの核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう は中性子 ちゅうせいし を発生 はっせい し、これが核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう 中 ちゅう のリチウムから核 かく 融合 ゆうごう を起 お こす三 さん 重水素 じゅうすいそ を生成 せいせい させる)。一般 いっぱん 的 てき には、一定 いってい の容積 ようせき 内 ない にある気体 きたい 分子 ぶんし の運動 うんどう エネルギー が上昇 じょうしょう すると、気体 きたい の温度 おんど と圧力 あつりょく が上昇 じょうしょう する(これは一般 いっぱん 的 てき な気体 きたい の振 ふ る舞 ま いである)。
セカンダリーの核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう は、通常 つうじょう は劣化 れっか ウラン や天然 てんねん ウラン のタンパー/プッシャーに囲 かこ まれており、この部分 ぶぶん のウラン238は通常 つうじょう の核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん で発生 はっせい する中性子 ちゅうせいし では核分裂 かくぶんれつ を起 お こさないが、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう が反応 はんのう を起 お こした際 さい に発生 はっせい する高速 こうそく 中性子 ちゅうせいし では核分裂 かくぶんれつ を起 お こし、場合 ばあい によっては核 かく 融合 ゆうごう によるエネルギー以上 いじょう のエネルギーを発生 はっせい させる。
実際 じっさい の熱 ねつ 核兵器 かくへいき のデザインは多様 たよう である。例 たと えば、プライマリーで核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう のブースティング機構 きこう を使 つか うか使 つか わないか、異 こと なった種類 しゅるい の核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう を使 つか うか、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう の周囲 しゅうい を劣化 れっか ウランや天然 てんねん ウランではなくベリリウム(または中性子 ちゅうせいし を反射 はんしゃ する材料 ざいりょう )を使用 しよう し、さらなる核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう が起 お こる事 こと を抑制 よくせい する等 ひとし がある。
テラー・ウラム型 がた の基本 きほん 的 てき な考 かんが えは、核分裂 かくぶんれつ や核 かく 融合 ゆうごう (またはその両方 りょうほう )の各 かく “段階 だんかい ”がエネルギーを放射 ほうしゃ し、これを次 つぎ の段階 だんかい の起爆 きばく に使用 しよう するというものである。プライマリーで発生 はっせい したエネルギーを正 まさ しくセカンダリーに伝 つた える方法 ほうほう に関 かん しては、いくつかの異 こと なる論議 ろんぎ があるが、主 おも にプライマリーの核分裂 かくぶんれつ で放射 ほうしゃ されるX線 せん を転送 てんそう することで行 おこな っていると考 かんが えられている。この転送 てんそう されたエネルギーはセカンダリーを圧縮 あっしゅく することに使 つか われるが、この方法 ほうほう に関 かん しては5つの理論 りろん が提案 ていあん されている。
プライマリーの核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう による中性子 ちゅうせいし の放射 ほうしゃ を使用 しよう する方法 ほうほう 。これは“スタニスワフ・ウラム”の最初 さいしょ の提案 ていあん だと言 い われているが、正 まさ しく機能 きのう しなかったために破棄 はき された。
プライマリーの爆発 ばくはつ による衝撃波 しょうげきは を使用 しよう する方法 ほうほう 。これはスタニスワフ・ウラムの2番目 ばんめ の提案 ていあん だと言 い われているが、やはり正 ただ しく機能 きのう しなかったために破棄 はき された。
X線 せん による放射 ほうしゃ 圧力 あつりょく を使用 しよう する方法 ほうほう 。この方法 ほうほう は最初 さいしょ の実用 じつよう 案 あん であったが、米国 べいこく 人 じん ジャーナリスト のハワード・モーランド により The Progressive 誌上 しじょう で公開 こうかい されてしまった。
X線 せん により、容器 ようき 内 ない の充填 じゅうてん 物 ぶつ (ポリスチレン)からプラズマ を発生 はっせい させる方法 ほうほう 。これは米国 べいこく 人 じん の研究 けんきゅう 家 か チャック・ハンセン により公開 こうかい され、後年 こうねん になってからはハワード・モーランドもこちらに賛同 さんどう した。
タンパー・プッシャー蒸発 じょうはつ 圧力 あつりょく 法 ほう 。これが現在 げんざい 、実際 じっさい に使 つか われている機構 きこう だと考 かんが えられている。
放射 ほうしゃ 圧力 あつりょく 法 ほう は、密閉 みっぺい された容器 ようき 内 ない で大量 たいりょう のX線 せん 光子 こうし が発生 はっせい することで機能 きのう し、セカンダリーの核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう を圧縮 あっしゅく する。全体 ぜんたい の大 おお きさとプライマリーの特色 とくしょく として、2つの熱 ねつ 核 かく 爆 ばく 弾 だん が良 よ く知 し られている。この一 ひと つはアイビー作戦 さくせん の“マイク実験 じっけん ”であり、もう一 ひと つはB61 型 かた 核 かく 爆 ばく 弾 だん のバリエーションである(巡航 じゅんこう ミサイル用 よう の)最新 さいしん のW80 型 かた 核弾頭 かくだんとう である。マイク実験 じっけん での放射 ほうしゃ 圧力 あつりょく は7,300万 まん バール (7.3テラ パスカル )であったのに対 たい し、W80では14億 おく バール(140テラパスカル)にもなっている。[ 9]
発泡 はっぽう 剤 ざい プラズマ圧力 あつりょく 法 ほう は、チャック・ハンセンにより開発 かいはつ 段階 だんかい で提案 ていあん されたもので、これは熱 ねつ 核兵器 かくへいき の容器 ようき 内 ない に充填 じゅうてん する発泡 はっぽう 剤 ざい に関 かん する調査 ちょうさ 資料 しりょう (現在 げんざい は機密 きみつ 解除 かいじょ されている)を基 もと にしている。
発泡 はっぽう 剤 ざい を使用 しよう した熱 ねつ 核兵器 かくへいき の起爆 きばく 構造 こうぞう は以下 いか の様 よう になる。
プライマリー内 ない のコアの周囲 しゅうい を囲 かこ んでいる高性能 こうせいのう 爆薬 ばくやく は、爆発 ばくはつ すると核分裂 かくぶんれつ 燃料 ねんりょう を臨界 りんかい まで圧縮 あっしゅく し、核分裂 かくぶんれつ 連鎖 れんさ 反応 はんのう を開始 かいし させる。
プライマリーの核分裂 かくぶんれつ によりX線 せん が放射 ほうしゃ されるが、これは爆 ばく 弾 だん の容器 ようき 部分 ぶぶん により内側 うちがわ に反射 はんしゃ され、ポリスチレンの発泡 はっぽう 剤 ざい に放射 ほうしゃ される(X線 せん の反射 はんしゃ の意味 いみ については、下図 したず を参照 さんしょう のこと)。
X線 せん を浴 あ びた発泡 はっぽう 剤 ざい は相 あい 転移 てんい を起 お こして高温 こうおん のプラズマ になり、これはセカンダリーに向 む かって行 い き“タンパー”を強力 きょうりょく に圧縮 あっしゅく する。この圧縮 あっしゅく により、“スパーク・プラグ”内 ない でも核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう が開始 かいし される。
プライマリー起源 きげん のプラズマ(外側 そとがわ )とスパーク・プラグ(内側 うちがわ )の両方 りょうほう から圧縮 あっしゅく されることで、“重水素 じゅうすいそ 化 か リチウム”燃料 ねんりょう は高温 こうおん ・高 こう 圧 あつ の熱 ねつ 核 かく 反応 はんのう を起 お こす状態 じょうたい にまで加熱 かねつ ・圧縮 あっしゅく される。また中性子 ちゅうせいし の放射 ほうしゃ も受 う けることで、リチウム6 の原子 げんし は2つの三 さん 重水素 じゅうすいそ 原子 げんし に分裂 ぶんれつ する。そして三 さん 重水素 じゅうすいそ と重水素 じゅうすいそ が核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう を始 はじ め、さらなる中性子 ちゅうせいし と膨大 ぼうだい な量 りょう のエネルギーを放射 ほうしゃ する。
核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう を始 はじ めた燃料 ねんりょう は多量 たりょう の高速 こうそく 中性子 ちゅうせいし を発生 はっせい し、これはウラン238で出来 でき たタンパー、および爆 ばく 弾 だん の容器 ようき に放射 ほうしゃ され、ウラン238は核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう を始 はじ める(デザインによっては、全体 ぜんたい の爆発 ばくはつ エネルギーの約 やく 半分 はんぶん が、この核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう によって発生 はっせい する)。
これは完全 かんぜん な“核分裂 かくぶんれつ -核 かく 融合 ゆうごう -核分裂 かくぶんれつ ”反応 はんのう となる。核分裂 かくぶんれつ とは異 こと なり、核 かく 融合 ゆうごう は比較的 ひかくてき “クリーン”な反応 はんのう で、エネルギーは発生 はっせい するが有害 ゆうがい な放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ や多量 たりょう の放射 ほうしゃ 性 せい 降下 こうか 物 ぶつ は発生 はっせい させない。しかし(特 とく に最後 さいご の)核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう は、莫大 ばくだい な量 りょう の放射 ほうしゃ 性 せい 降下 こうか 物 ぶつ を発生 はっせい させる。もしウラン製 せい タンパーの材料 ざいりょう を鉛 なまり に変更 へんこう し、最後 さいご の核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう を起 お こさない様 よう にすれば、核 かく 爆発 ばくはつ の核 かく 出力 しゅつりょく は約 やく 半分 はんぶん になるが、放射 ほうしゃ 性 せい 降下 こうか 物 ぶつ は比較的 ひかくてき 少 すく ない量 りょう に抑 おさ えることが出来 でき る。
発泡 はっぽう 剤 ざい プラズマ機構 きこう での起爆 きばく 手順 てじゅん A.起爆 きばく 前 まえ の核弾頭 かくだんとう :プライマリー(核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん )が上側 うわがわ 、セカンダリー(核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう )が下 した 側 がわ 、両方 りょうほう ともポリスチレンの発泡 はっぽう 剤 ざい により固定 こてい されている。 B.プライマリーで高性能 こうせいのう 爆薬 ばくやく が爆発 ばくはつ し、プルトニウムの核 かく が臨界 りんかい 量 りょう まで圧縮 あっしゅく され核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう が始 はじ まる。 C.プライマリーの核分裂 かくぶんれつ はX線 せん を放射 ほうしゃ し、X線 せん は核弾頭 かくだんとう 容器 ようき の内側 うちがわ へ散乱 さんらん し、ポリスチレンの発泡 はっぽう 剤 ざい に放射 ほうしゃ される。 D.ポリスチレンの発泡 はっぽう 剤 ざい はプラズマに相 あい 転移 てんい してセカンダリーを圧縮 あっしゅく し、プルトニウム製 せい のスパーク・プラグが核分裂 かくぶんれつ を始 はじ める。 E.圧縮 あっしゅく と加熱 かねつ により、重水素 じゅうすいそ 化 か リチウム6の燃料 ねんりょう は三 さん 重水素 じゅうすいそ を生成 せいせい し、核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう が始 はじ まる。中性子 ちゅうせいし の放射 ほうしゃ はタンパーのウラン238の核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう を起 お こさせ、火 ひ 球 だま の生成 せいせい が始 はじ まる。
現在 げんざい の発泡 はっぽう 剤 ざい プラズマ圧縮 あっしゅく 法 ほう に対 たい する技術 ぎじゅつ 的 てき 評価 ひょうか は、同様 どうよう の高 こう エネルギー物理 ぶつり 学 がく 分野 ぶんや からの機密 きみつ 解除 かいじょ された分析 ぶんせき 結果 けっか に焦点 しょうてん が移 うつ っている。この分析 ぶんせき によると、この様 よう なプラズマによる圧縮 あっしゅく 法 ほう では放射 ほうしゃ 性 せい 容器 ようき 内 ない での中性子 ちゅうせいし の発生 はっせい 効率 こうりつ が低 ひく く、また発泡 はっぽう 剤 ざい がプライマリーからのγ線 がんません とX線 せん の吸収 きゅうしゅう 効果 こうか も低 ひく いことが知 し られている。プライマリーで発生 はっせい したエネルギーの多 おお くは、核弾頭 かくだんとう 容器 ようき の壁 かべ やタンパーの放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ に吸収 きゅうしゅう されてしまう。この吸収 きゅうしゅう されたエネルギーは、後述 こうじゅつ する“蒸発 じょうはつ (アブレーション)” 作用 さよう を起 お こさせると分析 ぶんせき されている。
しかしながら、トリウム やウランの様 よう な大 おお きい原子 げんし 量 りょう の塩類 えんるい を染 し み込 こ ませたエアロゲル型 がた 材料 ざいりょう は、プライマリーからのX線 せん の高 たか い吸収 きゅうしゅう 効果 こうか を発揮 はっき し、発泡 はっぽう 剤 ざい のプラズマ圧力 あつりょく がセカンダリーを放射 ほうしゃ 圧縮 あっしゅく させることを可能 かのう にする。
タンパー・プッシャー蒸発 じょうはつ 圧力 あつりょく 法 ほう [ 編集 へんしゅう ]
第 だい 3に提案 ていあん された方法 ほうほう は、プライマリーによる圧縮 あっしゅく 機構 きこう がセカンダリーの外部 がいぶ 層 そう であるタンパー・プッシャー部 ぶ や、重金属 じゅうきんぞく 製 せい の核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう の容器 ようき に対 たい し、強力 きょうりょく なX線 せん を放射 ほうしゃ しこれらを超 ちょう 高温 こうおん にしてアブレーション させる。これらの部分 ぶぶん はセカンダリーの外側 そとがわ 向 む けてに爆発 ばくはつ 的 てき に膨張 ぼうちょう し、その反動 はんどう でタンパーは内側 うちがわ へ凄 すさ まじい速度 そくど で押 お し込 こ まれ、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう とスパーク・プラグ部分 ぶぶん を強力 きょうりょく に圧縮 あっしゅく する。
蒸発 じょうはつ 機構 きこう による起爆 きばく の手順 てじゅん . 1.起爆 きばく 前 まえ の核弾頭 かくだんとう 。上側 うわがわ にある階層 かいそう 状 じょう の球体 きゅうたい がプライマリーの核分裂 かくぶんれつ 部 ぶ である。下 した 側 がわ にある円筒 えんとう 状 じょう の物体 ぶったい が、セカンダリーの核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう である。 2.プライマリーで高性能 こうせいのう 爆薬 ばくやく が起爆 きばく され、核分裂 かくぶんれつ 性 せい のコアが爆 ばく 縮 ちぢみ される。 3.プライマリーの核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう が始 はじ まる。核 かく の温度 おんど は数 すう 百 ひゃく 万 まん ℃に上昇 じょうしょう し、γ線 がんません と強力 きょうりょく なX線 せん が放射 ほうしゃ され、ホールラウム の内部 ないぶ 、およびセカンダリーの容器 ようき とタンパーを加熱 かねつ する。 4.プライマリーの核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう は終了 しゅうりょう し、爆発 ばくはつ が始 はじ まる。セカンダリーのプッシャー表面 ひょうめん は高温 こうおん になり、結果 けっか 的 てき に蒸発 じょうはつ して膨張 ぼうちょう し、その反動 はんどう でタンパー、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう 、および核分裂 かくぶんれつ 性 せい のスパーク・プラグを内側 うちがわ に圧縮 あっしゅく する。この結果 けっか 、スパーク・プラグは核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう を開始 かいし する。なおイラストには描 えが かれていないが、セカンダリーの放射 ほうしゃ 性 せい 容器 ようき も同時 どうじ に蒸発 じょうはつ し、外側 そとがわ に向 む けて膨張 ぼうちょう する(イラストを分 わ かり易 やす くするために除外 じょがい している)。 5.セカンダリーの燃料 ねんりょう が核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう を開始 かいし して、火 ひ 球 だま の生成 せいせい が始 はじ まる。
重金属 じゅうきんぞく の蒸発 じょうはつ による効果 こうか の概算 がいさん は、比較的 ひかくてき 容易 ようい である。プライマリーが供給 きょうきゅう するエネルギーは、セカンダリーの容器 ようき 全面 ぜんめん に対 たい して均等 きんとう であり、各 かく 部分 ぶぶん が熱 ねつ 平衡 へいこう になるため、熱 ねつ エネルギーによる効果 こうか を解析 かいせき することが出来 でき る。プライマリーが発生 はっせい したエネルギーのほとんどは、1つの光学 こうがく 的 てき 深度 しんど を持 も つX線 せん によってタンパー・プッシャー外壁 がいへき 面 めん に伝 つた えられるので、その部分 ぶぶん の温度 おんど を計算 けいさん することが可能 かのう になる。外壁 がいへき 面 めん が蒸発 じょうはつ して膨張 ぼうちょう することによって発生 はっせい する、タンパーの内側 うちがわ への移動 いどう 速度 そくど は、基本 きほん 的 てき なニュートン力学 りきがく により計算 けいさん することが出来 でき る。
この計算 けいさん 方法 ほうほう をアイビー作戦 さくせん のマイク実験 じっけん に適用 てきよう すると、タンパーが蒸発 じょうはつ して膨張 ぼうちょう 力 りょく する速度 そくど は秒速 びょうそく 290km(およそマッハ 850)になり、内側 うちがわ への圧縮 あっしゅく 速度 そくど は秒速 びょうそく 400km(およそマッハ1,180)になる(タンパー・プッシャーの75%が蒸発 じょうはつ すると仮定 かてい した場合 ばあい 。これは最 もっと も効率 こうりつ が良 よ くなる条件 じょうけん である)。これがW80核弾頭 かくだんとう の場合 ばあい には、ガスの膨張 ぼうちょう 速度 そくど はおよそ秒速 びょうそく 410km(マッハ1,210)、内側 うちがわ への圧縮 あっしゅく 速度 そくど は秒速 びょうそく 570km(マッハ1,680)になる。タンパーの蒸発 じょうはつ による圧力 あつりょく を計算 けいさん すると、マイク実験 じっけん では53億 おく バール(530テラパスカル)、W80では640億 おく バール(6.4ペタ パスカル)になる[ 9] 。
上記 じょうき 3種 しゅ の圧力 あつりょく 法 ほう をアイビー作戦 さくせん マイク実験 じっけん 、およびW80に適用 てきよう すると、以下 いか の様 よう になる。
放射 ほうしゃ 圧力 あつりょく 法 ほう
マイク実験 じっけん :7,300万 まん バール(7.3テラパスカル)
W80核弾頭 かくだんとう : 14億 おく バール(140テラパスカル)
プラズマ圧力 あつりょく 法 ほう
マイク実験 じっけん :3億 おく 5千 せん 万 まん バール(35テラパスカル)
W80核弾頭 かくだんとう :75億 おく バール(750テラパスカル)
蒸発 じょうはつ 圧力 あつりょく 法 ほう
マイク実験 じっけん :53億 おく バール(530テラパスカル)
W80核弾頭 かくだんとう :640億 おく バール(6.4ペタパスカル)
蒸発 じょうはつ 圧力 あつりょく 法 ほう による計算 けいさん 結果 けっか は、プラズマ圧力 あつりょく 法 ほう より1桁 けた 以上 いじょう 大 おお きく、また放射 ほうしゃ 圧力 あつりょく 法 ほう より2桁 けた 近 ちか く大 おお きな値 ね である。放射 ほうしゃ 性 せい の容器 ようき やタンパーがエネルギーを吸収 きゅうしゅう することを防 ふせ ぐ方法 ほうほう が無 む ということは、これらの蒸発 じょうはつ は明 あき らかに避 さ けられないということを示 しめ している。蒸発 じょうはつ 圧力 あつりょく 法 ほう 以外 いがい の方法 ほうほう は、必要 ひつよう ない様 よう に見 み える。
アメリカ国防総省 こくぼうそうしょう の機密 きみつ 解除 かいじょ された正式 せいしき 文書 ぶんしょ では、発泡 はっぽう プラスチック剤 ざい は恐 おそ らく放射 ほうしゃ 性 せい 容器 ようき の内部 ないぶ に使用 しよう されていると述 の べている。プラズマ圧力 あつりょく の効果 こうか が低 ひく いにもかかわらずこれが使用 しよう されているのは、エネルギーが全体 ぜんたい に均等 きんとう に行 い き渡 わた るまで重金属 じゅうきんぞく の蒸発 じょうはつ を遅 おく らせ、十分 じゅうぶん な量 りょう の拡散 かくさん 物質 ぶっしつ がタンパー・プッシャーまで届 とど く時間 じかん を確保 かくほ するためとされている[ 10] 。
兵器 へいき のデザインとして、いくつかの異 こと なった案 あん が採用 さいよう された。
タンパー、または容器 ようき のどちらか一方 いっぽう に、最終 さいしゅう 段階 だんかい の核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう 用 よう としてウラン238を使用 しよう する案 あん 。
いくつかの細 こま かい案 あん の中 なか から、プライマリーからの過剰 かじょう な中性子 ちゅうせいし を押 お さえる構造 こうぞう を追加 ついか する案 あん 。
容器 ようき の内側 うちがわ をX線 せん を反射 はんしゃ する特別 とくべつ な機構 きこう にする案 あん 。X線 せん の反射 はんしゃ 材 ざい は、光 ひかり を反射 はんしゃ する鏡 かがみ のようなものとは異 こと なり、反射 はんしゃ 材 ざい がX線 せん により高温 こうおん になって自身 じしん からX線 せん を発 はっ し、これをセカンダリーに伝 つた える動作 どうさ をする。
核 かく 融合 ゆうごう 装置 そうち のデザインとしては、大 おお きく分 わ けて2つのタイプが存在 そんざい する。1つは、実用 じつよう 化 か はされなかったが、重水素 じゅうすいそ を液化 えきか 冷却 れいきゃく して使用 しよう するもので、アイビー作戦 さくせん マイク実験 じっけん で使用 しよう されたタイプ(いわゆる湿式 しっしき 水爆 すいばく )。もう1つはいわゆる乾式 かんしき 水爆 すいばく と呼 よ ばれる、重水素 じゅうすいそ 化 か リチウムを用 もち いる方式 ほうしき である。またほとんどの水爆 すいばく はターシャリー部 ぶ を持 も たないが、核 かく 出力 しゅつりょく 25メガトンのB41型 がた 核 かく 爆 ばく 弾 だん は大 だい 出力 しゅつりょく であり、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の核兵器 かくへいき では唯一 ゆいいつ ターシャリーを持 も つものであった[ 11] 。
またソ連 それん も、史上 しじょう 最大 さいだい 級 きゅう の核 かく 出力 しゅつりょく 50メガトンを誇 ほこ るツァーリ・ボンバ で、多 た 段階 だんかい 式 しき の水爆 すいばく を採用 さいよう した(実際 じっさい の実験 じっけん は、2段階 だんかい 構造 こうぞう の水爆 すいばく で行 おこな った)。もし実際 じっさい の水爆 すいばく がテラー・ウラム型 がた を基 もと にした他 ほか の方式 ほうしき を採用 さいよう していたとすると、それは一般 いっぱん には知 し られていない方式 ほうしき で、以下 いか で述 の べる“スロイカ”方式 ほうしき 等 とう が考 かんが えられる。
重要 じゅうよう な点 てん は、テラー・ウラム型 がた では2つの点 てん でプライマリーの核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう に依存 いぞん していることである。1点 てん 目 め は、通常 つうじょう の(化学 かがく 的 てき )爆発 ばくはつ が核分裂 かくぶんれつ 性 せい の核 かく を圧縮 あっしゅく し、結果 けっか として起 お こる核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう の威力 いりょく は、化学 かがく 的 てき 爆発 ばくはつ に比 くら べて遙 はる かに大 おお きい点 てん である。2点 てん 目 め は、プライマリーの核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう で放出 ほうしゅつ される放射線 ほうしゃせん はセカンダリーの圧縮 あっしゅく と起爆 きばく に使用 しよう され、結果 けっか として起 お こる核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう の核 かく 出力 しゅつりょく は単独 たんどく の核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう と比 くら べて遙 はる かに大 おお きいという点 てん である。この圧縮 あっしゅく の連鎖 れんさ は、任意 にんい の数 かず のセカンダリーへと続 つづ き、最終 さいしゅう 的 てき に天然 てんねん ウラン製 せい タンパーの核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう に至 いた る(ただし、この最終 さいしゅう の核分裂 かくぶんれつ 反応 はんのう にはセカンダリーの核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう で放射 ほうしゃ される中性子 ちゅうせいし 束 たば が不可欠 ふかけつ である)。この様 よう なデザインでは任意 にんい に核 かく 出力 しゅつりょく の向上 こうじょう を図 はか ることが出来 でき るので、最終 さいしゅう 的 てき には“ドゥームスデイ・デバイス (皆殺 みなごろ し装置 そうち )”のレベルにまで上 あ げられる可能 かのう 性 せい を持 も っているが、通常 つうじょう の水爆 すいばく はほとんどが核 かく 出力 しゅつりょく 12メガトン以下 いか である。この理由 りゆう は、実存 じつぞん する最大 さいだい の標的 ひょうてき を破壊 はかい するためでも12メガトン以下 いか で十分 じゅうぶん であると考 かんが えられているためである。
熱 ねつ 核 かく 爆 ばく 弾 だん (水素 すいそ 爆 ばく 弾 だん )をより小 ちい さい核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん で起爆 きばく させる方法 ほうほう は、エンリコ・フェルミ によって提案 ていあん され、彼 かれ の同僚 どうりょう であったエドワード・テラーによって1941年 ねん にマンハッタン計画 けいかく としてスタートした。テラーは、彼 かれ に割 わ り当 あ てられた核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん の開発 かいはつ 計画 けいかく を多少 たしょう おろそかにしてでも、熱 ねつ 核 かく 爆 ばく 弾 だん の設計 せっけい 作業 さぎょう 方法 ほうほう を確立 かくりつ させるためにほとんどの労力 ろうりょく を費 つい やした。打 う ち合 あ わせでのテラーの難解 なんかい で異 こと を唱 とな える態度 たいど により、オッペンハイマー はテラーを核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん の開発 かいはつ から切 き り離 はな すことで、他 た の物理 ぶつり 学者 がくしゃ たちを高度 こうど な作業 さぎょう に専念 せんねん させてトラブルを回避 かいひ した。
1954年 ねん 3月 がつ 27日 にち に行 おこな われたキャッスル作戦 さくせん ロメオ核 かく 実験 じっけん
テラーの同僚 どうりょう であるスタニスワフ・ウラムは、動作 どうさ 可能 かのう な核 かく 融合 ゆうごう 兵器 へいき の設計 せっけい に向 む けた最初 さいしょ の重要 じゅうよう な概念 がいねん を作成 さくせい した。ウラムの行 おこな った2つの革新 かくしん は、核 かく 融合 ゆうごう 爆 ばく 弾 だん を実際 じっさい に動作 どうさ させるためのもので、核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう を超 ちょう 高温 こうおん に加熱 かねつ する前 まえ にまず圧縮 あっしゅく して核 かく 融合 ゆうごう に必要 ひつよう な状態 じょうたい を作 つく り出 だ すことであった。また多 た 段階 だんかい 式 しき の反応 はんのう をさせるため、核 かく 融合 ゆうごう 材料 ざいりょう を核分裂 かくぶんれつ 性 せい のプライマリーの外側 そとがわ に置 お き、何 なん らかの方法 ほうほう でセカンダリーを圧縮 あっしゅく させることであった。そしてテラーは、もし全 すべ ての部分 ぶぶん を“ホールラウム”か放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ の容器 ようき で包 つつ むことが出来 でき れば、プライマリーからのγ線 がんません とX線 せん の放射 ほうしゃ がセカンダリーの圧縮 あっしゅく と起爆 きばく に十分 じゅうぶん なエネルギーとなり得 え ることに気 き が付 つ いた。テラーと彼 かれ の支持 しじ 者 しゃ 、および反対 はんたい 論 ろん 者 しゃ は、ウラムの提案 ていあん した基本 きほん 的 てき な動作 どうさ 論理 ろんり に対 たい して討論 とうろん を行 おこな った。
1951年 ねん には、提案 ていあん された論理 ろんり に基 もと づいてグリーンハウス作戦 さくせん のジョージ核 かく 実験 じっけん がごく小 ちい さな規模 きぼ で実施 じっし され、この実験 じっけん によって論理 ろんり が正 ただ しく動作 どうさ することに対 たい する期待 きたい が確信 かくしん へと変 か わった。
1952年 ねん 11月1日 にち には、テラー・ウラム型 がた の本格 ほんかく 版 ばん としてアイビー作戦 さくせん のマイク実験 じっけん がエニウェトク環礁 かんしょう で行 おこな われ、核 かく 出力 しゅつりょく 10.4メガトン(第 だい 2次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 とき に長崎 ながさき に投下 とうか されたファットマン 型 かた 原爆 げんばく の450倍 ばい 以上 いじょう の威力 いりょく )を記録 きろく した。この実験 じっけん 装置 そうち はソーセージ と呼 よ ばれ、起爆 きばく 用 よう に巨大 きょだい な核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん が使用 しよう され、液化 えきか 重水素 じゅうすいそ 18トンを冷却 れいきゃく しながら液体 えきたい 状態 じょうたい に保 たも つ必要 ひつよう があったため、装置 そうち の総 そう 重量 じゅうりょう は70トンに及 およ んだ。
マイク実験 じっけん で使用 しよう した液化 えきか 重水素 じゅうすいそ 燃料 ねんりょう は、配備 はいび 可能 かのう な兵器 へいき としては非 ひ 実用 じつよう 的 てき で、次 つぎ の段階 だんかい では固体 こたい の重水素 じゅうすいそ リチウム核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう が代 か わりに使用 しよう された。1954年 ねん 3月 がつ 1日 にち 、この方式 ほうしき はキャッスル作戦 さくせん のブラボー実験 じっけん として実施 じっし され、核 かく 出力 しゅつりょく 15メガトンを記録 きろく した(実験 じっけん 装置 そうち はエビ と呼 よ ばれた)。なおこの実験 じっけん は、米国 べいこく が実施 じっし した核 かく 実験 じっけん の中 なか で最大 さいだい 規模 きぼ のものである。
米国 べいこく はすぐにテラー・ウラム型 がた 兵器 へいき の小型 こがた 化 か に着手 ちゃくしゅ し、ICBM やSLBM に搭載 とうさい 可能 かのう な形状 けいじょう にさせた。1960年 ねん には、メガトン級 きゅう の核弾頭 かくだんとう が0.5mの大 おお きさと、320kgの重量 じゅうりょう に抑 おさ えられ、W47 型 かた 核弾頭 かくだんとう [ 12] としてポラリス ミサイルに搭載 とうさい され潜水 せんすい 艦 かん に配備 はいび された。しかし後 のち になって、ポラリスミサイルには信頼 しんらい 性 せい に問題 もんだい があることがテストによって発見 はっけん され、設計 せっけい 変更 へんこう が必要 ひつよう になった。核弾頭 かくだんとう の小型 こがた 化 か は、1970年代 ねんだい 中盤 ちゅうばん にはほぼ完成 かんせい され、テラー・ウラム型 がた は10発 はつ もしくはそれ以上 いじょう の核弾頭 かくだんとう を搭載 とうさい したMIRV ミサイルとして発展 はってん した(詳細 しょうさい はW88 型 かた 核弾頭 かくだんとう を参照 さんしょう のこと)[ 3] 。
ソビエトが開発 かいはつ した最大 さいだい の水爆 すいばく “ツァーリ・ボンバ ”の模型 もけい 。この開発 かいはつ 目的 もくてき は、“多 た 段階 だんかい 式 しき ”爆 ばく 弾 だん の核 かく 出力 しゅつりょく は非常 ひじょう に大 おお きくすることが可能 かのう なことを示 しめ すためであった。
ソビエト初 はつ の核 かく 融合 ゆうごう 兵器 へいき は、1949年 ねん にアンドレイ・サハロフ とヴィタリー・ギンツブルク によって開発 かいはつ された。これは当時 とうじ “スロイカ” (後年 こうねん には“ロシアの重 かさ ねケーキ” )と呼 よ ばれた、テラー・ウラム型 がた ではない構造 こうぞう をしていた。この設計 せっけい は、核分裂 かくぶんれつ 物質 ぶっしつ と(重水素 じゅうすいそ に三 さん 重水素 じゅうすいそ を混入 こんにゅう した)水素 すいそ 化 か リチウム核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう を互 たが いに重 かさ ね合 あ わせたものであった(この構造 こうぞう は“サハロフの第 だい 1のアイディア” と呼 よ ばれた)。しかし核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう は厳密 げんみつ には達成 たっせい されたが、これには多 た 段階 だんかい 式 しき 兵器 へいき の持 も つ規模 きぼ を拡大 かくだい する機能 きのう は無 な かった。核 かく 融合 ゆうごう 層 そう は核分裂 かくぶんれつ 性 せい の核 かく を包 つつ み込 こ んでおり、核分裂 かくぶんれつ のエネルギーを多少 たしょう 増加 ぞうか させる働 はたら きをしていた(現在 げんざい のテラー・ウラム型 がた では、エネルギーを30倍 ばい にまで増 ふ やすことが可能 かのう である)。加 くわ えて全 すべ ての核 かく 融合 ゆうごう 層 そう は、爆 ばく 縮 ちぢみ 機能 きのう により核分裂 かくぶんれつ 性 せい の核 かく と共 とも に圧縮 あっしゅく させる必要 ひつよう があり、爆 ばく 縮 ちぢみ 用 よう の通常 つうじょう 爆薬 ばくやく も多量 たりょう に用意 ようい しなければならなかった。
最初 さいしょ の“スロイカ”構造 こうぞう の爆発 ばくはつ テストは1953年 ねん に行 おこな われたRDS-6 であり、核 かく 出力 しゅつりょく 400キロトンを記録 きろく した(このうちの15%〜20%が核 かく 融合 ゆうごう によるものであった)。しかしスロイカ構造 こうぞう を用 もち いて“メガトン級 きゅう ”の核 かく 出力 しゅつりょく を得 え ることは困難 こんなん であった。1952年 ねん に米国 べいこく が実施 じっし した“アイビー作戦 さくせん マイク実験 じっけん ”により、数 すう メガトン級 きゅう の爆 ばく 弾 だん が作 つく れることが証明 しょうめい されたため、ソビエトはさらなる構造 こうぞう の追求 ついきゅう を行 おこな った。サハロフが彼 かれ の記憶 きおく の中 なか で“第 だい 2のアイディア” と呼 よ ぶものは、1948年 ねん にギンツブルクによって提案 ていあん された水素 すいそ 化 か リチウムを爆 ばく 弾 だん に使 つか う方法 ほうほう で、人工 じんこう の三 さん 重水素 じゅうすいそ と天然 てんねん の重水素 じゅうすいそ を中性子 ちゅうせいし により起爆 きばく させるものであった[ 13] 。
1953年 ねん の終 お わりに物理 ぶつり 学者 がくしゃ “ビクトール・ダビデンコ”は、プライマリーとセカンダリーを爆 ばく 弾 だん の中 なか に分 わ けて設置 せっち するという“多 た 段階 だんかい 式 しき ”としての最初 さいしょ の突破口 とっぱこう を見 み つけた。次 つぎ の進展 しんてん は、1954年 ねん の春 はる にサハロフとヤーコフ・ゼルドビッチ により発見 はっけん ・開発 かいはつ されたもので、核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん から放射 ほうしゃ されるX線 せん をセカンダリー部 ぶ の圧縮 あっしゅく に使 つか うという方法 ほうほう (放射 ほうしゃ 圧縮 あっしゅく 法 ほう )であった。これは“サハロフの第 だい 3のアイディア” と呼 よ ばれ、ソビエトでのテラー・ウラム型 がた として知 し られており、1955年 ねん 11月にRDS-37 として実験 じっけん が行 おこな われ、核 かく 出力 しゅつりょく 1.6メガトンを記録 きろく した。
ソビエトは“多 た 段階 だんかい 式 しき ”の概念 がいねん として、1961年 ねん に巨大 きょだい で非 ひ 実用 じつよう 的 てき なツァーリ・ボンバ 実験 じっけん を行 おこな った。ツァーリ・ボンバは50メガトンの核 かく 出力 しゅつりょく を記録 きろく し、その内 うち の97%が核 かく 融合 ゆうごう によるものであった。ツァーリ・ボンバは人類 じんるい 史上 しじょう 最大 さいだい 出力 しゅつりょく の核 かく 爆 ばく 弾 だん であったが、実用 じつよう には大 おお き過 す ぎた。しかしながら爆 ばく 弾 だん は航空機 こうくうき によって実験 じっけん 場 じょう であるノヴァヤゼムリャ 上空 じょうくう まで運 はこ ばれ、空中 くうちゅう 投下 とうか された(詳細 しょうさい はツァーリ・ボンバの記事 きじ を参照 さんしょう のこと)。
キリスィマスィ島 とう で行 おこな われたイギリス初 はつ の水爆 すいばく 実験 じっけん グラップル作戦 さくせん
イギリス での水爆 すいばく 開発 かいはつ は、1954年 ねん にオルダーマストン に設立 せつりつ された核兵器 かくへいき 研究 けんきゅう 機関 きかん (Atomic Weapons Research Establishment, AWRE)で責任 せきにん 者 しゃ である“ウィリアム・ペニー”の下 した で始 はじ まった。当時 とうじ のイギリスが持 も っていた熱 ねつ 核 かく 融合 ゆうごう 爆 ばく 弾 だん に関 かん する知識 ちしき はごく初歩 しょほ 的 てき なものであったが、米国 べいこく は“1946年版 ねんばん 核 かく エネルギー法 ほう ”に基 もと づき核 かく に関 かん する知識 ちしき を提供 ていきょう しなかった。しかしながらイギリスは、米国 べいこく の実施 じっし したキャッスル作戦 さくせん に参加 さんか することを許可 きょか され、キノコ雲 くも の中 なか に標本 ひょうほん 採取 さいしゅ 用 よう の航空機 こうくうき を飛 と ばし、放射 ほうしゃ 圧縮 あっしゅく 法 ほう によるセカンダリーの圧縮 あっしゅく に関 かん する直接的 ちょくせつてき な証拠 しょうこ を手 て に入 い れた。
これらの困難 こんなん のため、1955年 ねん にイギリスの首相 しゅしょう であったアンソニー・イーデン は、もしアルダーマストンの科学 かがく 者 しゃ が核 かく 融合 ゆうごう 爆 ばく 弾 だん の開発 かいはつ を失敗 しっぱい したり、開発 かいはつ が大幅 おおはば に遅 おく れた際 さい には、代 か わりに大 だい 出力 しゅつりょく の核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん を使用 しよう するという機密 きみつ 計画 けいかく に同意 どうい した。
1957年 ねん にはグラップル作戦 さくせん が実施 じっし された。最初 さいしょ の実験 じっけん である“グリーン・グラナイト実験 じっけん ” は核 かく 融合 ゆうごう 爆 ばく 弾 だん の試作 しさく 品 ひん であったが、米国 べいこく やソ連 それん と比 くら べて予想 よそう された核 かく 出力 しゅつりょく を得 え ることが出来 でき ず、結果 けっか として得 え られた核 かく 出力 しゅつりょく は約 やく 300キロトンであった。第 だい 2の実験 じっけん である“オレンジ・ヘラルド実験 じっけん ” では、改良 かいりょう された核分裂 かくぶんれつ 爆 ばく 弾 だん が使用 しよう され、核 かく 出力 しゅつりょく 700キロトンを得 え た(これは核分裂 かくぶんれつ 爆発 ばくはつ の出力 しゅつりょく として史上 しじょう 最大 さいだい である)。当時 とうじ ほとんどの人 ひと (爆 ばく 弾 だん を投下 とうか した飛行機 ひこうき のパイロットを含 ふく む)は、これは核 かく 融合 ゆうごう 爆 ばく 弾 だん だと考 かんが えていた。この爆 ばく 弾 だん は、1958年 ねん に実戦 じっせん 配備 はいび された。第 だい 2の核 かく 融合 ゆうごう 爆 ばく 弾 だん の試作 しさく 品 ひん は、第 だい 3の実験 じっけん である“パープル・グラナイト実験 じっけん ” で使用 しよう されたが、この核 かく 出力 しゅつりょく は約 やく 150キロトンに過 す ぎなかった。
グラップル作戦 さくせん の第 だい 2シリーズは、1957年 ねん 9月 がつ に行 おこな われた。最初 さいしょ の実験 じっけん は新 あたら しいシンプルな設計 せっけい で、より強力 きょうりょく な起爆 きばく 用 よう の核 かく を持 も つ2段階 だんかい 式 しき 熱 ねつ 核 かく 爆 ばく 弾 だん が使用 しよう された。これはグラップル作戦 さくせん “ラウンドC” として11月8日 にち に実施 じっし され、核 かく 出力 しゅつりょく 1.8メガトンを記録 きろく した。1958年 ねん 4月 がつ 28日 にち には、イギリスが開発 かいはつ した最 もっと も強力 きょうりょく な爆 ばく 弾 だん が空中 くうちゅう 投下 とうか で実験 じっけん され、3メガトンの核 かく 出力 しゅつりょく を記録 きろく した。1958年 ねん 9月 がつ の2日 にち と11日 にち には最後 さいご の空中 くうちゅう 投下 とうか 実験 じっけん が行 おこな われ、各々 おのおの およそ1メガトンの核 かく 出力 しゅつりょく を記録 きろく した。
米国 べいこく の立会 たちあい 人 じん は、これらの実験 じっけん に招待 しょうたい されていた。これらメガトン級 きゅう 核 かく 実験 じっけん の成功 せいこう の後 のち に(そしてテラー・ウラム型 がた の機密 きみつ を実用 じつよう 化 か できる知識 ちしき として証明 しょうめい して見 み せたことで)、米国 べいこく は核兵器 かくへいき に関 かん する技術 ぎじゅつ をイギリスに提供 ていきょう することに同意 どうい し、1958年 ねん 米国 べいこく -イギリス相互 そうご 防衛 ぼうえい 合意 ごうい を引 ひ き出 だ した。両者 りょうしゃ の技術 ぎじゅつ 交流 こうりゅう を継続 けいぞく することに代 か えて、イギリスは米国 べいこく のW28核弾頭 かくだんとう の設計 せっけい 資料 しりょう を入手 にゅうしゅ することが許可 きょか され、そのコピー品 ひん が製造 せいぞう された。
その他 た の国 くに でのテラー・ウラム型 がた に関 かん する開発 かいはつ の詳細 しょうさい は、よく分 わ かっていない。
中国 ちゅうごく 初 はつ の核 かく 爆 ばく 弾 だん (模型 もけい )
中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく はテラー・ウラム型 がた 熱 ねつ 核兵器 かくへいき の核 かく 実験 じっけん を1967年 ねん 6月 がつ に“第 だい 6テスト ”として行 おこな い、核 かく 出力 しゅつりょく 3.31メガトンを記録 きろく した。これは中国 ちゅうごく 最初 さいしょ の核分裂 かくぶんれつ 兵器 へいき の実験 じっけん から32ヶ月 かげつ 後 ご のことであり、多 た 段階 だんかい 式 しき 核兵器 かくへいき の開発 かいはつ 期間 きかん としては最短 さいたん のものとして知 し られている。なお中国 ちゅうごく の熱 ねつ 核兵器 かくへいき に関 かん しては、少 すこ しのことしか分 わ かっていない。
フランス が開発 かいはつ したテラー・ウラム型 がた 熱 ねつ 核兵器 かくへいき については、ごく少 すこ しの内容 ないよう しか分 わ かっていないが、フランスは1968年 ねん 8月 がつ にカノープス作戦 さくせん として核 かく 出力 しゅつりょく 2.6メガトンの核 かく 実験 じっけん を行 おこな っている。
インド 最初 さいしょ の核 かく 実験 じっけん は1974年 ねん 5月 がつ 18日 にち に実施 じっし されたが、水爆 すいばく 実験 じっけん は1998年 ねん 5月 がつ 11日 にち にシャクティ作戦 さくせん のシャクティI実験 じっけん として実施 じっし された。しかしインド以外 いがい の研究 けんきゅう 者 しゃ は地震 じしん 計 けい の記録 きろく から、インドの主張 しゅちょう とは異 こと なり実験 じっけん は失敗 しっぱい したか、失敗 しっぱい に近 ちか いものであったと結論 けつろん づけた[ 14] 。
しかしながら低 てい 出力 しゅつりょく の実験 じっけん ではあっても、インドは熱 ねつ 核 かく 融合 ゆうごう の能力 のうりょく に関 かん して、セカンダリーの完全 かんぜん な起爆 きばく 無 な しにプライマリーの振 ふ る舞 ま いについての情報 じょうほう を得 え ることができた[ 15] 。
インドの情報 じょうほう 源 げん は、この解釈 かいしゃく に対 たい して異議 いぎ を唱 とな えている。彼 かれ らは初期 しょき の報告 ほうこく 書 しょ と、シャクティI実験 じっけん 直後 ちょくご に出 だ された米国 べいこく 地質調査所 ちしつちょうさしょ の短 みじか い報告 ほうこく 書 しょ を含 ふく む彼 かれ ら独自 どくじ の分析 ぶんせき 結果 けっか を繰 く り返 かえ しており、米国 べいこく 地震 じしん 研究所 けんきゅうじょ が世界中 せかいじゅう に持 も つ125の観測 かんそく 所 しょ からの地震 じしん データも使用 しよう している。彼 かれ らは、地震 じしん の規模 きぼ は60キロトンの核 かく 出力 しゅつりょく を意味 いみ しており、これはインドが発表 はっぴょう している56キロトンの核 かく 出力 しゅつりょく と矛盾 むじゅん しないと主張 しゅちょう している。核 かく 出力 しゅつりょく 60キロトンに対 たい する検証 けんしょう は New Scientist Magazine 誌 し [ 16] [ 17] 、およびロンドンが本拠地 ほんきょち の Scientific Journal 誌上 しじょう で行 おこな われた[ 18] 。
イスラエル はテラー・ウラム型 がた 熱 ねつ 核兵器 かくへいき の所有 しょゆう を疑 うたが われているが、これはテスト用 よう のものか、あるいは他 た の核兵器 かくへいき なのかは分 わ かっていない。
パキスタン の行 おこな った核 かく 実験 じっけん は比較的 ひかくてき 低 てい 出力 しゅつりょく であり、また熱 ねつ 核兵器 かくへいき を開発 かいはつ している兆候 ちょうこう はない。
北朝鮮 きたちょうせん の行 おこな った2回 かい の核 かく 実験 じっけん (2006年 ねん と2009年 ねん )は比較的 ひかくてき 低 てい 出力 しゅつりょく であり、また熱 ねつ 核兵器 かくへいき を開発 かいはつ している兆候 ちょうこう はない。しかし、2017年 ねん 9月 がつ に6回 かい 目 め の核 かく 実験 じっけん を行 おこな い、熱 ねつ 核兵器 かくへいき を持 も つことになった。
W80核弾頭 かくだんとう の外観 がいかん 。この画像 がぞう より、米国 べいこく の熱 ねつ 核兵器 かくへいき におけるプライマリーとセカンダリーの大 おお きさと形状 けいじょう を推測 すいそく することが出来 でき る。
テラー・ウラム型 がた は長 なが い間 あいだ 、核兵器 かくへいき の最高 さいこう 機密 きみつ 事項 じこう と考 かんが えられており、今日 きょう でも機密 きみつ 情報 じょうほう の“壁 かべ の向 む こう側 がわ ”のものとして公式 こうしき 文書 ぶんしょ では詳細 しょうさい が語 かた られることはない。米国 べいこく エネルギ えねるぎ ー省 しょう の主義 しゅぎ は、“情報 じょうほう 漏洩 ろうえい ”が起 お きた際 さい にはこれを認 みと めないというものである。この理由 りゆう は、もし情報 じょうほう 漏洩 ろうえい を認 みと めるとその内容 ないよう の正確 せいかく 性 せい を裏付 うらづ けてしまうことになるためである。
核弾頭 かくだんとう 容器 ようき (核弾頭 かくだんとう 自体 じたい の物理 ぶつり 形状 けいじょう は当然 とうぜん 含 ふく まれない)の画像 がぞう を除 のぞ いては、テラー・ウラム型 がた に関 かん する公開 こうかい 情報 じょうほう のほとんどは米国 べいこく エネルギ えねるぎ ー省 しょう の簡潔 かんけつ な声明 せいめい と、何人 なんにん かの独立 どくりつ した調査官 ちょうさかん の監視 かんし により規制 きせい されている。
以下 いか は、テラーウラム型 がた の“公開 こうかい ”例 れい に導 みちび いたいくつかの事例 じれい に対 たい する短 みじか い考察 こうさつ であり、上記 じょうき で述 の べた基本 きほん 的 てき な概要 がいよう との相違 そうい 点 てん についても述 の べる。
米国 べいこく エネルギ えねるぎ ー省 しょう の声明 せいめい [ 編集 へんしゅう ]
1972年 ねん に米国 べいこく エネルギ えねるぎ ー省 しょう は、“熱 ねつ 核兵器 かくへいき に関 かん する真実 しんじつ として、核分裂 かくぶんれつ 性 せい のプライマリーを核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう であるセカンダリーの核 かく 融合 ゆうごう 反応 はんのう の起爆 きばく に使 つか っている” ことに関 かん する機密 きみつ 解除 かいじょ の声明 せいめい を発表 はっぴょう し、さらに1979年 ねん には“事実 じじつ として熱 ねつ 核兵器 かくへいき では、核分裂 かくぶんれつ 爆発 ばくはつ で生 しょう ずる放射線 ほうしゃせん を、核分裂 かくぶんれつ 部分 ぶぶん とは別 べつ になっている核 かく 融合 ゆうごう 燃料 ねんりょう の圧縮 あっしゅく と起爆 きばく に使 つか っている” と言 い う内容 ないよう も付 つ け加 くわ えた。この後 のち から追加 ついか された内容 ないよう に対 たい してエネルギ えねるぎ ー省 しょう は、“この声明 せいめい に関 かん するいかなる内容 ないよう も機密 きみつ 事項 じこう となる” と明記 めいき した[ 19] 。
この記述 きじゅつ は、1991年 ねん に機密 きみつ 解除 かいじょ された“スパーク・プラグ”に関 かん する内容 ないよう (“事実 じじつ として核分裂 かくぶんれつ 性 せい 物質 ぶっしつ は数種類 すうしゅるい のセカンダリーの中 なか に存在 そんざい するが、この材質 ざいしつ 、位置 いち 、使用 しよう 方法 ほうほう 、および使 つか われている兵器 へいき に関 かん しては公開 こうかい しない” )にも適用 てきよう される。さらに1998年 ねん には、“事実 じじつ として、ある物質 ぶっしつ が放射線 ほうしゃせん の経路 けいろ 、および経路 けいろ の充填 じゅうてん 物 ぶつ として存在 そんざい するが、詳細 しょうさい は公開 こうかい しない” という内容 ないよう も機密 きみつ 解除 かいじょ したが、これはポリスチレン発泡 はっぽう 剤 ざい (または類似 るいじ した材質 ざいしつ )について触 ふ れたものだと推定 すいてい される[ 20] 。
これらの声明 せいめい がテラー・ウラム型 がた のいくつか、または全 すべ てのモデルの解釈 かいしゃく に対 たい して立証 りっしょう することになるのかどうか注目 ちゅうもく されたが、米国 べいこく 政府 せいふ は核兵器 かくへいき の詳細 しょうさい 技術 ぎじゅつ に関 かん しての公式 こうしき 文書 ぶんしょ では(スミス・レポート の様 よう に)故意 こい に内容 ないよう を曖昧 あいまい にしていた。他 た の情報 じょうほう 、例 たと えば初期 しょき の核兵器 かくへいき がどの様 よう な核 かく 燃料 ねんりょう を使用 しよう していたか等 とう は既 すで に機密 きみつ 解除 かいじょ されているが、当然 とうぜん ながら正確 せいかく な技術 ぎじゅつ 情報 じょうほう はまだ機密 きみつ のままである。
現在 げんざい 考 かんが えられているテラー・ウラム型 がた の動作 どうさ 原理 げんり のほとんどは、米国 べいこく のジャーナリストであり反 はん 兵器 へいき の活動 かつどう 家 か ハワード・モーランドが1979年 ねん に雑誌 ざっし に発表 はっぴょう した“水爆 すいばく の機密 きみつ ” という記事 きじ により一般 いっぱん に認識 にんしき されたもので、米国 べいこく エネルギ えねるぎ ー省 しょう は事前 じぜん にこの記事 きじ の検閲 けんえつ をすることが出来 でき なかった。1978年 ねん にモーランドは、軍備 ぐんび 拡張 かくちょう 競争 きょうそう に注目 ちゅうもく を集 あつ め、核兵器 かくへいき と核 かく の機密 きみつ の重要 じゅうよう 性 せい に関 かん する公式 こうしき 文書 ぶんしょ に対 たい して一般 いっぱん 民衆 みんしゅう が疑問 ぎもん を感 かん じる権利 けんり を与 あた えるために、“最後 さいご に残 のこ された機密 きみつ ” を公開 こうかい することを決 き めた。水爆 すいばく がどの様 よう に動作 どうさ するかに対 たい するモーランドの考 かんが えのほとんどは、高度 こうど にアクセスが可能 かのう な情報 じょうほう 源 げん (彼 かれ の考 かんが えに賛同 さんどう した、他 た ならぬアメリカ百科 ひゃっか 事典 じてん から得 え た図面 ずめん 等 とう )から集 あつ められたものであった。モーランドはまた、(時 とき には非公式 ひこうしき に)ロスアラモスの著名 ちょめい な科学 かがく 者 しゃ たちに(テラーとウラムを含 ふく む。しかし両者 りょうしゃ はモーランドに有益 ゆうえき な情報 じょうほう を提供 ていきょう することはなかった)インタビューし、時 とき にはソーシャル・エンジニアリング の手法 しゅほう を使 つか って科学 かがく 者 しゃ たちに情報 じょうほう 提供 ていきょう をけしかけた(例 たと えば、“彼 かれ らはまだスパーク・プラグを使 つか っているの?”と言 い う様 よう な質問 しつもん を使 つか って。たとえ相手 あいて が後 こう の言葉 ことば が何 なに に関 かん して言及 げんきゅう したか気 き が付 つ かなかったとしても)[ 21] 。
モーランドは結局 けっきょく 、“機密 きみつ ”の内容 ないよう はプライマリーとセカンダリーは別々 べつべつ に爆 ばく 弾 だん 容器 ようき 内 ない に置 お かれており、プライマリーからの放射 ほうしゃ 圧力 あつりょく がセカンダリーを起爆 きばく する前 まえ に圧縮 あっしゅく する、という結論 けつろん に達 たっ した。この記事 きじ の(The Progressive 誌 し として出版 しゅっぱん される)初期 しょき 原稿 げんこう は、モーランドの目標 もくひょう に反対 はんたい する教授 きょうじゅ の手 て に落 お ちた後 のち にエネルギ えねるぎ ー省 しょう に送 おく られたが、エネルギ えねるぎ ー省 しょう は記事 きじ の出版 しゅっぱん 停止 ていし を求 もと め、裁判所 さいばんしょ から略式 りゃくしき の一時 いちじ 差 さ し止 と め命令 めいれい を出 だ させた。エネルギ えねるぎ ー省 しょう はモーランドの情報 じょうほう は、(1)おそらく機密 きみつ の情報 じょうほう 源 げん から得 え ている、(2)そうでなければ、1954年版 ねんばん の原子力 げんしりょく 行動 こうどう 法 ほう の“生 う まれながらの機密 きみつ ”条項 じょうこう の機密 きみつ 情報 じょうほう に該当 がいとう する、(3)非常 ひじょう に危険 きけん であり、核 かく の拡散 かくさん を助長 じょちょう する、と主張 しゅちょう した。
モーランドと彼 かれ の弁護士 べんごし は全 すべ ての点 てん では合意 ごうい していなかったが、記事 きじ の差 さ し止 と めは承諾 しょうだく された。このケースでの判断 はんだん は、安全 あんぜん のために記事 きじ の差 さ し止 と めが承諾 しょうだく されたと思 おも われたが、モーランドと彼 かれ の協力 きょうりょく 者 しゃ たちは米国 べいこく 政府 せいふ に記事 きじ の差 さ し止 と め解除 かいじょ を要求 ようきゅう した。
しかしさらに複雑 ふくざつ な状況 じょうきょう として、エネルギ えねるぎ ー省 しょう が主張 しゅちょう していた“機密 きみつ ”情報 じょうほう は、数 すう 年 ねん 前 まえ に既 すで に学生 がくせい 用 よう の百科 ひゃっか 事典 じてん に記載 きさい されて出版 しゅっぱん されていたため、今回 こんかい のケースはクリアになる方向 ほうこう に向 む かい始 はじ めていた。さらに水爆 すいばく の研究 けんきゅう 家 か であるチャック・ハンセンは、“機密 きみつ ”に対 たい する彼 かれ 独自 どくじ の考 かんが え(モーランドのものとはかなり異 こと なる)をウィスコンシン 新聞 しんぶん で発表 はっぴょう したため、エネルギ えねるぎ ー省 しょう は The Progressive 誌 し に対 たい する訴訟 そしょう を取 と り下 さ げて雑誌 ざっし の出版 しゅっぱん を許可 きょか し、雑誌 ざっし は1979年 ねん 10月 がつ に出版 しゅっぱん された。しかしながらモーランドは、爆 ばく 弾 だん の動作 どうさ として放射 ほうしゃ 圧縮 あっしゅく 法 ほう よりむしろ(ポリスチレンの)発泡 はっぽう 媒体 ばいたい がセカンダリーの圧縮 あっしゅく に使用 しよう されているという考 かんが えに変 か わり、さらにセカンダリー内 ない には放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ で出来 でき た“スパーク・プラグ”が使 つか われているとした。彼 かれ はこの考 かんが えの変更 へんこう を1ヶ月 かげつ 後 ご の The Progressive 誌上 しじょう に、政府 せいふ に対 たい する要求 ようきゅう の経過 けいか 報告 ほうこく の一部 いちぶ として短 みじか い“エラッタ”を発表 はっぴょう した[ 22] 。1981年 ねん にモーランドは、彼 かれ の経験 けいけん と、彼 かれ を“機密 きみつ ”の結論 けつろん に至 いた らせた経緯 けいい をまとめた本 ほん を出版 しゅっぱん した[ 21] [ 23] 。
エネルギ えねるぎ ー省 しょう が検閲 けんえつ を試 こころ みようとしたことから、モーランドの記事 きじ は少 すく なくとも一部分 いちぶぶん は正 ただ しいと解釈 かいしゃく されている(公開 こうかい された記事 きじ の中 なか で、エネルギ えねるぎ ー省 しょう が認 みと めていない“秘密 ひみつ の”材料 ざいりょう に対 たい してのアプローチで、数 すう 回 かい の内 うち 1回 かい で彼 かれ らの通常 つうじょう のやり方 かた を破 やぶ っていた。しかし記事 きじ にどの程度 ていど の情報 じょうほう が欠 か けているのか、またどの程度 ていど の情報 じょうほう が誤 あやま っているのかは、他 た の機密 きみつ と共 とも に分 わ かっていない)。難 むずか しいことに、いくつかの国 くに ではテラー・ウラム型 がた の兵器 へいき を開発 かいはつ 中 ちゅう であるが(しかしおそらく彼 かれ らは、イギリスの様 よう には内容 ないよう を理解 りかい していない)、記事 きじ の情報 じょうほう が熱 ねつ 核兵器 かくへいき の製造 せいぞう に寄与 きよ する可能 かのう 性 せい は低 ひく いと考 かんが えられている。それにもかかわらず、モーランドが1979年 ねん に発表 はっぴょう した内容 ないよう は、現在 げんざい のテラーウラム型 がた の仕様 しよう に関 かん する推測 すいそく の基礎 きそ とされている。
機密 きみつ の壁 かべ の内側 うちがわ からの情報 じょうほう を持 も つと主張 しゅちょう する情報 じょうほう 源 げん は、テラー・ウラム型 がた には幾 いく つかのバリエーションがあることを示唆 しさ している。これらがテラー・ウラム型 がた の小 ちい さな違 ちが いによる“バージョン”か、あるいは上記 じょうき の説明 せつめい と矛盾 むじゅん するものであっても、現在 げんざい の解釈 かいしゃく を更新 こうしん するものになる。
リチャード・ローズの「原爆 げんばく から水爆 すいばく へ 」の中 なか での“アイビー・マイク装置 そうち ”[ 編集 へんしゅう ]
1995年 ねん に出版 しゅっぱん された本 ほん 「原爆 げんばく から水爆 すいばく へ — 東西 とうざい 冷戦 れいせん の知 し られざる内幕 うちまく 」で、作家 さっか のリチャード・ローズ はアイビー・マイクの“ソーセージ”装置 そうち 内部 ないぶ の構成 こうせい 詳細 しょうさい を述 の べており、これは計画 けいかく に関 かか わった多 おお くの科学 かがく 者 しゃ と技術 ぎじゅつ 者 しゃ に行 い ったインタビューから得 え た情報 じょうほう を基 もと にしていた。ローズによれば、“マイク”装置 そうち の中 なか にはポリスチレンが使用 しよう されていたが、これはプラズマの発生 はっせい 源 げん としてではなかった(プライマリーからの放射線 ほうしゃせん は、セカンダリーを圧縮 あっしゅく するのに十分 じゅうぶん であったためとされている)。これは“マイク”装置 そうち に限 かぎ って適用 てきよう されたものなのか、あるいはテラー・ウラム型 がた に共通 きょうつう なものなのかは不明 ふめい であり、発泡 はっぽう 剤 ざい の役割 やくわり と正確 せいかく な放射線 ほうしゃせん の伝達 でんたつ 機構 きこう に関 かん して潜在 せんざい 的 てき な疑問 ぎもん を投 な げ掛 か けるものである[ 24] 。
W88に関 かん して1999年 ねん に報道 ほうどう された内容 ないよう では、プライマリーは回転 かいてん 楕円 だえん 体 たい であり、セカンダリーは球体 きゅうたい であることを暗示 あんじ するものであった。
1991年 ねん にサンノゼ・マーキュリー新聞 しんぶん の記者 きしゃ は、トライデントII 型 かた SLBMに搭載 とうさい されるMIRVの小型 こがた 核弾頭 かくだんとう W88についてレポートし、W88は回転 かいてん 楕円 だえん 体 たい (卵 たまご 形 がた 、またはスイカ形 がた )のプライマリー(暗号 あんごう 名 めい は“コモド”)と、球体 きゅうたい のセカンダリー(暗号 あんごう 名 めい は“カーサ”)を内部 ないぶ に持 も ち、特別 とくべつ な(ピーナッツ に似 に た)形状 けいじょう の放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ の容器 ようき に入 はい っていると報告 ほうこく した。この報告 ほうこく から4ヶ月 かげつ 後 ご に、ニューヨーク・タイムズ のウィリアム・ブロードは1995年 ねん に起 お きた中国 ちゅうごく からの二 に 重 じゅう スパイ に関 かん するレポートを行 おこな い、スパイがもたらした情報 じょうほう によって中国 ちゅうごく はW88核弾頭 かくだんとう の詳細 しょうさい を知 し った可能 かのう 性 せい があると伝 つた えた(この調査 ちょうさ は結局 けっきょく 、中国人 ちゅうごくじん スパイのウェン・フー・リー(李 り 文和 ふみかず )の裁判 さいばん で敗訴 はいそ をもたらした)。もしこの内容 ないよう が事実 じじつ であれば、テラー・ウラム型 がた のバリエーションとしてMIRV化 か 核弾頭 かくだんとう の小型 こがた 化 か が可能 かのう であることを示 しめ している[ 25] [ 26] [ 27] 。
回転 かいてん 楕円 だえん 体 たい のプライマリーが実際 じっさい に存在 そんざい することの価値 かち は、プライマリーの直径 ちょっけい で決 き まっていたMIRV化 か 核弾頭 かくだんとう の大 おお きさを、(球形 きゅうけい 楕円 だえん 体 たい のプライマリーが正 ただ しく動作 どうさ するなら)今 いま までの高 こう 核 かく 出力 しゅつりょく の弾頭 だんとう よりかなり小型 こがた 化 か できることを示 しめ している。W88核弾頭 かくだんとう は、最大 さいだい 径 みち 55cm、高 たか さ175cmの大 おお きさで、質量 しつりょう はおよそ360kg以下 いか でありながら、核 かく 出力 しゅつりょく は最大 さいだい 475キロトンまで上 あ げることが可能 かのう である[ 28] 。
小型 こがた の核弾頭 かくだんとう は1基 き のミサイル内 ない に多数 たすう を搭載 とうさい することが可能 かのう であり、同様 どうよう にミサイルの速度 そくど と射程 しゃてい を向上 こうじょう させることができる。
非 ひ 球形 きゅうけい のプライマリーに対 たい する計算 けいさん 量 りょう は、球形 きゅうけい のものに比 くら べてより大量 たいりょう で難 むずか しいものとなり、例 たと えば中国 ちゅうごく の様 よう な既存 きそん の核 かく 戦力 せんりょく に対 たい して興味深 きょうみぶか いものとなっている(核 かく 出力 しゅつりょく が可変 かへん であることの情報 じょうほう になるため、彼 かれ らはもはや核 かく 実験 じっけん を実施 じっし していない)[ 29] 。
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放射 ほうしゃ 性 せい 降下 こうか 物 ぶつ の調査 ちょうさ
動作 どうさ 原理 げんり
開発 かいはつ の歴史 れきし
歴史 れきし 性能 せいのう 運用 うんよう 種類 しゅるい ・設計 せっけい
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