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クロマチン免疫めんえき沈降ちんこう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

クロマチン免疫めんえき沈降ちんこう(クロマチンめんえきちんこう、Chromatin immunoprecipitation、略称りゃくしょう ChIP)はタンパク質たんぱくしつたいする抗体こうたいもちいてDNAタンパク質たんぱくしつとの相互そうご作用さよう結合けつごう)を研究けんきゅうする方法ほうほうひとつで、特定とくていタンパク質たんぱくしつ転写てんしゃ因子いんしなど)が結合けつごうするDNAじょう部位ぶいとその配列はいれつあきらかにする方法ほうほうである。

現在げんざいでは、さらにDNAチップによる標的ひょうてきDNA配列はいれつ同定どうていわせた ChIP on chip や、DNAシークエンシングによるChIP-seqがよくもちいられる。

従来じゅうらいおこなわれている方法ほうほうにはゲルシフトアッセイがあるが、これは細胞さいぼうけいin vitro細胞さいぼうをすりつぶした溶液ようえき)をもちいて、特定とくていのDNAに結合けつごうするタンパク質たんぱくしつさが方法ほうほうであった。それにたいし、ChIPはきた細胞さいぼうin vivo)をもちいて、タンパク質たんぱくしつがわからDNA配列はいれつさがすのが特徴とくちょうである。

方法ほうほう概略がいりゃく以下いかしめす。

  • in vivoでのタンパク質たんぱくしつのDNAへの固定こてい(クロスリンク):一般いっぱんホルムアルデヒドもちいる。
  • 細胞さいぼうからのDNAの抽出ちゅうしゅつ
  • DNAの切断せつだん。(酵素こうそほうあるいはちょう音波おんぱほう
  • タンパク質たんぱくしつ対応たいおうする抗体こうたいによるDNA断片だんぺん対象たいしょうとなるタンパク質たんぱくしつ結合けつごうしている)の選抜せんばつ
  • 遠心えんしん分離ぶんりによるDNA-タンパク質たんぱくしつ-抗体こうたいふく合体がったい沈降ちんこううえきよし結合けつごうしていないDNA)をてる。
  • DNA-タンパク質たんぱくしつふく合体がったいふくまれるDNAの分離ぶんりプロテイナーゼKなどによりタンパク質たんぱくしつ分解ぶんかいする。

これにより、目的もくてきタンパク質たんぱくしつ結合けつごうするDNAのみじか配列はいれつだけを選択せんたくすることができる。

つぎ段階だんかいはDNA断片だんぺん同定どうていである。これにより対象たいしょうとなるDNAがゲノムじょうのどこにあるかをり、あるいはそのタンパク質たんぱくしつ相互そうご作用さようするあらたな遺伝子いでんしさがすことができる。

DNA断片だんぺん同定どうてい

[編集へんしゅう]

DNA断片だんぺん同定どうていには、従来じゅうらいPCRもちいられた。ただしこれは配列はいれつがある程度ていど予想よそうされている場合ばあいにのみ有効ゆうこうである。

配列はいれつまった不明ふめい場合ばあいには、この段階だんかいDNAチップもちいる"ChIP on chip"が有効ゆうこうである。これによりいちすう千種ちくさもの配列はいれつ確認かくにん可能かのうとなる。