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ギター・オーケストレーション

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ギター・オーケストレーションとは、エレキギターもちいた、サウンドクリエイトをふくめたアレンジ・奏法そうほうのこと。

1973ねんにレコードデビューしたイギリスロックバンドクイーンギタリストブライアン・メイによってその奏法そうほう名称めいしょう一般いっぱんした。また、1970年代ねんだいなかばにデビューしたアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくロックバンドボストンのギタリスト、トム・シュルツによって、ややことなった手法しゅほうのギター・オーケストレーションがおこなわれた。

概要がいよう[編集へんしゅう]

エレキギターの音質おんしつ範囲はんいで、おもクラシック音楽おんがく使用しようされるバイオリンぞく弦楽器げんがっきなどをシミュレートして、さらに、いちおとずつオーバーダビングすることによってつくられる。オーケストラ弦楽げんがくよん重奏じゅうそうなどのストリングスけいのシミュレートがおもであるが、場合ばあいによっては、パイプオルガンなどのキーボード、フルートサックスなどの木管もっかん楽器がっきけいなどのシミュレートもおこなうこともある。よって、ギタリストの人数にんずうかぎられる一般いっぱんてきなロックバンドにとっては、スタジオ録音ろくおんかぎられ、ステージングにはかない傾向けいこうにある。

おおくのアメリカンロックヘヴィメタルけいのバンドがもちいる「ギターアンサンブル」と、ここでべている「ギター・オーケストレーション」は境目さかいめ曖昧あいまいである。成立せいりつした年代ねんだい前後ぜんごべつとして、ギター・オーケストレーションが成立せいりつした時点じてんで、「双方そうほう典型てんけいてき部分ぶぶんでは、明確めいかくことなる」としながらも、「前者ぜんしゃ後者こうしゃのバリエーションのひとつ」とする見解けんかいもある。

典型てんけいてきなものを聴感じょうてんからつよいて区別くべつするならば、前者ぜんしゃが「コード構成こうせいおんしばられたまま、ギターおんがクローズの状態じょうたいでハーモナイズされ、おとかたまりながれていくことから、『ギターのおとのキーボード』のようにこえる」のにたいし、後者こうしゃは「ひとひとつのメロディーラインや、ハーモナイズを構成こうせいしているひとひとつのラインが独立どくりつし、コードの構成こうせいおんなどにしばられず、ハーモナイズ部分ぶぶんのパートによって、クローズ、オープン個々ここ自由じゆううごくことから、文字もじどおり、『ギターのオーケストラ』のようにこえる」ことである。

現在げんざい確立かくりつしているパターンとしては、冒頭ぼうとうれた「クイーン」におけるタイプと、「ボストン」におけるタイプとにかれる。

前者ぜんしゃは、ハーモナイズを重要じゅうようするタイプで、様々さまざまなパターンがある。しかし「バンドでのギタリストが1めい」であるのと、「サウンドを構築こうちくするさいに、スタジオでの機器きき多用たようするとされている」ことから、ステージでの完全かんぜん再現さいげん不可能ふかのうちかい。実際じっさいにクイーンのライブでは、ディレイをさんだんかさねることでギター・オーケストレーションのニュアンスをしている。後者こうしゃは、「バンドないのギタリストが2めい」であることや、「専用せんようエフェクターおとづくりをし、それらの音響おんきょう効果こうかによるステレオかんおとあつみを強調きょうちょうする」スタイルのため、ステージ再現さいげん最低限さいていげん可能かのうである。一方いっぽうで、アレンジめんメロディライン重視じゅうしのため、また、均一きんいつてき音質おんしつめんからも、バリエーションはすくない。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]