シャイフ・アフマド

シャイフ・アフマド（ペルシア語ご: شیخ احمد‎、モンゴル語ご: Шейх Ахмед、1529年ねん没ぼつ）は、ジョチ・ウルス最後さいごの政権せいけんである大だいオルダのハン（在位ざいい：1495年ねん - 1502年ねん）。アフマド・ハンの三男さんなん。

生涯しょうがい

1481年ねんにアフマド・ハンが暗殺あんさつされると、その息子むすこたちが権力けんりょく争あらそいに明あけ暮くれ、大だいオルダは衰退すいたいを続つづけた。このとき、大だいオルダはリトアニア大公たいこう国こくと同盟どうめいして、クリミア・ハン国こくと戦たたかっていた（クリミア・ハン国こくもまたモスクワ大公たいこう国こくと同盟どうめいしていた）。

1500年ねんにモスクワ・リトアニア戦争せんそうが再開さいかいすると、リトアニアは再ふたたび大だいオルダと同盟どうめいした。1501年ねん、シャイフ・アフマド率ひきいる軍勢ぐんぜいがルィリスク、ノーウホロド＝シーヴェルシクィイ、スタロドゥーブ近ちかくでモスクワ軍ぐんを攻撃こうげきした。リトアニア大公たいこうアレクサンデル・ヤギェロンはポーランド王国おうこくの継承けいしょうを主張しゅちょうしてそちらに集中しゅうちゅうしたため参戦さんせんしなかった。冬ふゆが厳いかめしかった上うえにクリミアのハンメングリ1世せいギレイが草原そうげんを燃もやしたため、シャイフ・アフマドの軍勢ぐんぜいは飢饉ききんに苦くるしみ、その多おおくが脱走だっそうした。脱走だっそうしなかった残のこりの軍勢ぐんぜいも1502年ねん6月がつのスラー川かわの戦たたかいで撃破げきはされた。

シャイフ・アフマドは逃亡とうぼうを余儀よぎなくされ、オスマン帝国ていこくの庇護ひごとモスクワ大公たいこう国こくとの同盟どうめいを求もとめて失敗しっぱいした後のち、リトアニア大公たいこう国こくにありついたが、アレクサンデルは助たすけるどころか彼かれを20年ねん以上いじょう投獄とうごくした。彼かれはクリミア・ハン国こくとの交渉こうしょうで使つかわれ、アレクサンデルはクリミアが従したがわなければシャイフ・アフマドを釈放しゃくほうして彼かれとクリミアの戦争せんそうを再開さいかいさせるとした。メングリ1世せいギレイは不承不承ふしょうぶしょうながらもリトアニアと同盟どうめいした。シャイフ・アフマドはトラカイに投獄とうごくされたが、脱走だっそうを試こころみたためカウナス城じょうに移うつされた。

1527年ねん1月がつのオルシャニツァの戦たたかいの後のち、シャイフ・アフマドは釈放しゃくほうされた。その後ご、彼かれはアストラハン・ハン国こくで権力けんりょくを奪取だっしゅしたとされた。シャイフ・アフマドは1529年ねん頃ごろに死去しきょした。

参考さんこう文献ぶんけん

• Howorth, Henry Hoyle (1880). History of the Mongols from the 9th to the 19th Century. 2. Longmans, Green, and Co.. OCLC 49793717. https://archive.org/stream/historyofmongols21howo/historyofmongols21howo_djvu.txt 
• Kolodziejczyk, Dariusz (2011). The Crimean Khanate and Poland-Lithuania: International Diplomacy on the European Periphery (15th-18th Century). A Study of Peace Treaties Followed by Annotated Documents. The Ottoman Empire and its Heritage. BRILL. ISBN 9789004191907. https://books.google.com/books?id=FHrTxHmegRYC&pg=PA66 

シャイフ・アフマド ボルジギン氏し 生年せいねん不明ふめい - 1529年ねん
先代せんだい サイイド・アフマド	大だいオルダのハン 1495年ねん - 1502年ねん	滅亡めつぼう