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消化 しょうか 器 き 外科 げか 学 がく (しょうかきげかがく、英語 えいご : gastroenterological surgery )は、食道 しょくどう ・胃 い ・腸 ちょう 、および肝臓 かんぞう ・胆嚢 たんのう ・膵臓 すいぞう など消化 しょうか 器 き 系 けい 臓器 ぞうき の疾患 しっかん を対象 たいしょう として、診断 しんだん ・治療 ちりょう を行 おこな う外科 げか 学 がく の一 いち 分野 ぶんや である。
腹部 ふくぶ の手術 しゅじゅつ は、旧来 きゅうらい より外科 げか 学 がく の基礎 きそ 源流 げんりゅう でもあり、「一般 いっぱん 外科 げか 学 がく (general surgery)」とも称 しょう されているが、日本 にっぽん では1960年 ねん 代 だい 以降 いこう 、胃癌 いがん の診断 しんだん ・治療 ちりょう を中心 ちゅうしん として消化 しょうか 器 き 領域 りょういき の外科 げか 治療 ちりょう の専門 せんもん 化 か が進 すす み、「消化 しょうか 器 き 外科 げか 学 がく 」と称 しょう されるようになった。なお、内科 ないか 学 がく 分野 ぶんや では消化 しょうか 器 き 学 がく が携 たずさ わる。診療 しんりょう 科 か としては消化 しょうか 器 き 内科 ないか と消化 しょうか 器 き 外科 げか が共 とも に消化 しょうか 器 き センターを設置 せっち している施設 しせつ もある[1] 。
19世紀 せいき 後半 こうはん から腹部 ふくぶ 外科 げか 学 がく が興隆 こうりゅう し、1950年 ねん 代 だい には虫垂炎 ちゅうすいえん 、腹膜炎 ふくまくえん 、腸閉塞 ちょうへいそく などの急性 きゅうせい 疾患 しっかん と、消化 しょうか 性 せい 潰瘍 かいよう 、胆石 たんせき 症 しょう などの慢性 まんせい 疾患 しっかん が重視 じゅうし されるようになった。
1960年 ねん 代 だい に入 はい ると、胃癌 いがん をはじめとする消化 しょうか 管 かん における悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう の研究 けんきゅう が進 すす み、外科 げか 学 がく の専門 せんもん 分野 ぶんや 、「消化 しょうか 器 き 外科 げか 学 がく 」として発達 はったつ ・普及 ふきゅう した。
1968年 ねん には、主 おも に消化 しょうか 器 き 外科 げか 医 い によって構成 こうせい される日本 にっぽん 消化 しょうか 器 き 外科 げか 学会 がっかい が設立 せつりつ され、医療 いりょう 機関 きかん が標榜 ひょうぼう する診療 しんりょう 科 か 名 な としての「消化 しょうか 器 き 外科 げか 」や「消化 しょうか 器 き 外科 げか 専門医 せんもんい 」の広告 こうこく が可能 かのう になっている。
扱 あつか う臓器 ぞうき は、ひとが生 い きていくのに必要 ひつよう なエネルギーを得 え るために食 た べた物 もの を消化 しょうか ・吸収 きゅうしゅう ・排泄 はいせつ することに関係 かんけい する食道 しょくどう 、胃 い 、十二指腸 じゅうにしちょう 、小腸 しょうちょう 、大腸 だいちょう 、肛門 こうもん 、肝臓 かんぞう 、胆嚢 たんのう 、膵臓 すいぞう 、脾臓 ひぞう である。
扱 あつか う疾患 しっかん は、消化 しょうか 器 き の各 かく 臓器 ぞうき に発生 はっせい したがんの診断 しんだん ・治療 ちりょう 、胆石 たんせき 症 しょう 、急性 きゅうせい 虫垂炎 ちゅうすいえん 、腸閉塞 ちょうへいそく 、痔 じ 、ヘルニア 、炎症 えんしょう 性 せい 疾患 しっかん (クローン病 びょう など)などの良性 りょうせい 疾患 しっかん の診断 しんだん ・治療 ちりょう 、肝臓 かんぞう ・膵臓 すいぞう の移植 いしょく などである。近年 きんねん は消化 しょうか 器 き 外科 げか 領域 りょういき でも腹腔 ふくこう 鏡 きょう や内視鏡 ないしきょう による手術 しゅじゅつ 手技 しゅぎ が普及 ふきゅう しつつある。
なお、日本 にっぽん の消化 しょうか 器 き がんの診断 しんだん や治療 ちりょう 成績 せいせき は世界 せかい のトップレベルとされる。
食道 しょくどう とは、咽頭 いんとう と胃 い をつなぐ管 かん 腔臓器 き で25cm前後 ぜんこう の長 なが さがある。大動脈 だいどうみゃく や気管 きかん 、心臓 しんぞう 、肺 はい などに接 せっ して下降 かこう し横隔膜 おうかくまく の食道 しょくどう 裂 きれ 孔 あな を通 とお って胃 い に至 いた る。食道 しょくどう に物 もの が入 はい ると蠕動 ぜんどう 運動 うんどう がおこり食物 しょくもつ を胃 い に運 はこ ぶ。
胃 い とは、食 た べ物 もの を一旦 いったん 貯蔵 ちょぞう し、消化 しょうか 吸収 きゅうしゅう のための準備 じゅんび を行 おこな うところである。
胃 い の壁 かべ は、食 た べ物 もの を混 ま ぜるために厚 あつ い筋肉 きんにく で作 つく られている。また、内側 うちがわ は粘膜 ねんまく という柔 やわ らかい組織 そしき でおおわれている。粘膜 ねんまく からは胃酸 いさん と消化 しょうか 酵素 こうそ を含 ふく む胃液 いえき が出 で るが、胃 い 自体 じたい が消化 しょうか されてしまわないように粘膜 ねんまく を保護 ほご する粘液 ねんえき も出 で てくる。
胆道 たんどう とは、肝臓 かんぞう から分泌 ぶんぴつ された胆汁 たんじゅう の通 とお り道 みち で、「肝 きも 外 がい 胆 きも 管 かん 」「胆嚢 たんのう 」「十二指腸 じゅうにしちょう 乳 ちち 頭部 とうぶ 」のことである。胆 きも 管 かん (肝 きも 外 がい 胆 きも 管 かん )は肝臓 かんぞう から十二指腸 じゅうにしちょう まで胆汁 たんじゅう が通 とお る管 かん のことである。胆 きも 管 かん の長 なが さは約 やく 10-15cmで太 ふと さは0.5-1cmである。
胆嚢 たんのう は、胆汁 たんじゅう を一時 いちじ 的 てき に貯 た めて濃縮 のうしゅく する袋 ふくろ 状 じょう の臓器 ぞうき で、西洋梨 せいようなし 状 じょう の形 かたち をしている。大 おお きさは長 なが さ7-10cm、幅 はば 3-10cm位 い 。食事 しょくじ をすると胆嚢 たんのう は収縮 しゅうしゅく して貯 た めていた胆汁 たんじゅう を胆 きも 管 かん から十二指腸 じゅうにしちょう に出 だ し、消化 しょうか 吸収 きゅうしゅう の助 たす けを行 おこな う。
十二指腸 じゅうにしちょう 乳頭 にゅうとう 部 ぶ は、胆 きも 管 かん が十二指腸 じゅうにしちょう に開口 かいこう する部分 ぶぶん で、膵管と合流 ごうりゅう している。乳 ちち 頭部 とうぶ を取 と り囲 かこ むように括約筋 かつやくきん が存在 そんざい し、胆汁 たんじゅう の流 なが れを調節 ちょうせつ している。
膵臓 すいぞう とは、胃 い の背 せ 側 がわ 、脊椎 せきつい の腹 はら 側 がわ に位置 いち し、成人 せいじん で長 なが さ平均 へいきん 15cm、幅 はば 3cm、厚 あつ さ2cm、重 おも さ60-100gの淡 あわ 黄色 きいろ を呈 てい した臓器 ぞうき である。外 そと 分泌 ぶんぴつ と内分泌 ないぶんぴつ を営 いとな む二 ふた つの機能 きのう を有 ゆう する。
外 そと 分泌 ぶんぴつ 機能 きのう としては、一 いち 日 にち 約 やく 800-1,000mlにもおよぶ膵液を分泌 ぶんぴつ している。分泌 ぶんぴつ 量 りょう は必要 ひつよう により調節 ちょうせつ されている。膵液はアルカリ性 あるかりせい で、多数 たすう の消化 しょうか 酵素 こうそ を含 ふく んでおり、食物 しょくもつ の消化 しょうか 吸収 きゅうしゅう に役立 やくだ てられる。
内分泌 ないぶんぴつ 機能 きのう としては、インスリン やグルカゴン が膵で産 さん 生 む され、血糖 けっとう 値 ち の調整 ちょうせい に利用 りよう される。
肝臓 かんぞう とは、赤褐色 せきかっしょく 調 ちょう 、腹腔 ふくこう 内 ない で最大 さいだい の臓器 ぞうき である(1,000から1,500g)。解剖 かいぼう 学的 がくてき には、肝 きも 鎌 がま 状 じょう 間 あいだ 膜 まく を境 さかい に左 ひだり 葉 は ・右 みぎ 葉 は に分 わ かれる。実際 じっさい の臨床 りんしょう では、Cantlie(カントリー)線 せん (胆嚢 たんのう 底 そこ と肝 きも 背面 はいめん の下大 しもおお 静脈 じょうみゃく を結 むす ぶ線 せん )を境 さかい に左 ひだり 葉 は と右 みぎ 葉 は の二 に 葉 よう に分 わ ける。左 ひだり 葉 は と右 みぎ 葉 は はさらに区域 くいき 、亜 あ 区域 くいき というものに分 わ かれる。外側 そとがわ 区域 くいき ・内側 うちがわ 区域 くいき 、および前 ぜん 区域 くいき ・後 こう 区域 くいき 、さらに、外側 そとがわ 区域 くいき 、前 ぜん 区域 くいき 、後 こう 区域 くいき を上下 じょうげ に分 わ け、それらと内側 うちがわ 区域 くいき 、尾 お 状 じょう 葉 は を合 あ わせ八 やっ つの亜 あ 区域 くいき (S1~8)に分 わ かれる。肝臓 かんぞう に注 そそ ぐ血管 けっかん は門 もん 脈 みゃく と肝 きも 動脈 どうみゃく で、肝臓 かんぞう はこれらの二 ふた つの血管 けっかん の二 に 重 じゅう 支配 しはい を受 う ける。
肝臓 かんぞう は、生体 せいたい の化学 かがく 工場 こうじょう といわれる。糖 とう 質 しつ 、蛋白質 たんぱくしつ 、脂質 ししつ などの代謝 たいしゃ 機能 きのう や種々 しゅじゅ の物質 ぶっしつ の解毒 げどく ・排泄 はいせつ 機能 きのう を行 おこな う。また、胆汁 たんじゅう という消化 しょうか 液 えき の合成 ごうせい を行 おこな ったり免疫 めんえき 系 けい にも深 ふか く関係 かんけい している。
脾臓 ひぞう とは、左 ひだり 脇腹 わきばら にある造血 ぞうけつ ・リンパ器官 きかん であり、門 もん 脈 みゃく とは、腹部 ふくぶ 諸 しょ 臓器 ぞうき (大腸 だいちょう 、小腸 しょうちょう 、膵臓 すいぞう 、脾臓 ひぞう など)の静脈 じょうみゃく から肝臓 かんぞう さらに肝臓 かんぞう 内 ない へと流 なが れる血管 けっかん の総称 そうしょう である。
脾臓 ひぞう は、通常 つうじょう 10cm x 6cm x 3cm程 ほど の大 おお きさで、乳幼児 にゅうようじ 期 き の血球 けっきゅう (赤血球 せっけっきゅう 、白血球 はっけっきゅう 、血小板 けっしょうばん )産 さん 生 せい の担 にな い手 て である。また、古 ふる くなった血球 けっきゅう を処分 しょぶん したり、血液 けつえき を貯 たくわ えたりする働 はたら きのほかに、リンパ球 だま (白血球 はっけっきゅう の一種 いっしゅ )の産 さん 生 せい や血液 けつえき 中 ちゅう の異物 いぶつ の処理 しょり など免疫 めんえき に関 かん する働 はたら きもしている。大量 たいりょう 出血 しゅっけつ をしたときや骨髄 こつづい の機能 きのう が低下 ていか したときは、成人 せいじん においても血球 けっきゅう 産 さん 生 せい を行 おこな う。
大腸 だいちょう とは、約 やく 1.5mの管 かん 腔臓器 き である。大腸 だいちょう は結腸 けっちょう ・直腸 ちょくちょう に分 わ けられ、結腸 けっちょう は盲腸 もうちょう 、上 うえ 行 こう 結腸 けっちょう 、横行 おうこう 結腸 けっちょう 、下 した 行 ぎょう 結腸 けっちょう 、S状 じょう 結腸 けっちょう に分 わ けられる。
結腸 けっちょう の役割 やくわり は小腸 しょうちょう より液状 えきじょう となって送 おく られてきた内容 ないよう 物 ぶつ から水分 すいぶん を吸収 きゅうしゅう して糞便 ふんべん にして直腸 ちょくちょう に送 おく ることである。直腸 ちょくちょう の役割 やくわり は糞便 ふんべん の貯留 ちょりゅう による排便 はいべん の‘がまん’と肛門 こうもん からの排便 はいべん である。
食道 しょくどう 切除 せつじょ 術 じゅつ (Esophagectomy)
右 みぎ 開 ひらき 胸 むね 開腹 かいふく 食道 しょくどう 亜 あ 全 ぜん 摘術
腹腔 ふくこう 鏡 きょう 下 か 食道 しょくどう 亜 あ 全 ぜん 摘術
経 けい 裂 きれ 孔 あな 的 てき 食道 しょくどう 切除 せつじょ 術 じゅつ (Transhiatal esophagectomy:THE)
ヘラー筋 すじ 層 そう 切除 せつじょ 術 じゅつ (Heller myotomy)
噴門 ふんもん 形成 けいせい 術 じゅつ (fundoplication)
胃 い 切除 せつじょ 術 じゅつ (Gstrectomy)
幽門 ゆうもん 側 がわ 胃 い 切除 せつじょ 術 じゅつ (distal gastrectomy)
胃 い 全 ぜん 摘術(total gastrectomy)
噴門 ふんもん 側 がわ 胃 い 切除 せつじょ 術 じゅつ (proximal gastrectomy)
^ 昭和大学 しょうわだいがく 横浜 よこはま 市 し 北部 ほくぶ 病院 びょういん 消化 しょうか 器 き センター