ジャン＝イシドール・アリスプ

ジャン＝イシドール・アリスプ（Jean-Isidore Harispe、1768年ねん12月7日にち- 1855年ねん5月26日にち）は、フランス革命かくめい戦争せんそう及およびナポレオン戦争せんそうにおいて活躍かつやくしたフランスの将軍しょうぐん。1831年ねんにはフランス元帥げんすいに任命にんめいされた。

生おい立たち

アリスプは裕福ゆうふくなバスク地方ちほうの地主じぬしの息子むすことしてサン・エティエンヌ・ド・バイゴリーに生うまれる。彼かれの両親りょうしんは息子むすこに聖職せいしょく者しゃになることを望のぞんでいたが、アリスプは1792年ねんにフランス革命かくめいが勃発ぼっぱつした際さいに志願しがん兵へいとしてフランス共和きょうわ国軍こくぐんに参加さんかした。1793年ねんに彼かれはサン・ジャン・ピエド・ポーの軍隊ぐんたいの指揮しき官かんに選えらばれた。アリスプはピレネー戦線せんせん（対たいスペイン戦せん）において有名ゆうめいになった。1795年ねんにスペインとフランスが講和こうわを結むすんだ後のちはボルドーで守備しゅび隊たいを率ひきい、オートガロンヌで反乱はんらん軍ぐんと戦たたかった。1799年ねんにはマクドナルの指揮しき下かでグラウビュンデンの戦たたかいに参加さんかした後のち、モンセイとブリュヌの要請ようせいによりイタリア方面ほうめん軍ぐんへ転属てんぞくとなった。1802年ねん5月がつにはアングレーム守備しゅび隊たいとして組織そしきされた第だい16バスク猟りょう兵へい半はん旅団りょだんの指揮しき官かんに任命にんめいされた。

ナポレオン戦争せんそう

第だい3次じ対たい仏ふつ大だい同盟どうめいが結成けっせいされた時とき、アリスプはオージュローの指揮しき下かで大西洋たいせいよう沿岸えんがんに勤務きんむしていた1805年ねん及および1806年ねんの戦たたかいではディスジャーディン地方ちほうで活躍かつやくした。イェナの戦たたかいでアリスプは負傷ふしょうした。1807年ねん1月がつにアリスプは准じゅん将しょうに任命にんめいされた。スルトの指揮しき下かに転属てんぞくになった後のち、ベルティエの指揮しき下かの旅団りょだんを預あづけられた。ハイルスベルクの戦たたかい及およびフリーラントの戦たたかいにおいて活躍かつやくして有名ゆうめいになったが、ここで再ふたたび負傷ふしょうすることとなった。

1807年ねんにはモンセイの指揮しき下かの沿岸えんがん軍ぐん偵察ていさつ軍団ぐんだんの参謀さんぼう長ちょうに任命にんめいされた。アリスプはこの軍団ぐんだんと共ともに1808年ねんのスイス戦線せんせんを戦たたかった。1808年ねん11月にはランヌ指揮しき下かでツデラの戦たたかい及およびサラサゴ包囲ほうい戦せんに参加さんかした。ランヌがフランスに帰国きこくし第だい5次じ対たい仏ふつ大だい同盟どうめいが結成けっせいされた時ときにはスーシェの参謀さんぼう長ちょうに就任しゅうにんした。

スーシェが1万まん人にんの軍隊ぐんたいでスペインの軍隊ぐんたいを破やぶったマリアの戦たたかいで、アリスプは1から3箇所かしょの傷きずを負おった。アリスプは部隊ぶたいの中なかで将軍しょうぐんに昇進しょうしんした。タラゴナとレリダの包囲ほうい戦せんおよびバレンシア占領せんりょうにおいてさらに名声めいせいを上あげた後のち、レジオンドヌール勲章くんしょうグラン・トフィシエを授与じゅよされ伯爵はくしゃくとなった。

アリスプは1813年ねんまでアラルゴンで勤務きんむした後のち、1814年ねんにスルトへの増援ぞうえんとしてバルセロナへ向むかった。ビトリアの戦たたかいでウェリントンのフランス南部なんぶへの侵攻しんこうを防ふせいだ後のち、フランスへの退却たいきゃく途中とちゅうでスペイン人じんによって利用りようされるのを防ふせぐために自分じぶんの生うまれた城しろを自みずから焼やくこととなった。アルザスの戦たたかいでアルプスは全ぜん軍ぐんの撤退てったいを支援しえんした。1814年ねん3月がつ20日はつかにタルブでスペイン軍ぐんと戦闘せんとうを行おこない、ナポレオンが退位たいいした後のちも戦たたかい続つづけトゥールーズの戦たたかいにおいても活躍かつやくした。カリベントの高地こうちを防衛ぼうえいする任務にんむを与あたえられ、これらの堡塁ほうるいを極力きょくりょくをかけて防衛ぼうえい中ちゅうに砲弾ほうだんを足あしに受うけ切断せつだんしなければならなかった。

晩年ばんねん

王政おうせい復古ふっこ後のちにアリスプはセントルイス勲章くんしょうおよび第だい15軍団ぐんだんの指揮しき官かんに任命にんめいされた。ナポレオンの百ひゃく日にち天下でんかでは再さいナポレオンの下したに参集さんしゅうし、スペイン戦線せんせんの防衛ぼうえいを行おこなった。第だい二に次じ王政おうせい復古ふっこ後ごにスペインのフランス南部なんぶへの侵攻しんこうを阻止そししようとした。アリスプは第だい二に次じ王政おうせい復古ふっこ政権せいけんにより7月がつ革命かくめいまで国外こくがい追放ついほうされるが、7月がつ王政おうせいの支持しじ者しゃとしてオート＝アルプおよびバス＝ピレネー知事ちじ（1830年ねん - 1833年ねん）、ピレネー西部せいぶ方面ほうめん軍団ぐんだん長ちょう（1833年ねん - 1850年ねん）、第だい20軍団ぐんだん長ちょう（1840年ねん - 1850年ねん）に復帰ふっきした

アリスプはバス＝ピレネーの代議士だいぎし (1831年ねん - 1835年ねん) となり、ボナパルト大統領だいとうりょう（のちのナポレオン3世せい）によってグラン・クロワを叙勲じょくんし、元帥げんすいに任命にんめいされ、フランスの貴族きぞくに列れっせられた。第だい二に帝政ていせいには上院じょういん議員ぎいんになった。アリスプは1855年ねんにラカールで死亡しぼうした。彼かれの名なは凱旋がいせん門もんの西側にしがわに刻きざまれている。