1979年に何度かフィールドワークでの記録旅行を行なった後、アフリカ的な構成技法を用いた作曲に取り掛かる。このような特徴によって、ヴォランズは、当時のヨーロッパの現代音楽界において、最も個性的な作曲家になることができた。「マテペ (Matepe)」や初稿の「ホワイトマン・スリープス(白人は寝ている) (White Man Sleeps)」は、(アフリカ的な音律をとる)チェンバロやヴィオラ・ダ・ガンバのような古楽器を利用している。1980年代末から1990年代初めの作品は、アフリカ民族音楽の直截な影響力から離れつつあり、衝撃的な2台ピアノのための作品「蝉 (Cicada)」に認められるように、すこぶる独創的なミニマリズム音楽という結果を産んだ。
ヴォランズは、クロノス・クァルテットに数曲を提供しており、わけても「ホワイトマン・スリープス」、「ハンティング - ギャザリング」、弦楽四重奏曲第8番「ブラックウーマン・ライジング」が有名である。これまで唯一のオペラ「風の靴を履いた男 (The Man with Footsoles of Wind)」は、1993年にロンドンで初演された。ほかにピアノ協奏曲やチェロ協奏曲も作曲している。