ベトナム

ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく

Cộng hòa xã hội chủ nghĩa Việt Nam
(共和きょうわ社會しゃかい主義しゅぎ越えつ南みなみ)

（国旗こっき）	（国くに章あきら）

国くにの標語ひょうご：独立どくりつ・自由じゆう・幸福こうふく
（Độc lập - Tự do - Hạnh phúc）

国歌こっか：進軍しんぐん歌か（Tiến Quân Ca）

公用こうよう語ご	ベトナム語ご（越えつ南みなみ語ご）
首都しゅと	ハノイ（河内かわうち）
最大さいだいの都市とし	ホーチミン市し（胡志明ほうちみん市し）
政府せいふ ベトナム共産党きょうさんとう書記しょき長ちょう トー・ラム 国家こっか主席しゅせき トー・ラム 政府せいふ首相しゅしょう ファム・ミン・チン 国会こっかい議長ぎちょう チャン・タイン・マン 国家こっか副ふく主席しゅせき ヴォー・ティ・アイン・スアン 面積めんせき 総計そうけい 331,212km2（64位い） 水面すいめん積せき率りつ 1.3% 人口じんこう 総計そうけい（2022年ねん） 103,808,319人ひと（16位い） 人口じんこう密度みつど 313.4人にん/km2 GDP（自国じこく通貨つうか表示ひょうじ） 合計ごうけい（2019年ねん） 7615兆ちょう5675億おく2600万まんドン GDP（MER） 合計ごうけい（2019年ねん） 3278億おく7300万まんドル（36位い） 1人ひとりあたり 3,398.214ドル GDP（PPP） 合計ごうけい（2019年ねん） 1兆ちょう188億おく600万まんドル（35位い） 1人ひとりあたり 10,559.323ドル 独立どくりつ 独立どくりつ宣言せんげん （ベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こく） 1945年ねん9月2日にち 独立どくりつ承認しょうにん （ジュネーヴ協定きょうてい） 1954年ねん7月がつ21日にち 南北なんぼく統一とういつ、改称かいしょう 1976年ねん7月がつ2日にち
通貨つうか	ドン（VND）（₫ / Đồng; 銅どう）
時間じかん帯たい	UTC(+7) (DST:なし)
ISO 3166-1	VN / VNM
ccTLD	.vn
国際こくさい電話でんわ番号ばんごう	84

ベトナム （越こし南みなみ）
ベトナムの歴史れきし 主おもな出来事できごと 仏ふつ領りょうインドシナ成立せいりつ 東遊あずまあそび運動うんどう · 日にち仏ふつ協約きょうやく 仏ふつ印しるし進駐しんちゅう · 大だい東亜とうあ戦争せんそう マスタードム作戦さくせん ベトナム八はち月がつ革命かくめい 第だい一いち次じインドシナ戦争せんそう ディエンビエンフーの戦たたかい ジュネーヴ協定きょうてい · 南北なんぼく分断ぶんだん トンキン湾わん事件じけん · ベトナム戦争せんそう パリ協定きょうてい · 西にし沙すな諸島しょとうの戦たたかい サイゴン解放かいほう カンボジア・ベトナム戦争せんそう 中越なかごえ戦争せんそう · 中越なかごえ国境こっきょう紛争ふんそう ドイモイ スプラトリー諸島しょとう海戦かいせん ベトナム共産党きょうさんとう 南みなみベトナム解放かいほう民族みんぞく戦線せんせん 共産きょうさん主義しゅぎ ホー・チ・ミン思想しそう 中央ちゅうおう執行しっこう委員いいん会かい書記しょき長ちょう 「国家こっか」 大越おおこし ベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こく ベトナム国こく ベトナム共和きょうわ国こく 南みなみベトナム共和きょうわ国こく ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく 人物じんぶつ ファン・ボイ・チャウ グエン・タイ・ホック ホー・チ・ミン ヴォー・グエン・ザップ レ・ドゥク・ト レ・ズアン グエン・ミン・チエット グエン・タン・ズン ノン・ドゥック・マイン グエン・フー・チョン トー・ラム 言語げんご ベトナム語ご · チュノム · チュハン チュ・クオック・グー

ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく（ベトナムしゃかいしゅぎきょうわこく、ベトナム語ご：Cộng hòa Xã hội chủ nghĩa Việt Nam / 共和きょうわ社會しゃかい主義しゅぎ越こし南みなみ）、通称つうしょうベトナムあるいは越こし南みなみ（えつなん、ベトナム語ご：Việt Nam / 越こし南みなみ、ヴィエッナム/ヴィエットナム、[vîət nāːm] ( 音声おんせいファイル)）は、東南とうなんアジアのインドシナ半島いんどしなはんとう東部とうぶに位置いちする共和きょうわ制せい国家こっか。首都しゅとはハノイ（河内かわうち）。人口じんこう約やく9936万まん人にん（2021年ねん）。通貨つうかはドン。

ベトナム共産党きょうさんとうによる一いち党とう独裁どくさい体制たいせい下かにあり、東南とうなんアジア諸国しょこく連合れんごうの加盟かめい国こくであり、フランコフォニー国際こくさい機関きかんの参加さんか国こくでもある。インドシナ半島いんどしなはんとうの東海岸ひがしかいがんをしめるベトナムの国土こくどは南北なんぼくに長ながく、北きたは中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく、西にしはラオス、南西なんせいはカンボジアと国境こっきょうを接せっする。東ひがしと南みなみは南シナ海みなみしなかいに面めんし、フィリピン、ボルネオ島とう（マレーシア連邦れんぽうやブルネイ、インドネシア）そしてマレまれー半島はんとう（マレーシア連邦れんぽうおよびタイ王国おうこく南部なんぶ）と相対あいたいする。

南シナ海みなみしなかい南部なんぶのスプラトリー諸島しょとうを「長ちょう沙すな諸島しょとう」（ちょうさしょとう、ベトナム語ご：Quần đảo Trường Sa / 群島ぐんとう長ちょう沙すな、クァンダオ チュオンサ）と呼称こしょうして自国じこく領りょうと主張しゅちょうし、一部いちぶを実効じっこう支配しはいしている。南シナ海みなみしなかい中部ちゅうぶのパラセル諸島しょとう（ベトナム名めいは「黄き沙すな諸島しょとう」）についても領有りょうゆう権けんを主張しゅちょうしている。

概要がいよう

ベトナム国家こっかの始はじまりは、中国ちゅうごくの南東なんとう岸がんに住すむ「百ひゃく越えつ」という諸しょ民族みんぞくが南下なんかし、現在げんざいのベトナムの地ちに遷移せんいして、原始げんし的てきだが小規模しょうきぼな国家こっか群ぐんを形成けいせいしたことに由来ゆらいする。漢かん・唐とうの時代じだいには中国ちゅうごくの侵略しんりゃくに抵抗ていこうできず、中国ちゅうごくからの直接ちょくせつ支配しはいを受うけたが、10世紀せいきには独立どくりつした。

その後ごのベトナムでは丁ひのと朝あさ・李り朝ちょう・陳ひね朝あさ・黎はじむ朝あさ・阮朝など独自どくじの王朝おうちょう国家こっかが成立せいりつし、文化ぶんか的てきな繁栄はんえいをみせた。

19世紀せいき後半こうはんにはフランスが中国ちゅうごくの清きよし王朝おうちょうを破やぶり、ベトナムを中国ちゅうごくの冊さつ封ふう体制たいせいの下したから転出てんしゅつさせて、フランス領りょうインドシナという植民しょくみん地ち政府せいふの下したに編入へんにゅうした。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかの日本にっぽん軍ぐんの進駐しんちゅう（仏ふつ印しるし進駐しんちゅうを参照さんしょう）と戦後せんごの第だい一いち次じインドシナ戦争せんそうを経へてフランス植民しょくみん地ち体制たいせいが崩壊ほうかいし、国土こくどは社会しゃかい主義しゅぎ陣営じんえいのベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こく（北きたベトナム）と資本しほん主義しゅぎ陣営じんえいのベトナム共和きょうわ国こく（南みなみベトナム）に分裂ぶんれつ。ベトナム戦争せんそう（第だい二に次じインドシナ戦争せんそう）を経へて南みなみベトナムの政権せいけんが崩壊ほうかいし、1976年ねんに統一とういつ国家こっかとしてベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくが成立せいりつした。

政治せいじ体制たいせいはベトナム共産党きょうさんとうによる一いち党とう独裁どくさい体制たいせいである。エコノミスト誌し傘下さんかの研究所けんきゅうじょエコノミスト・インテリジェンス・ユニットによる民主みんしゅ主義しゅぎ指数しすうは、世界せかい136位いと下位かいで「独裁どくさい政治せいじ体制たいせい」に分類ぶんるいされている（2019年度ねんど）。また国境こっきょうなき記者きしゃ団だんによる世界せかい報道ほうどう自由じゆう度どランキングも下したから6番目ばんめの175位いと下位かいであり、最もっとも深刻しんこくな状況じょうきょうにある国くにの一ひとつに分類ぶんるいされている（2020年度ねんど）。

人権じんけん状況じょうきょうについてヒューマン・ライツ・ウォッチは、政府せいふが言論げんろん・結社けっしゃ・報道ほうどう・信仰しんこうなど人民じんみんのあらゆる基本きほん的てき自由じゆうを制限せいげんしており、刑事けいじ司法しほうは政府せいふからの独立どくりつ性せいに欠かけ、警察けいさつは自白じはくを引ひき出だすために拷問ごうもんを多用たようするという人権じんけん侵害しんがいが極きわめて深刻しんこくな国くにであることを報告ほうこくしている。

経済けいざい面めんでは、1978年ねんのカンボジア侵攻しんこう後ごの国際こくさい的てき孤立こりつの中なかで国際こくさい収支しゅうしが悪化あっかして経済けいざい危機ききに陥おちいり、干かんばつや洪水こうずいなどの自然しぜん災害さいがいによる食糧しょくりょう不足ふそくなどが重かさなって大量たいりょうの難民なんみんを出だす事態じたいに陥おちいった。その対策たいさくとして1986年ねんにドイモイを打うち出だし、経済けいざいの自由じゆう化かを進すすめた。外国がいこく資本しほんの導入どうにゅうで製造せいぞう業ぎょうは活況かっきょうを呈ていし、南シナ海みなみしなかいで石油せきゆの開発かいはつが進すすんで原油げんゆが重要じゅうような輸出ゆしゅつ品ひんになっている。他方たほうでドイモイの進展しんてんで貧富ひんぷの格差かくさは拡大かくだいしている。

外交がいこう面めんではベトナム戦争せんそう以来いらい親おやソビエト連邦れんぽう外交がいこうを基調きちょうとしたため、ソ連それんと対立たいりつする中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくと関係かんけいが悪化あっか。1977年ねんに国連こくれんに加盟かめいするも、1978年ねんに親中しんちゅう反はんソ派はのポル・ポト政権せいけん下かのカンボジアに侵攻しんこうしたため、1979年ねんに中国ちゅうごくのベトナム侵攻しんこうを招まねき、国際こくさい的てきに孤立こりつした。ソ連それん崩壊ほうかい後ごの1991年ねんに中越なかごえ戦争せんそうで交戦こうせんした中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくと、1995年ねんにはベトナム戦争せんそうで交戦こうせんしたアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくと国交こっこうを回復かいふくし、ASEANにも加盟かめいした。近年きんねんは南沙なんさ諸島しょとうなど南シナ海みなみしなかいへの実効じっこう支配しはいを強つよめる中国ちゅうごくとの対立たいりつが深ふかまっており、2010年代ねんだい以降いこうはアメリカ軍ぐんやASEANと合同ごうどう軍事ぐんじ演習えんしゅうを行おこなうなど中国ちゅうごく牽制けんせいの姿勢しせいを強つよめている。2016年ねんにはTPPに加盟かめい。また、フランス統治とうち時代じだいがあったため、フランス語ふらんすごとを共有きょうゆうする国くに・地域ちいきの総体そうたいフランコフォニー国際こくさい機関きかんにも加盟かめいしている。

軍事ぐんじ面めんでは18歳さいから25歳さいの男性だんせいを対象たいしょうに兵役へいえき期間きかん2年ねんの徴兵ちょうへい制せいを敷しいており、ベトナム人民じんみん軍ぐんは50万まん弱じゃくの兵力へいりょくを有ゆうする。軍事ぐんじ力りょくは軍事ぐんじウェブサイトの グローバル・ファイアパワー (GFP) が発表はっぴょうする「2020 Military Strength Ranking」によれば世界せかい22位いで、東南とうなんアジアでは第だい2位いである。

人口じんこうは9762万まん人にん（2020年ねんベトナム統計とうけい総局そうきょく）。住民じゅうみんはキン族ぞく（ベトナム人じん）が約やく86％を占しめ、他たにミャオ族ぞく、チャム族ぞくなど53の少数しょうすう民族みんぞくが存在そんざいし、中国人ちゅうごくじんも暮くらしている。

宗教しゅうきょうは仏教徒ぶっきょうとが多おおいが、カオダイ教きょうやホアハオ教きょう、フランス植民しょくみん地ち時代じだいからのカトリックも存在そんざいする。憲法けんぽう上じょうは信教しんきょうの自由じゆうを認みとめているが、実際じっさいには政府せいふによる強力きょうりょくな規制きせい・監督かんとくが敷しかれており、アメリカから信教しんきょうの自由じゆうの改善かいぜんを要請ようせいされている。

公用こうよう語ごはベトナム語ごで住民じゅうみんの大半たいはんが使用しようしているが、一部いちぶに少数しょうすう民族みんぞくの言語げんごも存在そんざいする。表記ひょうき方法ほうほうとしては古ふるくは漢字かんじが用もちいられ、13世紀せいきからはチュノムという漢字かんじを基もとに作つくられた独自どくじの民族みんぞく文字もじが使用しようされるようになったが、フランス統治とうち時代じだい以降いこうはチュ・クオック・グーと呼よばれるロろーマ字まじ表記ひょうきが用もちいられており、現在げんざいは漢字かんじとチュノムは廃すたれている。

地理ちりとしてはインドシナ半島いんどしなはんとうの東ひがし半はん部ぶ、トンキン湾わん、南シナ海みなみしなかいに沿そうS字形じけいの南北なんぼくに細長ほそながい国土こくどである。北部ほくぶはソンコイ川かわの形成けいせいする 紅べに河かわデルタとそれを囲かこむ山岳さんがく地帯ちたいから成なり、中部ちゅうぶはアンナン山脈さんみゃくが急きゅう崖がけをなして南みなみシナ海岸かいがんに迫せまる狭せまい地域ちいきであり、最さい狭せま部ぶでは東西とうざいの幅はばが約やく50kmである。南部なんぶは主しゅとしてメコン川がわのメコンデルタからなる。首都しゅとはハノイ。

国名こくめい

正式せいしき名称めいしょうはベトナム語ごで "Cộng Hoà Xã Hội Chủ Nghĩa Việt Nam" ()。略称りゃくしょうは "Việt Nam" (ベトナム語ご発音はつおん: [viət˨ nam˧] ( 音声おんせいファイル))である。ベトナム語ごの漢字かんじ（チュハン）では「共和きょうわ社會しゃかい主義しゅぎ越こし南みなみ」「越こし南みなみ」となる。

1802年ねんに現代げんだいとほぼ変かわらない領土りょうどで統一とういつした人物じんぶつは、阮朝の創始そうし者しゃの阮福映うつ（嘉隆よしたか帝みかど）である。1804年ねんには清きよしの嘉よしみ慶けい帝みかどから越えつ南国なんごく王おうに封ふうぜられ、「越こし南みなみ」を正式せいしきの国号こくごうとした、阮朝は最初さいしょ清きよしに「南越なんごし」の号ごうを求もとめたが、嘉よしみ慶けい帝みかどは「越こし南みなみ」という国号こくごうを与あたえた。「南越なんごし」という国号こくごうに阮朝の領土りょうど的てき野心やしんを警戒けいかいしたという見方みかたもある。

ロシア語ごで「Вьетнам」と書かき、ラテン文字もじ表記ひょうき法ほうの学術がくじゅつ表記ひょうきで「V'etnam」になり、日本語にほんご表記ひょうきは「ベトナム」となる。しかし「i」があるベトナム語ごによる「Việt」の正ただしい発音はつおんは「ベト」ではなく「ヴィエッ」であることから、一部いちぶ文献ぶんけんなどでは「ヴェトナム」「ヴィエトナム」「ヴィエットナム」などの表記ひょうきもみられる。漢字かんじ文化ぶんか圏けんの国家こっかなので漢字かんじで「越こし南みなみ」（えつなん）の表記ひょうきもあり、越こし（えつ）と略りゃくす。「越こし南みなみ」の表記ひょうきを用もちいながら「ベトナム」と呼よぶこともある。現在げんざいの日本にっぽん国こくの外務省がいむしょうではカタカナで「ベトナム」「ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく」の表記ひょうきを用もちいるが、かつてはベトナム語ごの発音はつおんに近ちかい「ヴィェトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく」の表記ひょうきとなっていた。

公式こうしきの英語えいご表記ひょうきは "Socialist Republic of Vietnam" 、略称りゃくしょうは "Vietnam"、または "SRV"。1976年ねん6月がつ24日にち、ベトナム戦争せんそう後こう初はつの南北なんぼく統一とういつ国会こっかい（第だい6期き国会こっかい第だい1回かい会議かいぎ）が招集しょうしゅうされ、7月がつ2日にちの国会こっかい決議けつぎにより現在げんざいの国名こくめいが決定けっていされた。2013年ねんの憲法けんぽう改正かいせい時じに、「ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく」の国名こくめいを、1945年ねんのベトナム八はち月がつ革命かくめいによって独立どくりつした時ときの国名こくめい「ベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こく」に改あらためる動うごきが報ほうじられた が、改正かいせい案あんから国名こくめい変更へんこう部分ぶぶんは除外じょがいされ、変更へんこうはされなかった。

歴史れきし

詳細しょうさいは「ベトナムの歴史れきし」を参照さんしょう

石器せっき文化ぶんか

今いまからおよそ30 - 40万まん年ねん前まえの地層ちそうから人類じんるいの歯はがハノイ北方ほっぽうのタムハイにあるタムクエン洞窟どうくつ（ランソン省しょう）で発見はっけんされている。他たの場所ばしょからも、例たとえばクアンイエンのド山やま（タインホア省しょう）、スアンロク（ドンナイ省しょう）から打だ製せい石器せっきや剥へず片かた石器せっきがたくさん発見はっけんされている。また、タムオム（ゲアン省しょう）、ハンフム（イエンバイ省しょう）、トゥンラン（ニンビン省しょう）、ケオレン（ランソン省しょう）などからも人類じんるいの足跡あしあとが発見はっけんされている。

今いまからおよそ2 - 3万まん年ねん前まえ、現代げんだい人じん（現生げんなま人類じんるい）の祖先そせんと言いわれている新人しんじん（ホモ・サピエンス）が現あらわれた。彼かれらの遺跡いせきは、グオム石窟せっくつ（タイグエン省しょう）、ソンビー（フート省しょう）やライチャウ、ソンラ、バクザン、タインホア、ゲアンの各省かくしょうにみられる。彼かれらの道具どうぐの主おもなものは石斧せきふで、万能ばんのう石器せっきである。

最終さいしゅう氷ごおり期きが終おわり、地球ちきゅう規模きぼで温暖おんだん化かが始はじまった約やく1万まん年ねん前まえから4000年ねん前まえの人類じんるいの遺物いぶつや洞窟どうくつが発見はっけんされている。ホアンビン、バクソン（ランソウン省しょう）、クインバン（ゲアン省しょう）、ハロン（クアンニン省しょう）、バウチョー（クアンビン省しょう）では、前ぜん段階だんかいよりも石器せっきが改良かいりょうされ、多種たしゅの石材せきざいを使つかい様々さまざまな用途ようとに使用しようできる石器せっきが製作せいさくされるようになっていた。今いままでの打だ製せい石器せっきだけではなく刃はを研磨けんました道具どうぐの短たん斧おの・右肩みぎかた石斧せきふなどの磨すり製せい石器せっきがつくられている。その他たには、自然しぜん石せきの礫つぶて石器せっきや動物どうぶつの骨ほねや歯はを利用りようした骨ほね角かく器きが造つくられた。また、パクソン、クインバン、ハロンでは、土器どきを伴ともない、石いし製せいの鋤すき・鍬くわが見みつかっている。これらの遺物いぶつから生活せいかつ様式ようしきが発展はってんしたことがうかがえる。たとえば、土器どきの使用しようにより、煮炊にたきでき、食物しょくもつを保存ほぞんできるようになり、生活せいかつが豊ゆたかになってきた。さらに鋤すきや鍬くわで森もり・土地とちを開墾かいこんして農業のうぎょうができるようになったと推測すいそくできる。さらに動物どうぶつの骨ほねから道具どうぐを作つくっていることから、犬いぬや豚ぶたを飼かって畜産ちくさんを行おこなっていたと考かんがえられる。また、農業のうぎょうや畜産ちくさんを行おこなうことにより、一定いっていの場所ばしょに住すみ着つき、狩猟しゅりょうや採取さいしゅ、場所ばしょによっては漁撈ぎょろうが可能かのうになっていたと考かんがえられる。

青銅器せいどうき文化ぶんか

ドンソン文化ぶんかの銅どう鼓こ。

部族ぶぞく国家こっか群ぐん鴻おおとり龐朝（現げんフート省しょう付近ふきんの文郎ふみお国こく、山岳さんがく部ぶの甌越、紅べに河かわデルタの雒越など）を形成けいせいしていた。これが古こ越えつ人じん（後ごのベト族ぞく）である。紀元前きげんぜん4世紀せいきごろから、東南とうなんアジア最古さいこの青銅器せいどうき文化ぶんかとして知しられる東山ひがしやま（ドンソン）文化ぶんかが、北部ほくぶベトナムの紅べに河かわ（ホンハー）流域りゅういき一帯いったいに広ひろがった。秦はたの始皇帝しこうていによって象ぞう郡ぐんが置おかれ、郡こおり県けん支配しはいを受うけた。蜀しょく泮によって文郎ふみお国こく、甌越、雒越が統合とうごうされ、甌雒（紀元前きげんぜん257年ねん - 紀元前きげんぜん207年ねん）が成立せいりつし、コロアを王おう都ととした。紀元前きげんぜん207年ねんに南越なんごし国こくが成立せいりつし、甌雒を併合へいごうした。

北きた属ぞく期き

詳細しょうさいは「北きた属ぞく期き」を参照さんしょう

• 北部ほくぶ - 紀元前きげんぜん111年ねんの漢かんの南越なんごし国こく征服せいふくで漢かんの武たけ帝みかどが遠征えんせいして南越なんごし国こくが滅亡めつぼう。第だい一いち次じ北きた属ぞく期き（en、紀元前きげんぜん111年ねん - 39年ねん）に入はいり、交州（交趾郡ぐん、日南にちなん郡ぐんなど9郡ぐん）と呼よばれた。40年ねんチュン姉妹しまいが蜂起ほうきしたチュン姉妹しまいの反乱はんらんが起おこるが、後こう漢かんに制圧せいあつされ第だい二に次じ北きた属ぞく期き（en、43年ねん - 544年ねん）が始はじまる。6世紀せいきの終おわりごろに隋ずい（581年ねん-618年ねん）が中国ちゅうごくを統一とういつし、交州総督そうとく府ふを設もうけた。544年ねんに李り賁が前ぜん李り朝ちょうを興おこして独立どくりつ。602年ねん、隋ずい李り戦争せんそうで隋ずいが前ぜん李り朝ちょうに侵攻しんこうし、第だい三さん次じ北きた属ぞく期き（en、602年ねん - 938年ねん）に入はいる。次代じだいの唐とう (618-907) に引ひき継つがれ安やす南都なんと護まもる府ふとなる（安やす南みなみという呼称こしょうの始はじまり）。755年ねんに唐とうで安史やすしの乱らんが起おこると支配しはいは動揺どうようし始はじめ、南みなみ詔みことのりがハノイの安やす南都なんと護まもる府ふを占領せんりょうした（862年ねん - 866年ねん）。
• 中部ちゅうぶ - 192年ねん、オーストロネシア語族ごぞく系統けいとうの古こチャム人じん（後ごのチャム族ぞく）が日南にちなん郡ぐんで、インド化かされたチャンパ王国おうこくを形成けいせいして後こう漢かんから独立どくりつ。734年ねんに平群へぐり広ひろ成なりらの乗のる日本にっぽんの遣唐使けんとうし船ふね第だい3船せんが暴風雨ぼうふううで難破なんぱし、崑こん崙国（チャンパ王国おうこく）に漂着ひょうちゃくして捕縛ほばくされた。後のちに脱出だっしゅつして長安ながやすに戻もどり、渤海経由けいゆで日本にっぽんに帰国きこくした。
• 南部なんぶ - 扶南国こく（1世紀せいき - 6世紀せいき）、真ま臘（6世紀せいき - 8世紀せいき）。

越人えつじん王朝おうちょうの形成けいせい

• 北部ほくぶ - 唐とう末まつ五ご代だい十じゅう国こくの混乱こんらんで中国ちゅうごくの支配しはいが後退こうたいすると939年ねんの白藤しらふじ江こうの戦たたかいで最初さいしょの民族みんぞく王朝おうちょう呉ご朝ちょうが成立せいりつ（北きた属ぞく期きの終おわり）。965年ねんに十じゅう二に使つかい君くんの乱らんが起おこり、966年ねんに丁ひのと朝あさが成立せいりつ。980年ねんに黎はじむ桓が前ぜん黎はじむ朝あさを興おこし、981年ねんの白藤しらふじ江こうの戦たたかいで宋そう軍ぐんを追おい返かえすことに成功せいこう。1001年ねんに李り朝ちょうの成立せいりつ。宋そうは「安やす南国なんごく」を朝貢ちょうこう国こくとして承認しょうにんした。1054年ねんに国号こくごうを「大越おおこし」としたが、19世紀せいきに至いたるまで中国ちゅうごくは「安やす南みなみ」と呼よんだ。国内こくないでは「大越おおこし」（ダイベト、大おおいなる「越こし」）であった。昇竜しょうりゅう（タンロン、後ごのハノイ）に遷都せんと。以後いご、越えつ人じんの王朝おうちょう「大越おおこし」は南みなみのチャンパと抗こう争そうを繰くり返かえした。1225年ねん、李り朝ちょうとの婚姻こんいんから陳ちん太ふとし宗むねへ譲位じょういさせることに成功せいこうし、陳ひね朝あさが成立せいりつ。
• 中部ちゅうぶ - チャンパ王国おうこく
• 南部なんぶ - クメール王朝おうちょう

モンゴルの侵攻しんこう

モンゴル帝国ていこくに連つらなる元もとが中国ちゅうごくを支配しはいした13世紀せいきに、皇帝こうていのクビライは3度どにわたるベトナム侵攻しんこう（元もと越えつ戦争せんそう）を行おこなった。1258年ねん、第だい1次元じげん越こし戦争せんそう。1283年ねん、第だい2次元じげん越こし戦争せんそう。1287年ねん、第だい3次元じげん越こし戦争せんそう。1288年ねんの白藤しらふじ江こうの戦たたかいで敗北はいぼくした元もとの侵攻しんこう軍ぐんは敗走はいそうした。

第だい四よん次じ北きた属ぞく期き

14世紀せいきに陳ひね朝あさの都と昇龍しょうりゅう（タンロン）を2度ど攻略こうりゃくした制せい蓬よもぎ峩（チェーボンガー、Chế Bồng Nga）の死後しご、チャンパ王国おうこくでは羅ら皚による王位おうい簒奪さんだつが起おこった。陳ひね朝あさに代かわった胡えびす朝あさがチャンパ王国おうこくへ逆ぎゃく侵攻しんこうすると、羅ら皚の子こである巴ともえ的てき吏が、元もとに代かわった中国ちゅうごく・明あきらの永楽えいらく帝みかどに援軍えんぐんを求もとめて干渉かんしょう戦争せんそう明あかり胡えびす戦争せんそう（明あきら・大だい虞おそれ戦争せんそう）が起おこり、1407年ねんに胡えびす朝あさは滅亡めつぼう。第だい四よん次じ北きた属ぞく期き（1407年ねん-1427年ねん）となり、明あきらよって「交阯」（Jiaozhi、Giao Chỉ、交趾）との地名ちめいで呼よばれた。

南進なんしん時代じだい

藍あい山やま蜂起ほうき（1418年ねん - 1428年ねん）で明あかり軍ぐんを追おい出だした黎はじむ利り（レ・ロイ）により後こう黎はじむ朝あさが起おこる（1428年ねん - 1788年ねん）。地方ちほう王権おうけんの緩ゆるやかな連合体れんごうたいという形態けいたいだったチャンパ王国おうこく にはヴィジャヤとパーンドゥランガの2つの核かくとなる地域ちいきがあったが、1471年ねんに後こう黎はじむ朝あさの侵攻しんこう（チャンパ・大越おおこし戦争せんそう）によりヴィジャヤが滅亡めつぼうした。

黎はじむ朝ちょう帝室ていしつが衰おとろえると権臣けんしんの莫登庸とうようによる簒奪さんだつ王朝おうちょう莫朝が権力けんりょくを掌握しょうあく。黎はじむ朝ちょう復興ふっこう勢力せいりょくと莫朝が紅べに河かわを挟はさんで向むき合あう南北なんぼく朝あさ時代じだいの戦乱せんらんを経へて後こう黎はじむ朝あさは復興ふっこうしたが、北部ほくぶは帝室ていしつを牛耳ぎゅうじる東京とうきょう鄭てい氏しが支配しはいし、中部ちゅうぶには広こう南みなみ阮氏による半はん独立どくりつ政権せいけんが成立せいりつし、両者りょうしゃの間あいだで鄭てい阮戦争そうが起おこった。このころ、日本にっぽんは広こう南みなみ阮氏と交易こうえきし、ホイアンに日本人にっぽんじん町まちができ来遠橋きえんばしなどが建たてられた。

広こう南みなみ阮氏は、1611年ねんからパーンドゥランガの領土りょうどを侵食しんしょくし始はじめる。鄭てい阮戦争そうの難民なんみんがメコンデルタへ流出りゅうしゅつすると、カンボジアのチェイ・チェッタ2世せい（在位ざいい：1618年ねん-1628年ねん）は、プレイノコール（英えい: Prey Nokor、現げんホーチミン市し）に難民なんみんを受うけ入いれ及および徴税ちょうぜいのために税関ぜいかん事務所じむしょを建設けんせつすることを許可きょかした。これによってメコンデルタのベトナム化かが進行しんこうしたことで、広こう南みなみ阮氏の南下なんかを呼よび込こむ結果けっかになる。1681年ねん、ダナン沖おきに明朝みょうちょう遺臣いしんを名乗なのる楊彦迪すすむ（ズオン・ガン・ディック、Dương Ngạn Địch）、陳ちん上川かみかわ（チャン・トゥオン・スィエン、Trần Thượng Xuyên）らの率ひきいる50隻せき余あまりの艦隊かんたいが出現しゅつげんして広こう南国なんごくへの亡命ぼうめいを申もうし出でると、広こう南国なんごくはメコンデルタへの入植にゅうしょくに彼かれらを活用かつようすることとなった

1693年ねんに広こう南みなみ阮氏の武将ぶしょう阮有鏡きょうがパーンドゥランガを征服せいふくした。1708年ねんに現在げんざいのキエンザン省しょう・カマウ省しょうに勢力せいりょくを伸のばしていた鄚玖の半はん独立どくりつ国こく「港口こうこう国こく」がカンボジア王おうを裏切うらぎり、広こう南みなみ阮氏に朝貢ちょうこうするようになる。広こう南みなみ阮氏は、阮福濶の時代じだいにカンボジア領りょうであったメコンデルタ下流かりゅうのクメール人じん居住きょじゅう領域りょういきの併合へいごうを行おこなう。

西山にしやま朝ちょう

1771年ねんに西山にしやま阮氏による西山にしやま党とうの乱らんが起おこり、1777年ねんに広こう南みなみ阮氏を滅ほろぼした。1785年ねんにシャムの支援しえんを受うけた広こう南みなみ阮氏の残党ざんとう・阮福映うつがメコンデルタ地帯ちたいに攻せめ込こんだが（ラックガム＝ソアイムットの戦たたかい）、阮恵（グエン・フエ）率ひきいる西山にしやま阮氏はこれを撃退げきたいした。阮恵は軍ぐんを北きたに向むけ鄭てい氏しもまた滅ほろぼし、西山にしやま朝ちょうが成立せいりつした。1789年ねんには、北部ほくぶに辛かろうじて存在そんざいしていた後のち黎はじむ朝あさの昭あきら統みつる帝みかどが清きよしの乾いぬい隆たかし帝みかどに援軍えんぐんを求もとめて始はじまった干渉かんしょう戦争せんそうのドンダーの戦たたかいでも阮恵が勝利しょうりし、後こう黎はじむ朝あさも滅ほろんだ。阮福映うつは、フランス人じん宣教師せんきょうしピニョー・ド・ベーヌを始はじめとする外国がいこく勢力せいりょくやチャンパ遺臣いしんの助たすけを得えて西山にしやま朝ちょうと戦たたかった。

阮朝

ベトナム中部ちゅうぶの都市としフエには、19世紀せいきに越こし南みなみ阮朝の都とと宮廷きゅうていが置おかれた。ユネスコの世界せかい遺産いさん（文化ぶんか遺産いさん）に「フエの建造けんぞう物ぶつ群ぐん」として登録とうろくされている。

西山にしやま朝ちょうに内紛ないふんの兆きざしが見みえると、阮福映うつが1802年ねんに西山にしやま朝ちょうを滅ほろぼし、阮朝（1802年ねん - 1945年ねん）を興きょうこした。1830年代ねんだいには港口こうこう国こくが阮朝の支配しはい下かに入はいり、チャンパ遺臣いしんの自治領じちりょうも完全かんぜんに阮朝に吸収きゅうしゅうされ、現在げんざいの統一とういつ国家こっかベトナムの形かたちがほぼ完成かんせいする。

フランス植民しょくみん地ち支配しはい

フランス軍ぐん支援しえんのために組織そしきされた現地げんち兵へい部隊ぶたいリンタップ（vi:Lính tập）の伍長ごちょう。1916年ねん。

1847年ねん4月がつ15日にち、フランス軍艦ぐんかんがダナンを艦かん砲ほう射撃しゃげきし、フランスの侵略しんりゃくが始はじまる（ダナンの戦たたかい）。1858年ねん9月、フランス・スペイン連合れんごう艦隊かんたいがダナンに侵攻しんこう（コーチシナ戦争せんそう、1858年ねん-1862年ねん）。1862年ねん6月がつ、第だい1次じサイゴン条約じょうやくでフランスに南部なんぶ3省しょうを割譲かつじょう。1867年ねん6月がつ、フランス領りょうコーチシナが成立せいりつ。1874年ねん3月、第だい2次じサイゴン条約じょうやくでフランスに紅べに河かわ通商つうしょう権けんを割譲かつじょう。1882年ねん4月がつ、フランスがハノイを占領せんりょうした。

1883年ねん6月がつ、トンキン戦争せんそう（1883年ねん6月がつ - 1886年ねん4月がつ）が勃発ぼっぱつ。8月、癸みずのと未み条約じょうやく（第だい1次じフエ条約じょうやく、アルマン条約じょうやく）でアンナンとトンキンがフランスの保護ほご領りょうとなる。1884年ねん5月、天津てんしん停戦ていせん協定きょうてい（李り・フルニエ協定きょうてい）を締結ていけつ。6月、甲きのえ申さる条約じょうやく（第だい2次じフエ条約じょうやく、パトノートル条約じょうやく）で清きよしへの服従ふくじゅう関係かんけいを絶たつ。

1884年ねん8月がつ、清しん仏ふつ戦争せんそう（1884年ねん8月がつ - 1885年ねん4月がつ）が勃発ぼっぱつ。1885年ねん6月がつ、天津てんしん条約じょうやくで、清きよしは宗主そうしゅ権けんを放棄ほうきすると共ともに、癸みずのと未み条約じょうやくと甲きのえ申さる条約じょうやくで定さだめたフランスのアンナンとトンキンへの保護ほご権限けんげんを承認しょうにんした。1887年ねん10月、フランス領りょうインドシナ連邦れんぽう（トンキン保護ほご領りょう、アンナン保護ほご領りょう、コーチシナ直轄ちょっかつ植民しょくみん地ちに分割ぶんかつ統治とうち、カンボジア保護ほご国こくと併合へいごう、1889年ねん4月がつにはラオス保護ほご国こくを併合へいごう）が成立せいりつし、フランスにより植民しょくみん地ち化かされた。日本にっぽんでは「仏ふつ印しるし」と呼よばれた。

反はん仏ふつ独立どくりつ運動うんどう

フランス支配しはいに対たいして北部ほくぶを中心ちゅうしんに多おおくの抵抗ていこう運動うんどうが起おきた。初期しょきの代表だいひょう的てきなものに大だい陳ひね起おこり義よし、安世やすよ起おこり義ぎなどがあり、指導しどう者しゃとしてホアン・ホア・タム（黄き花はな探さがせ、通称つうしょう「デ・タム」）などが知しられる。

1904年ねん、ファン・ボイ・チャウ（潘はん佩珠）とクォン・デが維新いしん会かいを結成けっせい。1905年ねん、ファン・ボイ・チャウが反はん仏ふつ独立どくりつの支援しえんを求もとめて来日らいにち（東遊あずまあそび運動うんどう）。1907年ねん、en:Gilbert Trần Chánh ChiếuとFrançois-Henri SchneiderらによってLục Tỉnh Tân Văn（六ろく省しょう新聞しんぶん、1907年ねん - 1908年ねん）がサイゴンで発行はっこうされる。1912年ねん、広東かんとんでベトナム光こう復ふく会かいを結成けっせい。

1913年ねん、Nguyễn Văn VĩnhとFrançois-Henri Schneiderらによって初はつのチュ・クオック・グー新聞しんぶんの『Đông Dương tạp chí』（『東洋とうよう雑誌ざっし』、1913年ねん - 1919年ねん）がハノイで発行はっこうされる。1916年ねん、コーチシナ蜂起ほうき。1919年ねん、ホー・チ・ミンが安やす南みなみ愛国あいこく者しゃ協会きょうかい（Association des Patriotes Annamites）を組織そしき。1923年ねん、Diệp Văn Kỳによってチュ・クオック・グー新聞しんぶん『Ðông Pháp Thời Báo』（『東ひがし法ほう時報じほう』、1923年ねん - 1928年ねん）がサイゴンで発行はっこうされる。1930年ねん、ホー・チ・ミンが香港ほんこんでベトナム共産党きょうさんとう（インドシナ共産党きょうさんとう）を設立せつりつ。1930年ねんに、イエンバイ省しょうでグエン・タイ・ホックらベトナム国民党こくみんとうによるイエンバイ蜂起ほうき、ゲアン省しょうとハティン省しょうでゲティン・ソヴィエト（ベトナム語ご: Xô Viết Nghệ Tĩnh、Nghe-Tinh soviet）の蜂起ほうきが起おこった。

1939年ねん、フランス植民しょくみん地ち政府せいふがインドシナ共産党きょうさんとうを禁止きんし。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん

詳細しょうさいは「第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん」を参照さんしょう

1940年ねん、ナチス・ドイツのフランス侵攻しんこうにより、フランスは北部ほくぶを占領せんりょうされ、南部なんぶにはドイツに協力きょうりょくするヴィシー政権せいけんが樹立じゅりつされた。これに伴ともない、日本にっぽん軍ぐんが北部ほくぶ仏ふつ印しるし進駐しんちゅう。1941年ねん、タイ王国おうこくとフランス（ヴィシー政権せいけん）の間あいだにタイ・フランス領りょうインドシナ紛争ふんそうが発生はっせいした。日本にっぽん政府せいふは東京とうきょう条約じょうやくでこれを仲裁ちゅうさいした直後ちょくごに南部なんぶ仏ふつ印しるし進駐しんちゅうを決行けっこう。米べい英えい蘭らんとの対立たいりつを深ふかめて太平洋戦争たいへいようせんそうに突入とつにゅうし、仏ふつ印しるしは南方みなかた作戦さくせん（マレー作戦さくせん、マレー沖おき海戦かいせん、タイ進駐しんちゅう）における日本にっぽん軍ぐんの策源地さくげんちとなった。

1944年ねん、ヴォー・グエン・ザップが武装ぶそう宣伝せんでん旅団りょだん（ベトナム人民じんみん軍ぐんの前身ぜんしん）を組織そしき。凶作きょうさくに加くわえ、米べい軍ぐんの空襲くうしゅうによる南北なんぼく間あいだ輸送ゆそう途絶とぜつや、フランス・インドシナ植民しょくみん地ち政府せいふ及および日本にっぽん軍ぐんによる食糧しょくりょう徴発ちょうはつなどが重かさなり、北部ほくぶ（トンキン）を中心ちゅうしんに翌年よくねんまでに200万まん人にん以上いじょう（諸説しょせつあり）が餓死がししたとされる（1945年ねんベトナム飢饉ききん）。また、日本にっぽん軍ぐんが「慰安いあん所しょ」を運営うんえいしたことを示しめすフランス軍ぐん公式こうしき資料しりょうも確認かくにんされている。1945年ねん3月11日にち、保ほ大だい（バオ・ダイ）帝みかどが日本にっぽんの援助えんじょ（明あかり号ごう作戦さくせん）下したでベトナム帝国ていこくの独立どくりつを宣言せんげん。1945年ねん8月がつ15日にち、連合れんごう国こくへの降伏ごうぶくを決きめた日本にっぽんがポツダム宣言せんげんを受諾じゅだくした旨むねを声明せいめい（玉音ぎょくおん放送ほうそう）し、軍ぐんに戦闘せんとう停止ていしを命令めいれいしたが、8月がつ17日にち、ベトナム独立どくりつ同盟どうめい（ベトミン）がハノイを占拠せんきょし（ベトナム八はち月がつ革命かくめい）、この革命かくめいでバオ・ダイは退位たいいさせられた。9月2日にち、ベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こくの樹立じゅりつを宣言せんげん、ホー・チ・ミンが初代しょだい国家こっか主席しゅせき兼けん首相しゅしょうに就任しゅうにん。同日どうじつ、日本にっぽんが降伏ごうぶく文書ぶんしょに署名しょめいした。

アメリカの介入かいにゅうと南北なんぼく分断ぶんだん時代じだい

インドシナ戦争せんそう

1946年ねん11月、ハイフォン（海防かいぼう）でのフランス軍ぐんとの衝突しょうとつから、フランスに対たいする独立どくりつ戦争せんそう（第だい一いち次じインドシナ戦争せんそう、1946年ねん - 1954年ねん）が始はじまる。1949年ねん、フランスはサイゴンにバオ・ダイを復位ふくいさせ、ベトナム国こくとして独立どくりつを認みとめる。国共こっきょう内戦ないせんにおける中国共産党ちゅうごくきょうさんとうの勝利しょうりで中国ちゅうごく大陸たいりくに建国けんこくされた中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくと、ソビエト連邦れんぽうは、ベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こくを承認しょうにん。以後いご、東西とうざい冷戦れいせん下したで北きたベトナム及および統一とういつベトナムは、中ちゅうソや朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく（北朝鮮きたちょうせん）、東欧とうおう社会しゃかい主義しゅぎ諸国しょこくとともに東側ひがしがわ陣営じんえいに属ぞくすることとなった。

北きたベトナムの土地とち改革かいかく（1953年ねん - 1956年ねん）。1954年ねん5月のディエンビエンフーの戦たたかいで敗北はいぼくしたフランスは7月がつにジュネーヴ協定きょうていを結むすんでベトナムから撤退てったいし、独立どくりつ戦争せんそうは終結しゅうけつした。同時どうじに、北緯ほくい17度ど線せんで国土こくどがベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こく（北きたベトナム）とベトナム国こく（南みなみベトナム）に分断ぶんだんされる。10月、南みなみベトナムではアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくを後うしろ盾たてにゴ・ディン・ジェムが大統領だいとうりょうに就任しゅうにん、国名こくめいをベトナム共和きょうわ国こくにする。1960年ねん12月、南みなみベトナム解放かいほう民族みんぞく戦線せんせん結成けっせい。

ベトナム戦争せんそう

1962年ねん2月がつ、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくはサイゴンに援助えんじょ軍ぐん司令しれい部ぶを作つくり、軍事ぐんじ介入かいにゅうによるベトナム戦争せんそう（第だい二に次じインドシナ戦争せんそう）が始はじまる。1963年ねん11月22日にちにケネディ大統領だいとうりょうが暗殺あんさつされ、ジョンソンが米べい大統領だいとうりょうに就任しゅうにんすると、1964年ねん8月がつ2日にちと4日にちのトンキン湾わん事件じけん以降いこう、米べい軍ぐんは戦争せんそうに直接ちょくせつ介入かいにゅうするようになる。1965年ねん2月がつ、アメリカが北きたベトナムの爆撃ばくげき（北きた爆ばく）を開始かいしし、本格ほんかく的てきな戦争せんそうに突入とつにゅうする。1968年ねん1月がつ、南みなみベトナム全土ぜんどで解放かいほう戦線せんせん・北きたベトナムのテト攻勢こうせいにより、アメリカは大だい打撃だげきを受うける。5月、パリ和平わへい会談かいだんを開始かいししたが、会議かいぎは中断ちゅうだんされる。同年どうねん10月がつ、ジョンソン政権せいけんが北きた爆ばくを中止ちゅうしして会議かいぎが再開さいかいされた。1969年ねん1月がつ20日はつか、ニクソン政権せいけんが誕生たんじょうし、南北なんぼくベトナム、解放かいほう戦線せんせん、アメリカの4者しゃによるパリ和平わへい会談かいだんが始はじまる。6月、南みなみベトナムで解放かいほう戦線せんせんは、南みなみベトナム共和きょうわ国こく革命かくめい臨時りんじ政府せいふを建設けんせつし、ベトナム共和きょうわ国こくと対峙たいじする。9月2日にち、ホー・チ・ミンが死去しきょし、レ・ズアンが第だい一いち書記しょきとして党とうのトップとなる。1972年ねん4月がつ、アメリカ・ニクソン政権せいけんは北きた爆ばくを再開さいかいする。1973年ねん1月がつ、南北なんぼくベトナム政府せいふおよび臨時りんじ革命かくめい政府せいふならびにアメリカの4者しゃが、パリ和平わへい協定きょうていに調印ちょういんする。1973年ねん、日本にっぽんとの国交こっこうが樹立じゅりつされる。1975年ねん4月がつ30日にち、北きたベトナムと解放かいほう戦線せんせんが春はるの大だい攻勢こうせいを行おこなうと、南みなみベトナムのズオン・バン・ミン大統領だいとうりょうは全面ぜんめん降伏ごうぶくする。サイゴンは陥落かんらくし、ベトナム共和きょうわ国こくは崩壊ほうかい。南みなみベトナム共和きょうわ国こくの名なの下したに北きたベトナムが実権じっけんを掌握しょうあくし、ベトナム戦争せんそうは終結しゅうけつした。

南北なんぼくベトナム再さい統一とういつ以後いご

1976年ねん4月がつ、南みなみベトナム消滅しょうめつによる南北なんぼく統一とういつ、初はつの南北なんぼく統一とういつ選挙せんきょが行おこなわれた。1976年ねん7月がつ2日にち、ベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こくをベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくに改名かいめい。1976年ねん12月、ベトナム労働党ろうどうとう第だい4回かい全国ぜんこく代表だいひょう者しゃ大会たいかいをハノイで開ひらき、旧きゅう名称めいしょうであるベトナム共産党きょうさんとうを再度さいど採用さいようした。

カンボジア・ベトナム戦争せんそうと中越なかごえ戦争せんそう

第だい二に次じインドシナ戦争せんそうでカンボジアの共産きょうさん主義しゅぎ勢力せいりょくクメール・ルージュは、北きたベトナムや南みなみベトナム解放かいほう戦線せんせんと協力きょうりょく関係かんけいにあったが、1975年ねんにカンボジア内戦ないせんに勝利しょうりして民主みんしゅカンプチアを建国けんこくした後のちはベトナムとの対立たいりつを深ふかめた。民主みんしゅカンプチアによる多おおくの国境こっきょう侵犯しんぱんやバチュク村むらの虐殺ぎゃくさつなどにより、1978年ねん12月にカンボジア・ベトナム戦争せんそう（第だい三さん次じインドシナ戦争せんそう、1978年ねん - 1989年ねん）でカンボジアへの侵攻しんこうを開始かいし。1979年ねん、侵攻しんこうを非難ひなんする中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくがベトナムを攻撃こうげきし、中越なかごえ戦争せんそうが開始かいしされる。世界せかい各国かっこくは援助えんじょを停止ていししたためベトナムは孤立こりつするが、戦争せんそう期きに中ちゅうソから支援しえんされ、またアメリカや南みなみベトナムから鹵獲ろかく・接収せっしゅうした多種たしゅ多様たような近代きんだい兵器へいきと実戦じっせん経験けいけん豊富ほうふな古参こさん兵へいを擁ようするベトナムは、文化ぶんか大だい革命かくめいで混乱こんらん・疲弊ひへいした中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐんを相手あいてに善戦ぜんせんし、国連こくれん五ご大国たいこくの一角いっかくである中国ちゅうごくを一いち度どは退しりぞけた。

戦争せんそうが継続けいぞくされる一方いっぽう、国内こくないの産業さんぎょうは混乱こんらん、経済けいざいは低迷ていめいした。特とくに、1979年ねんの農業のうぎょうは農地のうちの集団しゅうだん化かが進すすまないなどの理由りゆうでコメの生産せいさんが計画けいかく量りょうに達たっせず、軽工業けいこうぎょうも人材じんざい不足ふそくや原材料げんざいりょうの輸入ゆにゅう途絶とぜつで生産せいさんが停滞ていたいした。五ごか年ねん計画けいかくは破綻はたんし、コメの配給はいきゅうが行おこなわれない地区ちくも発生はっせいした。

1986年ねん7月がつ、レ・ズアンが死去しきょ。12月、第だい6回かい全国ぜんこく代表だいひょう者しゃ大会たいかい以降いこう、チュオン・チン国家こっか評議ひょうぎ会かい議長ぎちょう体制たいせいは、社会しゃかい主義しゅぎ型がた市場いちば経済けいざいを目指めざす「ドイモイ（刷新さっしん）政策せいさく」を開始かいしし、改革かいかく・開放かいほう路線ろせんに踏ふみ出だす。1988年ねん3月14日にち、ジョンソン南みなみ礁が中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくに占領せんりょうされる（スプラトリー諸島しょとう海戦かいせん）。カンボジア・ベトナム戦争せんそうで勝利しょうりしてヘン・サムリン率ひきいる親おやベトナム政権せいけんを成立せいりつさせた代償だいしょうにソ連それん圏けんを除のぞく国際こくさい社会しゃかいから孤立こりつし、国内こくない経済けいざいが疲弊ひへいしており、1989年ねん9月、カンボジアから完全かんぜん撤兵てっぺいし、カンボジア・ベトナム戦争せんそうが終結しゅうけつ。カンボジアからの撤退てったいを命めいじたグエン・ヴァン・リンらが1990年ねんに秘密ひみつ裡うらに訪中ほうちゅうし、1991年ねんに中国ちゅうごくを訪おとずれたヴォー・チ・コン国家こっか評議ひょうぎ会かい議長ぎちょうが江沢民こうたくみん総そう書記しょきと会談かいだん、越中えっちゅう関係かんけいを正常せいじょう化かさせた。

関係かんけい改善かいぜん期き

1991年ねん6月27日にち、ドー・ムオイが共産党きょうさんとう書記しょき長ちょう（最高さいこう指導しどう者しゃ）に就任しゅうにん。1993年ねん2月がつ、フランスと和解わかい（当時とうじのフランス共和きょうわ国こく大統領だいとうりょうはフランソワ・ミッテラン）。1995年ねん7月がつ、クリントン・アメリカ大統領だいとうりょうが、国家こっかの承認しょうにんと外交がいこう関係かんけい樹立じゅりつを発表はっぴょう。1995年ねん8月がつ5日にち、アメリカと和解わかいした。

7月がつ、東南とうなんアジア諸国しょこく連合れんごう（ASEAN）が加盟かめいを認みとめ、周辺しゅうへん諸国しょこくとの関係かんけいも改善かいぜんした。10月、所有しょゆう権けんや契約けいやくの考かんがえ方かたを盛もり込こんだ、初はじめての民法みんぽうができる。1996年ねん1月がつ、ASEAN自由じゆう貿易ぼうえき地域ちいき（AFTA） に参加さんか。1997年ねん12月29日にち、レ・カ・フューが共産党きょうさんとう書記しょき長ちょうに就任しゅうにん。1998年ねん、アジア太平洋たいへいよう経済けいざい協力きょうりょく（APEC）参加さんか。2003年ねん7月がつ5日にち フォンニャーケーバン国立こくりつ公園こうえんがユネスコ世界せかい遺産いさんに登録とうろくされた。

2001年ねん4月がつ22日にち、ノン・ドゥック・マインが共産党きょうさんとう書記しょき長ちょうに就任しゅうにん。2003年ねん、日にち越えつ投資とうし協定きょうてい締結ていけつ。2006年ねん初頭しょとう、Bui Tien Dungが拘留こうりゅうされる。6月27日にち、チャン・ドゥック・ルオン国家こっか主席しゅせきの引退いんたいに伴ともない、新しん国家こっか主席しゅせきにベトナム共産党きょうさんとうのグエン・ミン・チェット政治せいじ局員きょくいん（ホーチミン市し党とう委員いいん会かい書記しょき）を選出せんしゅつした。また、引退いんたいするファン・ヴァン・カイ首相しゅしょうの後任こうにんにグエン・タン・ズン党とう政治せいじ局員きょくいんを国会こっかいは選出せんしゅつした。6月28日にち、新しん首相しゅしょうの提案ていあんに基もとづき8閣僚かくりょうの交代こうたい人事じんじを国会こっかいは承認しょうにんした。ダオ・ディン・ビン交通こうつう運輸うんゆ大臣だいじんは同省どうしょう傘下さんかの汚職おしょく事件じけん（PMU 18 scandal）で指導しどう責任せきにんを問とわれ、事実じじつ上じょう更迭こうてつされた。

2007年ねん1月がつ11日にち、世界せかい貿易ぼうえき機関きかん（WTO）に正式せいしき加盟かめいした（150番目ばんめの加盟かめい国こく）。2007年ねん10月16日にち、国連こくれん総会そうかいで安全あんぜん保障ほしょう理事りじ会かいの非ひ常任じょうにん理事りじ国こくに初はつ選出せんしゅつされた。

2011年ねん、グエン・フー・チョンが書記しょき長ちょうに就任しゅうにん。反はん腐敗ふはい運動うんどうを進すすめ権力けんりょく集中しゅうちゅうが進すすむ。2021年ねん、コロナウイルスによる社会しゃかいの混乱こんらんから異例いれいの3期き目めとなる。2023年ねん、汚職おしょくによりナンバー2であったグエン・スアン・フックが失脚しっきゃくし、2024年ねん3月がつにはフックの後任こうにんとなっていたヴォー・ヴァン・トゥオンも「党とうの規律きりつに違反いはんする行為こうい」があったとして失脚しっきゃく。同年どうねん4月がつには、ヴオン・ディン・フエ国会こっかい議長ぎちょうも「党とうの規則きそくに違反いはんし、党とうや国家こっかの威信いしんに影響えいきょうを与あたえた」ことを理由りゆうに任期にんき途中とちゅうの辞任じにんが承認しょうにんされた。

政治せいじ

ベトナム共産党きょうさんとうの党とう旗き(左ひだり)とベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくの国旗こっき(右みぎ)

詳細しょうさいは「ベトナムの政治せいじ」および「ベトナム政府せいふ」を参照さんしょう

統治とうち体制たいせい

政体せいたいは社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ制せい。統治とうち体制たいせいは、憲法けんぽう第だい4条じょうにおいて「労働ろうどう者しゃ階級かいきゅう、働はたらく人民じんみん及および全すべての民族みんぞくの利益りえきを忠実ちゅうじつに代表だいひょうする国家こっかと社会しゃかいの指導しどう勢力せいりょく」とされているベトナム共産党きょうさんとうによる一いち党とう独裁どくさい制せいである。共産党きょうさんとう内ないの序列じょれつ最さい上位じょうい4名めいが「四よん柱はしら」と呼よばれており、序列じょれつトップが書記しょき長ちょう（最高さいこう指導しどう者しゃ）、序列じょれつ2位い、3位い、4位いの3名めいがそれぞれ国家こっか元首げんしゅである国家こっか主席しゅせき、政府せいふの長ながである政府せいふ首相しゅしょう、立法府りっぽうふである国会こっかいの議長ぎちょうを務つとめるのが通例つうれいとなっている。原則げんそくとして、中国ちゅうごくやキューバなど他たの社会しゃかい主義しゅぎ国こくと違ちがい、党とうと国家こっかのトップを同おなじ人物じんぶつが兼務けんむすることはなく「四よん柱はしら」を中心ちゅうしんとした集団しゅうだん指導しどう体制たいせいを取とる。2018年ねん10月がつには病死びょうししたチャン・ダイ・クアン国家こっか主席しゅせきの後任こうにんとしてグエン・フー・チョン共産党きょうさんとう書記しょき長ちょうが2021年ねんまで国家こっか主席しゅせきを兼任けんにんしていた。2024年ねん以降いこう、書記しょき長ちょうと国家こっか主席しゅせきがトー・ラム、首相しゅしょうはファム・ミン・チン、国会こっかい議長ぎちょうはチャン・タイン・マンである。

「四よん柱はしら」、「ベトナム共産党きょうさんとう中央ちゅうおう執行しっこう委員いいん会かい書記しょき長ちょう」、「ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく主席しゅせき」、および「ベトナムの首相しゅしょう」も参照さんしょう

• 2024年ねん8月がつ以降いこうのベトナムの「四よん柱はしら」
• 
  トー・ラム
  共産党きょうさんとう書記しょき長ちょう（最高さいこう指導しどう者しゃ）・国家こっか主席しゅせき
• 
  ファム・ミン・チン
  首相しゅしょう
• 
  チャン・タイン・マン
  国会こっかい議長ぎちょう

最高さいこう指導しどう者しゃであるグエン・フー・チョンは反はん汚職おしょくを掲かかげて権力けんりょくを集中しゅうちゅうさせており、ナンバー2であったグエン・スアン・フックとヴォー・ヴァン・トゥオンが相次あいついで失脚しっきゃく、四よん柱はしらのポストも彼かれに近ちかい保守ほしゅ派はで北きた・中部ちゅうぶ出身しゅっしん者しゃである。

南北なんぼく統一とういつの歴史れきし的てき経緯けいいとして指導しどう者しゃのバランスを取とることで融和ゆうわを目指めざす事ことが慣例かんれいであったが破やぶられた。

マルクス・レーニン主義しゅぎ、ホー・チ・ミン思想しそうを基軸きじくとするベトナム共産党きょうさんとうは、現在げんざいのベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく憲法けんぽう（2013年ねん制定せいてい）第だい4条じょうに「国家こっかと社会しゃかいの指導しどう勢力せいりょく」と明記めいきされている。建国けんこく以来いらい、一貫いっかんして集団しゅうだん指導しどうによる国家こっか運営うんえいを行おこなっており、ホー・チ・ミン（初代しょだいベトナム労働党ろうどうとう主席しゅせき兼けんベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こく主席しゅせき）でさえも専制せんせい的てきな権力けんりょくを有ゆうしたことはない。1980年代ねんだいまでは、民主党みんしゅとう、社会党しゃかいとうなどの衛星えいせい政党せいとうも存在そんざいするヘゲモニー政党せいとう制せいであったが、1980年代ねんだい末まつには解散かいさんされ、名目めいもく的てきな複数ふくすう政党せいとう制せいから、純粋じゅんすいな一いち党とう制せいに移行いこうした。現在げんざい、ベトナム共産党きょうさんとう以外いがいの政党せいとうの結成けっせいは禁止きんしされている。

「ベトナムの政党せいとう」も参照さんしょう

政府せいふの運営うんえいは極きわめて官僚かんりょう的てきであり、市場いちば経済けいざい化かしつつ政治せいじの民主みんしゅ化かは認みとめない中国共産党ちゅうごくきょうさんとう独裁どくさい下かの中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくに類似るいじしている。近年きんねんでは行政ぎょうせい手続てつづきを簡素かんそ化かするなど、投資とうしの透明とうめい性せいや効率こうりつ性せいを向上こうじょうさせようとしている。

立法りっぽう

詳細しょうさいは「国会こっかい (ベトナム)」を参照さんしょう

立法府りっぽうふたる一院制いちいんせいの国会こっかいは憲法けんぽうでは「国権こっけんの最高さいこう機関きかん」とされ、定員ていいん500名めい、任期にんき5年ねん。ただし、一いち党とう独裁どくさい制せいであるため、国会こっかいは重要じゅうような役割やくわりを果はたしてはいない。全ぜん立候補者りっこうほしゃは共産党きょうさんとう翼賛よくさん組織そしきの「ベトナム祖国そこく戦線せんせん」の審査しんさで絞しぼり込こまれる。投票とうひょう率りつは9割わり以上いじょうだが、家族かぞくや組織そしきの代表だいひょう者しゃによる代理だいり投票とうひょうが行おこなわれており、実際じっさいの投票とうひょう経験けいけんはない国民こくみんも多おおい。

国会こっかい議員ぎいんの9割わり以上いじょうは共産きょうさん党員とういんであり、1986年ねん以降いこうは政府せいふ批判ひはんの発言はつげんも見みられるが、党とうの指導しどうは絶対ぜったい的てきである。

住民じゅうみん登録とうろく

長ながらく戸籍こせきで国民こくみんを登録とうろくしていたが2021年ねん7月がつ1日にちに戸籍こせき簿ぼの発行はっこうが終了しゅうりょう、2023年ねん1月がつ1日にち、個人こじんを単位たんいとする住民じゅうみんデータベースに移行いこう。

国際こくさい関係かんけい

詳細しょうさいは「ベトナムの国際こくさい関係かんけい」を参照さんしょう

ベトナムと外交がいこう関係かんけいを有ゆうする諸国しょこくの一覧いちらん図ず。

中国ちゅうごくとの関係かんけい

詳細しょうさいは「中越なかごえ関係かんけい」を参照さんしょう

共産党きょうさんとうの一いち党とう社会しゃかい主義しゅぎ体制たいせいを採用さいようしており、社会しゃかい主義しゅぎ市場いちば経済けいざいやネット検閲けんえつなど中国ちゅうごくと類似るいじする政策せいさくを行おこなっているために「ミニ中国ちゅうごく」の異名いみょうがある。

中国ちゅうごくの王朝おうちょうから侵略しんりゃくや支配しはいを受うけ938年ねんにその支配しはいを脱だっした。

第だい一いち次じインドシナ戦争せんそうやベトナム戦争せんそうでは、ベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こくは中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくから支援しえんを受うけ、グエン・ソンのような中国共産党ちゅうごくきょうさんとう党員とういんはベトナム人民じんみん軍ぐん初はつの士官しかん学校がっこうをつくった。しかし、北きたベトナムに対たいして北きた爆ばく再開さいかいなど大だい規模きぼな軍事ぐんじ攻撃こうげきを行おこなったリチャード・ニクソン大統領だいとうりょうの中国ちゅうごくへの電撃でんげき訪問ほうもんから中国ちゅうごくはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくに接近せっきんし、パリ協定きょうていでのアメリカ軍ぐん撤退てったいに乗じょうじて西にし沙すな諸島しょとうの戦たたかいで中国ちゅうごくが南シナ海みなみしなかいへの進出しんしゅつなどしたため、摩擦まさつが起おき始はじめた。中国ちゅうごくに友好ゆうこう的てきだったホーチミンの死後しごになされた南北なんぼくベトナム統一とういつ後ご、ソ連それん寄よりとなったベトナムによるカンボジアへの侵攻しんこう（カンボジア・ベトナム戦争せんそう）を巡めぐっては1979年ねんに中国ちゅうごくとの大だい規模きぼな戦争せんそうを起おこし（中越なかごえ戦争せんそう）、中国ちゅうごくは米国べいこくとともに民主みんしゅカンプチア連合れんごう政府せいふやフルロなどベトナムに対たいする抵抗ていこう活動かつどうを支援しえんし、1989年ねんにグエン・ヴァン・リンらがベトナム人民じんみん軍ぐんにカンボジアからの撤退てったいを命めいじて中国ちゅうごくと国交こっこう正常せいじょう化か交渉こうしょうを開始かいしするまで度々どど交戦こうせん（中越なかごえ国境こっきょう紛争ふんそう）をしている状態じょうたいであった。

「ホアンサ諸島しょとう・チュオンサ諸島しょとうはベトナムのもの」（Hoàng Sa, Trường Sa là của Việt Nam）と主張しゅちょうするキャンペーン。
（2013年ねん、ホーチミン市し統一とういつ会堂かいどうにて）

領土りょうど問題もんだいを抱かかえているが友好国ゆうこうこくの一ひとつでベトナム共産党きょうさんとうを二分にぶんする派閥はばつは親中しんちゅう派はである。

最大さいだいの貿易ぼうえき相手あいて国こくである。

台湾たいわんとの関係かんけい

詳細しょうさいは「台たい越えつ関係かんけい」を参照さんしょう

「在ざい台たいベトナム人じん」も参照さんしょう

台湾たいわんには、在ざい台たいベトナム人じん（在ざい台たい越えつ南みなみ人じん）とベトナム系けい台湾たいわん人じん（越えつ南みなみ裔台灣たいわん人じん）がいる。ベトナム戦争せんそう後ごの難民なんみんや出稼でかせぎ労働ろうどう者しゃ、配偶はいぐう者しゃとしての台湾たいわんへの移住いじゅうなどによって形成けいせいされた。2019年ねん時点じてんで在ざい台たい外国がいこく人じん約やく76万まん人にんのうち、在ざい台だいベトナム人じんは約やく22万まん人にんと29%を占しめる。出身しゅっしん地ちでは出稼でかせぎ労働ろうどう者しゃが主おもに北きたベトナム出身しゅっしん者しゃが多おおく、配偶はいぐう者しゃでは主おもに南みなみベトナム女性じょせいの出身しゅっしん者しゃが多おおい。ベトナム人じん配偶はいぐう者しゃは「新しん移民いみん」とも呼よばれ、台湾たいわんの農村のうそん地域ちいきでは配偶はいぐう者しゃが不足ふそくしており、婚姻こんいん仲介ちゅうかい業者ぎょうしゃがベトナム人じん女性じょせいを紹介しょうかいする場合ばあいが多おおく、婚姻こんいんにより台湾たいわんに定住ていじゅうするベトナム人じん女性じょせいが増加ぞうかしているが、生活せいかつ環境かんきょうの違ちがいが問題もんだいとなる場合ばあいもある。

北朝鮮きたちょうせんとの関係かんけい

詳細しょうさいは「北朝鮮きたちょうせんとベトナムの関係かんけい」を参照さんしょう

朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくとは、共産きょうさん主義しゅぎ国家こっか同士どうしの関係かんけいで、ハノイ、平壌ぴょんやん双方そうほうの首都しゅとに大使館たいしかんが設置せっちされており、大韓民国だいかんみんこくよりも早はやく国交こっこうを結むすんでいる。ベトナム戦争せんそう時じには、朝鮮人民軍ちょうせんじんみんぐん部隊ぶたいが北きたベトナムへ派遣はけんされた（朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくのベトナム戦争せんそう参戦さんせん）。また、過去かこにはベトナムの声こえの交換こうかん中継ちゅうけいをしていた。一方いっぽうで北朝鮮きたちょうせんの銀行ぎんこう関係かんけい者しゃを追放ついほうするなど、国際こくさい連合れんごうの対たい北朝鮮きたちょうせん経済けいざい制裁せいさいを実施じっししている。

このほか、2019年ねん2月がつの米べい朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんのホスト国こくも担になった。

韓国かんこくとの関係かんけい

詳細しょうさいは「韓かん越えつ関係かんけい」を参照さんしょう

ベトナム戦争せんそうに韓国かんこくがアメリカの参戦さんせん要請ようせいにより参加さんか、ハミの虐殺ぎゃくさつ、性せい暴力ぼうりょく、性せい暴力ぼうりょくによる出生しゅっしょうまたは民間みんかん人じんとの間あいだに出来できた子供こどもの置おき去ざりとなったライダイハン問題もんだいなどが起おこる。

なおベトナム政府せいふはベトナム戦争せんそうの問題もんだいでは韓国かんこく政府せいふへの謝罪しゃざい、補償ほしょうの要求ようきゅうは行おこなっておらず補償ほしょうを求もとめているのは個人こじんである。

1992年ねんにかつての北きたベトナムであるベトナムと国交こっこう樹立じゅりつし、2000年代ねんだい以降いこう両国りょうこくは経済けいざい的てきな結むすびつきを強つよめている。韓国かんこくのキョンナムグループがハノイで一番いちばん高たかい建物たてもの京きょう南みなみハノイランドマークタワーを所有しょゆうし、またホーチミン市しでも一番いちばん高たかい建物たてものであるビテクスコ・フィナンシャルタワーをヒュンダイグループが建設けんせつするなどの件けんが象徴しょうちょう的てきである。またホーチミン市しではダイアモンドプラザやクムホアシアナプラザなどの韓国かんこく資本しほんによる商業しょうぎょうビルが多おおく開業かいぎょうしている。特とくに中国ちゅうごくから携帯けいたい電話でんわの生産せいさん拠点きょてんを移うつしたサムスン電子でんしは2016年ねんの輸出ゆしゅつ総額そうがくの2割わり近ちかくを占しめている。

ベトナム人じん労働ろうどう者しゃや結婚けっこん移民いみんを送おくり出だしており2019年ねんの韓国かんこくにおける結婚けっこん移民いみんではベトナム人じんが4万まん人にんで最もっとも多おおかった。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくとの関係かんけい

詳細しょうさいは「米べい越えつ関係かんけい」を参照さんしょう

ベトナム戦争せんそうにおけるアメリカ軍ぐん。

ジョージ・W・ブッシュ大統領だいとうりょうとグエン・ミン・チェット国家こっか主席しゅせき（2007年ねん）

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかは、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくと現げん政権せいけんのルーツにあたるベトミンとの関係かんけいは対たい日にち戦せんの盟友めいゆうであった。日本にっぽん軍ぐん優勢ゆうせいのころにインドシナに不時着ふじちゃくしたり、パラシュートで降下こうかしたりしたアメリカ軍ぐん航空こうくう隊たいの兵士へいしたちは、フランス植民しょくみん地ち政府せいふに見みつかれば日本にっぽん軍ぐんに引ひき渡わたされていたが、彼かれらのうち何なん人にんかはベトミンの手てにより救出きゅうしゅつされて事ことなきを得えている。また、アメリカ軍ぐんが潜入せんにゅうし、タイグエンの日本にっぽん軍ぐん飛行場ひこうじょうを奪取だっしゅした際さいには、ベトミンの戦闘せんとう部隊ぶたいと作戦さくせんの協力きょうりょくを行おこなっている。1940年代ねんだい後半こうはんの独立どくりつ時じに制定せいていされた憲法けんぽうは、旧きゅう宗主そうしゅ国こくフランスのみならずアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく憲法けんぽうをも参考さんこうに作つくられており、1950年代ねんだいにアメリカでレッド・パージ（マッカーシズム）が起おこったころには、一時いちじ、自みずからの共産党きょうさんとうを法的ほうてきに非合法ひごうほう組織そしきとしたことすらあった。

第だい一いち次じインドシナ戦争せんそうでフランスに勝利しょうりした後のち、アメリカが介入かいにゅうした。影響えいきょう力りょくを喪失そうしつした旧きゅう宗主そうしゅ国こくのフランスに代かわり、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく政府せいふは南みなみベトナムに傀儡かいらい政権せいけんを樹立じゅりつして、背後はいごから操あやつって間接かんせつ支配しはいを続つづけた。1954年ねんにベトナム独立どくりつ戦争せんそうが終結しゅうけつした後のち、1960年ねんにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの傀儡かいらい政権せいけんを打倒だとうし、ベトナム人じん自身じしんによる民族みんぞく自決じけつ統治とうちを求もとめる南みなみベトナム解放かいほう民族みんぞく戦線せんせんが、南みなみベトナム政府せいふ軍ぐんに対たいする民族みんぞく独立どくりつの武力ぶりょく闘争とうそうを開始かいしした。

1961年ねんにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく政府せいふは、南みなみベトナムにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく軍ぐんや軍事ぐんじ顧問こもん団だんを派遣はけんし、傀儡かいらい政権せいけんである南みなみベトナム政府せいふを支援しえんし、トンキン湾わん事件じけんを口実こうじつにベトナム戦争せんそうへの軍事ぐんじ介入かいにゅう、南みなみベトナム解放かいほう戦線せんせんに対たいする掃討そうとう戦せんを開始かいしした。詳くわしくはベトナム戦争せんそう（ベトナムでは「抗こう米べい戦争せんそう」と言いわれている）を参照さんしょう。1965年ねんに、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく政府せいふは北きたベトナムに戦線せんせんを拡大かくだいし、北きたベトナムのみでなく、ベトコンが潜伏せんぷくしていたラオスやカンボジアに設置せっちされた「ホーチミン・ルート」も同どう時期じきに大だい規模きぼ爆撃ばくげきした。

米べい中央ちゅうおう情報じょうほう局きょく（CIA）は、秘密ひみつ戦争せんそうをタイ王国おうこく、ラオス、カンボジアで開始かいししていた。中なかでも、米国べいこく内ないで秘密ひみつにされた米べい軍ぐんによるロン・ノル政権せいけん支援しえんの為ためのカンボジアへの大だい爆ばく撃げきは、この一いち国こくに対たいしてだけで、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんでの日本にっぽん本土ほんど空襲くうしゅう総そう規模きぼの三さん倍ばいに達たっしていた事ことも判明はんめいしている。北きたベトナムとアメリカは敵対てきたい関係かんけいとなった。アメリカ軍ぐんはベトナム戦争せんそう当時とうじの1968年ねん（昭和しょうわ43年ねん）3月16日にちに、クアンガイ省しょうソン・ティン県けんソンミ村むらのミライ集落しゅうらくにて、ソンミ村むら虐殺ぎゃくさつ事件じけんを起おこしている。

詳細しょうさいは「ソンミ村むら虐殺ぎゃくさつ事件じけん」を参照さんしょう

また、捕とらえられた米兵べいへいは、別名べつめい「ハノイ・ヒルトン」（正式せいしき名称めいしょう：ホアロー捕虜ほりょ収容しゅうよう所しょ）に収容しゅうようされ、後のちにアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく上院じょういん議員ぎいんとなるジョン・マケインも収容しゅうようされ捕虜ほりょとなった後のち、北きたベトナム兵へいより拷問ごうもんを受うけた。（ハノイ・ヒルトンとは蔑称べっしょうであり、本家ほんけ「ヒルトンホテル」のことではない）。1999年ねんに、本物ほんもののヒルトンホテルである「ヒルトン・ハノイ・オペラ」が、首都しゅとハノイで開業かいぎょうしている。

1975年ねん4月がつ30日にちのサイゴン陥落かんらくで、ベトナム戦争せんそうでのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの敗戦はいせんが確定かくていした。事前じぜんに進軍しんぐんを察知さっちしたアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくは「フリークエント・ウィンド作戦さくせん」を決行けっこうし、自じ国民こくみんの保護ほごの他ほかに南みなみベトナムの要人ようじんも保護ほごした。アメリカが支援しえんしていた南みなみベトナムからは、多おおくの難民なんみん（ボートピープル）が流出りゅうしゅつし、カナダ、オーストラリア、フランス、アメリカ、日本にっぽんへと移民いみんした。サイゴン陥落かんらく後ごからソビエト連邦れんぽうの崩壊ほうかいを経へて、ドイモイ政策せいさく後ごの1995年ねん8月がつ5日にち、アメリカと和解わかいし、当時とうじのビル・クリントン大統領だいとうりょうは越えつ米べい両国りょうこくの国交こっこうを樹立じゅりつさせ、通商つうしょう禁止きんしも解除かいじょされた。しかしアメリカは、1973年ねんのパリ和平わへい協定きょうていの戦時せんじ賠償ばいしょう事項じこうを、2015年ねん時点じてんに至いたっても全まったく履行りこうしていない。

2000年ねんには両国りょうこく間あいだの通商つうしょう協定きょうていを締結ていけつし、アメリカが貿易ぼうえき最恵国さいけいこくとしたこともあり、フォード・モーターやゼネラルモーターズ、コカ・コーラやハイアットホテルアンドリゾーツといったアメリカの大だい企業きぎょうが、ドイモイ政策せいさくの導入どうにゅう後ごの経済けいざい成長せいちょうが著いちじるしいベトナム市場いちばに続々ぞくぞくと進出しんしゅつ。2003年ねんに国防こくぼう大臣だいじんはアメリカ国防総省こくぼうそうしょう（ペンタゴン）の歓迎かんげい式典しきてんで最大さいだいの敬意けいいを払はらって迎むかえられた。

政府せいふは経済けいざい、外交がいこうなどで対たい米べい接近せっきんを基本きほん政策せいさくとしており、ジョージ・W・ブッシュ大統領だいとうりょうの来訪らいほうも大だい歓迎かんげいしている。対たい米べい関係かんけいへの配慮はいりょから、ベトナム戦争せんそう中ちゅうの枯葉かれは剤ざいなどについても、あえて「民間みんかん団体だんたい」に担当たんとうさせて、政府せいふは正面しょうめんに出でてこないくらいアメリカに気きを遣やっている。一般いっぱんのベトナム人じんも、経済けいざい向上こうじょうのためにはアメリカとの関係かんけいを緊密きんみつにすべきだと感かんじ、アメリカの観光かんこう客きゃく、企業きぎょう代表だいひょうなどを熱あつく歓迎かんげいしている。米べい軍ぐんに侵攻しんこうされ、多大ただいな被害ひがいを受うけたにもかかわらず、政府せいふ・国民こくみんとも親米しんべい的てきな珍めずらしい例れいである。2010年ねん8月がつには国交こっこう復活ふっかつ15周年しゅうねんを記念きねんし、空母くうぼジョージ・ワシントンが中部ちゅうぶダナン市しを訪問ほうもんした。しかし、薬品やくひん会社かいしゃは未いまだ枯葉かれは剤ざい問題もんだいに対たいして棄却ききゃくして未解決みかいけつであり、アメリカに激はげしい憎にくしみを持もつ者ものも存在そんざいする。

アメリカは、南みなみベトナムからは82万まん人にんもの難民なんみんを受うけ入いれた。ベトナム系けいアメリカ人じんが故郷こきょうに旅行りょこうするなど交流こうりゅうは活発かっぱつになっているが、基本きほん的てきに南みなみベトナムからの難民なんみんが大だい多数たすうなので共産きょうさん主義しゅぎの本土ほんどとは対立たいりつが根深ねぶかく、政府せいふ関係かんけい者しゃの訪米ほうべいには抗議こうぎする傾向けいこうがある。

2015年ねん7月がつ7日にちには、ベトナム戦争せんそう後ご、最高さいこう指導しどう者しゃとして初はじめてグエン・フー・チョン党とう書記しょき長ちょうが訪米ほうべいして、バラク・オバマ大統領だいとうりょうとホワイトハウスで会談かいだんした。2016年ねんにオバマ大統領だいとうりょうが訪問ほうもんし、武器ぶき輸出ゆしゅつ全面ぜんめん解禁かいきんを表明ひょうめいした。2023年ねんにはジョー・バイデン大統領だいとうりょうがグエン・フー・チョン共産党きょうさんとう書記しょき長ちょうと会談かいだんし、両国りょうこく関係かんけいを包括ほうかつ的てき戦略せんりゃくパートナーシップに格上かくあげすることで合意ごういした。

フランスとの関係かんけい

詳細しょうさいは「仏ふつ越えつ関係かんけい」および「フランス領りょうインドシナ」を参照さんしょう

清しん仏ふつ戦争せんそうにてベトナム北部ほくぶのランソンを攻略こうりゃくするフランス軍ぐんを描えがいた1885年ねんのフランスの絵画かいが。

19世紀せいき末すえから20世紀せいき初頭しょとうのフランス領りょうインドシナの領域りょういきの拡張かくちょうを示しめした地図ちず。

1887年ねん（明治めいじ20年ねん）- 1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）。

植民しょくみん地ち化かを図はかるフランス第だい三さん共和きょうわ国こくは、1883年ねんの癸みずのと未み条約じょうやく（第だい一いち次じフエ（ユエ）条約じょうやく）と1884年ねんの甲きのえ申さる条約じょうやく（第だい二に次じフエ（ユエ）条約じょうやく）によって保護ほご国こく化かした。宗主そうしゅ権けんを主張しゅちょうしてこれを認みとめない清きよし朝あさを清しん仏ふつ戦争せんそうで撃破げきはし、1885年ねんの天津てんしん条約じょうやくで清きよしの宗主そうしゅ権けんを否定ひていした。1887年ねんにはフランス領りょうインドシナ連邦れんぽうを成立せいりつさせ、カンボジアとともに連邦れんぽうに組くみ込こまれ、フランスの植民しょくみん地ちとなった。阮朝は植民しょくみん地ち支配しはい下かで存続そんぞくしていた。

1900年代ねんだいになると、知識ちしき人じんの主導しゅどうで民族みんぞく運動うんどうが高たかまった。ファン・ボイ・チャウは、日本にっぽんに留学生りゅうがくせいを送おくり出だす東遊あずまあそび運動うんどう（ドンズー運動うんどう）を展開てんかいした。1917年ねんにロシア革命かくめいによってソビエト連邦れんぽうが成立せいりつすると、コミンテルンが結成けっせいされ植民しょくみん地ち解放かいほうを支援しえんした。こうした中なかで、コミンテルンとの連携れんけいの下したでの民族みんぞく運動うんどうが強つよまった。1930年ねんにはインドシナ共産党きょうさんとうが結成けっせいされ、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中なかのベトミン（ベトナム独立どくりつ同盟どうめい）でもホー・チ・ミンのもとで共産党きょうさんとうが主導しゅどう的てきな役割やくわりを果はたした。

「en:Vietnam during World War II」も参照さんしょう

1939年ねん9月1日にちにヨーロッパで第だい二に次じ世界せかい大戦たいせんが勃発ぼっぱつすると、その翌年よくねん1940年ねんから、フランス領りょうインドシナに日本にっぽん軍ぐんが進駐しんちゅうした（仏ふつ印しるし進駐しんちゅう）。当時とうじは、日本にっぽんとドイツが同盟どうめいを結むすんでおり、大戦たいせん勃発ぼっぱつ当初とうしょは日にち独どく両国りょうこくはフランスと軍事ぐんじ的てきに敵対てきたいしていたが、1940年ねん時点じてんでは、フランスはナチスドイツに降伏ごうぶくしており、日本にっぽんはその隙すきを衝ついて仏ふつ印しるし進駐しんちゅうを行おこなったのである。

仏ふつ印しるし進駐しんちゅう後ご、フランスと日本にっぽんによる二に重じゅう支配しはいに置おかれた。日本にっぽんは「大だい東亜とうあ共栄きょうえい圏けん」の建設けんせつを呼号こごうし、明あかり号ごう作戦さくせんの結果けっか、カンボジアとラオスと同どう時期じきの1945年ねん3月11日にち、ベトナム帝国ていこくとしてフランスからの再さい独立どくりつを果はたした。このベトナム帝国ていこくの成立せいりつは、阮朝が王政おうせい復古ふっこを果はたした日ひでもあった。ところが、1944年ねん秋あきから1945年ねん春はるにかけて一帯いったいを凶作きょうさくが襲おそい、多数たすうの人々ひとびとが餓死がしした。日本にっぽんのポツダム宣言せんげん受諾じゅだく表明ひょうめいに至いたる1945年ねん8月がつ14日にちから15日にちにかけて、インドシナ共産党きょうさんとうの全国ぜんこく大会たいかいがタンチャオ（トゥエンクアン省しょう）で開ひらかれた。そこで全国ぜんこく的てきな総そう蜂起ほうきが決定けっていされ、全国ぜんこく蜂起ほうき委員いいん会かいが設立せつりつされた。委員いいん会かいは軍令ぐんれい第だい1号ごう全ぜん人民じんみんに決起けっきを呼よびかけた。次つぎの16日にちに各界かくかい・各かく団体だんたい・各かく民族みんぞくの代表だいひょうが出席しゅっせきする国民こくみん大会たいかいが同地どうちで開ひらかれた。大会たいかいは全会ぜんかい一致いっちで総そう決起けっきに賛成さんせいし、ベトナム民族みんぞく解放かいほう委員いいん会かいを設立せつりつしてホー・チ・ミンを主席しゅせきに選出せんしゅつした。同どう主席しゅせきは全ぜん国民こくみんに書簡しょかんで総そう決起けっきを呼よびかけた。

その3日にち後ごにベトナム八はち月がつ革命かくめいが勃発ぼっぱつし、ベトナム帝国ていこく皇帝こうていバオ・ダイは8月がつ30日にちに退位たいいを宣言せんげんした。そして、9月2日にちには、ホー・チ・ミンは臨時りんじ政府せいふを代表だいひょうしてベトナム独立どくりつ宣言せんげんを読よみ上あげ、国民こくみんと世界せかいに向むけてベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こくの誕生たんじょうを宣言せんげんした。

現在げんざいの食卓しょくたくで見みかけるベトナムコーヒーやフランスパン、バインミー、ワインは、仏ふつ領りょうインドシナの名残なごりである。シエスタ（昼寝ひるね）の習慣しゅうかん、ダラットで見みかける高級こうきゅうホテルや別荘べっそう、カトリック教会きょうかいの聖堂せいどうであるハノイ大だい教会きょうかいやサイゴン大だい教会きょうかい、ダナン大だい教会きょうかいさらにホイアンの古ふるい町並まちなみは、フランス統治とうち時代じだいの面影おもかげを色濃いろこく遺のこしている。また、現在げんざいは世界せかい遺産いさんであるミーソン聖域せいいきの修復しゅうふくを施ほどこしたのも、フランスのフランス極東きょくとう学院がくいんであるが、ベトナム戦争せんそう時ときに、ここを拠点きょてんにしていた南みなみベトナム解放かいほう民族みんぞく戦線せんせん（ベトコン）アジト掃討そうとうのために、アメリカ空軍くうぐんの爆ばく撃げき機き・B-52によって破壊はかいされた。

日本にっぽんとの関係かんけい

詳細しょうさいは「日にち越えつ関係かんけい」を参照さんしょう

『百人一首ひゃくにんいっしゅ』の歌人かじん、阿倍仲麻呂あべのなかまろは中国ちゅうごく唐から朝あさの安やす南みなみ節度せつど使しでもあった。

ホイアンの日本橋にほんばし（来遠橋きえんばし）。鎖国さこく前まえ、交易こうえきのあったころに日本人にっぽんじんによって作つくられたと言いわれ、今いまでも現地げんちの人ひとに大切たいせつに使つかわれている。提灯ちょうちんにフェホォと書かいてあるが、これは当時とうじのホイアンの町まちの呼称こしょうである。世界せかい遺産いさん。

仏ふつ印しるし進駐しんちゅう後ご、サイゴン（現在げんざいのホーチミン市し）を闊歩かっぽする日本にっぽん軍ぐん兵士へいし（1941年ねん）。

明治めいじ時代じだいから昭和しょうわ前半ぜんはん

最後さいごの王朝おうちょうである阮朝は、フランス共和きょうわ国こくの植民しょくみん地ち侵攻しんこうにより、フランス領りょうインドシナとなった。1905年ねん、日にち露ろ戦争せんそうで帝政ていせいロシアに対たいする日本にっぽんの勝利しょうりが、ファン・ボイ・チャウなどの知識ちしき人じんらに知しれ渡わたり、独立どくりつするための武器ぶき援助えんじょを日本にっぽんに求もとめるため、来日らいにちした。彼かれらの要請ようせいは犬いぬ養やしなえ毅あつしによって拒否きょひされたが、代かわりに勉学べんがくに勤いそしむことを提案ていあんされ、日本にっぽんへ留学りゅうがくする「東遊あずまあそび運動うんどう」が盛さかんになった。しかし、フランスは日本にっぽんに圧力あつりょくをかけて1907年ねんに日にち仏ふつ協約きょうやくを締結ていけつさせ、日本にっぽん在住ざいじゅうのベトナム人じんを追放ついほうさせた。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん

1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）に日本にっぽん軍ぐんは北部ほくぶ仏ふつ印しるし進駐しんちゅうを行おこない、1941年ねん（昭和しょうわ16年ねん）には南部なんぶにも進駐しんちゅうした。これは、フランスのヴィシー政権せいけんとの外交がいこう協議きょうぎによるものであり、日本にっぽん軍ぐんは太平洋戦争たいへいようせんそう末期まっきまでフランス領りょうインドシナ政府せいふと共存きょうぞんしていた。その後ご、日本にっぽん軍ぐんは、1945年ねん3月がつの明あかり号ごう作戦さくせんによりフランス領りょうインドシナを解体かいたいし、阮朝の保ほ大帝たいていの下したでベトナム帝国ていこくを独立どくりつさせた。

戦争せんそう終結しゅうけつ後ごに生しょうじた権力けんりょくの空白くうはくはベトナム独立どくりつ同盟どうめい（ベトミン）に有利ゆうりに作用さようし、1945年ねん8月がつの日本にっぽん敗戦はいせん直後ちょくごにホー・チ・ミン（阮愛国あいこく）率ひきいるベトミンは保ほ大帝たいていを退位たいいさせてベトナム八はち月がつ革命かくめいを達成たっせいした。駐留ちゅうりゅう期間きかんの大半たいはんにおいてフランスの同盟どうめい国軍こくぐんとして植民しょくみん地ち政府せいふに加担かたんしたことで、日本にっぽんもフランスと同類どうるいの帝国ていこく主義しゅぎ国くにに過すぎないと見み做されている。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん末期まっきの1945年ねんに、トンキンを中心ちゅうしんにベトナム北部ほくぶで大だい飢饉ききんが起おこり、大量たいりょうの餓死がし者ものが発生はっせいした。ホー・チ・ミンが独立どくりつ宣言せんげんの中なかでフランス・日本にっぽんの二に重じゅう支配しはいによって200万まん人にんが餓死がししたと演説えんぜつしており、国内こくないではこの200万まん人にんという数字すうじは広ひろく知しられている（「ベトナム独立どくりつ宣言せんげん」参照さんしょう）が、日本にっぽん軍ぐんの戦後せんごの調査ちょうさでは犠牲ぎせい者しゃ数すうは40万まん人にんとされている（『ドキュメントヴェトナム戦争せんそう全ぜん史し』岩波いわなみ現代げんだい文庫ぶんこ、2005年ねん）。戦後せんごの日本にっぽんは、南みなみベトナム政府せいふに賠償ばいしょうとして140億おく4000万まん円えん（3900万まんドル）を供与きょうよした。北きたベトナム政府せいふに対たいしては1973年ねんの国交こっこう樹立じゅりつにより「経済けいざい協力きょうりょく」の形かたちで4500万まんドル相当そうとうの賠償金ばいしょうきんを支払しはらった。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ご

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ご、フランスが再ふたたび進駐しんちゅうしてくると、フランス軍ぐんとベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こく軍ぐんの間あいだで戦争せんそう（第だい一いち次じインドシナ戦争せんそう）が始はじまった。ベトミンに残留ざんりゅう日本にっぽん兵へいが多数たすう参加さんかし、独立どくりつに対たいして多大ただいな貢献こうけんをした。当時とうじ、766人にんの日本にっぽん兵へいが留とどまっており、1954年ねんのジュネーヴ協定きょうてい成立せいりつまでに47人にんが戦病死せんびょうしした。中なかには、陸軍りくぐん士官しかん学校がっこうを創設そうせつして約やく200人にんのベトミン士官しかんを養成ようせいした者ものもおり、1986年ねんには8人にんの元もと日本にっぽん兵へいが政府せいふから表彰ひょうしょうを受うけた。ジュネーヴ協定きょうていによって日本にっぽんへ帰国きこくした150人にん以外いがいは、なお留とまり続つづけた模様もようである。

1951年ねんに日本にっぽん政府せいふはベトナム国こく（南みなみベトナム）と平和へいわ条約じょうやくを締結ていけつし、1959年ねんには岸きし信介しんすけ首相しゅしょう（当時とうじ）が国名こくめいを変更へんこうしたベトナム共和きょうわ国こく政府せいふと140億おく4000万まん円えんの戦争せんそう賠償ばいしょう支払しはらいで合意ごういした。

一方いっぽう、ベトナム民主みんしゅ共和きょうわ国こく（北きたベトナム）は戦争せんそう賠償ばいしょうの請求せいきゅう権けんを留保りゅうほしたが、日本にっぽんと北きたベトナムは国交こっこうのない状況じょうきょうが続つづいた。しかし、ベトナム戦争せんそう末期まっきの1973年ねん7月がつより、フランスの首都しゅとパリにおいて国交こっこう交渉こうしょうが開始かいしされる。同年どうねん9月21日にちには交換こうかん公文こうぶんが交かわされ、大使たいし級きゅうの外交がいこう関係かんけいが樹立じゅりつされた。また、国交こっこう樹立じゅりつの合意ごういに伴ともない「経済けいざい協力きょうりょく」の形かたちで2年間ねんかんで4500万まんドル相当そうとうの賠償金ばいしょうきんを支払しはらうこととなった。

日本にっぽん共産党きょうさんとうと全教ぜんきょうは1993年ねんよりフエでストリートチルドレンの保育ほいく・教育きょういく施設しせつ「ベトナムの子こどもの家いえ」（小山こやま道夫みちお 主宰しゅさい）を運営うんえいしている。小山こやま自身じしんは日本にっぽん共産きょうさん党員とういんであるが、旧きゅう社会党しゃかいとう系けい の活動かつどう家か・政治せいじ家かと親したしく、1994年ねん6月30日にちから1997年ねん（平成へいせい9年ねん）11月7日にちの自社じしゃさ連立れんりつ政権せいけん下したにおいては、フエ省しょう知事ちじ顧問こもんとして複数ふくすうの日本にっぽんODA事業じぎょうをフエに導入どうにゅうすることに成功せいこうし、地元じもとの信頼しんらいを勝かち得えた。支援しえんする「ベトナムの子こどもの家いえを支ささえる会かい」の活動かつどうも盛さかんであり、日本にっぽん民主みんしゅ青年せいねん同盟どうめい、革新かくしん自治体じちたいの青年せいねん・学生がくせい組織そしき及およびピースボートと交流こうりゅうを行おこなっている。

近年きんねんの日にち越えつ関係かんけい

現在げんざい，日にち越えつ関係かんけいは「アジアにおける平和へいわと繁栄はんえいのための広範こうはんな戦略せんりゃく的てきパートナーシップ」の下した、政治せいじ、経済けいざい、安全あんぜん保障ほしょう、文化ぶんか・人的じんてき交流こうりゅうなど幅広はばひろい分野ぶんやで緊密きんみつに連携れんけいしている。日にち越えつ間あいだの交流こうりゅうの増加ぞうかを受うけて、1997年ねんの在ざい大阪おおさかベトナム総領事館そうりょうじかん開設かいせつに続つづき、2009年ねんに在ざい福岡ふくおかベトナム総領事館そうりょうじかん、2010年ねんに在ざい釧路くしろベトナム名誉めいよ領事館りょうじかんと在ざい名古屋なごやベトナム名誉めいよ領事館りょうじかんが開設かいせつされた。

皇太子こうたいし徳とく仁じん親王しんのう（当時とうじ）は2008年ねん（平成へいせい20年ねん）9月がつ20日はつかに日にち越えつ国交こっこう35周年しゅうねんの記念きねんイベントである「ベトナムフェスティバル2008」の開会かいかい式しきに臨席りんせきし、翌よく2009年ねん（平成へいせい21年ねん）2月がつには、ハノイ、ダナン、ホイアン、ホーチミン市しと、各地かくちを縦断じゅうだんして訪問ほうもんし、明仁あきひと上皇じょうこうが皇太子こうたいし時代じだいの1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）に南部なんぶのカントー川かわ支流しりゅうで新種しんしゅのハゼが見みつかったことを明あきらかにした学術がくじゅつ論文ろんぶんをハノイ自然しぜん科学かがく大学だいがくに寄贈きぞうした。また、「日にちメコン交流こうりゅう年ねん2009」ではベトナムの宮廷きゅうてい舞踊ぶようや民俗みんぞく舞踊ぶようを観覧かんらんしている。

査証さしょう（ビザ）に関かんしては、2005年ねん5月がつ1日にち、相互そうご免除めんじょに関かんする口上こうじょう書しょを締結ていけつし、公用こうよう訪日ほうにち者しゃや短期たんき訪おとずれ越えつ者しゃは査証さしょうが免除めんじょされている。2015年ねん1月がつにベトナム側がわの入管にゅうかん法ほう改正かいせいにより一旦いったん再さい入国にゅうこくや滞在たいざい期限きげん延長えんちょうに関かんする規制きせいが強化きょうかされたが、2016年ねん1月がつにはある程度ていどの緩和かんわが実施じっしされ、良好りょうこうに査証さしょうが免除めんじょされている関係かんけいである。

在日ざいにちベトナム人じんは増加ぞうか傾向けいこうにあり、2020年ねん末まつには44万まん8000人にんとなり、日本にっぽんの外国がいこく人じんでは韓国かんこくを抜ぬき、中国ちゅうごくに次ついで2番目ばんめに多おおい。

政府せいふ開発かいはつ援助えんじょ・価値かち観かん外交がいこう

ODAは日本にっぽんが最大さいだいの支援しえん国こくであり、日本にっぽんのODAによってタンソンニャット国際こくさい空港くうこうやカントー橋きょうなどの基幹きかんインフラを建設けんせつ・支援しえんをしている。「自由じゆうで開ひらかれたインド太平洋たいへいよう」構想こうそうに基もとづいた援助えんじょも行おこなわれている。

教育きょういく・文化ぶんか交流こうりゅう事業じぎょう

「ベトナムの日本語にほんご教育きょういく」も参照さんしょう

• 日本にっぽんの広報こうほう拠点きょてんとして、2002年ねんにJICAプロジェクトとしてベトナム日本にっぽん人材じんざい協力きょうりょくセンター (VJCC) が開設かいせつされ、2008年ねんに国際こくさい交流こうりゅう基金ききんのベトナム日本にっぽん文化ぶんか交流こうりゅうセンターが開設かいせつされた。
• 日本語にほんご教育きょういくについては、1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）にサイゴンで日本語にほんごが教おしえられていたとの記録きろくがある。2003年ねんに国際こくさい交流こうりゅう基金ききんの「ベトナム中等ちゅうとう学校がっこうにおける日本語にほんご教育きょういく試行しこうプロジェクト」が始はじまる。2006年ねん時点じてんで日本語にほんご学習がくしゅう者しゃ数すうは29,982人にん（2003年ねん比ひ1.7倍ばい）。2007年ねんにハノイ日本語にほんご教師きょうし会かいが発足ほっそくした。2020年ねん5月がつ時点じてんで、日本にっぽんへの留学生りゅうがくせい数すうは62,233人にんで、国くに別べつでは第だい2位い。
• 2016年ねん9月がつ9日にち、「日にち越えつ大学だいがく」が開校かいこうした、日本にっぽんの政府せいふと大学だいがくが協力きょうりょくする。

国家こっか安全あんぜん保障ほしょう

詳細しょうさいは「ベトナム人民じんみん軍ぐん」を参照さんしょう

ベトナム人民じんみん海軍かいぐんの兵士へいし。（2007年ねん6月がつ20日はつか）

ベトナム人民じんみん軍ぐん（Quân đội Nhân dân Việt Nam/軍隊ぐんたい人民じんみん越えつ南みなみ）は独立どくりつ前まえの1944年ねん12月22日にちに建けん軍ぐんされた。徴兵ちょうへい制度せいどを採用さいようしており、18歳さいから27歳さいの男子だんしに原則げんそくとして2年ねんの兵役へいえき義務ぎむがある。主力しゅりょく部隊ぶたい、地方ちほう部隊ぶたい、民兵みんぺいの三さん結合けつごう方式ほうしきによる全ぜん国民こくみん国防こくぼう体制たいせいを採用さいようする。

国防こくぼう安全あんぜん保障ほしょう評議ひょうぎ会かい議長ぎちょうは国家こっか主席しゅせきが兼任けんにんし、首相しゅしょうが副ふく議長ぎちょうを務つとめる。憲法けんぽうではこの国家こっか主席しゅせきがベトナム人民じんみん軍ぐんの統帥とうすい権けんを持もつとされるが、軍ぐんの実質じっしつ的てきな最高さいこう意思いし決定けってい機関きかんはベトナム共産党きょうさんとう中央ちゅうおう軍事ぐんじ委員いいん会かいであり、党とう中央ちゅうおう軍事ぐんじ委員いいん会かい書記しょきを兼任けんにんするベトナム共産党きょうさんとう書記しょき長ちょうが事実じじつ上じょうの最高さいこう指揮しき官かんとされる。

中越なかごえ戦争せんそう時ときには総そう人口じんこう5000万まん人にん台だいに対たいして正規せいき軍ぐんだけで170万まん人にんの兵力へいりょくを有ゆうしていたが、現在げんざいでは総そう人口じんこう約やく9000万まん人にんに対たいして48万まん4000人にんまで削減さくげんされた。人員じんいんは陸軍りくぐんが41万まん2000人にん、海軍かいぐんが4万まん2000人にん、防空ぼうくう・空軍くうぐんが3万まん人にんである。このほか、予備よび役やくと民兵みんぺいが合あわせて300万まん人にん～400万まん人にんいる。予備よび役やく将校しょうこうの職業しょくぎょうは様々さまざまで、高級こうきゅう官僚かんりょうや大学だいがく教授きょうじゅも少すくなくない。国防こくぼう予算よさんは推定すいてい約やく32億おく米あめりかドルである。

外国がいこくとの軍事ぐんじ協力きょうりょく

ベトナム人民じんみん軍ぐんは日本にっぽんの防衛大学校ぼうえいだいがくこうに本科ほんか学生がくせい相当そうとうの留学生りゅうがくせいを多数たすう派遣はけんしている。

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくや日本にっぽんからは巡視じゅんし船せんの供与きょうよを受うけ、カムラン湾わんには伝統でんとう的てき友好国ゆうこうこくのロシア海軍かいぐんは勿論もちろん、アメリカ海軍かいぐんや海上かいじょう自衛隊じえいたい、中国ちゅうごく人民じんみん解放かいほう軍ぐん海軍かいぐんなどの艦船かんせんが寄港きこうしている。

インドとは2022年ねん6月がつに、相互そうごの軍事ぐんじ基地きちを補給ほきゅう・補修ほしゅうに使つかう、外国がいこくとの初はつの協定きょうていを結むすんだ。以前いぜんからインド海軍かいぐんはベトナム人民じんみん海軍かいぐん将兵しょうへいの訓練くんれん協力きょうりょくや海軍かいぐん艦船かんせんの供与きょうよを行おこなっており、ベトナムはインド海軍かいぐん艦艇かんていのベトナム常駐じょうちゅうを要請ようせいしたこともある。

2014年ねんには国際こくさい連合れんごう平和へいわ維持いじ活動かつどうに初はつ参加さんかした。また2022年ねん12月上旬じょうじゅんには国くにとして初はつの大だい規模きぼ国際こくさい防衛ぼうえい展示てんじ会かいを開催かいさいし、米べい露ろなど30カ国かこくが参加さんかした。

地理ちり

概要がいよう

ベトナムの標高ひょうこう図ず

詳細しょうさいは「ベトナムの地理ちり」を参照さんしょう

世界せかい遺産いさんに登録とうろくされたハロン湾わん。

ベトナム北部ほくぶの徳とく天てん瀑布ばくふ。

トゥアティエン＝フエ省しょうの砂浜すなはま。

ベトナムの国土こくどは南北なんぼく1,650km、東西とうざい600kmに広ひろがる。インドシナ半島いんどしなはんとうの太平洋たいへいよう岸きしに平行へいこうして南北なんぼくに伸のびるアンナン山脈さんみゃく（チュオンソン山脈さんみゃく）の東側ひがしがわに国土こくどの大半たいはんが属ぞくするため、東西とうざいの幅はばは最もっとも狭せまい部分ぶぶんではわずか50kmしかない。細長ほそながいS字じに似にた国土こくどの形状けいじょうを、米べいかごを吊つるす天秤棒てんびんぼうに喩たとえている。天秤棒てんびんぼうの両りょう端はしには大だい規模きぼなデルタが広ひろがり、人口じんこうの7割わりが集中しゅうちゅうする。北きたのデルタ地帯ちたいは紅べに河かわ（ソンコイ川がわ）によるもので、首都しゅとハノイのほか港湾こうわん都市としハイフォンが位置いちする。南みなみのデルタ地帯ちたいはメコン川がわによるもので、最大さいだいの都市としホーチミンを擁ようする。

沿岸えんがんの総そう延長えんちょう距離きょりは3,260km、北部ほくぶ国境こっきょう（中国ちゅうごく国境こっきょう）の長ながさは1,150km、国境こっきょうの総そう延長えんちょう距離きょりは、6,127kmである。

沿岸えんがんには北部ほくぶ・トンキン湾わんを除のぞき、島嶼とうしょがほとんど存在そんざいしない。本土ほんどから離はなれた領土りょうどとして、海南かいなん島とうとの間あいだにあるバクロンヴィー島とう、ホーチミン市しから約やく600km東ひがし、南シナ海みなみしなかいに浮うかぶ、ベトナム語ご名めい「チュオンサ」（スプラトリー諸島しょとう、南沙なんさ諸島しょとう）と、ダナンの約やく400km東ひがし、南シナ海みなみしなかいに浮うかぶ、ベトナム語ご名めい「ホアンサ」（パラセル諸島しょとう、西にし沙すな諸島しょとう）の領有りょうゆう権けんを主張しゅちょうしている。チュオンサ群島ぐんとうは一部いちぶを実効じっこう支配しはいし、ホアンサ群島ぐんとうは全体ぜんたいが中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの実効じっこう支配しはい下したにある。最大さいだいの島しまは、最さい西端せいたんの領土りょうどとなる、シャム湾わんに浮うかぶフークォック島とうである。

主要しゅような河川かせんは紅べに河かわ（支流しりゅうであるカウ川がわ、ロー川かわ、ダー川がわ）、タインホアに河口かこうを持もつマー川がわ、ヴィンに近ちかいカー川かわ、中部ちゅうぶのトゥイホアに河口かこうを持もつバー川がわ、南部なんぶのドンナイ川ないがわ、メコンデルタのメコン川がわである。天然てんねんの湖沼こしょうはデルタに残のこる三日月みかづき湖こがほとんどである。最高峰さいこうほうは北部ほくぶ国境こっきょうに近ちかいファンシーパン山やま (3,143m)。アンナン山脈さんみゃく中なかの最高峰さいこうほうは、中部ちゅうぶのフエやダナンに近ちかいアトゥアト山さん (2,500m) である。

デルタ地帯ちたい

5月から11月がつにかけて、インド洋いんどようを渡わたってやってくるモンスーン（季節風きせつふう）が東南とうなんアジア大陸たいりくに大量たいりょうの雨あめを降ふり注そそぎ、山やまの土どが崩くずれ、川かわに流ながれ込こみ、河川かせんの至いたる所ところで堆積たいせきし、河口かこうでは大おおきなデルタを形成けいせいする。このデルタは比較的ひかくてき低てい平たいらなので水田すいでん耕作こうさくなどに適てきし、穀倉こくそう地帯ちたいとなっていることが多おおい。北部ほくぶの紅べに河かわデルタや南部なんぶのメコンデルタが、重要じゅうような穀倉こくそう地帯ちたいになっている。コメ生産せいさんは北部ほくぶの紅べに河かわデルタでは二期作にきさく、南部なんぶのメコンデルタでは三さん期き作さくである。

平野へいや

ベトナム北部ほくぶには、紅べに河かわ、マー川がわ（タインホア省しょう）やラム川がわ（ゲアン・ハティン省しょう）の下しも流域りゅういきなどに大おおきな平野へいやが広ひろがっている。紅べに河かわ平原へいげんの面積めんせきは約やく15,000平方へいほうキロメートルで一いち面めんが水田すいでんであり、人口じんこうは6,500,000人にん（1931年ねん時点じてん）を擁ようし、そのほとんどは農民のうみんである。

気候きこう

詳細しょうさいは「ベトナムの気候きこう」を参照さんしょう

北回帰線きたかいきせんよりも南みなみに位置いちし、赤道あかみち近ちかくまで伸のびる（本土ほんどの最南端さいなんたんは北緯ほくい8度ど33分ふん）。このため南西なんせいモンスーンの影響えいきょうを強つよく受うける。7月から11月がつまで台風たいふうの影響えいきょうを受うけ、特とくに国土こくどの中央ちゅうおう部ぶが被害ひがいを受うけやすい。

北部ほくぶは温帯おんたい性せいの気候きこうであり、4月がつから10月がつまでが雨期うきとなる。首都しゅとハノイの平均へいきん気温きおんは1月がつが16℃、7月がつが29℃である。年とし平均へいきん降水こうすい量りょうは1,704mm。チュオンソン山脈さんみゃくの影響えいきょうにより、山岳さんがく地帯ちたいでは降水こうすい量りょうが4,000mmを超こえる場所ばしょもある。ケッペンの気候きこう区分くぶんでは、温帯おんたい夏なつ雨う気候きこう（温暖おんだん冬季とうき少雨しょうう気候きこう） (Cw) に分類ぶんるいされている。

南部なんぶは熱帯ねったい性せい気候きこう下かにある（ケッペンによる気候きこう区分くぶんはサバナ気候きこう〈Aw〉、一部いちぶ地域ちいきは熱帯ねったいモンスーン気候きこう（Am））。平均へいきん気温きおんは1月がつが18℃、7月がつが33℃だが、平均へいきん降水こうすい量りょうは1,000mmと少すくない。

北部ほくぶには紅べに河かわ、黒河くろかわ（ダー川がわ）、南部なんぶには九きゅう龍りゅう江こう（メコン川がわ）が広ひろがる。

紅べに河かわデルタにあるフーリーでは、1980年ねんから1995年ねんの月別つきべつ平均へいきん気温きおんは、1月がつ16℃、2月がつ15℃、3月がつ19℃、4月がつ22℃、5月がつ26℃、6月がつ27℃、7月がつ28℃、8月がつ27.5℃、9月がつ26℃、10月がつ24℃、11月がつ21℃、12月がつ19℃である。

• ハノイの気候きこう（温帯おんたい夏なつ雨う気候きこう）

ハノイ (1898-1990年ねん)の気候きこう
月つき	1月がつ	2月がつ	3月がつ	4月がつ	5月	6月がつ	7月がつ	8月がつ	9月	10月	11月	12月	年とし
最高さいこう気温きおん記録きろく °C （°F）	33 (91)	34 (93)	37 (99)	39 (102)	43 (109)	40 (104)	40 (104)	38 (100)	37 (99)	36 (97)	36 (97)	37 (99)	43 (109)
平均へいきん最高さいこう気温きおん °C （°F）	19.3 (66.7)	19.9 (67.8)	22.8 (73)	27.0 (80.6)	31.5 (88.7)	32.6 (90.7)	32.9 (91.2)	31.9 (89.4)	30.9 (87.6)	28.6 (83.5)	25.2 (77.4)	21.8 (71.2)	27.0 (80.6)
日にち平均へいきん気温きおん °C （°F）	16.5 (61.7)	17.5 (63.5)	20.5 (68.9)	24.2 (75.6)	27.9 (82.2)	29.2 (84.6)	29.5 (85.1)	28.8 (83.8)	27.8 (82)	25.3 (77.5)	21.9 (71.4)	18.6 (65.5)	24.0 (75.2)
平均へいきん最低さいてい気温きおん °C （°F）	13.7 (56.7)	15.0 (59)	18.1 (64.6)	21.4 (70.5)	24.3 (75.7)	25.8 (78.4)	26.1 (79)	25.7 (78.3)	24.7 (76.5)	21.9 (71.4)	18.5 (65.3)	15.3 (59.5)	20.9 (69.6)
最低さいてい気温きおん記録きろく °C （°F）	3 (37)	5 (41)	7 (45)	10 (50)	16 (61)	21 (70)	22 (72)	21 (70)	17 (63)	13 (55)	6 (43)	5 (41)	3 (37)
雨量うりょう mm （inch）	18.6 (0.732)	26.2 (1.031)	43.8 (1.724)	90.1 (3.547)	188.5 (7.421)	239.9 (9.445)	288.2 (11.346)	318.0 (12.52)	265.4 (10.449)	130.7 (5.146)	43.4 (1.709)	23.4 (0.921)	1,676.2 (65.991)
平均へいきん降雨こうう日数にっすう	8.4	11.3	15.0	13.3	14.2	14.7	15.7	16.7	13.7	9.0	6.5	6.0	144.5
% 湿度しつど	78	82	83	83	77	78	79	82	79	75	74	75	78.8
平均へいきん月間げっかん日照ひでり時間じかん	93	56	62	120	186	180	186	186	180	155	150	124	1,678
出典しゅってん1：World Meteorological Organisation (UN), BBC Weather (record highs, lows, and humidity)
出典しゅってん2：World Climate Guide

• ホーチミン市しの気候きこう（サバナ気候きこう）

ホーチミンの気候きこう
月つき	1月がつ	2月がつ	3月がつ	4月がつ	5月	6月がつ	7月がつ	8月がつ	9月	10月	11月	12月	年とし
平均へいきん最高さいこう気温きおん °C （°F）	31.6 (88.9)	32.9 (91.2)	33.9 (93)	34.6 (94.3)	34.0 (93.2)	32.4 (90.3)	32.0 (89.6)	31.8 (89.2)	31.3 (88.3)	31.2 (88.2)	31.0 (87.8)	30.8 (87.4)	32.3 (90.1)
日にち平均へいきん気温きおん °C （°F）	26.4 (79.5)	27.7 (81.9)	29.2 (84.6)	30.2 (86.4)	29.6 (85.3)	28.5 (83.3)	28.2 (82.8)	28.1 (82.6)	27.9 (82.2)	27.6 (81.7)	26.9 (80.4)	26.1 (79)	28.03 (82.48)
平均へいきん最低さいてい気温きおん °C （°F）	21.1 (70)	22.5 (72.5)	24.4 (75.9)	25.8 (78.4)	25.2 (77.4)	24.6 (76.3)	24.3 (75.7)	24.3 (75.7)	24.4 (75.9)	23.9 (75)	22.8 (73)	21.4 (70.5)	23.7 (74.7)
雨量うりょう mm （inch）	13.8 (0.543)	4.1 (0.161)	10.5 (0.413)	50.4 (1.984)	218.4 (8.598)	311.7 (12.272)	293.7 (11.563)	269.8 (10.622)	327.1 (12.878)	266.7 (10.5)	116.5 (4.587)	48.3 (1.902)	1,931 (76.023)
平均へいきん降雨こうう日数にっすう	2.4	1.0	1.9	5.4	17.8	19.0	22.9	22.4	23.1	20.9	12.1	6.7	155.6
% 湿度しつど	69	68	68	70	76	80	80	81	82	83	78	73	75.7
平均へいきん月間げっかん日照ひでり時間じかん	244.9	248.6	272.8	231.0	195.3	171.0	179.8	173.6	162.0	182.9	201.0	223.2	2,486.1
出典しゅってん1：World Meteorological Organization (UN) Weatherbase (humidity)
出典しゅってん2：(sunshine hours only)

生物せいぶつ多様たよう性せい

ベトナムでは15,986種しゅの植物しょくぶつ相しょうが確認かくにんされており、その内うちの10%が固有こゆうの植物しょくぶつで占しめられている。動物どうぶつ相しょうには、307種しゅの線せん虫ちゅう類るい、200種しゅの貧まずし毛もう綱つな、145種しゅのダニ類るい、7,750種しゅの昆虫こんちゅう（うち113種しゅはトビムシ目め）、260種しゅの爬虫類はちゅうるい、120種しゅの両生類りょうせいるいが含ふくまれている。また840種しゅの鳥類ちょうるいと310種しゅの哺乳類ほにゅうるいが生息せいそくしており、うち100種しゅの鳥類ちょうるいと78種しゅの哺乳類ほにゅうるいが広範囲こうはんいに分布ぶんぷしている。他たは水生すいせい無む脊椎動物せきついどうぶつが794種しゅ、海水かいすい魚ぎょが2,458種しゅを占しめている。 淡水たんすいに生息せいそくする微細びさい藻類そうるいも1,438種しゅ存在そんざいしており、全ぜん微細びさい藻類そうるいの9.6%がベトナム国内こくないでの生息せいそくを確認かくにんされている。

「ベトナムの野生やせい生物せいぶつ」も参照さんしょう

環境かんきょう

ベトナムでは、先述せんじゅつでの戦争せんそう時じにおいて使用しようされた枯葉かれは剤ざいなどの化学かがく物質ぶっしつによる影響えいきょうから、多おおくの問題もんだいを抱かかえている一いち面めんがある。

「ベトナムの環境かんきょう問題もんだい」も参照さんしょう

また、野生やせい動物どうぶつの密猟みつりょうが大おおきな懸念けねん事項じこうとなっている。

2004年ねん時点じてんで生物せいぶつ多様たよう性せいの保全ほぜんに4,907万まんドルを費ついやしており、30の国立こくりつ公園こうえんを含ふくむ126の保全ほぜん地域ちいきを設立せつりつしている。現在げんざいは9つの生物せいぶつ圏けん保護ほご区くが設もうけられている。

「ベトナムの保護ほご地域ちいき」も参照さんしょう

地方ちほう区分くぶん

ベトナムの地方ちほう

日本にっぽんの地域ちいきと同様どうようの慣用かんよう的てきな地方ちほうの区分くぶんとして、地方ちほう行政ぎょうせい区画くかくに沿そって西北せいほく部ぶ、東北とうほく部ぶ、紅べに河かわデルタ、北きた中部ちゅうぶ、中ちゅう南部なんぶ、中部ちゅうぶ高原こうげん（タイグエン）、東ひがし南部なんぶ、メコンデルタの8つに分わけている。

また、より大枠おおわくな地方ちほうの区分くぶんとして、西北せいほく部ぶ・東北とうほく部ぶ・紅べに河かわデルタを北部ほくぶ地方ちほう（北きたベトナム、ベトナム語ご：Miền Bắc / 沔北）、中ちゅう北部ほくぶ・中ちゅう南部なんぶ・中部ちゅうぶ高原こうげんを中部ちゅうぶ地方ちほう（中部ちゅうぶベトナム、ベトナム語ご：Miền Trung / 沔中）、東ひがし南部なんぶ・メコンデルタを南部なんぶ地方ちほう（南みなみベトナム、ベトナム語ご：Miền Nam / 沔南）の3つに区分くぶんしている。これらは、フランス植民しょくみん地ち時代じだいのトンキン、アンナン、コーチシナにそれぞれ相当そうとうするが、細部さいぶに変更へんこうがみられる。

端はし

Color Notes

      陸上りくじょうの極地きょくち (2)       海岸かいがん線せんの極地きょくち (2)       海上かいじょうの極地きょくち (2)

#	最さい極端きょくたん	場所ばしょ	行政ぎょうせい区く	接せっする自治体じちたい	座標ざひょう	出典しゅってん	写真しゃしん
1	最北端さいほくたん	ドンヴァン県けんルンクー社しゃ	ハザン省しょう	中国ちゅうごく雲南うんなん省しょう	北緯ほくい23.392505度ど 東経とうけい105.323240度ど / 23.392505; 105.323240		Cột cờ Lũng Cú.
2	最さい西端せいたん	ムオンネ県けんシンタウ社しゃアパチャイ	ディエンビエン省しょう	ベトナム 中国ちゅうごく ラオス 十じゅう層そう大山おおやま	北緯ほくい22.400734度ど 東経とうけい102.143940度ど / 22.400734; 102.143940
3	最南端さいなんたん	ゴクヒエン県けんカマウ岬みさき	カマウ省しょう	南シナ海みなみしなかい	北緯ほくい8.623度ど 東経とうけい104.71度ど / 8.623; 104.71
4	最南端さいなんたん	ホンカイ島とうヴァンガード堆うずたか	カマウ省しょう	南シナ海みなみしなかい	7° 28′ 0″ N, 109° 37′ 0″ E (おおよそ)
5	最さい東ひがし端はし	ヴァンニン県けんヴァンフォン湾わんホンゴム半島はんとうドイ岬みさき	カインホア省しょう	南シナ海みなみしなかい	北緯ほくい12.6483756度ど 東経とうけい109.4616339度ど / 12.6483756; 109.4616339
6	最さい東ひがし端はし	南沙なんさ諸島しょとうチュオンサ県けん仙女せんにょ礁	カインホア省しょう	南シナ海みなみしなかい	北緯ほくい8.855度ど 東経とうけい114.655度ど / 8.855; 114.655		Da Tien Nu.

地方ちほう行政ぎょうせい区画くかく

ベトナムの地方ちほう行政ぎょうせい区画くかく。

詳細しょうさいは「ベトナムの地方ちほう行政ぎょうせい区画くかく」を参照さんしょう

2011年ねん4月がつの改正かいせいにより、58省しょうと、5の中央ちゅうおう直轄ちょっかつ城じょう庯（市し）となった。中央ちゅうおう直轄ちょっかつ城じょう庯はハノイ（河内かわうち）、ホーチミン市し（胡志明ほうちみん）、ダナン（沱㶞）、ハイフォン（海防かいぼう）、カントー（芹せり苴）。国土こくど最さい北きたに位置いちする省しょうはハーザン省しょう（Hà Giang, 河かわ楊）、国土こくど最さい南みなみに位置いちする省しょうはカマウ省しょう (Cà Mau) である。自治体じちたい独自どくじの旗はたを禁止きんししているため自治体じちたいごとの旗はたは存在そんざいしない。

主要しゅよう都市とし

「ベトナムの都市としの一覧いちらん」を参照さんしょう

• ハノイ（Thành phố Hà Nội、城しろ庯河内ない）
• ホーチミン市し（Thành phố Hồ Chí Minh、城しろ庯胡志明ほうちみん）
  • 1区く: 旧きゅうサイゴン (Sài Gòn)（柴しば棍）
  • 5区く: 旧きゅうチョロン (Chợ Lớn)（𢄂𡘯）
  • クチ県けん (Củ Chi): クチ（糾支）
• ダナン（Thành phố Đà Nẵng、城しろ庯沱㶞）
• ハイフォン（Thành phố Hải Phòng、城しろ庯海防かいぼう）
• カントー（Thành phố Cần Thơ、城しろ庯芹苴）
• ヴィン（Thành phố Vinh、城しろ庯永）
• フエ（Thành phố Huế、城しろ庯化）
• ホイアン（Thành phố Hội An、城しろ庯會安やす）
• ニャチャン（Thành phố Nha Trang、城しろ庯芽莊そう）
• ファンティエット（Thành phố Phan Thiết、城しろ庯潘切きり）
• ミトー（Thành phố Mỹ Tho、城しろ庯美湫）
• テイニン（Thành phố Tây Ninh、城しろ庯西寧やすし）
• ヴィンロン（Thành phố Vĩnh Long、城しろ庯永隆たかし）
• ダラット（Thành phố Đà Lạt、城しろ庯多樂たのし）

住所じゅうしょ表記ひょうき

欧米おうべいの多おおくと同様どうように、細こまかい分類ぶんるいから順じゅんに表記ひょうきし、またストリートによって住所じゅうしょを表あらわす。番地ばんちは、偶数ぐうすうが左ひだり車線しゃせん側がわ、奇数きすうが右みぎ車線しゃせん側がわのように分わかれ、ストリート名めいのない細こまかい路地ろじに入はいる場合ばあいは、7/40（40番地ばんちにある路地ろじ内ないの7番目ばんめ）のように表記ひょうきする。例れいとして、ホーチミン市し1区く人民じんみん委員いいん会かいの住所じゅうしょを下記かきに記しるす。

• Ủy ban nhân dân Quận 1 - 47, Đường Lê Duẩn, Phường Bến Nghé, Quận 1, Tp Hồ Chí Minh, Việt Nam

  （1区く人民じんみん委員いいん会かい - 47番地ばんち、レ・ズアン通どおり、ベンゲー坊ぼう、1区く、ホーチミン市し、ベトナム）

経済けいざい

詳細しょうさいは「ベトナムの経済けいざい」を参照さんしょう

1997年ねんに落成らくせいしたサイゴン貿易ぼうえきセンター。

リゾート地ちとして有名ゆうめいなニャチャン

ベトナム統計とうけい総局そうきょくの統計とうけいによると、2023年ねんのGDP（国内こくない総そう生産せいさん）は約やく4,300億おくドル。一人ひとり当あたりのGDPは4,285ドルである。

1986年ねん12月のベトナム共産党きょうさんとう第だい6回かい大会たいかいで、社会しゃかい主義しゅぎに市場いちば経済けいざいシステムを取とり入いれるというドイモイ政策せいさくを採択さいたく、中国ちゅうごくの改革かいかく開放かいほうと同様どうように市場いちば経済けいざい路線ろせんへと転換てんかんした。1996年ねんのベトナム共産党きょうさんとう第だい8回かい大会たいかいでは、2020年ねんまでに工業こうぎょう国こく入いりを目指めざす「工業こうぎょう化かと近代きんだい化か」を二に大だい戦略せんりゃくとする政治せいじ報告ほうこくを採択さいたくした。ドイモイ政策せいさくの導入どうにゅう以降いこう、貧困ひんこん率りつは大幅おおはばに改善かいぜんされ、1993年ねんの58.1%から2015年ねんには5%以下いかとなった。

政府せいふ開発かいはつ援助えんじょと外国がいこく投資とうしが経済けいざいを牽引けんいんしている。2007年ねんには政府せいふにとって重要じゅうような目標もくひょうとなっていた世界せかい貿易ぼうえき機関きかん（WTO）に加盟かめいした。世界せかい金融きんゆう危機ききで一時いちじ失速しっそくした国内こくない総そう生産せいさん (GDP) の成長せいちょう率りつも、2010年代ねんだいは平均へいきんして5~6%の安定あんてい成長せいちょうが続つづいている。一方いっぽうインフレ率りつは、2011年ねんに18.7%と高たかい数値すうちを記録きろくしたが、2017年ねんには3.5%となった。中国ちゅうごくでは人件じんけん費ひが上昇じょうしょう基調きちょうにあることから、新あらたな投資とうし先さきとして注目ちゅうもくが集あつまっている。欧州おうしゅう連合れんごう（EU）は新興しんこう国こくで初はつのFTAを結むすぶ相手あいてにベトナムを選えらび、2020年ねん8月がつ1日にちに発効はっこうした。

伝統でんとう的てきな友好国ゆうこうこくである旧きゅうソ連それん圏けんであるユーラシア経済けいざい連合れんごうも初はつのFTAを締結ていけつ。また、環太平洋かんたいへいよう戦略せんりゃく的てき経済けいざい連携れんけい協定きょうてい（TPP）では、米国べいこく政府せいふによれば最もっとも利益りえきを受うける国くにとされ、日本にっぽん政府せいふによれば交渉こうしょうでも主導しゅどう的てきな役割やくわりを果はたしており、世界銀行せかいぎんこうによればTPPで最もっとも恩恵おんけいを受うける国くにである。

NEXT11やVISTAの一角いっかくにも数かぞえられており、今後こんご一層いっそう経済けいざいの発展はってんが予想よそうされている。1日にち1ドル以下いかで生活せいかつする貧困ひんこん層そうの割合わりあいは中国ちゅうごく、インド、フィリピンを下回したまわる。

労働ろうどう人口じんこうの66%が第だい一いち次じ産業さんぎょうに従事じゅうじしているが、近年きんねんは第だい二に次じ産業さんぎょう、第だい三さん次じ産業さんぎょうが急きゅう成長せいちょう。観光かんこう業ぎょうの伸のびが特とくに著いちじるしく、重要じゅうような外貨がいか獲得かくとく源げんとなっている。

主おもな輸出ゆしゅつ品目ひんもくは原油げんゆ、衣料いりょう品ひん、農水のうすい産物さんぶつ。特とくにコメについては、インド、タイに次つぐ世界せかい第だい3位いの輸出ゆしゅつ国こくである。カシューナッツと黒くろ胡椒こしょうの生産せいさんは世界せかいの1/3を占しめ1位い。コメのほかコーヒー、茶ちゃ、ゴム、魚さかな製品せいひんの輸出ゆしゅつも多おおい。しかし、農業のうぎょうのGDPに占しめる割合わりあいは他たの産業さんぎょうが成長せいちょうしたため20%（2006年ねん）に低下ていかした。原油げんゆ生産せいさんは東南とうなんアジアで第だい3位いである。

安やすい人件じんけん費ひ、ODAを活用かつようしたインフラ整備せいびを背景はいけいに外国がいこく資本しほんの受うけ入いれでASEANで高たかい経済けいざい成長せいちょうを続つづけている。

社会しゃかい主義しゅぎ国こくとして経済けいざいの根幹こんかんをなしてきた国有こくゆう企業きぎょうとは別べつに、民間みんかん企業きぎょうが台頭たいとうしている。不動産ふどうさん会社かいしゃとして2001年ねんに起業きぎょうした後のちに小売こうり業ぎょう、製薬せいやく、学校がっこう・病院びょういん経営けいえい、農業のうぎょう・飼料しりょうからベトナム初はつの自動車じどうしゃ生産せいさんにまで進出しんしゅつしたビングループ、ベトジェットを傘下さんかに持もつソビコ・ホールディングス、不動産ふどうさん業ぎょうのFLC、BRGなどが財閥ざいばつを形成けいせいしつつある。これらを含ふくめた大手おおて企業きぎょうの経営けいえい者しゃは10大だい富豪ふごうと呼よばれる。旧きゅうソ連それんへの留学りゅうがく組ぐみが創業そうぎょう・経営けいえいし、政治せいじ家かや政府せいふ高官こうかんとの人脈じんみゃくを利用りようして事業じぎょうを成長せいちょうさせてきた例れいが多おおいと指摘してきされている。

2010年ねん8月がつ4日にち、ベトナム公安こうあん省しょうは、乱脈らんみゃく経営けいえいで国営こくえいベトナム造船ぞうせんグループ（ビナシン）を経営けいえい危機ききに陥おとしいれたとして、同どうグループの前ぜん会長かいちょうを背任はいにんに当あたるとして逮捕たいほした。前ぜん会長かいちょうは親族しんぞくを重要じゅうようポストに登用とうようするなど私利しりを図はかっていた疑うたがいがもたれている。

2011年ねん11月8日にち、2011-2015年ねんの社会しゃかい経済けいざい発展はってん計画けいかくを政府せいふが提案ていあんし、国会こっかいで承認しょうにんされた。国内こくない総そう生産せいさん年ねん平均へいきん6.5-7%の成長せいちょう率りつを目指めざし、公共こうきょう投資とうしや国営こくえい企業きぎょうの改善かいぜんを通つうじた経済けいざい構造こうぞうの再編さいへんを図はかるものである。

農業のうぎょう

詳細しょうさいは「ベトナムの農業のうぎょう」を参照さんしょう

コーヒーは、現在げんざいではブラジルに次ついで世界せかい第だい二に位いの生産せいさん量りょう（99万まんトン、2003年ねん）に達たっしている。大だい部分ぶぶんがインスタントコーヒー、缶かんやペットボトル入いりの清涼せいりょう飲料いんりょう、製菓せいか用途ようとで使つかわれる安価あんかなロブスタ種しゅ（カネフォラ種しゅ）であるが、レギュラーコーヒーに使つかわれる高級こうきゅう品ひんのアラビカ種しゅの栽培さいばいも始はじまっている。また、現地げんちでは基本きほん的てきに植民しょくみん地ち支配しはいを受うけたフランスの手法しゅほうを取とり入いれた飲のみ方かたにてベトナムコーヒーが飲のまれる。

水田すいでん水稲すいとう作さく地帯ちたいは北部ほくぶの紅べに河かわデルタと南部なんぶのメコンデルタであり、生産せいさん性せいも高たかく、国家こっかの重要じゅうような穀倉こくそう地帯ちたいを形成けいせいしている。メコンデルタで栽培さいばいできる野菜やさい類るいは、ナス、キュウリ、トマトなどのほかに、ミント類るいがある。

鉱業こうぎょう

石炭せきたんや南シナ海みなみしなかいで採掘さいくつされる石油せきゆを中心ちゅうしんとした有機ゆうき鉱物こうぶつ資源しげん、スズを中心ちゅうしんとした金属きんぞく鉱物こうぶつ資源しげんに恵めぐまれている。北部ほくぶハロン（ホンゲイ）から産出さんしゅつする石炭せきたんは上質じょうしつの無煙炭むえんたんであり、19世紀せいき末まつからホンゲイ炭ずみとして採掘さいくつが始はじまっている。石炭せきたん技術ぎじゅつで釧路くしろコールマインとの繋つながりが太ふとく、北海道ほっかいどう釧路くしろ市しに名誉めいよ領事館りょうじかんを設置せっちしている。2003年ねん時点じてんの採掘さいくつ量りょうは1,670万まんトン。原油げんゆは1,660万まんトンのを産出さんしゅつする産油さんゆ国こくでもあり、天然てんねんガスの採取さいしゅ量りょうは126千せん兆ちょうジュールとなっている。

金属きんぞく鉱物こうぶつ資源しげんは、北部ほくぶデルタ周囲しゅういの丘陵きゅうりょう地帯ちたいに主おもに産さんする。最もっとも重要じゅうようなのが世界せかい第だい4位いのスズ（4000トン、世界せかいシェア1.5%、2005年ねん）。亜鉛あえん、金きむ、クロム、鉄てつ、鉛なまりのほか、リン鉱石こうせきを産出さんしゅつする。

「ベトナムでのボーキサイト採掘さいくつ」も参照さんしょう

エネルギー

詳細しょうさいは「ベトナムのエネルギー」を参照さんしょう

ベトナムの電力でんりょくの大だい部分ぶぶんは、石炭せきたん、石油せきゆ、ガスなどの火力かりょく発電はつでんまたは化石かせき燃料ねんりょう発電はつでんによって生産せいさんされており、その他たにはディーゼル、小ちいさな水力すいりょく発電はつでん所しょでの水力すいりょく発電はつでん、再生さいせい可能かのうエネルギーを用もちいた発電はつでんが挙あげられる。これらが現在げんざいも国くにの電気でんきを供給きょうきゅうしている。

観光かんこう産業さんぎょう

詳細しょうさいは「ベトナムの観光かんこう」を参照さんしょう

「ベトナム政府せいふ観光かんこう局きょく」も参照さんしょう

テレビ番組ばんぐみ

• 日経にっけいスペシャル ガイアの夜明よあけ 昇龍しょうりゅうベトナムに進路しんろをとれ!（2003年ねん1月がつ26日にち、テレビ東京てれびとうきょう）。

交通こうつう

ホーチミンのバス

ハノイ・メトロ

詳細しょうさいは「ベトナムの交通こうつう」を参照さんしょう

ベトナムの都市とし部ぶではバイクが主おもな移動いどう手段しゅだんとして広ひろく利用りようされている。自動車じどうしゃの利用りようも増加ぞうかしているが、交通こうつう渋滞じゅうたいが深刻しんこくな問題もんだいとなっている。公共こうきょう交通こうつう機関きかんとしては、バスが主要しゅような手段しゅだんであり、ハノイとホーチミン市しでは都市とし鉄道てつどう（メトロ）の建設けんせつが進すすめられている。国内こくないの長距離ちょうきょり移動いどうには鉄道てつどうや国内線こくないせん航空こうくうが利用りようされる。

道路どうろ

詳細しょうさいは「ベトナムの高速こうそく道路どうろ」を参照さんしょう

鉄道てつどう

詳細しょうさいは「ベトナムの鉄道てつどう」を参照さんしょう

空港くうこう

詳細しょうさいは「ベトナムの空港くうこうの一覧いちらん」を参照さんしょう

科学かがく技術ぎじゅつ

詳細しょうさいは「ベトナムの科学かがく技術ぎじゅつ」を参照さんしょう

ベトナムの科学かがく技術ぎじゅつに対たいする国家こっか支出ししゅつは、2010年ねん時点じてんでGDPの約やく0.45%に達たっしている。

国民こくみん

ベトナム人じんの伝統でんとう衣装いしょうの一部いちぶ。

青あおいアオザイを着きた女性じょせい

詳細しょうさいは「ベトナムの人口じんこう統計とうけい」を参照さんしょう

ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく憲法けんぽう第だい5条じょうに「ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくはベトナムの地ちに共ともに生活せいかつする各かく民族みんぞくの統一とういつ国家こっかである」と、多た民族みんぞく国家こっかであることを規定きていしている。ベトナム政府せいふが公認こうにんしているだけでも54の民族みんぞくがいる。ベトナム国民こくみんは、身分みぶん証明しょうめい書しょを一定いってい年齢ねんれい以上いじょうに達たっすると発給はっきゅうされ、身分みぶん証明しょうめい証しょうには民族みんぞく籍せきを記入きにゅうする欄らんが設もうけられている。

人口じんこう

詳細しょうさいは「ベトナム人じん」を参照さんしょう

ベトナムの総そう人口じんこうは、2022年ねん現在げんざいで9,832万まん人にんとなっている。1988年ねん以降いこう「2人ふたりっ子こ政策せいさく」をとってきたが、2017年ねんを以って廃止はいしされた。

民族みんぞく構成こうせい

詳細しょうさいは「ベトナムの民族みんぞく一覧いちらん」を参照さんしょう

公式こうしきに認みとめられている民族みんぞくが54あり、そのうちキン族ぞく（ベトナム族ぞく）が最もっとも多おおく、全ぜん人口じんこうの85%から90%を占しめる。キン族ぞくの言語げんごであるベトナム語ごはムオン族ぞく・セダン族ぞくなどと同おなじオーストロアジア語族ごぞく（モン・クメール語ご派は）語族ごぞくに属ぞくする。ムオン族ぞくはホアンビン省しょう、タインホア省しょうの山間さんかん部ぶに住すみ、ベトナム語ごのゲアン方言ほうげんなどとの近似きんじ性せいが指摘してきされている。

「海外かいがいベトナム人じん」も参照さんしょう

その他たに少数しょうすう民族みんぞくとしてホア族ぞく（華人かじん）、タイ系けいのタイー族ぞく・ターイ族ぞく・ヌン族ぞく、クメール族ぞく（クメール・クロム）、ムオン族ぞく、モン族ぞく（ミャオ族ぞく）、ザオ族ぞくなどがある。少数しょうすう民族みんぞくのうち、ホア族ぞくとクメール族ぞく以外いがいの大半たいはんは山地さんちに住すむ。

言語げんご

言語げんごはベトナム語ご（越えつ南みなみ語ご）が公用こうよう語ごである。その他たにも華はな語ご（主おもに広東かんとん語ご、閩南語ご、北京ぺきん語ご）、クメール語ごなども使つかわれており、フランス領りょうインドシナ時代じだいの影響えいきょうから、少数しょうすうのエリート層そうや高齢こうれい者しゃの間あいだではフランス語ふらんすごが理解りかいできる人ひともいる。また、ソビエト連邦れんぽうなど共産きょうさん主義しゅぎ国くにとのつながりがあったため、ロシア語ごを理解りかいできる人ひともいる。ただし、最近さいきんの若年じゃくねん者しゃの教育きょういくは英語えいご教育きょういくが一般いっぱん的てきになり、町まちの看板かんばんなどを見渡みわたしてもベトナム語ご以外いがいでは、欧米おうべい人じん観光かんこう客きゃく向むけ（観光かんこう客きゃく相手あいてに生活せいかつしていく上じょうでも、英語えいごができないと生活せいかつが成なりたないため）に英語えいごが目立めだつのが、現在げんざいの状況じょうきょうである。

文字もじ

詳細しょうさいについては、各かく項目こうもくを参照さんしょうのこと。

チュ・クオック・グー（𡨸國語こくご）

声調せいちょうをもつベトナム語ごを表記ひょうきするために発明はつめいされた声調せいちょう入いりアルファベット（ラテン文字もじ）であり、現在げんざい唯一ゆいいつの公用こうよう文字もじ。17世紀せいきにフランス人じんのイエズス会かい宣教師せんきょうし、アレクサンドル・ドゥ・ロードが、カトリック教会きょうかい布教ふきょうの為ために発明はつめいした文字もじ。19世紀せいき末すえ以降いこうのフランス植民しょくみん地ち時代じだいに普及ふきゅうし、1945年ねんの独立どくりつ時じに正式せいしきに公用こうよう文字もじとなった。現在げんざい、ベトナム語ごはもっぱら、この文字もじにより表記ひょうきされる。

チュハン（𡨸漢かん）

ベトナムにおける漢字かんじ。上記じょうきのチュ・クオック・グーが公用こうよう文字もじとなるまで、ベトナム語ごを表記ひょうきする公用こうよう文字もじはなく、書かき言葉ことばとしてはもっぱら漢文かんぶん（古こ中国語ちゅうごくご）が用もちいられた。チュ・クオック・グーの普及ふきゅうにより使用しよう頻度ひんどが減少げんしょうしたが、ベトナム語ごの中なかには漢字かんじ語ごの影響えいきょうが強つよく残のこっている。北きたベトナムでは1950年ねんの暫定ざんてい教育きょういく改革かいかくにより漢文かんぶん教育きょういくを廃止はいしし、1954年ねんには漢字かんじの公的こうてきな使用しようを全廃ぜんぱい、南みなみベトナムでは1975年ねんの崩壊ほうかいまで中等ちゅうとう教育きょういくでの漢文かんぶん科かが存続そんぞくしていた。2014年ねん現在げんざいでは、僧侶そうりょか日本語にほんごや中国ちゅうごく語ごの学習がくしゅう者しゃしか読よめなくなっている。

チュノム（𡨸喃）

ベトナム語ごを表記ひょうきするために13世紀せいきに発明はつめいされた合成ごうせい漢字かんじ。固有こゆう語ごの表記ひょうきに用もちいられ、漢字かんじと混まぜ書がきされた。

1. 漢字かんじの音おとと意味いみによる形成けいせい
2. 訓読くんよみ
3. 当あて字じ

など、複数ふくすうの造みやつこ字じ法ほうがあり複雑ふくざつで、一いち時期じきを除のぞいて公用こうよう文字もじに採用さいようされることはなかったが、民族みんぞく意識いしきの高たかまりを背景はいけいに民間みんかんでは有識者ゆうしきしゃ層そうを中心ちゅうしんに普及ふきゅうし、18世紀せいきから19世紀せいきには多おおくのチュノム文学ぶんがくが生うまれた。20世紀せいきになると、漢字かんじの画数かくすうが複雑ふくざつ過すぎる事ことで、初等しょとう教育きょういくに支障ししょうを来きたす事ことや、チュ・クオック・グーの普及ふきゅうにより、急速きゅうそくに衰退すいたいの道みちを辿たどった。

人名じんめい

詳細しょうさいは「ベトナムの人名じんめい」を参照さんしょう

主要しゅよう民族みんぞくであるキン族ぞくを中心ちゅうしんに、人名じんめいの多おおくは、漢字かんじ文化ぶんか圏けんに属ぞくしており、人名じんめいも漢字かんじ一いち字じ（まれに二に字じ）の漢かん姓せいと、一いち字じか二に字じ（まれに三さん字じ）の名なからなる構造こうぞうは中国ちゅうごくと共通きょうつうしている。婚姻こんいんの際さいには基本きほん的てきに夫婦ふうふ別姓べっせいとなる。しかし各かく字じの機能きのうは漢かん名めいとは異ことなっており、名なのうち一いち字じ目めは「間あいだの名な」（tên đệm、ミドルネーム）と呼よばれ、末すえ字じの名なと一体化いったいかしておらず、また中国ちゅうごくの輩やから行ぎょう字じ、朝鮮ちょうせんの行列ぎょうれつ字じのような世代せだいの区別くべつに使つかわれることもない。目上めうえや目下もっかに対たいしても、呼よびかけに使つかわれるのは末すえ字じの名なのみであり、間あいだの名なは含ふくまれず、また姓せいを呼よびかけに使つかうことはほとんどない。

名付なづけに使つかわれる語かたりは必かならずしも漢字かんじ由来ゆらいのものに限かぎらず、庶民しょみんの間あいだでは固有こゆう語ごによる名付なづけがかなり存在そんざいしている。また少数しょうすう民族みんぞくの名前なまえには、上記じょうきの説明せつめいにあてはまらない固有こゆうのシステムを持もつものがある。

宗教しゅうきょう

タム・クアン
ベトナムの仏教ぶっきょう建築けんちくを象徴しょうちょうする伝統でんとう的てきな正門せいもんで、同国どうこくにおける民俗みんぞく建築けんちくの典型てんけい例れいともなっている。また、玄関げんかん口こうの形式けいしきは3つの門もんが主体しゅたいとされている。

ハノイの仏教ぶっきょう寺院じいん、一いち柱はしら寺てら（正式せいしき名称めいしょうは延のべ祐ゆう寺てら、もしくは蓮はちす花臺かだい）。

カトリック教会きょうかいのサイゴン大だい教会きょうかい。

詳細しょうさいは「ベトナムの宗教しゅうきょう」を参照さんしょう

「ベトナムの仏教ぶっきょう」、「ベトナムのカトリック」、「ベトナムのイスラム教いすらむきょう」、および「ベトナムのヒンドゥー教きょう」も参照さんしょう

宗教しゅうきょうは仏教ぶっきょう（大乗だいじょう仏教ぶっきょう）が大半たいはんを占しめている。その他たにも道教どうきょう、カトリック教会きょうかいがある。中部ちゅうぶ（旧きゅうチャンパ王国おうこくの領域りょういき）ではイスラム教いすらむきょうやヒンドゥー教きょう、南部なんぶにはホアハオ教きょうや、混淆こんこう宗教しゅうきょうとしてのカオダイ教きょうが教きょう勢ぜいを保たもっている。公的こうてきに認みとめられた宗教しゅうきょうは、仏教ぶっきょう、カトリック、プロテスタント、イスラム教いすらむきょう、カオダイ教きょう、ホアハオ教きょうの六むっつである。このうち後うしろの二ふたつは、ベトナム独自どくじの宗教しゅうきょうである。

「ベトナムの民間みんかん信仰しんこう」も参照さんしょう

カトリック教会きょうかいは、バチカン市し国こくと国交こっこうを樹立じゅりつしておらず、プロテスタントに関かんしては、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの宣教せんきょう団体だんたいからの布教ふきょうが強つよかった経緯けいいもあり、旧きゅう南みなみベトナム地域ちいきおよび、ベトナム戦争せんそう中ちゅうに南側みなみがわについたバフナル族ぞく、ジャライ族ぞく、エデ族ぞく、コホ族ぞくなどの山岳さんがく民族みんぞくの間あいだでの信仰しんこうが中心ちゅうしんである。

それぞれの公認こうにん教団きょうだんの信徒しんと数すうは、2008年ねんの資料しりょうで仏教ぶっきょう1,000万まん人にん、カトリック550万まん人にん、カオダイ教きょう240万まん人にん、ホアハオ教きょう160万まん人にん、プロテスタント100万まん人にん、イスラム教いすらむきょう6万まん5千せん人にんとなっている。公認こうにん教団きょうだんの一いち例れいとしてはベトナム仏教ぶっきょう僧そう伽とぎがある。

憲法けんぽうでは、信教しんきょうの自由じゆうを人民じんみんに保障ほしょうしているが、同時どうじに信仰しんこうに制限せいげんがあることも法律ほうりつに明記めいきしている。過去かこには2001年ねん、2004年ねんに、ベトナム政府せいふに土地とちを奪うばわれた山岳さんがく民族みんぞくによる暴動ぼうどうが元もとで、プロテスタントの弾圧だんあつが起おきた。また、政府せいふ非ひ公認こうにん教団きょうだんである「統一とういつベトナム仏教ぶっきょう教会きょうかい」が弾圧だんあつに抗議こうぎして1992年ねんに騒擾そうじょう事件じけんを起おこす事件じけんも発生はっせいしている。2014年ねん現在げんざいでも、非ひ公認こうにんプロテスタント教団きょうだんの活動かつどうは第だい三さん級きゅう行政ぎょうせい区くレベル（坊ぼう、社しゃ、市し鎮）に留とめられており、より上位じょういの行政ぎょうせい区くでは活動かつどうができないなどの各種かくしゅ制限せいげんが存在そんざいする。

「ベトナムにおける信教しんきょうの自由じゆう」も参照さんしょう

また、ベトナム共産党きょうさんとう員いんはホー・チ・ミン元もと国家こっか主席しゅせきのみを信仰しんこうする傾向けいこうがある。無論むろんホー・チ・ミン信仰しんこうは「宗教しゅうきょうではない」が、それに匹敵ひってきする影響えいきょう力りょくを有ゆうする（ホー・チ・ミン自身じしんは、自みずからが個人こじん崇拝すうはいの対象たいしょうになることを、徹底的てっていてきに嫌きらっていた程ほどであった）。

教育きょういく

詳細しょうさいは「ベトナムの教育きょういく」を参照さんしょう

成人せいじん識字しきじ率りつは、95%（2018年ねん、米べいCIAによる）。学校がっこうで勉強べんきょうする必修ひっしゅうの第だい一いち外国がいこく語ごは英語えいごが一般いっぱん的てきである。英語えいご以外いがいにはロシア語ご、フランス語ふらんすご、中国ちゅうごく語ご、日本語にほんご、韓国かんこく語ご、ドイツ語ごがある。

初等しょとう教育きょういく

6歳さいから始はじまり、小学校しょうがっこう5年間ねんかん、義務ぎむ教育きょういく、学費がくひは原則げんそく無料むりょう。

中等ちゅうとう教育きょういく

基礎きそ中学校ちゅうがっこう（前期ぜんき中等ちゅうとう教育きょういく、日本にっぽんでの中学校ちゅうがっこうに相当そうとう）4年間ねんかん、普通ふつう中学校ちゅうがっこう（後期こうき中等ちゅうとう教育きょういく、日本にっぽんでの高等こうとう学校がっこうに相当そうとう）3年間ねんかん。

5-4-3制せいで、この期間きかんを普通ふつう教育きょういくと呼よぶ。

高等こうとう教育きょういく

ベトナムの大学だいがくには国家こっか大学だいがく（首相しゅしょう直轄ちょっかつ校こう）、国立こくりつ大学だいがく（地方ちほう総合大学そうごうだいがく、専門せんもん大学だいがく：教育きょういく訓練くんれん省しょう、厚生省こうせいしょう、文科ぶんか情報じょうほう省しょう、人民じんみん委員いいん会かいなどの所轄しょかつ）、民みん立大りつだい学がくがある。

3年ねん制せいの短期大学たんきだいがくと4-6年ねん制せいの大学だいがくがある。

教育きょういく行政ぎょうせい

教育きょういく行政ぎょうせいは、中央ちゅうおうに教育きょういく訓練くんれん省しょう、地方ちほうの省しょうレベルに教育きょういく訓練くんれん局きょく、県けんレベルに教育きょういく課かがある。学校がっこう段階だんかい別べつの管轄かんかつ関係かんけいは基本きほん的てきには次つぎのようになっている。高等こうとう教育きょういくは教育きょういく訓練くんれん省しょう、普通ふつう中学ちゅうがくは教育きょういく訓練くんれん局きょく、基礎きそ中学ちゅうがく・小学校しょうがっこう・幼稚園ようちえん・保育園ほいくえんは教育きょういく課か。これら教育きょういく行政ぎょうせい機関きかんの職員しょくいんは「教育きょういく管理かんり幹部かんぶ」と呼よばれ、教育きょういく経験けいけん者しゃ。教員きょういんの資格しかく要件ようけんは、幼児ようじ教育きょういくと初等しょとう教育きょういくで中等ちゅうとう師範しはん学校がっこう卒そつ、前期ぜんき中等ちゅうとうは師範しはん短期大学たんきだいがく卒そつ、後期こうき中等ちゅうとう教育きょういくは大学卒だいがくそつとなっている。

保健ほけん

詳細しょうさいは「ベトナムの保健ほけん」を参照さんしょう

「ベトナム保健ほけん省しょう」も参照さんしょう

衛生えいせい環境かんきょう

ベトナムには豊富ほうふな地表ちひょう水すいと地下水ちかすい資源しげんが存在そんざいするが衛生えいせい設備せつびが整ととのっていない状態じょうたいが今いまも続つづく為ため、乾季かんきには局地きょくち的てきな水不足みずぶそくが発生はっせいする問題もんだい点てんを抱かかえている。

「ベトナムにおける給水きゅうすいと衛生えいせい」も参照さんしょう

医療いりょう

詳細しょうさいは「ベトナムの医療いりょう」を参照さんしょう

治安ちあん

詳細しょうさいは「ベトナムにおける犯罪はんざい」を参照さんしょう

ベトナムは近年きんねんの経済けいざい発展はってんによる貧富ひんぷの格差かくさ拡大かくだいや地方ちほう貧困ひんこん層そうの都市とし部ぶへの流入りゅうにゅうなどに伴ともない、治安ちあん状況じょうきょうが悪化あっかして行いく傾向けいこうが見受みうけられる。現在げんざい、殺人さつじんや強盗ごうとうなどの凶悪きょうあく犯罪はんざいの発生はっせいは少すくないものの、外国がいこく人じん住居じゅうきょへの忍しのび込こみ、繁華はんか街がい周辺しゅうへんでのひったくり、スリや置おき引びきなどの窃盗せっとう事件じけんが発生はっせいしており、特とくに日本人にっぽんじん旅行りょこう者しゃは空港くうこうや市場いちば、路上ろじょう、ホテル、レストランなどで旅券りょけんや現金げんきんなどの貴重きちょう品ひんの盗難とうなん被害ひがいに遭あうケースが頻繁ひんぱんに報告ほうこくされている実状じつじょうがある為ため、身みの安全あんぜんの確保かくほの為ためにも不要ふような散策さんさくなどは安易あんいに行おこなわない姿勢しせいが求もとめられる。

また同国どうこく治安ちあん当局とうきょくは、これまで国内こくないにテロ組織そしきや反はん政府せいふ組織そしきは存在そんざいしないとしていたが、国外こくがいにおいては2016年ねんに在外ざいがい反はん政府せいふ組織そしき「ベトタン」をテロ組織そしきとして扱あつかうとの報道ほうどうがなされており、当局とうきょくがベトナム人じん海外かいがい移住いじゅう者しゃ（越えつ僑）を主体しゅたいとする反はん政府せいふ活動かつどう家かの活動かつどうに対たいして警戒けいかいを強つよめている現状げんじょうがある。

なお、政府せいふの土地とち収用しゅうようをめぐって国内こくないの至いたる所ところで争議そうぎが頻発ひんぱつしており、2020年ねん1月がつにはハノイ市し近郊きんこうにおいて警察官けいさつかん3名めいが死亡しぼうする大だい規模きぼな騒擾そうじょう事件じけんが発生はっせいするなど、政府せいふに対たいする抗議こうぎ活動かつどうが行おこなわれている。

法ほう執行しっこう機関きかん

詳細しょうさいは「ベトナムの法ほう執行しっこう機関きかん」を参照さんしょう

人民じんみん公安こうあん局きょくが治安ちあん維持いじを担になっている。この機関きかんは公安こうあん省しょうの指揮しき下かにある。

人権じんけん

詳細しょうさいは「ベトナムにおける人権じんけん」を参照さんしょう

ボイ・ダイと呼よばれる、都市とし部ぶを生活せいかつ圏けんとするホームレスへ対たいする人権じんけん侵害しんがいが問題もんだい視しされている。

人権じんけん問題もんだい

ヒューマン・ライツ・ウォッチによると言論げんろん、精神せいしん、出版しゅっぱん、団結だんけつ、宗教しゅうきょうといった基本きほん的てき人権じんけんが制限せいげんされている。人権じんけん活動かつどう家かやブロガーは、嫌いやがらせ、脅迫きょうはく、暴力ぼうりょく、投獄とうごくに直面ちょくめんしている。

アムネスティ・インターナショナルは、Facebook、Googleがサービスを提供ていきょうしているが、政府せいふの検閲けんえつに協力きょうりょくしているとしている。

「ベトナムにおける人種じんしゅ差別さべつ」、「反はんベトナム感情かんじょう」、および「アメラジアン」も参照さんしょう

LGBTの権利けんり

詳細しょうさいは「ベトナムにおけるLGBTの権利けんり」を参照さんしょう

主おもに南部なんぶでは、タイやカンボジアと同様どうように、トランスジェンダー文化ぶんかの伝統でんとうがあるが、主おもに儒教じゅきょうの影響えいきょうから同性どうせい結婚けっこんは長ながらく認みとめられず、2002年ねんに国営こくえいメディアでは同性愛どうせいあいを売春ばいしゅんや賭博とばく、違法いほう薬物やくぶつなどと並ならぶ「社会しゃかい悪あく」であるとの認識にんしきを表明ひょうめいし、同性愛どうせいあいの規制きせいや同性愛どうせいあいカップルの逮捕たいほを行おこなえる法ほう整備せいびを確約かくやくした。しかし世論せろんの高たかまりとともに、2009年ねんに初はつの女性じょせいへの性別せいべつ変更へんこうと改名かいめいが認みとめられる判例はんれいが生うまれた。2013年ねんには同性愛どうせいあいの禁止きんしと罰金ばっきん制度せいどが法律ほうりつから削除さくじょされ、また同性どうせいカップルの同居どうきょに対たいして、正式せいしきな結婚けっこんには劣おとるが、ある程度ていどの権利けんりが認みとめられた。しかし後のちにこの権利けんり条項じょうこうは削除さくじょされている。2014年ねん10月がつ時点じてん、同性愛どうせいあいは禁止きんしこそされてはいないが、法律ほうりつ婚こんなど法的ほうてきな権利けんりが認みとめられているわけでもない。

マスコミ

詳細しょうさいは「ベトナムのテレビとメディア」を参照さんしょう

新聞しんぶんと雑誌ざっし

全国ぜんこくで発行はっこうされている新聞しんぶん、雑誌ざっしは600種しゅを超こえているとされる。これらの新聞しんぶん・雑誌ざっしは、ベトナム共産党きょうさんとうとその下部かぶ組織そしきや、省庁しょうちょう、機関きかんの発行はっこう物ぶつである。日刊にっかん紙しでは13万まん部ぶの『サイゴン・ザイフォン』（「サイゴン解放かいほう」の意い。ホーチミン市し党とう委い機関きかん紙し）、18万まん部ぶの『ニャンザン』（「人民じんみん」の意い。ベトナム共産党きょうさんとう中央ちゅうおう委員いいん会かい発行はっこう）、40万まん部ぶの『タインニエン』（「青年せいねん」の意い。ベトナム青年せいねん連れん協会きょうかい発行はっこう）、45万まん部ぶの『トゥオイチェー』（「若者わかもの」の意い。ホー・チ・ミン共産きょうさん青年せいねん団だん発行はっこう） などがある。

前述ぜんじゅつの通とおりこれらは全すべて政権せいけん党とう関係かんけいの機関きかん紙しであるが、『トゥオイチェー』紙しは比較的ひかくてき革新かくしん的てきな編集へんしゅう方針ほうしんを採とっており、タブー視しされているホー・チ・ミンの過去かこの経歴けいれきを掘ほり下さげる報道ほうどうや、近ちかごろの若者わかものはホー・チ・ミンよりビル・ゲイツに憧あこがれているなどの報道ほうどうを行おこない、当局とうきょくと度々たびたび衝突しょうとつを起おこしている。

報道ほうどう規制きせい

• 1975年ねんまでのベトナム共和きょうわ国こく（南みなみベトナム）ではゴ・ディン・ジエム政権せいけんやグエン・バン・チュー政権せいけんなどの独裁どくさい政治せいじを批判ひはんする知識ちしき人じんグループ「第だい三さん勢力せいりょく」の活動かつどうが続つづいた。しかし、1976年ねんに南北なんぼく統一とういつによってベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こくが成立せいりつした後のち、レ・ズアン指導しどう部ぶは硬直こうちょく化かした官僚かんりょう政治せいじを推おし進すすめ、メディアの活動かつどうを抑制よくせいする路線ろせんをとった。1980年代ねんだい後半こうはんに、グエン・ヴァン・リン書記しょき長ちょうがドイモイ路線ろせんを推おし進すすめ、新聞しんぶんや雑誌ざっしにも活況かっきょうを与あたえた。1986年ねん3月1日にちにホーチミン市しで新聞しんぶん『タインニエン』が創刊そうかんされた。
• 1989年ねんに、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくで六ろく四よん天安門てんあんもん事件じけんが発生はっせいし、東ひがしドイツで「ベルリンの壁かべ」が崩壊ほうかいすると、メディアを抑制よくせいする路線ろせんに切きり替かえた。同年どうねん12月、「マス・メディア法ほう」が制定せいていされ、刑法けいほう258条じょうにて報道ほうどう禁止きんし条項じょうこうが明記めいきされた。

通信つうしん

詳細しょうさいは「ベトナムの通信つうしん」を参照さんしょう

インターネット

詳細しょうさいは「ベトナムのインターネット」を参照さんしょう

• 2018年ねん現在げんざい、6850万まん人にんがインターネットを使用しようしている。また、政治せいじ的てき発言はつげんをするブロガーが逮捕たいほされるなどの事件じけんを受うけ、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は「スマートフォンやタブレット端末たんまつが急速きゅうそくに普及ふきゅうしているものの、世界せかいで最もっともインターネットを利用りようするのが危険きけんな国くにの1つでもある」と、指摘してきしている。

「ベトナムにおけるインターネット検閲けんえつ」も参照さんしょう

文化ぶんか

ベトナム（越こし南みなみ）は漢字かんじ文化ぶんか圏けんに含ふくまれる。

詳細しょうさいは「ベトナムの文化ぶんか」を参照さんしょう

食しょく文化ぶんか

ベトナムコーヒーの道具どうぐ一式いっしき

詳細しょうさいは「ベトナム料理りょうり」を参照さんしょう

概がいして米べい食しょく文化ぶんかであり、麺類めんるいも米べい粉こ製せいが多おおい。庶民しょみんの常食じょうしょくは米飯べいはん、麺めん、粥かゆ、フランスパンなどである。中華ちゅうか料理りょうりとフランス料理りょうりの影響えいきょうを受うけている。また、世界せかい第だい二に位いのコーヒー生産せいさん国こくであることもあり、独自どくじのコーヒー文化ぶんかが存在そんざいする。

飲酒いんしゅ量りょうが多おおく、世界せかい保健ほけん機関きかん（WHO）が2018年ねんに発表はっぴょうした調査ちょうさ結果けっかによると、ベトナム人じんが1年間ねんかんに摂取せっしゅするアルコール量りょうは8.3リットルと、世界せかい平均へいきん（6.4リットル）を上回うわまわる。特とくにビールが好このまれ、企業きぎょう別べつ生産せいさん量りょうシェアは、タイ企業きぎょう傘下さんかのサイゴンビール・アルコール飲料いんりょう総そう公社こうしゃ（サベコ）43％、ハイネケン25％、ハノイビール・アルコール飲料いんりょう総そう公社こうしゃ（ハベコ）15％、カールスバーグ8％の順じゅんである。日本にっぽんのサッポロビールホールディングスが2011年ねんに進出しんしゅつして高級こうきゅうブランドとして定着ていちゃくしているほか、日本円にほんえん換算かんさんで1杯はい数すう十じゅう円えん程度ていどの樽たる詰づめ生なまビール「ビア・ホイ」が各所かくしょの大衆たいしゅう食堂しょくどうで売うられている。ベトナム政府せいふは、国民こくみんの健康けんこう維持いじや飲酒いんしゅ運転うんてん防止ぼうしのため広告こうこくなどの酒類しゅるい規制きせいを進すすめており、2019年ねん6月がつにはベトナム国会こっかい常任じょうにん委員いいん会かいがアルコール被害ひがい防止ぼうし法案ほうあんを採択さいたくした。

文学ぶんがく

詳細しょうさいは「ベトナム文学ぶんがく」を参照さんしょう

18世紀せいき末まつから19世紀せいき初はじめごろに文官ぶんかんグエン・ズーが、明あきら末すえ清きよし初はつごろに成立せいりつした白話はくわ小説しょうせつ『金きむ雲くも翹伝』を韻文いんぶんに翻訳ほんやくし、チュノムで『金きむ雲くも翹』を書かいた。以来いらい、『金きむ雲くも翹』は国民こくみん的てきな古典こてん文学ぶんがく作品さくひんと看做みなされている。

哲学てつがく

詳細しょうさいは「ベトナム哲学てつがく」を参照さんしょう

音楽おんがく

詳細しょうさいは「ベトナムの音楽おんがく」を参照さんしょう

• ニャー・ニャック - ベトナムの雅楽ががく。無形むけい文化ぶんか遺産いさん。
• ベトナム中央ちゅうおう高原こうげんにおけるゴングの文化ぶんか的てき空間くうかん - 無形むけい文化ぶんか遺産いさん。
• ベトナムの民族みんぞく楽器がっき
• バイチョイ - ユネスコ無形むけい文化ぶんか遺産いさん。

美術びじゅつ

詳細しょうさいは「ベトナム美術びじゅつ」および「ベトナム国立こくりつ美術館びじゅつかん」を参照さんしょう

「ベトナムの陶磁器とうじき」も参照さんしょう

芸能げいのう

詳細しょうさいは「ベトナムの演劇えんげき」を参照さんしょう

水上みずかみ人形にんぎょう劇げき

• 水上みずかみ人形にんぎょう劇げき
• ハット・チェオ(Chèo) - ベトナム北部ほくぶで人気にんきの演劇えんげき。
• ハット・ボイ(トゥオン、Tuồng) - ベトナム中部ちゅうぶ、南部なんぶの演劇えんげき。
• カイ・ルオン - Cải lương - 改良かいりょう劇げきの意い。国外こくがいの物語ものがたりも含ふくむ新あたらしい演劇えんげき。

映画えいが

詳細しょうさいは「ベトナムの映画えいが」を参照さんしょう

衣装いしょう

正装せいそうとして着用ちゃくようされる民族みんぞく衣装いしょう、アオザイ。

詳細しょうさいは「ベトナムの衣服いふく」を参照さんしょう

伝統でんとう衣装いしょうにはアオザイが知しられている。

建築けんちく

フエ王宮おうきゅう城塞じょうさい
グエン王朝おうちょう時代じだいの建築けんちくを代表だいひょうするものの一ひとつに数かぞえ上あげられている

詳細しょうさいは「ベトナムの建築けんちく」および「ベトナムの古代こだい建築けんちく」を参照さんしょう

ベトナムの建築けんちくは古代こだい中国ちゅうごくの文化ぶんかから影響えいきょうを受うけている面めんが多おおく、呉ご朝ちょう以前いぜんから仏教ぶっきょう建築けんちくの影響えいきょうの濃こさが窺うかがえる。

「ベトナムの古代こだい建築けんちくにおける法則ほうそく」も参照さんしょう

ランドマーク81（2021年ねん1月がつ撮影さつえい）
ベトナムにおいて最もっとも高たかい超ちょう高層こうそうビルである

近代きんだいにおける建築けんちくはフランス植民しょくみん地ち時代じだいに西洋せいよう文化ぶんかの影響えいきょうを強つよく受うけている為ため、その点てんから建材けんざいにセメントが広ひろく使つかわれるようになり、ハノイ歌劇かげき場じょうを始はじめとしたコンクリート建築けんちくの建物たてものが戦後せんごから設もうけられている。

世界せかい遺産いさん

詳細しょうさいは「ベトナムの世界せかい遺産いさん」を参照さんしょう

国内こくないにはユネスコの世界せかい遺産いさんリストに登録とうろくされた文化ぶんか遺産いさんが5件けん、自然しぜん遺産いさんが2件けん存在そんざいする。

歴史れきし文化ぶんか遺産いさん

ジャクビエン・パゴダ
1993年ねん1月がつ7日にち付づけで国くにの歴史れきし文化ぶんか遺産いさんとして認可にんかされた宗教しゅうきょう建築けんちくの一ひとつである

1945年ねんの独立どくりつ後ご、ホーチミン主席しゅせき令れいが出だされ、東洋とうよう博はく古学こがく院いんが古跡こせき保護ほごの責任せきにんを持もつようになった。現在げんざいは歴史れきし文化ぶんか遺跡いせき指定してい制度せいどを文化ぶんか・情報じょうほう省しょうが行おこなっており、現在げんざいの総そう指定してい件数けんすう約やく2800件けんのうち、約やく2000件けんは寺てら、ディン（亭ちん、村むらの守護神しゅごじんが祀まつられている）、廟びょう、デン（神社じんじゃ）が占しめている。歴史れきし文化ぶんか遺産いさんを代表だいひょうするものにはヤックラム・パゴダなどがある。

1957年ねん、遺跡いせき保護ほごに関かんする議定ぎていを制定せいていし、1962年ねんに初はじめて「歴史れきし文化ぶんか遺跡いせき」が指定していされた。対象たいしょうは不動産ふどうさん中心ちゅうしんで、革命かくめいや抗こう仏ふつ戦史せんしに関かんする史跡しせき、考古学こうこがく的てき遺跡いせき、建築けんちく、景勝けいしょう地ちなどが指定していされた。

祝祭日しゅくさいじつ

詳細しょうさいは「ベトナムの祝日しゅくじつ」を参照さんしょう

日付ひづけ	日本語にほんご表記ひょうき	越えつ語ご表記ひょうき	備考びこう
1月がつ1日にち	正月しょうがつ	Tết Dương Lịch/Tết Tây 節ふし陽曆ようれき/節ふし西にし	休日きゅうじつ。日本にっぽんと違ちがい2日にちより、官公庁かんこうちょうや企業きぎょうは通常つうじょう営業えいぎょうとなる。
旧暦きゅうれき1月がつ1日にち	テト（旧きゅう正月しょうがつ）	Tết Nguyên Đán 節ふし元旦がんたん	2016年ねんは2月がつ8日にち。休日きゅうじつ。前後ぜんご一いち週間しゅうかん程度ていどを官公庁かんこうちょうや企業きぎょうが休日きゅうじつにする。
3月8日にち	国際こくさい婦人ふじんデー	Ngày Quốc tế Phụ nữ 𣈗國際こくさい婦女ふじょ	祝日しゅくじつ
旧暦きゅうれき3月がつ10日とおか	フンヴオン記念きねん日び	Ngày Giỗ tổ Hùng Vương 𣈗𣋼祖そ雄ゆう王おう	フンヴオン（雄ゆう王おう、紀元前きげんぜんにベトナム北部ほくぶを初はじめて統一とういつしたとされる文郎ふみお国こく王おう）を祭まつる日ひ。2016年ねんは4月がつ16日にち。休日きゅうじつ。
4月がつ30日にち	南部なんぶ解放かいほう記念きねん日び	Ngày Giải Phóng miền Nam/Ngày Thống nhất 𣈗解放かいほう沔南/𣈗統一とういつ	サイゴン陥落かんらく（1975年ねん）を記念きねんする日ひ。休日きゅうじつ。別名べつめい：「統一とういつの日ひ」。
5月1日にち	国際こくさい労働ろうどう日び（メーデー）	Ngày Quốc Tế Lao Động 𣈗國際こくさい勞ろう動どう	南部なんぶ解放かいほう記念きねん日びと続つづき休日きゅうじつで、唯一ゆいいつの連休れんきゅうである。
旧暦きゅうれき5月5日にち	端午たんご節ぶし	Tết Đoan ngọ/Tết giết sâu bọ 節ふし端午たんご/節ふし𢷄螻蜅	2016年ねんは6月9日にち。別名べつめい：「虫むし封ふうじの日ひ（殺虫さっちゅう節ぶし）」。
6月1日にち	子供こどもの日ひ	Ngày Quốc tế Thiếu nhi 𣈗國際こくさい少しょう兒こ	祝日しゅくじつ
旧暦きゅうれき8月がつ15日にち	中秋ちゅうしゅう節ぶし	Tết trung thu 節ふし中秋ちゅうしゅう	2016年ねんは9月15日にち。祝日しゅくじつ。
9月2日にち	国くに慶けい節ぶし	Ngày Quốc Khánh 𣈗國くに慶けい	ベトナム独立どくりつ宣言せんげん（1945年ねん）発布はっぷを記念きねんする日ひ。休日きゅうじつ。
10月がつ20日はつか	ベトナム女性じょせいの日ひ	Ngày Phụ Nữ Việt Nam	祝日しゅくじつ
11月20日にち	先生せんせいの日ひ	Ngày Nhà giáo Việt Nam 𣈗家いえ教きょう越こし南みなみ	1982年ねん制定せいてい。先生せんせいや教師きょうしに対たいして感謝かんしゃする日ひ。学校がっこうでは感謝かんしゃパーティが催もよおされ、生徒せいとなどから先生せんせいに贈おくり物ものが渡わたされる。祝日しゅくじつ。

スポーツ

詳細しょうさいは「ベトナムのスポーツ」を参照さんしょう

AFCアジアカップ2019でのベトナムサポーター

ベトナム生うまれの総合そうごう武術ぶじゅつであるボビナムが国技こくぎとなっている。さらにプロリーグのあるサッカーも国技こくぎと言いえるほど圧倒的あっとうてきに1番ばん人気にんきのスポーツであり、伝統でんとう的てきスポーツのダーカウも深ふかく浸透しんとうしている。他ほかにも、ベトナム相撲すもうと呼よばれるヴァットが存在そんざいする。

ベトナムはオリンピックには1952年ねんヘルシンキ大会たいかいから参加さんかしており、これまでに射撃しゃげきやテコンドー、重量挙じゅうりょうあげでメダルを獲得かくとくしている。2016年ねんリオデジャネイロ大会たいかいでは、射撃しゃげきでホアン・スアン・ビンが同国どうこく初はつとなる金きんメダルを獲得かくとくした。

「オリンピックのベトナム選手せんしゅ団だん」も参照さんしょう

サッカー

詳細しょうさいは「ベトナムのサッカー」を参照さんしょう

サッカーベトナム代表だいひょう (2019年ねん)

ベトナム国内こくないでサッカーは、老若男女ろうにゃくなんにょ問とわず人気にんきがある国民こくみん的てきなスポーツとなっている。サッカーリーグのVリーグは1980年ねんにセミプロとして創設そうせつされ、2000年ねんにプロ化かした。ベトナムサッカー連盟れんめい（VFF）によって構成こうせいされるサッカーベトナム代表だいひょうは、これまでFIFAワールドカップには未み出場しゅつじょうである。AFCアジアカップには2度ど出場しゅつじょうしており、2007年ねん大会たいかいと2019年ねん大会たいかいではベスト8の成績せいせきを収おさめた。

さらに東南とうなんアジアサッカー選手権せんしゅけんでは2度どの優勝ゆうしょうを誇ほこり、代表だいひょうチームが試合しあいで勝利しょうりを収おさめると街まちにはベトナム国旗こっきを持もった人々ひとびとが溢あふれ、国くに中ちゅうが大変たいへんな盛もり上あがりをみせる。国内こくないで人気にんきの選手せんしゅには「ベトナムの英雄えいゆう」と呼よばれるレ・コン・ビンが存在そんざいする。同国どうこく代表だいひょうの最多さいた出場しゅつじょう・最多さいた得点とくてん者しゃであり、2009年ねんにはベトナム人じんとして初はじめてポルトガル1部ぶに移籍いせきしている。また、2013年ねんにはコンサドーレ札幌さっぽろにも所属しょぞくしていた。

著名ちょめいな出身しゅっしん者しゃ

詳細しょうさいは「ベトナム人じんの一覧いちらん」を参照さんしょう

参考さんこう文献ぶんけん

• 川口かわぐち健一けんいち 著ちょ「ベトナム文学ぶんがく」、原はら, 卓也たくや、西にし永ひさし, 良成よしなり 編へん『翻訳ほんやく百ひゃく年ねん――外国がいこく文学ぶんがくと日本にっぽんの近代きんだい』（初版しょはん第だい一いち刷さつ）大修館書店たいしゅうかんしょてん、東京とうきょう、2000年ねん2月がつ10日とおか、237-254頁ぺーじ。ISBN 4-469-21250-4。 
• 白井しらい洋子ようこ『ベトナム戦争せんそうのアメリカ』刀かたな水すい書房しょぼう、日本にっぽん、東京とうきょう、2006年ねん。ISBN 4-88708-352-1。 
• ファン・ゴク・リエン『ベトナムの歴史れきし──ベトナム中学校ちゅうがっこう歴史れきし教科書きょうかしょ』今井いまい昭夫あきお監訳かんやく、伊藤いとう悦子えつこ・小川おがわ有子ゆうこ・坪井つぼい未来みらい子こ訳やく、明石書店あかししょてん、日本にっぽん、東京とうきょう〈世界せかいの教科書きょうかしょシリーズ21〉、2008年ねん。ISBN 978-4-7503-2843-0。 
• オルタ2007年ねん4月がつ号ごう
• 『世界せかい年鑑ねんかん2017』 一般いっぱん財団ざいだん法人ほうじん共同通信社きょうどうつうしんしゃ 2017年ねん3月がつ10日とおか ISBN 978-4764106956
• 刈安かりやす望もち「アジア編へん」『世界せかい地方ちほう旗はた図鑑ずかん』（初版しょはん第だい一いち刷さつ）えにし書房しょぼう、2015年ねん2月がつ10日とおか。ISBN 978-4908073151。 
• 柳澤やなぎさわ雅之まさゆき『第だい11章しょう 山やまと平野ひらの、水みずと土ど : 二に大だいデルタの自然しぜんと農業のうぎょう』明石書店あかししょてん、2004年ねん6月がつ。hdl:2433/267940。https://hdl.handle.net/2433/267940。 
  • 《所収しょしゅう》今井いまい昭夫あきお, 岩井いわい美よし佐紀さき『現代げんだいベトナムを知しるための60章しょう』明石書店あかししょてん〈エリア・スタディーズ ; 39〉、2004年ねん。ISBN 4750319007。国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん書誌しょしID:000007398140。 

関連かんれん項目こうもく

• ベトナム関係かんけい記事きじの一覧いちらん
• ベトナム共産党きょうさんとう
• ベトナム人民じんみん軍ぐん
• ベトナム料理りょうり
• マルクス・レーニン主義しゅぎ
• 一いち党とう独裁どくさい制せい
• ASEAN標準時ひょうじゅんじ

外部がいぶリンク

ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく政府せいふ

ベトナム社会しゃかい主義しゅぎ共和きょうわ国こく（ベトナム語ご）（英語えいご）（中国ちゅうごく語ご）

ベトナム共産党きょうさんとう（ベトナム語ご）（フランス語ふらんすご）（英語えいご）（中国ちゅうごく語ご）（スペイン語ご）（ロシア語ご）

ベトナム外務省がいむしょう（ベトナム語ご）（英語えいご）

ベトナム計画けいかく投資とうし省しょう（ベトナム語ご）（英語えいご）

ベトナム政府せいふ観光かんこう局きょく（日本語にほんご）

在日ざいにちベトナム大使館たいしかん（英語えいご）（ベトナム語ご）

ベトナムの法律ほうりつ

憲法けんぽう（日本語にほんご）

民法みんぽう（英語えいご） なお、"Vietnam amended Civil Code"に2006年ねん改正かいせいの解説かいせつあり。

商法しょうほう（日本語にほんご） ジェトロのウェブサイト内ない

共通きょうつう投資とうし法ほう・統一とういつ企業きぎょう法ほう（日本語にほんご） 日本にっぽんアセアンセンターのウェブサイト内ない

外国がいこく産業さんぎょう財産ざいさん権けん制度せいど情報じょうほう 特許庁とっきょちょうのウェブサイト。ベトナム知的ちてき財産ざいさん法ほうほか、知的ちてき財産ざいさんに関かんする下位かい法規ほうきの翻訳ほんやくを掲載けいさい。簡単かんたんな制度せいど概要がいよう説明せつめいへのリンクもある。また、「技術ぎじゅつ・工業こうぎょうおよび知的ちてき財産ざいさん権けん供与きょうよに関かかわる制度せいど」（ジェトロ）にも概要がいようの解説かいせつあり。企業きぎょうと法ほう創造そうぞう「特集とくしゅう・知的ちてき財産ざいさん法制ほうせい研究けんきゅうIII」 では、ベトナムほか、アジア各国かっこくの知ち財ざいに関かんする研究けんきゅうセミナーの記録きろくが閲覧えつらんできる。

民事みんじ訴訟そしょう法ほう（日本語にほんご） 法務省ほうむしょう法務ほうむ総合そうごう研究所けんきゅうじょ国際こくさい協力きょうりょく部ぶウェブサイト内ない

判決はんけつ執行しっこう法ほう（日本語にほんご） 法務省ほうむしょう法務ほうむ総合そうごう研究所けんきゅうじょ国際こくさい協力きょうりょく部ぶウェブサイト内ない

破産はさん法ほう（日本語にほんご） 法務省ほうむしょう法務ほうむ総合そうごう研究所けんきゅうじょ国際こくさい協力きょうりょく部ぶウェブサイト内ない。

国家こっか賠償ばいしょう法ほう（日本語にほんご） 法務省ほうむしょう法務ほうむ総合そうごう研究所けんきゅうじょ国際こくさい協力きょうりょく部ぶウェブサイト内ない

刑事けいじ訴訟そしょう法ほう・刑事けいじ捜査そうさ組織そしき令れい・刑法けいほう（日本語にほんご） 法務省ほうむしょう法務ほうむ総合そうごう研究所けんきゅうじょ国際こくさい協力きょうりょく部ぶウェブサイト内ない

日にち越えつ法ほう整備せいび支援しえんプロジェクト長期ちょうき専門せんもん家か・塚原つかはら長ちょう秋あき「研究けんきゅう報告ほうこく ベトナムにおける担保たんぽ権けんの実行じっこう」

井関いせき正裕まさひろ「ベトナム判決はんけつ書しょマニュアル作成さくせい支援しえん」 ベトナムにおける判決はんけつの実情じつじょうと課題かだいなどが解説かいせつされている。

小口おぐち光ひかり「ベトナム法ほう制度せいど調査ちょうさ研究けんきゅう報告ほうこく書しょ」 - 法ほう整備せいび支援しえんの一環いっかんとして、西村にしむらあさひ法律ほうりつ事務所じむしょの小口おぐち光ひかり弁護士べんごしに委託いたくして行おこなわれた調査ちょうさ。なお、ベトナムの民みん商事しょうじ法令ほうれいの多おおくは、日本にっぽんの法ほう整備せいび支援しえんを受うけて起草きそうされている。

日本国にっぽんこく政府せいふ

外務省がいむしょう - ベトナム （日本語にほんご）

在ざいベトナム日本国にっぽんこく大使館たいしかん （日本語にほんご）（ベトナム語ご）

在ざいホーチミン日本国にっぽんこく総領事館そうりょうじかん （日本語にほんご）（ベトナム語ご）

外務省がいむしょう 海外かいがい安全あんぜん情報じょうほう ベトナム（日本語にほんご）

FORTH 厚生こうせい労働省ろうどうしょう検疫けんえき所しょ ベトナム・カンボジア（日本語にほんご）

国際こくさい交流こうりゅう基金ききん ベトナム日本にっぽん文化ぶんか交流こうりゅうセンター（日本語にほんご）（ベトナム語ご）（英語えいご）

独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん 国際こくさい協力きょうりょく機構きこう(JICA) - ベトナム（日本語にほんご）

JETRO - ベトナム （日本語にほんご）

法務省ほうむしょう法務ほうむ総合そうごう研究所けんきゅうじょ国際こくさい協力きょうりょく部ぶ-ベトナム法ほう整備せいび支援しえん（日本語にほんご）

名古屋大学なごやだいがく日本にっぽん法ほう教育きょういく研究けんきゅうセンター（日本語にほんご）

現地げんち日本語にほんごメディア

VIETJOベトナムニュース （日本語にほんご）

VIETJOライフ （日本語にほんご）

ベトナムニュースライナー Vietnam News Liner （日本語にほんご）

ベッター （日本語にほんご）

その他た

ウィキトラベルには、ベトナムに関かんする旅行りょこうガイドがあります。 （日本語にほんご）

"Vietnam". The World Factbook (英語えいご). Central Intelligence Agency. （英語えいご）

ベトナム - Curlie（英語えいご） （英語えいご）

『ベトナム』 - コトバンク

ベトナムのウィキメディア地図ちず （英語えいご）

Health Information for Travelers to Vietnam - アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンター （英語えいご）