情熱に満たされた味のある演奏によってフランス近代のヴァイオリン楽派の代表者となって、その演奏様式は幅広い流行に乗り、相当に重宝がられた。その間フランスでは、ヴァイオリンのための夜想曲や二重奏曲、練習曲などを発表して、作曲家としても大成功を収めた。著書『ヴァイオリンの流派』(Ecole du violon )はパリ音楽院にも教則本に採用されている。パブロ・デ・サラサーテはアラールの高弟の一人である。特筆すべきは、40巻からなるヴァイオリン曲集『ヴァイオリンの古典的な巨匠たち』(Les Maitres classiques du violon, ショット社)において、18世紀の最も傑出した大家によるヴァイオリン曲を選定・集成したことである。