ジョン・オストロム

ジョン・H・オストロム
生誕せいたん	1928年ねん2月がつ18日にち アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく ニューヨーク市し
死没しぼつ	(2005-07-16) 2005年ねん7月がつ16日にち（77歳さい没ぼつ） アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく コネチカット州しゅう
研究けんきゅう分野ぶんや	古こ生物せいぶつ学がく
プロジェクト:人物じんぶつ伝でん

ジョン・H・オストロム（John H. Ostrom、1928年ねん2月がつ18日にち - 2005年ねん7月がつ16日にち）は、アメリカの古こ生物せいぶつ学がく者ものであり、1960年代ねんだいにおける恐竜きょうりゅうへの現代げんだい的てきな理解りかいへの改革かいかくを行おこなった。彼かれは恐竜きょうりゅうがトカゲ（爬虫類はちゅうるい）のようなものではなく、むしろ大おおきな飛とばない鳥とりであるという、1860年代ねんだいにトマス・ヘンリー・ハクスリーにより初はじめて提案ていあんされたもののあまり支持しじを得えていなかったアイディアを論証ろんしょうした。初はじめてのオストロムによる原始げんし的てきな鳥類ちょうるいである始祖しそ鳥とりついての広範こうはんな骨ほね学がくと系統けいとう学がくについてのレビューは1976年ねんに発表はっぴょうされた。中国ちゅうごくにおける最終さいしゅう的てきな羽毛うもう恐竜きょうりゅうの発見はっけんに対たいする彼かれの反応はんのうは、何なん年ねんもの辛辣しんらつな討論とうろんの後のちであったため、ほろ苦にがいものであった（Gentile, 2000）。

生おい立たちと経歴けいれき

オストロムはニューヨーク市しで生うまれ、Union Collegeに学まなんだ。オストロムは父ちちのような医師いしをこころざした。しかしジョージ・ゲイロード・シンプソンの著書ちょしょ「The Meaning of Evolution」を読よんで考かんがえを変かえた。コロンビア大学ころんびあだいがくに入学にゅうがくしエドウィン・ハリス・コルバートの元もとで研究けんきゅうした。

1952年ねん、ナンシー・グレイス・ハートマン（2003年ねん死去しきょ）と結婚けっこんし2人にんの娘むすめカレンとアリシアをもうけた。

オストロムはイェール大学だいがくに移うつる以前いぜんにブルックリンカレッジで1年ねん教鞭きょうべんをとり、Beloit Collegeで5年ねんを過すごしている。オストロムはイェール大学だいがくの教授きょうじゅであり、ピーボディー自然しぜん史し博物館はくぶつかんの古こ脊椎動物せきついどうぶつ学がくの名誉めいよキュレーターであった、この博物館はくぶつかんはオスニエル・チャールズ・マーシュによって始はじめられた目覚めざましい化石かせきコレクションが収蔵しゅうぞうされている。コネチカット州しゅう、Litchfieldにてアルツハイマー病びょうによる合併症がっぺいしょうのため77歳さいで死去しきょしている。

温ゆたか血ちのデイノニクス

1964年ねんのオストロムによるデイノニクスの発見はっけんは史上しじょう最もっとも重要じゅうような化石かせきの発見はっけんと考かんがえられている。デイノニクスは初はじめて発見はっけんされたラプターであり、獲物えものに飛とびかかり恐おそろしい鉤かぎ爪つめで切きりつけるか突つき刺さして殺ころすという、活発かっぱつな捕食ほしょく者しゃであった。活発かっぱつな活動かつどうの証拠しょうことして尾おに沿そって走はしる長ながい腱けんがあり、これによってジャンプしたり走はしったりした際さいにバランスをとる硬直こうちょくした尾おを形成けいせいしていた。この、「少すくなくとも恐竜きょうりゅうの中なかには高度こうどな代謝たいしゃを持もつものがおり、少すくなくとも部分ぶぶん的てきにはかのように温ゆたか血ち性せいであった」という結論けつろんは、彼かれの学生がくせいであったロバート・T・バッカーによって大衆たいしゅう化かした、そして恐竜きょうりゅうは冷血れいけつで、のろまでトカゲのような生いき物ものであるという前ぜん世紀せいきよりはびこっていた印象いんしょうを変かえることとなった（恐竜きょうりゅうルネッサンス）。

このことはプロの恐竜きょうりゅうイラストレーターがどのように恐竜きょうりゅうを描えがくかということと、大衆たいしゅうの目めの両方りょうほうを変かえた。この発見はっけんはまた恐竜きょうりゅうルネッサンスの引ひき金がねとも信しんじられている。この用語ようごは1975年ねん発行はっこうのサイエンティフィック・アメリカン誌しにおいてバッカーによって作つくられたもので、古こ生物せいぶつ学がくにおいて興味深きょうみぶかい新あらたな情報じょうほうの流入りゅうにゅうによって更新こうしんされたデータベースを記述きじゅつするためのものであり、1970年代ねんだいより現在げんざいまで続つづく恐竜きょうりゅうの多様たよう性せいについて記録きろくの倍加ばいかを受うけてのものである。

始祖しそ鳥とりと飛翔ひしょうの起源きげん、ハドロサウルスの群むれ

オストロムは恐竜きょうりゅうと鳥類ちょうるいの関係かんけいに興味きょうみを持もつに当あたって、初はじめ現在げんざいハールレム標本ひょうほんの始祖しそ鳥とりとして知しられているものの研究けんきゅうからはじめた。この標本ひょうほんは1855年ねんに発見はっけんされ、実際じっさいには最初さいしょに発見はっけんされた標本ひょうほんであるが誤あやまってプテロダクティルス・クラッシペスであるとラベルされ、オランダのTeylers Museumにひっそりと置おかれていた。オストロムは1970年ねんの論文ろんぶん（及および1972年ねんの記載きさい）においてこれが正ただしくは世界せかいで8つしかない最初さいしょの鳥とり（孤立こりつした羽毛うもうを含ふくむ）の一ひとつであることを示しめした。

オストロムはまた、化石かせき化かしたハドロサウルスの足跡あしあとを読よみ取とりカモノハシ恐竜きょうりゅうが群むれで移動いどうしていたと結論けつろん付つけている。

参考さんこう文献ぶんけん

• "At Last, His Theory Flies". May 5, 2000. Olivia F. Gentile. Hartford Courant.
• "Archaeopteryx". May 1975. John H. Ostrom. Discovery, volume 11, number 1, pages 15 to 23.
• Obituary Los Angeles Times July 21, 2005

外部がいぶリンク

• Dinosaurs in Your Garden