サブコン

サブコンとは、１、ゼネコンの下請したうけなどとして、土木どぼく・建築けんちく工事こうじの一部いちぶを請負うけおう建設けんせつ業者ぎょうしゃ。この場合ばあいにおいては、元請もとうけ業者ぎょうしゃから工事こうじの一部いちぶを請うけ負おうすべての下請したうけ業者ぎょうしゃが、Subcontractor（下請したうけ業者ぎょうしゃ・サブコン）といえる。

２、施主せしゅから分離ぶんり発注はっちゅうされた請負うけおい業者ぎょうしゃが、メインの建設けんせつ業者ぎょうしゃに対たいしてサブに当あたるためサブコンと呼よばれる。この場合ばあいにおいては、杭くい工事こうじ、設備せつび工事こうじなど、特定とくてい工こう種しゅの工事こうじだけを請うけ負おうSpecialist Contractor（専門せんもん工事こうじ業者ぎょうしゃ）を指さす。※下記かき、分離ぶんり発注はっちゅう参照さんしょう

３、企業きぎょうを下請したうけとする「卑下ひげ」したい方いかたと捉とらえる向むきもある。

分離ぶんり発注はっちゅう

分離ぶんり発注はっちゅうとは、施主せしゅが、ゼネコンや工務こうむ店てんを介かいさずに、専門せんもん工事こうじ業者ぎょうしゃと直接ちょくせつ契約けいやくするシステムのことである。施主せしゅは、多おおくの業者ぎょうしゃと直接ちょくせつ契約けいやくすることになるため、工事こうじ内容ないようや価格かかくの他社たしゃ比較ひかくを行おこなうことができる。また、工事こうじの進捗しんちょく管理かんりにも直接ちょくせつ関かかわることで、契約けいやくの納得なっとく性せいが高たかまる。反面はんめん、窓口まどぐちが増ふえることにより煩雑はんざつさを伴ともなう上うえ、建設けんせつ業者ぎょうしゃ１社しゃに責任せきにんの所在しょざいを求もとめることが出来できなくなる。

たとえば大だい規模きぼな建築けんちく物ぶつを新築しんちくする際さいに、施主せしゅが、建築けんちく工事こうじと設備せつび工事こうじを分離ぶんり発注はっちゅうした場合ばあいは、建築けんちく業者ぎょうしゃと設備せつび業者ぎょうしゃがそれぞれ元請もとうけとなるが、建物たてものを建たてる中なかに設備せつび機器ききを設置せっちすることになるため、それぞれが単独たんどくで工事こうじを進すすめることは出来できない。この場合ばあい、通常つうじょうは建築けんちく物ぶつを建たてる建築けんちく業者ぎょうしゃが統括とうかつして工事こうじを進すすめることになるため、実態じったいとして、建築けんちく業者ぎょうしゃがメイン、設備せつび業者ぎょうしゃがサブとなる。

このように分離ぶんり発注はっちゅうでは、全体ぜんたいの建設けんせつ工事こうじから、設備せつび業者ぎょうしゃを分離ぶんりして発注はっちゅうされることが多おおいため、特とくに設備せつび業者ぎょうしゃのことを指さして、サブコンと呼よぶことが多おおい。

中小ちゅうしょう企業きぎょう者しゃの受注じゅちゅう機会きかいの増大ぞうだいを図はかることを目的もくてきに「官公かんこう需法（官公かんこう需についての中小ちゅうしょう企業きぎょう者しゃの受注じゅちゅうの確保かくほに関かんする法律ほうりつ）」が制定せいていされたことを機きに、公共こうきょう工事こうじの分離ぶんり発注はっちゅうが行おこなわれるようになった。

分離ぶんり発注はっちゅうを行おこなった際さい、サブとなった各かく設備せつび工事こうじ会社かいしゃは、メインの建設けんせつ業者ぎょうしゃが設置せっちした、共通きょうつう仮設かせつ物ぶつ（仮設かせつ事務所じむしょ・仮設かせつトイレ・工事こうじ用よう照明しょうめい・建築けんちく足場あしば・揚あげ重じゅう費ひ等とう）などを利用りようすることになるので、請負うけおい金額きんがくの1.5～4％程度ていどを、賦金ふきん（ぶきん＝仮設かせつ物ぶつ利用りよう料りょう）として支払しはらうことが多おおい。

また、分離ぶんり発注はっちゅうに類似るいじする発注はっちゅう形態けいたいとして、コストオン契約けいやくがある。

コストオン契約けいやくは、施主せしゅが専門せんもん工事こうじ会社かいしゃを指定していし、工事こうじ金額きんがくを取とり決きめ、その統括とうかつ管理かんり費用ひよう（コスト）を上乗うわのせ（オン）して、元請もとうけ会社かいしゃと工事こうじ請負うけおい契約けいやくを締結ていけつし、元請もとうけ会社かいしゃと専門せんもん工事こうじ会社かいしゃは、取とり決きめられた工事こうじ金額きんがくをもって下請したうけ負ふ契約けいやくを締結ていけつする契約けいやく方法ほうほうである。

発注はっちゅう者しゃ（施主せしゅ）・監理かんり者しゃ・元請もとうけ会社かいしゃ・専門せんもん工事こうじ会社かいしゃの当事とうじ者しゃの役割やくわりと責任せきにんが協定きょうてい書しょで定さだめられ、専門せんもん工事こうじ会社かいしゃにとっては工事こうじ金額きんがくと施工しこう責任せきにんが明確めいかくになり、メリットのある契約けいやく方式ほうしきといえる。

業種ぎょうしゅ

杭くい工事こうじ

場所ばしょ打うち杭くい

場所ばしょ打うち杭くいを専せん門もんに施工しこうする会社かいしゃ。ジャパンパイル、丸まる五ご基礎きそ工業こうぎょう、大洋たいよう基礎きそ、東洋とうようテクノなど。

既製きせい杭くい

既製きせい杭くいを専せん門もんに施工しこうする会社かいしゃ。三谷みたにセキサン、ジャパンパイル、日本コンクリにほんこんくりート工業とこうぎょう、日本にっぽんヒューム、トーヨーアサノなど。

鳶とんび工事こうじ

足場あしば・鉄骨てっこつ・コンクリート工事こうじ等ひとしを専せん門もんに施工しこうする会社かいしゃ。向井むかい建設けんせつなど。

設備せつび工事こうじ

電気でんき設備せつび工事こうじ

電気でんき工事こうじを専せん門もんに施工しこうする会社かいしゃ。関電工かんでんこう、きんでん、トーエネック、九電工きゅうでんこう、ユアテック、中電工ちゅうでんこう、日本電設工業にほんでんせつこうぎょう、住友電設すみともでんせつ、弘電社こうでんしゃ、栗原くりはら工業こうぎょう、東光電気工事とうこうでんきこうじ、など。

なお、電気でんき事業じぎょう者しゃ発注はっちゅうによる電気でんき事業じぎょう用よう電気でんき工作こうさく物ぶつに対たいする工事こうじについては、電気でんき事業じぎょう者しゃと関係かんけいが深ふかい電気でんき設備せつび工事こうじ会社かいしゃが元請もとうけ受注じゅちゅうするのが一般いっぱん的てきである。

電気でんき通信つうしん設備せつび工事こうじ

電気でんき通信つうしん工事こうじを専せん門もんに施工しこうする会社かいしゃ。日本にほんコムシス、エクシオグループ、ミライト、ミライト・テクノロジーズ、中電工ちゅうでんこうなど。上記じょうき電気でんき設備せつび工事こうじ会社かいしゃのうち、電気でんき事業じぎょう者しゃと関係かんけいが深ふかい電気でんき設備せつび工事こうじ会社かいしゃは、電気でんき通信つうしん設備せつび工事こうじ会社かいしゃとしても主要しゅような会社かいしゃであるケースが少すくなくない。

なお、通信つうしん事業じぎょう者しゃ発注はっちゅうによる事業じぎょう用よう電気でんき通信つうしん設備せつびに対たいする工事こうじについては、通信つうしん事業じぎょう者しゃと関係かんけいが深ふかい通信つうしん設備せつび工事こうじ会社かいしゃが元請もとうけ受注じゅちゅうするのが一般いっぱん的てきである。

空気くうき調和ちょうわ設備せつび工事こうじ

空気くうき調和ちょうわ設備せつび（空調くうちょう設備せつび）を専せん門もんに施工しこうする会社かいしゃ。高砂熱学工業たかさごねつがくこうぎょう、新菱冷熱工業しんりょうれいねつこうぎょう、大気たいき社しゃ、三機工業さんきこうぎょう、ダイダン、新日本空調しんにっぽんくうちょう、日比谷総合設備ひびやそうごうせつび、東洋熱工業とうようねつこうぎょう、大成温調たいせいおんちょう、朝日工業社あさひこうぎょうしゃ、三菱電機みつびしでんき冷熱れいねつプラント、テクノ菱和てくのりょうわ、第だい一いち工業こうぎょう、三さん協きょう興業こうぎょう、三さん建けん設備せつび工業こうぎょう、日本にっぽんファシリオ、川崎設備工業かわさきせつびこうぎょう、マグマ冷熱れいねつ工業こうぎょうなど。

衛生えいせい設備せつび工事こうじ

給排水きゅうはいすい衛生えいせい設備せつびを専せん門もんに施工しこうする会社かいしゃ・管かん工事こうじ業者ぎょうしゃ。斎とき久ひさ工業こうぎょう、須賀すか工業こうぎょう、西原にしはら衛生えいせい工業こうぎょう所しょ、日立ひたちプラント、東芝とうしばプラント、城しろ口こう研究所けんきゅうじょ、シブヤパイピング工業こうぎょうなど。

（実際じっさいは空調くうちょうと衛生えいせいはどちらに比重ひじゅうを置おいているかの違ちがいであって基本きほん的てきには管かん工事こうじ業者ぎょうしゃは空調くうちょう、衛生えいせいどちらもできる場合ばあいが多おおい）

消防しょうぼう設備せつび工事こうじ

消防しょうぼう設備せつびを専せん門もんに施工しこうする会社かいしゃ。能美防災のうみぼうさい、ホーチキ、ニッタン、日本にっぽんドライケミカル、宮本工業所みやもとこうぎょうしょ、東京とうきょう防災ぼうさい設備せつびなど。