キルタン

キールタン（英語えいご: Kirtan、サンスクリット: कीर्तन、IAST：Kīrtana）とは、サンスクリット語ごであり、特とくにインド発祥はっしょうの宗教しゅうきょうにおいて、思想しそうや物語ものがたりの「語かたり、朗読ろうどく、語かたり、描写びょうしゃ」を意味いみする。 また、宗教しゅうきょう的てきなパフォーマンス・アートのジャンルを指さし、特とくにインド亜あ大陸たいりくのスピリチュアルまたは宗教しゅうきょう的てきなアイデアの語かたりや朗読ろうどくの音楽おんがく的てきな形式けいしきを意味いみする。キルタンと発音はつおんすることもあるが、サンスクリット語ごで正ただしくはキールタンである。

ヴェーダのアヌキルターナの伝統でんとうにルーツを持もつキールタンは、複数ふくすうの歌手かしゅが伝説でんせつを朗読ろうどくしたり説明せつめいしたり、神かみへの愛あいに満みちた献身けんしんを表現ひょうげんしたり、スピリチュアルな考かんがえを話はなし合あったりする、音楽おんがくに合あわせたコールアンドレスポンス形式けいしきの歌うたやチャントである。歌手かしゅによるダンスやバヴァス（感情かんじょう的てきな状態じょうたい）の直接的ちょくせつてきな表現ひょうげんが含ふくまれることもある多おおくのキールタンのパフォーマンスは、観客かんきゃくが詠唱えいしょうを繰くり返かえしたり歌手かしゅの呼よびかけに応こたえたりすることで、観客かんきゃくを意図いと的てきに巻まき込こむように構成こうせいされている。

キールタンを行おこなう人ひとはキルタンカーラ（またはキルタンカー）として知しられている。キールタンの演奏えんそうには、ハーモニウム、ヴィーナやエクタラ（弦楽器げんがっきの形態けいたい）、タブラ（片面かためん太鼓たいこ）、ムルダンガやパカワジ（両面りょうめん太鼓たいこ）、フルート（木管もっかん楽器がっきの形態けいたい）、カラタラスやタラス（シンバル）などの地域ちいき的てきにポピュラーな楽器がっきの伴奏ばんそうが含ふくまれている。ヒンドゥー教きょう、ヴィシュヌ派はの帰依きえ主義しゅぎ、シク教きょう、サント教きょう、仏教ぶっきょうのいくつかの形態けいたい、その他たの宗教しゅうきょうグループでは、主要しゅような修行しゅぎょうである。 キールタンは時々ときどきストーリーテリングと演技えんぎを伴ともなっている。 テキストは通常つうじょう、宗教しゅうきょう的てき、神話しんわ的てき、社会しゃかい的てきな主題しゅだいをカバーしている。