日本にっぽん

日本にっぽん国こく

日本にっぽん国こく

（国旗こっき）	（国くに章あきら（慣例かんれい上じょう））

国くにの標語ひょうご：なし

国歌こっか：君きみが代よ

公用こうよう語ご	日本語にほんご（事実じじつ上じょう）
首都しゅと	東京とうきょう都と（事実じじつ上じょう）
最大さいだいの都市とし	東京とうきょう都区とく部ぶ
政府せいふ 天皇てんのう 徳とく仁ひとし 内閣ないかく総理そうり大臣だいじん 石破いしば茂しげる 国会こっかい衆議院しゅうぎいん議長ぎちょう 額がく賀が福ぶく志郎しろう 国会こっかい参議院さんぎいん議長ぎちょう 関口せきぐち昌一しょういち 最高さいこう裁判所さいばんしょ長官ちょうかん 今崎いまさき幸彦さちひこ 面積めんせき 総計そうけい 377,973.89km2（62位い） 水面すいめん積せき率りつ 0.8% 人口じんこう 総計そうけい（2024年ねん） 1億おく2377万まん9000[2]人ひと（12位い） 人口じんこう密度みつど 333.7人ひと/km2 GDP（自国じこく通貨つうか表示ひょうじ） 合計ごうけい（2023年ねん） 名目めいもく626兆ちょう0780億おく円えん GDP（MER） 合計ごうけい（2023年ねん） 4兆ちょう2308億おくドル（4位い） 1人ひとりあたり 33,950ドル GDP（PPP） 合計ごうけい（2023年ねん） 6兆ちょう4952億おくドル（4位い） 1人ひとりあたり 52,120ドル
建国けんこく	不明ふめい（明治めいじ政府せいふの定さだめるところによれば紀元前きげんぜん660年ねん2月がつ11日にち。紀元節きげんせつも参照さんしょう。）
通貨つうか	円えん（JPY）
時間じかん帯たい	UTC+9 (DST:なし)
ISO 3166-1	JP / JPN
ccTLD	.jp
国際こくさい電話でんわ番号ばんごう	81

日本にっぽん国こく（にほんこく、にっぽんこく）は、東ひがしアジアに位置いちする国家こっか。面積めんせきは377,975.64 km²（平方へいほうキロメートル） 、人口じんこうは1億おく2377万まん9000人にん。首都しゅとは東京とうきょう都と。 通称つうしょうは日本にっぽん（にほん、にっぽん）。

概要がいよう

日本にっぽんは東ひがしアジアの島国しまぐにであり、北海道ほっかいどう・本州ほんしゅう・四国しこく・九州きゅうしゅうの主要しゅよう4島とうをはじめとする約やく1万まん4125の島嶼とうしょ群ぐんから構成こうせいされる。国土こくど面積めんせきは世界せかい63位いであり、ほかに世界せかい第だい6位いの広大こうだいな排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきを持もつ。起伏きふくに富とんだ地形ちけいであり、国土こくどの75%は山地さんち・丘陵きゅうりょう地ちで、平地ひらちは比較的ひかくてき少すくない。最高峰さいこうほうの富士山ふじさん（3776 m〈メートル〉）をはじめ、3000 mを超こえる高山こうざんは国土こくどの中央ちゅうおう部ぶにあたる中部ちゅうぶ地方ちほうに集中しゅうちゅうする。気候きこうは温暖おんだん湿潤しつじゅん気候きこうが中心ちゅうしんで、四季しきが明瞭めいりょうである。一方いっぽうで自然しぜん災害さいがいが多おおく、地震じしんや津波つなみの被害ひがいを受うけやすい。国土こくどの67%が森林しんりんで、固有こゆう種しゅ6342種しゅを含ふくむ多様たような生物せいぶつ相しょうを有ゆうする。（→#地理ちり）

日本にっぽん列島れっとうには約やく3万まん8000年ねん前まえから人類じんるいが住すみ始はじめ、紀元前きげんぜん10世紀せいき頃ごろから稲作いなさくがはじまった。4世紀せいき末まつまでにはヤマト王権おうけんが列島れっとうの大だい部分ぶぶんを支配しはいするようになり、8世紀せいきごろまでには律令りつりょう国家こっかとしての体制たいせいがととのった。また、このころより国号こくごうとして「日本にっぽん」が用もちいられるようになった。律令制りつりょうせいは平安へいあん時代じだいには失うしなわれ、荘園しょうえんおよび在地ざいち勢力せいりょくの発達はったつにともない、政治せいじの実権じっけんは武士ぶしに移うつっていった。武家ぶけは鎌倉かまくら幕府ばくふ・室町むろまち幕府ばくふのような政権せいけんを築きずいた。戦国せんごく期きの動乱どうらんを経へて成立せいりつした江戸えど幕府ばくふは強固きょうこな幕まく藩はん体制たいせいを築きずいたが、明治維新めいじいしんを経へて天皇てんのう親政しんせいの新しん政府せいふが樹立じゅりつされた。日本にっぽんは積極せっきょく的てきな近代きんだい化か政策せいさくのもと国力こくりょくを伸長しんちょうさせたが、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんに敗北はいぼくしたのち連合れんごう国軍こくぐんに占領せんりょうされた。戦後せんご日本にっぽんはサンフランシスコ講和こうわ条約じょうやくを経へて主権しゅけんを回復かいふくし、高度こうど経済けいざい成長せいちょう期きを経へて先進せんしん国こく・経済けいざい大国たいこくへと伸長しんちょうした。（→#歴史れきし）

1947年ねん施行しこうの日本国にっぽんこく憲法けんぽうに基もとづき、天皇てんのうは「日本にっぽん国こくおよび日本にっぽん国民こくみん統合とうごうの象徴しょうちょう」として位置いちづけられている。立法府りっぽうふとして、衆議院しゅうぎいんと参議院さんぎいんの二院にいんからなる国会こっかいを有ゆうする。行政ぎょうせい権けんは内閣ないかくに属ぞくし、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんを中心ちゅうしんに運営うんえいされる。司法しほう権けんは裁判所さいばんしょに属ぞくする。また、憲法けんぽうをふくむ六法ろっぽうを中心ちゅうしんとする法体ほうたい系けいを有ゆうする。地方ちほう公共こうきょう団体だんたいは、47都道府県とどうふけんと1718市町村しちょうそん、23特別とくべつ区くからなる。国際こくさい連合れんごうや主要しゅよう国こく首脳しゅのう会議かいぎなどに参与さんよするが、外交がいこうは日米にちべい関係かんけいを基軸きじくとするものとなっている。防衛ぼうえい力りょくとして自衛隊じえいたいを有ゆうするほか、在ざい日米にちべい軍ぐんが駐留ちゅうりゅうする。人権じんけん問題もんだいとして、差別さべつ禁止きんし法ほうおよび国内こくない人権じんけん機関きかんの不在ふざいが指摘してきされている。（→#政治せいじ）

日本にっぽんは名目めいもくGDPと購買こうばい力りょく平価へいかで世界せかい第だい4位い、労働ろうどう力りょく人口じんこうは世界せかい8位いである。日本にっぽんは世界せかい最大さいだいの債権さいけん国こくで、対外たいがい純資産じゅんしさん残高ざんだかが高たかい一方いっぽう、国債こくさい発行はっこう額がくがGDPの248%に達たっしている。工業こうぎょうは、日本にっぽんのGDPの27.5％を占しめ、特とくに自動車じどうしゃ産業さんぎょうが有力ゆうりょくである。一方いっぽうで、1970年代ねんだいから1980年代ねんだいにかけてポスト工業こうぎょう化かが進展しんてんし、2021年ねん時点じてんで第だい三さん次じ産業さんぎょうは日本にっぽんのGDPの69.5％を占しめている。日本にっぽんには多おおくの科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう者しゃが存在そんざいし、研究けんきゅう開発かいはつ費ひはGDP比ひで世界せかい3位いである。過去かこには学術がくじゅつ論文ろんぶん数すうや特許とっきょ出願しゅつがんで世界せかいトップだったが、近年きんねんは研究けんきゅう力りょくの低下ていかが問題もんだい視しされている。（→#産業さんぎょう・経済けいざい）日本にっぽんの旅客りょかく輸送ゆそうは鉄道てつどうが主流しゅりゅうで、貨物かもつは自動車じどうしゃが中心ちゅうしんとなっており、20,000 km（キロメートル）の鉄道てつどう網もう、1,280,000 kmの道路どうろ網もうを有ゆうする。エネルギーとしては原油げんゆ・石炭せきたんが多おおく利用りようされており、輸入ゆにゅうエネルギーへの依存いぞん度どが大おおきい。（→#インフラ）

日本にっぽんの人口じんこうは1億おく2377万まん9000人にん（2024年ねん国勢調査こくせいちょうさ）であり、世界せかい12位いである。都市とし部ぶへの集中しゅうちゅうが顕著けんちょであり、また少子しょうし高齢こうれい化かが進すすんでいる。民族みんぞく・文化ぶんか的てきにみて比較的ひかくてき均質きんしつ性せいの高たかい社会しゃかいであるといわれているが、外国がいこく人じん人口じんこうも全体ぜんたいの3%を占しめる。日本語にほんごが事実じじつ上じょうの公用こうよう語ご・共通きょうつう語ごである。宗教しゅうきょうは神道しんとうと仏教ぶっきょうが中心ちゅうしんである一方いっぽう、多おおくの国民こくみんは組織そしき宗教しゅうきょうの自覚じかく的てき信者しんじゃというわけでもない。義務ぎむ教育きょういくは9年間ねんかんであり、高等こうとう教育きょういく修了しゅうりょう率りつは55.6%。平均へいきん寿命じゅみょうは男性だんせい81歳さい、女性じょせい87歳さいであり、これは都市とし国家こっかを除のぞいて世界せかい首位しゅいである。国民こくみん皆みな保険ほけん制度せいどと年金ねんきん制度せいどが整備せいびされた福祉ふくし国家こっかである（→#国民こくみん）。日本にっぽんは美術びじゅつ・工芸こうげい・芸能げいのう、あるいは食しょく文化ぶんかなどの文化ぶんか的てき蓄積ちくせきを有ゆうしている。また、スポーツも盛さかんである。（→#文化ぶんか）

国号こくごう

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの国号こくごう」を参照さんしょう

日本にっぽんにおいて、国号こくごうを直接ちょくせつかつ明確めいかくに規定きていした法令ほうれいは存在そんざいしない。『漢書かんしょ地理ちり志こころざし』などに見みられるよう、古ふるく中国ちゅうごくにおいては日本にっぽん列島れっとうの国家こっかをあらわす呼称こしょうとして「倭やまと」を用もちいており、ヤマト王権おうけんもこれに倣ならっていた。しかし、『旧きゅう唐とう書しょ』の記述きじゅつにみられるように、「倭国わのくに」は「自みずから其その名なの雅みやびならざるを悪あく（にく）み」、「日本にっぽん」の国号こくごうを用もちいるようになった（他た説せつも併記へいき）。『続ぞく日本にっぽん紀き』には大宝たいほう2年ねん（702年ねん）の遣唐使けんとうしが、唐とう側がわの用もちいた「大だい倭国わのくに」という国号こくごうを退しりぞけ、「日本にっぽん国こく」を主張しゅちょうしたという記述きじゅつがあるほか、開ひらき元もと22年ねん（734年ねん）の井い真ま成なり墓誌ぼしにも「日本にっぽん」の国号こくごうがあらわれる。国号こくごう変更へんこうの正確せいかくな時期じきについては明あきらかでないものの、天武天皇てんむてんのう治世ちせい下かであるという説せつ、あるいは大宝たいほう元年がんねん（701年ねん）の大宝たいほう律令りつりょうの成立せいりつ前後ぜんこうであるという説せつなどが知しられている。

「日本にっぽん」の読よみ方かたについては、「にほん」と「にっぽん」の2通とおりがある。室町むろまち時代ときよの謡曲ようきょくにおいては日本人にっぽんじんに「ニホン」、中国人ちゅうごくじんに「ニッポン」と読よませる描写びょうしゃがあるほか、安土あづち桃山ももやま時代じだいの『日にち葡辞書しょ』や『日本にっぽん小しょう文典ぶんてん』には「にほん」「にっぽん」「じっぽん」の読よみがあらわれる。1930年代ねんだいには「にっぽん」に統一とういつする試こころみもあったが、最終さいしゅう的てきに決定けっていには至いたらなかったた。両者りょうしゃはいずれも広ひろく通用つうようしており、2009年ねんには日本にっぽん政府せいふにより「どちらか一方いっぽうに統一とういつする必要ひつようはない」とする閣議かくぎ決定けっていがおこなわれている。

外そと名めいとしては、英語えいご・フランス語ふらんすご・ドイツ語ごにおいて「Japan」、フランス語ふらんすごにおいて「Japon」、スペイン語ごにおいて「Japón」などが用もちいられており、これらは「日本にっぽん」の中国ちゅうごく語ご（閩語ないし呉ご語ご）読よみが、交易こうえきを通つうじて西洋せいよう世界せかいに伝つたわったものであると考かんがえられている。

歴史れきし

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの歴史れきし」を参照さんしょう

通常つうじょう、日本にっぽんの歴史れきしは、日本にっぽん列島れっとうにおける歴史れきしと同一どういつ視しされる。しかし、厳密げんみつな「日本にっぽん」の成立せいりつは、国号こくごうにあるように7世紀せいき後期こうきであり、それまでは「倭国わのくに」と呼よび記しるされていた。この倭国わのくにがどのような地理ちり的てき範囲はんいあるいは系統けいとう的てき範囲はんいをもつ集団しゅうだんであるかについては史料しりょうに明確めいかくにされておらず、多おおくの学術がくじゅつ上じょうの仮説かせつが提出ていしゅつされている。倭国わのくにと日本にっぽん国こくとの関係かんけいは諸説しょせつあり、「日本にっぽんの歴史れきし」と「日本にっぽん列島れっとうの歴史れきし」とを明確めいかくに区別くべつして捉とらえるべきとする考かんがえも示しめされている。

先史せんしから古代こだい

日本にっぽん列島れっとうに人類じんるいが到達とうたつしたのがいつごろであるかは、定さだかではない。旧石器時代きゅうせっきじだいは前期ぜんき・中期ちゅうき・後期こうきの3つに分わけられているが、日本にっぽん列島れっとうでは後期こうき旧石器時代きゅうせっきじだいから始はじまると考かんがえる研究けんきゅう者しゃがほとんどである。ホモ・サピエンスのものとして、国内こくないで発見はっけんされている最古さいこの遺跡いせきは、いずれも3万まん8000年ねん前まえのものである。1万まん5000年ねん前まえには隆起りゅうき線せん文ぶん土器どきが登場とうじょうし、日本にっぽん列島れっとうは1万まん1000年ねん前まえまでに本州ほんしゅう北端ほくたん（および北海道ほっかいどう）までが縄文じょうもん時代じだいに突入とつにゅうする。その後ご、紀元前きげんぜん10世紀せいき頃ごろより福岡平野ふくおかへいやで灌漑かんがい式しき水田すいでん稲作いなさくがはじまり、伝統でんとう的てき理解りかいにおいては、紀元前きげんぜん3世紀せいきには弥生やよい時代じだいがはじまることとなる。農耕のうこう社会しゃかいの首長しゅちょう層そうは2世紀せいき中葉ちゅうようより大型おおがたの墳墓ふんぼを築きずくようになり、200年ねん前後ぜんこうにはヤマト王権おうけんの宮みや都とと考かんがえられる纏まとい向こう遺跡いせきがあらわれる。3世紀せいき中葉ちゅうようには箸はし墓ぼ古墳こふんのような本格ほんかく的てきな前方後円墳ぜんぽうこうえんふんが登場とうじょうし、多おおくの研究けんきゅう者しゃは遅おそくともこの時代じだいには古墳こふん時代じだいがはじまると考かんがえている。4世紀せいき末まつまでにはヤマト王権おうけんは列島れっとうのかなりの部分ぶぶんを支配しはいする国家こっかとなった。

ヤマト王権おうけんは中国ちゅうごくや朝鮮ちょうせんの諸国しょこくとの交流こうりゅうをもつとともに、世襲せしゅうの大王だいおう（天皇てんのう）と氏姓しせい制度せいどを中心ちゅうしんとする国家こっかを確立かくりつした。6世紀せいき頃ごろには仏教ぶっきょうが伝来でんらいしたほか、隋ずい・唐とうの東方とうほう進出しんしゅつに圧迫あっぱくされるかたちで国政こくせい改革かいかくの必要ひつようがうまれる。大化たいか改新かいしんや壬みずのえ申さるの乱らんを経へて、701年ねん（大宝たいほう元年がんねん）には大宝たいほう律令りつりょうが完成かんせいする。このようにして、日本にっぽんには中央ちゅうおう集権しゅうけんの律令りつりょう国家こっかが形成けいせいされた（飛鳥あすか時代ときよ）。710年ねん（和銅わどう3年ねん）の平城京へいじょうきょう遷都せんとによりはじまった奈良なら時代じだいにおいて、日本にっぽんは仏教ぶっきょうを中心ちゅうしんとする律令りつりょう国家こっかとして運営うんえいされたものの、この時代じだいより公おおやけ地ち公民こうみん制せいにほころびがあらわれはじめ、794年ねん（延のべ暦れき13年ねん）の平安京へいあんきょう遷都せんとよりはじまる平安へいあん時代じだいにはこれが崩壊ほうかいする。王朝おうちょう国家こっかとなった日本にっぽんにおいては地方ちほう政治せいじは国司こくしに一任いちにんされるようになり、10世紀せいき後期こうきには藤原ふじわら氏しが天皇てんのうの摂関せっかん家かとして政権せいけんを掌握しょうあくするようになる。貴族きぞく・寺社じしゃの私有地しゆうちである荘園しょうえんの発達はったつにともない、地方ちほうではのちに武士ぶしとなる在地ざいち勢力せいりょくが力ちからをつけていった。

中世ちゅうせいから近世きんせい

11世紀せいき後期こうきには摂関せっかん家かの勢力せいりょくが下降かこうし、院政いんせい期きに突入とつにゅうする。この時代じだいには、武士ぶしが国家こっか的てきに重要じゅうような位置いちを占しめるようになり、12世紀せいき後期こうきには平たいら氏しが政権せいけんを握にぎるようになる。平たいら氏しを追討ついとうした源みなもと頼朝よりともは鎌倉かまくら幕府ばくふを樹立じゅりつし（鎌倉かまくら時代ときよ）、その死後しごは、御家人ごけにんのひとりであった北条ほうじょう氏しが執権しっけんとして権力けんりょくを握にぎった。所領しょりょうを通つうじた幕府ばくふと御家人ごけにんの関係かんけいは、貨幣かへい経済けいざいの発展はってんや、元もと寇に対たいする恩賞おんしょうの不十分ふじゅうぶんさなどにより、困窮こんきゅうする御家人ごけにんが多おおくなったことでゆらぎはじめ、1333年ねん（元弘もとひろ3年ねん・正せい慶けい2年ねん）には後醍醐天皇ごだいごてんのうによる建たて武たけしの新政しんせいがはじまった。足利尊氏あしかがたかうじは後醍醐天皇ごだいごてんのうを吉野よしのに逐おい、1336年ねん（延のべ元もと元年がんねん・建たて武たけし3年ねん）に自みずから天皇てんのうを擁立ようりつして室町むろまち幕府ばくふを築きずいた（室町むろまち時代ときよ）。南北なんぼく朝あさは1392年ねん（明徳めいとく3年ねん・元もと中なか9年ねん）に解消かいしょうされるものの、1467年ねん（応仁おうにん元年がんねん）にはじまる応仁おうにんの乱らんを契機けいきとして地方ちほう領主りょうしゅは戦国せんごく大名だいみょうとして自立じりつし、1573年ねん（天正てんしょう元年がんねん）にはそのひとりである織田おだ信長のぶながにより幕府ばくふが滅ほろぼされる（安土あづち桃山ももやま時代じだい）。

信長のぶながの死後しご、その後継こうけい者しゃとなった豊臣とよとみ秀吉ひでよしは日本にっぽんをふたたび統一とういつし、検地けんちと刀かたな狩かりを通とおして兵へい農のう分離ぶんりを確立かくりつした。秀吉ひでよしの死後しご、1603年ねん（慶長けいちょう8年ねん）には徳川とくがわ家康いえやすが江戸えど幕府ばくふを開ひらいた。幕府ばくふは幕まく藩はん体制たいせいを敷しいて大名だいみょうを統制とうせいしたほか、鎖国さこく政策せいさくにより外国がいこくとの交流こうりゅうを制限せいげんした。17世紀せいき後期こうきまでに幕まく藩はん体制たいせいは確固かっこたるものとなったが、1800年代ねんだいよりロシアやイギリスといった西洋せいよう諸国しょこくが日本にっぽんと接触せっしょくするようになり、1853年ねん（嘉よしみ永ひさし6年ねん）にはアメリカのマシュー・ペリーによる開国かいこくが実現じつげんする。幕府ばくふが朝廷ちょうていの意向いこうを無視むしするかたちで日米にちべい修好しゅうこう通商つうしょう条約じょうやくを結むすんだことを引ひき金がねとして、長州ちょうしゅう藩はんや薩摩さつま藩はんなど西国さいこく雄藩ゆうはんの間あいだで尊王そんのう攘夷じょうい運動うんどうと討幕とうばく運動うんどうが起おき、大政奉還たいせいほうかんと王政おうせい復古ふっこを経へて、江戸えど幕府ばくふは倒壊とうかいした。

近きん現代げんだい

1868年ねん（明治めいじ元年がんねん）の王政おうせい復古ふっこにより、明治天皇めいじてんのうを中心ちゅうしんとした新しん政府せいふが開ひらかれた（明治めいじ時代じだい）。新しん政府せいふは積極せっきょく的てきな近代きんだい化か政策せいさくを推おし進すすめ、版籍はんせき奉還ほうかんや廃藩置県はいはんちけんを経へて中央ちゅうおう集権しゅうけん体制たいせいを整ととのえ、富国強兵ふこくきょうへい・殖産しょくさん興業こうぎょうを旗印はたじるしに封建ほうけん主義しゅぎから資本しほん主義しゅぎ社会しゃかいへの移行いこうを推おし進すすめた。この一連いちれんの近代きんだい化か改革かいかくは明治維新めいじいしんと呼よばれた。1889年ねん（明治めいじ22年ねん）には自由じゆう民権みんけん運動うんどうをうけて大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう（明治めいじ憲法けんぽう）が制定せいていされ、それに基もとづき1890年ねん（明治めいじ23年ねん）には帝国ていこく議会ぎかいが設立せつりつされ。アジア初はつの議会ぎかい政治せいじが始はじまった。

明治めいじ時代じだいのほぼ全期ぜんきを通つうじて、対外たいがい政策せいさくの中心ちゅうしん課題かだいに不平等ふびょうどう条約じょうやくの撤廃てっぱいがあり、欧米おうべい諸国しょこくとの交渉こうしょうには紆余曲折うよきょくせつがあったが、日にち清しん日にち露ろの勝利しょうりなど日本にっぽんの国力こくりょくの伸長しんちょうに伴ともなって交渉こうしょうが成功せいこうし、明治めいじ27年ねん（1894年ねん）に治外法権ちがいほうけんの撤廃てっぱい、明治めいじ44年ねん（1911年ねん）に関税かんぜい自主権じしゅけんの回復かいふくを果はたして不平等ふびょうどう条約じょうやくを解消かいしょうした。日にち清しん日にち露ろに勝利しょうりした日本にっぽんは朝鮮ちょうせんへの影響えいきょう力りょくを強つよめ、1910年ねん（明治めいじ43年ねん）には韓国かんこく併合へいごうをおこなった。また日にち清しん・日にち露ろの間あいだに産業さんぎょう革命かくめいが急速きゅうそくに進展しんてんし、日本にっぽん資本しほん主義しゅぎの確立かくりつを見みた。第だい一いち次じ世界せかい大戦たいせん後ごの国際こくさい連盟れんめいにおいて常任じょうにん理事りじ国こくの地位ちいを確保かくほした日本にっぽんは、国際こくさい連盟れんめい規約きやくへの人種じんしゅ差別さべつ撤廃てっぱい明記めいきを呼よびかけたが（人種じんしゅ的てき差別さべつ撤廃てっぱい提案ていあん）、実現じつげんに至いたらなかった。

1930年代ねんだいの東京とうきょう銀座ぎんざ

大正たいしょうデモクラシーを受うけて政治せいじ的てき・文化ぶんか的てき発展はってんが進すすみ、政党せいとう政治せいじの慣例かんれいの確立かくりつや普通ふつう選挙せんきょ法ほう成立せいりつなど民主みんしゅ主義しゅぎの発展はってんが見みられたが、昭和しょうわ初期しょきの世界せかい恐慌きょうこうとそれに続つづくブロック経済けいざい化かの中なかで五ご・一いち五ご事件じけんや二・二六事件ににろくじけん、政党せいとうの汚職おしょく事件じけんなどに揺ゆれて政党せいとう政治せいじが後退こうたい、軍ぐんの影響えいきょうの強つよい挙国一致きょこくいっち内ない閣かくが常態じょうたい化かした。満州まんしゅう事変じへんに続つづき日にち中ちゅう戦争せんそうを経へて第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんで枢軸すうじく国こくとして参戦さんせん、連合れんごう国軍こくぐんと太平洋戦争たいへいようせんそうで対決たいけつし、1945年ねん8月がつに日本にっぽんの降伏ごうぶくに至いたった。

連合れんごう国こく占領せんりょう中ちゅうの1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）に帝国ていこく議会ぎかいで憲法けんぽうが改正かいせいされ、国民こくみん主権しゅけん、基本きほん的てき人権じんけんの尊重そんちょう、平和へいわ主義しゅぎを三さん原則げんそくとする日本国にっぽんこく憲法けんぽうが成立せいりつ。1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）にはサンフランシスコ講和こうわ条約じょうやくが締結ていけつされて主権しゅけんを回復かいふくしたが、沖縄おきなわ県けんはアメリカ施政しせい下かとなる。また同時どうじに日米にちべい安保あんぽ条約じょうやくを締結ていけつした日本にっぽんは西側にしがわ諸国しょこくの一員いちいんとなった。1950年代ねんだいから1970年代ねんだい初頭しょとうにかけての高度こうど経済けいざい成長せいちょう期きを経へて日本にっぽんは世界せかい有数ゆうすうの経済けいざい大国たいこくへと伸長しんちょうした。1972年ねん（昭和しょうわ47年ねん）に沖縄おきなわ返還へんかん協定きょうていにより沖縄おきなわ県けんが日本にっぽんに復帰ふっきした。1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）には平成へいせい時代じだいがはじまったが、この時代じだいに日本にっぽん経済けいざいは停滞ていたいをはじめた。2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）には、平成へいせいから令れい和わへの改元かいげんがおこなわれた。

地理ちり

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの地理ちり」を参照さんしょう

日本にっぽんは、東ひがしアジアに位置いちする島国しまぐにであり、東ひがしおよび南みなみは太平洋たいへいよう、西にしは日本海にほんかいと東シナ海ひがししなかい、北きたはオホーツク海かいに面めんする。北東ほくとうから南西なんせいにかけて広ひろがる島嶼とうしょ群ぐんから構成こうせいされ、総体そうたいではおよそ14,125島とうから成なる。北海道ほっかいどう・本州ほんしゅう・四国しこく・九州きゅうしゅうの4島とうが主要しゅような島しまであるが、この4島とうに沖縄おきなわ本島ほんとうを加くわえた5島とうを「本土ほんど」と呼称こしょうすることもある。日本にっぽんは明治めいじ以来いらい、憲法けんぽうにおける領土りょうど規定きていがなく、これは比較ひかく法学ほうがくの観点かんてんでは特殊とくしゅなものであった。

面積めんせきは、2024年ねん10月がつ1日にち時点じてんで377,975.64 km² であり、中央ちゅうおう情報じょうほう局きょくの『ザ・ワールド・ファクトブック』によれば世界せかい63位いである。海岸かいがん線せんの総そう延長えんちょうは35,268 m。領海りょうかいは、原則げんそくとして、基線きせんからその外側そとがわ12海里かいり、国際こくさい航行こうこうに用もちいられる特定とくてい海域かいいき（宗谷海峡そうやかいきょう、津軽海峡つがるかいきょう、対馬海峡つしまかいきょう西にし・東ひがし水道すいどう、大隅海峡おおすみかいきょう）については、基線きせんからその外側そとがわ3海里かいりの線せんと、これに接続せつぞくして引ひかれる線せんまでの海域かいいき。また、基線きせんから200海里かいりまでを排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきとする。日本にっぽんは島嶼とうしょから構成こうせいされるゆえ、約やく4,050,000km² におよぶ、広大こうだいな排他はいた的てき経済けいざい水域すいいきを有ゆうする。これは、世界せかいで6番目ばんめに広ひろい。

地形ちけい

日本にっぽん列島れっとうの地形ちけい図ず。国土こくどは14,125の島しまから構成こうせいされ、約やく70%が山岳さんがく地帯ちたいである。

日本にっぽん列島れっとうは太平洋たいへいように向むかって弓ゆみ状じょうに張はり出だすような形かたちをしており、地形ちけい学的がくてきには東日本ひがしにっぽん島とう弧こ系けい（千島ちしま弧こ、東北とうほく日本にっぽん、伊豆いず・小笠原おがさわら弧こ）と西日本にしにほん島とう弧こ系けい（西南せいなん日本にっぽん、琉球りゅうきゅう弧こ）に大別たいべつされる。これらの島しま弧こ-海溝かいこう系けいは、日本にっぽん列島れっとう付近ふきんに位置いちする太平洋たいへいようプレート・フィリピン海うみプレート・北きたアメリカプレート（オホーツクプレート）・ユーラシアプレート（アムールプレート）の沈しずみ込こみによって成立せいりつしたものとして理解りかいされている。

地形ちけいは概がいして起伏きふくに富とみ、国土こくどの75%が山地さんちである。これらの標高ひょうこうは、中部ちゅうぶ地方ちほう周辺しゅうへんでは3,000 mに達たっする。同どう地域ちいきを南北なんぼくに走はしる、特とくに高こう峻たかしな山脈さんみゃくである、飛騨山脈ひださんみゃく・木曽きそ山脈さんみゃく・赤石山脈あかいしさんみゃくを日本にっぽんアルプスと総称そうしょうする。これらの山脈さんみゃくは、東北とうほく日本にっぽん、西南せいなん日本にっぽん、伊豆いず・小笠原おがさわら弧この接合せつごう部ぶ付近ふきんに位置いちする凹地帯たいであるフォッサマグナの西にし縁えんでもある。日本にっぽんの最高峰さいこうほうは標高ひょうこう3,776 mの富士山ふじさんであり、伊豆いず・小笠原おがさわら弧この北部ほくぶに位置いちする成層せいそう火山かざんである。平野へいや・盆地ぼんちはほとんどの場合ばあい小規模しょうきぼであり、各地かくちに散在さんざいする傾向けいこうがみられる。最大さいだいの関東平野かんとうへいやをはじめとして、国内こくないの多おおくの平野へいやはテクトニックに沈降ちんこうする盆地ぼんちを堆積たいせき物ぶつが埋うめ立たてることによって成立せいりつすることが多おおい。

日本にっぽん列島れっとうは環太平洋かんたいへいよう火山かざん帯たいに沿そっているため、地震じしん・津波つなみ・噴火ふんかといった自然しぜん災害さいがいが多おおい傾向けいこうにある。2016年ねんの『World Risk Index』によれば、日本にっぽんの自然しぜん災害さいがいリスクは世界せかいで17番目ばんめに高たかかった（世界せかいの自然しぜん災害さいがいリスク順じゅんリスト）。日本にっぽんには111の活火山かっかざんが存在そんざいする。また、しばしば津波つなみをともなう大だい地震じしんが数すう十じゅう年ねんに一いち度ど程度ていど発生はっせいし、1923年ねんの関東大震災かんとうだいしんさいにおいては140,000人にんが死亡しぼうした。より近年きんねんの例れいとしては、1995年ねんの阪神はんしん淡路あわじ大震災だいしんさいや、2011年ねんの東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいがあった。

気候きこう

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの気候きこう」を参照さんしょう

日本にっぽんにおけるケッペンの気候きこう区分くぶん（1981年ねんから2016年ねんの平年へいねん値ちに基もとづく）

ケッペンの気候きこう区分くぶんにおいて日本にっぽんはほぼ温暖おんだん湿潤しつじゅん気候きこうか湿潤しつじゅん大陸たいりく性せい気候きこうに属ぞくするが、一部いちぶに例外れいがいが見みられる。道みち南みなみの沿岸えんがん部ぶ、青森あおもり県けんや岩手いわて県けんの沿岸えんがん部ぶ、宮城みやぎ県けん、山形やまがた県けん、福島ふくしま県けん、栃木とちぎ県けん、山梨やまなし県けん、長野ながの県けんの高原こうげんの一部いちぶには西岸せいがん海洋かいよう性せい気候きこうが分布ぶんぷする。また、群馬ぐんま県けんの一部いちぶには温帯おんたい夏なつ雨う気候きこうが存在そんざいする。富士ふじ山頂さんちょうや、大雪山たいせつざん山頂さんちょう付近ふきん にはツンドラ気候きこうが分布ぶんぷする。南西諸島なんせいしょとう南部なんぶには熱帯ねったい雨林うりん気候きこう、小笠原諸島おがさわらしょとうの南鳥島みなみとりしまには、サバナ気候きこうが分布ぶんぷする。

世界せかい的てきに見みると四季しきがはっきりしており、中国ちゅうごくや朝鮮半島ちょうせんはんとう同様どうよう、気温きおんの年とし較差かくさと日にち較差かくさが大おおきい。また、降水こうすい量りょうが多おおいこと、梅雨つゆや秋あき霖の影響えいきょうで降水こうすい量りょうの年とし変化へんかが大おおきいことが特徴とくちょうとして挙あげられる。

日本にっぽんの気き侯こうは、太平洋たいへいよう側がわか日本海にほんかい側がわかで大おおきな違ちがいが見みられる。日本海にほんかい側がわでは、日本海にほんかいの上うえを越こえてくる北西ほくせいの季節風きせつふうにより、冬ふゆに雪ゆきや雨あめが多おおく、太平洋たいへいよう側がわでは、太平洋たいへいようから吹ふき込こむ 南東なんとうの季節風きせつふうにより、夏なつに雨あめが多おおい。また、瀬戸内海せとないかい沿岸えんがんや中央ちゅうおう高地こうちでは年中ねんじゅう降水こうすい量りょうが少すくない。また、南北なんぼくに長ながい日本にっぽんでは、緯度いどによる気候きこうの差異さいも大おおきい。

生物せいぶつ相しょう

日本にっぽんの面積めんせきのうち、67%を森林しんりんが占しめる。日本にっぽんでは2019年ねん現在げんざい90,000種しゅ以上いじょうの生物せいぶつ種しゅが確認かくにんされており、6,342種しゅが固有こゆう種しゅである。日本にっぽんは、36か所しょある生物せいぶつ多様たよう性せいホットスポットの1つに選定せんていされている。国内こくないには53ヶ所かしょのラムサール条約じょうやく登録とうろく地ちが存在そんざいするほか、世界せかい自然しぜん遺産いさんも5件けん登録とうろくされている。

日本にっぽんの植物しょくぶつ相しょうは約やく5,560の種たね（被子植物ひししょくぶつ4,720・裸子植物らししょくぶつ40・シダ植物しょくぶつ800）によって構成こうせいされている。植物しょくぶつ区く系けいをみると、琉球りゅうきゅう諸島しょとう・小笠原諸島おがさわらしょとう・南鳥島みなみとりしまが旧きゅう熱帯ねったい区く系けい界かい（うち南鳥島みなみとりしまはメラネシア・ミクロネシア区く系けい区く、それ以外いがいの地域ちいきは東南とうなんアジア区く系けい区く）に、それ以外いがいの地域ちいきが全ぜん北きた区く系けい界かいに属ぞくする。これらの地域ちいきに関かんしても、極地きょくち・高山たかやま区く系けい区く（高山たかやま帯たい）・東ひがしシベリア区く系けい区く（北海道ほっかいどう北東ほくとう部ぶ）・日にち華はな区く系けい区く（それ以外いがいの地域ちいき）に分類ぶんるいされる。動物どうぶつ地理ちり区くをみると、日本にっぽん列島れっとうの大だい部分ぶぶんは旧きゅう北きた区くに属ぞくする。うち哺乳類ほにゅうるいについては、さらにブラキストン線せんを挟はさんでシベリア亜あ区くと満州まんしゅう亜あ区く (または旧きゅう北きた亜あ区くのシベリア地方ちほうと満州まんしゅう地方ちほう)に区分くぶんされる。ただし、渡瀬わたせ線せん以南いなんの奄美あまみ・琉球りゅうきゅう諸島しょとうに関かんしては、旧きゅう北きた区くと東洋とうよう区くの移行いこう帯域たいいきとしての性質せいしつを有ゆうする。このように多おおくの固有こゆう種しゅを含ふくむ豊ゆたかな生物せいぶつ相しょうを持もつにもかかわらず、自然しぜん林りんの伐採ばっさいと植林しょくりん、里さと地ち里山さとやまの荒廃こうはい、また外来がいらい種しゅの蔓延まんえん等とうによってその生物せいぶつ多様たよう性せいは大おおきく損そこなわれている。

環境かんきょう問題もんだい

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの環境かんきょうと環境かんきょう政策せいさく」を参照さんしょう

戦後せんごの高度こうど経済けいざい成長せいちょう期きにあたる1950年代ねんだいから1960年代ねんだい、工業こうぎょう復興ふっこうを経へた日本にっぽんにおいては深刻しんこくな公害こうがい問題もんだいが発生はっせいした。これに対処たいしょすべく、1970年ねんには公害こうがい関連かんれん法ほうが相次あいついで可決かけつされ、1971年ねんには環境庁かんきょうちょうが設立せつりつされた（2001年ねんに、改組かいそされて環境省かんきょうしょうになる）。1973年ねんのオイルショックを契機けいきとして産業さんぎょう公害こうがいは減少げんしょうするものの、都市とし・生活せいかつ型がたの大気たいき汚染おせんが増加ぞうかし、政府せいふは排はいガス規制きせいなどで対処たいしょした。

2018年ねん、環境かんきょうパフォーマンス指数しすうで日本にっぽんは世界せかい20位いである。2020年ねん、日本にっぽんは国くにの二酸化炭素にさんかたんそ排出はいしゅつ量りょうリストで世界せかい5位いである。日本にっぽんは1997年ねんに第だい3回かい気候きこう変動へんどう枠わく組ぐみ条約じょうやく締約ていやく国こく会議かいぎを開催かいさいし、京都きょうと議定ぎてい書しょの締結ていけつ国こくとなった。2020年ねん、日本にっぽん政府せいふは2050年ねんまでのカーボンニュートラルの実現じつげんを盟約めいやくした。

政治せいじ

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの政治せいじ」を参照さんしょう

政治せいじ体制たいせい

→詳細しょうさいは「日本国にっぽんこく政府せいふ」を参照さんしょう

日本にっぽんの権力けんりょく分立ぶんりつ構造こうぞう

現行げんこうの日本国にっぽんこく憲法けんぽうは1947年ねんに施行しこうされたものであり、日本にっぽんの国家こっか形態けいたい・統治とうち組織そしき・統治とうち作用さようを規定きていする。天皇てんのうは憲法けんぽう第だい1条じょうにもとづき、日本にっぽん国こくおよび日本にっぽん国民こくみん統合とうごうの象徴しょうちょうとしての地位ちいを有ゆうする（象徴しょうちょう天皇てんのう制せい）。現在げんざいの日本にっぽんの天皇てんのうは、徳とく仁ひとしである。天皇てんのうは内閣ないかく総理そうり大臣だいじん・最高さいこう裁判所さいばんしょ長官ちょうかんの任命にんめい、法ほう改正かいせい・法律ほうりつ・政令せいれいおよび条約じょうやくの公布こうふ、国会こっかいの召集しょうしゅうおよび衆議院しゅうぎいんの解散かいさんなどを国事こくじ行為こういとしておこなうが、国政こくせいに関かんする権能けんのうは有ゆうさない。

日本にっぽんの主権しゅけんは国民こくみんに帰属きぞくし、代表だいひょう者しゃがこれを行使こうしする（代表だいひょう民主みんしゅ制せい）。国会こっかいは選挙せんきょによって選えらばれた代表だいひょう者しゃから構成こうせいされ、憲法けんぽう第だい41条じょうにより「国権こっけんの最高さいこう機関きかんであって、国くにの唯一ゆいいつの立法りっぽう機関きかん」としての地位ちいを認みとめられている。衆議院しゅうぎいんと参議院さんぎいんの二院にいん制せいであり、法律ほうりつの制定せいてい・予算よさんの議決ぎけつ・条約じょうやくの承認しょうにんなどの権限けんげんを有ゆうする。両院りょういんの関係かんけいは対等たいとうなものではなく、衆議院しゅうぎいんの優越ゆうえつが認みとめられる。

日本にっぽんの選挙せんきょ制度せいどは戦後せんご以降いこう複ふく数すう回かい改組かいそされているが、1996年ねん以降いこうは衆議院しゅうぎいんにおいて小しょう選挙せんきょ区く比例ひれい代表だいひょう並立へいりつ制せい、2000年ねん以降いこうは参議院さんぎいんにおいて選挙せんきょ区く制せいと非ひ拘束こうそく名簿めいぼ式しき比例ひれい代表だいひょう制せいが採用さいようされている。議会ぎかい政治せいじは、政党せいとうを基軸きじくとして展開てんかいされる。戦後せんご日本にっぽんにおいては1955年ねん以来いらい、1993年ねんまで自由民主党じゆうみんしゅとうが長期ちょうき政権せいけんを握にぎり（55年ねん体制たいせい）、その後ごも1993年ねんの八はち党派とうは連立れんりつ政権せいけん結成けっせい時じと2009年ねんから2012年ねんにかけての民主党みんしゅとう政権せいけん時代じだいを除のぞけば、与党よとうの座ざにありつづけている。

憲法けんぽう第だい65条じょうにもとづき、行政ぎょうせい権けんは内閣ないかくに属ぞくする。内閣ないかくは、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんおよび、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの任命にんめいする国務大臣こくむだいじんから構成こうせいされ、国会こっかいの制定せいていした法律ほうりつ・予算よさんを執行しっこうする。また、内閣ないかくの下したには、行政ぎょうせいの実務じつむを担当たんとうする中央ちゅうおう省庁しょうちょうが置おかれる。内閣ないかくの存立そんりつは国会こっかいの信任しんにんに基もとづくものであり、衆議院しゅうぎいんから不信任ふしんにんないし信任しんにんの不承認ふしょうにんを受うけた場合ばあい、内閣ないかくは総そう辞職じしょくするか、衆議院しゅうぎいんを解散かいさんして総そう選挙せんきょをおこなうことができる。内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは、国会こっかい議員ぎいんの互選ごせんに基もとづき指名しめいされる。また、国務大臣こくむだいじんのうち過半数かはんすうは国会こっかい議員ぎいんのなかから選定せんていする必要ひつようがある。一般いっぱんに、総理そうり大臣だいじんは与党よとうの議員ぎいんから選えらばれ、国務大臣こくむだいじんに関かんしても国会こっかい議員ぎいん以外いがいの者ものが選えらばれることはごくまれである。現在げんざいの内閣ないかくは第だい2次じ石破いしば内閣ないかく、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんは石破いしば茂しげるである。

司法しほう権けんは、最高裁判所さいこうさいばんしょおよび法律ほうりつで定さだめられた下級かきゅう裁判所さいばんしょ（高等こうとう裁判所さいばんしょ・地方裁判所ちほうさいばんしょ・家庭かてい裁判所さいばんしょおよび簡易かんい裁判所さいばんしょ）に属ぞくする。最高裁さいこうさい長官ちょうかんは天皇てんのうが形式けいしき的てきに任命にんめいし、裁判官さいばんかんは内閣ないかくが任命にんめい、天皇てんのうが認証にんしょうする。裁判所さいばんしょは民事みんじ事件じけん、刑事けいじ事件じけんを通つうじて法律ほうりつや国家こっか行為こういが憲法けんぽうに違反いはんしていないかを判断はんだんする司法しほう審査しんさ制せいを有ゆうしており、その最終さいしゅう判断はんだんは最高裁さいこうさいが下くだす。

法ほう・法ほう執行しっこう制度せいど

→詳細しょうさいは「日本にっぽん法ほう」を参照さんしょう

霞かすみが関せき（2011年ねん）。法務省ほうむしょう・最高さいこう検察庁けんさつちょう・東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょ・警視庁けいしちょう・警察庁けいさつちょうが見みえる。

日本にっぽん法ほうは、明治維新めいじいしん以来いらい、信託しんたくなど一部いちぶの民法みんぽうの規定きていを除のぞき、大陸たいりく法ほう系けい（特とくにドイツ法ほう及およびフランス法ほう）を基礎きそとしているが、立憲りっけん君主くんしゅ制せいや議院ぎいん内ない閣かく制せいについては英国えいこく法ほう、最高裁判所さいこうさいばんしょ以下いか司法しほうについての規定きていにつき米国べいこく法ほうの影響えいきょうを強つよく受うけているなど、憲法けんぽうを中心ちゅうしんとして英えい米べい法ほうの影響えいきょうも見みられる。また、運用うんようには慣習かんしゅうや条理じょうりといった国内こくない独自どくじの事情じじょうも影響えいきょうを与あたえるほか、行政ぎょうせい指導しどうも独特どくとくの地位ちいを占しめる。国内こくないの法ほう源げんは大おおきくは制定せいてい法ほうと不文法ふぶんほうにわけられるが、おもに前者ぜんしゃが主要しゅようである。制定せいてい法ほうの中なかでもっとも重要じゅうようとされるのは憲法けんぽう・民法みんぽう・商法しょうほう・民事みんじ訴訟そしょう法ほう・刑法けいほう・刑事けいじ訴訟そしょう法ほうのいわゆる六法ろっぽうであり、うち憲法けんぽうが国内こくないの最高さいこう法規ほうきとして位置付いちづけられている。とはいえ、法ほう実務じつむにおいても憲法けんぽう解釈かいしゃく学がくにおいても憲法けんぽうはその他たの具体ぐたい法ほう一般いっぱんに優越ゆうえつするものと理解りかいされるよりは、公法こうほう私法しほう二元論にげんろん的てきな文脈ぶんみゃくから観念かんねんされる傾向けいこうが強つよい。

国内こくないの治安ちあん維持いじは、主おもに警察けいさつが担になう。警察けいさつの機構きこうは、内閣ないかく府ふの外局がいきょくである国家こっか公安こうあん委員いいん会かいとこれに属ぞくする警察庁けいさつちょう、そして各かく都道府県とどうふけんの公安こうあん委員いいん会かい・警察けいさつ本部ほんぶによる二に層そう構造こうぞうであり、交番こうばんシステムなどを通とおして市民しみん生活せいかつに密接みっせつに介入かいにゅうする。特殊とくしゅ急襲きゅうしゅう部隊ぶたいは、国際こくさい特殊とくしゅ部隊ぶたい競技きょうぎ会かいなどを通つうじて非常ひじょうに高たかい練度れんどを評価ひょうかされることも多おおい。銃砲じゅうほう刀剣とうけん類るい所持しょじ等とう取締とりしまり法ほうにより、銃じゅう・刀剣とうけんなどの武器ぶきの所持しょじを厳きびしく規制きせいしている。国連こくれん薬物やくぶつ犯罪はんざい事務所じむしょの統計とうけいによれば、国連こくれん加盟かめい192ヶ国かこくの内うち、犯罪はんざい・刑事けいじ司法しほうの統計とうけいを報告ほうこくしている国くにの中なかで、殺人さつじん、誘拐ゆうかい、強制きょうせい性交せいこう、強盗ごうとうなどの凶悪きょうあく犯罪はんざいの発生はっせい率りつが著いちじるしく低ひくい。

なお、上記じょうき警察けいさつ組織そしきの他ほかにも、特定とくていの専門せんもん分野ぶんやにおいて犯罪はんざい事件じけんの捜査そうさにあたるため、一定いっていの権限けんげんを付与ふよされた特別とくべつ司法しほう警察けいさつ職員しょくいんも存在そんざいする。

地方ちほう自治じち・行政ぎょうせい区画くかく

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの地域ちいき」および「地方ちほう公共こうきょう団体だんたい」を参照さんしょう

普通ふつう地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの広域こういき単位たんいとして都道府県とどうふけん、基礎きそ単位たんいとして市町村しちょうそんを設もうける。地方ちほう公共こうきょう団体だんたいは1718市町村しちょうそんおよび、47都道府県とどうふけんから構成こうせいされ、都道府県とどうふけんは市町村しちょうそんが及およばない広域こういきの行政ぎょうせい・政策せいさくを担当たんとうする。東京とうきょう都とには23の区く（特別とくべつ区く）が設置せっちされており、都とはこれら特別とくべつ区くに関かんする一定いっていの調整ちょうせい機能きのうを有ゆうするが、府県ふけんの間あいだには法律ほうりつ上じょうの違ちがいはなく、名称めいしょうの差異さいは歴史れきし的てきなものである。

地方ちほう公共こうきょう団体だんたいは、首長しゅちょうと議会ぎかい議員ぎいんをともに住民じゅうみんが直接ちょくせつ選挙せんきょで選えらぶ、二元にげん代表だいひょう制せいを採とっている。

2024年ねん現在げんざい、市町村しちょうそんのうち最大さいだいの人口じんこうを有ゆうするのは神奈川かながわ県けん横浜よこはま市し（375万まん2969人にん）、最小さいしょうの人口じんこうを有ゆうするのは東京とうきょう都と青ヶ島あおがしま村むら（156人にん）である。一定いってい以上いじょうの規模きぼを有ゆうする大都市だいとしは政令せいれい指定してい都市としとしての地位ちいを与あたえられ、都市とし計画けいかく・福祉ふくしなどについてより大おおきい権限けんげんを委ゆだねられるほか、区く（行政ぎょうせい区く）および区役所くやくしょを設置せっちできる。東京とうきょう都との特別とくべつ区くは、ほかの政令せいれい指定してい都市としの行政ぎょうせい区くと異ことなり、公選こうせんの区長くちょうや区く教育きょういく委員いいん会かい、区立くりつ小中学校しょうちゅうがっこうが存在そんざいするなど、市町村しちょうそんに近ちかい権限けんげんを有ゆうしている。

都道府県とどうふけん以上いじょうの地域ちいき分類ぶんるいは様々さまざまであるが、1903年ねん（明治めいじ36年ねん）の第だい1期き国定こくてい地理ちり教科書きょうかしょ以来いらい、地理ちり教育きょういくの場ばでは、以下いかのような8地域ちいき区分くぶんを採用さいようしている。

	島嶼とうしょ	地方ちほう	都道府県とどうふけん
	北海道ほっかいどう	北海道ほっかいどう地方ちほう	北海道ほっかいどう
	本州ほんしゅう	東北とうほく地方ちほう	青森あおもり県けん 岩手いわて県けん 宮城みやぎ県けん 秋田あきた県けん 山形やまがた県けん 福島ふくしま県けん
		関東かんとう地方ちほう	茨城いばらき県けん 栃木とちぎ県けん 群馬ぐんま県けん 埼玉さいたま県けん 千葉ちば県けん 東京とうきょう都と 神奈川かながわ県けん
		中部ちゅうぶ地方ちほう	新潟にいがた県けん 富山とやま県けん 石川いしかわ県けん 福井ふくい県けん 山梨やまなし県けん 長野ながの県けん 岐阜ぎふ県けん 静岡しずおか県けん 愛知あいち県けん
		近畿きんき地方ちほう	三重みえ県けん 滋賀しが県けん 京都きょうと府ふ 大阪おおさか府ふ 兵庫ひょうご県けん 奈良なら県けん 和歌山わかやま県けん
		中国ちゅうごく地方ちほう	鳥取とっとり県けん 島根しまね県けん 岡山おかやま県けん 広島ひろしま県けん 山口やまぐち県けん
	四国しこく	四国しこく地方ちほう	徳島とくしま県けん 香川かがわ県けん 愛媛えひめ県けん 高知こうち県けん
	九州きゅうしゅう	九州きゅうしゅう・沖縄おきなわ地方ちほう	福岡ふくおか県けん 佐賀さが県けん 長崎ながさき県けん 熊本くまもと県けん 大分おおいた県けん 宮崎みやざき県けん 鹿児島かごしま県けん 沖縄おきなわ県けん

国際こくさい関係かんけい

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの国際こくさい関係かんけい」を参照さんしょう

G7会議かいぎに出席しゅっせきする安倍晋三あべしんぞう内閣ないかく総理そうり大臣だいじん（2014年ねん）

日本にっぽんは1956年ねんに国際こくさい連合れんごうに加盟かめいし、安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいの非ひ常任じょうにん理事りじ国こくを過去かこ11回かいつとめている。これは、国連こくれん加盟かめい国こく中ちゅう最多さいたである。また、国連こくれん通常つうじょう予算よさんおよび国連こくれんPKO予算よさんの8.033%を負担ふたんしており、米国べいこくおよび中国ちゅうごくに次つぐ第だい3位いの分担ぶんたん金きん負担ふたん国こくとなっている。日本にっぽんは、G4諸国しょこくの一員いちいんとして安保理あんぽり改革かいかくの実現じつげんに向むけた活動かつどうをおこなっている。日本にっぽんは主要しゅよう国こく首脳しゅのう会議かいぎ（G7）・アジア太平洋たいへいよう経済けいざい協力きょうりょく（APEC）・ASEAN+3に加盟かめいするほか、東ひがしアジアサミットに参加さんかしている。

日本にっぽんは19億おく6,000万まんドルの政府せいふ開発かいはつ援助えんじょ実績じっせきを有ゆうしており、これは開発かいはつ援助えんじょ委員いいん会かい加盟かめい国こく中ちゅう3位いである（2023年ねん）。日本にっぽんは156の国家こっか・地域ちいきに251の在外ざいがい公館こうかんを有ゆうしており、これは世界せかいで4番目ばんめに多おおい。また、157ヶ国かこくが日本にっぽんに大使館たいしかんを、42の国際こくさい機関きかんが日本にっぽんに事務所じむしょを設もうけている。2023年ねん7月がつ現在げんざい、日本にっぽんからビザなしで渡航とこうできる国くにの数かずは189か国こくで、韓国かんこくやフランスなどと並ならんで世界せかい3位いである。日本にっぽんは過去かこ5年間ねんかん、世界せかい1位いを維持いじしてきたものの、首位しゅいをシンガポールに明あけ渡わたした。

日本にっぽんはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくと日米にちべい安全あんぜん保障ほしょう条約じょうやくを結むすんでおり、経済けいざい的てき・軍事ぐんじ的てきに緊密きんみつな関係かんけいにある。1957年ねんに外務省がいむしょうは日本にっぽん外交がいこうの三さん原則げんそくとして「国連こくれん中心ちゅうしん主義しゅぎ」「アジアの一員いちいんとしての立場たちばの堅持けんじ」「自由じゆう主義しゅぎ諸国しょこくとの協調きょうちょう」を打うち出だしているが、実際じっさいのその後ごの日本にっぽんの外交がいこうは日米にちべい関係かんけいを基軸きじくとする傾向けいこうが強つよかった。2016年ねんには、日本にっぽんは自由じゆうで開ひらかれたインド太平洋たいへいよう戦略せんりゃくを打うち出だした。また、日本にっぽんはインド・太平洋たいへいよう地域ちいきにおける中国ちゅうごくの台頭たいとうに対処たいしょするための日にち米べい豪ごう印しるし戦略せんりゃく対話たいわに、アメリカ・オーストラリア・インドとともに参加さんかしている。

日本にっぽんは、周辺しゅうへん諸国しょこくといくつかの領土りょうど問題もんだいを抱かかえている（日本にっぽんの領土りょうど問題もんだい）。北方領土ほっぽうりょうど問題もんだいは、北方ほっぽう地域ちいきに関かんして、日本にっぽんとロシアの間あいだで生しょうじている。竹島たけしま問題もんだいは、竹島たけしまに関かんして、日本にっぽんと大韓民国だいかんみんこくおよび朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくの間あいだで生しょうじている。尖閣諸島せんかくしょとう問題もんだいは、尖閣諸島せんかくしょとうに関かんして、日本にっぽんと中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくおよび中華民国ちゅうかみんこくの間あいだで生しょうじている。

軍事ぐんじ

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの軍事ぐんじ」を参照さんしょう

護衛ごえい艦かん・いずも。海上かいじょう自衛隊じえいたいのヘリコプター搭載とうさい護衛ごえい艦かん（DDH）

日本にっぽんは2024年ねんの世界せかい平和へいわ度ど指数しすうでアジア3位いであった。2024年度ねんどの防衛ぼうえい関連かんれん予算よさんはGDPの1.6%であり、ストックホルム国際こくさい平和へいわ研究所けんきゅうじょによれば2023年ねんの世界せかい軍事ぐんじ費ひランキングで日本にっぽんは10位いであった。日本国にっぽんこく憲法けんぽう第だい9条じょうにより、日本にっぽんが陸海空りくかいくう軍ぐんその他たの戦力せんりょくを保持ほじすることは禁きんじられているが、実際じっさいには1950年ねんの朝鮮ちょうせん戦争せんそう勃発ぼっぱつ以降いこう再さい軍備ぐんびがはじまり、1954年ねんには自衛隊じえいたいが成立せいりつした。自衛隊じえいたいは陸上りくじょう・海上かいじょう・航空こうくう自衛隊じえいたいによって構成こうせいされ、内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの指揮しき監督かんとくを受うけた防衛ぼうえい大臣だいじんのもと組織そしきされる。また、事実じじつ上じょうの準じゅん軍事ぐんじ組織そしきとして沿岸えんがん警備けいび隊たいたる海上保安庁かいじょうほあんちょうが存在そんざいするが、海上保安庁かいじょうほあんちょうでの対処たいしょが困難こんなんな事態じたいが発生はっせいした場合ばあいは海上かいじょう警備けいび行動こうどうにより海上かいじょう自衛隊じえいたいが対処たいしょする。2020年ねんにおける自衛じえい官かんの定員ていいんは合計ごうけい22万まん7000人にんである。また、防衛ぼうえい省しょうの文官ぶんかんは、約やく2万まん1000人にんである。

自衛隊じえいたいの憲法けんぽう上じょうの位置付いちづけは長沼ながぬまナイキ訴訟そしょうをはじめとする複数ふくすうの裁判さいばんで争あらそわれているが、多おおくの裁判所さいばんしょは自衛隊じえいたいを違憲いけんとする判断はんだんに消極しょうきょく的てきであり、実際じっさいの判断はんだんは政治せいじの場ばに委ゆだねられている。1992年ねんには国際こくさい平和へいわ協力きょうりょく法ほうが成立せいりつし、自衛隊じえいたいによる海外かいがいでのPKO活動かつどうがおこなわれるようになった。また、同年どうねんの国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ隊たい法ほう改正かいせいにともない、国際こくさい緊急きんきゅう援助えんじょ活動かつどうもおこなわれている。また、2014年ねんには集団しゅうだん的てき自衛じえい権けんの行使こうしを容認ようにんする閣議かくぎ決定けっていがおこなわれた。

また、日本にっぽん国内こくないには1960年ねんの日米にちべい安全あんぜん保障ほしょう条約じょうやくにもとづき在ざい日米にちべい軍ぐんが駐留ちゅうりゅうしている。在ざい日米にちべい軍ぐんの地位ちいは日米地位協定にちべいちいきょうていにより保証ほしょうされており、2013年ねん時点じてんで10万まん5677人にんの在ざい日米にちべい軍ぐん関係かんけい者しゃが居留きょりゅうしていた。

人権じんけん

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松井まつい茂しげる記きによれば、日本にっぽん社会しゃかいは歴史れきし的てきに集団しゅうだんの調和ちょうわと同調どうちょうに重おもきをおいており、このことは社会しゃかい生活せいかつ上じょう個人こじんの権利けんりの抑圧よくあつにつながっていると指摘してきする。憲法けんぽう第だい14条じょうは法ほうの下したの平等びょうどうを定さだめており、国民こくみんは国くにとの関係かんけいにおいて、人種じんしゅ・信条しんじょう・性別せいべつ・社会しゃかい的てき身分みぶん又または門地もんちによって差別さべつされないものとなっている。また、日本にっぽん政府せいふは各種かくしゅの人権じんけんに関かんする条約じょうやくに批准ひじゅんしている。民間みんかん人じん同士どうしの人権じんけん問題もんだいについては憲法けんぽう14条じょうの理念りねん及および民法みんぽう第だい90条じょうの公序良俗こうじょりょうぞくの考かんがえ方かたに応おうじて解決かいけつされるものとするのが通説つうせつである（私わたし人間にんげん効力こうりょくを参照さんしょう）。一方いっぽうでヒューマン・ライツ・ウォッチは「日本にっぽんには、人種じんしゅ・民族みんぞく・宗教しゅうきょうに基もとづく差別さべつを禁止きんしする法律ほうりつも、性的せいてき指向しこう・性せい自認じにんに基もとづく差別さべつを禁止きんしする法律ほうりつも、存在そんざいしない」、日本にっぽん弁護士べんごし連合れんごう会かいは政府せいふから独立どくりつした国内こくない人権じんけん機関きかんを創設そうせつすることを提言ていげんしている。

日本にっぽんの人権じんけん問題もんだいとしては、性別せいべつの不平等ふびょうどう・同性どうせい婚こんの不ふ受理じゅり・警察けいさつのレイシャル・プロファイリング・死刑しけい制度せいどの存続そんぞくなどを批判ひはんする団体だんたいがある。また、民族みんぞく的てきマイノリティや難民なんみんおよび庇護ひご希望きぼう者しゃの処遇しょぐうなども問題もんだい視しする団体だんたいがある。

経済けいざい・産業さんぎょう

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日本にっぽんのGDP成長せいちょう率りつ（1961年ねん-2022年ねん）

日本にっぽんの国内こくない総そう生産せいさん（名目めいもくGDP）は世界せかい4位いであり（各国かっこくの名目めいもくGDPリスト）、アメリカ・中国ちゅうごく・ドイツに次つぐ。また、購買こうばい力りょく平価へいか（PPP）でも中国ちゅうごく・アメリカ・インドに次つぐ世界せかい第だい4位いである（国くにの国内こくない総そう生産せいさん順じゅんリスト (購買こうばい力りょく平価へいか)）。2021年ねん現在げんざい、日本にっぽんの労働ろうどう力りょく人口じんこうは約やく6860万まん人にんであり、世界せかい8位いである（各国かっこくの労働ろうどう者しゃ人口じんこう順じゅんリスト）。2022年ねん現在げんざい、日本にっぽんの失業しつぎょう率りつは約やく2.6%と低ひくい水準すいじゅんにある。一方いっぽうで、相対そうたい的てき貧困ひんこん率りつは15.7%以上いじょうであり、G7諸国しょこくの中なかで2番目ばんめに高たかい。日本にっぽんの通貨つうかである日本円にほんえんは、3番目ばんめに有力ゆうりょくな準備じゅんび通貨つうかであり、アメリカドルとユーロに次つぐ。国際こくさい経営けいえい開発かいはつ研究所けんきゅうじょによる2024年ねんの世界せかい競争きょうそう力りょく年鑑ねんかんによれば、日本にっぽんの競争きょうそう力りょく順位じゅんいは38位いである。

日本にっぽんは世界せかい最大さいだいの債権さいけん国くにであり、世界せかい経済けいざいからの配当はいとうや利子りしの受うけ取とりが次第しだいに増大ぞうだいしている。2023年ねん末まつ時点じてんで、日本にっぽんの対外たいがい資産しさん残高ざんだかは1,488兆ちょう3,425億おく円えん、対外たいがい負債ふさい残高ざんだかは1,017兆ちょう364億おく円えんで、差さし引ひき対外たいがい純資産じゅんしさん残高ざんだかは33年ねん連続れんぞく世界せかい最大さいだいの471兆ちょう3,061億おく円えんである。日本にっぽんは世界せかいで3番目ばんめの計上けいじょう黒字くろじ国こくであるが、日本にっぽん政府せいふは歳入さいにゅうの35.9%が公債こうさいで賄まかなわれている状況じょうきょうである（2022年度ねんど補正ほせい後ご予算よさん）。しかしながら、日本にっぽん国債こくさいの92.3%が国内こくない保有ほゆうであり、日本にっぽん国内こくないの資産しさんとなっている。1990年代ねんだい以降いこうにおける財政ざいせい政策せいさくにより、国債こくさいは1000兆ちょう円えんを超こえる。国庫こっこ短期たんき証券しょうけんを合あわせると約やく1100兆ちょう円えんである。両方りょうほうを合あわせた海外かいがい債権さいけん者しゃの割合わりあいは12.7%である。日本にっぽんの債務さいむ残高ざんだかの対たいGDP比ひは2022年ねん現在げんざいで248%に達たっしており、先進せんしん国こくの中なかでは最もっとも高たかい。

日本にっぽんの輸出ゆしゅつ市場いちば（2005年ねん）

日本にっぽんは世界せかい5位いの輸出ゆしゅつ国こく（国くに別べつ輸出ゆしゅつ額がくの一覧いちらん）、世界せかい4位いの輸入ゆにゅう国こく（国くに別べつ輸入ゆにゅう額がくの一覧いちらん）である。2021年ねん現在げんざい、日本にっぽんのGDPに占しめる輸出ゆしゅつ額がくは18.2％である（2022年ねん）。最大さいだいの輸出ゆしゅつ先さきは中国ちゅうごく（香港ほんこんをふくむ）であり、アメリカがそれに次つぐ（2022年ねん）。主要しゅような輸出ゆしゅつ品目ひんもくは自動車じどうしゃ・鉄鋼てっこう製品せいひん・半導体はんどうたい・自動車じどうしゃ部品ぶひんである。最大さいだいの輸入ゆにゅう先さきも中国ちゅうごくであり、アメリカ、オーストラリアがそれに次つぐ。主要しゅような輸入ゆにゅう品目ひんもくは機械きかいおよび装置そうち・化石かせき燃料ねんりょう・食料しょくりょう品ひん・化学かがく製品せいひん・原料げんりょう品ひんである。

日本にっぽん型がた資本しほん主義しゅぎにおいては、企業きぎょう間あいだ組織そしきが影響えいきょう力りょくをもつ。また、雇用こようシステムにおいては終身しゅうしん雇用こようおよび年功序列ねんこうじょれつが特徴とくちょう的てきである。労働ろうどう組合くみあいに関かんしては、民間みんかん主要しゅよう組合くみあいの多おおくは労使ろうし協調きょうちょうの立場たちばにある。協同きょうどう組合くみあいに関かんしては、2018年ねん現在げんざい、世界せかいでもっとも大だい規模きぼな10組織そしきのうち3組織そしきが日本にっぽんの組合くみあいであり、うち生活協同組合せいかつきょうどうくみあいおよび農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあいは日本にっぽんのものが世界せかい最大さいだいである。OECD調査ちょうさによれば、日本にっぽんは人口じんこうに占しめる公務員こうむいんの比率ひりつはOECD中ちゅうで最小さいしょうであり（2019年ねん）、経済けいざいに占しめる公営こうえい企業きぎょうの規模きぼも小ちいさい。なお、GDPあたりの租税そぜい負担ふたん率りつにおいては、日本にっぽんは28.6%であり、OECD諸国しょこく平均へいきん以下いかである（2011年ねん）。

経済けいざい複雑ふくざつ性せい指標しひょうでは世界せかい首位しゅいと評価ひょうかされている。

第だい一いち次じ産業さんぎょう

→詳細しょうさいは「日本にっぽんの農林のうりん水産すいさん業ぎょう」および「日本にっぽんの鉱業こうぎょう」を参照さんしょう

水田すいでんの空そら撮つまみ写真しゃしん（青森あおもり県けん東北とうほく町まち・2009年ねん）

日本にっぽんのGDPに占しめる農林のうりん水産すいさん業ぎょうの割合わりあいは、2021年ねん時点じてんで1.01％である。2022年ねんの農業のうぎょう生産せいさん額がくは4兆ちょう7920億おく円えん、漁業ぎょぎょう生産せいさん額がくは6346億おく円えんであり、食料しょくりょう自給じきゅう率りつは生産せいさん額がくベースで58%、供給きょうきゅう熱量ねつりょうベースで38%である。日本にっぽんの総そう面積めんせきのうち耕作こうさくに適てきしているのは11.5％にすぎないが、単位たんい面積めんせきあたりの作物さくもつ収量しゅうりょうは世界せかい最高さいこう水準すいじゅんに達たっしている。日本にっぽんの農業のうぎょうは補助ほじょ金きんや関税かんぜいなどにより保護ほごされているが、農業のうぎょう従事じゅうじ者しゃの高齢こうれい化かと後継こうけい者しゃ不足ふそくは進行しんこう中ちゅうの課題かだいである。日本にっぽんの漁獲ぎょかく量りょうは世界せかい7位いであり、2016年ねんの漁獲ぎょかく量りょうは316億おく7610トンであった。一方いっぽうで、これは過去かこ10年間ねんかんの年間ねんかん平均へいきんである400億おくトンから減少げんしょうしている。日本にっぽんの漁船ぎょせん団だんは世界せかい最大さいだい級きゅうのものであり、世界せかいの漁獲ぎょかく量りょうのおよそ15％を占しめている。このことはマグロをはじめとする水産すいさん資源しげんの枯渇こかつを招まねくものであるとの批判ひはんがある。また、日本にっぽんは商業しょうぎょう捕鯨ほげいを支持しじする立場たちばにあり、これも国際こくさい的てき論争ろんそうとなっている。

日本にっぽんの国土こくどのおよそ3分ぶんの2は森林しんりんであり、うち40％が人工じんこう林りんである。2022年度ねんどの林業りんぎょう生産せいさん額がくは5,807億おく円えんであった。国内こくないの林業りんぎょうは木材もくざい価格かかくの下落げらくなどにより厳きびしい状況じょうきょうにあったが、2023年度ねんどの林野庁りんやちょう『森林しんりん・林業りんぎょう白書はくしょ』によれば、木材もくざい価格かかくの回復かいふくなどにより若干じゃっかんの回復かいふく傾向けいこうにある。日本にっぽんにおいては、2007年ねん時点じてんで11の金属きんぞく鉱山こうざんが稼働かどうしている。日本にっぽんは鉱物こうぶつ資源しげんに乏とぼしく、唯一ゆいいつ自給じきゅう可能かのうな資源しげんは石灰岩せっかいがんである。それ以外いがいの大だい部分ぶぶんは、海外かいがいからの輸入ゆにゅうに依存いぞんしている。

第だい二に次じ・第だい三さん次じ産業さんぎょう

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自動車じどうしゃの組立くみたて工程こうてい（トヨタ宮城みやぎ大衡おおひら工場こうじょう・2011年ねん）

工業こうぎょうは、日本にっぽんのGDPの27.5％を占しめる（2021年ねん）。『ザ・ワールド・ファクトブック』は、日本にっぽんの製造せいぞう業ぎょうについて「自動車じどうしゃ・工作こうさく機械きかい・鉄鋼てっこうおよび非鉄ひてつ金属きんぞく・船舶せんぱく・化学かがく製品せいひん・繊維せんい・加工かこう食品しょくひんの分野ぶんやで、世界せかい最大さいだいかつ最先端さいせんたんの技術ぎじゅつをもつ企業きぎょうを有ゆうする」と評ひょうしている。日本にっぽんの製造せいぞう業ぎょう出荷しゅっか額がくは2021年ねん時点じてんで302兆ちょう33億おく円えんであり、2023年ねん時点じてんで世界せかい4位いである。特とくに、日本にっぽんの製造せいぞう品ひん出荷しゅっか額がく等とうに占しめる自動車じどうしゃ製造せいぞう業ぎょうの割合わりあいは17.4％と高たかく、自動車じどうしゃ輸出ゆしゅつ台数だいすう、輸入ゆにゅう台数だいすうはともに世界せかい3位い以内いないに入はいる。

日本にっぽんにおけるポスト工業こうぎょう化かは1970年代ねんだいから1980年代ねんだいにかけて進展しんてんし、2021年ねん時点じてんで第だい三さん次じ産業さんぎょうは日本にっぽんのGDPの69.5％を占しめる。東証とうしょうプライム市場いちばに上場じょうじょうする非ひ製造せいぞう業ぎょうの純じゅん利益りえき（2024年ねん4-9月がつ期き）では、銀行ぎんこうが最もっとも高たかく（約やく3.7兆ちょう円えん）、商社しょうしゃ（約やく2.6兆ちょう円えん）、通信つうしん（約やく2兆ちょう円えん）がそれに次つぐ。

2019年ねん時点じてんにおける訪日ほうにち観光かんこう客数きゃくすうは3190万まん人にん、国際こくさい観光かんこう収入しゅうにゅうは461億おくドルであった。同年どうねんの世界せかい観光かんこうランキングでは世界せかい11位いである。2021年ねんの旅行りょこう・観光かんこう競争きょうそう力りょくレポートにおいては、日本にっぽんは1位いであった。

科学かがく技術ぎじゅつ

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日本にっぽんはアジアで唯一ゆいいつの国際こくさい宇宙うちゅうステーション計画けいかく参加さんか国こくである（JAXA・きぼう）

日本にっぽんには86万まん7000人にんの研究けんきゅう者しゃが存在そんざいし、およそ19兆ちょう円えんの科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅう費ひを共有きょうゆうしている（2017年ねん）。日本にっぽんのノーベル賞しょう（生理学せいりがく・医学いがく賞しょう・物理ぶつり学がく賞しょう・化学かがく賞しょう）受賞じゅしょう者しゃは22人にん、フィールズ賞しょう受賞じゅしょう者しゃは3人にんである。日本にっぽんの科学かがく技術ぎじゅつ分野ぶんやの研究けんきゅう者しゃ数すうは1000人にんあたり14人にんであり、これは人口じんこう比ひとしては世界せかい2位いである。研究けんきゅう開発かいはつ費ひは対たいGDP比率ひりつで見みると3.43%と世界せかい3位いの高水準こうすいじゅんにある（2016年ねん、OECE基準きじゅんは3.15%）ものの、90-08年ねんは1位いであったので、相対そうたい的てきには減少げんしょうしている。

1990年代ねんだいから2000年代ねんだい前半ぜんはんにかけて、学術がくじゅつ論文ろんぶん数かず（分数ぶんすうカウント）でアメリカに次つぐ世界せかい2位い、国際こくさい特許とっきょ出願しゅつがん件数けんすうでは世界一せかいいちであった。しかし、1990年代ねんだいより経済けいざい成長せいちょうの減速げんそくとともに研究けんきゅう開発かいはつ費ひの増加ぞうかは鈍化どんかし、2000年代ねんだい前半ぜんはんには論文ろんぶん数すうこそ増加ぞうかしても、世界せかいシェアは低下ていかし始はじめた。リーマンショック後ごの2009年ねんから研究けんきゅう開発かいはつ費ひが減少げんしょう・横よこばいになると、研究けんきゅう力りょくの低下ていかが露あらわになる。2017-19年ねんの平均へいきん論文ろんぶん数すうは世界せかい4位いに後退こうたいした。また、Top10パーセント補正ほせい論文ろんぶん数すうは世界せかい10位いまで下さがっている。特許とっきょ出願しゅつがん件数けんすうでも2012年ねんに中国ちゅうごくに1位いの座ざを明あけ渡わたすと、翌年よくねんにはアメリカにも抜ぬかれ3位いになった。ただし、パテントファミリー数すう（2カ国かこく以上いじょうへの特許とっきょ出願しゅつがん数すう）は10年ねん以上いじょう1位いを保たもっている（2014-16年ねん）。2016年ねん、日本にっぽんは特許とっきょ協力きょうりょく条約じょうやくに基もとづく全ぜん世界せかいの全ぜん特許とっきょ出願しゅつがん数すうで世界せかい第だい2位いとなった。

日本にっぽんはロボット分野ぶんやで世界せかいを先導せんどうしており、2020年ねんの産業さんぎょう用ようロボット製造せいぞう台数だいすうの45％が日本にっぽん製せいであった。ただし、これは2017年ねんの55％から低下ていかしている。日本にっぽんの家電かでん産業さんぎょうは世界せかい有数ゆうすうの評価ひょうかを得えていたが、韓国かんこくや中国ちゅうごくなどの東ひがしアジア諸国しょこくとの地域ちいき競争きょうそうが激化げきかし、衰退すいたい傾向けいこうにある。

インフラ

交通こうつう

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日本にっぽんの高速こうそく道路どうろ網もう・鉄道てつどう網もう

2022年ねん現在げんざい、輸送ゆそう機関きかん別べつ旅客りょかく輸送ゆそうの分担ぶんたん率りつ（人ひとキロ）は自動車じどうしゃが9.1%、鉄道てつどうが73%、航空機こうくうきが17.9%である。また、貨物かもつ輸送ゆそうの分担ぶんたん率りつ（トンキロ）は自動車じどうしゃが55.6%、鉄道てつどうが4.4%、内うち航海こうかい運うんが39.8%、航空機こうくうきが0.17%である。

日本にっぽんの道路どうろ総そう延長えんちょう（私道しどう・林道りんどう・農道のうどうを除のぞく）は128万まん3,725.6 kmであり、うち高速こうそく自動車じどうしゃ国道こくどうが9,286.2 km、一般いっぱん国道こくどうが66,416.1 km、都道府県とどうふけん道どうが142,942.2 km、市町村しちょうそん道どうが1,065,081.1 km（2021年ねん）である。また、鉄道てつどうの総そう延長えんちょうは2万まん7311 km（2015年ねん）である。鉄道てつどうは、新幹線しんかんせんなどによる大都市だいとし圏けんの幹線かんせんネットワークとして、あるいは大都市だいとし・中ちゅう都市としの都市とし交通こうつうにおいて重要じゅうような役割やくわりを担になっており、JRおよび複数ふくすうの私鉄してつが乗のり入いれる新宿しんじゅく駅えきは、世界せかいで最もっとも乗降じょうこう客数きゃくすうの多おおい駅えきとして『ギネス世界せかい記録きろく』に認定にんていされている。

日本にっぽんでは1965年ねんごろより自家用じかよう自動車じどうしゃ交通こうつうが急速きゅうそくに発展はってんし、地方ちほうの過疎かそ化かとモータリゼーションの進行しんこうにより経営けいえいが圧迫あっぱくされた日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどうは1987年ねんに分割ぶんかつ民営みんえい化かされた。うち、JR北海道ほっかいどう・JR四国しこくの経営けいえい環境かんきょうは非常ひじょうに厳きびしく、地方ちほう私鉄してつおよび路線ろせんバスについてもおおむね同様どうようである。一方いっぽうで、幹線かんせん道路どうろネットワークの整備せいびは進すすみつつあり、高速こうそく道路どうろは1990年ねん時点じてんの4,661kmから30年ねんで9,100 km（2020年ねん）まで伸長しんちょうしている。日本にっぽんには97の空港くうこう（ヘリポート・非ひ公共こうきょう用よう飛行場ひこうじょうを除のぞく）がある。最大さいだいの空港くうこうは東京とうきょう国際こくさい空港くうこうであり、2019年ねん時点じてんでアジアで2番目ばんめに旅客りょかく数すうの多おおい空港くうこうであった。民間みんかん人じん向むけの航空こうくう会社かいしゃとしてはじめて運行うんこうがはじまったのは日本航空にほんこうくう（JAL）であり、その後ごも片手かたてで数かぞえられるほどの航空こうくう会社かいしゃしかなかったが、2000年ねんの航空こうくう法ほう改正かいせい後ごは多おおくの格安かくやす航空こうくう会社かいしゃが設立せつりつされた。

2020年ねん現在げんざい、日本にっぽんには994の港湾こうわんがあり、中なかでも重要じゅうよう度どの高たかい港湾こうわんは国際こくさい戦略せんりゃく港湾こうわん（5港こう）国際こくさい拠点きょてん港湾こうわん（18港こう）に指定していされている。また漁港ぎょこうは2,790あり、中なかでも漁業ぎょぎょうの中心ちゅうしん地ちかつ漁業ぎょぎょうの振興しんこうに欠かかすことの出来できない漁港ぎょこう13港こうは特定とくてい第だい3種しゅ漁港ぎょこうに指定していされている。京浜けいひん港こう（東京とうきょう港こう・横浜よこはま港こう・川崎かわさき港こう）および阪神はんしん港こう（神戸こうべ港こう・大阪おおさか港こう・堺さかい泉北せんぼく港こう・尼崎あまがさき西宮にしのみや芦屋あしや港こう）はそれぞれ798万まん・522万まん TEUを取扱とりあつかい（2017年ねん）、世界せかい有数ゆうすうの港湾こうわんとなっている。

エネルギー

鹿島かしま火力かりょく発電はつでん所しょ（2012年ねん）

2023年ねん現在げんざい、日本にっぽんの一いち次じエネルギー供給きょうきゅう量りょうのうち31.4%を原油げんゆ、24.4%を石炭せきたん、20.7%を天然てんねんガス、3.7%を水力すいりょく、4.1%を原子力げんしりょく、8.2%を再生さいせい可能かのうエネルギー（水力すいりょくを除のぞく）が占しめる。原子力げんしりょくは2010年ねん時点じてんの11.2%から減少げんしょうしている。これは、2011年ねん3月がつの福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょ事故じこ以降いこう、世論せろんにより2012年ねん5月がつまでに国内こくないのすべての原子力げんしりょく発電はつでん所しょが一時いちじ稼働かどうを停止ていししたからである。日本にっぽん政府せいふはこれらの発電はつでん所しょを再さい稼働かどうさせようとしており、2015年ねんの川内かわうち原子力げんしりょく発電はつでん所しょ再さい稼働かどうを皮かわ切きれに、いくつかの発電はつでん所しょが再さい稼働かどうしている。

日本にっぽんの電力でんりょくは1951年ねん以降いこう、電気でんき事業じぎょう再さい編成へんせいにより成立せいりつした9（のちに沖縄電力おきなわでんりょくをふくめ10）の電力でんりょく会社かいしゃによって供給きょうきゅうされていたが（日本にっぽんの電力でんりょく会社かいしゃ）、2016年ねんに電力でんりょく小売こうり全面ぜんめん自由じゆう化か、2020年ねんに発送はっそう電でん分離ぶんりがおこなわれ、2024年ねん4月がつ時点じてんで全ぜん販売はんばい電力でんりょく量りょうに占しめる新しん電力でんりょくのシェアは17.5%を占しめている。日本にっぽんはエネルギー資源しげんの国内こくない埋蔵まいぞう量りょうにとぼしく、輸入ゆにゅうエネルギーへの依存いぞん度どが大おおきいため、エネルギーミックスおよび高たかいエネルギー効率こうりつの維持いじにつとめている。

上下水道じょうげすいどう

2021年ねん時点じてんで、日本にっぽんの水道すいどう普及ふきゅう率りつは98.2%となっている。同年どうねんの年間ねんかん取水しゅすい量りょうは約やく153.2億おく m³であり、うち4分ぶんの3が河川かせんないし湖沼こしょうから取得しゅとくした水みずである。日本にっぽんの上水道じょうすいどうは地方ちほう公営こうえい企業きぎょうとして独立どくりつ採算さいさん制せいで運営うんえいされるが、全国ぜんこく6,000以上いじょうの水道すいどう事業じぎょう者しゃのうち8割わりが給水きゅうすい人口じんこう5,000人にん未満みまんの簡易かんい水道すいどう事業じぎょう者しゃであり、5,000人にん以上いじょうの上水道じょうすいどう事業じぎょう者しゃについても全体ぜんたいの3分ぶんの2が給水きゅうすい人口じんこう5万まん人にん未満みまんである。これらの小規模しょうきぼ事業じぎょう者しゃは経営けいえい状じょう況きょうの悪化あっかや技術ぎじゅつ者しゃ不足ふそくに直面ちょくめんしており、2016年ねん末まつ時点じてんで水道すいどう管かん路ろの14.8%（全国ぜんこく平均へいきん）が耐用たいよう年数ねんすうを超過ちょうかしている。

日本にっぽんの下水道げすいどう普及ふきゅう率りつは81.4％、浄化槽じょうかそうなどによるものもふくめた汚水おすい処理しょり人口じんこう普及ふきゅう率りつは93.3％であり、人口じんこう5万まん人にん未満みまんの市町村しちょうそんの汚水おすい処理しょり人口じんこう普及ふきゅう率りつは84.0％まで下さがる。汚水おすい処理しょり人口じんこう普及ふきゅう状じょう況きょうは改善かいぜんしつつある一方いっぽうで、大都市だいとし圏けんの多おおくではいまだ汚水おすいと雨水あまみずを分離ぶんりしない合流ごうりゅう式しき下水道げすいどうが使つかわれており、改良かいりょうが必要ひつようであるほか、老朽ろうきゅう化かする下水道げすいどう管かんも増ふえつつある。

住民じゅうみん

人口じんこう

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日本にっぽんの人口じんこうピラミッド（2023年ねん）

2020年ねん国勢調査こくせいちょうさによれば、日本にっぽんの人口じんこうは1億おく2614万まん6000人にんであり、うち1億おく2339万まん9000人にんが日本にっぽん国籍こくせき保持ほじ者しゃである。日本にっぽんの人口じんこうは世界せかいで12番目ばんめに多おおい。国土こくどの4分ぶんの3が山地さんちや丘陵きゅうりょう地ちであることから日本にっぽんの可か住じゅう地ちは限定げんていされており、沿岸えんがん部ぶを中心ちゅうしんとする都市としの人口じんこうは非常ひじょうに稠密ちゅうみつとなっている。ただし、日本にっぽんの人口じんこう密度みつどは世界せかい40位いと、このような人口じんこう集中しゅうちゅうを考慮こうりょしなくても高たかい。2022年ねん時点じてんで、人口じんこうの92%が都市とし部ぶに住すんでいる。東京とうきょう都とは日本にっぽんの事実じじつ上じょうの首都しゅとであり、およそ1420万まん人にんが居住きょじゅうしている（2024年ねん）。これは、全国ぜんこく人口じんこうの11.5％を占しめており、日本にっぽんで最もっとも人口じんこうが多おおい都道府県とどうふけんである。また、人口じんこうが増加ぞうかしている唯一ゆいいつの都道府県とどうふけんでもある。首都しゅと圏けんは3814万まん人にんが居住きょじゅうしている世界せかい最大さいだいの都市とし圏けんである。総務そうむ省しょう統計とうけい局きょくによれば、東京とうきょう都市とし圏けん・名古屋なごや都市とし圏けん・大阪おおさか都市とし圏けんが日本にっぽんの三さん大都市だいとし圏けんであり、これらの都市とし圏けんの人口じんこうの総計そうけいは2023年ねん現在げんざい、全国ぜんこくの人口じんこうの53.1%を占しめている。

少子しょうし高齢こうれい化かが進すすんでおり、65歳さい以上いじょう人口じんこうの割合わりあいは29.3％、15歳さい未満みまん人口じんこうの割合わりあいは11.2%である。これは戦後せんごのベビーブームによる人口じんこう増加ぞうかと平均へいきん寿命じゅみょうの延伸えんしん、出生しゅっしょう率りつの低下ていかによるものである。合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつは1.20と世界せかい的てきに見みても低ひくい水準すいじゅんにあり（国くにの合計ごうけい特殊とくしゅ出生しゅっしょう率りつ順じゅんリスト）、一般いっぱんに人口じんこう置換ちかん水準すいじゅんとされる2.1を下回したまわる。中位ちゅうい数すう年齢ねんれいは世界せかい有数ゆうすうに高たかく、2020年ねん時点じてんで48.5歳さいである。若年じゃくねん層そうの多おおくが結婚けっこんしない、あるいは子こどもを持もたない傾向けいこうにあり、日本にっぽんの人口じんこうは2070年ねんまでに8700万まん人にんに減少げんしょうするであろうと推計すいけいされている。この人口じんこう構造こうぞうの変化へんかは、労働ろうどう力りょく人口じんこうの減少げんしょうや社会しゃかい保障ほしょう費ひの増加ぞうかといった社会しゃかい問題もんだいを引ひき起おこしている。

日本にっぽんを単一たんいつ民族みんぞく国家こっかとみなすことには問題もんだいがあるとしても、日本にっぽんは民族みんぞく・文化ぶんか的てきにみて比較的ひかくてき均質きんしつ性せいの高たかい社会しゃかいであるといわれている。2023年ねん末まつ時点じてんで、国内こくないには341万まん992人にんの外国がいこく人じんが居住きょじゅうしている。内訳うちわけとしては中国人ちゅうごくじんがもっとも多おおく、ベトナム人じん、韓国かんこく人じん、フィリピン人じんと続つづく。また、日本にっぽん政府せいふは2019年ねんのアイヌ施策しさく推進すいしん法ほうをもって、アイヌを国内こくないの先住民せんじゅうみん族ぞくと認みとめている。

言語げんご

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日本語にほんごの方言ほうげん区画くかく地図ちず

国内こくないに公用こうよう語ごに関かんする法律ほうりつは存在そんざいしないものの、日本語にほんごが事実じじつ上じょうの公用こうよう語ごかつ共通きょうつう語ごである。伝統でんとう的てき理解りかいにおいては、日本語にほんごは大おおきく琉球りゅうきゅう方言ほうげんと本土ほんど方言ほうげんに分わけられ、琉球りゅうきゅう方言ほうげんは北きた琉球りゅうきゅう方言ほうげんと南みなみ琉球りゅうきゅう方言ほうげん、本土ほんど方言ほうげんは八丈はちじょう方言ほうげん・東部とうぶ方言ほうげん・西部せいぶ方言ほうげん・九州きゅうしゅう方言ほうげんにわけられる。東京とうきょう方言ほうげんを中心ちゅうしんとした「共通きょうつう語ご」が標準ひょうじゅん的てきに用もちいられる。

琉球りゅうきゅう方言ほうげんと八丈はちじょう方言ほうげんは独自どくじ性せいが強つよく、相互そうご理解りかい性せいも低ひくい。このため、琉球りゅうきゅう諸語しょごおよび八丈はちじょう語ごを独立どくりつした言語げんごとし、日本語にほんごとともに日にち琉語族ぞくを構成こうせいするとみなす考かんがえもある。ユネスコは日本にっぽんの言語げんごのうち危機きき的てき状況じょうきょうにあるものとして八丈はちじょう語ご・奄美あまみ語ご・国頭くにがみ語ご・沖縄おきなわ語ご・宮古みやこ語ご（危険きけん）、八重山やえやま語ご・与那国よなぐに語ご（重大じゅうだいな危機きき）、アイヌ語ご（極きわめて深刻しんこく）を挙あげている。手話しゅわとしては日本にっぽん手話しゅわが広ひろく用もちいられており、ある程度ていどは公的こうてきな承認しょうにんも得えているものの、歴史れきし的てきには差別さべつ的てき政策せいさくや教育きょういく支援しえんの欠如けつじょなどにより、利用りようが妨さまたげられていた。

くわえて民族みんぞく的てきマイノリティ・移民いみん・外国がいこく語ご学習がくしゅう者しゃなどによって、韓国かんこく・朝鮮ちょうせん語ご（在日ざいにち朝鮮ちょうせん語ごをふくむ）、中国ちゅうごく語ご、ポルトガル語ごなどが話はなされている。外国がいこく語ごのなかでは、英語えいごがビジネスおよび国際こくさい交流こうりゅうの観点かんてんから重視じゅうしされており、2020年ねんからは初等しょとう教育きょういくにおける英語えいご教育きょういくがはじまった。

宗教しゅうきょう

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浅草寺せんそうじ初詣はつもうで（2023年ねん）

愛宕あたご神社じんじゃ（河内かわち町まち）

日本国にっぽんこく憲法けんぽうは信教しんきょうの自由じゆうを認みとめており、国内こくないには神道しんとう・仏教ぶっきょう・キリスト教きりすときょうなどさまざまな宗教しゅうきょう文化ぶんかが混在こんざいしている。文化庁ぶんかちょうの『宗教しゅうきょう年鑑ねんかん』によると、各かく宗教しゅうきょう団体だんたいの信者しんじゃ数すうは、2023年ねん12月時点じてんで合計ごうけい1億おく6299万まん1299人にんである。『宗教しゅうきょう年鑑ねんかん』に記載きさいされる総そう信徒しんと数すうは、しばしば日本にっぽんの人口じんこうを超過ちょうかしているが、これは全国ぜんこくの社寺しゃじが氏子うじこや檀家だんか、あるいは初詣はつもうでの参詣さんけい客きゃくなどを信者しんじゃ数すうに加くわえ入いれていることが一因いちいんとなっている。統計とうけい上じょうは神道しんとうの信者しんじゃ数すうが8790万まん人にん（48.5％）、仏教ぶっきょうが8390万まん人にん（46.3％）、キリスト教きょうが190万まん人にん（1％）、その他たの宗教しゅうきょう団体だんたいの信者しんじゃ730万まん人にん（4％）となっている（2020年ねん）。その他た宗教しゅうきょう団体だんたいには、イスラム教いすらむきょう・バハーイー教きょう・ヒンズひんずー教きょう・ユダヤ教きょうが含ふくまれる。多おおくの移住いじゅう者しゃ・外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃは仏教ぶっきょう・神道しんとう以外いがいの宗教しゅうきょうを信仰しんこうしており、たとえば日本にっぽん国内こくないのイスラム教徒きょうとおよそ23万まん人にんのうち、日本人にっぽんじんは約やく4万まん7,000人にんにとどまる。

NHK放送ほうそう文化ぶんか研究所けんきゅうじょの2018年ねんの調査ちょうさによれば、宗教しゅうきょうを信仰しんこうしていると答こたえた人口じんこうは36%であった。組織そしき宗教しゅうきょうの自覚じかく的てき信者しんじゃであることを自認じにんする日本人にっぽんじんが比較的ひかくてき少数しょうすう派はにとどまる一方いっぽうで、日本人にっぽんじんが仏教ぶっきょうや神道しんとう、あるいはキリスト教きりすときょうといった、複数ふくすう宗教しゅうきょうの行事ぎょうじに参加さんかすることは珍めずらしいことではない。阿おもね満まん利り麿まろは、日本人にっぽんじんの宗教しゅうきょう観かんは「ご先祖せんぞを大切たいせつにする気持きもちや村むらの鎮守ちんじゅにたいする敬虔けいけんな心しん」に基もとづく「自然しぜん宗教しゅうきょう」であると論ろんじる。また、岡本おかもと亮輔りょうすけは、教おしえの体系たいけいを信者しんじゃが受容じゅようして自みずからの行動こうどう規範きはんとするというキリスト教きりすときょう的てき宗教しゅうきょうモデルは現代げんだい日本にっぽんの宗教しゅうきょうを考かんがえるうえで不ふ適当てきとうであり、これらは信仰しんこうよりも実践じっせんや所属しょぞくによって特徴とくちょうづけられるものであると論ろんじている。

教育きょういく

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1947年ねんの教育きょういく基本きほん法ほうにもとづき、小学校しょうがっこう（6年ねん）・中学校ちゅうがっこう（3年ねん）の計けい9年間ねんかんが義務ぎむ教育きょういくの期間きかんと定さだめられている。OECDにより2022年ねんに実施じっしされた、義務ぎむ教育きょういく終了しゅうりょう後ごの15歳さいの児童じどうを対象たいしょうとする生徒せいとの学習がくしゅう到達とうたつ度ど調査ちょうさ（PISA）によれば、日本にっぽんは数学すうがく的てきリテラシーで5位い、読解どっかい力りょくで3位い、科学かがく的てきリテラシーで2位いであった。ほとんどの児童じどうはその後ご3年ねん制せいの高等こうとう学校がっこうに進学しんがくする。日本にっぽんのGDPに占しめる教育きょういく支出ししゅつの割合わりあいは4.0%（2024年ねん）で、これはOECD平均へいきんの4.9%よりやや少すくない。

2021年ねん時点じてんで、日本にっぽんの25歳さいから64歳さいの人口じんこうのうち55.6%が高等こうとう教育きょういくを受うけており、これは世界せかい3位いである。25歳さいから34歳さいまでの人口じんこうのうち、およそ65%がなんらかの高等こうとう教育きょういくの学位がくいを、34.2%が学士がくし号ごうを有ゆうしている。学士がくし号ごうの取得しゅとく率りつは、OECD諸国しょこくでは韓国かんこくの次つぎに高たかい。

医療いりょう・福祉ふくし

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日本にっぽんの社会しゃかい的てき支出ししゅつ（兆ちょう円えん）。緑みどりは医療いりょう、赤あかは年金ねんきん、紫むらさきはその他た。2020年ねん以降いこうは予測よそく値ち。

2017年度ねんどの平均へいきん寿命じゅみょうは、男性だんせい81.09歳さい、女性じょせい87.26歳さいである。女性じょせいは世界せかいで2番目ばんめ、男性だんせいは3番目ばんめの順位じゅんいである。健康けんこう寿命じゅみょうでは、男性だんせい72.14歳さい、女性じょせい74.79歳さい。終戦しゅうせん直後ちょくごまで結核けっかくなどの感染かんせん症しょうが多おおかったが、2018年ねん現在げんざいでは、1位いが悪性あくせい新しん生物せいぶつ（癌がん）、2位いが心こころ疾患しっかん、3位いが老衰ろうすいと、生活せいかつ習慣しゅうかん病びょうを中心ちゅうしんとする慢性まんせい疾患しっかんが主おもである。また、自殺じさつ率りつはOECDの中なかでは第だい7位いであり、OECD平均へいきんと比くらべ未いまだ高たかい数値すうちであるため明あきらかに要注意ようちゅういであるとOECDは勧告かんこくしている。

GDPに占しめる医療いりょう支出ししゅつの比率ひりつは7.8%、政府せいふ負担ふたん比率ひりつは81.3%で、一人ひとり当あたりのGDPが20,000ドル以上いじょうの国々くにぐにの中なかにおける標準ひょうじゅん的てきな水準すいじゅんである。公費こうひ負担ふたん率りつはOECD平均へいきんより1割わりほど上回うわまわっている。医療いりょう従事じゅうじ者しゃの人数にんずうは、2016年ねん統計とうけいでは医師いしが人口じんこう1000人にんあたり2.5であり、一方いっぽうで看護かんご師しは人口じんこう1000人にんあたり11.8であった。一方いっぽうで病床びょうしょう数かずでは供給きょうきゅう過剰かじょうが指摘してきされており、人口じんこうあたりの病床びょうしょう数すうは世界せかい1位いでOECD平均へいきんの2倍ばい以上いじょう、また患者かんじゃの平均へいきん入院にゅういん日数にっすうもOECD各国かっこく中ちゅうで1位いであった。

日本にっぽんは国民こくみん皆みな保険ほけん制度せいどを敷しいており、国民こくみん全員ぜんいんが国民こくみん健康けんこう保険ほけんや被用者ひようしゃ保険ほけんなどに加入かにゅうする。医療いりょう費ひの自己じこ負担ふたん率りつは原則げんそくとして3割わりである。また、20歳さいから60歳さいの国民こくみんは国民こくみん年金ねんきんを納おさめる必要ひつようがあり、公的こうてき年金ねんきん制度せいどを通とおして老齢ろうれい・障害しょうがい・死亡しぼうなどによる稼働かどう所得しょとくの減少げんしょうを補填ほてんする。少子しょうし高齢こうれい化かの進展しんてんと社会しゃかい保障ほしょうの範囲はんいの拡大かくだいにともない、これらの制度せいどには運用うんよう上じょうの困難こんなんが生うまれている。

外国がいこく人じん

日本にっぽんにおける在留ざいりゅう外国がいこく人じんの推移すいい

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2023年ねん末まつ時点じてんで、341万まん992人にんの外国がいこく人じんが居住きょじゅうしている。国内こくないの外国がいこく人じんとしては中国人ちゅうごくじんがもっとも多おおく、ベトナム人じん、韓国かんこく人じん、フィリピン人じんと続つづく。2020年ねん国勢調査こくせいちょうさの時点じてんで、総そう人口じんこうに占しめる外国がいこく人じんの割合わりあいは 2.2％であった。

中国ちゅうごく籍せきの半分はんぶんは永住えいじゅう者しゃ及および定住ていじゅう者しゃであり定住ていじゅう者しゃは中国ちゅうごく残留ざんりゅう邦人ほうじんの家族かぞくである。

韓国かんこく籍せき、朝鮮ちょうせん籍せき、および台湾たいわん籍せきについては、戦前せんぜんの旧きゅう・日本にっぽん領りょうの出身しゅっしん者しゃ、および両親りょうしんのうちいずれか（あるいは両方りょうほう）がその出身しゅっしんである者ものの子孫しそんが多おおく韓国かんこく籍せき、朝鮮ちょうせん籍せきに関かんしては、戦後せんごになってから朝鮮ちょうせん戦争せんそうや貧困ひんこん・圧政あっせいから逃のがれて渡来とらいしてきた難民なんみんが一部いちぶ含ふくまれている。

1895年ねんに台湾たいわんを、1910年ねんに朝鮮半島ちょうせんはんとうを併合へいごう後ご、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん敗戦はいせんまで日本にっぽんの一部いちぶとして、台湾たいわん人じん、朝鮮ちょうせん人じんにも日本にっぽん国籍こくせきを与あたえていたため、これらの地域ちいきにルーツを持もつ人々ひとびとが多おおく、順次じゅんじ、経済けいざい的てきに豊ゆたかであった本土ほんどに移住いじゅうしてきた者ものも少すくなくない。明治めいじの日本にっぽんは西欧せいおう人じんの居住きょじゅうや移動いどう、営業えいぎょうに関かんしては領事りょうじ裁判さいばん権けんを認みとめる代かわりとして居留きょりゅう地ち制せいによる制限せいげんを設もうけていたが、朝鮮ちょうせん人じんや中国人ちゅうごくじんについては制限せいげんがなく、日本にっぽん国内こくないの各地かくちでの雑居ざっきょが認みとめられていた。1899年ねんに西欧せいおう各国かっこくとの領事りょうじ裁判さいばん権けんの撤廃てっぱいが成なり、居留きょりゅう地ち制度せいどは一律いちりつに廃止はいしされ（内地ないち雑居ざっきょ）たが、中国ちゅうごく（清きよし・中華民国ちゅうかみんこく:支ささえ那な）人ひとを含ふくむ外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃには居住きょじゅう・就労しゅうろうの制限せいげんが設もうけられた（勅みことのり令れい第だい352号ごう）。これはおもに華人かじん（支ささえ那な人じん）を規制きせいする目的もくてきのもので朝鮮ちょうせん人じんには実質じっしつ的てきに適用てきようされなかったとされる。台湾たいわん人じんもまた併合へいごう後ごは帝国ていこく臣民しんみんであり居住きょじゅうに制限せいげんはなかったが、台湾たいわん・朝鮮ちょうせんとも戸籍こせき（台湾たいわん戸籍こせき、朝鮮ちょうせん戸籍こせき）の離脱りだつは認みとめられず、あくまで内地ないちでの寄留きりゅうであった。台湾たいわん人じんの移住いじゅうは戦前せんぜんは少すくなく、日本にっぽん在住ざいじゅうの台湾たいわん人じんは総そうじて学歴がくれきがあり、華人かじん（支ささえ那な人じん）や朝鮮ちょうせん人じんとは異ことなり、オランダや明あかり遺臣いしん、清朝せいちょうの植民しょくみん地ち支配しはいの歴史れきし的てき経験けいけんがあり、民族みんぞく的てきな屈託くったくがなく日本語にほんご（や外国がいこく語ご）に通暁つうぎょうしよく働はたらくので厚遇こうぐうされた。華人かじん（支ささえ那な人じん）は三さん刀がたな（料理人りょうりにん・理髪りはつ師し・仕立屋したてや）が、朝鮮ちょうせん人じんは労働ろうどう者しゃが中心ちゅうしんで、移住いじゅう規模きぼも多おおかった。

朝鮮ちょうせん人じん労働ろうどう者しゃの日本にっぽん内地ないちへの移動いどうは日にち韓かん併合へいごうの1910年ねんに2600人にんであった移動いどう者しゃが1923年ねんには13万まん人にんあまりと増加ぞうか傾向けいこうであり、1919年ねん4月がつの「朝鮮ちょうせん人じんの旅行りょこう取締とりしまりに関かんする件けん」（警務けいむ総覧そうらん部ぶ第だい3号ごう）により朝鮮ちょうせん人じんの日本にっぽん渡航とこうへの直接ちょくせつ規制きせい（旅行りょこう証明しょうめい書しょ制度せいど）に転換てんかんし、移動いどう制限せいげんを口実こうじつに実質じっしつ的てきな居住きょじゅう規制きせいに方針ほうしんが転換てんかんされた。朝鮮半島ちょうせんはんとう領域りょういきでは実施じっしされていなかった参政さんせい権けんも普通ふつう選挙せんきょ法ほう（1925年ねん）施行しこう後ごの内地ないちでは認みとめられており、希望きぼうを持もち移動いどうし定住ていじゅうした者ものも多おおかったが生活せいかつは決けっして恵めぐまれたものではなかった。大戦たいせん中ちゅうには軍人ぐんじん・軍属ぐんぞく、あるいは就業しゅうぎょう目的もくてきとして渡海とかいした。また徴用ちょうよう労働ろうどう者しゃとして800名めい以上いじょうが渡海とかいした。

終戦しゅうせんの後のち、彼かれらの多おおくが祖国そこくへ引ひき上あげたが、各人かくじんの判断はんだんや事情じじょうによって日本にっぽんに留とどまった者ものもいる。また、戦後せんご相当そうとうの数かずの朝鮮ちょうせん人じんが祖国そこくの混乱こんらん（朝鮮ちょうせん戦争せんそう）（国連こくれんによる難民なんみん認定にんていがされている）や韓国かんこく軍ぐんによる虐殺ぎゃくさつ（済州さいしゅう島とう四よん・三さん事件じけん、保ほ導しるべ連盟れんめい事件じけんなど）を逃のがれて日本にっぽんに渡わたった。その後ご、サンフランシスコ平和へいわ条約じょうやく締結ていけつによって彼かれらは日本にっぽん国籍こくせきを喪失そうしつし朝鮮ちょうせん籍せきとなる。その後ご協定きょうてい永住えいじゅう者しゃから現在げんざいの特別とくべつ永住えいじゅう者しゃとして変遷へんせんし日本にっぽんに在住ざいじゅうし続つづけている。帰化きかして日本にっぽん国籍こくせきを取得しゅとくする者ものも多おおく、在日ざいにちコリアンは減少げんしょうを続つづけている。

アイデンティティと国籍こくせきの問題もんだいは明治めいじの開国かいこく以来いらい、日本にっぽんが否応いやおうなく直面ちょくめんすることになった人権じんけん問題もんだいであり、戦前せんぜんから華僑かきょう・印しるし僑の人々ひとびとや様々さまざまな移住いじゅう者しゃ、戦後せんごながらくは台湾たいわん・中国ちゅうごく系けい日本人にっぽんじんコミュニティの間あいだで葛藤かっとうを生うんできた。1990年代ねんだい以降いこう、ブラジルなどの日系にっけい移民いみん2世せい3世せいの出稼でかせぎ労働ろうどうや、東南とうなんアジア・中国ちゅうごくからの技能ぎのう実習じっしゅう生せいといった外国がいこく人じん労働ろうどう者しゃの人権じんけん問題もんだいなどが発生はっせいしている。

文化ぶんか

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日本にっぽん文化ぶんかは有形ゆうけいのものに関かんしても、無形むけいのものに関かんしても、豊ゆたかな文化ぶんか的てき蓄積ちくせきを有ゆうする。現代げんだい日本にっぽん文化ぶんかはかなり同質どうしつ性せいをもち、米山よねやま俊直としなおはその淵源えんげんを近世きんせいにおよそ250年間ねんかん続つづいた鎖国さこく体制たいせいと、近代きんだい日本にっぽんが国民こくみん国家こっかを形成けいせいするためにおこなった諸しょ政策せいさくに求もとめている。一方いっぽうで、日本にっぽん文化ぶんかは海外かいがいからの影響えいきょうも強つよく受うけている。たとえば、仏教ぶっきょう・儒教じゅきょう・道教どうきょうといった精神せいしん文化ぶんかや、漢字かんじといった、国内こくないの多おおくの文化ぶんか要素ようそは大陸たいりく部ぶの先進せんしん文明ぶんめいによるものであるし、16世紀せいき以降いこうのキリスト教きりすときょう文化ぶんかの流入りゅうにゅうや、近代きんだい以降いこうに本格ほんかく化かした西欧せいおう文明ぶんめいの摂取せっしゅ、あるいは戦後せんごのアメリカ化かなどもその延長線えんちょうせん上じょうにあるものとして理解りかいすることができる。また、多彩たさいな地域ちいき性せいや社会しゃかい的てき階層かいそうの存在そんざいなども、日本にっぽん文化ぶんかの多面ためん的てきな発展はってんに影響えいきょうを与あたえてきた。また、佐々木ささき利和としかずの論ろんじるように、日本にっぽん列島れっとうにおいては日本にっぽん文化ぶんかのほかにも、アイヌ語ごを母語ぼごとするアイヌ文化ぶんかおよび琉球りゅうきゅう語ごを母語ぼごとする琉球りゅうきゅう文化ぶんかも存在そんざいしており、これらは相互そうごに影響えいきょうをあたえることもありながら、それぞれ独特どくとくの文化ぶんか形態けいたいをつくりあげた。

特とくに価値かちある文化財ぶんかざいについては、有形ゆうけい文化財ぶんかざい・無形むけい文化財ぶんかざい・民俗みんぞく文化財ぶんかざいなどとして、国家こっかによる指定してい・選定せんてい・登録とうろくがなされている。有形ゆうけい文化財ぶんかざいのうち、特とくに重要じゅうようなものについては国宝こくほうに指定していされる。2024年ねん現在げんざい、国内こくないには21の世界せかい文化ぶんか遺産いさんが存在そんざいする。

洋服ようふくが日常にちじょうの衣服いふくとしては一般いっぱん的てきだが和服わふくの一ひとつである浴衣ゆかたは私服しふくの一種いっしゅであり若者わかものにも人気にんきがある。

美術びじゅつ・工芸こうげい

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東大寺とうだいじ大仏だいぶつ

「神奈川かながわ沖おき浪なみ裏うら」（葛飾かつしか北斎ほくさい『冨とみ嶽だけ三さん十じゅう六ろく景けい』より）

弥生やよい時代じだい以降いこう、日本にっぽん美術びじゅつは大陸たいりく文化ぶんかをはじめとする外来がいらい文化ぶんかを積極せっきょく的てきに吸収きゅうしゅうしながら発展はってんした。辻つじ惟おもんみ雄ゆうは、日本にっぽん美術びじゅつに通つう底そこする特色とくしょくとして、先さきに挙あげた「模倣もほうと創造そうぞうの密接みっせつ不離ふりな関係かんけい」のほか、対象たいしょうへの情趣じょうしゅ的てきな感情かんじょう移入いにゅうによるエモーショナルで温あたたかみのある表現ひょうげん、工芸こうげいとの境界きょうかい領域りょういきの不明瞭ふめいりょうさ、制作せいさく動機どうきや表現ひょうげんにおける遊戯ゆうぎ的てき性格せいかくを挙あげつつ、こうした特色とくしょくの他方たほうにあるリアリズムの伝統でんとうも存在そんざいすると述のべている。

日本にっぽん列島れっとうでは縄文じょうもん時代じだいより、独自どくじの造形ぞうけいを有ゆうする土器どきや土偶どぐうがあらわれた。弥生やよい時代じだいには、のちの日本にっぽん美術びじゅつの基本きほん的てき傾向けいこうである「平明へいめいで単純たんじゅん化かされた形態けいたい」が志向しこうされるようになり、古墳こふん時代じだいには大陸たいりくからの技術ぎじゅつ伝来でんらいを背景はいけいに須恵すえ器きや金銅かなどう製せいの武具ぶぐ・馬具ばぐが、飛鳥あすか時代じだいには仏教ぶっきょう伝来でんらいにより仏具ぶつぐ・荘厳しょうごん具ぐが盛さかんにつくられるようになった。6世紀せいき末まつからは、仏教ぶっきょうの浸透しんとうにともない日本にっぽん美術びじゅつは急速きゅうそくに展開てんかいし、飛鳥あすか時代ときよ・奈良なら時代じだいに導入どうにゅうされた技術ぎじゅつを背景はいけいとして、平安へいあん時代じだいには国風くにぶり文化ぶんかが確立かくりつした。この時代じだいには唐とう代だいの建築けんちく様式ようしきが日本にっぽん的てきに発展はってんし、和様わよう建築けんちくがうまれた。

鎌倉かまくら時代ときよ・室町むろまち時代じだいには南都なんと諸しょ大寺おおてらの復興ふっこうと禅宗ぜんしゅうの伝来でんらいにより仏教ぶっきょう芸術げいじゅつが新あらたな展開てんかいを見みせた。鎌倉かまくら時代じだいには大だい仏様ほとけさま・禅宗ぜんしゅう様さまといった新あらたな建築けんちく様式ようしきが導入どうにゅうされたほか、武家ぶけの台頭たいとうにより金工きんこう・漆うるし工こうの技術ぎじゅつを動員どういんした華麗かれいな武具ぶぐがあらわれた。また、瀬戸焼せとやきをはじめとする施ほどこせ釉の陶磁器とうじきも盛さかんにつくられるようになった。室町むろまち時代じだいには禅宗ぜんしゅう文化ぶんかを背景はいけいとしてシンプルな機能きのう美びが追求ついきゅうされるようになった。一方いっぽうで、平安へいあん時代じだい以来いらいの王朝おうちょう美術びじゅつも潜在せんざいしつづけ、安土あづち桃山ももやま時代じだいには華はなやかな城郭じょうかく建築けんちくと静寂せいじゃくな草庵そうあん風ふう茶室ちゃしつといった、豪華ごうかさと侘わびという、一見いっけん相反あいはんするような様式ようしきが両立りょうりつした。江戸えど時代じだいには美術びじゅつの担にない手ては権力けんりょく者しゃから庶民しょみんにうつり、浮世絵うきよえや南画なんがなどが繁栄はんえいした。江戸えど時代じだいより洋風ようふう画がが描えがかれはじめるようになり、明治めいじ時代じだいには本格ほんかく的てきな洋画ようが家かがあらわれる。これにともない日本にっぽん画がの近代きんだい化かも進すすみ、ふたつの様式ようしきがおたがいに影響えいきょうし合あうことで日本にっぽんの近代きんだい美術びじゅつはかたちづくられた。また、幕末ばくまつ以降いこうは様式ようしき建築けんちくも移入いにゅうされ、特とくに戦後せんごには国内こくないの建築けんちく家かによってモダニズム建築けんちく・ポストモダニズム建築けんちくなどが独自どくじの発展はってんを遂とげた。

伝統でんとう芸能げいのう

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日本にっぽんの芸能げいのうの歴史れきしは呪のろい能のうに端はしを発はっするものであり、これらは6世紀せいきから7世紀せいき頃ごろにかけての大和やまと朝廷ちょうていにより、神楽かぐらとして芸能げいのう化かされた。また、同どう時期じきには大陸たいりく文化ぶんかである伎楽ぎがくがもたらされた。これは大宝たいほう元年がんねん（701年ねん）の雅楽ががく寮りょう設置せっちを経へて雅楽ががくとして制度せいど化かされ、平安へいあん時代じだいには管絃かんげん・舞楽ぶがくが宮廷きゅうていや大寺おおてらの儀式ぎしきに欠かかせないものとなった。また、宮廷きゅうていの饗宴きょうえんの余興よきょうなどとして演えんじられた散楽さるがくは民間みんかんに流布るふし、猿楽さるがくとなった。室町むろまち時代じだい、猿楽さるがくは世阿弥ぜあみなどにより能のうとして昇華しょうかさせられ、以後いご能のうおよび狂言きょうげんは幕府ばくふの式しき楽らくとして命脈めいみゃくを保たもつこととなった。その間あいだ、民間みんかんでは遊行ゆぎょう芸能げいのう者しゃによる白拍子しらびょうし・曲きょく舞まい・幸さいわい若わか舞まい、僧侶そうりょによる延のべ年ねん、あるいは若わかい男女だんじょによる風流ふうりゅう踊おどりなどが流行りゅうこうし、うち風流ふうりゅう踊おどりは歌舞伎かぶき踊おどりに変容へんようし、近世きんせいに歌舞伎かぶきとして演劇えんげき化かした。また、江戸えど時代じだい初期しょきには旧来きゅうらいの人形にんぎょう回まわしが三味線しゃみせんを伴奏ばんそうに用もちいるようになり、人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりがうまれた。同どう時期じきには御伽おとぎ衆しゅの話芸わげいをまとめた笑話しょうわ集しゅうが刊行かんこうされるようになり、これは笑話しょうわを高座こうざで演えんじる落語らくごに発展はってんした。

食しょく文化ぶんか

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日本にっぽん料理りょうりの一いち例れい

日本にっぽんの国土こくどは大だい部分ぶぶんが温帯おんたいに属ぞくし、南北なんぼくに長ながく、海洋かいように囲かこまれているため、四季しきがはっきりしており降水こうすい量りょうも多おおい。そのため、魚介類ぎょかいるいや海藻かいそう、野菜やさいや山菜さんさい、果物くだものなど様々さまざまな食品しょくひんが自然しぜんの恵めぐみとして得えられる。また、稲作いなさくの導入どうにゅう、仏教ぶっきょうや鉄砲てっぽうの伝来でんらい、鎖国さこくや文明開化ぶんめいかいか、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんなどを経へて、様々さまざまな異ことなる食しょく文化ぶんかの影響えいきょうを取捨選択しゅしゃせんたくした独自どくじの食しょく文化ぶんかが成なり立たっている。日本にっぽんの伝統でんとう的てきな食しょく文化ぶんかである和食わしょくはユネスコの無形むけい文化ぶんか遺産いさんに登録とうろくされた。特徴とくちょう的てきなのは刺身さしみや生なま卵たまごなど生食なましょくが見みられ、新鮮しんせんさや衛生えいせい安全あんぜん性せいがかなえられている。現在げんざいの日本にっぽんでは貿易ぼうえきや情報じょうほう通信つうしんなどの発展はってんに伴ともない、伝統でんとう的てきな日本にっぽんの食しょく文化ぶんかだけでなく、世界中せかいじゅうの食品しょくひんや料理りょうり、風習ふうしゅうなどを伴ともなう食しょく文化ぶんかに接せっすることができる。

四季しきがあり降水こうすい量りょうが多おおいため、食材しょくざいとしては米こめを含ふくむ穀物こくもつ、野菜やさいや山菜さんさいなどの種類しゅるいが豊富ほうふである。また暖流だんりゅうと寒流かんりゅうが交まじわる海洋かいように囲かこまれているため、魚介ぎょかい類るいや海藻かいそうなどの種類しゅるいも豊富ほうふである。これらの食品しょくひんは、多おおく採とれかつ味あじの良よくなる旬しゅんを大事だいじにする形かたちで利用りようされてきた。一方いっぽうで、ウシやニワトリなどの肉食にくしょくが禁止きんしされたことがあることなどの影響えいきょうから、食肉しょくにくや乳製品にゅうせいひんはあまり普及ふきゅうしなかった。現在げんざいでは食肉しょくにくや乳製品にゅうせいひんも一般いっぱん的てきに利用りようされており、また小麦こむぎや大豆だいずなど輸入ゆにゅうが多おおい食品しょくひんもある。また、食品しょくひんの貯蔵ちょぞうや調理ちょうりに用もちいた縄文じょうもん土器どきや、食器しょっきに用もちいる漆器しっきや陶磁器とうじき、調理ちょうりに用もちいる包丁ほうちょうなど、様々さまざまな道具どうぐが用もちいられてきた。

一いち汁しる三さん菜さいなど飯めしを中心ちゅうしんとしたメニュー、献立こんだてが多おおい。また様々さまざまな食品しょくひんと豊富ほうふな水みずを利用りようした「だし」によるうま味みも特徴とくちょうとして挙あげられる。味付あじつけの多おおくは、鰹かつお出汁だし、昆布こぶ出汁だし、醤油じょうゆ、砂糖さとう、塩しお、穀物こくもつ酢す、みりん、味噌みそ、菜種油なたねあぶらで構成こうせいされる。日本にっぽん料理りょうりの代表だいひょうとして刺身さしみ、天てんぷら、豚とんカツ、蕎麦そば、寿司すし、すき焼やき、和菓子わがしなどがある。伝統でんとう的てきな食事しょくじは、比較ひかく的てきに栄養えいようバランスに優すぐれ低ひくカロリーという特徴とくちょうがある。一方いっぽうで昔むかしでは凶作きょうさくや戦争せんそう、貧困ひんこんなどによる栄養失調えいようしっちょうや生活せいかつ習慣しゅうかん病びょうもあった。

食事しょくじの際さいの挨拶あいさつや、食器しょっきを手てに持もつことが許ゆるされ、音おとをたてて食事しょくじをすることに寛容かんようなど、独自どくじの作法さほうがある。

文学ぶんがく・思想しそう

『源氏物語げんじものがたり絵巻えまき』橋はし姫ひめ詞書ことばがき（12世紀せいき）

漢字かんじは、5世紀せいき以後いごより日本語にほんごの表記ひょうき体系たいけいとして用もちいられるようになった。律令制りつりょうせい下かには口頭こうとう文芸ぶんげいに端はしを発はっする『万葉集まんようしゅう』のような和歌集わかしゅうが編あまれたほか、『古事記こじき』『日本書紀にほんしょき』『風土記ふどき』などが編纂へんさんされている。儒教じゅきょう・仏教ぶっきょうはこの時代じだいに政治せいじ体制たいせいの一部いちぶとして組くみ入いれられた。平安へいあん時代じだいには『凌しのげ雲集うんしゅう』のような勅撰ちょくせん漢かん詩集ししゅうが編あまれたほか、仮名かめい文字もじの普及ふきゅうにともない、以前いぜんの万まん葉よう和歌わかとは異質いしつの、貴族きぞく文学ぶんがくとしての体裁ていさいを有ゆうする『古今ここん和歌集わかしゅう』といった和歌集わかしゅうがつくられた。また、物語ものがたりや日記にっき文学ぶんがくといった散文さんぶん文学ぶんがくも発達はったつしていき、紫式部むらさきしきぶの『源氏物語げんじものがたり』のような長編ちょうへん文学ぶんがくも生うまれた。また、この時代じだいには密教みっきょうが導入どうにゅうされ、国家こっか鎮護ちんごを願ねがう顕教けんぎょうとともに両輪りょうりんを担になった。末法まっぽう思想しそうの膾炙かいしゃにともない浄土じょうど教きょうが発展はってんしたほか、神道しんとうの神かみを仏教ぶっきょうの諸しょ仏ふつの現あらわれ方かたのひとつとする本地垂迹ほんじすいじゃく思想しそうがうまれた。

鎌倉かまくら時代じだいには『新しん古今ここん和歌集わかしゅう』が編あまれたほか、武家ぶけ政権せいけんの成立せいりつを背景はいけいに『平家ひらか物語ものがたり』といった軍記物語ぐんきものがたりがうまれた。また、仏教ぶっきょうでは浄土宗じょうどしゅう・浄土真宗じょうどしんしゅう・時宗じしゅう・日蓮宗にちれんしゅうといった新しん宗派しゅうはがうまれたほか、臨済宗りんざいしゅう・曹洞宗そうとうしゅうといった禅宗ぜんしゅうが導入どうにゅうされた。中世ちゅうせい後期こうきの室町むろまち時代じだいには連歌れんががあらわれたほか、庶民しょみん文学ぶんがくである御伽草子おとぎぞうしもうまれた。神道しんとうでは、神かみを中心ちゅうしんとして儒・仏ふつ・道みちの諸しょ思想しそうを習合しゅうごうする吉田よしだ神道しんとうがうまれ、近世きんせいにはほとんどの神職しんしょくがその影響えいきょう下かに入はいった。近世きんせいには町人ちょうにん文化ぶんかが台頭たいとうし、上方かみがたでは井原いはら西鶴さいかくなどにより浮世草子うきよぞうしが書かかれたほか、江戸えどでも洒落本しゃれぼん・滑稽本こっけいぼん・人情本にんじょうぼん・読本とくほん・草双紙くさぞうしのような多彩たさいな庶民しょみん文学ぶんがくがうまれた。幕まく藩はん体制たいせいの思想しそう的てき基盤きばんとしては朱子学しゅしがくが採用さいようされた一方いっぽう、陽明学ようめいがく派はや古学こがく派はなどはこれを批判ひはんした。日本にっぽん古代こだいを研究けんきゅうすることにより日本にっぽん独自どくじの精神せいしん性せいを見出みいだそうとする国学こくがくは、江戸えど時代じだい中期ちゅうきごろより発展はってんした。

明治めいじ以降いこうには欧米おうべい文化ぶんかの影響えいきょうを受うけ、坪内つぼうち逍遥しょうよう・二葉亭四迷ふたばていしめい・森もり鷗外らによって言文げんぶん一致いっちの近代きんだい文学ぶんがくが確立かくりつされた。明治めいじ末まつから大正たいしょうにかけては自然しぜん主義しゅぎが一世いっせいを風靡ふうびし、白樺しらかんば派はや耽美たんび派はがそれに対抗たいこうした。また、昭和しょうわ前期ぜんきにはプロレタリア文学ぶんがくや新しん感覚かんかく派はが、戦後せんごには無頼ぶらい派はや戦後せんご派はが登場とうじょうした。1968年ねんには川端かわばた康成やすなりが、1994年ねんには大江おおえ健三郎けんざぶろうがノーベル文学ぶんがく賞しょうを受賞じゅしょうした。

マスメディア

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街頭がいとうインタビューの様子ようす（2008年ねん）

新聞しんぶんは、日本にっぽんのマスメディアにおける中心ちゅうしん的てきな地位ちいを有ゆうしている。全国ぜんこく紙しの発行はっこう部数ぶすうは数すう百ひゃく万まん部ぶから1000万まん部ぶ近ちかくにのぼり、これは全ぜん世界せかいの新聞しんぶんの中なかでも多おおい。日本にっぽんでは、朝日新聞あさひしんぶん・毎日新聞まいにちしんぶん・読売新聞よみうりしんぶん・日本経済新聞にほんけいざいしんぶん・産経新聞さんけいしんぶんの5紙しが全国ぜんこく紙しと呼称こしょうされている。また、地方ちほう紙しは各かく道府県どうふけん内ないで寡占かせん的てきな地位ちいを占しめている。新聞しんぶんは過当かとう競争きょうそうの防止ぼうしを目的もくてきとした特殊とくしゅ指定していの適用てきようを受うけているが、公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいは「新聞しんぶん業ぎょうにおける特定とくていの不ふ公正こうせいな取引とりひき方法ほうほう」としてその見直みなおしを求もとめていて、業界ぎょうかい団体だんたいである日本にっぽん新聞しんぶん協会きょうかいと対立たいりつしている。なお、新聞しんぶんは消費しょうひ税ぜいの軽減けいげん税率ぜいりつ適用てきよう対象たいしょうとなっている。また、テレビの影響えいきょう力りょくも大おおきく、NHK放送ほうそう文化ぶんか研究所けんきゅうじょの国民こくみん生活せいかつ時間じかん調査ちょうさによると、2020年ねんの国民こくみん全体ぜんたいのテレビ視聴しちょう率りつは79%であった。公共こうきょうの電波でんぱを使用しようするテレビ放送ほうそう・ラジオ放送ほうそうについては、放送ほうそう法ほう・電波でんぱ法ほうの定さだめにより、総務そうむ省しょうが発行はっこうする放送ほうそう事業じぎょう者しゃ免許めんきょが必要ひつようである。放送ほうそう法ほう第だい4条じょうでは中立ちゅうりつな内容ないようの放送ほうそうが義務付ぎむづけられているが、2018年ねんには同どう条じょうの撤廃てっぱいも検討けんとうされている。総務そうむ省しょう所掌しょしょうの公共こうきょう放送ほうそうである日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい（NHK）の予算よさんは、放送ほうそう法ほう第だい70条じょうの定さだめにより、国会こっかいの承認しょうにんを必要ひつようとする。

日本にっぽん独特どくとくの慣習かんしゅうとして記者きしゃクラブ制度せいどがあり、加盟かめいしているマスメディアのみが政府せいふや行政ぎょうせい機関きかんなどの記者きしゃ会見かいけんを独占どくせんし、情報じょうほうを受うけるメリットを享受きょうじゅしている。記者きしゃクラブが開催かいさいしている会見かいけんは、加盟かめいマスコミ以外いがいを排除はいじょしており、報道ほうどうの自由じゆうを侵害しんがいしているとフリージャーナリストや外国がいこくメディアなどからの批判ひはんが多おおい。

2020年ねんの『世界せかい報道ほうどう自由じゆう度どランキング』では、調査ちょうさ対象たいしょう国こく180か国こく中ちゅう第だい66位いとされ、各国かっこくを5段階だんかいに分わけた分類ぶんるいでは上うえから3番目ばんめの『顕著けんちょな問題もんだいのある国くに』にカテゴライズされている。一方いっぽうで、「フリーダム・ハウス」の『Freedom of the Press 2017』においては、199カ国かこく中ちゅう48位いで、報道ほうどうの自由じゆうが確保かくほされている（free）国こくと判定はんていされている。この他ほかにインターネット上じょうの自由じゆう度どに関かんする報告ほうこく書しょの『Freedom on the Net 2019』において日本にっぽんは65カ国かこく中ちゅう11位いに位置いちづけられ、インターネット上じょうの自由じゆうが確保かくほされている国くにと判定はんていされており、『Freedom in the World 2020』において日本にっぽんの全般ぜんぱん的てきな自由じゆう度どは100点てん満点まんてん中ちゅう96点てんと評定ひょうじょうされ、アジアで最もっとも自由じゆうな国くにとして位置いちづけられている。

コンテンツ産業さんぎょう

日本にっぽんにおける映画えいが興行こうぎょうの歴史れきしは1896年ねんにはじまり、翌年よくねんより日本にっぽん映画えいがの制作せいさくがはじまった。2023年ねん現在げんざい、日本にっぽんの映画えいが興行こうぎょう収入しゅうにゅうは年間ねんかん2214億おく8200万まん円えんであり、うち66.9%が邦画ほうがによるものである。日本にっぽんの映画えいが興行こうぎょう収入しゅうにゅうは、北米ほくべいと中国ちゅうごくに次つぐ世界せかい第だい3位いの規模きぼとなっている。2022年ねん現在げんざい、日本にっぽん映画えいがから5作品さくひんがアカデミー国際こくさい長編ちょうへん映画えいが賞しょう（および名誉めいよ賞しょう）を受賞じゅしょうしている。

現代げんだいにつながる日本にっぽんの漫画まんがは明治めいじ時代じだいにポンチ絵ぽんちえの延長線えんちょうせん上じょうにあるものとしてはじまり、大正たいしょう時代じだいにはある程度ていどの表現ひょうげん手法しゅほうが確立かくりつした。また、同どう時期じきには国産こくさんアニメの制作せいさくもはじまった。これらのアニメ・漫画まんが産業さんぎょうは特とくに戦後せんご以降いこうに大おおきく発展はってんした。また、1970年代ねんだいには国内こくないでアーケードゲームが流通りゅうつうしはじめ、続つづいて国産こくさん家庭かてい用ようゲームもあらわれた。2022年ねん現在げんざい、日本にっぽんのコンテンツ市場いちば規模きぼは12兆ちょう4418億おく円えん、海外かいがいにおけるコンテンツ売上うりあげ市場いちば規模きぼは4兆ちょう7000億おく円えんである。

音楽おんがく

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IFPIの『GLOBAL MUSIC REPORT 2024』によれば、日本にっぽんの音楽おんがく市場いちばはアメリカに次つぎ、世界せかいで2番目ばんめに大おおきい。戦後せんご日本にっぽんのポピュラー音楽おんがくは主おもにアメリカ音楽おんがくの影響えいきょうを受うけて発展はってんし、ジャズ・ロック・フォークソング・ヒップホップなどが生産せいさんされた。また、同様どうようにアメリカ音楽おんがくのスタイルを摂取せっしゅしつつも、国内こくないで独自どくじに発展はってんしたジャンルとして歌謡かよう曲きょくやJ-POPといったものがある。日本にっぽんレコード協会きょうかいによる2019年度ねんど音楽おんがくメディアユーザー実態じったい調査ちょうさによれば、「よく聞きく音楽おんがく」として、全体ぜんたいの64.2%が日本にっぽんのポップス・ロック・ダンスミュージック、34.5%が海外かいがいのポップス・ロック・ダンスミュージック、18.4%がアニメ・声優せいゆう・ゲーム・ネット・ボカロ系けい音楽おんがく、17.5%がクラシック、15.9%がアイドルミュージック、12.4%がジャズ、9.7%が演歌えんか・歌謡かよう曲きょくを挙あげた。

スポーツ

→詳細しょうさいは「日本にっぽんのスポーツ」を参照さんしょう

相撲すもうの土俵入どひょういり（2005年ねん）

相撲すもうが日本にっぽんの国技こくぎとされている。また、柔道じゅうどうや剣道けんどうといった武道ぶどうは、日本にっぽんの高校こうこう教育きょういく課程かていの一部いちぶに含ふくまれている。野球やきゅうは、国内こくないで最もっとも人気にんきのあるスポーツであり、笹川ささかわスポーツ財団ざいだんの2022年ねんの調査ちょうさによれば国民こくみんの8.7%が直接ちょくせつ、46.0%がテレビでプロ野球やきゅうを観戦かんせんしていた。プロ野球やきゅうを統括とうかつする日本にっぽん野球やきゅう機構きこう（NPB）は1936年ねんに設立せつりつされた。1992年ねんの日本にっぽんプロサッカーリーグ（Jリーグ）設立せつりつ以来いらい、サッカーも人気にんきを博はくしており、2002 FIFAワールドカップは日本にっぽん・韓国かんこくの共催きょうさいであった。日本にっぽんはAFCアジアカップで4回かい優勝ゆうしょうしているほか、2011 FIFA女子じょしワールドカップでも優勝ゆうしょうしている。また、アジアでもっともラグビーユニオンが盛さかんな国くにでもあり、ラグビーワールドカップ2019を主催しゅさいした。

日本にっぽんは1964年ねん東京とうきょうオリンピック・1972年ねん札幌さっぽろオリンピック・1998年ねん長野ながのオリンピック・2020年ねん東京とうきょうオリンピックの開催かいさい国こくとなっている。また、2006年ねんバスケットボール世界せかい選手権せんしゅけんおよび、2023年ねんFIBAバスケットボール・ワールドカップ（共催きょうさい）の開催かいさい国こくでもあった。バレーボール女子じょし世界せかい選手権せんしゅけんは国内こくないで5回かい開催かいさいされており、これは世界せかい最多さいたである。

格闘技かくとうぎでは日本にっぽんはキックボクシングやK-1の発祥はっしょう国こくである。

祝祭日しゅくさいじつ

→詳細しょうさいは「国民こくみんの祝日しゅくじつ」を参照さんしょう

日付ひづけ	日本語にほんご表記ひょうき	備考びこう
1月がつ1日にち	元日がんじつ
1月がつ第だい2月曜日げつようび	成人せいじんの日ひ	移動いどう祝日しゅくじつ
2月がつ11日にち	建国けんこく記念きねんの日ひ
2月がつ23日にち	天皇誕生日てんのうたんじょうび
3月21日にち前後ぜんこう	春分しゅんぶんの日ひ	移動いどう祝日しゅくじつ（黄道こうどう上じょうで太陽たいようが黄き経けい0度ど・春分しゅんぶん点てんを通過つうかする日ひ）
4月がつ29日にち	昭和しょうわの日ひ	旧きゅう：みどりの日ひ（ - 2006年ねん）
5月3日にち	憲法記念日けんぽうきねんび
5月4日にち	みどりの日ひ	旧きゅう：国民こくみんの休日きゅうじつ（ - 2006年ねん）
5月5日にち	こどもの日ひ
7月がつ第だい3月曜日げつようび	海うみの日ひ	移動いどう祝日しゅくじつ
8月がつ11日にち	山やまの日ひ	2014年ねん（平成へいせい26年ねん）制定せいてい、2016年ねん（平成へいせい28年ねん）に施行しこう
9月第だい3月曜日げつようび	敬老けいろうの日ひ	移動いどう祝日しゅくじつ
9月23日にち前後ぜんこう	秋分しゅうぶんの日ひ	移動いどう祝日しゅくじつ（黄道こうどう上じょうで太陽たいようが黄き経けい180度ど・秋分しゅうぶん点てんを通過つうかする日ひ）
10月がつ第だい2月曜日げつようび	スポーツの日ひ	移動いどう祝日しゅくじつ
11月3日にち	文化ぶんかの日ひ
11月23日にち	勤労感謝きんろうかんしゃの日ひ

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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