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キートンの探偵たんてい学がく入門にゅうもん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
キートンの探偵たんてい学がく入門にゅうもん
Sherlock Jr.
劇場げきじょうポスター
監督かんとく バスター・キートン
脚本きゃくほん クライド・ブラックマン
ジャン・ハヴェズ
ジョー・ミッチェル
製作せいさく ジョセフ・M・シェンク
バスター・キートン
出演しゅつえん者しゃ バスター・キートン
キャスリン・マクガイア
撮影さつえい バイロン・フック
エルジン・レスレー
編集へんしゅう バスター・キートン
製作せいさく会社かいしゃ アメリカ合衆国の旗 メトロ・ピクチャーズ・コーポレーション（英語えいご版ばん）
配給はいきゅう アメリカ合衆国の旗 メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
公開こうかい アメリカ合衆国の旗1924年ねん4月がつ21日にち
日本の旗1925年ねん7月がつ14日にち(東京とうきょう)[1][2]または1924年ねん12月がつ10日とおか[3]
上映じょうえい時間じかん 45分ふん
製作せいさく国こく アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
言語げんご サイレント映画えいが(英語えいごのインタータイトル)
興行こうぎょう収入しゅうにゅう 44万まん8337ドル
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『キートンの探偵たんてい学がく入門にゅうもん』全編ぜんぺん、字幕じまくなし

『キートンの探偵たんてい学がく入門にゅうもん』（キートンのたんていがくにゅうもん、Sherlock Jr.）とは、1924年ねん公開こうかいのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのサイレントコメディ映画えいが。バスター・キートン監督かんとく・主演しゅえん。戦前せんぜん初はつ公開こうかいの時ときには『忍術にんじゅつキートン』（にんじゅつキートン）という邦題ほうだいがつけられたが、1973年ねん6月がつ16日にち、フランス映画えいが社しゃが「ハロー！キートン」という特集とくしゅう上映じょうえいをした際さいにこの邦題ほうだいに改あらためられて[4]以来いらい、この邦題ほうだいで定着ていちゃくしている。

1991年ねん、アメリカ議会ぎかい図書館としょかんは「文化ぶんか的てき・歴史れきし的てき・美学びがく的てきに重要じゅうよう」という理由りゆうで本ほん作さくをアメリカ国立こくりつフィルム登録とうろく簿ぼに保存ほぞんした。同年どうねん、アメリカ喜劇きげき映画えいがベスト100の62位いに選出せんしゅつ。

2020年ねん1月がつ1日にち、この映画えいがはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでパブリックドメインになった[5][6]。

あらすじ[編集へんしゅう]

主人公しゅじんこうバスターは探偵たんていに憧あこがれる映写えいしゃ技師ぎし。憧あこがれの娘むすめへのプレゼントに1ドルで買かった指輪ゆびわを4ドルしたと見栄みえを張はってプレゼントする。

色男いろおとこも娘むすめに恋こいをしている。色男いろおとこは娘むすめの父親ちちおやの時計とけいを盗ぬすみ、それを質しつに入いれて4ドルを工面くめんし、娘むすめのために高価こうかな贈おくり物ものをする。

父親ちちおやが時計とけいがなくなったことに気きづいて騒さわぎ出だした時とき、バスターは探偵たんてい役やくを買かって出でるが、色男いろおとこは4ドルの質札しちふだをバスターのポケットに入いれる。それが見みつかり、バスターは犯人はんにんにされる。バスターは娘むすめに無実むじつを主張しゅちょうするが信しんじてもらえない。

バスターは映写えいしゃ技師ぎしの仕事しごとに戻もどる。上映じょうえい中ちゅうの映画えいがは真珠しんじゅ泥棒どろぼうを扱あつかった映画えいが。居眠いねむりするバスターの魂たましいはスクリーンの中なかに入はいり、探偵たんていシャーロックJr.として事件じけんの解決かいけつに乗のり出だす。（映画えいがの中なかでは登場とうじょう人物じんぶつがそれぞれ現実げんじつの人間にんげんに置おき換かわる。娘むすめ、父親ちちおや、色男いろおとこは強盗ごうとう団だんのボス、父親ちちおやの雇やとい人にんは執事しつじ、映画えいが支配人しはいにんは探偵たんていの助手じょしゅ）

映画えいがの中なかで見事みごと事件じけんを解決かいけつしたバスターだがそれはすべて夢ゆめだった。

そこに娘むすめがやってくる。娘むすめは4ドルの質札しちふだから、色男いろおとこが真犯人しんはんにんだということを突つき止とめたのだ。

映写えいしゃされている映画えいがの中なかで主人公しゅじんこうとヒロインがキスするのを見みながら、バスターは娘むすめにキスをする。

キャスト[編集へんしゅう]

  • バスター（映写えいしゃ技師ぎし）/名めい探偵たんていシャーロックJr.; バスター・キートン
  • 娘むすめ/娘むすめ; キャスリン・マクガイア
  • 娘むすめの父ちち/娘むすめの父ちち; ジョー・キートン（バスター・キートンの実父じっぷ）
  • 父親ちちおやの雇やとい人にん/執事しつじ; アーウィン・コネリー
  • 色男いろおとこ/ 強盗ごうとう団だんリーダー: ワード・クレーン
  • 劇場げきじょう支配人しはいにん/シャーロックJr.の助手じょしゅ; フォード・ウェスト

制作せいさく[編集へんしゅう]

この映画えいがには危険きけんなスタントシーンが多数たすう出でてくる。キートンは後のちに映画えいが史家しかのケヴィン・ブラウンローに「プロのカメラマンたちは、私わたしたちがいったい何なにをどうやったのか突つき止とめるため何なん度ども映画えいがを観かんに来きたものさ」と語かたった[7]。

キートンが色男いろおとこを尾行びこうする途中とちゅう、汽車きしゃの上うえを走はしって給水きゅうすい塔とうに掴つかまり、大量たいりょうの水みずを浴あびて落おちるシーンではキートンの首くびの骨ほねが折おれてしまった。しかしキートンはこの時とき頭あたまが痛いたいと思おもっただけで、骨折こっせつが発覚はっかくしたのは1年ねん半はん後ごであり、その時ときには完かん治なおしていた。

スクリーンの中なかに入はいりこんですぐ、キートンが次々つぎつぎに切きり替かわる場面ばめん展開てんかい（中庭なかにわから車くるまの走はしる通とおり、崖がけの上うえ、ライオンのいる草原そうげん、荒野あらの、磯辺いそべ、雪原せつげん）の中なかでドタバタをやるくだりは、キートンの動うごきをスムーズに見みせるため、キートンとカメラの位置いちを測量そくりょう機きで正確せいかくに測はかって撮影さつえいされた[8]。

評価ひょうか[編集へんしゅう]

興行こうぎょうはぱっとしなかったが、『ニューヨーク・タイムズ』が「トリック撮影さつえいがコメディの中なかで活いきた最高さいこうの1本ほん」と評価ひょうかした他ほか[9]、『ロサンゼルス・タイムズ』[10]『ワシントン・ポスト』[11]『The Atlanta Constitution』[12]も好意こうい的てきな批評ひひょうをした。

ランキング[編集へんしゅう]

  • 2000年ねん 「20世紀せいきの映画えいがリスト」（米べい『ヴィレッジ・ヴォイス』紙し発表はっぴょう）第だい42位い[13]
  • 2015年ねん 「史上しじょう最高さいこうのアメリカ映画えいが100」（英えいBBC発表はっぴょう）第だい44位い[14]
  • 2018年ねん 「史上しじょう最高さいこうのコメディー映画えいがベスト100」（米べい『ペースト』発表はっぴょう）71位い[15]
  • 「映画えいが史上しじょう最高さいこうの作品さくひんベストテン」（英国えいこく映画えいが協会きょうかい発表はっぴょう）※10年ねん毎ごとに選出せんしゅつ
    • 2022年ねん 「映画えいが批評ひひょう家かが選えらぶベストテン」 第だい54位い[16]


脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 畑はた暉あきら男おとこ編へん『20世紀せいきアメリカ映画えいが事典じてん』（カタログハウス）
  2. ^ 東京とうきょう朝日新聞あさひしんぶん　1925年ねん7月がつ13日にち夕刊ゆうかんの広告こうこく（武蔵野むさしの館かん、浅草あさくさ帝国ていこく館かん）
  3. ^ 忍術にんじゅつキートン - KINENOTE
  4. ^ 忍術にんじゅつキートン（KINENOTE）の解説かいせつ
  5. ^ “1924 Copyrighted Works To Become Part Of The Public Domain” (英語えいご). NPR (2019年ねん12月30日にち). 2020年ねん1月がつ1日にち閲覧えつらん。
  6. ^ “Public Domain Day 2020” (英語えいご). Duke Law School's Center for the Study of the Public Domain. 2020年ねん1月がつ1日にち閲覧えつらん。
  7. ^ Wakeman, John (1987). World Film Directors, Volume 1. New York, New York: The H. W. Wilson Company. ISBN 978-0-8242-0757-1. p. 526.
  8. ^ Fay, Jennifer (January 2014). “Buster Keaton's Climate Change”. Modernism/modernity 21 (1): 25–49. doi:10.1353/mod.2014.0006. http://muse.jhu.edu/journals/modernism-modernity/v021/21.1.fay.html. 
  9. ^ The New York Times. Film review, May 26, 1924.
  10. ^ The Los Angeles Times. Film review, April 28, 1924.
  11. ^ The Washington Post. Film review, May 12, 1924.
  12. ^ The Atlanta Constitution. Film review, April 27, 1924.
  13. ^ “100 Best Films - Village Voice”. www.filmsite.org. 2022年ねん12月23日にち閲覧えつらん。
  14. ^ “BBC 100 greatest American films (2015-07-20)”. IMDb. 2023年ねん11月4日にち閲覧えつらん。
  15. ^ “The 100 Best Comedies of All Time” (英語えいご). pastemagazine.com (2018年ねん4月がつ13日にち). 2022年ねん12月24日にち閲覧えつらん。
  16. ^ “The Greatest Films of All Time” (英語えいご). BFI. 2022年ねん12月5日にち閲覧えつらん。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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