法 ほう の下 した の平等 びょうどう (ほうのもとのびょうどう、英語 えいご : equality under the law )とは、国民 こくみん 1人 ひとり 1人 にん が国家 こっか との法的 ほうてき 権利 けんり ・義務 ぎむ の関係 かんけい において等 ひと しく扱 あつか われなければならないという観念 かんねん 。平等 びょうどう 則 そく (びょうどうそく)または平等 びょうどう 原則 げんそく (びょうどうげんそく)と呼 よ ばれることもある。近代 きんだい 憲法 けんぽう では「平等 びょうどう 」は基本 きほん 的 てき な原則 げんそく であり、多 おお くの国 くに でこのような規定 きてい が見 み られる。ただし、平等 びょうどう 原則 げんそく の規定 きてい ・用語 ようご については国 くに や時代 じだい により微妙 びみょう に差異 さい があり[1] 、法 ほう の前 まえ の平等 びょうどう (フランス語 ふらんすご : égalité devant la loi 、英語 えいご : equality before the law )として規定 きてい されている場合 ばあい もある[2] 。
平等 びょうどう 思想 しそう そのものの淵源 えんげん は、古 ふる くは、古代 こだい ギリシャ思想 しそう あるいは中世 ちゅうせい キリスト教 きりすときょう の教 きょう 説 せつ (神 かみ の前 まえ の平等 びょうどう )にまで遡 さかのぼ る[3] [4] 。
しかし、平等 びょうどう 原則 げんそく が国家 こっか と人間 にんげん の在 あ り方 かた として捉 とら えられるようになったのは近代 きんだい 以後 いご である[3] 。自然 しぜん 法 ほう の観念 かんねん と結 むす びついて確立 かくりつ された「平等 びょうどう 」の観念 かんねん は、人々 ひとびと を旧来 きゅうらい の封建 ほうけん 的 てき な身分 みぶん 制 せい 秩序 ちつじょ から解放 かいほう し、自律 じりつ 的 てき な市民 しみん を創 つく りだす必須 ひっす の条件 じょうけん であった[4] 。「平等 びょうどう 」の観念 かんねん は「自由 じゆう 」の観念 かんねん と不可分 ふかぶん なものとして近代 きんだい 市民 しみん 革命 かくめい の旗印 はたじるし となった[4] 。1776年 ねん のアメリカ独立 どくりつ 宣言 せんげん は「われわれは、すべての人々 ひとびと が平等 びょうどう に造 つく られ、造物主 ぞうぶつしゅ によって一定 いってい の奪 うば いがたい天賦 てんぷ の権利 けんり を付与 ふよ され……ていることを、自明 じめい の真理 しんり として信 しん ずる」としている[4] 。また、1789年 ねん のフランス人権 じんけん 宣言 せんげん も「人 ひと は、自由 じゆう かつ権利 けんり において平等 びょうどう なものとして出生 しゅっしょう し、かつ生存 せいぞん する」とし法 ほう の下 した の平等 びょうどう の保障 ほしょう について述 の べている[4] 。
1945年 ねん 国連 こくれん 総会 そうかい 決議 けつぎ で採択 さいたく された世界 せかい 人権 じんけん 宣言 せんげん の法的 ほうてき 保障 ほしょう と違反 いはん に対 たい する法的 ほうてき 救済 きゅうさい を目的 もくてき に欧州 おうしゅう 評議 ひょうぎ 会 かい により採択 さいたく された人権 じんけん と基本 きほん 的 てき 自由 じゆう の保護 ほご のための条約 じょうやく や国連 こくれん 総会 そうかい による市民 しみん 的 てき 及 およ び政治 せいじ 的 てき 権利 けんり に関 かん する国際 こくさい 規約 きやく 第 だい 26条 じょう は『法 ほう の下 した の平等 びょうどう 』を明記 めいき し、第 だい 2条 じょう で如何 いか なる差別 さべつ なしに規約 きやく の保障 ほしょう する自由 じゆう 権 けん の享受 きょうじゅ の保障 ほしょう を明記 めいき し、同時 どうじ に採択 さいたく された経済 けいざい 的 てき 、社会 しゃかい 的 てき 及 およ び文化 ぶんか 的 てき 権利 けんり に関 かん する国際 こくさい 規約 きやく の弟 おとうと 2条 じょう も同 どう 規約 きやく の定 さだ める社会 しゃかい 権 けん を差別 さべつ なく享受 きょうじゅ することを保障 ほしょう している。
絶対 ぜったい 的 てき 平等 びょうどう と相対 そうたい 的 てき 平等 びょうどう [ 編集 へんしゅう ]
平等 びょうどう の観念 かんねん には、個々 ここ の条件 じょうけん にかかわらず機械 きかい 的 てき に均等 きんとう に扱 あつか う絶対 ぜったい 的 てき 平等 びょうどう と、同 どう 一 いち 条件 じょうけん のもとにおいて均等 きんとう に扱 あつか う相対 そうたい 的 てき 平等 びょうどう がある。
法律 ほうりつ 上 じょう の均一 きんいつ 取扱 とりあつか いの要請 ようせい が人間 にんげん 平等 びょうどう の理念 りねん に基 もと づくものであるとすれば、いかなる例外 れいがい も存在 そんざい すべきではないという立場 たちば も観念 かんねん 的 てき には成 な り立 た つが、各人 かくじん はその事実 じじつ 状態 じょうたい において千差万別 せんさばんべつ である[5] 。しかし、各人 かくじん の事実 じじつ 上 じょう の差異 さい を一切 いっさい 捨象 しゃしょう して法律 ほうりつ 上 じょう 均一 きんいつ に取 と り扱 あつか うことは、場合 ばあい によっては、かえって不合理 ふごうり な結果 けっか をもたらすこともありうる[5] 。そのような場合 ばあい には事実 じじつ 上 じょう 差異 さい を考慮 こうりょ に入 い れた取 と り扱 あつか いを定 さだ めることが必要 ひつよう となるため、平等 びょうどう 原則 げんそく における平等 びょうどう は相対 そうたい 的 てき 平等 びょうどう の意 い と解 かい されている[5] 。
形式 けいしき 的 てき 平等 びょうどう と実質 じっしつ 的 てき 平等 びょうどう [ 編集 へんしゅう ]
形式 けいしき 的 てき 平等 びょうどう (機会 きかい 平等 びょうどう 主義 しゅぎ )とは、すべての国民 こくみん に対 たい して経済 けいざい 活動 かつどう 等 とう の行為 こうい の機会 きかい を平等 びょうどう に与 あた えようとする機会 きかい の平等 びょうどう を意味 いみ する。一方 いっぽう 、実質 じっしつ 的 てき 平等 びょうどう (結果 けっか 平等 びょうどう 主義 しゅぎ )とは、すべての国民 こくみん の経済 けいざい 活動 かつどう 等 とう の行為 こうい の結果 けっか を平等 びょうどう にしていこうとする結果 けっか の平等 びょうどう を意味 いみ する。
憲法 けんぽう 原理 げんり における平等 びょうどう 原則 げんそく は、すべての人 ひと の人格 じんかく 的 てき 価値 かち は平等 びょうどう であるという理念 りねん を前提 ぜんてい にしつつ、そもそもは国家 こっか による法律 ほうりつ 上 じょう の不 ふ 均一 きんいつ な取扱 とりあつか いを禁 きん ずるもので、それ以上 いじょう に進 すす んで実際 じっさい 上 うえ 存在 そんざい する社会 しゃかい 的 てき ・経済 けいざい 的 てき 不平等 ふびょうどう の是正 ぜせい の要求 ようきゅう まで含 ふく むものではなかった[6] 。そこでは国家 こっか の最大 さいだい の任務 にんむ は各人 かくじん の自由 じゆう な活動 かつどう の保障 ほしょう にあり、それによる結果 けっか の不平等 ふびょうどう は各人 かくじん の能力 のうりょく や働 はたら きによるものとして、各人 かくじん の責任 せきにん に帰 かえ せしめるべきという形式 けいしき 的 てき 平等 びょうどう 観 かん に立 た っていた[6] 。
ところが、機会 きかい の平等 びょうどう の保障 ほしょう を主眼 しゅがん とする形式 けいしき 的 てき 平等 びょうどう 観 かん のもとで生 う み出 だ された結果 けっか の不平等 ふびょうどう が、無視 むし しえない政治 せいじ 的 てき 問題 もんだい や社会 しゃかい 的 てき 問題 もんだい にまで及 およ ぶと、結果 けっか の不平等 ふびょうどう を各人 かくじん の自己 じこ 責任 せきにん に帰 かえ せしめる不合理 ふごうり 性 せい が次第 しだい に認識 にんしき されるようになり、実際 じっさい 上 じょう 存在 そんざい する社会 しゃかい 的 てき ・経済 けいざい 的 てき 不平等 ふびょうどう の是正 ぜせい への取 と り組 く みが国家 こっか に対 たい して求 もと められるようになった[6] 。そこで憲法 けんぽう の平等 びょうどう の観念 かんねん も、国家 こっか による不平等 ふびょうどう 取扱 とりあつか いの禁止 きんし という消極 しょうきょく 的 てき な内容 ないよう のものから国家 こっか による平等 びょうどう の実現 じつげん という積極 せっきょく 的 てき な内容 ないよう をもつものへと変化 へんか した[7] 。
ただし、「自由 じゆう 」の理念 りねん との関係 かんけい において結果 けっか の不平等 ふびょうどう を完全 かんぜん に解消 かいしょう することは両立 りょうりつ し得 え ないとも考 かんが えられ両者 りょうしゃ の関係 かんけい が問題 もんだい となる[6] 。「自由 じゆう 」の理念 りねん は「個性 こせい と能力 のうりょく に応 おう じた人格 じんかく の展開 てんかい を内実 ないじつ とし、努力 どりょく に対 たい する正当 せいとう な評価 ひょうか を求 もと めるもの」とされるからである[8] 。したがって、実質 じっしつ 的 てき 平等 びょうどう といっても徹底 てってい した結果 けっか の平等 びょうどう ではなく、形骸 けいがい 化 か した機会 きかい の平等 びょうどう を実質 じっしつ 的 てき に確保 かくほ するための基盤 きばん 形成 けいせい という意味 いみ にとどまるものと解 ほぐ されている[8] 。
大日本帝国 だいにっぽんていこく 憲法 けんぽう (明治 めいじ 憲法 けんぽう )[ 編集 へんしゅう ]
大日本帝国 だいにっぽんていこく 憲法 けんぽう (明治 めいじ 憲法 けんぽう )は平等 びょうどう 原則 げんそく について公務 こうむ 就任 しゅうにん 権 けん についてのみ規定 きてい を置 お いており[9] 、公務 こうむ 就任 しゅうにん 能力 のうりょく 以外 いがい の事項 じこう には原則 げんそく として平等 びょうどう は及 およ ばず[10] 、憲法 けんぽう 上 じょう の機会 きかい の平等 びょうどう は限定 げんてい されたものであった[2] 。
大日本帝国 だいにっぽんていこく 憲法 けんぽう が模範 もはん とした、1850年 ねん プロイセン憲法 けんぽう では「プロイセン人 じん は、法律 ほうりつ の前 まえ に平等 びょうどう である。階級 かいきゅう の特権 とっけん は、これを認 みと めない。法律 ほうりつ に定 さだ める条件 じょうけん を備 そな えた有 ゆう 資格 しかく 者 しゃ は、均 ひと しく公務 こうむ に就 つ くことができる」と定 さだ めていたが、明治 めいじ 憲法 けんぽう は公務 こうむ 就任 しゅうにん 能力 のうりょく の規定 きてい だけを置 お くにとどめている[10] 。明治 めいじ 憲法 けんぽう 下 か では男女 だんじょ 間 あいだ の不平等 ふびょうどう も「均 ひとし ク」の原理 げんり に反 はん するとは考 かんが えられておらず、女性 じょせい は民法 みんぽう 、刑法 けいほう 、国籍 こくせき 法 ほう など広汎 こうはん な領域 りょういき において著 いちじる しく不利 ふり な状態 じょうたい に置 お かれていた[10] 。
日本国 にっぽんこく 憲法 けんぽう においては第 だい 14条 じょう に規定 きてい がある。
日本国 にっぽんこく 憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう
すべて国民 こくみん は、法 ほう の下 した に平等 びょうどう であって、人種 じんしゅ 、信条 しんじょう 、性別 せいべつ 、社会 しゃかい 的 てき 身分 みぶん 又 また は門地 もんち により、政治 せいじ 的 てき 、経済 けいざい 的 てき 又 また は社会 しゃかい 的 てき 関係 かんけい において、差別 さべつ されない。
華族 かぞく その他 た の貴族 きぞく の制度 せいど は、これを認 みと めない。
栄誉 えいよ 、勲章 くんしょう その他 た の栄典 えいてん の授与 じゅよ は、いかなる特権 とっけん も伴 とも はない。栄典 えいてん の授与 じゅよ は、現 げん にこれを有 ゆう し、又 また は将来 しょうらい これを受 う ける者 もの の一 いち 代 だい に限 かぎ り、その効力 こうりょく を有 ゆう する。
このほか、公務員 こうむいん の選挙 せんきょ における平等 びょうどう が第 だい 15条 じょう 第 だい 3項 こう 及 およ び第 だい 44条 じょう 但書 ただしがき 、家族 かぞく 生活 せいかつ における両性 りょうせい の平等 びょうどう が第 だい 24条 じょう 、教育 きょういく の機会 きかい 均等 きんとう が第 だい 26条 じょう に定 さだ められている。
憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう の法的 ほうてき 性格 せいかく [ 編集 へんしゅう ]
憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 第 だい 1項 こう については国政 こくせい の指針 ししん を定 さだ める客観 きゃっかん 的 てき 法 ほう 原則 げんそく (平等 びょうどう 原則 げんそく )を定 さだ めると同時 どうじ に平等 びょうどう に取 と り扱 あつか われる権利 けんり ないし差別 さべつ されない権利 けんり という個人 こじん 的 てき ・主観 しゅかん 的 てき 権利 けんり (平等 びょうどう 権 けん )をも保障 ほしょう している(通説 つうせつ )[11] [12] 。
憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう の定 さだ める平等 びょうどう は相対 そうたい 的 てき 平等 びょうどう を意味 いみ する(通説 つうせつ )[5] 。先述 せんじゅつ のように、各人 かくじん の事実 じじつ 上 じょう の差異 さい を一切 いっさい 捨象 しゃしょう して法律 ほうりつ 上 じょう 均一 きんいつ に取 と り扱 あつか うことは、場合 ばあい によっては、かえって不合理 ふごうり な結果 けっか をもたらすこともありうるからである[5] 。このように解 げ する場合 ばあい 、憲法 けんぽう 上 じょう 許容 きょよう される異 こと なった取扱 とりあつか いと憲法 けんぽう 上 じょう 許容 きょよう されない不 ふ 平等 びょうどう な取扱 とりあつか いをどのような標準 ひょうじゅん で区別 くべつ するかという問題 もんだい がある[5] (違憲 いけん 審査 しんさ 基準 きじゅん の問題 もんだい )。
また、憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう の定 さだ める平等 びょうどう 原則 げんそく は、あくまでも国家 こっか による不平等 ふびょうどう 取扱 とりあつか いの禁止 きんし ・法律 ほうりつ 上 じょう の均一 きんいつ 取扱 とりあつか いの要求 ようきゅう という形式 けいしき 的 てき 平等 びょうどう を内容 ないよう とする(通説 つうせつ )[5] [13] 。実質 じっしつ 的 てき 平等 びょうどう の実現 じつげん の役割 やくわり は社会 しゃかい 権 けん 条項 じょうこう が担 にな う問題 もんだい であって、そのための法律 ほうりつ 上 じょう の不 ふ 均一 きんいつ な取扱 とりあつか いは憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう に違反 いはん しないという限度 げんど において、憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう は実質 じっしつ 的 てき 平等 びょうどう の観念 かんねん を反映 はんえい するものと解 ほぐ されている[5] [13] 。ただし、現実 げんじつ に存在 そんざい する不平等 ふびょうどう を解消 かいしょう するためには形式 けいしき 的 てき 平等 びょうどう を謳 うた うのみでは不十分 ふじゅうぶん で実質 じっしつ 的 てき 平等 びょうどう の観点 かんてん についても憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 第 だい 1項 こう で考慮 こうりょ すべきとする有力 ゆうりょく な見解 けんかい もある。
平等 びょうどう 原則 げんそく と適用 てきよう 領域 りょういき [ 編集 へんしゅう ]
憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 第 だい 1項 こう の「法 ほう の下 した 」という文言 もんごん をめぐっては、かつて立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ と立法 りっぽう 者 しゃ 拘束 こうそく 説 せつ による議論 ぎろん があった[14] 。
立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ (法 ほう 適用 てきよう 平等 びょうどう 説 せつ )
「法 ほう の下 した 」という文言 もんごん は、法 ほう 適用 てきよう の平等 びょうどう のみを意味 いみ し、立法 りっぽう 者 しゃ を拘束 こうそく しないとする説 せつ 。
ドイツのヴァイマル憲法 けんぽう 下 か の法理 ほうり 論 ろん で、平等 びょうどう 原則 げんそく による拘束 こうそく は行政 ぎょうせい と司法 しほう にのみ及 およ び立法 りっぽう 者 しゃ には及 およ ばないとする学説 がくせつ を受 う けたものである[14] 。
ただし、日本 にっぽん の立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ は、憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 第 だい 1項 こう の立法 りっぽう 者 しゃ 拘束 こうそく 性 せい を全 まった く否定 ひてい するものではなく、前段 ぜんだん の一般 いっぱん 的 てき 平等 びょうどう 原則 げんそく は法 ほう 適用 てきよう の平等 びょうどう を意味 いみ し、後段 こうだん の人種 じんしゅ ・信条 しんじょう 等 とう による差別 さべつ の禁止 きんし は立法 りっぽう 者 しゃ をも拘束 こうそく すると解 げ する[14] 。そして、後段 こうだん の規定 きてい について限定 げんてい 列挙 れっきょ であるとして特 とく に重要 じゅうよう な意義 いぎ を認 みと め、後段 こうだん 列挙 れっきょ 事由 じゆう に基 もと づく別 べつ 異 い 取扱 とりあつか いは絶対 ぜったい 的 てき に禁止 きんし されるとする[15] 。
立法 りっぽう 者 しゃ 拘束 こうそく 説 せつ (法 ほう 内容 ないよう 平等 びょうどう 説 せつ )
「法 ほう の下 した 」という文言 もんごん は、法 ほう 内容 ないよう も平等 びょうどう であることを意味 いみ し、立法 りっぽう 者 しゃ を拘束 こうそく するとする説 せつ 。
立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ (法 ほう 適用 てきよう 平等 びょうどう 説 せつ )に対 たい しては内容 ないよう が不平等 ふびょうどう であれば平等 びょうどう に適用 てきよう しても適正 てきせい な結果 けっか は得 え られないという批判 ひはん がある。ヴァイマル憲法 けんぽう 下 か でも旧 きゅう 説 せつ (立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ )への批判 ひはん から立法 りっぽう 者 しゃ をも拘束 こうそく するという新説 しんせつ が唱 とな えられ、次第 しだい に有力 ゆうりょく となり、平等 びょうどう 原則 げんそく の立法 りっぽう 者 しゃ 拘束 こうそく 性 せい を肯定 こうてい する学説 がくせつ がドイツでの通説 つうせつ となるに至 いた っている[14] 。
日本 にっぽん の立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ (法 ほう 適用 てきよう 平等 びょうどう 説 せつ )は平等 びょうどう 原則 げんそく 自体 じたい は限定 げんてい されるかわりに、平等 びょうどう を絶対 ぜったい 的 てき 平等 びょうどう として一義的 いちぎてき に捉 とら えようとするものである[16] 。しかし、後段 こうだん 列挙 れっきょ 事由 じゆう 以外 いがい の事由 じゆう に基 もと づく不平等 ふびょうどう 取扱 とりあつか いを定 さだ める立法 りっぽう について憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 違反 いはん の問題 もんだい を生 しょう じないとすることになり必 かなら ずしも妥当 だとう でないと解 ほぐ されている[16] 。このようなことから立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ をとる学説 がくせつ はほぼ見 み られず立法 りっぽう 者 しゃ 拘束 こうそく 説 せつ (法 ほう 内容 ないよう 平等 びょうどう 説 せつ )が通説 つうせつ となっている[15] 。判例 はんれい も憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 第 だい 1項 こう の規定 きてい が立法 りっぽう 者 しゃ を拘束 こうそく することを当然 とうぜん の前提 ぜんてい として判断 はんだん している[15] 。
憲法 けんぽう 14条 じょう 1項 こう の後段 こうだん 列挙 れっきょ 事由 じゆう の意義 いぎ [ 編集 へんしゅう ]
憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 第 だい 1項 こう 後段 こうだん は「人種 じんしゅ 、信条 しんじょう 、性別 せいべつ 、社会 しゃかい 的 てき 身分 みぶん 又 また は門地 もんち により、政治 せいじ 的 てき 、経済 けいざい 的 てき 又 また は社会 しゃかい 的 てき 関係 かんけい において、差別 さべつ されない。」を後段 こうだん と定 さだ める。その意味 いみ については次 つぎ のような説 せつ がある。
立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ
先述 せんじゅつ のように、日本 にっぽん の立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ は、憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 第 だい 1項 こう の立法 りっぽう 者 しゃ 拘束 こうそく 性 せい を全 まった く否定 ひてい するものではなく、前段 ぜんだん の一般 いっぱん 的 てき 平等 びょうどう 原則 げんそく は法 ほう 適用 てきよう の平等 びょうどう を意味 いみ しており立法 りっぽう 者 しゃ を拘束 こうそく しないが、後段 こうだん の人種 じんしゅ ・信条 しんじょう 等 とう による差別 さべつ の禁止 きんし は立法 りっぽう 者 しゃ をも拘束 こうそく すると解 げ する[14] 。立法 りっぽう 者 しゃ 非 ひ 拘束 こうそく 説 せつ からは後段 こうだん の規定 きてい について限定 げんてい 列挙 れっきょ であるとして特 とく に重要 じゅうよう な意義 いぎ を認 みと め、後段 こうだん 列挙 れっきょ 事由 じゆう に基 もと づく別 べつ 異 い 取扱 とりあつか いは絶対 ぜったい 的 てき に禁止 きんし されるとする[15] 。
立法 りっぽう 者 しゃ 拘束 こうそく 説 せつ
A説 せつ (初期 しょき の判例 はんれい )
憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 後段 こうだん は前段 ぜんだん の「法 ほう の下 した の平等 びょうどう 」を再 さい 言 げん して具体 ぐたい 的 てき に指示 しじ したもので前段 ぜんだん と後段 こうだん は同 どう 一 いち 内容 ないよう の規定 きてい であるとする説 せつ (最大 さいだい 判 ばん 昭和 しょうわ 23・5・26刑 けい 集 しゅう 2巻 かん 5号 ごう 517頁 ぺーじ )。
B説 せつ (判例 はんれい )
憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 後段 こうだん は単 たん なる例示 れいじ であるとする説 せつ (最大 さいだい 判 ばん 昭和 しょうわ 48・4・4刑 けい 集 しゅう 27巻 かん 3号 ごう 265頁 ぺーじ )。
C説 せつ
憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 後段 こうだん は原則 げんそく として差別 さべつ が禁止 きんし されるものを例示 れいじ したもので、特 とく に後段 こうだん 列挙 れっきょ 事由 じゆう については合理 ごうり 的 てき とする強 つよ い正当 せいとう 化 か 事由 じゆう が存 そん しない限 かぎ り禁止 きんし されるとする説 せつ [17] 。この説 せつ をさらに進 すす め、後段 こうだん 列挙 れっきょ 事由 じゆう による区別 くべつ については不合理 ふごうり 性 せい が推定 すいてい され、合憲 ごうけん を主張 しゅちょう する側 がわ が挙証 きょしょう 責任 せきにん を負 お うとする学説 がくせつ もある[18] 。
憲法 けんぽう 14条 じょう 1項 こう 後段 こうだん 列挙 れっきょ 事由 じゆう の具体 ぐたい 的 てき 内容 ないよう [ 編集 へんしゅう ]
人類 じんるい 学 がく 上 じょう の種別 しゅべつ を意味 いみ する。
広 ひろ く個人 こじん の世界 せかい 観 かん を意味 いみ する。
男女 だんじょ の別 べつ を意味 いみ する。男女 だんじょ 差別 さべつ も参照 さんしょう 。
広 ひろ く人 ひと が社会 しゃかい において一時 いちじ 的 てき ではなく占 し めている地位 ちい を意味 いみ する(反対 はんたい 説 せつ あり)。
家柄 いえがら などを意味 いみ する。
憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう に関 かん する主 おも な判例 はんれい [ 編集 へんしゅう ]
議員 ぎいん 定数 ていすう 不 ふ 均衡 きんこう 訴訟 そしょう
国政 こくせい 選挙 せんきょ の選挙 せんきょ 区 く における実質 じっしつ 的 てき な投票 とうひょう 価値 かち の格差 かくさ が問題 もんだい になる。
非 ひ 嫡出 ちゃくしゅつ 子 こ 法定 ほうてい 相続 そうぞく 分 ぶん 違憲 いけん 判決 はんけつ
非 ひ 嫡出 ちゃくしゅつ 子 こ の法定 ほうてい 相続 そうぞく 分 ぶん を嫡出 ちゃくしゅつ 子 こ の2分 ぶん の1とする民法 みんぽう 900条 じょう 4号 ごう 但書 ただしがき の規定 きてい が、遅 おそ くとも平成 へいせい 13年 ねん 7月 がつ 当時 とうじ において、憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 第 だい 1項 こう に違反 いはん していたとした判例 はんれい (最大 さいだい 判 ばん 平成 へいせい 25・9・4民 みん 集 しゅう 第 だい 67巻 かん 6号 ごう 1320頁 ぺーじ )[19] 。これを受 う けて民法 みんぽう 第 だい 900条 じょう 4号 ごう 但書 ただしがき 前段 ぜんだん は削除 さくじょ された(平成 へいせい 25年 ねん 12月11日 にち 法律 ほうりつ 第 だい 94号 ごう )。
国籍 こくせき 法 ほう 規定 きてい 違憲 いけん 判決 はんけつ
日本 にっぽん 国民 こくみん である父 ちち と日本 にっぽん 国民 こくみん でない母 はは との間 あいだ に出生 しゅっしょう した後 のち に父 ちち から認知 にんち された子 こ につき、準 じゅん 正 せい があった場合 ばあい に限 かぎ り日本 にっぽん 国籍 こくせき の取得 しゅとく を認 みと めている国籍 こくせき 法 ほう 3条 じょう 1項 こう の規定 きてい が憲法 けんぽう 第 だい 14条 じょう 第 だい 1項 こう に違反 いはん するとした判例 はんれい (最大 さいだい 判 ばん 平成 へいせい 20・6・4判 ばん 時 じ 2002号 ごう 3頁 ぺーじ )。のちに国籍 こくせき 法 ほう は改正 かいせい された(平成 へいせい 20年 ねん 12月12日 にち 法律 ほうりつ 第 だい 88号 ごう )。
^ 阿部 あべ 照 あきら 哉 編 へん 『憲法 けんぽう 2 基本 きほん 的 てき 人権 じんけん (1)』有斐閣 ゆうひかく 〈有斐閣 ゆうひかく 双書 そうしょ 〉、1975年 ねん 、111頁 ぺーじ 。
^ a b 阿部 あべ 照 あきら 哉 編 へん 『憲法 けんぽう 2 基本 きほん 的 てき 人権 じんけん (1)』有斐閣 ゆうひかく 〈有斐閣 ゆうひかく 双書 そうしょ 〉、1975年 ねん 、110頁 ぺーじ 。
^ a b 阿部 あべ 照 あきら 哉 編 へん 『憲法 けんぽう 2 基本 きほん 的 てき 人権 じんけん (1)』有斐閣 ゆうひかく 〈有斐閣 ゆうひかく 双書 そうしょ 〉、1975年 ねん 、108頁 ぺーじ 。
^ a b c d e 樋口 ひぐち 陽一 よういち 、佐藤 さとう 幸治 こうじ 、中村 なかむら 睦男 むつお 、浦部 うらべ 法 ほう 穂 ほ 『注解 ちゅうかい 法律 ほうりつ 学 がく 全集 ぜんしゅう (1)憲法 けんぽう I』青 あお 林 りん 書院 しょいん 、1994年 ねん 、309頁 ぺーじ 。ISBN 4-417-00936-8 。
^ a b c d e f g h 樋口 ひぐち 陽一 よういち 、佐藤 さとう 幸治 こうじ 、中村 なかむら 睦男 むつお 、浦部 うらべ 法 ほう 穂 ほ 『注解 ちゅうかい 法律 ほうりつ 学 がく 全集 ぜんしゅう (1)憲法 けんぽう I』青 あお 林 りん 書院 しょいん 、1994年 ねん 、311頁 ぺーじ 。ISBN 4-417-00936-8 。
^ a b c d 樋口 ひぐち 陽一 よういち 、佐藤 さとう 幸治 こうじ 、中村 なかむら 睦男 むつお 、浦部 うらべ 法 ほう 穂 ほ 『注解 ちゅうかい 法律 ほうりつ 学 がく 全集 ぜんしゅう (1)憲法 けんぽう I』青 あお 林 りん 書院 しょいん 、1994年 ねん 、312頁 ぺーじ 。ISBN 4-417-00936-8 。
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^ 最高裁判所 さいこうさいばんしょ 平成 へいせい 25年 ねん 9月 がつ 4日大 にちだい 法廷 ほうてい 決定 けってい