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ギブスの不等式ふとうしき

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ギブスの不等式ふとうしき(ぎぶすのふとうしき、えい: Gibbs' inequality)とは、情報じょうほう理論りろんにおける離散りさんかくりつ分布ぶんぷエントロピーかんするしきである。かくりつ分布ぶんぷのエントロピーにかんしては、ギブスの不等式ふとうしき出発しゅっぱつてんとしていくつかのしき考案こうあんされており、ファーノの不等式ふとうしきなどがある。

この不等式ふとうしき19世紀せいきウィラード・ギブス最初さいしょ提示ていじした。

定義ていぎ[編集へんしゅう]

あるかくりつ分布ぶんぷ Pつぎのようにあらわす。

べつかくりつ分布ぶんぷ Qつぎのようにあらわす。

このとき、つぎ不等式ふとうしきつ。

ただし、これはすべての i についてつぎ等式とうしきつときだけ等式とうしきとしてつ。

2つのりょうは、カルバック・ライブラー情報じょうほうりょう相対そうたいエントロピー)の符号ふごう反転はんてんさせたものとひとしい。したがって、この不等式ふとうしきつぎのようにもあらわせる。

証明しょうめい[編集へんしゅう]

対数たいすう性質せいしつから、つぎつ。

したがって、自然しぜん対数たいすう (ln) について証明しょうめいできれば十分じゅうぶんである。自然しぜん対数たいすうにはつぎ性質せいしつがある。

これは、すべての x についてつ(x=1 のときだけ等号とうごう)。

pi がゼロでないすべての 集合しゅうごう とする。すると、

となるので、つぎつ。

両辺りょうへんに 0 をくわえても大小だいしょう関係かんけいわらないから、0 であるような piふくめることができて、

等式とうしきとしてつには、つぎ条件じょうけん成立せいりつしなければならない。

  1. すべての について であれば、つ。
  2. であれば、証明しょうめいの3ぎょうから4ぎょう部分ぶぶん等号とうごうつ。

これらがつのは、i = 1, ..., n について以下いか成立せいりつしているときのみである。

証明しょうめい手法しゅほう[編集へんしゅう]

イェンセンの不等式ふとうしき使つかって証明しょうめいすることもできる。

けい[編集へんしゅう]

エントロピーつぎしき上限じょうげんあたえられる。

証明しょうめい簡単かんたんで、すべての i について とすればよい。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]