奇形きけい

奇形きけい（きけい、畸形・畸型きけいとも、英えい：deformity）とは、主おもに生物せいぶつが先天的せんてんてきに肉眼にくがん形態けいたい上じょうの異常いじょうを持もっていることを指さす。その結果けっかとして機能きのう障害しょうがいをきたすこともある。また、形態けいたい上じょうの異常いじょうではない疾患しっかん（純粋じゅんすいな機能きのう異常いじょうである）精神せいしん発達はったつ遅滞ちたいや内分泌ないぶんぴつ障害しょうがいは奇形きけいとは呼よばれないことが多おおいが、これらが奇形きけいに合併がっぺいすることも多おおい。

なお、「奇形きけい」という語かたりは「めずらしい形かたち」が原義げんぎである^[1]。例たとえば芸術げいじゅつ作品さくひんなどにおいて、標準ひょうじゅんから大おおきく外はずれた形態けいたいを持もつ作品さくひんなどを「奇形きけい」と表現ひょうげんすることもある。

発生はっせい[編集へんしゅう]

動物どうぶつにおいては、胎児たいじが成長せいちょうする段階だんかいのなかでも器官きかんが形成けいせいされる胚芽はいが期きに外因がいいん・内因ないいんの影響えいきょうを受うけることが重要じゅうような条件じょうけんとなる。逆ぎゃくに、妊娠にんしん後期こうきは器官きかんがほぼ完成かんせいされているため外的がいてきな有害ゆうがい作用さようを受うけても、奇形きけいという結果けっかにつながる可能かのう性せいは比較的ひかくてき低ひくい。

植物しょくぶつにおいては、外的がいてき要因よういんによるものがほとんどである。

微生物びせいぶつやウイルスにおいては、奇形きけいというよりも突然変異とつぜんへんいと呼称こしょうするべき状況じょうきょうが多おおく見みられ、特とくに病原びょうげん体たいとなる細菌さいきんやウイルスの突然変異とつぜんへんいは、対抗たいこう手段しゅだん未み開発かいはつの新種しんしゅ疾患しっかんになるものが多おおいとして恐おそれられている。

奇形きけいの原因げんいんになりうる要因よういんとしては以下いかのようなものが挙あげられる。

外的がいてき要因よういん

内的ないてき要因よういん

遺伝子いでんしの異常いじょう
染色せんしょく体たい異常いじょう

心こころ奇形きけい[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「先天せんてん性せい心こころ疾患しっかん」を参照さんしょう

母はは斑まだら[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「母はは斑まだら」を参照さんしょう

感染かんせん症しょう[編集へんしゅう]

風疹ふうしん、トキソプラズマ、梅毒ばいどく、サイトメガロウイルスなど。

医薬品いやくひん[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「催奇性せい」および「薬害やくがい」を参照さんしょう

サリドマイド薬禍やっかや、にきび治療ちりょう薬やくイソトレチノインのように医薬品いやくひんが奇形きけいの原因げんいんになることがある。

化学かがく物質ぶっしつ[編集へんしゅう]

ビタミンAの過剰かじょう摂取せっしゅまたは欠乏けつぼう状態じょうたいで起おこりえる。類似るいじ作用さようを示しめす誘導体ゆうどうたいでも起おこりえる。例たとえば、イソトレチノインはビタミンA誘導体ゆうどうたいである。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

^ 『広こう辞じ林りん』（岩波書店いわなみしょてん）初版しょはん、新しん訂てい版ばん。