放射線ほうしゃせん医学いがく

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放射線ほうしゃせん医学いがく(ほうしゃせんいがく)とは、放射線ほうしゃせんもちいた診断しんだん治療ちりょうとう中心ちゅうしんとした医学いがくいち分野ぶんやである。

医療いりょう機関きかんにおける診療しんりょうめいは「放射線ほうしゃせん」とするところがおおいが、「放射線ほうしゃせん診断しんだん」や「放射線ほうしゃせん治療ちりょう」を標榜ひょうぼうすることも可能かのうである。

こう輝度きどだか精細せいさいモニタで画像がぞう診断しんだんおこな放射線ほうしゃせん診断しんだん。マイクに口述こうじゅつしている。
シャウカステンにかけたフィルムで画像がぞう診断しんだんおこな放射線ほうしゃせん診断しんだん
Dr. Macintyre's X-Ray Film (1896)

歴史れきし[編集へんしゅう]

1895ねんヴィルヘルム・レントゲン(Wilhelm Röntgen: 1845.3.27-1923.2.10)博士はかせXせん発見はっけんし、医療いりょうへの貢献こうけんのみならず近代きんだい物理ぶつりがくまくひらいたこの発見はっけんにより1901ねん最初さいしょのノーベル物理ぶつりがくしょう受賞じゅしょうした。

Xせん発見はっけんおなじ1895ねん早速さっそくXせんによる治療ちりょうおこなわれている。文献ぶんけんてき最初さいしょ報告ほうこくされたがんのXせん治療ちりょうは、1896ねん2がつのVoigtによる進行しんこうじょう咽頭いんとうがんの疼痛とうつう緩和かんわ照射しょうしゃである。 その現代げんだいでは照射しょうしゃ装置そうち治療ちりょう計画けいかく装置そうち技術ぎじゅつてき進歩しんぽにより、強度きょうど変調へんちょう放射線ほうしゃせん治療ちりょう (Intensity-modulated Radiation Therapy: IMRT) や画像がぞう誘導ゆうどう放射線ほうしゃせん治療ちりょう (Image-Guided Radiation Therapy) などよりこう精度せいど治療ちりょうへと発展はってんしていった。

また、放射線ほうしゃせん診断しんだんがくささえる撮影さつえい技術ぎじゅつかんしても、発展はってんつづけ、単純たんじゅんXせん写真しゃしんをはじめとして、1970年代ねんだい初頭しょとう実用じつようしたラドン変換へんかん基本きほん原理げんりとするコンピュータ断層だんそう撮影さつえい、1946ねんのブロッホ、パーセルによるかく磁気じき共鳴きょうめい信号しんごう検出けんしゅつ成功せいこうはしはっし、1983ねん実用じつようしたかく磁気じき共鳴きょうめい画像がぞうほう、そして単一たんいつ光子こうし放出ほうしゅつがたコンピュータ断層だんそう撮影さつえいほう (single photon emission computed tomography: SPECT) や陽電子ようでんし放射ほうしゃ断層だんそう撮影さつえい (positron emission tomograpy: PET) といったモダリティーが開発かいはつされていった。

分類ぶんるい[編集へんしゅう]

おおきく以下いかみっつに分類ぶんるいされる。

放射線ほうしゃせん診断しんだんがく[編集へんしゅう]

放射線ほうしゃせん診断しんだん手技しゅぎもちいた治療ちりょうほうである。直訳ちょくやくすると「介入かいにゅうてき放射線ほうしゃせん医学いがく」となるが、一般いっぱんてきでなく、「IVR」、「インターベンショナルラジオロジー」と呼称こしょうされることが通例つうれいである[1]が、それが普及ふきゅう障害しょうがいになっているとのかんがえから関連かんれん学会がっかいで「画像がぞう治療ちりょう」と訳語やくごさだめられた[2]おもけいがわてきアプローチによりおこなわれ、注射ちゅうしゃはりほそいカテーテルとばれるほそかんもちいて血管けっかんないから病変びょうへんへアプローチするものや、はい肝臓かんぞうなどに体外たいがいから直接ちょくせつはりとげいれしたうえで、病変びょうへんなまけんをしたりやはりさきからラジオながすことによるジュールねつによって病変びょうへんったりするものなど、診断しんだん治療ちりょうへの介入かいにゅう多岐たきにわたる。従来じゅうらい手術しゅじゅつ治療ちりょうくらたいへのおかせかさねすくない方法ほうほうであり、一部いちぶ手術しゅじゅつ療法りょうほう置換ちかんによるていおかせかさねおよびたいじゅつのうとぼしい患者かんじゃ代替だいたい治療ちりょう提供ていきょう目的もくてきとして発展はってんしてきた。以前いぜんは、血管けっかん造影ぞうえいちょう音波おんぱ透視とうしによる治療ちりょう部位ぶい把握はあく中心ちゅうしんであったが、最近さいきんではCT、MRIとう応用おうようされている[3]治療ちりょう対象たいしょうおよび方法ほうほうはかなり広範こうはんであり、日進月歩にっしんげっぽいちじるしい分野ぶんやである。治療ちりょうおこなう部門ぶもんではあるが、診断しんだん部門ぶもん分類ぶんるいされる。
このほか放射線ほうしゃせん透視とうししたにおいて、消化しょうか内科ないかてきには血管けっかん以外いがいけいがわてききもかん造影ぞうえいしたり(ERCP内容ないようぶつドレナージおこなう(PTCD)などの手技しゅぎや、整形せいけい外科げかてきにはかんてきほね関節かんせつ整復せいふくするなどの手技しゅぎがある。

放射線ほうしゃせん治療ちりょうがく[編集へんしゅう]

こうエネルギーのXせん電子でんしせん(electron)、陽子ようし(proton)、じゅう粒子りゅうしせん(heavy particle)、中性子ちゅうせいし(neutron)などを照射しょうしゃし、からだけて悪性あくしょう細胞さいぼう到達とうたつし、死滅しめつさせるという治療ちりょうである。
現時点げんじてんでは、おもこうエネルギーXせん電子でんしせんもちいられており、Xせん身体しんたい内部ないぶ腫瘍しゅよう電子でんしせん皮膚ひふがんなどのからだ表面ひょうめんやそれにちか腫瘍しゅよう治療ちりょうもちいられている。一方いっぽうで、陽子ようしせん治療ちりょうじゅう粒子りゅうしせん治療ちりょう施設しせつえつつあり、また研究けんきゅうレベルでは照射しょうしゃした中性子ちゅうせいし薬剤やくざい反応はんのうしてアルファ線あるふぁせんとイオンを放射ほうしゃしがん細胞さいぼう傷害しょうがいするホウ素ほうそ中性子ちゅうせいし補足ほそく療法りょうほう(BNCT)の施設しせつ設置せっちされはじめている。陽子ようしせんじゅう粒子りゅうしせん治療ちりょう・BNCTの卓越たくえつした線量せんりょう分布ぶんぷ強度きょうど変調へんちょう放射線ほうしゃせん治療ちりょうよりも理想りそうちかく、有害ゆうがい事象じしょう軽減けいげん期待きたいされている治療ちりょうである。
陽子ようしせんじゅう粒子りゅうしせん治療ちりょう日本にっぽんでの施設しせつ設置せっち当時とうじから2016ねんごろまでは、治療ちりょう技術ぎじゅつ確立かくりつ治療ちりょう成績せいせきかんする信頼しんらいできる論文ろんぶんすくないこと問題もんだいであったが、2022ねん現在げんざいでは治療ちりょう成績せいせきかんする論文ろんぶんなどもおお報告ほうこくされている。陽子ようしせん治療ちりょうは2022ねん現在げんざい小児しょうにがんの限局げんきょくせい固形こけい腫瘍しゅよう限局げんきょくせいおよ局所きょくしょ進行しんこうせい前立腺ぜんりつせんがん、あたま頸部悪性あくせい腫瘍しゅよう手術しゅじゅつ困難こんなんほね軟部腫瘍しゅよう、4センチメートル以上いじょう切除せつじょ不能ふのうきも細胞さいぼうがん、切除せつじょ不能ふのうきもないきもかんがん、切除せつじょ不能ふのう局所きょくしょ進行しんこう膵がん、切除せつじょ不能ふのう局所きょくしょ大腸だいちょうがん術後じゅつご再発さいはつ病変びょうへんたいして保険ほけん収載しゅうさいされている。じゅう粒子りゅうしせん治療ちりょうでは、陽子ようしせん治療ちりょう保険ほけん適用てきようくわえて子宮しきゅう頸部せんがんが保険ほけん適用てきようとなっている。

かく医学いがく[編集へんしゅう]

かく医学いがくとは、放射ほうしゃせい同位どうい元素げんそ (radioisotope; RI) やその化合かごうぶつ生体せいたいない(in vivo)や試験管しけんかんない(in vitro)の挙動きょどう追跡ついせきし、診断しんだん治療ちりょうおこな医学いがく分野ぶんやである[4]かく医学いがく画像がぞうは、CTやMRIといったほか診断しんだんよう画像がぞう根本こんぽんてきことなる側面そくめんっている。そのちがいは、CTやMRIは形態けいたい画像がぞうばれ、患者かんじゃ解剖かいぼうがくてき構造こうぞう画像がぞう反映はんえいするのにたいし、かく医学いがく画像がぞう機能きのう画像がぞうばれ、種々しゅじゅ放射ほうしゃせい薬剤やくざいもちいた生理せいり生化学せいかがくてき機能きのう情報じょうほう画像がぞう反映はんえいするてんにある[5]

  • かく医学いがく検査けんさ
かく医学いがく検査けんさにおいては、放射ほうしゃせい放出ほうしゅつするアイソトープふくんだ薬品やくひん(放射ほうしゃせい医薬品いやくひん)を投与とうよし、ガンマカメラ(シンチカメラまたはアンガーがたカメラともぶ)で体内たいないでの動態どうたい計測けいそくする[6]。アイソトープ検査けんさ、RI検査けんさともいわれる。
  • かく医学いがくにおける検査けんさ計測けいそく条件じょうけん目的もくてきによる分類ぶんるい[7]
    • in vivo(インビボ)
    密封みっぷうRIを体内たいない注射ちゅうしゃし、各種かくしゅ臓器ぞうき機能きのう動態どうたい直接ちょくせつ計測けいそくする。

ほねシンチグラフィー(ほねシンチ)や18F-フルオロデオキシグルコース・陽電子ようでんし放射ほうしゃ断層だんそう撮影さつえい18F-FDG-PET:positron emission tomography)などが、これにあたる。

    • in vitro(インビトロ)
    生体せいたいから採取さいしゅした血液けつえき尿にょうなどからホルモンなどの微量びりょう物質ぶっしつ生体せいたいがい測定そくていする。

かく医学いがくによる治療ちりょう

  • 131Iによって、甲状腺こうじょうせん機能きのう亢進こうしんしょう甲状腺こうじょうせんがんのうち、乳頭にゅうとうがんと濾胞がんの治療ちりょうおこなう。ヨード内用ないよう療法りょうほう
  • 90Yによって、一部いちぶリンパ腫りんぱしゅ治療ちりょうおこなう。(商品しょうひんめい:ゼヴァリン)
  • 89Srによって、ほねシンチでみのある全身ぜんしんせいゆうつうせい多発たはつこつ転移てんいたいして、疼痛とうつう緩和かんわはかる。(商品しょうひんめい:メタストロン)
  • 223Raによって、ほね転移てんいのある去勢きょせい抵抗ていこうせい前立腺ぜんりつせんがんたいして、ぜん生存せいぞん期間きかん中央ちゅうおう)を11.1ヶ月かげつから14ヶ月かげつ延長えんちょうする[8]。2016ねん6がつ販売はんばい開始かいし。(製品せいひんめい:ゾーフィゴ)

医療いりょう被曝ひばく[編集へんしゅう]

医用いよう画像がぞうにおける実効じっこう線量せんりょう
対象たいしょう臓器ぞうき 検査けんさ 実効じっこう線量せんりょう大人おとな[9] 環境かんきょう放射線ほうしゃせん
等価とうか時間じかん[9]
頭部とうぶCT 単純たんじゅんCT 2 mSv 8カ月かげつ
造影ぞうえいざい使用しよう 4 mSv 16カ月かげつ
胸部きょうぶ 胸部きょうぶCT 7 mSv 2ねん
はいがん検診けんしんのための胸部きょうぶCT 1.5 mSv 6カ月かげつ
胸部きょうぶ単純たんじゅんXせん撮影さつえい 0.1 mSv 10日とおか
心臓しんぞう 冠状かんじょう動脈どうみゃくCT血管けっかん造影ぞうえい 12 mSv 4ねん
冠状かんじょう動脈どうみゃくCT、カルシウム走査そうさ 3 mSv 1ねん
腹部ふくぶ 腹部ふくぶ骨盤こつばんCT 10 mSv 3ねん
腹部ふくぶ骨盤こつばんCT、てい線量せんりょうプロトコル 3 mSv[10] 1ねん
腹部ふくぶ骨盤こつばんCT、造影ぞうえいざいあり 20 mSv 7ねん
CT結腸けっちょう検査けんさ 6 mSv 2ねん
静脈じょうみゃくない腎盂じんう造影ぞうえい 3 mSv 1ねん
上部じょうぶ消化しょうかかん造影ぞうえい 6 mSv 2ねん
下部かぶ消化しょうかかん造影ぞうえい 8 mSv 3ねん
脊椎せきつい 脊椎せきつい単純たんじゅんXせん撮影さつえい 1.5 mSv 6カ月かげつ
脊椎せきついCT 6 mSv 2ねん
四肢しし 四肢しし単純たんじゅんXせん撮影さつえい 0.001 mSv 3あいだ
下肢かしCT血管けっかん造影ぞうえい 0.3 - 1.6 mSv[11] 5週間しゅうかん - 6カ月かげつ
歯科しかXせん撮影さつえい 0.005 mSv 1にち
ほね密度みつど測定そくてい(DEXAほう) 0.001 mSv 3あいだ
PET-CT 25 mSv 8ねん
マンモグラフィー 0.4 mSv 7週間しゅうかん
OECD各国かっこく人口じんこう100まんにんたりCT/MRI台数だいすう

厳密げんみつはなしをすると、被曝ひばくとは、たん身体しんたい電離でんり放射線ほうしゃせんにさらされたという現象げんしょう術語じゅつごである[12]したがって、それにつづく、なんらかの生物せいぶつがくてき影響えいきょうがあったとしても、これは被曝ひばくとは別個べっこ概念がいねんとして認識にんしきする必要ひつようがある。そのため、中立ちゅうりつてき概念がいねんである被曝ひばくにより、白内障はくないしょう唾液だえき分泌ぶんぴつ低下ていか粘膜ねんまくえんはつがんなどの患者かんじゃにとって不利益ふりえきかんがえられる影響えいきょうや、甲状腺こうじょうせんしょう治療ちりょうやがんの治癒ちゆなどの有益ゆうえきかんがえられる影響えいきょうといった相反あいはんする事象じしょう併存へいそんしても整合せいごうせいたもたれる。さらに、おな被曝ひばくという事実じじつとそれにつづ生物せいぶつがくてき影響えいきょうおなじでも、利益りえき不利益ふりえき相対そうたいてき場合ばあいもある。たとえば、被曝ひばくすると創傷そうしょう治癒ちゆ遅延ちえん治癒ちゆのう低下ていかしょうじる。これは一見いっけん不利益ふりえき影響えいきょうにもおもえるが、これを応用おうようして難治なんじせいのケロイドの治療ちりょう可能かのうとなっている[13]。また全身ぜんしんにおおよそ4-10Gy被曝ひばくすると骨髄こつづい機能きのう荒廃こうはいして致死ちしてきとなるとされており、この被曝ひばくは、患者かんじゃいちじるしい不利益ふりえきにつながるともかんがえられそうだが、白血病はっけつびょうなどの血液けつえき疾患しっかんでは、これを応用おうようして骨髄こつづい移植いしょくまえ白血病はっけつびょう細胞さいぼう死滅しめつさせるためのぜん処置しょちとして採用さいようされている[14]

上記じょうきのとおり、本来ほんらいは、言葉ことば概念がいねんじょう問題もんだいから、生物せいぶつがくてき影響えいきょう善悪ぜんあくろんじたのち、その影響えいきょうおよぼす被曝ひばくりょうにさかのぼったうえで、被曝ひばく是非ぜひ議論ぎろんされるべきだが、放射線ほうしゃせん治療ちりょう分野ぶんやのぞいた、画像がぞう診断しんだん領域りょういきにおける被曝ひばく生物せいぶつがくてき影響えいきょう実質じっしつてき身体しんたいへのおかせかさねなしてつかえないことから、通例つうれいしたがって、以下いかでは両者りょうしゃとく区別くべつしない。[15]

医療いりょう被曝ひばく線量せんりょう限度げんど[編集へんしゅう]

放射線ほうしゃせん防護ぼうごのため、1990ねん国際こくさい放射線ほうしゃせん防護ぼうご委員いいんかい(International Comission on Radiation Protection: ICRP)の勧告かんこく準拠じゅんきょし、日本にっぽんでも被曝ひばく線量せんりょう限度げんど法令ほうれいによりさだめられているが、医療いりょう目的もくてき電離でんり放射線ほうしゃせん患者かんじゃに曝射する場合ばあいかぎっては、線量せんりょう限度げんど法的ほうてきさだめはない。これは、被曝ひばくする本人ほんにんがその被曝ひばくする行為こういによって診断しんだん治療ちりょうといった直接ちょくせつ利益りえきけるからである[1]。いいかえると、患者かんじゃ医学いがくてき利益りえき享受きょうじゅする場合ばあいには、被曝ひばく線量せんりょうにかかわらず医療いりょう被曝ひばく正当せいとうされるということである。これは医療いりょう被曝ひばく線量せんりょう限度げんど法令ほうれいさだめてしまうと、国民こくみん適切てきせつ医療いりょうける機会きかいうしなうことと同値どうちである。こうした特殊とくしゅせいから、その被曝ひばく職業しょくぎょう被曝ひばく公衆こうしゅう被曝ひばく)と同列どうれつ比較ひかくされるべきではない。[15]。(放射線ほうしゃせん人体じんたいたいして照射しょうしゃする判断はんだん医師いしおよび歯科しか医師いしのみ可能かのうであり、診療しんりょう放射線ほうしゃせん技師ぎし医師いしまた歯科しか医師いし指示しじがなければ放射線ほうしゃせん人体じんたいたいして照射しょうしゃすることがゆるされない。) しかしながら結果けっかろんではあるが、放射線ほうしゃせん診断しんだん健康けんこう診断しんだんされた場合ばあい被曝ひばくというがい健康けんこうであるという安心あんしんのみがのこされることになる。予防よぼう目的もくてきとした検診けんしんにおける放射線ほうしゃせん診断しんだんでは、被曝ひばくによるリスクを考慮こうりょしたガイドラインが設定せっていされている。

ただし、医療いりょう被曝ひばくの「正当せいとう」および「最適さいてき」がなされたうえで、被曝ひばく必要ひつよう最小限さいしょうげんとなるようにおこなわれる必要ひつようがある[15]

放射線ほうしゃせん医療いりょうによる、病気びょうき診断しんだん治療ちりょうを「しゅ作用さよう」としたとき、医療いりょう被曝ひばくによる生物せいぶつがくてき影響えいきょうのうちこのましくないものを、医療いりょうよう薬剤やくざいになぞらえて「副作用ふくさよう」ともなしうる。放射線ほうしゃせん医療いりょう治療ちりょうによって患者かんじゃ利益りえきがい(リスク)を考慮こうりょして、医師いし歯科しか医師いし有益ゆうえき判断はんだんしてほどこされる。(たとえば、95%以上いじょうかくりつ治療ちりょう奏功そうこうし、回復かいふく困難こんなん有害ゆうがい事象じしょうしょうじるかくりつが5%以下いかである、など。)

医療いりょう被曝ひばく現状げんじょう[編集へんしゅう]

放射線ほうしゃせん診断しんだん放射線ほうしゃせん治療ちりょう進歩しんぽ普及ふきゅうともな日本にっぽんふく一部いちぶ医療いりょう先進せんしんこくでは医療いりょう被曝ひばく実効じっこう線量せんりょう自然しぜん放射線ほうしゃせんからの被曝ひばくよりおおきくなっている[16]原子げんし放射線ほうしゃせん影響えいきょうかんする国連こくれん科学かがく委員いいんかい(UNSCEAR)の2008ねん報告ほうこくによると、ぜん世界せかいでの放射線ほうしゃせん診断しんだんは1988ねんには13.8おくかい一人ひとりあたりの平均へいきん線量せんりょうは0.35mSvであったが、2008ねんには31おくかい平均へいきん線量せんりょうは0.62mSvとなった。医療いりょう先進せんしんこく平均へいきんは1.92mSvとなっているが日本にっぽんでは2.3mSv[17]米国べいこくは3.0mSv[18]推定すいていされている。放射線ほうしゃせん治療ちりょうかんしては1991~1996ねんあいだ年間ねんかん470まんかいであったが、1997~2007ねんあいだでは510まんかい増加ぞうかしている。直線ちょくせん加速器かそくきによる治療ちりょうえてきている。医療いりょう先進せんしんこくでは放射線ほうしゃせん治療ちりょうは1せんにんあたり年間ねんかん2.4かい(世界せかい平均へいきんは0.8かい)となっており、頻度ひんどつづけている。

日本にっぽんにおいてはCT機器きき普及ふきゅうりつ他国たこくより突出とっしゅつしており[19]人口じんこうひゃくまんにんあたり92.6だい(2002ねん)、2がオーストラリアで45.3だい(2004ねん)、3アメリカ32.3だい(2004ねん)であった。この普及ふきゅうりつたかさにより、容易よういわるえば安易あんい検査けんさけることが可能かのうである。CTを1かいけるだけで6.9mSv、Xせん検査けんさでは0.6–2.7mSvの医療いりょう被曝ひばくがある[20]

放射線ほうしゃせん診療しんりょうにおける代表だいひょうてきなXせん検査けんさでの被曝ひばくりょうは、胸部きょうぶ 0.04mSv、腹部ふくぶ1.2mSv、上部じょうぶ消化しょうかかん 8.7mSv、胸部きょうぶCT 7.8mSv、腹部ふくぶCT 7.6mSvである[21][22]。なお、骨髄こつづい移植いしょくのためにおこなわれる全身ぜんしん照射しょうしゃいちかい照射しょうしゃりょうは2,000mSv(2Gy)で、1にち2かい照射しょうしゃを3日間にちかんおこない、総量そうりょうで12,000mSv(12Gy)を照射しょうしゃする[23][24]はいがんにたいする定位ていい放射線ほうしゃせん治療ちりょうでは1かい10,000mSv(10Gy)以上いじょうだい線量せんりょうを4かいから5かい照射しょうしゃして1週間しゅうかん程度ていど終了しゅうりょうさせているプロトコルが主流しゅりゅうである[25]

必要ひつよう画像がぞう診断しんだん[編集へんしゅう]

CTのような高額こうがく装置そうち場合ばあい検査けんさ過剰かじょうおこなわれる懸念けねん指摘してきされている[26]。ただ、現時点げんじてんでは、しょ外国がいこく比較ひかくしたときCTとMRIの装置そうち台数だいすうきわだっておおいが、装置そうち活用度かつようどはほとんど最下位さいかいであり、検査けんさすうとしてはそれほどおおいという状況じょうきょうでではない[27]

実際じっさいてい線量せんりょう放射線ほうしゃせんばくによる影響えいきょうには不明ふめいてんおおいが、てい線量せんりょうばくもはつがんをしょうじるという仮説かせつ(LNT仮説かせつ)にももとづき15ヵ国かこく放射線ほうしゃせん検査けんさ頻度ひんどにともなう発癌はつがんリスクを調しらべた結果けっかによれば、日本にっぽん医療いりょう被曝ひばくによる発癌はつがんリスクは3.2%(とし7587けん発癌はつがんすう相当そうとう)ともっとたか[28]、これは欧米おうべい諸国しょこくくらべても3ばいほどたか数字すうじであり、特徴とくちょうとしてCT検査けんさによる被曝ひばくおおきな比重ひじゅうめており、他国たこくくらべてCT装置そうち設置せっち台数だいすうおおことなどが背景はいけいにあるのではと指摘してきされている[29]

アメリカ食品しょくひん医薬品いやくひんきょくでは画像がぞう診断しんだんほうにおける不要ふよう放射線ほうしゃせん照射しょうしゃげんずる方針ほうしん提示ていじされている[30]一方いっぽう被曝ひばくおさえるために装置そうち改良かいりょうおこなわれており、てい線量せんりょうヘリカルCTなどが開発かいはつされ、検診けんしん対象たいしょうしゃヘビースモーカーといったこうリスクぐんしぼって成果せいかげているが、にせ陽性ようせいなどの問題もんだい指摘してきされている[31]

自然しぜん被曝ひばく[編集へんしゅう]

一方いっぽう自然しぜん放射線ほうしゃせんによる被曝ひばくりょうは、おおむ年間ねんかん1.0~13mSvのあいだ世界せかい平均へいきんやく2.4mSvである。UNSCEARでは10mSv以上いじょう被曝ひばくのある地域ちいき特筆とくひつしている。 イランブラジルインドでは、30mSvをえるようなホットスポットもあり[21][22][32]、インドのケーララしゅう家系かけいない遺伝いでん調査ちょうさをしたところ、こう線量せんりょう地域ちいきでは統計とうけいてき有意ゆうい生殖せいしょく細胞さいぼう由来ゆらいてん突然変異とつぜんへんいたか傾向けいこうにあることが報告ほうこくされている[33][34]。ブラジルのガラパリでは内部ないぶ被曝ひばくによるものとおもわれる末梢まっしょうリンパだま染色せんしょくたい異常いじょう[35]や、対照たいしょう地域ちいきくらべてがん死亡しぼうりつたかさが報告ほうこくされている[36]が、がん死亡しぼうりつ報告ほうこくについては因子いんし考慮こうりょしておらず、予備よびてき研究けんきゅう結論けつろんとみなすべきだと研究けんきゅうしゃ自身じしん記述きじゅつしている。

しきい線量せんりょう影響えいきょう事例じれい[編集へんしゅう]

しきい線量せんりょう (threshold dose) とは、放射線ほうしゃせんをある一定いっていレベル以上いじょう被曝ひばくけると、確定かくていてき放射線ほうしゃせん影響えいきょうきるしきいとなる線量せんりょうのことであるが[37]、しきい線量せんりょうのある確定かくていてき影響えいきょうと、しきい線量せんりょうはないと仮定かていされているかくりつてき影響えいきょうとがある[21]

確定かくていてき影響えいきょうれいには、胎児たいじへの影響えいきょう器官きかん形成けいせい被曝ひばくによる奇形きけい発生はっせいがあり、そのしきい線量せんりょうは100mGy(ミリグレイ)とされている[21]。しかしながら、放射線ほうしゃせん診断しんだんでの胎児たいじ平均へいきん被曝ひばくりょうは、腹部ふくぶ撮影さつえい 1.4mGy、ちゅうちょう造影ぞうえい検査けんさ 6.8mGy、腹部ふくぶCT 8.0mGy、骨盤こつばんCT 25.0mGyなどとなっており、このしきい線量せんりょう100mGyよりちいさい被曝ひばくであり、顕著けんちょ影響えいきょうがあるとはかんがえられないとされている。

かくりつてき影響えいきょうれいには、ふくすうかいのX検査けんさによる被曝ひばく白血病はっけつびょうまたはがんになる可能かのうせいがある。米国べいこくでは、CTスキャンによる検査けんさ年間ねんかん7000まんけん以上いじょうおこなわれており、そのうちの2まん9000けん将来しょうらいてきにCTに関連かんれんしたがん発症はっしょうこすと推定すいていされている[38]。なお、このかくりつてき影響えいきょうにはしきい線量せんりょうはなく、被曝ひばくりょう比例ひれいするとされる。この仮説かせつによると、影響えいきょうかくりつは0にはならないが、日常にちじょうてき通常つうじょう放射線ほうしゃせん検査けんさでの被曝ひばくりょうは、問題もんだいとなるようなものではないという主張しゅちょうがある。一方いっぽう妊娠にんしん女性じょせい放射線ほうしゃせん診断しんだんける場合ばあい、Xせん検査けんさ回数かいすう胎児たいじ相対そうたいリスクには比例ひれい関係かんけいがあるという報告ほうこくなどもあり[39]胎児たいじへのリスクをまったく考慮こうりょする必要ひつようがないとまではれない不確ふたしかさがあり、確定かくていてき結論けつろんていない。また、白血病はっけつびょうでは50〜200mGy以下いか被曝ひばくでは発生はっせいりつ増加ぞうか統計とうけいてきかではない[21]通常つうじょうのXせん検査けんさでは、胸部きょうぶ0.04mGy、腹部ふくぶ0.4mGy、腰椎ようつい1.4mGy、上部じょうぶ消化しょうかかん8.2mGy程度ていどであり、極端きょくたん回数かいすう検査けんさをしないかぎり、心配しんぱいする必要ひつようはないという主張しゅちょうもある[21]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 南山みなみやまどう医学いがくだい辞典じてん
  2. ^ 理事りじかいにおける IVR の和名わみょうについての検討けんとう経過けいか概要がいよう (PDF) -日本にっぽんインターベンショナルラジオロジー学会がっかい
  3. ^ しん臨床りんしょう腫瘍しゅようがく p.202
  4. ^ PETの部屋へや かく医学いがく基礎きそ かく医学いがく(Nuclear Medicine)とは - ウェイバックマシン(2011ねん9がつ11にちアーカイブぶん
  5. ^ 金原出版かねはらしゅっぱん かく医学いがくノート・だい4はん
  6. ^ かく学会がっかいによる一般いっぱん説明せつめい (PDF)
  7. ^ PETの部屋へや かく医学いがく基礎きそ 3つのかく医学いがく分類ぶんるい - ウェイバックマシン(2011ねん9がつ12にちアーカイブぶん
  8. ^ Petrenciuc O:バイエル薬品ばいえるやくひん社内しゃない資料しりょう症候しょうこうせい去勢きょせい抵抗ていこうせい前立腺ぜんりつせんがん患者かんじゃ対象たいしょうとした国外こくがいだいそう臨床りんしょう試験しけん](2015)
  9. ^ a b Unless otherwise specified in boxes, reference is:
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  10. ^ Brisbane, Wayne; Bailey, Michael R.; Sorensen, Mathew D. (2016). “An overview of kidney stone imaging techniques”. Nature Reviews Urology (Springer Nature) 13 (11): 654–662. doi:10.1038/nrurol.2016.154. ISSN 1759-4812. PMC 5443345. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5443345/. 
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]