腸 ちょう チフス の予防 よぼう 接種 せっしゅ を行 おこな う医師 いし (1944年 ねん )
アフガニスタン で救急 きゅうきゅう 医療 いりょう を行 おこな っている医師 いし (2010年 ねん )
医師 いし (いし、英語 えいご : doctor 、アメリカ英語 えいご : physician )は、医療 いりょう および保健 ほけん 指導 しどう を司 つかさど る医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ である。医学 いがく に基 もと づく傷病 しょうびょう の予防 よぼう 、診療 しんりょう および公衆 こうしゅう 衛生 えいせい の普及 ふきゅう を責務 せきむ とする職業 しょくぎょう 。医者 いしゃ とも俗称 ぞくしょう される。
伝統 でんとう 的 てき にアメリカでは医師 いし は「physician 」と称 しょう される。また、専門 せんもん 分野 ぶんや ごとに内科 ないか 医 い [ 注釈 ちゅうしゃく 1] や外科医 げかい [ 注釈 ちゅうしゃく 2] などと呼 よ ばれる。英語 えいご 圏 けん で医師 いし の一般 いっぱん 名称 めいしょう 「physician 」に対 たい して外科 げか 医 い だけが「surgeon 」と呼 よ ばれているのは、中世 ちゅうせい より内科 ないか 学 がく が医学 いがく だとされており、内科 ないか 医 い が医師 いし であったことによる。外科 げか 医 い の仕事 しごと は初期 しょき には理容 りよう 師 し によって行 おこな われ、医療 いりょう 補助 ほじょ 職 しょく として扱 あつか われており、義肢 ぎし 装具 そうぐ 士 し や理学 りがく 療法 りょうほう 士 し 等 ひとし のような存在 そんざい であったことから、別 べつ の名称 めいしょう があてられることになった。すなわち医師 いし である内科 ないか 医 い が診察 しんさつ ・診断 しんだん を行 おこな いその処方 しょほう に基 もと づいて理髪 りはつ 師 し (外科医 げかい )が外科 げか 的 てき 治療 ちりょう を、薬剤師 やくざいし が内科 ないか 的 てき 治療 ちりょう (投薬 とうやく )をそれぞれ行 おこな うという建前 たてまえ であった。しかし時代 じだい が進 すす むにつれ外科 げか 医 い や薬剤師 やくざいし も独自 どくじ に治療 ちりょう を行 おこな うようになり、彼 かれ らも医者 いしゃ とみなされるようになっていった。その他 た に、フランス語 ふらんすご では médecin ( メドゥサン ) 、ドイツ語 ご ではArzt ( アルツト ) である。
また、日本 にっぽん 、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド等 とう では、博士 はかせ の学位 がくい を所持 しょじ しない医師 いし は「ドクター[ 注釈 ちゅうしゃく 3] 」と呼 よ ばれる。ただし、英 えい 連邦 れんぽう 諸国 しょこく では、外科 げか 医 い は学位 がくい にかかわらず、今日 きょう なお日本語 にほんご の「〇〇 ( だれそれ ) 」さん」に相当 そうとう する「ミスター・〇〇 ( だれそれ ) 」と呼 よ ばれ、「ドクター・〇〇 ( だれそれ ) 」とは呼 よ ばれない。本来 ほんらい なら master (修士 しゅうし )のさらに上位 じょうい にある学位 がくい の名称 めいしょう である doctor (博士 はかせ )が、医師 いし の名称 めいしょう としても用 もち いられるようになったのは医師 いし 制度 せいど の発展 はってん してきた歴史 れきし 的 てき 背景 はいけい 、および免許 めんきょ 取得 しゅとく 過程 かてい 上 じょう 要求 ようきゅう された学位 がくい が関係 かんけい しているとされている。
今日 きょう の日本 にっぽん では、一般 いっぱん に「お医者 いしゃ さん」「医者 いしゃ 」「ドクター」「先生 せんせい 」と呼 よ ばれる。「医師 いし 」という名称 めいしょう が確立 かくりつ し一般 いっぱん に広 ひろ く普及 ふきゅう したのは、明治 めいじ 以後 いご のことである。このほか、日本語 にほんご で「医師 いし 」の同義語 どうぎご には「医 い ( い ) 」「医家 いか ( いか ) 」「医家 いか ( いけ ) 」「医 い 士 し ( いし ) 」「医 い 生 せい ( いせい ) 」「医 い ( くすし ) 」「薬師 くすし ( くすし ) 」「薬師 くすし ( くすりし ) 」「薬 くすり 医 い ( やくい ) 」などがある。
船舶 せんぱく で勤務 きんむ する者 もの は船医 せんい 、軍隊 ぐんたい に所属 しょぞく する者 もの は軍医 ぐんい と呼 よ ばれる。
一般 いっぱん に、適切 てきせつ な診療 しんりょう 能力 のうりょく を持 も たず、治療 ちりょう にならないことをしたり誤診 ごしん をしたり医療 いりょう 過誤 かご を引 ひ き起 お こしたりする医師 いし は藪医者 やぶいしゃ [ 注釈 ちゅうしゃく 4] と呼 よ ばれている。
医師 いし と患者 かんじゃ が描 えが かれた古代 こだい ギリシア の壺 つぼ (紀元前 きげんぜん 480~470年 ねん 頃 ごろ のもの)
古代 こだい には病気 びょうき というものに対 たい して悪魔 あくま や神 かみ によるもの等 ひとし と信 しん じられていたため、「医師 いし 」という職業 しょくぎょう は世界 せかい 各地 かくち で現在 げんざい でも宗教 しゅうきょう と密接 みっせつ に関 かか わっているものが多 おお い。
西洋 せいよう において「医 い 」の象徴 しょうちょう とされているのはギリシア神話 しんわ に登場 とうじょう するアスクレピオス である。アスクレピオスの杖 つえ は世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん (WHO)を含 ふく めて世界 せかい 各国 かっこく で「医 い 」の象徴 しょうちょう として用 もち いられている。
古代 こだい 西洋 せいよう では、医師 いし の社会 しゃかい 的 てき 地位 ちい は比較的 ひかくてき 低 ひく かった。
古代 こだい ギリシア においては、医師 いし は自由 じゆう 市民 しみん であるとは限 かぎ らず、奴隷 どれい である医師 いし もいた。自由 じゆう 市民 しみん は自由 じゆう 市民 しみん の医師 いし が診察 しんさつ し、奴隷 どれい は奴隷 どれい である医師 いし が診察 しんさつ した。また古代 こだい ローマ においても、市民 しみん 権 けん は与 あた えられたといわれるものの、医師 いし の地位 ちい は高 たか くなかった。これはローマにおいて往々 おうおう に医師 いし が被 ひ 征服 せいふく 民 みん のギリシア人 じん が多 おお く、更 さら には奴隷 どれい 階級 かいきゅう とされた者 もの も多 おお かったためと考 かんが えられている。医師 いし の社会 しゃかい 的 てき 地位 ちい が高 たか くなったのは中世 ちゅうせい ヨーロッパにおいてである。人 ひと の命 いのち に関 かか わる重要 じゅうよう な職業 しょくぎょう なので、専門 せんもん 職 しょく として特別 とくべつ な地位 ちい を与 あた え、それに応 おう じた責任 せきにん が求 もと められるようになった。
西洋 せいよう においては、内科 ないか が知識 ちしき 主義 しゅぎ に基 もと づいて伸長 しんちょう したのに対 たい し、外科 げか は経験 けいけん 主義 しゅぎ を基礎 きそ に伸長 しんちょう した。初期 しょき には床屋 とこや などから外科 げか 医 い となるものが多 おお かった。
『七 なな 十 じゅう 一 いち 番 ばん 職人 しょくにん 歌合 うたあわせ 』三 さん 十 じゅう 四 よん 番 ばん に描 えが かれた室町 むろまち 時代 ときよ の薬師 くすし (くすし)
東洋 とうよう において「医 い 」の象徴 しょうちょう とされているのは一般 いっぱん に薬師 やくし 如来 にょらい が知 し られているように、日本 にっぽん においては「薬師 やくし (くすし)」と呼 よ ばれた和漢薬 わかんやく の専門 せんもん 家 か が医師 いし の起源 きげん となる。当時 とうじ の薬学 やくがく である本草学 ほんぞうがく に基 もと づき生薬 きぐすり を用 もち いて診療 しんりょう を行 おこな った。日本 にっぽん の漢方 かんぽう 医学 いがく は中国 ちゅうごく の漢方 かんぽう 医学 いがく とは16世紀 せいき 頃 ころ 分 わ かれて独自 どくじ の道 みち を歩 ある いている。律令制 りつりょうせい においては、典薬 てんやく 寮 りょう の下 した に官職 かんしょく としての「医師 いし 」 が置 お かれた他 ほか 、大宰府 だざいふ や令 れい 制 せい 国 こく にも医師 いし が派遣 はけん されていた。
江戸 えど 時代 じだい においては士農工商 しのうこうしょう の工 こう に当 あ たるとされたが、御 ご 典 てん 医 い などは士分 しぶん に準 じゅん ずる扱 あつか いを受 う けることもあった。鎖国 さこく 下 した にあって西洋 せいよう 諸国 しょこく に向 む けた唯一 ゆいいつ の公的 こうてき な窓口 まどぐち であった長崎 ながさき 警備 けいび を受 う け持 も つ佐賀 さが 藩 はん は西洋 せいよう 医学 いがく の影響 えいきょう を強 つよ く受 う け、幕末 ばくまつ 期 き の1851年 ねん に「医業 いぎょう 免 めん 札 さつ 制度 せいど 」を導入 どうにゅう し、全 すべ ての医師 いし に開業 かいぎょう には免許 めんきょ を必須 ひっす とした[ 2] 。
明治 めいじ 時代 じだい 、西洋 せいよう 医学 いがく を日本 にっぽん に導入 どうにゅう するため西洋 せいよう から医者 いしゃ を招 まね いた。また「医師 いし 」という呼称 こしょう が用 もち いられるようになったのは明治 めいじ 時代 じだい に入 はい ってからである。それ以前 いぜん は「医者 いしゃ 」と呼 よ んでいた。
日本 にっぽん では明治維新 めいじいしん 後 ご の1874年 ねん 、医師 いし を免許 めんきょ 制 せい とする制度 せいど が導入 どうにゅう され、1876年 ねん には新 あら たに免許 めんきょ を受 う けようとするものは洋 よう 方 かた 六 ろく 科 か 試験 しけん 合格 ごうかく が必要 ひつよう となることが内務省 ないむしょう から通達 つうたつ され、漢方 かんぽう 医 い を志 こころざ す医師 いし であっても西洋 せいよう 医学 いがく を学 まな ぶことが必須 ひっす とされるようになった[ 3] 。現代 げんだい の中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく や韓国 かんこく ではそれぞれ中 ちゅう 医師 いし 、韓 かん 医師 いし という医師 いし とは別 べつ の資格 しかく が並立 へいりつ している。
G20各国 かっこく の医師 いし 数 すう (人口 じんこう 1,000人 にん あたり)
米国 べいこく では、他 た の分野 ぶんや と同様 どうよう に全 すべ ての医療 いりょう 関連 かんれん 免許 めんきょ はそれぞれの州 しゅう が交付 こうふ する。日本 にっぽん のように医師 いし 免許 めんきょ があれば事実 じじつ 上 じょう すべての診療 しんりょう 科 か を行 おこな うことができるというものではなく、各 かく 診療 しんりょう 科 か ごとの専門医 せんもんい 資格 しかく を必要 ひつよう としている。また手術 しゅじゅつ 手技 しゅぎ や診療 しんりょう に関 かん しても段階 だんかい が存在 そんざい し、高度 こうど な医療 いりょう を行 おこな うにあたってもまた別 べつ にその専門医 せんもんい 資格 しかく を必要 ひつよう としている。現在 げんざい 、各州 かくしゅう において医師 いし 免許 めんきょ に定年 ていねん 制度 せいど は設 もう けられていない、専門医 せんもんい 資格 しかく は3~4年 ねん に1回 かい 、指定 してい された講義 こうぎ 単位 たんい 数 すう や実績 じっせき を前提 ぜんてい に更新 こうしん が行 おこな われている。
英国 えいこく では、日本 にっぽん のように「医師 いし 」であれば事実 じじつ 上 じょう 全 すべ ての診療 しんりょう 科 か を行 おこな うことができるということはなく、各 かく 診療 しんりょう 科 か ごとに専門医 せんもんい 資格 しかく が必要 ひつよう とされている。また「総合 そうごう 診療 しんりょう 医 い (家庭 かてい 医療 いりょう /一般 いっぱん 医療 いりょう : general practice )」と「病院 びょういん 医 い (専門 せんもん 医療 いりょう )」とが厳格 げんかく に区別 くべつ され、それぞれ専門 せんもん 領域 りょういき として独立 どくりつ している[ 4] 。
1890年代 ねんだい には現代 げんだい ほど厳密 げんみつ ではなく、医学 いがく 生 せい が医師 いし の助手 じょしゅ や船医 せんい として勤務 きんむ したり、専門医 せんもんい 資格 しかく が無 な い医師 いし が専門医 せんもんい 院 いん を開業 かいぎょう したりしても違法 いほう ではなかった。アーサー・コナン・ドイル は医学 いがく 生 せい 時代 じだい に捕鯨 ほげい 船 せん の船医 せんい を務 つと めた他 ほか 、眼科 がんか 資格 しかく を取得 しゅとく しないままロンドン で眼科 がんか 診察 しんさつ 所 しょ を開業 かいぎょう していた。
英国 えいこく の大学 だいがく 医学部 いがくぶ は全 すべ て公立 こうりつ (バッキンガム大学 だいがく のみ私立 しりつ と位置付 いちづ け)で、伝統 でんとう 的 てき に大学 だいがく の権威 けんい が高 たか く認 みと められているため、医師 いし 資格 しかく の国家 こっか 試験 しけん は存在 そんざい せず、各 かく 大学 だいがく の「卒業 そつぎょう 試験 しけん 」に合格 ごうかく し卒業 そつぎょう することで医師 いし 免許 めんきょ が与 あた えられる。留年 りゅうねん は認 みと められていないため、中退 ちゅうたい 者 しゃ も少 すく なくない。
日本 にっぽん と同様 どうよう に、高校 こうこう 卒業 そつぎょう 後 ご に大学 だいがく 医学部 いがくぶ に入学 にゅうがく となるが、英国 えいこく の大学 だいがく 入学 にゅうがく には「A-Level 」という統一 とういつ 試験 しけん があり、その成績 せいせき と面接 めんせつ ・書類 しょるい 審査 しんさ 等 とう で厳重 げんじゅう に行 おこな われ各 かく 大学 だいがく の医学部 いがくぶ 入学 にゅうがく となる。医学部 いがくぶ は約 やく 5年 ねん 制 せい で、各 かく 大学 だいがく ごとに様々 さまざま なカリキュラムが組 く まれている。卒業 そつぎょう 後 ご は2年間 ねんかん の臨床 りんしょう 研修 けんしゅう が義務付 ぎむづ けられ、その後 ご に専門 せんもん とする診療 しんりょう 科 か を選択 せんたく する[ 4] 。ここで大 おお きく「総合 そうごう 診療 しんりょう 医 い (general practice )」と「病院 びょういん 医 い (専門 せんもん 医療 いりょう )」とに進路 しんろ は選択 せんたく され、それぞれ研修 けんしゅう が行 おこな われる[ 4] 。そして研修 けんしゅう 終了 しゅうりょう の後 のち にそれぞれ総合 そうごう 診療 しんりょう 認定 にんてい 医 い 、専門 せんもん 認定 にんてい 医 い の試験 しけん があり、合格 ごうかく して初 はじ めて「医師 いし 」としての独立 どくりつ した診療 しんりょう 行為 こうい が許 ゆる されている。
一般 いっぱん 的 てき に医師 いし 免許 めんきょ はその国 くに の中 なか でしか通用 つうよう しないが、英国 えいこく の医師 いし 免許 めんきょ はニュージーランド などのイギリス連邦 れんぽう 加盟 かめい 国 こく や植民 しょくみん 地 ち でも通用 つうよう する。またヨーロッパ諸国 しょこく の資格 しかく が有効 ゆうこう となる場合 ばあい もあり、コナン・ドイルは眼科 がんか 資格 しかく を取得 しゅとく するため1891年 ねん にウィーン へ移住 いじゅう した(ドイツ語 ご 能力 のうりょく の不足 ふそく により断念 だんねん )。
英国 えいこく の植民 しょくみん 地 ち の住民 じゅうみん が医師 いし を目指 めざ す場合 ばあい には英国 えいこく の医大 いだい に入学 にゅうがく することが多 おお い。特 とく に医大 いだい のような高等 こうとう 教育 きょういく 機関 きかん を持 も たない植民 しょくみん 地 ち の場合 ばあい はイギリス本国 ほんごく かイギリス連邦 れんぽう 加盟 かめい 国 こく の医大 いだい へ行 い くしかない。このように、英国 えいこく の医師 いし 免許 めんきょ は国際 こくさい 免許 めんきょ のような性格 せいかく を持 も っているため、シンガポールやブルネイなどの経済 けいざい 的 てき に豊 ゆた かな小国 しょうこく で医師 いし を目指 めざ す人間 にんげん が英国 えいこく の医大 いだい に入学 にゅうがく して医師 いし になる場合 ばあい が非常 ひじょう に多 おお い。
このため、イギリス連邦 れんぽう なら絶海 ぜっかい の孤島 ことう であっても医師 いし の質 しつ が比較的 ひかくてき 高 たか い場合 ばあい が多 おお い。香港 ほんこん などでは返還 へんかん 前 まえ はイギリスの医師 いし 免許 めんきょ を持 も った医師 いし しか医業 いぎょう を行 おこな えなかったが、香港 ほんこん 返還 へんかん 後 うしろ ではイギリスと中国 ちゅうごく の両方 りょうほう の医師 いし 免許 めんきょ が通用 つうよう する。
ドイツ でも、日本 にっぽん のように「医師 いし 」であれば事実 じじつ 上 じょう 全 すべ ての診療 しんりょう 科 か を行 おこな うことができるということはなく、各 かく 診療 しんりょう 科 か ごとに専門医 せんもんい 資格 しかく が必要 ひつよう とされている。
ドイツの医師 いし 国家 こっか 試験 しけん は4段階 だんかい の試験 しけん が存在 そんざい する。まず日本 にっぽん と同様 どうよう に中等 ちゅうとう 教育 きょういく 修了 しゅうりょう 後 ご に大学 だいがく 医学部 いがくぶ に進学 しんがく でき、そこで約 やく 6年間 ねんかん の医学 いがく 教育 きょういく を受 う けるが、医学部 いがくぶ での勉強 べんきょう と医師 いし 国家 こっか 試験 しけん は平行 へいこう して行 おこな われ、医師 いし 免許 めんきょ 取得 しゅとく 後 ご にも医学部 いがくぶ で医学 いがく 教育 きょういく を受 う ける必要 ひつよう がある。
まず医学部 いがくぶ 在学 ざいがく 2年 ねん 目 め で「Physikum(教養 きょうよう 試験 しけん )」(教養 きょうよう 科目 かもく )と呼 よ ばれる自然 しぜん 科学 かがく 系 けい 国家 こっか 資格 しかく の統一 とういつ 試験 しけん がある。それに合格 ごうかく するとまた1年 ねん 後 ご に「Das erste Staatsexamen(第 だい 一 いち 次 じ 国家 こっか 試験 しけん )」(基礎 きそ 医学 いがく )と呼 よ ばれる試験 しけん があった。これに合格 ごうかく し約 やく 2年 ねん 後 ご に「Das zweite Staatsexamen(第 だい 二 に 次 じ 国家 こっか 試験 しけん )」(臨床 りんしょう 医学 いがく )と呼 よ ばれる試験 しけん があった。これに合格 ごうかく すると最終 さいしゅう 学年 がくねん 時 じ に、1年間 ねんかん の病院 びょういん での臨床 りんしょう 研修 けんしゅう が義務付 ぎむづ けられている。最後 さいご に「Das dritte Staatsexamen(第 だい 三 さん 次 じ 国家 こっか 試験 しけん )」と呼 よ ばれる試験 しけん があり、これに合格 ごうかく して初 はじ めて「研修 けんしゅう 医 い (AIP:Arzt im Praktikum)」という免許 めんきょ が与 あた えられた(現在 げんざい は研修 けんしゅう 医 い という制度 せいど がなくなり、医師 いし 免許 めんきょ が発行 はっこう される)。このほかにFamulaturという合計 ごうけい 4か月 げつ の実習 じっしゅう がPhysikum合格 ごうかく 後 ご 、最終 さいしゅう 学年 がくねん 前 まえ までに義務付 ぎむづ けられている。これは医学部 いがくぶ の正規 せいき の教育 きょういく 課程 かてい で行 おこな われることではないため、大学 だいがく の休 やす み期間 きかん に学生 がくせい 自 みずか らで行 おこな う。現在 げんざい ではPhysikumの後 のち 、3年 ねん 勉学 べんがく 後 ご 、1年間 ねんかん の病院 びょういん 実習 じっしゅう を行 おこな い国家 こっか 試験 しけん に合格 ごうかく 後 ご 、医師 いし 免許 めんきょ を習得 しゅうとく できるように制度 せいど が改変 かいへん された。またこの間 あいだ 大学 だいがく 医学部 いがくぶ での医学 いがく の勉強 べんきょう は同時 どうじ 並行 へいこう となり、ドイツ の医学 いがく 生 せい はまた別 べつ に大学 だいがく での単位 たんい の取得 しゅとく が必要 ひつよう とされているが大学 だいがく によってはと卒業 そつぎょう 論文 ろんぶん の製作 せいさく を求 もと めているところもある。そしてこの「医師 いし 免許 めんきょ 」と「卒論 そつろん 」の二 ふた つが揃 そろ って初 はじ めて大学 だいがく では卒業 そつぎょう が認 みと められ、学位 がくい が授与 じゅよ される。卒業 そつぎょう 論文 ろんぶん の代 か わりに博士 はかせ 論文 ろんぶん を書 か く学生 がくせい もいる。この場合 ばあい 、博士 はかせ 論文 ろんぶん が認定 にんてい されると、「博士 はかせ 」の学位 がくい を授与 じゅよ される。
また医師 いし 免許 めんきょ があったとしても医師 いし としての活動 かつどう が許 ゆる されているわけではなく、歴史 れきし ある医学 いがく 大国 たいこく として各 かく 「医師 いし 会 かい 」の権威 けんい が大 おお きく、また何 なん 年 ねん かの臨床 りんしょう 研修 けんしゅう を受 う け各 かく 医師 いし 会 かい 、の専門医 せんもんい 試験 しけん に合格 ごうかく しないと診療 しんりょう 科 か を標榜 ひょうぼう することが許 ゆる されない。開業 かいぎょう する場合 ばあい 、専門医 せんもんい 試験 しけん に合格 ごうかく していない場合 ばあい 、公的 こうてき 健康 けんこう 保険 ほけん に対 たい して診療 しんりょう 報酬 ほうしゅう は請求 せいきゅう できない。また、専門医 せんもんい 資格 しかく の中 なか に「一般 いっぱん 医学 いがく (家庭 かてい 医 い )」という専門 せんもん 資格 しかく も存在 そんざい し、一般 いっぱん 開業医 かいぎょうい はこの専門医 せんもんい 資格 しかく が必要 ひつよう とされている。
ドイツ国内 こくない においては1999年 ねん から医師 いし の定年 ていねん 制 せい が施行 しこう され、68歳 さい になると保険 ほけん 医療 いりょう を行 おこな うことはできなくなった。また、それによって定年 ていねん 後 ご の医師 いし の生活 せいかつ を支 ささ える目的 もくてき で「医師 いし 老齢 ろうれい 年金 ねんきん 制度 せいど 」という社会 しゃかい 保障 ほしょう 制度 せいど が存在 そんざい する。
中国 ちゅうごく では、西洋 せいよう 医学 いがく を中心 ちゅうしん として学 まな ぶ医学部 いがくぶ と、中 ちゅう 医学 いがく を専 せん 門 もん に勉強 べんきょう する中 なか 医学部 いがくぶ に分 わ かれる。西洋 せいよう 医学部 いがくぶ を卒業 そつぎょう し1年 ねん のインターンを経 へ ることで医師 いし 免許 めんきょ 受験 じゅけん 資格 しかく を与 あた えられ、中 ちゅう 医学部 いがくぶ を卒業 そつぎょう し1年 ねん のインターンを経 へ ることで中 ちゅう 医師 いし 免許 めんきょ 受験 じゅけん 資格 しかく を与 あた えられる。日本 にっぽん との違 ちが いは、医師 いし 免許 めんきょ 自体 じたい が、中 ちゅう 医学 いがく 系 けい と西洋 せいよう 医学 いがく 系 けい の二 に 本立 ほんだ てであることである。
数 すう 年 ねん 前 まえ から、外国 がいこく 人 じん も医師 いし 国家 こっか 試験 しけん の受験 じゅけん が可能 かのう になっている。嘗 かつ て中 ちゅう 医師 いし 免許 めんきょ 相当 そうとう とされた「国際 こくさい 中 ちゅう 医師 いし 免許 めんきょ 」は、受験 じゅけん しても外国 がいこく はもちろん本国 ほんごく である中国 ちゅうごく でさえ医療 いりょう 行為 こうい を行 おこな うことのできない学力 がくりょく 認証 にんしょう 試験 しけん であり、医師 いし の世界 せかい では意味 いみ をなさない。
第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 前 まえ には日本 にっぽん へ国費 こくひ で留学生 りゅうがくせい を送 おく り医学 いがく を学 まな ばせていた。魯迅 ろじん は仙台 せんだい 医学 いがく 専門 せんもん 学校 がっこう (現 げん 東北大学 とうほくだいがく 医学部 いがくぶ )に留学 りゅうがく したが、退学 たいがく し作家 さっか に転身 てんしん している。
韓国 かんこく では医療 いりょう 二 に 元 げん 化 か 体制 たいせい を取 と っており、中国 ちゅうごく と同 おな じく西洋 せいよう 医学 いがく 系 けい と中 ちゅう 医学 いがく 系 けい に区分 くぶん される。
韓国 かんこく で医者 いしゃ になるためには、2つの条件 じょうけん を備 そな えなければならない。まず、医科 いか 大学 だいがく や医学 いがく 専門 せんもん 大学院 だいがくいん で学業 がくぎょう を終 お えること、そして医師 いし 国家 こっか 試験 しけん を受 う けて合格 ごうかく することである。他 た の方法 ほうほう としては、外国 がいこく の医科 いか 大学 だいがく を卒業 そつぎょう して学士 がくし 号 ごう を取得 しゅとく した外国 がいこく の医師 いし 免許 めんきょ 保有 ほゆう 者 しゃ が、韓国 かんこく の医師 いし 国家 こっか 試験 しけん 予備 よび 試験 しけん に合格 ごうかく し、国家 こっか 試験 しけん 受験 じゅけん 資格 しかく を得 え て国家 こっか 試験 しけん に合格 ごうかく する方法 ほうほう がある。また、軍 ぐん 委託 いたく 教育 きょういく 制度 せいど で医師 いし になることができる。
日本 にっぽん では「医師 いし 」は国家 こっか 資格 しかく であり、大学 だいがく の医学部 いがくぶ (6年 ねん 制 せい )を卒業 そつぎょう 後 ご に「医師 いし 国家 こっか 試験 しけん 」に合格 ごうかく して医籍 いせき 登録 とうろく を完了 かんりょう したものに厚生 こうせい 労働 ろうどう 大臣 だいじん より免許 めんきょ が与 あた えられる[ 5] 。1999年 ねん に改正 かいせい された医師 いし 法 ほう 第 だい 16条 じょう の2に「診療 しんりょう に従事 じゅうじ しようとする医師 いし は、2年 ねん 以上 いじょう 、医学 いがく を履修 りしゅう する課程 かてい を置 お く大学 だいがく に附属 ふぞく する病院 びょういん 又 また は厚生 こうせい 労働 ろうどう 大臣 だいじん の指定 してい する病院 びょういん において、臨床 りんしょう 研修 けんしゅう を受 う けなければならない。」と明記 めいき され、2004年 ねん 度 ど からは、臨床 りんしょう 医 い として勤務 きんむ するためには2年間 ねんかん 以上 いじょう の臨床 りんしょう 研修 けんしゅう を行 おこな うことが努力 どりょく 義務 ぎむ とされた。臨床 りんしょう 研修 けんしゅう を終 お えていない医師 いし は、医業 いぎょう を続 つづ けることはできるが、病院 びょういん ・診療 しんりょう 所 しょ の長 ちょう となることができない。この間 あいだ の「医師 いし 」を一般 いっぱん に研修 けんしゅう 医 い とも呼 よ ぶこともある(資格 しかく 名 めい ではなく通称 つうしょう 名 めい )。ただし、基礎 きそ 研究 けんきゅう 医 い や産業 さんぎょう 医 い 、社会 しゃかい 医学 いがく 者 もの 、法医学 ほういがく 者 もの などはこの義務 ぎむ はない。しかし、これらの分野 ぶんや でも認定 にんてい 医 い 取得 しゅとく 条件 じょうけん や求人 きゅうじん に2年間 ねんかん の臨床 りんしょう 研修 けんしゅう を義務 ぎむ づけている場合 ばあい もある。
一般 いっぱん 的 てき には、病院 びょういん や診療 しんりょう 所 しょ といった医療 いりょう 機関 きかん で医業 いぎょう (医療 いりょう 行為 こうい )を行 おこな う医師 いし (臨床 りんしょう 医 い )が多 おお いが、医療 いりょう 機関 きかん 以外 いがい では法務省 ほうむしょう に所属 しょぞく し、刑務所 けいむしょ や拘置 こうち 所 しょ の収容 しゅうよう 者 しゃ を対象 たいしょう に医療 いりょう 行為 こうい を行 おこな う医師 いし である矯正 きょうせい 医 い 官 かん 、自衛隊 じえいたい に所属 しょぞく する医師 いし である医 い 官 かん や、保健所 ほけんじょ (地域 ちいき 保健 ほけん 法 ほう 施行 しこう 令 れい 第 だい 4条 じょう 第 だい 1項 こう にて「保健所 ほけんじょ の所長 しょちょう は医師 いし でなければならない」と規定 きてい されている。次項 じこう に例外 れいがい 規定 きてい もあり)、基礎 きそ 研究 けんきゅう 医 い 、産業 さんぎょう 医 い 、社会 しゃかい 医学 いがく 者 しゃ 、法医学 ほういがく など直接 ちょくせつ 医療 いりょう 行為 こうい を行 おこな わない医師 いし もいる。
2022年 ねん 1月 がつ 現在 げんざい 、医師 いし 免許 めんきょ に更新 こうしん 制度 せいど はなく、通常 つうじょう は生涯 しょうがい にわたって有効 ゆうこう である。医師 いし は2年 ねん おきに住所 じゅうしょ ・氏名 しめい などを都道府県 とどうふけん 知事 ちじ を経由 けいゆ して厚生 こうせい 労働 ろうどう 大臣 だいじん に届 とど け出 で る必要 ひつよう がある[ 5] 。医療 いりょう 過誤 かご 、犯罪 はんざい 等 とう による資格 しかく 停止 ていし ・剥奪 はくだつ は厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう 医道 いどう 審議 しんぎ 会 かい により決定 けってい される[ 6] 。
日本 にっぽん の医師 いし 免許 めんきょ は診療 しんりょう 科 か ごとに交付 こうふ されるものではなく、医師 いし は法律 ほうりつ 上 じょう は歯科 しか 以外 いがい すべての診療 しんりょう 科 か における診療 しんりょう 行為 こうい を行 おこな うことができる、とされている。(歯科 しか 医師 いし のみ別 べつ 資格 しかく になっている)
近年 きんねん では医療 いりょう の進歩 しんぽ と共 とも に技術 ぎじゅつ 的 てき に高 たか い次元 じげん での専門 せんもん 化 か ・細分 さいぶん 化 か 傾向 けいこう が強 つよ まり、日本 にっぽん においても各 かく 診療 しんりょう 分野 ぶんや の学会 がっかい が「学会 がっかい 認定 にんてい 医 い 」、「学会 がっかい 専門医 せんもんい 」などの学会 がっかい 認定 にんてい 専門医 せんもんい 制度 せいど を導入 どうにゅう しており、さらに2018年 ねん からは専門医 せんもんい の養成 ようせい ・認定 にんてい を一括 いっかつ で行 おこな う日本 にっぽん 専門医 せんもんい 機構 きこう による「新 しん 専門医 せんもんい 制度 せいど 」が開始 かいし され[ 7] [ 8] 、一般 いっぱん 診療 しんりょう 者 しゃ への技術 ぎじゅつ 度 ど の目安 めやす として広 ひろ まりつつある。がしかし、これらは法的 ほうてき には「肩書 かたが き」に過 す ぎず、所持 しょじ していなくても診療 しんりょう 科 か を標榜 ひょうぼう することは可能 かのう である(たとえば、眼科 がんか の医師 いし が皮膚 ひふ 科 か の診療 しんりょう を行 おこな うことも可能 かのう )。ただし、麻酔 ますい 科 か を標榜 ひょうぼう するには厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう の許可 きょか を得 え なければならない(医療 いりょう 法 ほう 第 だい 70条 じょう 2項 こう 、及 およ び医療 いりょう 法 ほう 施行 しこう 規則 きそく 第 だい 42条 じょう の4に基 もと づく)。
また、「医師 いし 」には「一人 ひとり 医療 いりょう 法人 ほうじん 」という制度 せいど があり、「医師 いし 」一人 ひとり でも医療 いりょう 法人 ほうじん が設立 せつりつ できる。死体 したい 検案書 けんあんしょ 作成 さくせい は、医師 いし の独占 どくせん 業務 ぎょうむ である。
日本 にっぽん で医師 いし の資格 しかく を規定 きてい する根拠 こんきょ となっている法律 ほうりつ は「医師 いし 法 ほう 」であり、医師 いし 法 ほう 第 だい 17条 じょう に「何人 なんにん も、医師 いし でなければ、医業 いぎょう をなしてはならない。」と規定 きてい し、職業 しょくぎょう 選択 せんたく の自由 じゆう を規制 きせい している。なお日本 にっぽん の医師 いし 免許 めんきょ は、個人 こじん に医業 いぎょう をするために与 あた えられた免許 めんきょ であるため登録 とうろく 免許 めんきょ 税 ぜい が発生 はっせい する。また、認知 にんち 症 しょう などになると免許 めんきょ を取 と り消 け される場合 ばあい がある。なお、後見人 こうけんにん が必要 ひつよう となった場合 ばあい は免許 めんきょ が取消 とりけし 処分 しょぶん となる。診療 しんりょう 報酬 ほうしゅう などを不正 ふせい に請求 せいきゅう し罰金 ばっきん 以上 いじょう の処罰 しょばつ を受 う けると取消 とりけし 処分 しょぶん となる。
また、しばしば資格 しかく を持 も たない者 もの が医師 いし を名乗 なの り医業 いぎょう を行 おこな う例 れい が見 み られ、1970年 ねん 前後 ぜんこう には、いわゆるニセ医者 いしゃ が多数 たすう 存在 そんざい していたことが社会 しゃかい 問題 もんだい となった。警察庁 けいさつちょう の調 しら べでは1969年 ねん に91件 けん 104人 にん 、1970年 ねん に110件 けん 96人 にん 、1971年 ねん (9月 がつ まで)に40件 けん 37人 にん が摘発 てきはつ されている[ 9] 。
医師 いし は、医療 いりょう 法 ほう で定 さだ められた厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう が指定 してい した27の標榜 ひょうぼう 科 か を、いつでも自由 じゆう に名乗 なの ることができる。ただし「麻酔 ますい 科 か 」の『麻酔 ますい 科 か 医 い 』に関 かん しては、厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう の麻酔 ますい 科 か 標榜 ひょうぼう 資格 しかく 審査 しんさ に合格 ごうかく しなければ、麻酔 ますい 科 か の標榜 ひょうぼう も麻酔 ますい 科 か 医 い を名乗 なの ることも出来 でき ず、医師 いし が麻酔 ますい を取扱 とりあつか うことが出来 でき ない。また歯科 しか 医師 いし 法 ほう により、歯科 しか 医業 いぎょう については歯科 しか 医師 いし しか行 おこな う事 こと が出来 でき ない。咬合構築 こうちく に関与 かんよ する骨 ほね 切 ぎ り術 じゅつ が形成 けいせい 外科 げか 医 い により行 おこな われる事 こと があるが、これは歯科 しか 医師 いし 法 ほう 違反 いはん である(待機 たいき 処置 しょち の場合 ばあい )。
離島 りとう や過疎 かそ 地 ち で軽症 けいしょう 患者 かんじゃ に対 たい しては、医師 いし 一 いち 人 にん だけで多 おお くの診療 しんりょう 科 か に対 たい する医療 いりょう 行為 こうい を完結 かんけつ させる必要 ひつよう があり、「医師 いし 」の資格 しかく により、最低限 さいていげん の医療 いりょう 行為 こうい が完結 かんけつ できなければならない。よって「医師 いし 」が「検査 けんさ ができない」「レントゲンが撮 と れない」「看護 かんご ができない」「人工 じんこう 透析 とうせき ができない」「リハビリテーション ができない」ということは、制度 せいど の建前 たてまえ 上 じょう ありえない。
薬 くすり に関 かん しては、欧米 おうべい では歴史 れきし 上 じょう 薬剤師 やくざいし の業務 ぎょうむ として発展 はってん (完全 かんぜん 医薬 いやく 分業 ぶんぎょう 制 せい )してきたものであり、欧米 おうべい では医師 いし が調剤 ちょうざい することはあり得 え ない事 こと であるが、日本 にっぽん では薬剤師 やくざいし 法 ほう の規定 きてい により、自身 じしん が診察 しんさつ した患者 かんじゃ に限 かぎ り、調剤 ちょうざい をする事 こと ができる(不完全 ふかんぜん 分業 ぶんぎょう )。ただし、他 た の医師 いし の処方箋 しょほうせん による調剤 ちょうざい は、薬剤師 やくざいし が持 も つ業務 ぎょうむ 範囲 はんい であり、原則 げんそく 的 てき に薬剤師 やくざいし 免許 めんきょ がなければ、たとえ医師 いし であっても無 む 資格 しかく 調剤 ちょうざい となる 。
医師 いし の年齢 ねんれい 分布 ぶんぷ (医療 いりょう 機関 きかん 従事 じゅうじ , 2012年 ねん )[ 10]
医師 いし 数 すう (人 ひと )
割合 わりあい %
内訳 うちわけ
病院 びょういん 従事 じゅうじ (割合 わりあい %)
診療 しんりょう 所 しょ 従事 じゅうじ (割合 わりあい %)
総数 そうすう
288,850
100.0
100.0
100.0
29歳 さい 以下 いか
26,226
9.1
13.8
0.3
30~39歳 さい
65,003
22.5
31.7
5.3
40~49歳 さい
67,969
23.5
25.1
20.6
50~59歳 さい
65,380
22.6
17.8
31.7
60~69歳 さい
37,880
13.1
7.8
23.0
70歳 さい 以上 いじょう
26,392
9.1
3.8
19.2
平均 へいきん 年齢 ねんれい
48.9歳 さい
47.8歳 さい
58.0歳 さい
平均 へいきん 年齢 ねんれい は48.9歳 さい [ 10] 。近年 きんねん では医学部 いがくぶ に進学 しんがく する女子 じょし が飛躍 ひやく 的 てき に増 ふ え、29歳 さい 以下 いか の若 わか い医師 いし は3人 にん に1人 ひとり が女性 じょせい である[ 11] [ 12] 。医学部 いがくぶ の一 いち 学年 がくねん の女性 じょせい の割合 わりあい が半数 はんすう 近 ちか い大学 だいがく も存在 そんざい する。一方 いっぽう で、入学 にゅうがく 試験 しけん において女子 じょし 学生 がくせい を不利 ふり に扱 あつか う大学 だいがく も存在 そんざい する(2018年 ねん に発覚 はっかく した医学部 いがくぶ 不正 ふせい 入試 にゅうし 問題 もんだい )。
様々 さまざま な研究 けんきゅう により、女性 じょせい 医師 いし の方 ほう が男性 だんせい 医師 いし よりも良 よ い結果 けっか を出 だ す傾向 けいこう にあると報告 ほうこく されている[ 13] 。また、医師 いし と患者 かんじゃ の性別 せいべつ が異 こと なると手術 しゅじゅつ のリスクも増加 ぞうか する。特 とく に女性 じょせい 患者 かんじゃ において顕著 けんちょ であり、女性 じょせい 医師 いし の場合 ばあい に比 くら べて男性 だんせい 医師 いし の場合 ばあい は死亡 しぼう リスクが32%高 たか くなる。
一方 いっぽう で、出産 しゅっさん ・育児 いくじ のバックアップ体制 たいせい が整 ととの っていない面 めん が多分 たぶん にあり、仕事 しごと を続 つづ けながら出産 しゅっさん ・育児 いくじ が困難 こんなん であり結婚 けっこん ・出産 しゅっさん とともに退職 たいしょく する女性 じょせい 医師 いし もいまだ多 おお い。出産 しゅっさん ・育児 いくじ により職場 しょくば を離 はな れた女性 じょせい 医師 いし に対 たい し働 はたら きやすい環境 かんきょう を整 ととの え、医療 いりょう の場 ば に戻 もど す方策 ほうさく が始 はじ まっているとはされるが、2006年 ねん 頃 ごろ より地方 ちほう の医師 いし 不足 ふそく が顕著 けんちょ になり始 はじ めている一方 いっぽう で都市 とし 部 ぶ では過剰 かじょう 傾向 けいこう にあり、倒産 とうさん 廃業 はいぎょう に追 お い込 こ まれる開業医 かいぎょうい も少 すく なからず存在 そんざい する。
医師 いし のおおよそ6割 わり は病院 びょういん で、3割 わり は診療 しんりょう 所 しょ にて就業 しゅうぎょう している[ 10] 。
施設 しせつ ・業務 ぎょうむ の種別 しゅべつ にみた医師 いし 数 すう (平成 へいせい 24年 ねん )[ 10]
人数 にんずう (千 せん 人 にん )
割合 わりあい (%)
総 そう 人口 じんこう 10万 まん 対 たい
総数 そうすう
男女 だんじょ 計 けい
303.3
100.0
237.8
男 おとこ
243.6
80.3
191.1
女 おんな
59.6
19.7
46.8
医療 いりょう 施設 しせつ の従事 じゅうじ 者 しゃ
小計 しょうけい
288.9
95.2
226.5
病院 びょういん の従事 じゅうじ 者 しゃ
188.3
62.1
147.7
病院 びょういん (医 い 育 そだて 機関 きかん 附属 ふぞく の病院 びょういん を除 のぞ く)の開設 かいせつ 者 しゃ 又 また は法人 ほうじん の代表 だいひょう 者 しゃ
5.4
1.8
4.2
病院 びょういん (医 い 育 そだて 機関 きかん 附属 ふぞく の病院 びょういん を除 のぞ く)の勤務 きんむ 者 しゃ
132.5
43.7
103.9
医 い 育 そだて 機関 きかん 附属 ふぞく の病院 びょういん の勤務 きんむ 者 しゃ
50.4
16.6
39.5
うち、臨床 りんしょう 系 けい の教官 きょうかん 又 また は教員 きょういん
27.0
8.9
21.2
うち、臨床 りんしょう 系 けい の大学院生 だいがくいんせい
5.4
1.8
4.2
うち、臨床 りんしょう 系 けい の勤務 きんむ 医 い
18.0
5.9
14.1
診療 しんりょう 所 しょ の従事 じゅうじ 者 しゃ
100.5
33.2
78.8
診療 しんりょう 所 しょ の開設 かいせつ 者 しゃ 又 また は法人 ほうじん の代表 だいひょう 者 しゃ
72.2
23.8
56.6
診療 しんりょう 所 しょ の勤務 きんむ 者 しゃ
28.4
9.4
22.3
老健 ろうけん 施設 しせつ の従事 じゅうじ 者 しゃ
小計 しょうけい
3.2
1.1
2.5
老健 ろうけん 施設 しせつ の開設 かいせつ 者 しゃ 又 また は法人 ほうじん の代表 だいひょう 者 しゃ
.4
0.1
0.3
老健 ろうけん 施設 しせつ の勤務 きんむ 者 しゃ
2.8
0.9
2.2
医療 いりょう 施設 しせつ ・老健 ろうけん 施設 しせつ 以外 いがい の従事 じゅうじ 者 しゃ
小計 しょうけい
8.6
2.8
6.8
医 い 育 そだて 機関 きかん の臨床 りんしょう 系 けい 以外 いがい の大学院生 だいがくいんせい
0.5
0.2
0.4
医 い 育 そだて 機関 きかん の臨床 りんしょう 系 けい 以外 いがい の勤務 きんむ 者 しゃ
3.0
1.0
2.4
医 い 育 そだて 機関 きかん 以外 いがい の教育 きょういく 機関 きかん 又 また は研究 けんきゅう 機関 きかん の勤務 きんむ 者 しゃ
1.5
0.5
1.2
行政 ぎょうせい 機関 きかん ・産業 さんぎょう 医 い ・保健 ほけん 衛生 えいせい 業務 ぎょうむ の従事 じゅうじ 者 しゃ
3.5
1.2
2.8
うち、行政 ぎょうせい 機関 きかん の従事 じゅうじ 者 しゃ
1.7
0.6
1.3
うち、産業 さんぎょう 医 い
1.0
0.3
0.7
うち、保健 ほけん 衛生 えいせい 業務 ぎょうむ の従事 じゅうじ 者 しゃ
0.9
0.3
0.7
その他 た の者 もの
小計 しょうけい
2.6
0.9
2.0
その他 た の業務 ぎょうむ の従事 じゅうじ 者 しゃ
0.6
0.2
0.5
無職 むしょく の者 もの
2.0
0.7
1.6
IT 関連 かんれん 技術 ぎじゅつ の進歩 しんぽ に伴 ともな いパソコン が急速 きゅうそく に普及 ふきゅう し、各 かく 医療 いりょう 機関 きかん ではレセコン (レセプトコンピュータ )だけでなく電子 でんし カルテ も次第 しだい に普及 ふきゅう しつつある。
本来 ほんらい 、診療 しんりょう を行 おこな う為 ため に掛 か かるコストを支払 しはら う診療 しんりょう 報酬 ほうしゅう にIT関連 かんれん 機器 きき (レセコンや電子 でんし カルテ等 とう )導入 どうにゅう の為 ため の費用 ひよう は全 まった く考慮 こうりょ されず、その全 すべ てを医療 いりょう 機関 きかん 側 がわ が負担 ふたん してきた。2005年 ねん 、国 くに は医療 いりょう 制度 せいど 改革 かいかく 大綱 たいこう にレセプトのオンライン 化 か の義務 ぎむ 化 か を盛 も り込 こ んだが、2006年度 ねんど の診療 しんりょう 報酬 ほうしゅう 改定 かいてい でも初診料 しょしんりょう の電子 でんし 化 か 加算 かさん (3点 てん 、30円 えん に相当 そうとう )を新設 しんせつ したのみで、約 やく 650億 おく 円 えん と試算 しさん される財源 ざいげん については全 まった く触 ふ れていない。
従来 じゅうらい 、医師 いし 会 かい 等 とう を通 つう じてのみ情報 じょうほう を得 え ていた全国 ぜんこく 各地 かくち の医師 いし 同士 どうし も、各種 かくしゅ 掲示板 けいじばん 、メーリングリスト (ML) を通 つう じて横断 おうだん 的 てき に双方向 そうほうこう 性 せい に情報 じょうほう ・意見 いけん 交換 こうかん できるようになった。学会 がっかい 等 とう ではなかなか得 え られない臨床 りんしょう 現場 げんば で役立 やくだ つ医学 いがく ・医療 いりょう の経験 けいけん ・知識 ちしき が、全国 ぜんこく 的 てき に共有 きょうゆう される意義 いぎ は大 おお きい。
1999年 ねん 冬 ふゆ のインフルエンザ 流行 りゅうこう 時 じ 、medpract-ML(実地 じっち 医療 いりょう 研究 けんきゅう ML)という医療 いりょう 系 けい MLを通 つう じてアマンタジン の有効 ゆうこう 性 せい が初 はじ めて全国 ぜんこく 的 てき に注目 ちゅうもく され、その後 ご 、迅速 じんそく 診断 しんだん 法 ほう や抗 こう インフルエンザ薬 やく などの情報 じょうほう も、医学 いがく 会 かい や医師 いし 会 かい に先 さき んじて様々 さまざま な医療 いりょう 系 けい MLに流 なが れ、全国 ぜんこく 各地 かくち の医師 いし 同士 どうし の実体験 じつたいけん が共有 きょうゆう された。これを学問 がくもん 的 てき に将来 しょうらい 性 せい のあるものに取 と りまとめたものとして、日本 にっぽん 臨床 りんしょう 内科 ないか 医 い 会 かい のインフルエンザ全国 ぜんこく 調査 ちょうさ 研究 けんきゅう :FLU・STUDY/JPAが注目 ちゅうもく された。
医師 いし 免許 めんきょ を取得 しゅとく して初 はじ めて医師 いし と呼 よ ばれ、自由 じゆう 診療 しんりょう (保険 ほけん 外 がい 診療 しんりょう )を行 おこな うことができる。更 さら に保険 ほけん 医 い の認定 にんてい を得 え れば保険 ほけん 医療 いりょう 機関 きかん において保険 ほけん 診療 しんりょう を行 おこな うことができる(健康 けんこう 保険 ほけん 法 ほう 第 だい 64条 じょう )。一連 いちれん の医療 いりょう 行為 こうい の中 なか で両者 りょうしゃ を行 おこな うことは混合 こんごう 診療 しんりょう と呼 よ ばれ、現在 げんざい は認 みと められていない。日本 にっぽん の公的 こうてき 医療 いりょう 保険 ほけん 制度 せいど は国民 こくみん 皆 みな 保険 ほけん である為 ため 、必然 ひつぜん 的 てき に医師 いし の大半 たいはん は保険 ほけん 医 い となり、保険 ほけん 者 しゃ が決 き めたルール(保険 ほけん 適用 てきよう )の中 なか で診断 しんだん ・治療 ちりょう を行 おこな っている。
国民 こくみん にとって最 もっと も重要 じゅうよう な事 こと は、病気 びょうき にならないことである。しかし、目覚 めざま しい進歩 しんぽ をとげ、多 おお くの病気 びょうき において早期 そうき 診断 しんだん ・早期 そうき 治療 ちりょう を可能 かのう としつつあるが、何 なに を持 も って予防 よぼう しえたかとするか、治療 ちりょう に比 くら べれば遥 はる かにその医学 いがく 的 てき 評価 ひょうか は難 むずか しい。病気 びょうき の早期 そうき 発見 はっけん を謳 うた ういわゆる人間 にんげん ドック や病気 びょうき にならぬ為 ため の予防 よぼう 医学 いがく などに、現時点 げんじてん では保険 ほけん が利 き かない由縁 ゆえん である。(一 いち 日 にち 人間 にんげん ドックなどは、人 ひと によっては自治体 じちたい や健保 けんぽ 組合 くみあい などからの補助 ほじょ が出 で る場合 ばあい もある)
OECD各国 かっこく の医師 いし 数 すう と、人口 じんこう あたり年間 ねんかん 受診 じゅしん 回数 かいすう
日本 にっぽん における医師 いし の労働 ろうどう 環境 かんきょう は非常 ひじょう に厳 きび しいものである[ 14] 。勤務 きんむ 医 い の労働 ろうどう 時間 じかん は日本 にっぽん 医療 いりょう 労働 ろうどう 組合 くみあい 連合 れんごう 会 かい (後述 こうじゅつ )の2007年 ねん 4月 がつ 発表 はっぴょう の資料 しりょう によると、平均 へいきん 労働 ろうどう 時間 じかん は1日 にち あたり10.6時 じ 間 あいだ 、週 しゅう あたり58.9時 じ 間 あいだ 、月 つき あたりの時間 じかん 外 がい 勤務 きんむ は62.9時 じ 間 あいだ となっている[ 15] 。厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう の「医師 いし の需給 じゅきゅう に関 かん する検討 けんとう 会 かい 」の調査 ちょうさ (同年 どうねん )では、医師 いし の労働 ろうどう 時間 じかん は平均 へいきん で週 しゅう に63.3時 じ 間 あいだ になっている。平均 へいきん 的 てき な医師 いし でも月 つき 90時間 じかん 以上 いじょう は時間 じかん 外 がい 労働 ろうどう をしており、同省 どうしょう の過労 かろう 死 し 認定 にんてい 基準 きじゅん が目安 めやす とする「月 つき 80時 じ 間 あいだ の時間 じかん 外 がい 労働 ろうどう 」を超 こ えている。徹夜 てつや の当直 とうちょく 開 あ けに休 やす みを取 と る“ディーンスト・フライ”は現在 げんざい 実行 じっこう されず、50歳 さい 以下 いか の医師 いし の多 おお くはその言葉 ことば の意味 いみ さえ知 し らない。徹夜 てつや 明 あ けの医師 いし が外来 がいらい 診療 しんりょう や手術 しゅじゅつ をすることが常態 じょうたい 化 か し、週 しゅう に32時間 じかん 以上 いじょう の連続 れんぞく 勤務 きんむ も珍 めずら しくない。中 なか には週 しゅう に2~3回 かい の当直 とうちょく もあり、睡眠 すいみん 不足 ふそく や過労 かろう による医療 いりょう 事故 じこ が懸念 けねん されている他 ほか 、医師 いし の過労 かろう 死 し が問題 もんだい となっている。
また、産業 さんぎょう 別 べつ 労働 ろうどう 組合 くみあい として日本 にっぽん 医療 いりょう 労働 ろうどう 組合 くみあい 連合 れんごう 会 かい がある。
2019年 ねん 、厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう は医師 いし の働 はたら き方 かた 改革 かいかく の推進 すいしん に関 かん する検討 けんとう 会 かい を開催 かいさい し、以下 いか の答申 とうしん が行 おこな われた[ 14] 。
診療 しんりょう 従事 じゅうじ 勤務 きんむ 医 い に 2024年 ねん 度 ど 以降 いこう 適用 てきよう される、時間 じかん 外 がい 労働 ろうどう 水準 すいじゅん [ 14]
通常 つうじょう 予見 よけん される時 とき 間 あいだ 外 がい 労働 ろうどう につき延長 えんちょう することができる時間 じかん 数 すう :労働 ろうどう 基準 きじゅん 法 ほう の限度 げんど と同 おな じ(月 つき 45時 じ 間 あいだ ・年 ねん 360時 じ 間 あいだ )
臨時 りんじ 的 てき な必要 ひつよう がある場合 ばあい の延長 えんちょう 限度 げんど :1か月 げつ あたり原則 げんそく 100時 じ 間 あいだ 未満 みまん 、年間 ねんかん 960時 じ 間 あいだ 未満 みまん
一般 いっぱん の労働 ろうどう 者 しゃ に適用 てきよう される時 とき 間 あいだ 外 がい 労働 ろうどう の上限 じょうげん を超 こ えた場合 ばあい の、措置 そち 義務 ぎむ
睡眠 すいみん 時間 じかん を一 いち 日 にち 6時 じ 間 あいだ 程度 ていど 確保 かくほ [ 14]
勤務 きんむ 間 あいだ インターバル を9時 じ 間 あいだ 確保 かくほ (当直 とうちょく 勤務 きんむ である場合 ばあい 除 のぞ く)[ 14]
当直 とうちょく 明 あ けの連続 れんぞく 勤務 きんむ は、当直 とうちょく 中 ちゅう に十分 じゅうぶん な睡眠 すいみん を確保 かくほ できていない場合 ばあい 、勤務 きんむ 全体 ぜんたい を通 とお して連続 れんぞく 28時 じ 間 あいだ まで[ 14] 。
これまでは多 おお くの医師 いし は、「医局 いきょく 」という組織 そしき に管理 かんり されていた[ 16] 。これは大学 だいがく の「教室 きょうしつ (職員 しょくいん 室 しつ )」とほぼ同義 どうぎ であり、各 かく 診療 しんりょう 科目 かもく の教室 きょうしつ が運営 うんえい する非公式 ひこうしき な医師 いし の同 どう 業者 ぎょうしゃ 組織 そしき である[ 16] 。医局 いきょく は教授 きょうじゅ を頂点 ちょうてん とし、定期 ていき 的 てき に任命 にんめい される医局 いきょく 長 ちょう によって日常 にちじょう 的 てき な事務 じむ 運営 うんえい がなされる[ 16] 。学費 がくひ として「医局 いきょく 費 ひ 」が徴収 ちょうしゅう されることもある[ 16] 。
従来 じゅうらい の方式 ほうしき では、医師 いし は卒業 そつぎょう と同時 どうじ にいずれかの医局 いきょく に「入局 にゅうきょく 」していた。医局 いきょく は医師 いし の研修 けんしゅう 先 さき ・勤務 きんむ 先 さき を指定 してい し、医師 いし はそれに従 したが って転勤 てんきん する。医局 いきょく は医師 いし を必要 ひつよう としている病院 びょういん の情報 じょうほう を集中 しゅうちゅう 管理 かんり し、必要 ひつよう とされている医師 いし の技能 ぎのう や経験 けいけん 年数 ねんすう に合 あ わせて医師 いし を派遣 はけん する。医師 いし が派遣 はけん 先 さき で経験 けいけん を重 かさ ね、技能 ぎのう を身 み につけると、派遣 はけん 先 さき の病院 びょういん は医師 いし に対 たい して昇給 しょうきゅう をするか、賃金 ちんぎん の安 やす い医師 いし と交代 こうたい させるかしなければならない。そのため、数 すう 年 ねん おきに医局 いきょく は医師 いし を転属 てんぞく させ、新 あら たに若 わか い医師 いし を派遣 はけん する。この繰 く り返 かえ しによって病院 びょういん 側 がわ は人件 じんけん 費 ひ を一定 いってい に維持 いじ し、経営 けいえい の安定 あんてい 化 か を図 はか ることができる。医師 いし は自分 じぶん の技能 ぎのう レベルに合 あ った就職 しゅうしょく 先 さき で研鑽 けんさん を積 つ むことが出来 でき る。また、高度 こうど な技術 ぎじゅつ を取得 しゅとく することが可能 かのう な病院 びょういん に派遣 はけん してもらった場合 ばあい 、「お礼 れい 奉公 ほうこう 」と称 しょう して、しばらく低 てい 賃金 ちんぎん で過疎 かそ 地 ち の診療 しんりょう 所 しょ に派遣 はけん される慣習 かんしゅう もあり、これによって地方 ちほう の医師 いし 不足 ふそく を埋 う め合 あ わせていた側面 そくめん があった。多 おお くの場合 ばあい 、医師 いし の派遣 はけん を受 う ける病院 びょういん は大学 だいがく 教授 きょうじゅ に研究 けんきゅう 費 ひ などを提供 ていきょう し、教授 きょうじゅ の研究 けんきゅう 業績 ぎょうせき に寄与 きよ していた。こういう病院 びょういん は医局 いきょく の「関連 かんれん 病院 びょういん 」と呼 よ ばれる。研究 けんきゅう 費 ひ が集 あつ まる有名 ゆうめい 教授 きょうじゅ の下 した にはさらに入局 にゅうきょく 者 しゃ が集 あつ まり、教授 きょうじゅ の権威 けんい を高 たか める好 こう 循環 じゅんかん を生 う む仕組 しく みであった。
派遣 はけん を受 う けた医師 いし は、国立 こくりつ 病院 びょういん に転属 てんぞく すれば「国家 こっか 公務員 こうむいん 」、公立 こうりつ 病院 びょういん に転属 てんぞく すれば「地方 ちほう 公務員 こうむいん 」、私立 しりつ 病院 びょういん に転属 てんぞく すれば「サラリーマン」、大学 だいがく に戻 もど り「研究生 けんきゅうせい 」「大学院生 だいがくいんせい 」などの名目 めいもく で無給 むきゅう の労働 ろうどう 力 りょく として使役 しえき される期間 きかん は「学生 がくせい 」と、転属 てんぞく 先 さき により身分 みぶん が変遷 へんせん する。また日雇 ひやと い契約 けいやく で雇 やと われる場合 ばあい は「フリーター」「非 ひ 正規 せいき 雇用 こよう 」、僻地 へきち の診療 しんりょう 所 しょ で一人 ひとり 医長 いちょう に任命 にんめい された期間 きかん は「管理 かんり 職 しょく 」と雇用 こよう 階級 かいきゅう も変遷 へんせん し、数 すう 年 ねん おきに転属 てんぞく する。こういう身分 みぶん の変遷 へんせん は不安定 ふあんてい で退職 たいしょく 金 きん も福利 ふくり 厚生 こうせい もほとんどない。最近 さいきん では、医療 いりょう 費 ひ 削減 さくげん に伴 ともな い、病院 びょういん の経営 けいえい 状態 じょうたい が悪化 あっか し、多 おお くの医師 いし が「非 ひ 正規 せいき 雇用 こよう 」か「管理 かんり 職 しょく 」のいずれかの身分 みぶん で働 はたら くようになり、時間 じかん 外 がい 手当 てあて もボーナスもなく、不当 ふとう に長 なが い労働 ろうどう 時間 じかん を強 し いられている。
従来 じゅうらい は医局 いきょく の指示 しじ により、転職 てんしょく するのが一般 いっぱん 的 てき であった。しかし2004年 ねん からの初期 しょき 臨床 りんしょう 研修 けんしゅう 義務 ぎむ 化 か (スーパーローテート)に伴 ともな い、医局 いきょく に入局 にゅうきょく する医師 いし が減少 げんしょう し、新 あら たに医師 いし の派遣 はけん を行 おこな ったり、医師 いし の人材 じんざい 紹介 しょうかい や転職 てんしょく を斡旋 あっせん する会社 かいしゃ が出 で てきている[ 16] 。これらの医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ 専 せん 門 もん の転職 てんしょく 支援 しえん サービスは、医局 いきょく から医師 いし の派遣 はけん を断 ことわ られた病院 びょういん の医師 いし 確保 かくほ などにも一定 いってい の役割 やくわり を果 は たしている。このビジネス分野 ぶんや は未開拓 みかいたく で、さまざまな会社 かいしゃ がしのぎを削 けず っている。
医師 いし といえど一人 ひとり の人間 にんげん である事実 じじつ にかわりはなく、QOML (Quality of My Life) を大切 たいせつ にするべきという考 かんが えも広 ひろ がりつつあり、医師 いし が過酷 かこく な勤務 きんむ を要求 ようきゅう する勤務 きんむ 先 さき から独自 どくじ の判断 はんだん で転職 てんしょく するケースが増 ふ えている。
いわゆる少子化 しょうしか の影響 えいきょう で、妊娠 にんしん ・出産 しゅっさん を扱 あつか う産婦人科 さんふじんか や、これに続 つづ く乳幼児 にゅうようじ 期 き の子供 こども を扱 あつか う小児科 しょうにか の志望 しぼう 者 しゃ が少 すく なくなっている問題 もんだい がある。また、特 とく に産科 さんか 領域 りょういき では、一般 いっぱん 的 てき に子供 こども は正常 せいじょう に生 う まれて当 あ たり前 まえ との認識 にんしき があると思 おも われ、何 なに か異常 いじょう が起 お こると医療 いりょう 訴訟 そしょう 、さらには重過失 じゅうかしつ 等 ひとし により刑事 けいじ 告訴 こくそ を受 う ける可能 かのう 性 せい も高 たか いといわれている [要 よう 出典 しゅってん ] 。そういったことから、産婦人科 さんふじんか や小児科 しょうにか を扱 あつか う医療 いりょう 機関 きかん が減少 げんしょう し、残 のこ った医療 いりょう 機関 きかん への負担 ふたん が増加 ぞうか し、妊娠 にんしん ・出産 しゅっさん への対応 たいおう や子供 こども の急病 きゅうびょう などへの対応 たいおう が困難 こんなん になっている。これらの問題 もんだい については、少子化 しょうしか に関 かん する諸 しょ 問題 もんだい の一 ひと つとして、マスメディア などで頻繁 ひんぱん に取 と り上 あ げられているが、厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう は有効 ゆうこう な対策 たいさく を打 う てていない。
医師 いし に関 かん する組織 そしき には、学会 がっかい 、職能 しょくのう 団体 だんたい (労働 ろうどう 組合 くみあい )、規制 きせい 団体 だんたい などがある。
日本 にっぽん
中国 ちゅうごく
韓国 かんこく
古代 こだい ローマ
古代 こだい ローマの医学 いがく 界 かい (英語 えいご 版 ばん ) - 多 おお くがギリシア人 じん で多 おお くが奴隷 どれい 出身 しゅっしん で奴隷 どれい 医師 いし (servi medici)であった[ 19] 。アスクレペイオン で正規 せいき に学 まな んだギリシア人 じん 医師 いし の助手 じょしゅ として働 はたら いた者 もの たちであった。また、奴隷 どれい 身分 みぶん 出身 しゅっしん でなく宮廷 きゅうてい に仕 つか えた医師 いし とも分 わ けられた。テオドシウス法典 ほうてん によって、医療 いりょう 組織 そしき の体制 たいせい が作 つく られ、archiatri sancti palatii という宮廷 きゅうてい につかえた医師 いし 組織 そしき 、そして archiatri populares という民衆 みんしゅう に医療 いりょう を行 おこな う医師 いし 組織 そしき の二 ふた つが存在 そんざい した[ 20] 。
イギリス
オスマントルコ
amâ’at-i ‘atibbâ’-i khâssa - トプカプ宮殿 きゅうでん 内 うち に置 お かれた医師 いし と宮廷 きゅうてい 医師 いし の組織 そしき [ 21] 。
ペスト医師 いし
藪医者 やぶいしゃ ‐ 養父 ようふ (やぶ)の医者 いしゃ は名医 めいい だったが、弟子 でし を名乗 なの る腕 うで の良 よ くない医者 いしゃ が続出 ぞくしゅつ したことから腕 うで の良 よ くない医師 いし を藪医者 やぶいしゃ と呼 よ ぶようになった[ 22] 。
慣用 かんよう 句 く ・ことわざ
「医者 いしゃ の不養生 ふようじょう 」は、患者 かんじゃ に健康 けんこう を教 おし えながらも医者 いしゃ 自身 じしん が健康 けんこう 的 てき な生活 せいかつ ができていないことを意味 いみ する[ 23] 。英語 えいご で該当 がいとう する格言 かくげん に、Physician, heal thyself (英語 えいご 版 ばん ) (医者 いしゃ よ、自分 じぶん を癒 いや せ)[ 23] 、doctors make the worst patients(医者 いしゃ は最 もっと も悪 わる い患者 かんじゃ になる)[ 24] [ 25] がある。
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