ジェリー・アンダーソン

ジェリー・アンダーソン Gerry Anderson
生年月日せいねんがっぴ	(1929-04-14) 1929年ねん4月がつ14日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ	(2012-12-26) 2012年ねん12月26日にち（83歳さい没ぼつ）
出生しゅっしょう地ち	イギリス イギリス
国籍こくせき	イギリス イギリス
職業しょくぎょう	映像えいぞう作品さくひんプロデューサー

ジェリー・アンダーソン（Gerry Anderson、1929年ねん4月がつ14日にち - 2012年ねん12月26日にち）は、イギリスの映像えいぞう作品さくひんプロデューサー。主おもに1960年代ねんだいから1970年代ねんだいにかけて、特撮とくさつ・テレビドラマ・人形にんぎょう劇げきを基本きほんとした映像えいぞう作品さくひんの制作せいさくを手掛てがけた。

名前なまえは以前いぜんの日本にっぽんでは「ゲーリー」と表記ひょうきされていたが、『スペース1999』の頃ころから「ジェリー」の表記ひょうきも登場とうじょうし、『テラホークス』開始かいし時じに正ただしい発音はつおんが「ジェリー」であることがわかったので、以後いご刊行かんこうされる日本語にほんごメディアではほぼ全すべて「ジェリー」となっている。

経歴けいれき

1955年ねんに映像えいぞう製作せいさく会社かいしゃ「APフィルムズ」を設立せつりつ。スーパーマリオネーションと呼よばれる、従来じゅうらいのパペット（操あやつり人形にんぎょう）に人間にんげん的てきな動作どうさや表情ひょうじょうを加くわえ、特撮とくさつを駆使くしして実写じっしゃに近ちかいリアル感かんを演出えんしゅつした人形にんぎょう劇げきの新しん境地きょうちを開ひらき、これを使つかった番組ばんぐみを次々つぎつぎと世よに送おくり出だして名なを馳はせた。特とくに「リップシンクロイドシステム」と呼よばれる、台詞せりふの音声おんせいに反応はんのうして人形にんぎょうの唇くちびるが稼動かどうする画期的かっきてきな電磁でんじ機構きこうを活用かつようした。

ジェリーの妻つまとなったシルヴィア・アンダーソンも会社かいしゃに加くわわり、主おもに人形にんぎょうの造形ぞうけい・制作せいさくと声優せいゆうを担当たんとうしていた。共ともに活躍かつやくしたスタッフとしては、創立そうりつ以来いらいの友人ゆうじんレッジ・ヒル、美術びじゅつのボブ・ビル、人形にんぎょう造形ぞうけいのクリスティン・グランヴィル、音楽おんがくのバリー・グレイ、特技とくぎ監督かんとくのデレク・メディングス等ひとしがいる。

1965年ねんにセンチュリー21（トゥー・ワン）フィルムスタジオ出版しゅっぱんと合併がっぺいして「センチュリー21プロダクション」（the Century 21 Organisation）へ改名かいめい。番組ばんぐみ製作せいさくだけでなく版権はんけん出版しゅっぱん分野ぶんやにも業務ぎょうむを拡大かくだいし、『グリーン・ホーネット』や『トッポジージョ』、『プリズナーNo.6』など番組ばんぐみの関連かんれん商品しょうひんを扱あつかった。1971年ねんにグループ・3・プロダクション（Group 3 Productions）、1975年ねんにはジェリー・アンダーソン・プロダクション（Gerry Anderson Productions）となっている。

2012年ねん12月26日にち、死去しきょ。2010年ねん以来いらいアルツハイマー型がた認知にんち症しょうを患わずらっていた。83歳さい没ぼつ。

アンダーソン作品さくひん一覧いちらん

人形にんぎょう劇げきを作つくる事ことになったきっかけは、ジ・アドヴェンチャー・オブ・トゥイズルを参照さんしょう。

• 1957年ねん - The Adventure of Twizzle（ジ・アドヴェンチャー・オブ・トゥイズル）
• 1960年ねん - Torchy the Battery Boy（トーチー・ザ・バッテリー・ボーイ）
• 1960年ねん - ウエスタン・マリオネット 魔法まほうのけん銃じゅう
• 1960年ねん - クロスローズ・トゥ・クライム
• 1961年ねん - スーパーカー
• 1962年ねん - 宇宙船うちゅうせんXL-5
• 1964年ねん - 海底かいてい大戦たいせん争そう スティングレイ
• 1965年ねん - サンダーバード
• 1966年ねん - サンダーバード 劇場げきじょう版ばん
• 1967年ねん - キャプテン・スカーレット
• 1968年ねん - サンダーバード6号ごう
• 1968年ねん - ジョー90
• 1968年ねん - 決死けっし圏けんSOS宇宙船うちゅうせん
• 1969年ねん - ロンドン指令しれいX
• 1970年ねん - 謎なぞの円盤えんばんUFO
• 1972年ねん - プロテクター電光石火でんこうせっか
• 1973年ねん - 捜査そうさ官かん
• 1975年ねん - スペース1999
• 1976年ねん - The Day After Tomorrow - Into Infinnity（ザ・デイ・アフター・トゥモロウ）（日本にっぽん未み放映ほうえい）

日本にっぽん国内こくないではこれらをかつて「ITC作品さくひん」と呼よんでいた。しかし、ITCは配給はいきゅう会社かいしゃであって、アンダーソンとは直接ちょくせつ関係かんけいない。他方たほう、同おなじくITCの配給はいきゅうである『プリズナーNo.6』も、アンダーソンとは無縁むえんである。

そのため上記じょうきの作品さくひん群ぐんは、ITCという単語たんごは使つかわず、ジェリーとシルヴィア2人にんの意味いみも兼かねて「アンダーソン作品さくひん」と称しょうするようになった。しかし、いまだITC作品さくひんと誤あやま称しょうされることがしばしばある。

ITC配給はいきゅう以後いご

ジェリーとシルヴィアは『スペース1999』第だい1シーズン終了しゅうりょう時じに離婚りこんし、また、本ほん作製さくせい作中さくちゅうにITCの内部ないぶ事情じじょうでジェリー最大さいだいの理解りかい者しゃルー＝グレイドの勢力せいりょくが低下ていかした事こともあり、以後いごの作品さくひんはジェリー自身じしんが出資しゅっし者しゃを募つのっている。

また旧来きゅうらいのスタッフを維持いじできなくなったため、ITC時代じだいより製作せいさく規模きぼがやや縮小しゅくしょうされたり、権限けんげんが限かぎられていた傾向けいこうがあった。なお、ITCは後のちに実質じっしつ的てき経営けいえい者しゃの変遷へんせんを経へて、海外かいがい資本しほんに売うり渡わたされる。

ITC配給はいきゅう以後いごの作品さくひんは技術ぎじゅつ的てきにはITC時代じだいより進歩しんぽし、内容ないよう的てきにもSFテレビのファンからは高たかい評価ひょうかの秀作しゅうさくであり、復活ふっかつ第だい一いち弾だんといえる『地球ちきゅう防衛ぼうえい軍ぐんテラホークス』はイギリス本国ほんごくでは概おおむね成功せいこうをおさめ健在けんざいぶりをみせつけたが、以降いこうの作品さくひんは資金繰しきんぐりなどの問題もんだいから短編たんぺんや衛星えいせい局きょくの作品さくひんもおおく、出資しゅっし先さきの倒産とうさん等とうによりシリーズでない単発たんぱつ作品さくひんも多おおい。

シリーズ化かした作品さくひんは『ディック・スパナー』『スペース・プリシンクト』『ラヴェンダー・キャッスル』『新しんキャプテン・スカーレット』で、『ディック・スパナー』は6分ふん、『ラヴェンダー・キャッスル』は10分ぶんのミニシリーズだった。

特記とっきすべきは『スペース・プリシンクト』で、この作品さくひんは1時じ間あいだ枠わくで大だい予算よさんをくんだライブアクションのテレビシリーズであり、ほぼ2クール分ぶんの24話わ分ぶんが製作せいさくされた。日本にっぽんでは1999年ねんから2000年ねんごろにディレクTVのSFチャンネルで日本語にほんご字幕じまくで放送ほうそうされていたが、現在げんざい視聴しちょう困難こんなんである。

予算よさんが付つきパイロット版ばんが制作せいさくされても、実際じっさいに放映ほうえいまでこぎつけることなく終おわる作品さくひんが多おおかった。一方いっぽう、離婚りこん後ごのシルヴィアもプロデューサーとして活動かつどうし『スターメイデン』（1作さくのみ）などを発表はっぴょうしている。

• 1983年ねん - 地球ちきゅう防衛ぼうえい軍ぐんテラホークス
• 1986年ねん - Space Police（スペース・ポリス）（出資しゅっし先さきの倒産とうさんでパイロット版ばんのみ）
• 1987年ねん - Dick Spanner（ディック・スパナー）（日本にっぽん未み放映ほうえい・人形にんぎょう劇げきではなく、ストップモーション・アニメ）
• 1994年ねん - スペース・プリシンクト（“Space Police”を改題かいだい・改編かいへん）
• 1999年ねん - Lavender Castle（ラヴェンダー・キャッスル）（日本にっぽん未み放映ほうえい・人形にんぎょう劇げきではなく、ストップモーション・アニメ）
• 2005年ねん - 新しん キャプテン・スカーレット

アンダーソン作品さくひんの影響えいきょうを受うけた作品さくひん群ぐん

• 1966年ねん - ウルトラマン
• 1968年ねん - マイティジャック
• 1969年ねん - 空中くうちゅう都市とし008
• 1973年ねん - ゼロテスター（同どう作品さくひんの製作せいさくは、アンダーソン作品さくひんの多おおくを配給はいきゅうした東北新社とうほくしんしゃである）
• 1980年ねん - Xボンバー（英国えいこくではシルヴィアのプロデュースで、『テラホークス』と同どう時期じきに放映ほうえいされた）
• 1982年ねん - 科学かがく救助きゅうじょ隊たいテクノボイジャー（日本にっぽん国外こくがい版ばんのタイトルは『Thunderbirds 2086』（東北新社とうほくしんしゃ版ばんの邦題ほうだいタイトルは『THE・アニメーション サンダーバード 2086』））
• 1995年ねん - 新しん世紀せいきエヴァンゲリオン
• 2004年ねん - チーム★アメリカ/ワールドポリス（『サンダーバード』を元もとにしたハイレベルな人形にんぎょう特撮とくさつを実現じつげんしながら、過激かげきなギャグを盛もり込こんだパロディ映画えいが）
• 2015年ねん - サンダーバード ARE GO（『サンダーバード』のリブート作品さくひん。日本にっぽんでの放送ほうそうは2016年ねん以降いこう）

備考びこう

首都しゅと圏けんでは1983年ねんから1985年ねんに、UHF局きょくのテレビ神奈川てれびかながわ、テレビ埼玉てれびさいたま、千葉ちばテレビなどで『サンダーバード』を皮切かわきりに、アンダーソン作品さくひんの大半たいはんが放映ほうえいされた。『サンダーバード』の映画えいが2作さくは勿論もちろん、白黒しろくろの『スーパーカー』まで放映ほうえいされ、放映ほうえいされなかったのは放映ほうえい権けんが切きれた『魔法まほうのけん銃じゅう』『宇宙船うちゅうせんXL-5』の他ほかは『プロテクター電光石火でんこうせっか』『謎なぞの円盤えんばんUFO』『スペース1999』のみである。なお、『UFO』および『1999』は1987年ねんから1988年ねんにテレビ東京てれびとうきょうで深夜しんや時間じかん帯たいに続つづけて再さい放送ほうそうされている。これは実際じっさいにUHF局きょく同士どうしで交流こうりゅうがあるためで、フィルムの入手にゅうしゅや隣となりの放送ほうそう局きょくへの搬送はんそうは手渡てわたしで行おこなっていた。

外部がいぶリンク

• Gerry Anderson 公式こうしきサイト（英語えいご）
• Gerry Anderson Links（英語えいご）
• Gerry Anderson の世界せかい - archive.today（2013年ねん4月がつ27日にちアーカイブ分ぶん）