放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ

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被曝ひばく警告けいこくの標識ひょうしき、2007年ねんに国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん (IAEA) と ISOにより追加ついかされた。

放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ（ほうしゃせいはいきぶつ、英えい: radioactive waste）とは、使用しよう済ずみの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ及および放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつで汚染おせんされたもので、以後いごの使用しようの予定よていが無なく廃棄はいきされるものを言いう[1]。

原子力げんしりょく発電はつでんに代表だいひょうされる原子力げんしりょくエネルギーの利用りように伴ともなって発生はっせいし[2]、また医療いりょう[3]や農業のうぎょう、工業こうぎょうにおける放射ほうしゃ性せい同位どうい元素げんそ（RI）の利用りようによっても発生はっせいする。日本にっぽんにおいては、その発生はっせい源げんに応おうじて取とり扱あつかいを規定きていする法律ほうりつ及および所管しょかん官庁かんちょうが異ことなる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつはその定義ていぎから放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむ、すなわち人間にんげんにとって有害ゆうがいな放射線ほうしゃせんを放出ほうしゅつしておりその取とり扱あつかいには一般いっぱんに注意ちゅういを要ようする[4]。一口ひとくちに放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつといっても発生はっせい源げん及およびその性質せいしつなどに応おうじて分類ぶんるいされ処分しょぶん方法ほうほうも変かわってくる[5]。

日本にっぽんの国内こくない法ほうにおいては、核かく燃料ねんりょう物質ぶっしつであるかそれ以外いがいの発生はっせいの放射ほうしゃ性せい同位どうい元素げんそ（radioisotope：RI）であるかの違ちがいによってその取とり扱あつかいを規定きていする法律ほうりつは異ことなる。なお、日本にっぽんにおいては、放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつは、廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつで定義ていぎされる「廃棄はいき物ぶつ」には原則げんそくとして該当がいとうしない[6]。ただし、その放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむ廃棄はいきするものの放射能ほうしゃのうのレベルがクリアランスレベル以下いかまたは規制きせい除外じょがい対象たいしょうであるなどといった場合ばあいは、法定ほうてい上じょうは放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつとはみなされず産業さんぎょうまたは一般いっぱん廃棄はいき物ぶつとして処理しょりされる。

原子力げんしりょく発電はつでん所しょから出でる放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの場合ばあい、原子げんし炉ろから取とり出だした使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょう[7]や、作業さぎょう員いんが使用しようした衣服いふくやこれの除染じょせんに用もちいた水みずなど多岐たきに渡わたる。使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうは一時いちじ保管ほかんした後のち、再さい処理しょり工場こうじょうに運はこばれる。再さい処理しょり工場こうじょうからは、燃料ねんりょう棒ぼうの部品ぶひん、また燃料ねんりょう棒ぼうのペレットに含ふくまれる核分裂かくぶんれつ反応はんのうによる生成せいせい物ぶつ（核分裂かくぶんれつ生成せいせい物ぶつ）や、湿式しっしきによるウラン・プルトニウムの分離ぶんり抽出ちゅうしゅつの過程かていで発生はっせいした廃液はいえきなどの放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつが発生はっせいする。発生はっせい別べつにより、ヨウ素もとを閉とじ込こめるための廃はい銀ぎん吸着きゅうちゃく剤ざい、二に次じ廃棄はいき物ぶつ（MOX燃料ねんりょう施設しせつから発生はっせいするものも含ふくむ）等とうの内うち、ウラン燃料ねんりょうを加工かこうする施設しせつから発生はっせいするウランで汚染おせんされた廃棄はいき物ぶつは特とくにウラン廃棄はいき物ぶつと呼よばれる[8]。

日本にっぽんにおける放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの分類ぶんるい[編集へんしゅう]

法令ほうれいに基もとづいた分類ぶんるい[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおいては、法律ほうりつに基もとづいて、放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつは（a）核かく原料げんりょう物質ぶっしつ、核かく燃料ねんりょう物質ぶっしつ及および原子げんし炉ろの規制きせいに関かんする法律ほうりつに言いう放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ[9]（以下いか、核かく燃料ねんりょう廃棄はいき物ぶつという）と、（b）それ以外いがいの法律ほうりつによって規制きせいされる放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ（以下いか、RI廃棄はいき物ぶつという）に大別たいべつすることができる。さらにRI廃棄はいき物ぶつは

（b-1）放射ほうしゃ性せい同位どうい元素げんそ等とうによる放射線ほうしゃせん障害しょうがいの防止ぼうしに関かんする法律ほうりつにおける研究けんきゅう分野ぶんやからのRI廃棄はいき物ぶつ（以下いか、研究けんきゅうRI廃棄はいき物ぶつという）と、
（b-2）医療いりょう法ほう、薬事やくじ法ほう、獣医じゅうい療法りょうほう及および臨床りんしょう検査けんさ技師ぎし等とうに関かんする法律ほうりつにおける医療いりょう分野ぶんやからのRI廃棄はいき物ぶつ（以下いか、医療いりょうRI廃棄はいき物ぶつという）

に分わけることができる[10]。

特別とくべつ措置そち法ほうによるもの

平成へいせい22年度ねんどまでは法的ほうてきには概おおむね上記じょうきのように分類ぶんるいされていたが、平成へいせい23年ねん3月がつ11日にちに発生はっせいした東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょの事故じこを受うけて平成へいせい二に十じゅう三さん年ねん三さん月がつ十じゅう一いち日にちに発生はっせいした東北とうほく地方ちほう太平洋たいへいよう沖おき地震じしんに伴ともなう原子力げんしりょく発電はつでん所しょの事故じこにより放出ほうしゅつされた放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつによる環境かんきょうの汚染おせんへの対処たいしょに関かんする特別とくべつ措置そち法ほう（放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ汚染おせん対処たいしょ特措法とくそほう）が公布こうふおよび施行しこうされることとなり、その中なかで言いう（c）特定とくてい廃棄はいき物ぶつ（指定してい廃棄はいき物ぶつ及および対策たいさく地域ちいき内ない廃棄はいき物ぶつからなる）と呼よばれる放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの分類ぶんるいが新あらたに導入どうにゅうされることとなった[11]。環境省かんきょうしょうによれば、指定してい廃棄はいき物ぶつは2022年ねん9月がつ30日にち時点じてんで、10都県とけんに計けい40万まん6931トンある[12][13][14]。

IAEAの分類ぶんるいを参考さんこうにした慣習かんしゅう的てきな分類ぶんるい[編集へんしゅう]

日本にっぽんにおいて放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつは、慣習かんしゅう的てきに、使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうの再さい処理しょりにおける溶解ようかいに使つかった硝酸しょうさんを主おもとする廃液はいえき及およびその固化こか体たいのみを指さす高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ（High Level Waste、HLW）[15]と、それ以外いがいのものを指さす低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ[16]の二ふたつに分類ぶんるいされる[17]。なお、低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつは、その中なかでアルファ放射ほうしゃ体たい[18]を多量たりょうに含ふくむものはアルファ廃棄はいき物ぶつもしくはTRU廃棄はいき物ぶつ[19]と呼よばれさらに区分くぶんされる[17]。

「放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつとして扱あつかう必要ひつようの無ない物もの」に関かんする制度せいど・概念がいねん[編集へんしゅう]

放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつとは、使用しよう済ずみの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ及および放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつで汚染おせんされたもので以後いごの使用しようの予定よていが無なく廃棄はいきされるものを言いうが、放射線ほうしゃせんの検出けんしゅつは物理ぶつり現象げんしょうの中なかでも最もっとも鋭敏えいびんに検出けんしゅつできるものであることから、極端きょくたんなことを言いえばすべての廃棄はいきするものを放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつとすることができる。しかし、この場合ばあい、規制きせいの対象たいしょうとなるものは膨大ぼうだいとなり、規制きせい制度せいど自体じたいが機能きのうしなくなることにつながる。

このように、放射線ほうしゃせん防護ぼうごに関かんする規制きせいの枠組わくぐみの中なかにある放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつであっても、その規制きせい自体じたいをうまく機能きのうさせるためには、その量りょうが微量びりょうであり人ひとの健康けんこうに対たいする影響えいきょうが無視むしできる、または規制きせいをしても効果こうかがほとんどないなどといった場合ばあいは、それを放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつとして扱あつかう必要ひつようの無ない物ものとしてその規制きせいの枠組わくぐみから外はずしても良よいという制度せいどや概念がいねんが必要ひつようとなる。

放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくんでいて廃棄はいきするものであっても、それら制度せいどや概念がいねんを適用てきようすることにより条件じょうけんによって放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつとして規制きせい外がいとなれば、例たとえば廃棄はいき物ぶつ処理しょり法ほうでいう「廃棄はいき物ぶつ」として埋設まいせつ処分しょぶんするなど[20]といったことができるようになる。

クリアランス（clearance）または規制きせい免除めんじょ（exemption）[編集へんしゅう]

人工じんこう放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつに起因きいんする被曝ひばく線量せんりょうが「自然しぜん界かいの放射線ほうしゃせんレベルと比較ひかくして十分じゅうぶん小ちいさく」また「人ひとの健康けんこうに対たいするリスクが無視むしできるものである」ならば、規制きせいの枠組わくぐみから外はずしても良よいという考かんがえ方かたをクリアランス（clearance）と呼よぶ[21]。また、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつとして扱あつかう必要ひつようのないものを区分くぶんするレベルをクリアランスレベル（clearance level）と呼よぶ[22]。

クリアランス制度せいどが適用てきようされる放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむものは、その定義ていぎより人ひとの健康けんこうに対たいするリスクは無視むしできる程度ていどであると言いうことができる[23]。

日本にっぽんにおいては1997年ねんから原子力げんしりょく安全あんぜん委員いいん会かいは、IAEAの技術ぎじゅつ文書ぶんしょ[24]に示しめされたクリアランスレベル算出さんしゅつの考かんがえ方かたに基もとづき、発電はつでん用よう原子げんし炉ろ（軽水炉けいすいろ、ガス炉ろ、試験しけん研究けんきゅう炉ろ）などを対象たいしょうとして委員いいん会かい報告ほうこく書しょをとりまとめた[25][26]。

規制きせい除外じょがい（exclusion）[編集へんしゅう]

自然しぜん放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ[27]による被曝ひばくのように「規制きせいが不可能ふかのうで規制きせいのしようがない」または「規制きせいをしても効果こうかがほとんどない」ならば、規制きせいの対象たいしょうにしないことを規制きせい除外じょがい（exclusion）と呼よぶ[28]。

規制きせい除外じょがい廃棄はいき物ぶつは、その定義ていぎから規制きせいの対象たいしょうとはならないが、かといってクリアランス制度せいどの対象たいしょうとは限かぎらないので人ひとの健康けんこうに対たいするリスクが無視むしできる程度ていどの廃棄はいき物ぶつとは言いい難がたい。

核かく燃料ねんりょう廃棄はいき物ぶつの処理しょり・処分しょぶん[編集へんしゅう]

核かく燃料ねんりょう廃棄はいき物ぶつは、便宜上べんぎじょうその発生はっせい源げんに応おうじてさらに次つぎのように分類ぶんるいされる[29]。

発電はつでん所しょ廃棄はいき物ぶつ：原子力げんしりょく発電はつでん所しょの運転うんてん、保守ほしゅ、解体かいたいに伴ともなって発生はっせいする廃棄はいき物ぶつをいう[30]。
高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ：使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうの再さい処理しょりにおける溶解ようかいに使つかった硝酸しょうさんを主おもとする廃液はいえき及およびその固化こか体たいをいう。
TRU廃棄はいき物ぶつ：MOX燃料ねんりょう加工かこうや使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょう再さい処理しょりの運転うんてん・保守ほしゅの結果けっか発生はっせいする超ちょうウラン元素げんそ（TRU）で汚染おせんされた廃棄はいき物ぶつをいう[31]。
研究所けんきゅうじょ等とう廃棄はいき物ぶつ：発電はつでん所しょではなく、大学だいがくや研究けんきゅう機関きかんの研究けんきゅう開発かいはつ活動かつどうにおいて核かく燃料ねんりょう物質ぶっしつで汚染おせんされた廃棄はいき物ぶつをいう。

このうち、人ひとの健康けんこうに重大じゅうだいな影響えいきょうを及およぼすおそれがある高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつと極きわめて長寿ちょうじゅ命いのち核種かくしゅからなるTRU廃棄はいき物ぶつは、深ふかい地層ちそうへの地層ちそう処分しょぶん（第だい一種いっしゅ廃棄はいき物ぶつ埋設まいせつ）が計画けいかくされている。ほか、発電はつでん所しょ廃棄はいき物ぶつについては、それらの物性ぶっせいにより三さん段階だんかいの地表ちひょう近ちかくの処分しょぶんがされることとなっている[32]。

第だい二に種しゅ廃棄はいき物ぶつ埋設まいせつ：低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの処分しょぶん方法ほうほう[編集へんしゅう]

低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの処分しょぶん（核かく原料げんりょう物質ぶっしつ、核かく燃料ねんりょう物質ぶっしつ及および原子げんし炉ろの規制きせいに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ三さん十じゅう二に年ねん法律ほうりつ第だい百ひゃく六ろく十じゅう六ろく号ごう）第だい二に種しゅ廃棄はいき物ぶつ埋設まいせつ）には余裕よゆう深度しんど処分しょぶん、浅地あさじ中ちゅうピット処分しょぶん、浅地あさじ中ちゅうトレンチ処分しょぶんの三みっつの処分しょぶん方法ほうほうがある[33]。トレンチ処分しょぶんを除のぞく処分しょぶんはいずれも遮断しゃだん型がた処分しょぶんではあるが、人工じんこう構造こうぞう物ぶつ（人工じんこうバリア）による完全かんぜんな放射能ほうしゃのうの遮断しゃだんを管理かんり期間きかん中ちゅう継続けいぞくさせることは困難こんなんである。放射能ほうしゃのうの漏洩ろうえいによる影響えいきょうを最小限さいしょうげんにするために場所ばしょ（地質ちしつ・地層ちそう、水脈すいみゃくなど）および地中ちちゅう深度しんどなどが考慮こうりょされ処分しょぶん基準きじゅんとなっている。

余裕よゆう深度しんど処分しょぶん[編集へんしゅう]

一般いっぱん的てきであるとされる土地とち利用りよう（住居じゅうきょなどの建設けんせつ）や地下ちか利用りよう（地上ちじょうの構造こうぞう物ぶつを支持しじする基盤きばんの設置せっち、地下鉄ちかてつ、上下水道じょうげすいどう、共同きょうどう溝みぞや地下ちか室しつとしての利用りようなど）に対たいして十分じゅうぶんに余裕よゆうを持もった深度しんど（地下ちか50〜100メートル程度ていど）に、コンクリートでトンネル型がたやサイロ型がたの人工じんこう構築こうちく物ぶつを作つくり、廃棄はいき物ぶつを埋設まいせつする方法ほうほうを余裕よゆう深度しんど処分しょぶんと呼よぶ。シュラウド[34]、チャンネルボックス[35]、使用しよう済ずみ制御せいぎょ棒ぼうなど主おもに原子げんし炉ろの廃止はいし措置そちに伴ともなって発生はっせいする放射能ほうしゃのうレベルが比較的ひかくてき高たかいものが対象たいしょうとなる[36]。管理かんり期間きかんは数すう百ひゃく年ねん。処分しょぶん・管理かんり方法ほうほう等とうについては調査ちょうさ中ちゅうである。

日本原燃にほんげんねんの六ろくヶ所かしょ低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ埋設まいせつセンターにて次つぎの三さん号ごう施設しせつとして調査ちょうさ中ちゅう。

浅地あさじ中ちゅうピット処分しょぶん[編集へんしゅう]

浅あさい地中ちちゅう（地下ちか約やく10メートル）にコンクリートピットなどの人工じんこう構築こうちく物ぶつを設置せっちし廃棄はいき物ぶつを搬入はんにゅう後ご、その構築こうちく物ぶつごと埋設まいせつする方法ほうほうを浅地あさじ中ちゅうピット処分しょぶんと呼よぶ。濃縮のうしゅく廃液はいえきや使用しよう済ずみイオン交換こうかん樹脂じゅし、可燃かねん物ぶつを焼却しょうきゃくした焼却灰しょうきゃくばいなどをセメントなどでドラム缶どらむかんに固形こけい化かしたものなど、主おもに原子力げんしりょく発電はつでん所しょから排出はいしゅつされる放射能ほうしゃのうレベルの比較的ひかくてき低ひくいものが対象たいしょうとなる[37]。埋設まいせつ後ごの管理かんり期間きかんは300〜400年ねんが一ひとつの目安めやすとされている。

日本原燃にほんげんねんの六ろくヶ所かしょ低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ埋設まいせつセンターで一いち号ごう・二に号ごう施設しせつが1992年ねんより稼働かどうしている。

浅地あさじ中ちゅうトレンチ処分しょぶん[編集へんしゅう]

浅あさい地中ちちゅうに素もと掘ほりの溝みぞ、つまりトレンチ（trench）を掘ほり、そこにそのまま（人工じんこう構築こうちく物ぶつは設もうけない）廃棄はいき物ぶつを定置ていちすることにより埋設まいせつ処分しょぶんを行おこなう方法ほうほう（いわゆる単純たんじゅんな埋うめ立たて）を浅地あさじ中ちゅうトレンチ処分しょぶんと呼よぶ。コンクリートや金属きんぞくなど、化学かがく的てき、物理ぶつり的てきに安定あんていな性質せいしつの廃棄はいき物ぶつのうち[38]放射能ほうしゃのうレベルの極きわめて低ひくい極ごく低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつが対象たいしょうである[39]。50年ねん程度ていどの管理かんり期間きかんを経へたのち、一般いっぱん的てきな土地とち利用りようが可能かのうになる[40]。

動力どうりょく試験しけん炉ろ（JPDR）の解体かいたいに伴ともなって発生はっせいした廃棄はいき物ぶつを処分しょぶんするために、日本にっぽん原子力げんしりょく研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう・東海とうかい研究けんきゅう開発かいはつセンター原子力げんしりょく科学かがく研究所けんきゅうじょ・廃棄はいき物ぶつ埋設まいせつ施設しせつにて1995年ねんより試験しけん的てきに実施じっしされている。

第だい一種いっしゅ廃棄はいき物ぶつ埋設まいせつ：高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ等とうの処分しょぶん方法ほうほう[編集へんしゅう]

核かく燃料ねんりょう廃棄はいき物ぶつの内うち、高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ及およびTRU廃棄はいき物ぶつは地層ちそう処分しょぶん（核かく原料げんりょう物質ぶっしつ、核かく燃料ねんりょう物質ぶっしつ及および原子げんし炉ろの規制きせいに関かんする法律ほうりつ、昭和しょうわ三さん十じゅう二に年ねん法律ほうりつ第だい百ひゃく六ろく十じゅう六ろく号ごう）されることとなっている。特定とくてい放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの最終さいしゅう処分しょぶんに関かんする法律ほうりつに基もとづき原子力げんしりょく発電はつでん環境かんきょう整備せいび機構きこう（NUMO）が実施じっし主体しゅたいとなって処分しょぶんする。

詳細しょうさいは「地層ちそう処分しょぶん」、「高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ」、および「TRU廃棄はいき物ぶつ」を参照さんしょう

なお、高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの処分しょぶんについては様々さまざまな方法ほうほうが検討けんとうされた。[41]海洋かいよう投棄とうき（かつて各国かっこくで実施じっしされたが1993年ねんに全面ぜんめん禁止きんし）、地上ちじょう施設しせつによる長期ちょうき保管ほかん（未み実施じっし、ただし一時いちじ的てきな中なか間あいだ貯蔵ちょぞう施設しせつは除のぞく）、氷こおり床ゆか処分しょぶん（禁止きんし）、宇宙うちゅう処分しょぶん（大気圏たいきけん外がいにロケットで打うち上あげ太陽系たいようけいの引力いんりょく圏外けんがいに放出ほうしゅつする、もしくは太陽たいようの重力じゅうりょくに引ひき寄よせさせる方法ほうほう。かつて米べいが検討けんとうしたがコストと不ふ確実かくじつ性せいから不ふ採用さいよう）、地中ちちゅう直接ちょくせつ注入ちゅうにゅう（米べい、ソが実施じっし）[42]などが検討けんとうされ、このうち海洋かいよう投棄とうきと地中ちちゅう直接ちょくせつ注入ちゅうにゅう処分しょぶんは実施じっしされた[43]。21世紀せいき初頭しょとうにおいては地中ちちゅう埋設まいせつ処分しょぶんが各国かっこくで採用さいようされている。

RI廃棄はいき物ぶつの処理しょり・処分しょぶん（研究けんきゅう施設しせつ等とう廃棄はいき物ぶつの処理しょり・処分しょぶん）[編集へんしゅう]

原子力げんしりょく施設しせつや核兵器かくへいき関連かんれん施設しせつ以外いがいにも、原子力げんしりょくの研究けんきゅう施設しせつや大学だいがく、医療いりょう分野ぶんやや民間みんかん産業さんぎょう分野ぶんや、農業のうぎょう分野ぶんやなどでも放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを使用しようする場合ばあいがあるので、放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつは発生はっせいする。

RI廃棄はいき物ぶつに含ふくまれる代表だいひょう的てきな放射ほうしゃ性せい核種かくしゅは、研究けんきゅうRI廃棄はいき物ぶつとしては 3H、14C、32P、35S などであり、医療いりょうRI廃棄はいき物ぶつとしては、99mTc、125I、201Tl などである。RI廃棄はいき物ぶつ（研究けんきゅうRI廃棄はいき物ぶつおよび医療いりょうRI廃棄はいき物ぶつ）の大だい部分ぶぶんはRI協会きょうかいが集荷しゅうかし貯蔵ちょぞうしている[44]。RI廃棄はいき物ぶつ等とうの処分しょぶんについては、2008年ねんに処分しょぶん実施じっし主体しゅたいが日本にっぽん原子力げんしりょく研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうに決きまり、法律ほうりつも改正かいせいされることとなった[45]。

放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ汚染おせん対処たいしょ特措法とくそほうに規定きていされる特定とくてい廃棄はいき物ぶつ等とうの処理しょり・処分しょぶん[編集へんしゅう]

東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょの事故じこにより大気たいき中ちゅうに放出ほうしゅつされた放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつによる環境かんきょうの汚染おせんが生しょうじることとなった。これによる人ひとの健康けんこうまたは生活せいかつ環境かんきょうに及およぼす影響えいきょうを速すみやかに低減ていげんするため、平成へいせい23年ねん8月がつ30日にちにいわゆる放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ汚染おせん対処たいしょ特措法とくそほうが公布こうふされた（平成へいせい24年ねん1月がつ1日にちに全面ぜんめん施行しこう）[46]。

この特措法とくそほうに基もとづき、環境かんきょう大臣だいじんが指定していを行おこなう、事故じこ由来ゆらい放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつによる汚染おせん状態じょうたいが8,000 Bq/kg を超こえる廃棄はいき物ぶつは指定してい廃棄はいき物ぶつと呼よばれる。その処理しょりにあたっての環境かんきょうへの影響えいきょうについては、1都と15県けんのごみ焼却しょうきゃく施設しせつについてデータを収集しゅうしゅう・分析ぶんせきしたりなどした上うえで、国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ[47]によって確認かくにんされている[48]。

原子げんし炉ろのメンテナンスについて[編集へんしゅう]

政治せいじ評論ひょうろん家かの竹田たけだ恒ひさし泰やすしは、自みずから主宰しゅさいする動画どうがチャンネルにおいて、「1年ねんに一いち度ど原子げんし炉ろを停止ていしして人力じんりきで原子げんし炉ろの中なかを清掃せいそうする。横浜よこはま寿ことぶき町まちの路上ろじょう生活せいかつ者しゃを日給にっきゅう5万まん円えんで寝汗ねあせが出でる危険きけんな状態じょうたいまで働はたらかせている」と述のべている[49]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ 長崎ながさき・中山なかやま(2011) p.4
  2. ^ 原子力げんしりょく発電はつでん所しょおよび核かく燃料ねんりょう製造せいぞう施設しせつ、核兵器かくへいき関連かんれん施設しせつなどから排出はいしゅつされる
  3. ^ 病院びょういんの検査けんさ部門ぶもんから出でるガンマ線がんません源みなもとの廃棄はいきなどで排出はいしゅつされる。
  4. ^ 放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつを含ふくめ、放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつはある程度ていどの時間じかん（半減はんげん期き）が経過けいかすると放射能ほうしゃのうが弱よわくなり、やがては大だい部分ぶぶんが安定あんていした物質ぶっしつに変化へんかする性質せいしつを持もつ。半減はんげん期きと単位たんい時間じかん当あたりの放射線ほうしゃせん量りょうは反比例はんぴれいし、半減はんげん期きの長ながい物質ぶっしつは単位たんい時間じかん当あたりの放射線ほうしゃせん量りょうは少すくない。半減はんげん期きは放射ほうしゃ性せい核種かくしゅにより異ことなる。
    放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの中なかには、半減はんげん期きが極きわめて長ながいものも存在そんざいする。放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつの量りょうは半減はんげん期きを経過けいかすると元もとの半分はんぶんになるが、残のこった放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつがさらに半分はんぶん（つまり元もとの1/4）になるのにも、同おなじだけの期間きかんが掛かかる。たとえば、半減はんげん期きが約やく12年ねんであるトリチウムの場合ばあい、24年ねん後ごに崩壊ほうかいが終おわり消失しょうしつするわけではない。12年ねん後ごに元もとの量りょうの50%、24年ねん後ごに25%、36年ねん後ごに12.5%…と量りょうが減へり限かぎりなくゼロに近ちかづくのみで、同時どうじにトリチウムが崩壊ほうかいしてできる安定あんてい同位どうい体たい、ヘリウム3が生成せいせいされていく。ウラン等ひとしの原子げんし番号ばんごうの大おおきい物質ぶっしつは、崩壊ほうかい後ごの物質ぶっしつも放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ（娘むすめ核種かくしゅ）になるため、含ふくまれる全すべての放射ほうしゃ性せい元素げんそが崩壊ほうかいを終おえ、鉛なまりなどの安定あんてい同位どうい体たいに落おち着つくまでは、非常ひじょうに長ながい期間きかんを要ようするものもある。
  5. ^
    放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの区分くぶんと処分しょぶん方法ほうほう
    廃棄はいき物ぶつの種類しゅるい 廃棄はいき物ぶつの例れい 発生はっせい源げん 処分しょぶん方法ほうほう
    高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ ガラス固化こか体たい 再さい処理しょり施設しせつ 地層ちそう処分しょぶん
    低ていレベル
    放射ほうしゃ性せい
    廃棄はいき物ぶつ    		 高こうレベルの物もの 制御せいぎょ棒ぼう、炉ろ内ない構造こうぞう物ぶつ、
    放射ほうしゃ化か金属きんぞく    		 原子力げんしりょく発電はつでん所しょ 余裕よゆう深度しんど処分しょぶん
    低ていレベルの物もの 廃液はいえき、フィルター、廃はい器材きざい、
    消耗しょうもう品等ひんとうを固形こけい化か    		 浅地あさじ中ちゅうピット処分しょぶん
    レベルの極きわめて低ひくい物もの コンクリート、金属きんぞく等とう 浅地あさじ中ちゅうトレンチ処分しょぶん
    超ちょうウラン核種かくしゅを含ふくむ廃棄はいき物ぶつ
    (TRU廃棄はいき物ぶつ)    		 燃料ねんりょう棒ぼうの部品ぶひん、
    廃液はいえきなどプロセス廃棄はいき物ぶつ、
    フィルター    		 再さい処理しょり施設しせつ
    MOX燃料ねんりょう加工かこう施設しせつ    		 特性とくせいに応おうじトレンチ処分しょぶん以外いがいの3段階だんかい
    ウラン廃棄はいき物ぶつ 消耗しょうもう品ひん、スラッジ、廃はい器材きざい ウラン濃縮のうしゅく
    燃料ねんりょう加工かこう施設しせつ    		 特性とくせいに応おうじ全ぜん4段階だんかいの処理しょり
    研究所けんきゅうじょ廃棄はいき物ぶつ 大学だいがく・企業きぎょう等とう
    研究けんきゅう機関きかん
    放射ほうしゃ性せい同位どうい体たい(RI)
    廃棄はいき物ぶつ    		 医療いりょう機関きかん等とう
    放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの処分しょぶん方法ほうほう
    処分しょぶん方法ほうほう 廃棄はいき物ぶつの例れい 封入ふうにゅう容器ようき 人工じんこう構造こうぞう物ぶつ 深度しんど 管理かんり期間きかん
    地層ちそう処分しょぶん 高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ
    およびTRU廃棄はいき物ぶつ    		 ガラス固化こか体たいキャニスター 多重たじゅう人工じんこうバリア
    鉄筋てっきんコンクリート構造こうぞう物ぶつ    		 300ｍ以深 数すう万まん年ねん以上いじょう
    余裕よゆう深度しんど処分しょぶん 制御せいぎょ棒ぼう、炉ろ内ない構造こうぞう物ぶつ
    放射ほうしゃ化か金属きんぞくおよび加工かこう・再さい処理しょりにおける
    プロセス廃棄はいき物ぶつ等とう    		 200リットルドラム缶どらむかん等とう 鉄筋てっきんコンクリート構造こうぞう物ぶつ 50~100ｍ 数すう百ひゃく年ねん、
    管理かんり内容ないよう未定みてい
    浅地あさじ中ちゅうピット処分しょぶん 廃液はいえき、フィルター
    廃はい器材きざい、消耗しょうもう品等ひんとう    		 セメント等とうで固化こかした廃棄はいき物ぶつを入いれた
    200リットルドラム缶どらむかん等とう    		 鉄筋てっきんコンクリート構造こうぞう物ぶつ 十じゅう数すうｍ 約やく300年ねん
    浅地あさじ中ちゅうトレンチ処分しょぶん コンクリート、金属きんぞく等とう 廃棄はいき物ぶつのまま 人工じんこう構造こうぞう物ぶつ無なし 約やく50年ねん
  6. ^ “廃棄はいき物ぶつの処理しょり及および清掃せいそうに関かんする法律ほうりつ（昭和しょうわ四よん十じゅう五ご年ねん法律ほうりつ第だい百ひゃく三さん十じゅう七なな号ごう）第だい二に条じょう 一いち項こう”. e-Gov法令ほうれい検索けんさく. 総務そうむ省しょう行政ぎょうせい管理かんり局きょく (2017年ねん6月がつ16日にち). 2020年ねん1月がつ21日にち閲覧えつらん。 “2018年ねん4月がつ1日にち施行しこう分ぶん”:（定義ていぎ）
    第だい二に条じょう この法律ほうりつにおいて「廃棄はいき物ぶつ」とは、ごみ、粗大そだいごみ、燃もえ殻がら、汚泥おでい、ふん尿にょう、廃油はいゆ、廃はい酸さん、廃はいアルカリ、動物どうぶつの死体したいその他たの汚物おぶつ又または不要ふよう物ぶつであつて、固形こけい状じょう又または液状えきじょうのもの（放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ及およびこれによつて汚染おせんされた物ものを除のぞく。）をいう。
  7. ^ 日本にっぽんにおいては使用しよう済ずみ核かく燃料ねんりょうは再さい処理しょりの方針ほうしんにより廃棄はいき物ぶつには分類ぶんるいされないが、再さい処理しょりの方針ほうしんをとらない国くにでは高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつに区分くぶんされる。
  8. ^ 軍事ぐんじ分野ぶんやでは、同様どうようの廃棄はいき物ぶつとして、核兵器かくへいき製造せいぞう過程かていで生しょうじた廃棄はいき物ぶつや、耐用たいよう年数ねんすうを過すぎ廃棄はいき処分しょぶんとなった核兵器かくへいき、耐用たいよう年数ねんすうを過すぎ廃はい艦かん処分しょぶんとなった原子力げんしりょく潜水せんすい艦かんや原子力げんしりょく空母くうぼなどがある。
  9. ^ 法律ほうりつ本体ほんたいでは「放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ」ということばは使つかわれておらず、「核かく燃料ねんりょう物質ぶっしつ又または核かく燃料ねんりょう物質ぶっしつによって汚染おせんされた物もの」で「廃棄はいきしようとするもの」というい回いまわしで示しめされている。
  10. ^ 取扱とりあつかい(1994) p.3、1．RI・研究所けんきゅうじょ等とう廃棄はいき物ぶつを巡めぐる状況じょうきょう（文部もんぶ科学かがく省しょう）、長崎ながさき・中山なかやま(2011) p.29
  11. ^ 放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ汚染おせん廃棄はいき物ぶつとは
    なお、それぞれの定義ていぎ条文じょうぶんは以下いかのとおり
  12. ^ 岩手いわて県けん1トン、宮城みやぎ県けん2828トン、福島ふくしま県けん38万まん2392トン（2017年ねんから富岡とみおか町まちの最終さいしゅう処分しょぶん場じょうへの搬入はんにゅうが進行しんこう中ちゅう）、栃木とちぎ県けん1万まん1343トン、千葉ちば県けん3717トン、神奈川かながわ県けん3トン、東京とうきょう都と982トン、群馬ぐんま県けん1187トン、新潟にいがた県けん942トン
  13. ^ “（東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい１２年ねん　３・１１の現在地げんざいち）仮かり置おき「３年ねんの約束やくそくが」　最終さいしゅう処分しょぶん場じょう、候補こうほ地ち反発はんぱつで棚上たなあげ：朝日新聞あさひしんぶんデジタル”. 朝日新聞あさひしんぶん. 2023年ねん2月がつ12日にち閲覧えつらん。
  14. ^ “（東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい１２年ねん　３・１１の現在地げんざいち）指定してい廃棄はいき物ぶつ、処分しょぶん進すすまず　放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが拡散かくさん　福島ふくしま県けん外がい２万まんトン：朝日新聞あさひしんぶんデジタル”. 朝日新聞あさひしんぶん. 2023年ねん2月がつ12日にち閲覧えつらん。
  15. ^ IAEAの分類ぶんるいとは異ことなり、再さい処理しょり廃液はいえき及およびその固化こか体たいと同等どうとうの強つよい放射能ほうしゃのうを有ゆうする放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつは含ふくまれない。すなわち、高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつはすべて核かく燃料ねんりょう廃棄はいき物ぶつである。
  16. ^ 高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつ以外いがいの放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつが低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつということである。すなわち、ほとんどすべての放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつは、その放射能ほうしゃのうの強度きょうどに関かかわらず、低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつにあたる。
  17. ^ a b 土井どい(1993) p.42
  18. ^ アルファ線あるふぁせんを放出ほうしゅつする核種かくしゅ
  19. ^ 超ちょうウラン元素げんそ（TRans-Uranium）を多量たりょうに含ふくむ放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつをTRU廃棄はいき物ぶつと呼よぶ。
  20. ^ 当然とうぜん、資源しげんとしてリサイクルできるのであれば再さい利用りようする。
  21. ^ 長崎ながさき・中山なかやま(2011) p.66
  22. ^ クリアランスによりリサイクルされるものは一般いっぱん社会しゃかいに流通りゅうつうされることになるため、クリアランスレベルは国くにによって大おおきく異ことなることのないよう、国際こくさい的てきな整合せいごう性せいが必要ひつようであることから、国際こくさい原子力げんしりょく機関きかん（IAEA）及および欧州おうしゅう委員いいん会かい（EC）を中心ちゅうしんにクリアランスレベルの検討けんとうが進すすめられている。 長崎ながさき・中山なかやま(2011) p.66
  23. ^ 例たとえば、放射ほうしゃ性せいセシウム（セシウムの放射ほうしゃ性せい同位どうい体たい）であれば、そのクリアランスレベルは1kgあたり100 Bq（0.1Bq/g）である。
  24. ^ TECDOC855(1996)
  25. ^ 原子げんし炉ろクリアランス(1999)
  26. ^ ウラン取扱とりあつかい施設しせつのおけるクリアランスレベル以下いかの廃棄はいき物ぶつは、平成へいせい62年度ねんど末まつ（2051年ねん3月がつ末まつ）には約やく10万まんトン、その内うち7.9万まんトンは金属きんぞくと想定そうていされている。（福島ふくしま原発げんぱつ事故じこによる廃棄はいき物ぶつは含ふくまれていない）これらの金属きんぞくの発生はっせい源げんはウラン濃縮のうしゅく工程こうていの遠心分離機えんしんぶんりきや燃料ねんりょう加工かこう施設しせつの焙あぶ焼しょう・還元かんげん装置そうち、成形せいけい加工かこう装置そうち、焼しょう結ゆい装置そうち、研削けんさく機械きかいなどである。金属きんぞくの再さい利用りようの際さいの溶融ようゆうでは、放射ほうしゃ性せい核種かくしゅの内うち超ちょうウラン元素げんそは99.4～99.8%がスラグへ濃縮のうしゅくされると報告ほうこくされている。例外れいがいはMn54、Fe55、Co60、Ni63、Zn65（ガスとインゴットで半々はんはん）、Nb94等とうでこれらの同位どうい元素げんそは大半たいはんがインゴットに残留ざんりゅうする。
    原子力げんしりょく安全あんぜん委員いいん会かい：「クリアランスレベル以下いかの金属きんぞく廃棄はいき物ぶつ」 閲覧えつらん2011-11-21
  27. ^ NORM : Naturally Occurring Radioactive Materials と呼よばれる。なお、NORMのうち人為じんい的てきに濃度のうどが高たかめられた自然しぜん放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつはTENORM（Technologically Enhanced NORM）と呼よばれる。 長崎ながさき・中山なかやま(2011) p.67
  28. ^ 長崎ながさき・中山なかやま(2011) p.67
  29. ^ 長崎ながさき・中山なかやま(2011) pp.6-7, pp.28-29
  30. ^ 例れい：放射線ほうしゃせん管理かんり区域くいきなどで中性子ちゅうせいしを吸収きゅうしゅうして放射ほうしゃ化かされたものや、炉心ろしん付近ふきんの資材しざい、廃止はいし措置そちが取とられた発電はつでん所しょの解体かいたいに伴ともなう廃棄はいき物ぶつなど
  31. ^ 例れい：再さい処理しょり工場こうじょうから発生はっせいする核かく燃料ねんりょう被覆ひふく管かん（ハル）、使用しよう済ずみ燃料ねんりょう構造こうぞう部材ぶざいの端末たんまつ部分ぶぶん（エンドピース）など
  32. ^ 日本原燃にほんげんねん「低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの処分しょぶん方法ほうほう」
  33. ^ “核かく燃料ねんりょう物質ぶっしつ又または核かく燃料ねんりょう物質ぶっしつによつて汚染おせんされた物ものの第だい二に種しゅ廃棄はいき物ぶつ埋設まいせつの事業じぎょうに関かんする規則きそく（昭和しょうわ六ろく十じゅう三さん年ねん総理府そうりふ令れい第だい一いち号ごう）”. e-Gov法令ほうれい検索けんさく. 総務そうむ省しょう行政ぎょうせい管理かんり局きょく (2019年ねん7月がつ1日にち). 2020年ねん1月がつ21日にち閲覧えつらん。 “2019年ねん7月がつ1日にち施行しこう分ぶん”の第だい一いち条じょうの二ににてそれぞれ定義ていぎされている。
  34. ^ シュラウド（shroud）とは、沸騰水ふっとうすい型がた原子げんし炉ろの炉ろ内ない構造こうぞう物ぶつの一ひとつで、炉心ろしん部ぶを構成こうせいする燃料ねんりょう集合しゅうごう体たいや制御せいぎょ棒ぼうを内部ないぶに収容しゅうようする円筒えんとう状じょうの構造こうぞう物ぶつを言いう。
  35. ^ 燃料ねんりょう集合しゅうごう体たいを覆おおっている金属きんぞく製せいの角かく筒とうをチャンネルボックス（channnel box）と呼よぶ。
  36. ^ 長崎ながさき・中山なかやま(2011) pp.128-130
  37. ^ 長崎ながさき・中山なかやま(2011) p.127
  38. ^ すなわち、放射能ほうしゃのうレベルが極きわめて低ひくい廃棄はいき物ぶつの中なかでも有害ゆうがいな化学かがく物質ぶっしつを含ふくむものは対象たいしょう外がいである。
  39. ^ 長崎ながさき・中山なかやま(2011) p.126
  40. ^ トレンチ処分しょぶん - 原子力げんしりょく百科ひゃっか事典じてんATOMICA
  41. ^ “放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつＷＧ中ちゅう間あいだとりまとめ”. ʽ経済けいざい産業さんぎょう省しょうʼ. 2022年ねん7月がつ15日にち閲覧えつらん。
  42. ^ 地中ちちゅう直接ちょくせつ注入ちゅうにゅう (Direct injection) とは、液体えきたいもしくは粉こな体たいを混まぜた流体りゅうたいの放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつを、処分しょぶんに適てきした地中ちちゅうに高こう圧あつで注入ちゅうにゅうする処分しょぶん方法ほうほうである。1957年ねんにソ連それんが調査ちょうさを開始かいしし、深度しんど400メートルと1400メートル砂岩さがん層そう、石灰岩せっかいがん層そうへ40年ねんに渡わたり数すう千せん万まん立方りっぽうメートルの低ていレベルから高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつを注入ちゅうにゅう処分しょぶんした。アメリカでも、1970年代ねんだいに10年間ねんかんに渡わたりテネシー州しゅうのオークリッジ国立こくりつ研究所けんきゅうじょの地下ちか300メートルに7500立方りっぽうメートルの低ていレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつが注入ちゅうにゅう処分しょぶんしたが、環境かんきょう汚染おせんへの懸念けねんから中止ちゅうしした。高こうレベル放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの処分しょぶんも検討けんとうされたが、これも汚染おせんへの懸念けねんから計画けいかくは断念だんねんされた。
    世界せかい原子力げんしりょく協会きょうかい “Storage and Disposal Options”
  43. ^ 世界せかい原子力げんしりょく協会きょうかい “Storage and Disposal Options”
  44. ^ 長崎ながさき・中山なかやま(2011) p.28
  45. ^ 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん日本にっぽん原子力げんしりょく研究けんきゅう開発かいはつ機構きこう法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつ
  46. ^ 放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ汚染おせん廃棄はいき物ぶつとは（環境省かんきょうしょう）
  47. ^ 国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょは従来じゅうらいより東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの被災ひさい地ち支援しえんのための研究けんきゅう・支援しえんを重点的じゅうてんてきに行いっている。災害さいがい環境かんきょう研究けんきゅうへの取とり組くみ
  48. ^ 概要がいよう版ばん p.3
  49. ^ [【公式こうしき】竹田たけだ恒ひさし泰たいチャンネル 2　12/1【前半ぜんはん】竹田たけだ恒ひさし泰やすしch第だい510回かい+【12月特番とくばん】前例ぜんれいなし！異例いれいの最終さいしゅう段階だんかい不ふ合格ごうかくの実態じったい～文科ぶんか省しょうとの丁々発止ちょうちょうはっし～その５完結かんけつ編へん！？]

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

全般ぜんぱん
  • 長崎ながさき 晋すすむ也、中山なかやま 真一しんいち(共編きょうへん)『放射ほうしゃ性せい廃棄はいき物ぶつの工学こうがく』オおーム社むしゃ〈原子力げんしりょく教科書きょうかしょ〉、2011年ねん。 
  • 広瀬ひろせ 研けん吉よし『わかりやすい原子力げんしりょく規制きせい関係かんけいの法令ほうれいの手引てびき』大成たいせい出版しゅっぱん社しゃ、2011年ねん。 
核かく燃料ねんりょう廃棄はいき物ぶつ
RI廃棄はいき物ぶつ（研究けんきゅう施設しせつ等とう廃棄はいき物ぶつ）
特定とくてい廃棄はいき物ぶつ（指定してい廃棄はいき物ぶつ、対策たいさく地域ちいき内ない廃棄はいき物ぶつ）
「放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつとして扱あつかう必要ひつようの無ない物もの」に関かんする制度せいど・概念がいねん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

関係かんけい組織そしき・団体だんたい[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

全般ぜんぱん
RI廃棄はいき物ぶつ（研究けんきゅう施設しせつ等とう廃棄はいき物ぶつ）
放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつ汚染おせん対処たいしょ特措法とくそほうに規定きていされる特定とくてい廃棄はいき物ぶつ
その他た
単位たんい
測定そくてい
放射線ほうしゃせんの種類しゅるい
物質ぶっしつとの相互そうご作用さよう
放射線ほうしゃせんと健康けんこう
基本きほん概念がいねん
放射線ほうしゃせんの利用りよう
放射線ほうしゃせんと健康けんこう影響えいきょう
放射能ほうしゃのう被害ひがい
法律ほうりつ・資格しかく
関連かんれん
科学かがく
燃料ねんりょう
中性子ちゅうせいし
原子力げんしりょく
原子力げんしりょく発電はつでん
その他た
核かく医学いがく
画像がぞう処理しょり
治療ちりょう
兵器へいき
核兵器かくへいき
関連かんれん兵器へいき
廃棄はいき物ぶつ
産物さんぶつ
処理しょり
議論ぎろん
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