グレース・オブ・モナコ 公おおやけ妃ひの切きり札ふだ

グレース・オブ・モナコ 公おおやけ妃ひの切きり札ふだ
Grace of Monaco
第だい67回かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいにて
監督かんとく	オリヴィエ・ダアン
脚本きゃくほん	アラッシュ・アメル
製作せいさく	ピエランジュ・ル・ポギャム ウダイ・チョプラ アラッシュ・アメル
製作せいさく総そう指揮しき	クローディア・ブルーエンヒューバー ウダイ・チョプラ ユータ・フレデバイル ビル・ジョンソン ジョナサン・ライマン ジム・サイベル
出演しゅつえん者しゃ	ニコール・キッドマン ティム・ロス フランク・ランジェラ パーカー・ポージー マイロ・ヴィンティミリア デレク・ジャコビ パス・ベガ
音楽おんがく	クリストファー・ガニング
撮影さつえい	エリック・ゴーティエ
編集へんしゅう	オリヴィエ・ガジャン
製作せいさく会社かいしゃ	Stone Angels YRFエンターテインメント
配給はいきゅう	ゴーモン ギャガ ワインスタイン・カンパニー
公開こうかい	2014年ねん5月がつ14日にち 2014年ねん10月がつ18日にち 2015年ねん5月がつ25日にち（ライフタイムで放送ほうそう）
上映じょうえい時間じかん	103分ふん
製作せいさく国こく	フランス アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく ベルギー イタリア
言語げんご	英語えいご フランス語ふらんすご
製作せいさく費ひ	€25,217,522
興行こうぎょう収入しゅうにゅう	$27,515,247
配給はいきゅう収入しゅうにゅう	6億おく7000万まん円えん

『グレース・オブ・モナコ 公おおやけ妃ひの切きり札ふだ』（グレース・オブ・モナコ こうひのきりふだ、Grace of Monaco）は、2014年ねんのフランス・アメリカ・ベルギー・イタリア合作がっさくの伝記でんき映画えいが。監督かんとくはオリヴィエ・ダアン、出演しゅつえんはニコール・キッドマンとティム・ロスなど。ハリウッド・スターからモナコ公おおやけ妃ひとなったグレース・ケリーが、存亡そんぼうの危機ききに立たたされた公国こうこくを救すくうために見みせた「一世一代いっせいちだいの大だい芝居しばい」を描えがいている。

2014年ねん5月がつに行おこなわれた第だい67回かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいでオープニング作品さくひんとして上映じょうえいされた。

ストーリー

人気にんきの絶頂ぜっちょうでハリウッド・スターの座ざを捨すて、モナコ公おおやけ妃ひとなったグレース・ケリーはモナコ宮殿きゅうでんのしきたりに馴染なじめず、公務こうむに勤いそしむ夫おっとレーニエ3世せいとのすれ違ちがいも重かさなり孤独こどくを感かんじていた。結婚けっこんから5年ねんが過すぎた1961年ねん12月、グレースにハリウッド時代じだいの知己ちきだったヒッチコックが、新作しんさく映画えいが『マーニー』の脚本きゃくほんを携たずさえ会あいに来くる。ヒッチコックは、宮殿きゅうでんで孤立こりつするグレースに「『マーニー』の主演しゅえんを引ひき受うけて欲ほしい」と依頼いらいする。5年ねん振ふりの女優じょゆう復帰ふっきに喜よろこぶグレースだったが、モナコ公おおやけ妃ひとしての立場たちばを考かんがえ回答かいとうを保留ほりゅうする。

翌よく1962年ねん。フランス大統領だいとうりょうド・ゴールは、長引ながびくアルジェリア戦争せんそうの戦費せんぴを得えるため、モナコ政府せいふに対たいし、モナコ国内こくないにあるフランス企業きぎょうから税金ぜいきんを徴収ちょうしゅうしフランスに支払しはらうように要求ようきゅうする。レーニエは「モナコの国家こっか基盤きばんを揺ゆるがす」として徴税ちょうぜいを拒否きょひするが、ド・ゴールは「要求ようきゅうを断ことわるなら、モナコをフランス領りょうとして併合へいごうする」と声明せいめいを発表はっぴょうし圧力あつりょくをかける。両国りょうこく関係かんけいが緊迫きんぱくした状態じょうたいとなる中なか、レーニエはグレースの女優じょゆう復帰ふっきを認みとめ、彼女かのじょは両国りょうこく問題もんだいが解決かいけつした後のちに女優じょゆうに復帰ふっきすることを公表こうひょうしようと考かんがえる。しかし、女優じょゆう復帰ふっきの情報じょうほうが宮殿きゅうでん内ないからマスコミにリークされ、グレースは「モナコから逃にげ出だそうとしている」と批判ひはんされてしまう。グレースの相談そうだんを受うけたタッカー神父しんぷは「宮殿きゅうでん内ないにフランスに内通ないつうするスパイがいる」と指摘してきし、彼女かのじょにスパイの捜索そうさくを提案ていあんする。

1962年ねん7月がつ、フランスの圧力あつりょくに屈くっしたレーニエは課税かぜいを了承りょうしょうするが、ド・ゴールはモナコ企業きぎょうにも課税かぜいしフランスに支払しはらうように要求ようきゅうし、モナコとの国境こっきょうを封鎖ふうさする。交渉こうしょうに失敗しっぱいしたレーニエはグレースに八やつ当あたりし、女優じょゆう復帰ふっきの話はなしを断ことわるように告つげる。ショックを受うけたグレースは離婚りこんを考かんがえるが、タッカー神父しんぷに諭さとされ思おもい留とまる。グレースはモナコを守まもるため、タッカー神父しんぷの紹介しょうかいでデリエール伯爵はくしゃくのもとを訪おとずれ、モナコの伝統でんとう・外交がいこう儀礼ぎれいについてのレッスンを受うける。一方いっぽうのレーニエは各国かっこくの外交がいこう使節しせつをモナコに招まねき、モナコへの支援しえんを呼よびかけようとした。そんな中なか、グレースにフランスへ情報じょうほうを流ながしているのが秘書ひしょのマッジだという報告ほうこくが届とどく。グレースはルパートにマッジの裏切うらぎりの証拠しょうこを得えて、雇やとい主ぬしが誰だれかを突つき止とめるよう指示しじする。

2カ月かげつ後ご、グレースとレーニエは和解わかいし、各国かっこく使節しせつを招まねいたサミットに臨のぞみ支援しえんを訴うったえるが、サミット終了しゅうりょう直後ちょくごに発生はっせいしたド・ゴール暗殺あんさつ未遂みすい事件じけんの影響えいきょうで、各国かっこく使節しせつはモナコを離はなれてしまう。グレースはレーニエの敗北はいぼくをよそにジャン＝シャルルがフランスの要求ようきゅう受うけ入いれを進言しんげんするのを聞きき、さらにレーニエの姉あねであるアントワネットが事態じたいの進展しんてんに安堵あんどする表情ひょうじょうに絶望ぜつぼうする。悲嘆ひたんに暮くれるグレースに、マッジは情報じょうほうをフランスに売うっていたのではなく、自みずから探偵たんていを雇やとい、アントワネットと夫おっとのジャン＝シャルルを探さぐっていたという事実じじつが告つげられる。マッジは探偵たんていの調査ちょうさ報告ほうこくに基もとづいて、アントワネットが自分じぶんの息子むすこを大公たいこう位いに就つけるため、レーニエの追おい落おとしを企たくらんでいるという事実じじつをグレースに告つげ彼女かのじょに従したがいレーニエに証言しょうげんする。グレースとレーニエは、アントワネットと夫おっとのジャン＝シャルルの国外こくがい追放ついほうを決定けっていし、グレースはヒッチコックに出演しゅつえん辞退じたいを伝つたえると同時どうじに、国際こくさい赤十字せきじゅうじのバチョッキ伯爵はくしゃく夫人ふじんの協力きょうりょくを取とり付つけ、ド・ゴールを初はじめとする世界中せかいじゅうの著名ちょめい人じん・政治せいじ家かたちを集あつめて舞踏ぶとう会かいを開催かいさいすると発表はっぴょうする。

10月9日にち、要人ようじんたちを招まねいた舞踏ぶとう会かいの場ばで、グレースは人々ひとびとの愛あいと平和へいわへの気持きもちを伝つたえるスピーチを行おこない、出席しゅっせき者しゃからの喝采かっさいを受うける。アメリカのマクナマラ国防こくぼう長官ちょうかんら出席しゅっせき者しゃの反応はんのうを見みたド・ゴールは、世界中せかいじゅうがグレースを支持しじしていることを痛感つうかんしモナコへの強硬きょうこう策さくを撤回てっかい、翌よく1963年ねんにモナコの国境こっきょう封鎖ふうさを解除かいじょする。

キャスト

※括弧かっこ内ないは日本語にほんご吹替

• グレース・ケリー: ニコール・キッドマン（田中たなか敦子あつこ） - モナコ公おおやけ妃ひ。元もとハリウッド・スター。
• レーニエ3世せい: ティム・ロス（郷田ごうだほづみ） - モナコ公国こうこく大公たいこう。
• フランシス・タッカー神父しんぷ: フランク・ランジェラ（楠くすのき見み尚己なおみ） - グレースの後見人こうけんにん。
• マッジ・ティヴィ＝フォコン: パーカー・ポージー（廣田ひろた悠ゆう美び） - グレースの秘書ひしょ。
• ルパート・アレン: マイロ・ヴィンティミリア - ハリウッドの映画えいが会社かいしゃの広報こうほう担当たんとう。
• フェルナンド・デリエール伯爵はくしゃく: デレク・ジャコビ（小形おがた満みつる） - モナコの外交がいこう儀礼ぎれい担当たんとう。
• マリア・カラス: パス・ベガ（森もりなな子こ） - ソプラノ歌手かしゅ。オナシスの愛人あいじん。
• アントワネット公こう女おんな: ジェラルディン・ソマーヴィル - レーニエの姉あね。
• アリストテレス・オナシス: ロバート・リンゼイ - ギリシャの大だい富豪ふごう。モナコ公おおやけ室しつの支援しえん者しゃ。
• ジャン＝シャルル・レイ: ニコラス・ファレル - アントワネットの夫おっと。
• アルフレッド・ヒッチコック: ロジャー・アシュトン＝グリフィス（臼木うすき健けん士朗しろう） - ハリウッドの映画えいが監督かんとく。
• バチョッキ伯爵はくしゃく夫人ふじん: ジャンヌ・バリバール（足立あだち由夏ゆか） - モナコの国際こくさい赤十字せきじゅうじ代表だいひょう。モナコ公おおやけ室しつの支援しえん者しゃ。
• ドラヴェンヌ氏し: イヴ・ジャック - モナコ内務ないむ大臣だいじん。
• エミール・ペレティエ: オリヴィエ・ラブルダン - モナコ国務大臣こくむだいじん。
• シャルル・ド・ゴール: アンドレ・ペンヴルン - フランス大統領だいとうりょう。
• ロバート・マクナマラ: フィリップ・ダレンシー - アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国防こくぼう長官ちょうかん。

作品さくひんの評価ひょうか

グレース・ケリーとレーニエ3世せいの実子じっしであるアルベール2世せい、カロリーヌ公おおやけ女おんな、ステファニー公こう女おんなの3人にんは、撮影さつえい終了しゅうりょう後ごの2013年ねん1月がつに本ほん作さくに対たいして「必要ひつよう以上いじょうに美化びかされ、史実しじつに対たいして不正ふせい確かく」と批判ひはん、数すう多おおくの変更へんこうを要求ようきゅうしたにもかかわらず無視むしされており、本ほん作さくは伝記でんき映画えいがではなく、完全かんぜんなフィクションであるとしている。アルベール2世せいは、特とくに父親ちちおやであるレーニエ3世せいが「指導しどう者しゃとして一方いっぽう的てきで、妻つまを束縛そくばくする男おとこ」として描写びょうしゃされている点てんに不満ふまんを感かんじ、第だい67回かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいのオープニング上映じょうえいへの出席しゅっせきを拒否きょひした。

モナコ公おおやけ室しつの反応はんのうについて、主演しゅえんのニコール・キッドマンは「本ほん作さくにファミリーを批判ひはんする意図いとはなく、完全かんぜんな伝記でんき映画えいがとも違ちがう」とコメントしている。

批評ひひょう家かからも概おおむね低てい評価ひょうかである。Rotten Tomatoesによれば、批評ひひょう家かの一致いっちした見解けんかいは「美うつくしく撮とられてはいるが、全まったくつまらない『グレース・オブ・モナコ 公おおやけ妃ひの切きり札ふだ』は、題材だいざいにも観客かんきゃくにも敬意けいいを払はらうことができていない。」であり、批評ひひょう家かによる74件けんのレビューのうち、高こう評価ひょうかは9%にあたる7件けんのみで、平均へいきんして10点てん満点まんてん中ちゅう3.26点てんにとどまっている。Metacriticによれば、批評ひひょう家かによる10件けんのレビューのうち、高こう評価ひょうかは1件けん、賛否さんぴ混在こんざいは2件けん、低てい評価ひょうかは7件けんで、平均へいきんして100点てん満点まんてん中ちゅう21点てんを得えている。アロシネによれば、フランスの14のメディアによる評価ひょうかの平均へいきんは5点てん満点まんてん中ちゅう2.5点てんである。

上記じょうきのように、映画えいが自体じたいには批判ひはん的てきな見方みかたもあるが、主演しゅえんのニコール・キッドマンは全米ぜんべい映画えいが俳優はいゆう組合くみあい賞しょうにノミネートされるなど、演技えんぎを評価ひょうかする声こえも寄よせられている。

受賞じゅしょう一覧いちらん
賞しょう	カテゴリ	対象たいしょう者しゃ	結果けっか	出典しゅってん
全米ぜんべい映画えいが俳優はいゆう組合くみあい賞しょう	女優じょゆう賞しょう（ミニシリーズ・テレビ映画えいが部門ぶもん）	ニコール・キッドマン	ノミネート

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外部がいぶリンク

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