ジェームズ川がわ

ジェームズ川がわ
ジェームズ川かわからリッチモンド市しを臨のぞむ
延長えんちょう	660 km
流域りゅういき面積めんせき	27,019 km²
水源すいげん	カウパスチャー川がわとジャクソン川かわの合流ごうりゅう点てん
河口かこう・合流ごうりゅう先さき	チェサピーク湾わん
流域りゅういき	アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくバージニア州しゅう

ジェームズ川がわ流域りゅういき図ず

ジェームズ川がわ（ジェームズかわ、英えい:James River）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくバージニア州しゅうを流ながれる川かわであり、水源すいげんのジャクソン川かわを含ふくめ全長ぜんちょうは410マイル (657 km) ある。流域りゅういき面積めんせきは10,432平方へいほうマイル (27,019 km2) である。流域りゅういきには約やく4%の開放かいほう水域すいいきを含ふくみ、2000年ねんの国勢調査こくせいちょうさでは地域ちいき人口じんこう250万まん人にんである。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの中なかで全ぜん流域りゅういきが1つの州しゅうの中なかにある川かわとしては12番目ばんめの長ながさである。

流域りゅういき

ジェームズ川がわはアレゲーニー山脈さんみゃくのアリゲイニー郡ぐんとボトトート郡ぐんの境目さかいめにあるアイアンゲイト近ちかく、カウパスチャー川がわとジャクソン川かわの合流ごうりゅう点てんに源みなもとを発はっし、ハンプトン・ローズでチェサピーク湾わんに流ながれ込こんでいる。潮汐ちょうせきはバージニア州都しゅうとリッチモンドの西にし、瀑布ばくふ線せん（航行こうこう可能かのう限界げんかい）まで及およんでいる。潮汐ちょうせきが及およぶところまで流ながれ込こむ大おおきな支流しりゅうとしては、アポマトックス川がわ、チカホミニー川がわ、ウォーウィック川がわ、パガン川がわおよびナンセモンド川かわがある。

ニューポートニューズ・ポイント近ちかくの河口かこうで、エリザベス川がわがジェームズ川がわに合流ごうりゅうし、ハンプトン・ローズと呼よばれる港湾こうわん地域ちいきを形成けいせいする。オールドポイント・コンフォート近ちかくのバージニア半島はんとうの先端せんたんと、サウス・ハンプトン・ローズにあるノーフォーク市しのウィロビー・スピット地域ちいきの間あいだにハンプトン・ローズからチェサピーク湾わん、さらには数すうマイル東ひがしの大西おおにし洋ひろしに出でる水路すいろがある。

歴史れきし

16世紀せいきおよび17世紀せいき初期しょきに瀑布ばくふ線せんの東ひがし地域ちいきに住すんでいた先住民せんじゅうみん族ぞくはジェームズ川がわのことをポウハタン川がわと呼よんでおり、これはバージニアの海岸かいがん地域ちいき大半たいはんに広ひろがっていたポウハタン連邦れんぽうの酋長しゅうちょうの名前なまえを採とっていた。イギリス人じん植民しょくみん者しゃはこの川かわをイングランド王おうジェームズ1世せいに因ちなんで名付なづけており、1607年ねんにチェサピーク湾わんから上流じょうりゅう約やく35マイル (56 km) 上流じょうりゅうのジェームス河岸かわぎし、ジェームズタウンに造つくったアメリカでは最初さいしょの恒久こうきゅう的てきイギリス開拓かいたく地ちと同様どうようだった。

川かわの航行こうこう可能かのうな部分ぶぶんはバージニア植民しょくみん地ちにとって最初さいしょの15年間ねんかんは主要しゅよう幹線かんせんとなり、イギリスからの物資ぶっしや更さらなる植民しょくみんを運はこぶ補給ほきゅう船せんの用ように供きょうした。しかし、初はじめの5年間ねんかん、金かねや財宝ざいほうに関かんする多おおくの期待きたいがあったにも拘かかわらず、これらの船ふねは出資しゅっし者しゃに大たいした金目かねめの物ものを持もち帰かえらなかった。1612年ねん、実業じつぎょう家かジョン・ロルフがここの原産げんさんではないタバコの栽培さいばいに成功せいこうし、これがイギリスで人気にんきを呼よんだ。間まもなくジェームズ川がわは、その岸きしに桟橋さんばしを備そなえ急速きゅうそくに増ふえたプランテーションからこの換金かんきん作物さくもつの大おおきな樽たるを運はこび出だす主要しゅよう手段しゅだんとなった。この発展はってんにより、ロンドンのバージニア会社かいしゃの株主かぶぬしの努力どりょくも財政ざいせい的てきに成功せいこうし、更さらなる発展はってん、投資とうしおよび移民いみんに拍車はくしゃを駆かけた。リッチモンドの滝たきより下流かりゅうでは、多おおくのジェームズ川がわプランテーションが自身じしんの桟橋さんばしを所有しょゆうし、ウォーウィック、バミューダ・ハンドレッド、シティポイント、クレアモントスコットランドおよびスミスフィールド、更さらには17世紀せいきの間あいだは植民しょくみん地ち首都しゅとのジェームズタウンに新あらたな港みなとや初期しょき積つみ出だし設備せつびが造つくられた。

ジェームズ川がわを航行こうこうすることは初期しょきバージニアの交易こうえきと内陸ないりく部ぶへの開拓かいたくに重要じゅうような役割やくわりを果はたしたが、植民しょくみん地ちの成長せいちょうは最初さいしょの75年間ねんかん主ぬしに海岸かいがん地域ちいきに限かぎられていた。瀑布ばくふ線せんにある航行こうこう可能かのう限界げんかいより上流じょうりゅうは17世紀せいき後半こうはんにエイブラハム・ウッドによる毛皮けがわ交易こうえき隊たいによって探検たんけんされた。

外洋がいよう航行こうこう船せんは現在げんざいのリッチモンドより上流じょうりゅうには航行こうこうできなかったが、製品せいひんの陸路りくろ運搬うんぱんやタバコ以外いがいの作物さくもつを運はこぶための小ちいさな船ふねの航行こうこうは可能かのうだった。ピードモントやグレートバレー地域ちいきからの製品せいひんはリンチバーグ、スコッツビル、コロンビアおよびブキャナンなどの港町みなとちょうを通つうじてリッチモンドやマンチェスターの海港かいこうまで川かわで運はこび降おろされた。

ジェームズ川がわ・カノーワ運河うんが

ジェームズ川がわはオハイオ渓谷けいこくから製品せいひんを運はこぶ経路けいろとも考かんがえられた。この目的もくてきでジェームズ川がわ・カノーハ運河うんがが建設けんせつされ、ジェームズ川がわとオハイオ川がわの支流しりゅうであるカノーワ川がわの航行こうこう可能かのうな部分ぶぶんとを繋つないだ。川かわの間あいだの山岳さんがく地帯ちたいはジェームズ川がわ・カノーワ・ターンパイクが建設けんせつされ、荷馬にうま車しゃや駅えき馬車ばしゃを使つかった陸路りくろ輸送ゆそうが行おこなわれた。しかし、運河うんがが完工かんこうする前まえの19世紀せいき中頃なかごろ、より実用じつよう的てきな技術ぎじゅつとして鉄道てつどうが現あらわれ、経済けいざい性せいの問題もんだいで運河うんがは御用ごよう済ずみとなった。1873年ねん、リッチモンドとオハイオ川がわの新しん都市としハンティントンの間あいだにチェサピーク・アンド・オハイオ鉄道てつどうが完成かんせいし、運河うんがの経済けいざい的てき役割やくわりはなくなった。1880年代ねんだい、リッチモンド・アンド・アレゲニー鉄道てつどうが運河うんがの曳ひき船ふね道どうに沿そって敷しかれ10年間ねんかんの内うちにチェサピーク・アンド・オハイオ鉄道てつどうの一部いちぶとなった。現代げんだいではこの鉄道てつどう線せんがCSXトランスポーテーションの積つみ出だし経路けいろとして使つかわれ、主おもにウェストバージニア州しゅうの石炭せきたんを運はこび、バージニア州しゅうニューポートニューズの石炭せきたん桟橋さんばしから輸出ゆしゅつされている。

バージニア州しゅうカーターズビルのジェームズ川がわ

自然しぜん・環境かんきょう

プリンスジョージ郡ぐんの流域りゅういきには、ジェームズ川がわ国立こくりつ野生やせい生物せいぶつ保護ほご区くが設置せっちされている。また、河口かこう部ぶは1987年ねんにチェサピーク湾わんの一部いちぶとしてラムサール条約じょうやく登録とうろく地ちとなった。

リクリエーション

ジェームズ川がわには多おおくの公園こうえんやその他たリクリエーションに使つかわれる場所ばしょがある。カヌー、釣つり、カヤック、ハイキングおよび水泳すいえいが夏なつの間あいだに人々ひとびとが楽たのしむ活動かつどうである。ブルーリッジ山脈さんみゃくの源流げんりゅうからリッチモンドまで多おおくの早瀬はやせや淵ふちが釣つりや急流きゅうりゅうくだりを楽たのしませてくれる。最もっとも激はげしい急流きゅうりゅうはリッチモンド中心ちゅうしん街がいで終おわる2マイル (3 km) の区間くかんであり、そこから瀑布ばくふ線せんに至いたる。ここはクラス3の急流きゅうりゅう（クラス4が平均へいきん以上いじょうのレベル）が摩天楼まてんろうの見みえる地域ちいきに存在そんざいすることではアメリカでも唯一ゆいいつの場所ばしょである。リッチモンドの東ひがしにある瀑布ばくふ線せんより下流かりゅうでは、水上みずかみスキーやその他た大型おおがたの船ふねを使つかったリクリエーションに適てきしている。この辺あたりでは青あおいナマズで知しられており、平均へいきんして20ないし30ポンド (9-14 kg)、時ときには50ポンド (23 kg) を超こえるものが捕つかまえられる。チェサピーク湾わんの水域すいいきでは根絶こんぜつが近ちかいという大西洋たいせいようチョウザメの最後さいごの記録きろくがある。2007年ねん5月がつの調査ちょうさでは175匹ひきのチョウザメが残のこっており、5フィート (1.5 m) を超こえるものも15例れいあった。

橋はし

ハンプトン・ローズ地域ちいき

リッチモンドより下流かりゅうの幹線かんせん道路どうろ橋きょう

ハンプトン・ローズ地域ちいきでは、ジェームズ川がわはある地点ちてんで5マイル (8 km) の幅はばがある。外洋がいよう航路こうろ船せんがリッチモンド港こうまで遡さかのぼるために幹線かんせん道路どうろにはフェリーボート、高たかい橋はしおよびブリッジトンネルの組くみ合あわせが使つかわれている。川かわを横切よこぎるものは東ひがしから西にしに以下いかの通とおりである。

• モニター・メリマック記念きねんブリッジトンネル
• ジェームズ川かわ橋きょう
• ジェームズタウン・フェリー（無料むりょう）
• ベンジャミン・ハリソン橋きょう、ホープウェル近ちかく。州しゅう道どう156号線ごうせんの跳はね橋ばし、1966年ねんにフェリーに置おき換かわった。1977年ねんに船ふねが衝突しょうとつする事件じけんがあった。
• ヴァリナ・エノン橋きょう、高たかい斜はす張はり橋きょう、州しゅう間あいだ高速こうそく道どう295号線ごうせんが通とおる、完成かんせいしたときは全米ぜんべいのこのタイプで2番目ばんめだった。
• ベトナム退役たいえき兵へい記念きねん橋きょう、ポカホンタス・パークウェイ（州しゅう道どう895号線ごうせん）が通とおる、上流じょうりゅうの橋はしを経由けいゆして州しゅう道どう151号線ごうせんと州しゅう間あいだ高速こうそく道どう95号線ごうせんを繋つなぐ。

州しゅう道どう895号線ごうせんがリッチモンドの水深みずふか港こうとジェームズ川がわの瀑布ばくふ線せんで外洋がいよう航行こうこう船せんの限界げんかい点てんより東ひがしでは最後さいごの橋はしである。この地点ちてんより西にしでは船ふねを通とおすことよりも潜在せんざい的てき洪水こうずいの可能かのう性せいが土木どぼく上じょうの関心事かんしんじである。

リッチモンドの幹線かんせん道路どうろ橋きょう

次つぎのリストはジェームズ川がわに架かかり一いち端はしあるいは両りょう端はしが市内しないに入はいる現存げんそん橋きょうである。

メイヨー橋きょう、1889年ねん撮影さつえい

• 州しゅう間あいだ高速こうそく道どう95号線ごうせんジェームズ川かわ橋きょう
• メイヨー橋きょう（アメリカ国道こくどう360号線ごうせん）
• マンチェスター橋きょう（アメリカ国道こくどう60号線ごうせん）
• ロバート・E・リー記念きねん橋きょう（アメリカ国道こくどう1号線ごうせんおよび301号線ごうせん）
• ブールバード橋きょう（州しゅう道どう161号線ごうせん、有料ゆうりょう橋きょう、重量じゅうりょう制限せいげんあり）
• ポーホワイト・パークウェイ橋きょう（ポーホワイト・パークウェイおよび州しゅう道どう76号線ごうせん、有料ゆうりょう橋きょう）
• ユグノー記念きねん橋きょう（州しゅう道どう147号線ごうせん）
• エドワード・E・ウィリー橋きょう（州しゅう道どう150号線ごうせん）

リッチモンドより西にしの幹線かんせん道路どうろ橋きょう

次つぎのリストはリッチモンドより西にしのジェームズ川がわに架かかる現存げんそん幹線かんせん道路どうろ橋きょうの一部いちぶである。

• 第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん退役たいえき兵へい記念きねん橋きょう（州しゅう道どう288号線ごうせん）
• アメリカ国道こくどう522号線ごうせん、メイデンズ近ちかく
• 州しゅう道どう45号線ごうせん、カーターズビル近ちかく
• コロンビア道路どうろ（アメリカ国道こくどう690号線ごうせん）、コロンビア近ちかく
• アメリカ国道こくどう15号線ごうせん、ブレモブラフ近ちかく
• 州しゅう道どう20号線ごうせん、スコッツビル近ちかく
• 州しゅう道どう56号線ごうせん、ウィンジナ近ちかく
• モナカン橋きょう（アメリカ国道こくどう29号線ごうせん、リンチバーグの東ひがし）
• カーター・グラス記念きねん橋きょう（アメリカ国道こくどう29号線ごうせん産業さんぎょう道路どうろ、リンチバーグ）
• ジョン・リンチ記念きねん橋きょう（リンチバーグ）

自転車じてんしゃ

モニター・メリマック記念きねんブリッジトンネルは自転車じてんしゃの走行そうこうを禁止きんししているが、ジェムズタウン・フェリーは使つかえる。ブールバード橋きょうでの重大じゅうだいな事故じこの後のち、リッチモンド市しは橋はしの全長ぜんちょうにわたって自転車じてんしゃは側がわ道どうを通とおるよう求もとめている。

参考さんこう文献ぶんけん

• Chesapeake Bay Program Watershed Profile James River
• Heritage of the James River Talk by Ann Woodlief at James River Symposium, 1995
• James River Association
• The River Where America Began - Bob Deans

外部がいぶリンク

• James River National Wildlife Refuge