(Translated by https://www.hiragana.jp/)
法の下の平等 - Wikipedia コンテンツにスキップ

ほうした平等びょうどう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ほうした平等びょうどう(ほうのもとのびょうどう、英語えいご: equality under the law)とは、国民こくみん1人ひとり1にん国家こっかとの法的ほうてき権利けんり義務ぎむ関係かんけいにおいてひとしくあつかわれなければならないという観念かんねん平等びょうどうそく(びょうどうそく)または平等びょうどう原則げんそく(びょうどうげんそく)とばれることもある。近代きんだい憲法けんぽうでは「平等びょうどう」は基本きほんてき原則げんそくであり、おおくのくにでこのような規定きていられる。ただし、平等びょうどう原則げんそく規定きてい用語ようごについてはくに時代じだいにより微妙びみょう差異さいがあり[1]ほうまえ平等びょうどうフランス語ふらんすご: égalité devant la loi英語えいご: equality before the law)として規定きていされている場合ばあいもある[2]

概説がいせつ

[編集へんしゅう]

平等びょうどう思想しそうそのものの淵源えんげんは、ふるくは、古代こだいギリシャ思想しそうあるいは中世ちゅうせいキリスト教きりすときょうきょうせつかみまえ平等びょうどう)にまでさかのぼ[3][4]

しかし、平等びょうどう原則げんそく国家こっか人間にんげんかたとしてとらえられるようになったのは近代きんだい以後いごである[3]自然しぜんほう観念かんねんむすびついて確立かくりつされた「平等びょうどう」の観念かんねんは、人々ひとびと旧来きゅうらい封建ほうけんてき身分みぶんせい秩序ちつじょから解放かいほうし、自律じりつてき市民しみんつくりだす必須ひっす条件じょうけんであった[4]。「平等びょうどう」の観念かんねんは「自由じゆう」の観念かんねん不可分ふかぶんなものとして近代きんだい市民しみん革命かくめい旗印はたじるしとなった[4]1776ねんアメリカ独立どくりつ宣言せんげんは「われわれは、すべての人々ひとびと平等びょうどうつくられ、造物主ぞうぶつしゅによって一定いっていうばいがたい天賦てんぷ権利けんり付与ふよされ……ていることを、自明じめい真理しんりとしてしんずる」としている[4]。また、1789ねんフランス人権じんけん宣言せんげんも「ひとは、自由じゆうかつ権利けんりにおいて平等びょうどうなものとして出生しゅっしょうし、かつ生存せいぞんする」としほうした平等びょうどう保障ほしょうについてべている[4]

1945ねん国連こくれん総会そうかい決議けつぎ採択さいたくされた世界せかい人権じんけん宣言せんげん法的ほうてき保障ほしょう違反いはんたいする法的ほうてき救済きゅうさい目的もくてき欧州おうしゅう評議ひょうぎかいにより採択さいたくされた人権じんけん基本きほんてき自由じゆう保護ほごのための条約じょうやく国連こくれん総会そうかいによる市民しみんてきおよ政治せいじてき権利けんりかんする国際こくさい規約きやくだい26じょうは『ほうした平等びょうどう』を明記めいきし、だい2じょう如何いかなる差別さべつなしに規約きやく保障ほしょうする自由じゆうけん享受きょうじゅ保障ほしょう明記めいきし、同時どうじ採択さいたくされた経済けいざいてき社会しゃかいてきおよ文化ぶんかてき権利けんりかんする国際こくさい規約きやくおとうと2じょうどう規約きやくさだめる社会しゃかいけん差別さべつなく享受きょうじゅすることを保障ほしょうしている。

平等びょうどう観念かんねん

[編集へんしゅう]

絶対ぜったいてき平等びょうどう相対そうたいてき平等びょうどう

[編集へんしゅう]

平等びょうどう観念かんねんには、個々ここ条件じょうけんにかかわらず機械きかいてき均等きんとうあつか絶対ぜったいてき平等びょうどうと、どういち条件じょうけんのもとにおいて均等きんとうあつか相対そうたいてき平等びょうどうがある。

法律ほうりつじょう均一きんいつ取扱とりあつかいの要請ようせい人間にんげん平等びょうどう理念りねんもとづくものであるとすれば、いかなる例外れいがい存在そんざいすべきではないという立場たちば観念かんねんてきにはつが、各人かくじんはその事実じじつ状態じょうたいにおいて千差万別せんさばんべつである[5]。しかし、各人かくじん事実じじつじょう差異さい一切いっさい捨象しゃしょうして法律ほうりつじょう均一きんいつあつかうことは、場合ばあいによっては、かえって不合理ふごうり結果けっかをもたらすこともありうる[5]。そのような場合ばあいには事実じじつじょう差異さい考慮こうりょれたあつかいをさだめることが必要ひつようとなるため、平等びょうどう原則げんそくにおける平等びょうどう相対そうたいてき平等びょうどうかいされている[5]

形式けいしきてき平等びょうどう実質じっしつてき平等びょうどう

[編集へんしゅう]

形式けいしきてき平等びょうどう機会きかい平等びょうどう主義しゅぎ)とは、すべての国民こくみんたいして経済けいざい活動かつどうとう行為こうい機会きかい平等びょうどうあたえようとする機会きかい平等びょうどう意味いみする。一方いっぽう実質じっしつてき平等びょうどう結果けっか平等びょうどう主義しゅぎ)とは、すべての国民こくみん経済けいざい活動かつどうとう行為こうい結果けっか平等びょうどうにしていこうとする結果けっか平等びょうどう意味いみする。

憲法けんぽう原理げんりにおける平等びょうどう原則げんそくは、すべてのひと人格じんかくてき価値かち平等びょうどうであるという理念りねん前提ぜんていにしつつ、そもそもは国家こっかによる法律ほうりつじょう均一きんいつ取扱とりあつかいをきんずるもので、それ以上いじょうすすんで実際じっさいうえ存在そんざいする社会しゃかいてき経済けいざいてき不平等ふびょうどう是正ぜせい要求ようきゅうまでふくむものではなかった[6]。そこでは国家こっか最大さいだい任務にんむ各人かくじん自由じゆう活動かつどう保障ほしょうにあり、それによる結果けっか不平等ふびょうどう各人かくじん能力のうりょくはたらきによるものとして、各人かくじん責任せきにんかえせしめるべきという形式けいしきてき平等びょうどうかんっていた[6]

ところが、機会きかい平等びょうどう保障ほしょう主眼しゅがんとする形式けいしきてき平等びょうどうかんのもとでされた結果けっか不平等ふびょうどうが、無視むししえない政治せいじてき問題もんだい社会しゃかいてき問題もんだいにまでおよぶと、結果けっか不平等ふびょうどう各人かくじん自己じこ責任せきにんかえせしめる不合理ふごうりせい次第しだい認識にんしきされるようになり、実際じっさいじょう存在そんざいする社会しゃかいてき経済けいざいてき不平等ふびょうどう是正ぜせいへのみが国家こっかたいしてもとめられるようになった[6]。そこで憲法けんぽう平等びょうどう観念かんねんも、国家こっかによる不平等ふびょうどう取扱とりあつかいの禁止きんしという消極しょうきょくてき内容ないようのものから国家こっかによる平等びょうどう実現じつげんという積極せっきょくてき内容ないようをもつものへと変化へんかした[7]

ただし、「自由じゆう」の理念りねんとの関係かんけいにおいて結果けっか不平等ふびょうどう完全かんぜん解消かいしょうすることは両立りょうりつないともかんがえられ両者りょうしゃ関係かんけい問題もんだいとなる[6]。「自由じゆう」の理念りねんは「個性こせい能力のうりょくおうじた人格じんかく展開てんかい内実ないじつとし、努力どりょくたいする正当せいとう評価ひょうかもとめるもの」とされるからである[8]。したがって、実質じっしつてき平等びょうどうといっても徹底てっていした結果けっか平等びょうどうではなく、形骸けいがいした機会きかい平等びょうどう実質じっしつてき確保かくほするための基盤きばん形成けいせいという意味いみにとどまるものとほぐされている[8]

日本にっぽん

[編集へんしゅう]

大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう明治めいじ憲法けんぽう

[編集へんしゅう]

大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう明治めいじ憲法けんぽう)は平等びょうどう原則げんそくについて公務こうむ就任しゅうにんけんについてのみ規定きていいており[9]公務こうむ就任しゅうにん能力のうりょく以外いがい事項じこうには原則げんそくとして平等びょうどうおよばず[10]憲法けんぽうじょう機会きかい平等びょうどう限定げんていされたものであった[2]

大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽうだい19じょう
日本にっぽん臣民しんみん法律ほうりつ命令めいれいていムルしょ資格しかくおうひとし文武ぶんぶかんにんセラレ及其ノほか公務こうむニ就クコトヲとく

大日本帝国だいにっぽんていこく憲法けんぽう模範もはんとした、1850ねんプロイセン憲法けんぽうでは「プロイセンじんは、法律ほうりつまえ平等びょうどうである。階級かいきゅう特権とっけんは、これをみとめない。法律ほうりつさだめる条件じょうけんそなえたゆう資格しかくしゃは、ひとしく公務こうむくことができる」とさだめていたが、明治めいじ憲法けんぽう公務こうむ就任しゅうにん能力のうりょく規定きていだけをくにとどめている[10]明治めいじ憲法けんぽうでは男女だんじょあいだ不平等ふびょうどうも「ひとしク」の原理げんりはんするとはかんがえられておらず、女性じょせい民法みんぽう刑法けいほう国籍こくせきほうなど広汎こうはん領域りょういきにおいていちじるしく不利ふり状態じょうたいかれていた[10]

日本国にっぽんこく憲法けんぽう

[編集へんしゅう]

日本国にっぽんこく憲法けんぽうにおいてはだい14じょう規定きていがある。

日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい14じょう
  1. すべて国民こくみんは、ほうした平等びょうどうであって、人種じんしゅ信条しんじょう性別せいべつ社会しゃかいてき身分みぶんまた門地もんちにより、政治せいじてき経済けいざいてきまた社会しゃかいてき関係かんけいにおいて、差別さべつされない。
  2. 華族かぞくその貴族きぞく制度せいどは、これをみとめない。
  3. 栄誉えいよ勲章くんしょうその栄典えいてん授与じゅよは、いかなる特権とっけんともはない。栄典えいてん授与じゅよは、げんにこれをゆうし、また将来しょうらいこれをけるものいちだいかぎり、その効力こうりょくゆうする。

このほか、公務員こうむいん選挙せんきょにおける平等びょうどうだい15じょうだい3こうおよだい44じょう但書ただしがき家族かぞく生活せいかつにおける両性りょうせい平等びょうどうだい24じょう教育きょういく機会きかい均等きんとうだい26じょうさだめられている。

憲法けんぽうだい14じょう法的ほうてき性格せいかく

[編集へんしゅう]

憲法けんぽうだい14じょうだい1こうについては国政こくせい指針ししんさだめる客観きゃっかんてきほう原則げんそく平等びょうどう原則げんそく)をさだめると同時どうじ平等びょうどうあつかわれる権利けんりないし差別さべつされない権利けんりという個人こじんてき主観しゅかんてき権利けんり平等びょうどうけん)をも保障ほしょうしている(通説つうせつ[11][12]

憲法けんぽうだい14じょうさだめる平等びょうどう相対そうたいてき平等びょうどう意味いみする(通説つうせつ[5]先述せんじゅつのように、各人かくじん事実じじつじょう差異さい一切いっさい捨象しゃしょうして法律ほうりつじょう均一きんいつあつかうことは、場合ばあいによっては、かえって不合理ふごうり結果けっかをもたらすこともありうるからである[5]。このようにする場合ばあい憲法けんぽうじょう許容きょようされることなった取扱とりあつかいと憲法けんぽうじょう許容きょようされない平等びょうどう取扱とりあつかいをどのような標準ひょうじゅん区別くべつするかという問題もんだいがある[5]違憲いけん審査しんさ基準きじゅん問題もんだい)。

また、憲法けんぽうだい14じょうさだめる平等びょうどう原則げんそくは、あくまでも国家こっかによる不平等ふびょうどう取扱とりあつかいの禁止きんし法律ほうりつじょう均一きんいつ取扱とりあつかいの要求ようきゅうという形式けいしきてき平等びょうどう内容ないようとする(通説つうせつ[5][13]実質じっしつてき平等びょうどう実現じつげん役割やくわり社会しゃかいけん条項じょうこうにな問題もんだいであって、そのための法律ほうりつじょう均一きんいつ取扱とりあつかいは憲法けんぽうだい14じょう違反いはんしないという限度げんどにおいて、憲法けんぽうだい14じょう実質じっしつてき平等びょうどう観念かんねん反映はんえいするものとほぐされている[5][13]。ただし、現実げんじつ存在そんざいする不平等ふびょうどう解消かいしょうするためには形式けいしきてき平等びょうどううたうのみでは不十分ふじゅうぶん実質じっしつてき平等びょうどう観点かんてんについても憲法けんぽうだい14じょうだい1こう考慮こうりょすべきとする有力ゆうりょく見解けんかいもある。

平等びょうどう原則げんそく適用てきよう領域りょういき

[編集へんしゅう]

憲法けんぽうだい14じょうだい1こうの「ほうした」という文言もんごんをめぐっては、かつて立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつ立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつによる議論ぎろんがあった[14]

  • 立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつほう適用てきよう平等びょうどうせつ
    ほうした」という文言もんごんは、ほう適用てきよう平等びょうどうのみを意味いみし、立法りっぽうしゃ拘束こうそくしないとするせつ
    ドイツのヴァイマル憲法けんぽう法理ほうりろんで、平等びょうどう原則げんそくによる拘束こうそく行政ぎょうせい司法しほうにのみおよ立法りっぽうしゃにはおよばないとする学説がくせつけたものである[14]
    ただし、日本にっぽん立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつは、憲法けんぽうだい14じょうだい1こう立法りっぽうしゃ拘束こうそくせいまった否定ひていするものではなく、前段ぜんだん一般いっぱんてき平等びょうどう原則げんそくほう適用てきよう平等びょうどう意味いみし、後段こうだん人種じんしゅ信条しんじょうとうによる差別さべつ禁止きんし立法りっぽうしゃをも拘束こうそくするとする[14]。そして、後段こうだん規定きていについて限定げんてい列挙れっきょであるとしてとく重要じゅうよう意義いぎみとめ、後段こうだん列挙れっきょ事由じゆうもとづくべつ取扱とりあつかいは絶対ぜったいてき禁止きんしされるとする[15]
  • 立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつほう内容ないよう平等びょうどうせつ
    ほうした」という文言もんごんは、ほう内容ないよう平等びょうどうであることを意味いみし、立法りっぽうしゃ拘束こうそくするとするせつ

立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつほう適用てきよう平等びょうどうせつ)にたいしては内容ないよう不平等ふびょうどうであれば平等びょうどう適用てきようしても適正てきせい結果けっかられないという批判ひはんがある。ヴァイマル憲法けんぽうでもきゅうせつ立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつ)への批判ひはんから立法りっぽうしゃをも拘束こうそくするという新説しんせつとなえられ、次第しだい有力ゆうりょくとなり、平等びょうどう原則げんそく立法りっぽうしゃ拘束こうそくせい肯定こうていする学説がくせつがドイツでの通説つうせつとなるにいたっている[14]

日本にっぽん立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつほう適用てきよう平等びょうどうせつ)は平等びょうどう原則げんそく自体じたい限定げんていされるかわりに、平等びょうどう絶対ぜったいてき平等びょうどうとして一義的いちぎてきとらえようとするものである[16]。しかし、後段こうだん列挙れっきょ事由じゆう以外いがい事由じゆうもとづく不平等ふびょうどう取扱とりあつかいをさだめる立法りっぽうについて憲法けんぽうだい14じょう違反いはん問題もんだいしょうじないとすることになりかならずしも妥当だとうでないとほぐされている[16]。このようなことから立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつをとる学説がくせつはほぼられず立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつほう内容ないよう平等びょうどうせつ)が通説つうせつとなっている[15]判例はんれい憲法けんぽうだい14じょうだい1こう規定きてい立法りっぽうしゃ拘束こうそくすることを当然とうぜん前提ぜんていとして判断はんだんしている[15]

憲法けんぽう14じょう1こう後段こうだん列挙れっきょ事由じゆう意義いぎ

[編集へんしゅう]

憲法けんぽうだい14じょうだい1こう後段こうだんは「人種じんしゅ信条しんじょう性別せいべつ社会しゃかいてき身分みぶんまた門地もんちにより、政治せいじてき経済けいざいてきまた社会しゃかいてき関係かんけいにおいて、差別さべつされない。」を後段こうだんさだめる。その意味いみについてはつぎのようなせつがある。

  • 立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつ
    先述せんじゅつのように、日本にっぽん立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつは、憲法けんぽうだい14じょうだい1こう立法りっぽうしゃ拘束こうそくせいまった否定ひていするものではなく、前段ぜんだん一般いっぱんてき平等びょうどう原則げんそくほう適用てきよう平等びょうどう意味いみしており立法りっぽうしゃ拘束こうそくしないが、後段こうだん人種じんしゅ信条しんじょうとうによる差別さべつ禁止きんし立法りっぽうしゃをも拘束こうそくするとする[14]立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつからは後段こうだん規定きていについて限定げんてい列挙れっきょであるとしてとく重要じゅうよう意義いぎみとめ、後段こうだん列挙れっきょ事由じゆうもとづくべつ取扱とりあつかいは絶対ぜったいてき禁止きんしされるとする[15]
  • 立法りっぽうしゃ拘束こうそくせつ
    • Aせつ初期しょき判例はんれい
      憲法けんぽうだい14じょう後段こうだん前段ぜんだんの「ほうした平等びょうどう」をさいげんして具体ぐたいてき指示しじしたもので前段ぜんだん後段こうだんどういち内容ないよう規定きていであるとするせつ最大さいだいばん昭和しょうわ23・5・26けいしゅう2かん5ごう517ぺーじ)。
    • Bせつ判例はんれい
      憲法けんぽうだい14じょう後段こうだんたんなる例示れいじであるとするせつ最大さいだいばん昭和しょうわ48・4・4けいしゅう27かん3ごう265ぺーじ)。
    • Cせつ
      憲法けんぽうだい14じょう後段こうだん原則げんそくとして差別さべつ禁止きんしされるものを例示れいじしたもので、とく後段こうだん列挙れっきょ事由じゆうについては合理ごうりてきとするつよ正当せいとう事由じゆうそんしないかぎ禁止きんしされるとするせつ[17]。このせつをさらにすすめ、後段こうだん列挙れっきょ事由じゆうによる区別くべつについては不合理ふごうりせい推定すいていされ、合憲ごうけん主張しゅちょうするがわ挙証きょしょう責任せきにんうとする学説がくせつもある[18]

憲法けんぽう14じょう1こう後段こうだん列挙れっきょ事由じゆう具体ぐたいてき内容ないよう

[編集へんしゅう]
  • 人種じんしゅ
人類じんるいがくじょう種別しゅべつ意味いみする。
  • 信条しんじょう
ひろ個人こじん世界せかいかん意味いみする。
  • 性別せいべつ
男女だんじょべつ意味いみする。男女だんじょ差別さべつ参照さんしょう
  • 社会しゃかいてき身分みぶん
ひろひと社会しゃかいにおいて一時いちじてきではなくめている地位ちい意味いみする(反対はんたいせつあり)。
  • 門地もんち
家柄いえがらなどを意味いみする。

憲法けんぽうだい14じょうかんするおも判例はんれい

[編集へんしゅう]
  • 議員ぎいん定数ていすう均衡きんこう訴訟そしょう
    国政こくせい選挙せんきょ選挙せんきょにおける実質じっしつてき投票とうひょう価値かち格差かくさ問題もんだいになる。
  • 嫡出ちゃくしゅつ法定ほうてい相続そうぞくぶん違憲いけん判決はんけつ
    嫡出ちゃくしゅつ法定ほうてい相続そうぞくぶん嫡出ちゃくしゅつの2ぶんの1とする民法みんぽう900じょう4ごう但書ただしがき規定きていが、おそくとも平成へいせい13ねん7がつ当時とうじにおいて、憲法けんぽうだい14じょうだい1こう違反いはんしていたとした判例はんれい最大さいだいばん平成へいせい25・9・4みんしゅうだい67かん6ごう1320ぺーじ[19]。これをけて民法みんぽうだい900じょう4ごう但書ただしがき前段ぜんだん削除さくじょされた(平成へいせい25ねん12月11にち法律ほうりつだい94ごう)。
  • 国籍こくせきほう規定きてい違憲いけん判決はんけつ
    日本にっぽん国民こくみんであるちち日本にっぽん国民こくみんでないははとのあいだ出生しゅっしょうしたのちちちから認知にんちされたにつき、じゅんせいがあった場合ばあいかぎ日本にっぽん国籍こくせき取得しゅとくみとめている国籍こくせきほう3じょう1こう規定きてい憲法けんぽうだい14じょうだい1こう違反いはんするとした判例はんれい最大さいだいばん平成へいせい20・6・4ばん2002ごう3ぺーじ)。のちに国籍こくせきほう改正かいせいされた(平成へいせい20ねん12月12にち法律ほうりつだい88ごう)。

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ 阿部あべあきらへん憲法けんぽう 2 基本きほんてき人権じんけん(1)』有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1975ねん、111ぺーじ 
  2. ^ a b 阿部あべあきらへん憲法けんぽう 2 基本きほんてき人権じんけん(1)』有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1975ねん、110ぺーじ 
  3. ^ a b 阿部あべあきらへん憲法けんぽう 2 基本きほんてき人権じんけん(1)』有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1975ねん、108ぺーじ 
  4. ^ a b c d e 樋口ひぐち陽一よういち佐藤さとう幸治こうじ中村なかむら睦男むつお浦部うらべほう注解ちゅうかい法律ほうりつがく全集ぜんしゅう(1)憲法けんぽうI』あおりん書院しょいん、1994ねん、309ぺーじISBN 4-417-00936-8 
  5. ^ a b c d e f g h 樋口ひぐち陽一よういち佐藤さとう幸治こうじ中村なかむら睦男むつお浦部うらべほう注解ちゅうかい法律ほうりつがく全集ぜんしゅう(1)憲法けんぽうI』あおりん書院しょいん、1994ねん、311ぺーじISBN 4-417-00936-8 
  6. ^ a b c d 樋口ひぐち陽一よういち佐藤さとう幸治こうじ中村なかむら睦男むつお浦部うらべほう注解ちゅうかい法律ほうりつがく全集ぜんしゅう(1)憲法けんぽうI』あおりん書院しょいん、1994ねん、312ぺーじISBN 4-417-00936-8 
  7. ^ 樋口ひぐち陽一よういち佐藤さとう幸治こうじ中村なかむら睦男むつお浦部うらべほう注解ちゅうかい法律ほうりつがく全集ぜんしゅう(1)憲法けんぽうI』あおりん書院しょいん、1994ねん、312-313ぺーじISBN 4-417-00936-8 
  8. ^ a b 佐藤さとう幸治こうじ現代げんだい法律ほうりつがく講座こうざ(5)憲法けんぽうだい3はんあおりん書院しょいん、1995ねん、417ぺーじ 
  9. ^ 阿部あべあきらへん憲法けんぽう 2 基本きほんてき人権じんけん(1)』有斐閣ゆうひかく有斐閣ゆうひかく双書そうしょ〉、1975ねん、109ぺーじ 
  10. ^ a b c 芦部あしべ信喜しき憲法けんぽうがくIII人権じんけん各論かくろん(1)増補ぞうほばん有斐閣ゆうひかく、2000ねん、12ぺーじ 
  11. ^ 佐藤さとう幸治こうじ現代げんだい法律ほうりつがく講座こうざ(5)憲法けんぽうだい3はんあおりん書院しょいん、1995ねん、419ぺーじ 
  12. ^ 樋口ひぐち陽一よういち佐藤さとう幸治こうじ中村なかむら睦男むつお浦部うらべほう注解ちゅうかい法律ほうりつがく全集ぜんしゅう(1)憲法けんぽうI』あおりん書院しょいん、1994ねん、314ぺーじISBN 4-417-00936-8 
  13. ^ a b 伊藤いとうただしおのれ法律ほうりつがく講座こうざ双書そうしょ憲法けんぽうだい3はん弘文こうぶんどう、1995ねん、242ぺーじ 
  14. ^ a b c d e 樋口ひぐち陽一よういち佐藤さとう幸治こうじ中村なかむら睦男むつお浦部うらべほう注解ちゅうかい法律ほうりつがく全集ぜんしゅう(1)憲法けんぽうI』あおりん書院しょいん、1994ねん、315ぺーじISBN 4-417-00936-8 
  15. ^ a b c d 樋口ひぐち陽一よういち佐藤さとう幸治こうじ中村なかむら睦男むつお浦部うらべほう注解ちゅうかい法律ほうりつがく全集ぜんしゅう(1)憲法けんぽうI』あおりん書院しょいん、1994ねん、317ぺーじISBN 4-417-00936-8 
  16. ^ a b 樋口ひぐち陽一よういち佐藤さとう幸治こうじ中村なかむら睦男むつお浦部うらべほう注解ちゅうかい法律ほうりつがく全集ぜんしゅう(1)憲法けんぽうI』あおりん書院しょいん、1994ねん、316ぺーじISBN 4-417-00936-8 
  17. ^ 樋口ひぐち陽一よういち佐藤さとう幸治こうじ中村なかむら睦男むつお浦部うらべほう注解ちゅうかい法律ほうりつがく全集ぜんしゅう(1)憲法けんぽうI』あおりん書院しょいん、1994ねん、318ぺーじISBN 4-417-00936-8 
  18. ^ 伊藤いとうただしおのれ法律ほうりつがく講座こうざ双書そうしょ憲法けんぽうだい3はん弘文こうぶんどう、1995ねん、249-250ぺーじ 
  19. ^ 最高裁判所さいこうさいばんしょ 平成へいせい25ねん9がつ4日大にちだい法廷ほうてい決定けってい

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]