台風たいふう

西太平洋にしたいへいように発生はっせいした3つの台風たいふうをとらえた衛星えいせい画像がぞう（2015年ねん7月がつ9日にち）

台風たいふう（たいふう、旧きゅう字じ表記ひょうき: 颱風たいふう、英えい: typhoon）とは、北西ほくせい太平洋たいへいようおよび南シナ海みなみしなかいで発生はっせいする、強つよい熱帯ねったい低てい気圧きあつの呼称こしょうである。この海域かいいきの熱帯ねったい低てい気圧きあつの下層かそう中心ちゅうしん付近ふきんの最大さいだい平均へいきん風速ふうそくが一定いっていの基準きじゅんに達たっした場合ばあい、台風たいふうと呼称こしょうされる。最大さいだい風速ふうそくの基準きじゅんは気象きしょう機関きかんによって異ことなる定義ていぎが用もちいられるが、世界せかい気象きしょう機関きかんは10分間ふんかん平均へいきんの最大さいだい風速ふうそくが風力ふうりょく12（64ノット、33 m/s、119 km/h）以上いじょうの熱帯ねったい低てい気圧きあつのみをタイフーンと定義ていぎしている。一方いっぽう、日本にっぽんの気象庁きしょうちょうは風力ふうりょく8（34ノット、17 m/s、65 km/h）以上いじょうに達たっしたものを台風たいふうと定義ていぎしており、日本語にほんごで台風たいふうといえば、通常つうじょうこちらの定義ていぎに準拠じゅんきょする。このように「台風たいふう」は発達はったつした熱帯ねったい低てい気圧きあつを指さすと同時どうじに、その強つよさの階級かいきゅうを示しめす術語じゅつごでもある。

国際こくさい的てきには、世界せかい気象きしょう機関きかんの規定きていにより、北西ほくせい太平洋たいへいよう（東経とうけい180度ど以西いせい、赤道せきどう以北いほくの太平洋たいへいよう）または南シナ海みなみしなかいで発生はっせいした熱帯ねったい低てい気圧きあつがトロピカル・ストームの強つよさに達たっした場合ばあい、日本にっぽんの気象庁きしょうちょうが台風たいふう委員いいん会かいの14の加盟かめい国こく・地域ちいきから提供ていきょうされた《台風たいふうの呼よび名なリスト》に基もとづき、その熱帯ねったい低てい気圧きあつに台風たいふう番号ばんごうの付づけ番ばんおよび命名めいめいを行おこなう。他たの海域かいいきで発生はっせいした熱帯ねったい低てい気圧きあつが北西ほくせい太平洋たいへいよう域いきに移動いどうしてきた場合ばあい（越境えっきょう台風たいふう）は、台風たいふう番号ばんごうのみが付づけ番ばんされ、新あらたな呼よび名なは付与ふよされず、他たの海域かいいきでの呼よび名なを引ひき継つぎ、台風たいふうの名称めいしょうとする。

合同ごうどう台風たいふう警報けいほうセンターの統計とうけいによると、1950年ねんの統計とうけい開始かいし以来いらい2023年ねんまでの間あいだに、北西ほくせい太平洋たいへいようおよび南シナ海みなみしなかいの海域かいいきでは、毎年まいとし平均へいきん25.3個この命名めいめいされた台風たいふうが発生はっせいし、そのうち平均へいきん16.5個こがタイフーンの基準きじゅんに達たっしている。月別つきべつにみると、台風たいふうが最もっとも多おおく発生はっせいするのは8月がつ（平均へいきん5.5個こ）で、次ついで9月（5.0個こ）が多おおい。

用語ようご体系たいけい

語かたり誌し

野分のわけ

台風たいふうの情景じょうけい描写びょうしゃが日本語にほんごに初はじめて現あらわれるのは平安へいあん時代じだいの女流じょりゅう文学ぶんがくで、野のの草くさを吹ふき分わける強つよい風ふうという意味いみから、古ふるくは秋あきの嵐あらしを野分のわけ（のわき、のわけ）といった。

清少納言せいしょうなごんの『枕草子まくらのそうし』には「野分のわけのまたの日ひこそ、いみじうあはれに、をかしけれ」とある。紫式部むらさきしきぶの『源氏物語げんじものがたり』には、〈野分のわけ〉の章しょうがあり、京都きょうとを襲おそった台風たいふうについて、風ふうの向むきや勢いきおい、空そらの色いろ、木々きぎの枝えだの折おれる音おと、草くさ露ろの乱みだれ散ちる様子ようすなどが、かなり具体ぐたい的てきに描写びょうしゃされており、平塚ひらつか (2000)はこれを「日本にっぽん初はつの台風たいふうルポルタージュ」と評ひょうしている。

江戸えど時代じだいの俳諧はいかいには、松尾まつお芭蕉ばしょうが詠よんだ句く「猪いのししも ともに吹るる 野分のわけかな」が知しられる。「野分のわけ」も「台風たいふう」も秋あきの季語きごである。

ただし、野分のわけとは暴風ぼうふうそのものを表あらわす文学ぶんがく的てき表現ひょうげんであり、気象きしょう学がく上じょうの台風たいふうとは異ことなる概念がいねんである。

たいふう/台風たいふう/タイフーン

江戸えど時代じだいの末すえには、清国きよくにに倣ならって海洋かいようの暴風ぼうふうを颶風ぐふう（ぐふう）と訳やくした文献ぶんけんもあったが、明治めいじの初はじめには、古来こらいの和語わご「おおかぜ」を「大風おおかぜ」と表記ひょうきしたり、英語えいごの typhoon から「タイフーン」とカタカナで書かいたりすることが一般いっぱん的てきだった。

「たいふう」という日本語にほんごが出現しゅつげんしたのは明治めいじの末すえ頃ごろのことで、1907年ねん（明治めいじ40年ねん）に後のちに中央ちゅうおう気象台きしょうだい長ちょうとなる気象きしょう学者がくしゃの岡田おかだ武松たけまつが、英語えいごの typhoon の訳語やくごとして、「たいふう」に中国ちゅうごくの文献ぶんけんに見みえる颱風たいふうという漢字かんじを当あて、「発達はったつした熱帯ねったい低てい気圧きあつ」と学術がくじゅつ的てきに定義ていぎしたことが始はじまりといわれる。彼かれの著述ちょじゅつによって、颱風たいふうという気象きしょう用語ようごは大正たいしょう期きに一般いっぱん化かし日本語にほんごの中なかに定着ていちゃくした。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごの1946年ねん（昭和しょうわ21年ねん）に当用漢字とうようかんじが制定せいていされ、「颱」の字じが表ひょう外がい漢字かんじとなると、颱風たいふうは1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）の同音どうおんの漢字かんじによる書がきかえに伴ともなって台風たいふうという代用だいよう表記ひょうきとなり、現在げんざいに至いたる。なお、沖縄おきなわ方言ほうげん（ウチナーグチ）では「テーフー」（台風たいふう）または「ウーカジ」（大風おおかぜ）と呼よばれる。

中国ちゅうごくにおいては清きよし末すえ、「颶風ぐふう」がより一般いっぱん的てきに使用しようされ、メドハーストの『英華えいか字典じてん』（1847-48年ねん）では typhoon に「太ふと風ふう」「颶風ぐふう」が当あてられている。1922年ねんに気象きしょう学者がくしゃの竺可楨が「颱風たいふう」を typhoon の対訳たいやくとして推奨すいしょうし、中央ちゅうおう研究けんきゅう院いん気象きしょう研究所けんきゅうじょの所長しょちょうとして「颱風たいふう」を独占どくせん的てきに使用しようしたことで、「颱風たいふう」が主流しゅりゅうとなった。

字義じぎについて、曲亭馬琴きょくていばきんは『椿つばき説せつ弓張月ゆみはりづき』の続編ぞくへん（1808年ねん/文化ぶんか5年ねん）で、「颶」の字じを「ハヤテ」と訓くんし、「颱」の字じを「アカシマ」と訓くんした。馬琴ばきんは「颱」の字じについて、徐じょ葆光の『中山なかやま伝つたえ信しん録ろく』巻一けんいち（1721年ねん/康かん熙60年ねん/享とおる保ほ6年ねん）「風かぜ信しん考こう」を出典しゅってんとし、徐じょはそれを程ほど順じゅん則そくの『指南しなん広義こうぎ』（1708年ねん/康かん熙47年ねん）による考こうと自注じちゅうしている。「颱」の字じは『康かん熙字典じてん』にも『正字せいじ通どおり』にも『辞源じげん』にも掲載けいさいされていないが、1684年ねん（康かん熙23年ねん）編纂へんさんの『福建ふっけん通どおり志こころざし』巻まき五十六いそろく「土ど風ふう志こころざし」（台湾たいわん府ふ）の中なかの「四よん時じ風かぜ信しん」に見みえ、これらの諸しょ書しょに載のる「颱」の字源じげんは実質じっしつ、ここに帰着きちゃくするのでないかと新村しんむら (1943)は論考ろんこうしている。

一方いっぽう、英語えいごの typhoon の初出しょしゅつは早はやくても1550年代ねんだいで、中国ちゅうごく語ご広東かんとん方言ほうげんの tai fung 〈大風おおかぜ〉を起源きげんとし、アラビア語ごで〈くるくる回まわる〉という意いの tāfa に由来ゆらいする طوفان ṭūfān 〈洪水こうずいを起おこす暴風ぼうふう〉の意い、およびギリシャ語ごで〈旋風せんぷう〉を意味いみする tuphōn の影響えいきょうを受うけて、現在げんざいの語形ごけい・用法ようほうとなったと考かんがえられる。

「テューポーン#語源ごげん学がく」も参照さんしょう

個々ここの語かたりの由来ゆらいについては、さまざまな説せつが唱となえられているが、現代げんだい英語えいごの typhoon の用法ようほうを派生はせいさせたアラブ人じんやポルトガル人じんが用もちいた種々しゅじゅの語かたりが、中国ちゅうごく語ごに起源きげんを持もつという説せつは、概おおむね一般いっぱんに受うけ入いれられている。

用語ようごの定義ていぎ

ここでは、台風たいふうに関かんする気象きしょう用語ようごについて解説かいせつする。

気象庁きしょうちょう太平洋たいへいよう台風たいふうセンター（英えい: RSMC Tokyo - Typhoon Center）の責任せきにん海域かいいき（赤道あかみち以北いほく、かつ東経とうけい100度どから東経とうけい180度どまでの範囲はんい）内ないにある熱帯ねったい低てい気圧きあつの域内いきないの最大さいだい持続じぞく風速ふうそくが34ノット（およそ17 m/s）に達たっした場合ばあい、その熱帯ねったい低てい気圧きあつを識別しきべつするための国際こくさい的てきに一意いちいの台風たいふう番号ばんごう（4桁けたの数字すうじ）および台風たいふうの呼よび名な（アジア名めい）が即時そくじに同どうセンターより付与ふよされ、台風たいふうと呼よばれるようになる。同どう海域かいいきでは、沿岸えんがん諸国しょこくの気象きしょう機関きかんがそれぞれ独自どくじに台風たいふうの監かん視しと予測よそくを行おこなっており、気象きしょう機関きかんによって台風たいふうの発生はっせいを認定にんていする際さいの基準きじゅんとなる風速ふうそくの推定すいてい値ちに多少たしょうの誤差ごさが生しょうじることがあるが、国際こくさい的てきには日本にっぽんの気象庁きしょうちょうの判断はんだんが公式こうしきのものと定さだめられている。

台風たいふう（発達はったつした熱帯ねったい低てい気圧きあつ）を特徴とくちょうづける諸しょ要素ようそを台風たいふう諸しょ元もとという。台風たいふう委員いいん会かいは、中心ちゅうしん位置いち、中心ちゅうしん位置いちの確度かくど、大おおきさと眼めの形かたち、中心ちゅうしん気圧きあつ、進行しんこう方向ほうこう、移動いどう速度そくど、最大さいだい持続じぞく風速ふうそく、最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそく、強風きょうふう域いき、暴風ぼうふう域いき、特定とくていの沿岸えんがん部ぶの風ふう津波つなみポテンシャル、特定とくていの沿岸えんがん部ぶの高潮こうちょうポテンシャルの合あわせて12の要素ようそを、台風たいふう（熱帯ねったい低てい気圧きあつ）の特徴とくちょう的てきな諸しょ元もととして定さだめている。主要しゅよう諸しょ元もとの定義ていぎは次つぎの通とおり。

1. 中心ちゅうしん位置いち：台風たいふうの雲くもの眼めの中心ちゅうしん、または眼めが識別しきべつ可能かのうでない場合ばあい、風力ふうりょく/気圧きあつ中心ちゅうしん（最もっとも気圧きあつの低ひくいところ）とする。等圧線とうあつせんや衛星えいせい画像がぞうの解析かいせきにより、緯度いどおよび経度けいどを0.1度ど単位たんいで決定けっていする。
2. 中心ちゅうしん位置いちの確度かくど： 台風たいふうの中心ちゅうしん位置いちの確度かくどは、解析かいせきにより台風たいふうの中心ちゅうしんが円えん内ないに位置いちすると推定すいていされる円えんの最小さいしょう半径はんけいの大おおきさで表現ひょうげんされる。「正確せいかく」（good）は概おおむね55 km（30海うみ里さと）以下いか、「ほぼ正確せいかく」（fair）は概おおむね55 km–110 km（30–60海里かいり）、「不ふ確実かくじつ」（poor）は概おおむね110 km（60海里かいり）以上いじょうを表あらわす。
3. 中心ちゅうしん気圧きあつ：台風たいふうの中心ちゅうしんの地上ちじょう気圧きあつ（実測じっそく値ちまたは推定すいてい値ち）。
4. 進行しんこう方向ほうこう：台風たいふうの中心ちゅうしんが移動いどうしている方角ほうがく。
5. 移動いどう速度そくど：台風たいふうの中心ちゅうしんが移動いどうする速度そくど。
6. 最大さいだい持続じぞく風速ふうそく（最大さいだい風速ふうそく）：地上ちじょうでの平均へいきん風速ふうそくの最大さいだい値ち。
7. 最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそく：地上ちじょう風速ふうそくの瞬間しゅんかん的てきなピーク値ち。
8. 強風きょうふう域いき：台風たいふうや発達はったつした低てい気圧きあつの周辺しゅうへんで、平均へいきん風速ふうそくが15m/s以上いじょうの風かぜが吹ふいているか、地形ちけいの影響えいきょうなどがない場合ばあいに、吹ふく可能かのう性せいのある領域りょういき。通常つうじょう、その範囲はんいを円えんで示しめす。
9. 暴風ぼうふう域いき：台風たいふうの周辺しゅうへんで、平均へいきん風速ふうそくが25m/s以上いじょうの風かぜが吹ふいているか、地形ちけいの影響えいきょうなどがない場合ばあいに、吹ふく可能かのう性せいのある領域りょういき。通常つうじょう、その範囲はんいを円えんで示しめす。
10. 大おおきさ：台風たいふうに伴ともなう強風きょうふう域いきの半径はんけいを基準きじゅんにして決きめる。強風きょうふう域いきの半径はんけいが非対称ひたいしょうの場合ばあいは、その平均へいきん値ちをとる。大おおきさの表現ひょうげんは§台風たいふうの階級かいきゅうを参照さんしょう。
11. 強つよさ：台風たいふうの最大さいだい風速ふうそくを基準きじゅんにして決きめる。強つよさの表現ひょうげんは§台風たいふうの階級かいきゅうを参照さんしょう。

台風たいふうの階級かいきゅう

詳細しょうさいは「熱帯ねったい低てい気圧きあつの階級かいきゅう」および「台風たいふうの勢力せいりょく」を参照さんしょう

台風たいふう委員いいん会かいは、加盟かめい国こく・地域ちいき間あいだでの情報じょうほう交換こうかん用ように、北きた太平洋たいへいよう西部せいぶにおける熱帯ねったい低てい気圧きあつを強つよさに応おうじて、次つぎの5つに分類ぶんるいしている。

台風たいふう委員いいん会かいによる熱帯ねったい低てい気圧きあつの国際こくさい分類ぶんるい

階級かいきゅう	定義ていぎ
タイフーン Typhoon (TY)	最大さいだい持続じぞく風速ふうそくが64 kt（33 m/s）以上いじょうのもの
シビア・トロピカル・ストーム Severe Tropical Storm (STS)	最大さいだい持続じぞく風速ふうそくが48–63 kt（25–32 m/s）の範囲はんいのもの
トロピカル・ストーム Tropical Storm (TS)	最大さいだい持続じぞく風速ふうそくが34–47 kt（17–24 m/s）の範囲はんいのもの
トロピカル・デプレッション Tropical Depression (TD)	中心ちゅうしん位置いちは識別しきべつ可能かのうであるものの、最大さいだい持続じぞく風速ふうそくが33 kt以下いかのもの
低圧ていあつ部ぶ Low pressure area (L)	中心ちゅうしん位置いちが正確せいかくに評価ひょうかできないもの

上表じょうひょうと下表かひょうの国際こくさい分類ぶんるいで定義ていぎされるタイフーンと、下表かひょうの国内こくない分類ぶんるいで定義ていぎされる台風たいふうとは、最大さいだい風速ふうそくの基準きじゅん値ちが異ことなるため、台風たいふうとタイフーンは予報よほう用語ようごとしては同義どうぎではなく、混同こんどうしないように注意ちゅういが必要ひつようである。

日本にっぽんの気象庁きしょうちょう（JMA/RSMC Tokyo - Typhoon Center）による熱帯ねったい低てい気圧きあつの階級かいきゅう分わけ
（10分間ふんかん平均へいきんの最大さいだい風速ふうそく）

国内こくない分類ぶんるい（和文わぶん）		最大さいだい風速ふうそく		国際こくさい分類ぶんるい（英文えいぶん）
		m/s	kt
猛烈もうれつな	台風たいふう	≧54	≧105	猛烈もうれつなタイフーン（VTY）
非常ひじょうに強つよい		44–53	85–104	非常ひじょうに強つよいタイフーン（VSTY）
強つよい		33–43	64–84	タイフーン（TY）
（並なみの強つよさの）		25–32	48–63	シビア・トロピカル・ストーム（STS）
（弱よわい）		17–24	34–47	トロピカル・ストーム（TS）
（弱よわい）	熱帯ねったい低てい気圧きあつ	＜17	＜34	トロピカル・デプレッション（TD）
注ちゅう：2000年ねん6月がつ1日にち以降いこう、丸まる括弧かっこで示しめした台風たいふうの強つよさを表あらわす形容詞けいようしは、対外たいがい的てきには使用しようされていない。

気象庁きしょうちょうによる台風たいふうの大おおきさの階級かいきゅう分わけ

階級かいきゅう		強風きょうふう域いきの半径はんけい (km)
（新しん）	（旧きゅう）
超ちょう大型おおがた：（非常ひじょうに大おおきい）		≧800km
大型おおがた：（大おおきい）		500–799km
（不ふ使用しよう）	中型ちゅうがた：（並なみの大おおきさ）	300–499km
	小型こがた：（小ちいさい）	200–299 km
	ごく小ちいさい	＜200 km
注ちゅう：（旧きゅう）は1991年ねん4月がつ1日にちの改正かいせいから2000年ねん6月がつ1日にちの改正かいせいまで。

日本にっぽんの気象庁きしょうちょうが使用しようする、最もっとも階級かいきゅうの低ひくい熱帯ねったい低てい気圧きあつのカテゴリーは、トロピカル・デプレッション（tropical depression）である。この用語ようごは、中心ちゅうしん付近ふきんの最大さいだい風速ふうそくが34ノット（17 m/s）未満みまんの熱帯ねったい低てい気圧きあつに対たいして適用てきようされる。最大さいだい持続じぞく風速ふうそくが34ノット（17 m/s）に達たっすると、トロピカル・ストーム（tropical storm）に階級かいきゅう分わけされる。さらに勢力せいりょくが強つよまり、最大さいだい持続じぞく風速ふうそくが48ノット（25 m/s）に達たっすると、階級かいきゅうが一ひとつ上あがってシビア・トロピカル・ストーム（severe tropical storm）となる。最大さいだい持続じぞく風速ふうそくが64ノット（33 m/s）に達たっすると、気象庁きしょうちょうの熱帯ねったい低てい気圧きあつの階級かいきゅうで最もっとも高たかいカテゴリーのタイフーン（typhoon）に分類ぶんるいされる。以上いじょうが、気象庁きしょうちょうが台風たいふう情報じょうほうを英文えいぶんで報ほうじる場合ばあいの用語ようご法ほうである。

和文わぶんで報ほうじる場合ばあいは、トロピカル・デプレッション級きゅうを熱帯ねったい低てい気圧きあつ、トロピカル・ストーム級きゅう以上いじょうをまとめて台風たいふうと呼称こしょうし、最大さいだい風速ふうそくの強つよさや強風きょうふう域いきの大おおきさに基もとづき、台風たいふうの細分さいぶん類るいを行おこなっている。大おおきさによる分類ぶんるいは日本にっぽんの気象庁きしょうちょう独自どくじのもので、風速ふうそく15 m/s以上いじょうの強風きょうふう域いきの大おおきさによって、下表かひょうのように台風たいふうを分類ぶんるいしている。1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）から1991年ねん（平成へいせい3年ねん）3月がつまでは、強つよさを中心ちゅうしん気圧きあつで、大おおきさを1,000 mbar（hPaに相当そうとう）の等圧線とうあつせんの半径はんけいで、それぞれ分類ぶんるいしていたが、静止せいし気象きしょう衛星えいせい画像がぞうに基もとづく台風たいふう解析かいせき技術ぎじゅつの向上こうじょうにより、信頼しんらい性せいの高たかい風速ふうそくの推定すいてい値ちおよび分布ぶんぷが得えられるようになったことに加くわえて、気圧きあつよりも風速ふうそくのほうが災害さいがいに直接ちょくせつ関係かんけいするため、強つよさは風速ふうそくで、大おおきさは強風きょうふう域いきの半径はんけいで判断はんだんするよう基準きじゅんが変更へんこうされた。

これらを組くみ合あわせて、かつては「中型ちゅうがたで並なみの強つよさの台風たいふう」というようない方いかたをしていた。しかし、組くみ合あわせによっては「ごく小ちいさく弱よわい台風たいふう」などと表現ひょうげんされる場合ばあいもあり、災害さいがい発生はっせいのリスクを過小かしょう評価ひょうかされるおそれがあった。これらの大小だいしょうおよび強弱きょうじゃくの表現ひょうげんは風ふうの強つよさを基準きじゅんにしており、雨あめの強つよさは考慮こうりょに入いれられていないためである。実際じっさいに1999年ねん（平成へいせい11年ねん）8月がつ、「弱よわい熱帯ねったい低てい気圧きあつ」と表現ひょうげんされる熱帯ねったい低てい気圧きあつが関東かんとう地方ちほうを含ふくむ広ひろい範囲はんいに大雨おおあめをもたらし、神奈川かながわ県けんで13名めいのキャンプ客きゃくが増水ぞうすいした川かわに流ながされて死亡しぼうする玄倉川くろくらがわ水難すいなん事故じこが発生はっせいした。この事故じこを契機けいきとして、気象庁きしょうちょうは2000年ねん（平成へいせい12年ねん）6月がつ以降いこう、防災ぼうさい上じょうの観点かんてんから「弱よわい」や「小型こがたの」といった表現ひょうげんは予報よほう用語ようごとしては使用しようしないことにした。

なお、台風たいふうの階級かいきゅうとして最もっとも高たかいカテゴリーに位置いちづけられる super typhoon の日本語にほんご訳やくとして広ひろまったスーパー台風たいふうという用語ようごは、日本にっぽんにおいては未いまだ明確めいかくな定義ていぎはない。一方いっぽう、米国べいこくの合同ごうどう台風たいふう警報けいほうセンター (JTWC) では、風速ふうそく130ノット（67 m/s）以上いじょうの台風たいふうをスーパータイフーン級きゅうとして階級かいきゅう分わけしている。これは、サファ・シンプソン・スケールのカテゴリー4の上限じょうげん付近ふきんからカテゴリー5に相当そうとうする。ただし、JTWCを含ふくむ米国べいこくの気象きしょう機関きかんは、風速ふうそくの測定そくてい基準きじゅんとして1分間ふんかん平均へいきんの推定すいてい値ちを採用さいようしている。そのため、JTWCの風速ふうそく推定すいてい値ちは、国際こくさい標準ひょうじゅんである10分間ふんかん平均へいきんの値ねを採用さいようしている日本にっぽんの気象庁きしょうちょうの推定すいてい値ちよりも高たかい数値すうちが出でやすい。一般いっぱん的てきに、10分間ふんかん平均へいきんの風速ふうそく値ちは1分間ふんかん平均へいきんの0.88倍ばい相当そうとうといわれている。他方たほうで、中国ちゅうごく、香港ほんこん、マカオおよびフィリピンの気象きしょう当局とうきょくは、風速ふうそく100ノット（51 m/s）以上いじょうの台風たいふうをスーパータイフーン級きゅうと定義ていぎしている（ただし、中国ちゅうごく気象きしょう局きょくは2分間ふんかん平均へいきんの風速ふうそく値ちを採用さいようしている）。韓国かんこく気象庁きしょうちょうは風速ふうそく105ノット（54 m/s）以上いじょうの台風たいふうをスーパータイフーン級きゅうとしており、これは日本にっぽんの気象庁きしょうちょうの「猛烈もうれつな台風たいふう」と同等どうとうの階級かいきゅうである。近年きんねんの台風たいふうの中なかでは、2013年ねん11月の台風たいふう30号ごう（ハイエン）や、2016年ねん9月がつの台風たいふう14号ごう（ムーランティ）がスーパータイフーン級きゅうだったほか、1979年ねん10月がつの台風たいふう20号ごう（チップ）もスーパータイフーン級きゅうの台風たいふうとみなされている。

スーパー台風たいふうは、単たんに最大さいだい強度きょうどの階級かいきゅうであるだけでなく、その多おおくが急きゅう発達はったつを経へることや、明瞭めいりょうな眼め、発達はったつした眼めの壁かべ雲くもを有ゆうすることなど、特別とくべつな性質せいしつや構造こうぞうをもつことが知しられており、上陸じょうりくすれば大だい災害さいがいとなるおそれがある。しかし、1987年ねんに米べい軍ぐんの航空機こうくうきによる台風たいふうの観測かんそくが運用うんようを終了しゅうりょうし、主しゅとして過去かこの観測かんそくデータと衛星えいせい画像がぞうの雲くもパターンの解析かいせきから風速ふうそくを推定すいていするドボラック法ほうによる推定すいてい値ちに頼たよるようになって以降いこう、スーパー台風たいふうの風速ふうそくの推定すいてい値ちに大おおきな誤差ごさが含ふくまれることが原因げんいんで、その発生はっせい数すうや強度きょうどを正確せいかくに知しることは困難こんなんな現状げんじょうにある。

合同ごうどう台風たいふう警報けいほうセンター (JTWC) による熱帯ねったい低てい気圧きあつの階級かいきゅう表ひょう
（1分間ふんかん平均へいきんの最大さいだい風速ふうそく）

階級かいきゅう	最大さいだい持続じぞく風速ふうそく		SSHWS （参考さんこう）
	kt	m/s
スーパー・タイフーン	≧137	≧70	カテゴリー5
	130–136	67–70	カテゴリー4
タイフーン	113–129	58–66
	96–112	50–58	カテゴリー3
	83–95	43–49	カテゴリー2
	64–82	33–42	カテゴリー1
トロピカル・ストーム	34–63	17–32	N/A
トロピカル・デプレッション	＜34	＜17

中国ちゅうごく・台湾たいわんの気象きしょう機関きかんによる熱帯ねったい低てい気圧きあつの階級かいきゅう表ひょう
（CMAのみ2分間ふんかん平均へいきん、他たは10分間ふんかん平均へいきんの最大さいだい風速ふうそく）

最大さいだい持続じぞく風速ふうそく			中国ちゅうごく (CMA)	香港ほんこん・マカオ (HKO・SMG)	台湾たいわん (CWA)
kt	m/s	km/h
≧100	≧51.0	≧185	超ちょう強つよし台風たいふう (Super TY)	超ちょう強つよし台風たいふう (Super T)	強烈きょうれつ台風たいふう
81–99	41.5–50.9	150–184	強つよ台風たいふう (STY)	強つよ台風たいふう (ST)	中ちゅう度ど台風たいふう
64–80	32.7–41.4	118–149	台風たいふう (TY)	台風たいふう (TY)
48–63	24.5–32.6	88–117	強つよ熱帯ねったい風ふう暴 (STS)	強烈きょうれつ熱帯ねったい風ふう暴 (STS)	軽度けいど台風たいふう
34–47	17.2–24.4	63–87	熱帯ねったい風ふう暴 (TS)	熱帯ねったい風ふう暴 (TS)
≦33	≦17.1	≦62	熱帯ねったい低圧ていあつ (TD)	熱帯ねったい低てい気圧きあつ (TD)	熱帯ねったい低てい気圧きあつ

韓国かんこく気象庁きしょうちょう (KMA) による台風たいふうの階級かいきゅう表ひょう
（10分間ふんかん平均へいきんの最大さいだい風速ふうそく）

国内こくない分類ぶんるい		最大さいだい持続じぞく風速ふうそく			国際こくさい分類ぶんるい（参考さんこう）
		kt	m/s	km/h
超ちょう強力きょうりょくな	台風たいふう	≧105	≧54	≧194	タイフーン (TY)
非常ひじょうに強つよい		85–104	44–53	158–193
強つよい		64–84	33–43	119–157
中なかくらいの		48–63	25–32	90–118	シビア・トロピカル・ストーム (STS)
―		34–47	17–24	61–89	トロピカル・ストーム (TS)

フィリピン気象きしょう当局とうきょく (PAGASA) による熱帯ねったい低てい気圧きあつの階級かいきゅう表ひょう
（10分間ふんかん平均へいきんの最大さいだい風速ふうそく）

階級かいきゅう	最大さいだい持続じぞく風速ふうそく
	kt	m/s	km/h
スーパー・タイフーン (STY)	≧100	≧51	≧185
タイフーン (TY)	64–99	33–50	118–184
シビア・トロピカル・ストーム (STS)	48–63	24–32	87–117
トロピカル・ストーム (TS)	34–47	17–24	62–86
トロピカル・デプレッション (TD)	＜34	＜17	＜62

台風たいふうの構造こうぞう

熱帯ねったい低てい気圧きあつの一種いっしゅである台風たいふうは、温帯おんたい低てい気圧きあつとは異ことなる特徴とくちょう的てきな構造こうぞうや性質せいしつを持もつ。

詳細しょうさいは「熱帯ねったい低てい気圧きあつ#特徴とくちょう」を参照さんしょう

台風たいふうの発生はっせいから消滅しょうめつまで

1980年ねんから2005年ねんまでの北西ほくせい太平洋たいへいよう上じょうでの熱帯ねったい低てい気圧きあつの経路けいろ。

ほとんどの台風たいふうは北半球きたはんきゅうにおける夏なつから秋あきにかけて発生はっせいする。最盛さいせい期きのコースを例れいにとると、発生はっせい当初とうしょは貿易ぼうえき風ふうの影響えいきょうで西にし寄よりに北上ほくじょうしつつ、太平洋たいへいよう高気圧こうきあつの縁えんに沿そって移動いどうし、転向てんこうした後のちは偏西風へんせいふうの影響えいきょうで東ひがし寄よりに北上ほくじょうし、ジェット気流きりゅうの強つよい地域ちいきに入はいると速度そくどを速はやめて東進とうしんし、海水温かいすいおんや気温きおんの低下ていかに起因きいんする中心ちゅうしん部ぶ上昇じょうしょう気流きりゅう勢力せいりょくの低下ていか、海上かいじょうに比くらべ起伏きふくが激はげしくまた昼夜ちゅうやの温度おんど差さが大おおきい陸りくへの上陸じょうりくによって勢力せいりょくを弱よわめていく。ただこのような教科書きょうかしょ的てきなコースを辿たどるものはそれほど多おおくなく、太平洋たいへいよう高気圧こうきあつの影響えいきょうにより西進せいしんし続つづけたり、停滞ていたいしたりと、複雑ふくざつな経路けいろをとるものもしばしば現あらわれる。日本にっぽん列島れっとうやフィリピン諸島しょとう、台湾たいわん、中国ちゅうごく華南かなん・華中かちゅう沿海えんかい部ぶ、朝鮮半島ちょうせんはんとうなどに大おおきな被害ひがいを与あたえる。コースによってはベトナムやマレーシア、マリアナ諸島しょとう、ミクロネシアなどを通とおることもある。稀まれではあるが冬季とうきにも、海水温かいすいおんの高たかい低てい緯度いどで発生はっせいする。コースの北限ほくげんはジェット気流きりゅうであり、その流りゅう路ろ変化へんかに伴ともなって暖あたたかくなるにつれコースは北きたに移うつり、夏なつを過すぎると南みなみに下さがってくる。

「熱帯ねったい低てい気圧きあつ#発生はっせいから消滅しょうめつまで」も参照さんしょう

台風たいふうの一生いっしょう

台風たいふうの発生はっせい

台風たいふうやハリケーン・サイクロンなどの熱帯ねったい低てい気圧きあつを発生はっせいする機構きこうについては様々さまざまな説せつが唱となえられてきた。熱帯ねったいの強つよい日射にっしゃにより海面かいめんに生しょうじた上昇じょうしょう気流きりゅうによるという説せつ、熱帯ねったい収束しゅうそく帯たい（赤道あかみち前線ぜんせん）上じょうに発生はっせいするという説せつなどが出だされたが、どれも不完全ふかんぜんであった。

現在げんざいでは、「偏へん東風こち波動はどう説せつ」が多おおくの支持しじを集あつめている。南北なんぼく両りょう半球はんきゅうの北緯ほくい（南緯なんい）30度ど付近ふきんには、赤道あかみちで上昇じょうしょうして北上ほくじょう（南下なんか）した空気くうき塊かたまり（潜熱せんねつを含ふくむ空気くうき）がハドレー循環じゅんかんにより上空じょうくうに滞留たいりゅうしてのち下降かこうし、「亜熱帯あねったい高だか圧あつ帯たい」が形成けいせいされる。北きた太平洋たいへいよう高気圧こうきあつもその例れいであるが、これらの高気圧こうきあつから赤道あかみち方向ほうこうに向むけて吹ふき出だした風ふうはコリオリの力ちからを受うけて恒常こうじょう的てきな東風こちになる。これが偏へん東風こちで、この風ふうの流ながれの中なかにうねり（波動はどう）ができると反はん時計とけい周まわりの渦うず度どが生しょうじ、水蒸気すいじょうきが凝結ぎょうけつする際さいに発生はっせいする潜熱せんねつがエネルギー源げんとなり熱帯ねったい低てい気圧きあつとなるという考かんがえである。なぜ波動はどうが出来できるのかはまだはっきりしないが、実際じっさいの状況じょうきょうには最もっともよく合致がっちした説せつである。

ただし、そうして発生はっせいした波動はどうの多おおくは発達はったつせずにつぶれてしまう。1万まんメートル以上いじょうの上層じょうそうに高気圧こうきあつを伴ともなう場合ばあいには高気圧こうきあつの循環じゅんかんによる上昇じょうしょう気流きりゅうの強化きょうかにより台風たいふうに発達はったつすると思おもわれる。

一般いっぱんに台風たいふうが発生はっせいする場合ばあいは海面かいめんの水温すいおんが26 - 27 ℃以上いじょうであり、高温こうおんの海面かいめんから蒸発じょうはつする水蒸気すいじょうきが原動力げんどうりょくになっている。また台風たいふうの発生はっせいのうえでコリオリの力ちからは必要ひつようであり、コリオリの力ちからが小ちいさい赤道せきどう付近ふきん（緯度いど5度どくらいまで）では顕著けんちょな熱帯ねったい低てい気圧きあつが発生はっせいしない。

台風たいふうの発達はったつ

台風たいふうの内部ないぶ構造こうぞうを示しめした図ず

Eye：目め、Eyewall：目めの壁かべ、Rain Bands:降雨こうう帯たい

台風たいふうの発達はったつ過程かていはかなり詳くわしくわかっている。台風たいふうの原動力げんどうりょくは凝結ぎょうけつに伴ともなって発生はっせいする熱ねつである。温暖おんだんな空気くうきと寒冷かんれいな空気くうきの接触せっしょく等とうによる有効ゆうこう位置いちエネルギーが変換へんかんされた運動うんどうエネルギーが発達はったつのエネルギー源げんになっている温帯おんたい低てい気圧きあつとの大おおきな違ちがいはここにある。

上昇じょうしょう気流きりゅうに伴ともなって空気くうき中ちゅうの水蒸気すいじょうきは凝結ぎょうけつし、熱ねつ（潜熱せんねつ）を放出ほうしゅつする。軽かるくなった空気くうきは上昇じょうしょうする。すると地上ちじょう付近ふきんでは周囲しゅういから湿しめった空気くうきが中心ちゅうしんに向むかい上昇じょうしょうし、さらに熱ねつを放出ほうしゅつしエネルギーを与あたえる。このような条件じょうけんを満みたすときに台風たいふうは発達はったつする。このような対流たいりゅう雲くもの発達はったつの仕方しかたをシスク（CISK、第だい2種しゅ条件じょうけん付づけ不安定ふあんてい）という。

なお、台風たいふうが北半球きたはんきゅうで反はん時計とけい周まわりの渦うずを巻まくのは、風ふうが中心ちゅうしんに向むかって進すすむ際さいにコリオリの力ちからを受うけるためである。

2個この台風たいふうが1,000 km以内いないにある場合ばあい、互たがいに干渉かんしょうし合あって複雑ふくざつな経路けいろをたどることがある。これを提唱ていしょう者しゃである第だい五ご代だい中央ちゅうおう気象台きしょうだい長ちょうの藤原ふじわら咲さき平たいらの名前なまえをとって藤原ふじわらの効果こうかと呼よぶ。その動うごきは、相寄あいより型がた、指向しこう型がた、追従ついしょう型がた、時間じかん待まち型がた、同行どうこう型がた、離反りはん型がたの6つに分類ぶんるいされている。

一般いっぱんに、台風たいふうは日本にっぽんの南海なんかい上じょうで発達はったつし日本にっぽん列島れっとうに接近せっきん・上陸じょうりくすると衰おとろえる傾向けいこうがある。これは、南海なんかい上じょうでは海水温かいすいおんが高たかく、上述じょうじゅつした台風たいふうの発達はったつに必要ひつような要素ようそが整ととのっているためで、日本にっぽん列島れっとうに近ちかづくと海水温かいすいおんが26 ℃未満みまん（真夏まなつ～初秋しょしゅうは日本にっぽん列島れっとう付近ふきんでも26 ℃以上いじょうの場合ばあいがあり、台風たいふうが衰おとろえない場合ばあいもある）になることにより台風たいふうの発達はったつは収束しゅうそく傾向けいこうになる。初夏しょかおよび晩夏ばんか～秋あきに日本にっぽん列島れっとうへ近ちかづく台風たいふうの多おおくは高緯度こういどから寒気さむけを巻まき込こんで、徐々じょじょに温帯おんたい低てい気圧きあつの構造こうぞうへと変化へんかし、前線ぜんせんが形成けいせいされるようになる。温帯おんたい低てい気圧きあつ化かが進すすんだ台風たいふうは南北なんぼくの温度おんど差さにより運動うんどうエネルギーを得えるため、海水温かいすいおんが25℃以下いかの海域かいいきを進すすんだり上陸じょうりくしてもほとんど衰おとろえない場合ばあいがある。さらに高緯度こういどへ進すすみ、前線ぜんせんが中心ちゅうしん部ぶにまで達たっすると温帯おんたい低てい気圧きあつ化かが完了かんりょうとなる。もしくは、台風たいふう内ないの暖気だんき核かくが消滅しょうめつすることで温帯おんたい低てい気圧きあつ化かすることもあるが、この場合ばあいは必かならずしも低てい気圧きあつの中心ちゅうしんまで前線ぜんせんが描えがかれない場合ばあいがある。

日本にっぽん列島れっとうに上陸じょうりくせず対馬海峡つしまかいきょうを通過つうかして日本海にほんかい南部なんぶに入はいった場合ばあい、または台風たいふうが日本にっぽん列島れっとうにいったん上陸じょうりくし、勢力せいりょくが衰おとろえた後のちに日本海にほんかい南部なんぶへ出でた場合ばあいは、暖流だんりゅうである対馬つしま海流かいりゅう（海水温かいすいおんが26 ℃以上いじょうの場合ばあいのみ）の暖気だんきが台風たいふうへエネルギーを供給きょうきゅうすることで再さい発達はったつし、普段ふだんは台風たいふうによる被害ひがいを受うけにくい北海道ほっかいどう、東北とうほく地方ちほうに甚大じんだいな被害ひがいを与あたえる場合ばあいもある。1954年ねんの洞爺とうや丸まる台風たいふう（昭和しょうわ29年ねん台風たいふう第だい15号ごう）や、1991年ねんの平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい19号ごう（りんご台風たいふう）、2004年ねんの平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい18号ごうなどがその例れいである。

台風たいふうの消滅しょうめつ

台風たいふうが海面かいめん水温すいおんの低ひくい海域かいいきに達たっして水蒸気すいじょうきの供給きょうきゅうが減少げんしょうしたり、移動いどうする際さいの地表ちひょうとの摩擦まさつによって台風たいふう本来ほんらいのエネルギーを失うしなうと熱帯ねったい低てい気圧きあつや温帯おんたい低てい気圧きあつに変化へんかする。特とくに台風たいふうが北上ほくじょうして北方ほっぽうの冷つめたい空気くうきを巻まき込こみ始はじめると温帯おんたい低てい気圧きあつに構造こうぞうが変化へんかする。

ただし、台風たいふうから温帯おんたい低てい気圧きあつへの変化へんかは低てい気圧きあつの構造こうぞうの変化へんかであり、必かならずしも雨量うりょうや風速ふうそくが弱よわくなるわけではない。2004年ねんの台風たいふう18号ごうでは温帯おんたい低てい気圧きあつに変化へんかした後のちも中心ちゅうしん気圧きあつ968hpa、最大さいだい風速ふうそく30m/sの勢力せいりょくをもち、この低てい気圧きあつで北海道ほっかいどう札幌さっぽろ市しでは最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそく50.2m/sを観測かんそくした。

各国かっこくへの影響えいきょう

日本にっぽん

台風たいふうが日本にっぽん本土ほんどを襲おそう経路けいろは様々さまざまであり、類型るいけい化かは難むずかしいが、典型てんけい的てきな台風たいふうとして、北緯ほくい15度ど付近ふきんのマリアナ諸島しょとう近海きんかいで発生はっせいして西にし寄よりに時速じそく20キロメートル程度ていどで進すすみ、次第しだいに北きた寄よりに進路しんろを変かえて北緯ほくい25度ど付近ふきん、沖縄諸島おきなわしょとうの東方とうほうで転向てんこうし、北東ほくとうに向むけて加速かそくしながら日本にっぽん本土ほんどに達たっするというパターンが考かんがえられる。台風たいふうの経路けいろとして書籍しょせきにもしばしば掲載けいさいされる型かたであるが、実際じっさいにはこのような典型てんけい的てきな経路けいろを取とるものは少すくなく、まれには南シナ海みなみしなかいで発生はっせいしてそのまま北きた東進とうしんするもの、日本にっぽんの南東なんとう海上かいじょうから北きた西進せいしんするもの、あるいは狩野川かのがわ台風たいふう（1958年ねん〈昭和しょうわ33年ねん〉台風たいふう第だい22号ごう）のように明確めいかくな転向てんこう点てんがなく北上ほくじょうするものなどもある。さらに、盛夏せいか期きで台風たいふうを流ながす上層じょうそうの気流きりゅうが弱よわく方向ほうこうも定さだまらないような時期じきには、複雑ふくざつな動うごきをする台風たいふうも見みられる。

日本にっぽんの気象庁きしょうちょうの定義ていぎによれば、台風たいふうの上陸じょうりくとは、台風たいふうの中心ちゅうしんが北海道ほっかいどう、本州ほんしゅう、四国しこく、九州きゅうしゅうの海岸かいがんに達たっすることをいう。したがって、台風たいふうの中心ちゅうしんが上記じょうき4島とう以外いがいの島しまの海岸かいがんに至いたっても上陸じょうりくとは言いわないため、沖縄おきなわ県けんに台風たいふうが上陸じょうりくすることはない。台風たいふうの中心ちゅうしんが、小ちいさい島しまや半島はんとうを横切よこぎって、短時間たんじかんで再ふたたび海上かいじょうに出でることは、台風たいふうの通過つうかと呼よばれる。また、ある場所ばしょへの台風たいふうの接近せっきんとは、台風たいふうの中心ちゅうしんがその場所ばしょから半径はんけい300km以内いないに達たっすることである。

日本にっぽんには、平均へいきんして、毎年まいとし11個いっこ前後ぜんこうの台風たいふうが接近せっきんし、そのうち3個こくらいが日本にっぽん本土ほんどに上陸じょうりくする。2004年ねんには10個この台風たいふうが上陸じょうりくし、上陸じょうりく数すうの記録きろくを更新こうしんした（2004年ねんの台風たいふう集中しゅうちゅう上陸じょうりく参照さんしょう）。その一方いっぽうで1984年ねん、1986年ねん、2000年ねん、2008年ねん、2020年ねんのように台風たいふうが全まったく上陸じょうりくしなかった年としもある。

台風たいふうが日本にっぽん本土ほんどに上陸じょうりくするのは多おおくが7月がつから9月がつであり、年間ねんかん平均へいきん上陸じょうりく数すうは8月がつが最もっとも多おおく、9月がこれに次つぐ。8月は、太平洋たいへいよう高気圧こうきあつが日本にっぽん付近ふきんを覆おおい、台風たいふうが接近せっきんしにくい状況じょうきょうではあるが、台風たいふう発生はっせい数すうも最もっとも多おおく、また高気圧こうきあつの勢力せいりょくには強弱きょうじゃくの周期しゅうきがあるため、弱よわまって退しりぞいた時ときに台風たいふうが日本にっぽんに接近せっきん・上陸じょうりくすることが多おおい。無論むろん、西にしに進すすんでフィリピン・台湾たいわん・中国ちゅうごくに上陸じょうりくしたり朝鮮半島ちょうせんはんとう方面ほうめんに進すすんだりするものも少すくなくない。6月がつや10月がつにも数すう年ねんに1度ど程度ていど上陸じょうりくすることがある。最もっとも早はやい例れいでは1956年ねん4月がつ25日にちに台風たいふう3号ごうが鹿児島かごしま県けんに上陸じょうりくしたことがあり、最もっとも遅おそいものとしては、1990年ねん11月30日にちに台風たいふう28号ごうが紀伊きい半島はんとうに上陸じょうりくした例れいがある。

フィリピン

フィリピンでは毎年まいとし6月がつから12月がつにかけてに台風たいふうが襲来しゅうらいするリスクが高たかくなる。フィリピンでは年とし平均へいきんで約やく20個この台風たいふうが領域りょういき内ないで発生はっせいするか領海りょうかい内うちに進すすんできており、うち6～9個この台風たいふうが上陸じょうりくしている。フィリピンでは2004年ねんから2014年ねんにかけての11年間ねんかんに88の台風たいふうの影響えいきょうを受うけ、合計ごうけい死者ししゃ数すう18,015人にん、合計ごうけい負傷ふしょう者しゃ43,840人にん、合計ごうけい経済けいざい損害そんがい額がく13,700百ひゃく万まんUSドルの被害ひがいが発生はっせいした。

台風たいふうの観測かんそくと進路しんろ予測よそく

台風たいふうの中心ちゅうしん位置いちや中心ちゅうしん気圧きあつ、最大さいだい風速ふうそく、大おおきさなどの値ねは、過去かこの観測かんそくデータの蓄積ちくせきにより確立かくりつされたドボラック法ほうに基もとづいて気象きしょう衛星えいせい画像がぞうから推定すいていし、地上ちじょうおよび船舶せんぱくで風速ふうそくが観測かんそくできた場合ばあいに都度つど、数値すうちデータを修正しゅうせいしていく方法ほうほうを採とっているため、「中心ちゅうしん付近ふきんの最大さいだい風速ふうそく」は必かならずしも実測じっそく値ちではない。たとえば、洋上ようじょうにある台風たいふう中心ちゅうしんの風速ふうそくを実測じっそくするには航空機こうくうきが必要ひつようとなり、実際じっさいに1987年ねん（昭和しょうわ62年ねん）までは米べい軍ぐんが航空機こうくうき観測かんそくを実施じっししていた時期じきもあるが、観測かんそく員いんや設備せつび・運用うんよう等とうの負担ふたんが大おおきく、現在げんざい日本にっぽんでは航空機こうくうきによる観測かんそくは恒常こうじょう的てきな手段しゅだんとしては行おこなわれていない（学術がくじゅつ研究けんきゅう目的もくてきでの観測かんそく例れいはある）。

台風たいふうの観測かんそく

NOAAの観測かんそく機きから撮影さつえいされたハリケーン・カトリーナの中心ちゅうしん部ぶ

アメリカでは、1943年ねんにテキサス州しゅうヒューストンを襲おそったサプライズ・ハリケーンの際さいに敢行かんこうされた直接ちょくせつ観測かんそくをきっかけとして、アメリカ軍ぐんが航空機こうくうきにより台風たいふうを直接ちょくせつ観測かんそくするため、ハリケーン・ハンターと呼よばれる専門せんもん部隊ぶたいを編成へんせいした。当初とうしょはアメリカ空軍くうぐんとアメリカ海軍かいぐんが個別こべつに観測かんそくしていたが、1993年ねんからはアメリカ海洋かいよう大気たいき庁ちょう (NOAA) のNOAA ハリケーン・ハンターズに移管いかんされ、NOAA士官しかん部隊ぶたいが運用うんようする観測かんそく機きで直接ちょくせつ観測かんそくを継続けいぞくしている。

日本にっぽんの気象庁きしょうちょうは緯度いどでは赤道せきどうから北緯ほくい60度ど、経度けいどでは東経とうけい100度どから180度どまでの範囲はんいにある台風たいふうの位置いち決定けっていと予報よほうを担当たんとうする。

現在げんざい、台風たいふうの観測かんそくでは気象きしょう衛星えいせいひまわりが重要じゅうような役割やくわりを果はたしており、雲くも画像がぞうの連続れんぞく的てきな解析かいせきにより台風たいふうの中心ちゅうしんや風速ふうそくなどの観測かんそくがなされる。日本にっぽん付近ふきんに接近せっきんあるいは上陸じょうりくした台風たいふうについては気象きしょうレーダーやアメダスも利用りようされる。

2017年ねんからは名古屋大学なごやだいがくや琉球大学りゅうきゅうだいがくなどの研究けんきゅうグループが航空機こうくうきからドロップゾンデを投下とうか、観測かんそくドローンなどで直接ちょくせつ観測かんそくを実施じっししている。同どう研究けんきゅうグループは2017年ねん10月がつ21日にち、日本人にっぽんじん研究けんきゅう者しゃとして初はじめて台風たいふうの中心ちゅうしん付近ふきんを飛行機ひこうきで直接ちょくせつ観測かんそくすることに成功せいこうした。得えられたデータを衛星えいせいやレーダーからのデータと合あわせることで予報よほう精度せいどの向上こうじょうを目指めざしている。

台風たいふうの進路しんろ予報よほう表示ひょうじ

台風たいふうの進路しんろ予報よほう表示ひょうじでは、平均へいきん風速ふうそくが15m/s以上いじょうの強風きょうふう域いきを黄色きいろの円えん、同おなじく25m/s以上いじょうの暴風ぼうふう域いきを赤色あかいろの円えんで表あらわす。12、24、48、72、96および120時じ間あいだ後ごの到達とうたつ予想よそう範囲はんいは点線てんせんの予報よほう円えんで記しるす。台風たいふうの進路しんろが予報よほう円えんの中なかに入はいる確かく率りつはおおよそ70%である。また、台風たいふうの中心ちゅうしんが予報よほう円えんの中なかを通とおった場合ばあい、暴風ぼうふう域いきに入はいる恐おそれがある範囲はんいを赤あかい線せんで囲かこむ。これを暴風ぼうふう警戒けいかい域いきという。

台風たいふうの進路しんろ予報よほう表示ひょうじは1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）6月がつから1982年ねん（昭和しょうわ57年ねん）5月がつまで扇形せんけい方式ほうしき、1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）5月がつまで予報よほう円えん方式ほうしきが用もちいられ、1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）6月がつ以降いこうは現行げんこうの予報よほう円えん・暴風ぼうふう警戒けいかい域いき方式ほうしきが用もちいられている。また、予報よほう期間きかんは2002年ねん（平成へいせい14年ねん）6月がつから2009年ねん（平成へいせい21年ねん）3月がつは72時じ間あいだ先さきまで、2009年ねん（平成へいせい21年ねん）4月がつから120時じ間あいだ先さきまで発表はっぴょうされるようになっている。さらに、2020年ねん（令れい和わ2年ねん）9月がつ9日にちからは、24時間じかん以内いないに台風たいふうに発達はったつする見込みこみの熱帯ねったい低てい気圧きあつについても120時じ間あいだ先さきまでの予報よほうが出だされている。

台風たいふうの影響えいきょう

台風たいふうによる被害ひがい

伊勢湾いせわん台風たいふうによる愛知あいち県けん半田はんだ市しにおける被害ひがいの様子ようす

2013年ねんの台風たいふう30号ごう通過つうか後ごのタクロバン市街しがい（フィリピン）

台風たいふうが上陸じょうりくあるいは接近せっきんすると、暴風ぼうふう（強風きょうふう）による人工じんこう物ぶつや樹木じゅもくの倒壊とうかい、高潮こうちょう・高波たかなみや大雨おおあめによる水害すいがい（洪水こうずいや浸水しんすいのほか、土砂崩どしゃくずれ・地じすべりなどの被害ひがいが発生はっせいする。

雨あめ

• 渦うず性せい降雨こうう - 台風たいふうの中心ちゅうしん付近ふきんでは激はげしい雨あめとなる。
• 地形ちけい性せい降雨こうう - 台風たいふうにより山地さんちに向むかって気流きりゅうを生しょうじるような地形ちけいでは大雨おおあめとなりやすい。
• 前線ぜんせんの発達はったつ - 台風たいふうの接近せっきんにより時期じきによっては秋雨あきさめ前線ぜんせんや梅雨つゆ前線ぜんせんを刺激しげきして大雨おおあめをもたらし、これによる被害ひがいが発生はっせいすることも多おおい（例れい：平成へいせい24年ねん台風たいふう第だい4号ごう）。なお、台風たいふうの中心ちゅうしん付近ふきんは暖あたたかい空気くうきで覆おおわれた構造こうぞうであり、台風たいふうそのものが前線ぜんせんを伴ともなうことはない。しかし、冷つめたい空気くうきの影響えいきょうで台風たいふうの中心ちゅうしんに前線ぜんせんが達たっした場合ばあい、台風たいふうは温帯おんたい低てい気圧きあつに変化へんかする。

風ふう

台風たいふうにより暴風ぼうふう・強風きょうふうを生しょうじる。海岸かいがん近ちかくでは吹ふき付つけられた海水かいすいによる塩害えんがいを生しょうじることがあり、送電そうでん線せんの碍子がいし（がいし）で放電ほうでん現象げんしょうを伴ともなうこともある。

波なみ

台風たいふうにより高波たかなみやうねりを生しょうじる。波なみの高たかさが10mを超こえることもある。強風きょうふうによる吹ふき寄よせと気圧きあつ低下ていかによって高潮こうちょうを生しょうじることがある。珊瑚礁さんごしょうのある海岸かいがんなど地形ちけいによっては波なみ群ぐん津波つなみが発生はっせいすることもある。

雷かみなり

雲くもが発達はったつする割わりには台風たいふう本体ほんたい接近せっきん時じには雷かみなりを伴ともなうことは少すくない。しかし台風たいふうによる間接かんせつ的てきな雷雨らいうが発生はっせいすることがある。台風たいふう本体ほんたいにおいては、進行しんこう方向ほうこうの左側ひだりがわで比較的ひかくてき発生はっせいしやすい。

その他た

• 竜巻たつまき - 関連かんれん性せいは解明かいめいされていないが、台風たいふうの接近せっきんによる竜巻たつまきも発生はっせいすることがある。
• 雪ゆき - 熱帯ねったい低てい気圧きあつであるため台風たいふうである時期じきには雪ゆきは降ふらないが、温帯おんたい低てい気圧きあつに変化へんかした後のちに高緯度こういど地区ちくで降雪こうせつとなることや、冬型ふゆがた気圧きあつ配置はいちとなることによる降雪こうせつとなることがある。稀まれに1932年ねん晩秋ばんしゅうに上陸じょうりくした七なな五ご三さん台風たいふうや1990年ねんの晩秋ばんしゅうに上陸じょうりくした台風たいふう28号ごうのように、台風たいふう接近せっきん時じに山間さんかん部ぶの集落しゅうらくで大雪おおゆきが降ふったケースもある。

台風たいふうが日本海にほんかい側がわを通とおった時とき、接近せっきん時じの日本海にほんかい側がわや、台風たいふうが太平洋たいへいよう側がわを通とおった時ときの離はなれていく時ときの太平洋たいへいよう側がわで、台風たいふうによるフェーン現象げんしょうが発生はっせいしやすく（特とくに前者ぜんしゃ）乾燥かんそうした熱風ねっぷうによる火災かさいや急激きゅうげきな気温きおん上昇じょうしょうによる雪崩なだれなども起おこりやすい。

なお、台風たいふうが過すぎ去さった後のち、台風たいふうが通過つうかした地域ちいきでは空そらが晴はれ渡わたって良よい天気てんきになることがあり、これを「台風たいふう一過いっか（たいふういっか）」と呼よぶ。（ ウィクショナリーには、台風たいふう一過いっかの項目こうもくがあります。）

日本にっぽんにおける台風たいふうの被害ひがいは、記録きろくが明確めいかくな20世紀せいき中盤ちゅうばん以降いこう、確実かくじつに減少げんしょうしてきている。これには、学術がくじゅつ面めんでは台風たいふう研究けんきゅうの発展はってん、行政ぎょうせいでは予報よほうの充実じゅうじつや経験けいけん等とうをもとにした防災ぼうさい体制たいせいの構築こうちく、民間みんかんでは災害さいがい記録きろくの伝承でんしょうや自主じしゅ防災ぼうさい活動かつどうによる効果こうかと考かんがえられる。上陸じょうりく時じ勢力せいりょくが日本にっぽん史上しじょう稀まれに見みる強つよさであった伊勢湾いせわん台風たいふう以降いこう、災害さいがい対策たいさく基本きほん法ほう制定せいていをはじめ、伊勢湾いせわん台風たいふうクラスあるいは「スーパー伊勢湾いせわん台風たいふう」クラスの台風たいふうに耐たえられるような防災ぼうさい体制たいせいが目標もくひょうとされてきた。しかし、現在げんざいにおいても大おおきな被害ひがいが出でて、さらなる防災ぼうさいの強化きょうかが行おこなわれている地域ちいきもある。また、日本にっぽんの周辺しゅうへん諸国しょこく、特とくに東南とうなんアジアでは防災ぼうさい体制たいせいやインフラ等とうがまだ成熟せいじゅくしていないため、地じすべりや洪水こうずい等とうにより多数たすうの死者ししゃを伴ともなう甚大じんだいな被害ひがいが発生はっせいすることがある。

雨あめ台風たいふう・風ふう台風たいふう

雨あめ台風たいふうであったカスリーン台風たいふうは、関東かんとうを中心ちゅうしんに豪雨ごううによる甚大じんだいな浸水しんすい被害ひがいをもたらした。		風ふう台風たいふうであった洞爺とうや丸まる台風たいふうは、記録きろく的てき暴風ぼうふうや高波たかなみにより洞爺とうや丸まるを沈没ちんぼつさせた。

風ふうによる被害ひがいは比較的ひかくてき小ちいさい一方いっぽうで、雨あめによる被害ひがいが大おおきい台風たいふうを雨あめ台風たいふうと呼よぶ。一般いっぱん的てきに、梅雨つゆ期きに接近せっきん上陸じょうりくする台風たいふうや秋雨前線あきさめぜんせんの活動かつどうが活発かっぱつな秋季しゅうきの台風たいふうは、風ふうよりも雨あめによる被害ひがいが大おおきい。過去かこの代表だいひょう的てきな雨あめ台風たいふうの例れいとしては、1947年ねんのカスリーン台風たいふうや1958年ねんの狩野川かのがわ台風たいふうなどが挙あげられる。反対はんたいに、雨あめによる被害ひがいは比較的ひかくてき小ちいさい一方いっぽうで、風ふうによる被害ひがいが大おおきい台風たいふうを風ふう台風たいふうと呼よび、過去かこの代表だいひょう的てきな風ふう台風たいふうの例れいとしては、1954年ねんの洞爺とうや丸まる台風たいふうや1991年ねんの平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい19号ごう、2004年ねんの平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい18号ごうなどが挙あげられる。しかし、これらはいずれも気象庁きしょうちょうが定さだめた俗称ぞくしょうであり、あくまで便宜べんぎ的てきな区別くべつであるため厳密げんみつな定義ていぎはない。なお、台風たいふうそのものに「雨あめが強つよい」「風ふうが強つよい」などの性質せいしつがあるわけではなく、台風たいふうによって引ひき起おこされた災害さいがいの結果けっかによって、これらの言葉ことばが使用しようされているだけである。

勢力せいりょくが強つよい台風たいふうの場合ばあいは、雨あめと風ふうの両方りょうほうで甚大じんだいな被害ひがいが出でることも少すくなくない。平成へいせい18年ねん台風たいふう第だい13号ごう（2006年ねん）では、九州きゅうしゅう付近ふきんの前線ぜんせんの活発かっぱつ化かで、梅雨つゆ末期まっきのような集中しゅうちゅう豪雨ごううを呈ていした。佐賀さが県けん伊万里いまり市しでは期間きかん降水こうすい量りょうの7割わりが上陸じょうりく前日ぜんじつに降ふる集中しゅうちゅう豪雨ごううとなった。

台風たいふうによる社会しゃかい的てきな影響えいきょう

• 交通こうつう機関きかんの乱みだれ
  • 特とくに航空こうくうやフェリー航路こうろの場合ばあい、暴風ぼうふうを伴ともなうと大変たいへん危険きけんなこと、また機体きたいや使用しよう船舶せんぱくの遣やり繰くりがつかない（目的もくてき地ちや避難ひなん先さきが台風たいふうの進路しんろ上じょうで運航うんこうできない）事こと等とうから台風たいふうが通過つうかした後のちも運休うんきゅうするケースが多おおい。
  • 国内こくない航空こうくうに関かんしては一いち日にちの機体きたいの遣やり繰くりが複雑ふくざつで一ひとつの機体きたいが5、6便びん運航うんこうすることが多おおく、台風たいふうの関係かんけいない地方ちほうでもどこかの路線ろせんで台風たいふうによる欠航けっこうが発生はっせいすることにより後続こうぞくの機材きざい繰くりによって、使用しようする航空機こうくうきが出発しゅっぱつまでに用意よういできずに欠航けっこうや遅延ちえんすることもある。
  • また鉄道てつどう、バス、自動車じどうしゃ道路どうろ（高速こうそく道路どうろ・国道こくどうなど）も一定いっていの風速ふうそくまたは雨量うりょうをオーバーすると運休うんきゅうや通行止つうこうどめ、あるいは速度そくど徐行じょこうがなされる場合ばあいもある。近年きんねん鉄道てつどうにおいては影響えいきょうが予想よそうされる場合ばあいはあらかじめ長距離ちょうきょり列車れっしゃの運休うんきゅうや間あいだ引びき運転うんてん・全ぜん列車れっしゃの各駅かくえき停車ていしゃ運転うんてんなどが行おこなわれ、事前じぜん事後じごのダイヤの混乱こんらん防止ぼうしと輸送ゆそう手段しゅだんの確保かくほの両立りょうりつを図はかるケースが多おおい。(「計画けいかく運休うんきゅう」参照さんしょう)
• 公衆こうしゅう施設しせつ（自治体じちたいの公共こうきょう施設しせつ・サービス受付うけつけ、レジャー施設しせつ、百貨店ひゃっかてん・スーパーマーケットなど）の営業えいぎょう休止きゅうし・または早期そうき打うち切きり
• スポーツ試合しあいやコンサート、イベントの中止ちゅうし・延期えんき
• 屋内おくない施設しせつ（ドーム球場きゅうじょうや体育館たいいくかん、コンサートホールなど）で開ひらかれるイベントであっても、交通こうつう機関きかんのマヒによる関係かんけい者しゃの現地げんち入いり不能ふのうや、観客かんきゃくの安全あんぜんなどを考慮こうりょしてイベントを中止ちゅうしする事例じれいがある（プロ野球やきゅうでのドーム球場きゅうじょうの中止ちゅうし事例じれいはドーム球場きゅうじょう#ドーム球場きゅうじょうでの試合しあい中止ちゅうし事例じれい参照さんしょう）。
• 屋内おくない退避たいひによる風水害ふうすいがいからの避難ひなんを要ようする場合ばあいもある。

台風たいふうと水みず資源しげん

被害ひがいという視点してんで語かたられることの多おおい台風たいふうも、日本にっぽんでは梅雨つゆ以後いごの夏期かきにおける、各地かくちのダムや山間さんかん部ぶの川かわの水みず資源しげん確保かくほの観点かんてんから見みれば、定期ていき的てきな台風たいふうの襲来しゅうらいは重要じゅうようである。例たとえば、平成へいせい17年ねん台風たいふう第だい14号ごう（2005年ねん）や平成へいせい19年ねん台風たいふう第だい4号ごう（2007年ねん）は大おおきな被害ひがい（ともに激甚げきじん災害さいがい）を生うんだが、台風たいふう襲来しゅうらい前まえは渇水かっすいによって0%となっていた早明浦さめうらダムの貯水ちょすい率りつをたった一いち晩ばんで一気いっきに100%以上いじょうにまで回復かいふくさせたため、取水しゅすい制限せいげんが解除かいじょされた。つまり「台風たいふうが来こなければよい」と一概いちがいには言いえない。

台風たいふうと地球ちきゅう温暖おんだん化か

気候きこう変動へんどうに関かんする政府せいふ間あいだパネルの第だい5次じ評価ひょうか報告ほうこく書しょでも示しめされているように、台風たいふうの大型おおがた化かと地球ちきゅう温暖おんだん化かは関係かんけいがあるとする見方みかたが強つよい。実際じっさい2004年ねんには例年れいねんの3.8倍ばいの数かずの台風たいふうが日本にっぽんに上陸じょうりくし、平成へいせい27年ねん9月がつ関東かんとう・東北とうほく豪雨ごうう、令れい和わ元年がんねん東日本ひがしにっぽん台風たいふうは日本にっぽん各地かくちに甚大じんだいな被害ひがいをもたらした。地球ちきゅう温暖おんだん化かは海洋かいよう、大気たいき両方りょうほうに影響えいきょうを与あたえる。前者ぜんしゃにおいて海水温かいすいおん上昇じょうしょうによる海水かいすいの蒸発じょうはつ量りょうの増加ぞうかに伴ともない大気たいき中ちゅうの水蒸気すいじょうきが増加ぞうかし、上昇じょうしょう気流きりゅうが起おきやすくなる。これによって発生はっせいした台風たいふうは大型おおがた化かしやすくなる。後者こうしゃにおいては対流圏たいりゅうけんの気温きおん減げん率りつが小ちいさくなり大気たいきは安定あんていする。このため台風たいふうができにくくなり数すうは減少げんしょうする。地球ちきゅう温暖おんだん化かは台風たいふうに相反あいはんする2種しゅの影響えいきょうを与あたえる。

台風たいふうと生物せいぶつ学がく的てき自然しぜん

台風たいふうは災害さいがいではあるが、定期ていき的てきに襲来しゅうらいするものであり、それなりに地域ちいきの自然しぜんの中なかで位置いちづけを持もつものでもある。たとえば沖縄おきなわでは台風たいふうの降水こうすいは地域ちいき住民じゅうみんにとっては水みず確保かくほの上うえで重要じゅうような意味いみを持もつ。同様どうように、沖縄おきなわにおける森林しんりんの物質ぶっしつ循環じゅんかんを考かんがえる場合ばあい、落葉らくよう量りょうに関かんしては、台風たいふう時じのそれを無視むしすることが出来できない。

また、台風たいふうに乗のって移動いどうする動物どうぶつもある。定着ていちゃくしている分布ぶんぷ域いきではないところに見みつかるチョウを迷蝶というが、日本にっぽんでは熱ねつ帯域たいいきの種たねが本土ほんどで見みつかる例れいがあり、往々おうおうにして台風たいふうの後のちである。たとえばメスアカムラサキやカバマダラなどが、このようにして出現しゅつげんし、冬ふゆまでに世代せだいを重かさねる例れいが知しられる。それらは冬ふゆを越こせない死滅しめつ回遊かいゆうの例れいでもある。ウスバキトンボなどもこの例れいである。同様どうように、沖縄おきなわ以南いなんで繁殖はんしょくし、本州ほんしゅう付近ふきんではまれにしか観察かんさつされない野鳥やちょうが迷鳥として台風たいふうの後のちに観察かんさつされることがある。

また、台風たいふうが太平洋たいへいよう上じょうの生物せいぶつを日本にっぽん沿岸えんがんに吹ふき寄よせる例れいもある。台風たいふう通過つうか後ごに砂浜すなはまにそれらが打うち上あげられる場合ばあいがあり、カツオノエボシやカツオノカンムリなどのクラゲ類るい、アサガオガイやルリガイ、あるいはササノツユやマルカメガイなどの翼つばさ足あし類るいなどが見みられることがあり、貝類かいるい採集さいしゅう家かなどがこれを狙ねらう。

台風たいふうの制御せいぎょ・利用りようの試こころみ

「気象きしょう制御せいぎょ」も参照さんしょう

日本にっぽんでは、台風たいふうの目めに航空機こうくうきから氷こおりや水みず、人工じんこう降雨こううを促うながすヨウ化か銀ぎんを散布さんぷして熱ねつを奪うばい、勢力せいりょくを弱よわめる研究けんきゅう「タイフーンショット」が始はじまっている（「ムーンショット」にちなんだ命名めいめい）。また無人むじんの帆船はんせんに台風たいふうを自動じどう追尾ついびさせて発電はつでんに利用りようする構想こうそうもある

過去かこの記録きろく的てきな台風たいふう

日本にっぽん

1930年代ねんだい以前いぜん

室戸むろと台風たいふう通過つうか後ごの四天王寺してんのうじの様子ようす

• 永えい祚の風ふう：989年ねん9月がつ（永えい祚元年がんねん8月がつ）近畿きんき地方ちほう。「夜よる、天下てんかに大風おおかぜ。皇居こうきょの門もん・高楼こうろう・寝殿しんでん・回廊かいろう及および諸々もろもろの役所やくしょ、建物たてもの、塀へい、庶民しょみんの住宅じゅうたく、神社じんじゃ仏閣ぶっかくまで皆みな倒たおれて一いち軒けんも立たつもの無なく、木きは抜ぬけ山やまは禿かぶろぐ。又また洪水こうずい高潮こうちょう有あり、畿内きないの海岸かいがん・河岸かわぎし・人にん・畑はたけ・家畜かちく・田たこの為ため皆みな没ぼっし、死亡しぼう損害そんがい、天下てんかの大だい災わざわい、古今ここんにならぶる無むし、云々うんぬん」（『扶桑ふそう略記りゃっき』、原文げんぶんは漢文かんぶん）
• 弘安ひろやすの役やく台風たいふう：1281年ねん8月がつ（弘安ひろやす4年ねん閏うるう7月がつ）西日本にしにほん。弘安ひろやすの役やく（元もと寇）で日本にっぽんに来襲らいしゅうした元もと・高こう麗うらら連合れんごう軍ぐん14万まん人にんのうち約やく10万まん人にん溺死できし。（これが後のちに神風かみかぜとして言いい継つがれることとなる。）
• シーボルト台風たいふう
• 安政あんせい3年ねんの大だい風災ふうさい：1856年ねん9月がつ23日にち（安政あんせい3年ねん8月がつ25日にち）から24日にちにかけての夜間やかんに関東かんとう地方ちほうを襲おそった。伊豆半島いずはんとう付近ふきんから江戸えどのすぐ北きたを通過つうかしたと考かんがえられる。猛烈もうれつな暴風ぼうふうと高潮こうちょうで江戸えどをはじめ関東かんとうの広ひろい範囲はんいに大だい被害ひがいが起おき、『近世きんせい史し略りゃく』は死者ししゃ10万まん人にん余あまりとしている。

• 1890年ねん9月がつ16日にちの台風たいふう：オスマン帝国ていこくの軍艦ぐんかんエルトゥールル号ごうが、和歌山わかやま県けんの紀伊大島きいおおしま沖おきで遭難そうなん（エルトゥールル号ごう遭難そうなん事件じけん）
• 足尾あしお台風たいふう（1902年ねん9月28日にち）
• 1906年ねん10月がつ24日にちの台風たいふう：九州きゅうしゅう近海きんかいでサンゴ採とり漁船ぎょせんが多数たすう遭難そうなん、死者ししゃ行方ゆくえ不明ふめい630名めい余あまり。

• 東京湾とうきょうわん台風たいふう（1917年ねん10月がつ1日にち）：フィリピン東方とうほうから北東ほくとうに進すすんで10月がつ1日にち未明みめいに東京とうきょう北方ほっぽうを通過つうかした台風たいふうで、東京とうきょう湾わんに高潮こうちょう発生はっせい、死傷ししょう者しゃおよそ3,000人にん、全ぜん半壊はんかい流失りゅうしつ家屋かおく6万まん戸こ。東京とうきょうで記録きろくした952.4ヘクトパスカルの最低さいてい気圧きあつ記録きろくは2019年ねん10月がつ現在げんざいも破やぶられていない。

• 1921年ねん9月がつ26日にちの台風たいふう：本州ほんしゅう南方なんぽうをゆっくり東進とうしんしていた台風たいふうが急きゅうに北上ほくじょうし、不意打ふいうちの形かたちで紀伊きい半島はんとうから日本にっぽんを縦断じゅうだん。そのため警報けいほう発表はっぴょうが遅おくれ、富山とやま県けん下したで漁船ぎょせんの遭難そうなん多数たすう。当時とうじの伏木ふしき測候そっこう所長しょちょうが世間せけんの糾弾きゅうだんのため自殺じさつした事件じけんで知しられる台風たいふう。ただし、測候そっこう所長しょちょうの自殺じさつの裏うらには気象きしょう観測かんそく施設しせつに関かんする県けんと国くにのいさかいがあったようである。
• 新高にいたか台風たいふう（にいたかたいふう、1922年ねん8月がつ26日にち）：8月がつ24日にち関東かんとう地方ちほうを通過つうかした台風たいふうが北上ほくじょうして26日にちにはカムチャツカ半島はんとう付近ふきんに達たっし、その近海きんかいにいた日本にっぽん帝国ていこく海軍かいぐんの巡洋艦じゅんようかん新高にいたかが沈没ちんぼつした。高緯度こういどであったので、事故じこ発生はっせい時じには台風たいふうは温帯おんたい低てい気圧きあつに変かわっていた可能かのう性せいもある。初はじめて固有こゆう名めい（ただし非公式ひこうしき）が付ついた台風たいふう。

• 室戸むろと台風たいふう（1934年ねん9月21日にち）

1940年代ねんだい

• 周防灘すおうなだ台風たいふう（昭和しょうわ17年ねん台風たいふう第だい16号ごう）
• 枕崎まくらざき台風たいふう（昭和しょうわ20年ねん台風たいふう第だい16号ごう・Ida）
• 阿久根あくね台風たいふう（昭和しょうわ20年ねん台風たいふう第だい20号ごう・Louise）
• カスリーン台風たいふう（昭和しょうわ22年ねん台風たいふう第だい9号ごう・Kathleen）
• アイオン台風たいふう（昭和しょうわ23年ねん台風たいふう第だい21号ごう・Ione）
• デラ台風たいふう（昭和しょうわ24年ねん台風たいふう第だい2号ごう・Della）
• ジュディス台風たいふう（昭和しょうわ24年ねん台風たいふう第だい9号ごう・Judith）
• キティ台風たいふう（昭和しょうわ24年ねん台風たいふう第だい10号ごう・Kitty）

1950年代ねんだい

ジェーン台風たいふうによる高潮こうちょうで浸水しんすいした大阪おおさか市街しがい		1953年ねんの台風たいふう13号ごうの際さいに風かぜで落下らっかした広告塔こうこくとう

伊勢湾いせわん台風たいふうの被災ひさい地ちを取材しゅざいするCBCのテレビニュース班はん

• ジェーン台風たいふう（昭和しょうわ25年ねん台風たいふう第だい28号ごう・Jane）
• ルース台風たいふう（昭和しょうわ26年ねん台風たいふう第だい15号ごう・Ruth）
• ダイナ台風たいふう（昭和しょうわ27年ねん台風たいふう第だい2号ごう・Dinah）
• 昭和しょうわ28年ねん台風たいふう第だい13号ごう （Tess）
• 昭和しょうわ29年ねん台風たいふう第だい12号ごう（June）
• 洞爺とうや丸まる台風たいふう（昭和しょうわ29年ねん台風たいふう第だい15号ごう・Marie）
• 狩野川かのがわ台風たいふう（昭和しょうわ33年ねん台風たいふう第だい22号ごう・Ida）
• 昭和しょうわ34年ねん台風たいふう第だい7号ごう（Georgia）
• 宮古島みやこじま台風たいふう（昭和しょうわ34年ねん台風たいふう第だい14号ごう・Sarah）
• 伊勢湾いせわん台風たいふう（昭和しょうわ34年ねん台風たいふう第だい15号ごう・Vera）

1960年代ねんだい

• 第だい2室しつ戸と台風たいふう（昭和しょうわ36年ねん台風たいふう第だい18号ごう・Nancy）
• 昭和しょうわ36年ねん台風たいふう第だい26号ごう
• 昭和しょうわ40年ねん台風たいふう第だい23・24・25号ごう
• 第だい2宮古島みやこじま台風たいふう（昭和しょうわ41年ねん台風たいふう第だい18号ごう・Cora）
• 昭和しょうわ41年ねん台風たいふう第だい24・26号ごう
• 第だい3宮古島みやこじま台風たいふう（昭和しょうわ43年ねん台風たいふう第だい16号ごう・Della）

1970年代ねんだい

• 昭和しょうわ49年ねん台風たいふう第だい8号ごう

• 昭和しょうわ51年ねん台風たいふう第だい17号ごう (Fran)
• 沖永良部おきのえらぶ台風たいふう（昭和しょうわ52年ねん台風たいふう第だい9号ごう・Babe）
• 昭和しょうわ54年ねん台風たいふう第だい20号ごう (Tip)

1980年代ねんだい

• 昭和しょうわ57年ねん台風たいふう第だい10号ごう (Bess)
• 昭和しょうわ62年ねん台風たいふう第だい12号ごう (Dinah)
• 平成へいせい元年がんねん台風たいふう第だい6号ごう
• 平成へいせい元年がんねん台風たいふう第だい11・12・13号ごう
• 平成へいせい元年がんねん台風たいふう第だい17号ごう
• 平成へいせい元年がんねん台風たいふう第だい22号ごう

1990年代ねんだい

• 平成へいせい2年ねん台風たいふう第だい19号ごう (Flo)
• 平成へいせい2年ねん台風たいふう第だい20号ごう
• 平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい17号ごう
• 平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい18号ごう
• 平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい19号ごう (Mireille)
• 平成へいせい4年ねん台風たいふう第だい10号ごう
• 平成へいせい5年ねん台風たいふう第だい13号ごう (Yancy)
• 平成へいせい11年ねん台風たいふう第だい18号ごう (Bart)

2000年代ねんだい

• 平成へいせい15年ねん台風たいふう第だい14号ごう (Maemi)
• 平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい18号ごう (Songda)
• 平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい23号ごう (Tokage)
• 平成へいせい17年ねん台風たいふう第だい14号ごう (Nabi)

2010年代ねんだい

2018年ねんの台風たいふう21号ごうにより被災ひさいした建物たてもの		令れい和わ元年がんねん東日本ひがしにっぽん台風たいふうにより破やぶ堤つつみが起おきた千曲川ちくまがわ

• 平成へいせい23年ねん台風たいふう第だい12号ごう (Talas)
• 平成へいせい25年ねん台風たいふう第だい26号ごう (Wipha)
• 平成へいせい28年ねん台風たいふう第だい10号ごう (Lionrock)
• 平成へいせい30年ねん台風たいふう第だい21号ごう (Jebi)
• 令れい和わ元年がんねん房総半島ぼうそうはんとう台風たいふう (令れい和わ元年がんねん台風たいふう第だい15号ごう・Faxai)
• 令れい和わ元年がんねん東日本ひがしにっぽん台風たいふう（令れい和わ元年がんねん台風たいふう第だい19号ごう・Hagibis)

2020年代ねんだい

• 令れい和わ4年ねん台風たいふう第だい14号ごう (Nanmadol)

台風たいふうの名前なまえ

詳細しょうさいは「台風たいふうの名前なまえ」を参照さんしょう

台風たいふうは、日本にっぽんでは「台風たいふう第だい○号ごう」「台風たいふう○号ごう」のように台風たいふう番号ばんごうで呼称こしょうされることが多おおいが、それぞれの台風たいふうには、国際こくさい的てきに使用しようされる固有こゆう名めいが付つけられている。これを国際こくさい名めいという（2000年ねん以降いこうはアジア各国かっこくが提案ていあんした名前なまえが付つけられているためアジア名めいともいう）。

台風たいふうの統計とうけい

• 統計とうけいの基準きじゅんについて
  • 日時にちじ - 全すべて日本にっぽん標準時ひょうじゅんじ (JST)。（世界せかい時じ (UTC) で観測かんそくされたものを日本にっぽん標準時ひょうじゅんじ (JST) に直なおしている。）
  • 接近せっきん - 台風たいふうの中心ちゅうしんが日本にっぽんの海岸かいがん線せんから300km以内いないに入はいった場合ばあいを「日本にっぽんに接近せっきんした台風たいふう」としている。ただし、現在げんざいは気象きしょう官署かんしょからの距離きょりで算出さんしゅつしてある。
  • 上陸じょうりく - 台風たいふうの中心ちゅうしんが北海道ほっかいどう、本州ほんしゅう、四国しこく、九州きゅうしゅうの海岸かいがん線せんに達たっした場合ばあいを「日本にっぽんに上陸じょうりくした台風たいふう」としている。ただし、沖縄おきなわ本島ほんとうなどの離島りとうや小ちいさい半島はんとうを横切よこぎり短時間たんじかんで再ふたたび海うみに出でる場合ばあいは「通過つうか」としている。

台風たいふうの平年へいねん値ち

以下いかに示しめす平年へいねん値ちは、1991年ねん - 2020年ねんの30年ねんのデータを基もとにした平均へいきん値ちである。

台風たいふうの平年へいねん値ち

	1月がつ	2月がつ	3月がつ	4月がつ	5月	6月がつ	7月がつ	8月がつ	9月	10月	11月	12月	年間ねんかん
発生はっせい数すう	0.3	0.3	0.3	0.6	1.0	1.7	3.7	5.7	5.0	3.4	2.2	1.0	25.1 (25.6)
日本にっぽん接近せっきん数すう				0.2	0.7	0.8	2.1	3.3	3.3	1.7	0.5	0.1	11.7 (11.4)
日本にっぽん上陸じょうりく数すう					0.0	0.2	0.6	0.9	1.0	0.3			3.0 (2.7)

本土ほんどおよび沖縄おきなわ・奄美あまみへの台風たいふう接近せっきん数すうの平年へいねん値ち

	1月がつ	2月がつ	3月がつ	4月がつ	5月	6月がつ	7月がつ	8月がつ	9月	10月	11月	12月	年間ねんかん
本土ほんど				0.0	0.2	0.4	1.0	1.6	1.9	0.9			5.8
沖縄おきなわ・奄美あまみ				0.0	0.4	0.6	1.5	2.3	2.0	1.1	0.3	0.0	7.9

地方ちほうごとの台風たいふう接近せっきん数すうの平年へいねん値ち

地方ちほう	1月がつ	2月がつ	3月がつ	4月がつ	5月	6月がつ	7月がつ	8月がつ	9月	10月	11月	12月	年間ねんかん
沖縄おきなわ地方ちほう				0.0	0.4	0.6	1.5	2.2	1.9	1.1	0.3	0.0	7.7
奄美あまみ地方ちほう				0.0	0.2	0.4	0.7	1.1	1.3	0.7			4.3
九州きゅうしゅう地方ちほう南部なんぶ				0.0	0.1	0.4	0.7	1.0	1.2	0.5			3.9
九州きゅうしゅう地方ちほう北部ほくぶ				0.0	0.1	0.3	0.8	1.1	1.1	0.4			3.8
四国しこく地方ちほう					0.1	0.3	0.7	0.9	1.0	0.4			3.3
中国ちゅうごく地方ちほう					0.1	0.2	0.6	0.8	1.1	0.3			3.0
近畿きんき地方ちほう					0.1	0.3	0.6	0.7	1.1	0.7			3.4
東海とうかい地方ちほう					0.1	0.2	0.6	0.8	1.2	0.7			3.5
北陸ほくりく地方ちほう						0.2	0.5	0.7	1.0	0.4			2.8
関東かんとう地方ちほう・甲信こうしん地方ちほう					0.0	0.2	0.4	0.8	1.2	0.7			3.3
伊豆諸島いずしょとう・小笠原諸島おがさわらしょとう				0.1	0.4	0.4	0.7	1.0	1.5	1.3	0.3	0.0	5.4
東北とうほく地方ちほう					0.0	0.2	0.3	0.8	0.9	0.5			2.7
北海道ほっかいどう地方ちほう						0.1	0.2	0.7	0.7	0.2			1.9

台風たいふうの記録きろく

以下いかの記録きろくのほとんどは、一部いちぶの例外れいがいを除のぞいて、統計とうけい資料しりょうがある1951年ねんからの統計とうけいに基もとづく。

数かずに関かんする記録きろく

過去かこの台風たいふう発生はっせい数すう一覧いちらん
年とし	1月がつ	2月がつ	3月がつ	4月がつ	5月	6月がつ	7月がつ	8月がつ	9月	10月	11月	12月	年間ねんかん
2024					2		2	6	8
2023				1	1	1	3	6	2	2		1	17
2022				2		1	3	5	7	5	1	1	25
2021		1		1	1	2	3	4	4	4	1	1	22
2020					1	1		8	3	6	3	1	23
2019	1	1				1	4	5	6	4	6	1	29
2018	1	1	1			4	5	9	4	1	3		29
2017				1		1	8	5	4	3	3	2	27
2016							4	7	7	4	3	1	26
2015	1	1	2	1	2	2	3	4	5	4	1	1	27
2014	2	1		2		2	5	1	5	2	1	2	23
2013	1	1				4	3	6	7	7	2		31
2012			1		1	4	4	5	3	5	1	1	25
2011					2	3	4	3	7	1		1	21
2010			1				2	5	4	2			14
2009					2	2	2	5	7	3	1		22
2008				1	4	1	2	4	4	2	3	1	22
2007				1	1		3	4	5	6	4		24
2006					1	1	3	7	3	4	2	2	23
2005	1		1	1	1		5	5	5	2	2		23
2004				1	2	5	2	8	3	3	3	2	29
2003	1			1	2	2	2	5	3	3	2		21
2002	1	1			1	3	5	6	4	2	2	1	26
2001					1	2	5	6	5	3	1	3	26
2000					2		5	6	5	2	2	1	23
1999				2		1	4	6	6	2	1		22
1998							1	3	5	2	3	2	16
1997				2	3	3	4	6	4	3	2	1	28
1996		1		1	2		5	6	6	2	2	1	26
1995				1		1	2	6	5	6	1	1	23
1994				1	1	2	7	9	8	6		2	36
1993			1			1	4	7	5	5	2	3	28
1992	1	1				2	4	8	5	7	3		31
1991			2	1	1	1	4	5	6	3	6		29
1990	1			1	1	3	4	6	4	4	4	1	29
1989	1			1	2	2	7	5	6	4	3	1	32
1988	1				1	3	2	8	8	5	2	1	31
1987	1			1		2	4	4	6	2	2	1	23
1986		1		1	2	2	3	5	3	5	4	3	29
1985	2				1	3	1	8	5	4	1	2	27
1984						2	5	5	4	7	3	1	27
1983						1	3	5	2	5	5	2	23
1982			3		1	3	3	5	5	3	1	1	25
1981			1	2		3	4	8	4	2	3	2	29
1980				1	4	1	4	2	6	4	1	1	24
1979	1		1	1	2		4	2	6	3	2	2	24
1978	1			1		3	4	8	5	4	4		30
1977			1			1	3	3	5	5	1	2	21
1976	1	1		2	2	2	4	4	5	1	1	2	25
1975	1						2	4	5	5	3	1	21
1974	1		1	1	1	4	4	5	5	4	4	2	32
1973							7	5	2	4	3		21
1972	1				1	3	6	5	5	5	3	2	31
1971	1		1	3	4	2	8	5	6	4	2		36
1970		1				2	3	6	5	5	4		26
1969	1		1	1			3	4	3	3	2	1	19
1968				1	1	1	3	8	3	5	5		27
1967		1	2	1	1	1	7	9	9	4	3	1	39
1966				1	2	1	4	10	9	4	3	1	35
1965	2	1	1	1	2	3	5	5	8	2	2		32
1964					2	2	7	5	6	5	6	1	34
1963				1		4	4	3	5	4		3	24
1962		1		1	2		5	8	4	5	3	1	30
1961	1		1		2	3	4	6	6	4	1	1	29
1960				1	1	3	3	10	3	4	1	1	27
1959		1	1	1			2	5	5	4	2	2	23
1958	1			1	1	4	7	5	5	3	2	2	31
1957	2			1	1	1	1	4	5	4	3		22
1956			1	2		1	2	5	6	1	4	1	23
1955	1	1	1	1		2	7	6	4	3	1	1	28
1954			1		1		1	5	5	4	3	1	21
1953		1			1	2	1	6	3	5	3	1	23
1952						3	3	5	3	6	3	4	27
1951		1	1	2	1	1	3	3	2	4	1	2	21

過去かこの台風たいふうの日本にっぽん上陸じょうりく数すう一覧いちらん
年とし	1月がつ	2月がつ	3月がつ	4月がつ	5月	6月がつ	7月がつ	8月がつ	9月	10月	11月	12月	年間ねんかん
2024								2
2023								1					1
2022							1	1	1				3
2021							1	1	1				3
2020													0
2019							1	2	1	1			5
2018							1	2	2				5
2017							1	1	1	1			4
2016								4	2				6
2015							2	1	1				4
2014							1	1		2			4
2013									2				2
2012						1			1				2
2011							1		2				3
2010								1	1				2
2009										1			1
2008													0
2007							1	1	1				3
2006								1	1				2
2005							1	1	1				3
2004						2	1	3	2	2			10
2003					1			1					2
2002							2			1			3
2001								1	1				2
2000													0
1999									2				2
1998									3	1			4
1997						2	1		1				4
1996							1	1					2
1995									1				1
1994							1	1	1				3
1993							3	1	2				6
1992								3					3
1991								1	2				3
1990								2	2	1	1		6
1989						1	1	2	1				5
1988								2					2
1987										1			1
1986													0
1985							1	2					3
1984													0
1983								1	1				2
1982								2	2				4
1981						1	1	1					3
1980									1				1
1979									2	1			3
1978						1		2	1				4
1977								1					1
1976							1		1				2
1975								2					2
1974								1	2				3
1973							1						1
1972							2		1				3
1971							1	2	1				4
1970							1	2					3
1969								2					2
1968							1	1	1				3
1967								2		1			3
1966								2	3				5
1965					1			2	2				5
1964								1	1				2
1963						1		1					2
1962							1	4					5
1961							1		1	1			3
1960								3	1				4
1959								2	1	1			4
1958							1	1	2				4
1957									1				1
1956				1				1	1				3
1955							1		1	2			4
1954								1	4				5
1953						1			1				2
1952						1	1	1					3
1951							1			1			2

台風たいふうの年間ねんかん発生はっせい数すう

発生はっせい数すうが多おおい年とし			発生はっせい数すうが少すくない年とし
順位じゅんい	年とし	発生はっせい数すう	順位じゅんい	年とし	発生はっせい数すう
1	1967年ねん	39	1	2010年ねん	14
2	1994年ねん 1971年ねん	36	2	1998年ねん	16
4	1966年ねん	35	3	2023年ねん	17
5	1964年ねん	34	4	1969年ねん	19
6	1989年ねん 1974年ねん 1965年ねん	32	5	2011年ねん 2003年ねん 1977年ねん 1975年ねん 1973年ねん 1954年ねん 1951年ねん	21
9	2013年ねん 1992年ねん 1988年ねん 1972年ねん 1958年ねん	31

(2022年ねん現在げんざい)

台風たいふうの年間ねんかん日本にっぽん接近せっきん数すう（上陸じょうりく数すうを含ふくむ）

接近せっきん数すうが多おおい年とし			接近せっきん数すうが少すくない年とし
順位じゅんい	年とし	接近せっきん数すう	順位じゅんい	年とし	接近せっきん数すう
1	2004年ねん 1966年ねん 1960年ねん	19	1	1973年ねん	4
4	2012年ねん	17	2	1995年ねん	5
5	2018年ねん 1955年ねん	16	3	1977年ねん	6
7	2019年ねん 2000年ねん 1997年ねん 1994年ねん 1965年ねん 1961年ねん 1958年ねん	15	4	2020年ねん 2010年ねん 1983年ねん 1979年ねん	7
			8	2017年ねん 2009年ねん 1998年ねん 1969年ねん 1964年ねん 1951年ねん	8

(2022年ねん現在げんざい)

台風たいふうの年間ねんかん日本にっぽん上陸じょうりく数すう

上陸じょうりく数すうが多おおい年とし			上陸じょうりく数すうが少すくない年とし
順位じゅんい	年とし	上陸じょうりく数すう	順位じゅんい	年とし	上陸じょうりく数すう
1	2004年ねん	10	1	2020年ねん 2008年ねん 2000年ねん 1986年ねん 1984年ねん	0
2	2016年ねん 1993年ねん 1990年ねん	6	6	2023年ねん 2009年ねん 1995年ねん 1987年ねん 1980年ねん 1977年ねん 1973年ねん 1957年ねん	1
5	2019年ねん 2018年ねん 1989年ねん 1966年ねん 1965年ねん 1962年ねん 1954年ねん	5

(2022年ねん現在げんざい)

時期じきなどに関かんする記録きろく

海水温かいすいおんが最もっとも低ひくくなる2月がつが台風たいふうに関かんする年とし変がわりの時期じきともいえ、下記かきに示しめす1月がつ1日にち基準きじゅんは社会しゃかい的てきな区分くぶんであることには注意ちゅういが必要ひつようである。

発生はっせい日び時じが（一いち年ねんの中なかで）早はやい台風たいふう

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	発生はっせい日時にちじ
1	平成へいせい31年ねん台風たいふう第だい1号ごう	Pabuk	2019年ねん1月がつ1日にち 15時じ
2	昭和しょうわ54年ねん台風たいふう第だい1号ごう	Alice	1979年ねん1月がつ2日にち 9時じ
3	昭和しょうわ30年ねん台風たいふう第だい1号ごう	Violet	1955年ねん1月がつ2日にち 15時じ
4	平成へいせい30年ねん台風たいふう第だい1号ごう	Bolaven	2018年ねん1月がつ3日にち 9時じ
5	昭和しょうわ32年ねん台風たいふう第だい1号ごう	‐	1957年ねん1月がつ3日にち 15時じ
6	平成へいせい25年ねん台風たいふう第だい1号ごう	Sonamu	2013年ねん1月がつ3日にち 21時じ
7	昭和しょうわ60年ねん台風たいふう第だい1号ごう	Fabian	1985年ねん1月がつ5日にち 21時じ
8	昭和しょうわ47年ねん台風たいふう第だい1号ごう	Kit	1972年ねん1月がつ6日にち 9時じ
	平成へいせい4年ねん台風たいふう第だい1号ごう	Axel	1992年ねん1月がつ6日にち 9時じ
10	昭和しょうわ60年ねん台風たいふう第だい2号ごう	Elsie	1985年ねん1月がつ7日にち 15時じ

発生はっせい日び時じが（一いち年ねんの中なかで）遅おそい台風たいふう

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	発生はっせい日時にちじ
1	平成へいせい12年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Soulik	2000年ねん12月30日にち 9時じ
2	平成へいせい26年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Jangmi	2014年ねん12月28日にち 21時じ
3	昭和しょうわ27年ねん台風たいふう第だい27号ごう	Hester	1952年ねん12月28日にち 9時じ
4	平成へいせい13年ねん台風たいふう第だい26号ごう	Vamei	2001年ねん12月27日にち 9時じ
5	昭和しょうわ50年ねん台風たいふう第だい21号ごう	‐	1975年ねん12月26日にち 21時じ
6	昭和しょうわ41年ねん台風たいふう第だい35号ごう	Pamela	1966年ねん12月26日にち 9時じ
	平成へいせい7年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Dan	1995年ねん12月26日にち 9時じ
8	平成へいせい5年ねん台風たいふう第だい28号ごう	Nell	1993年ねん12月25日にち 9時じ
	平成へいせい24年ねん台風たいふう第だい25号ごう	Wukong	2012年ねん12月25日にち9時じ
10	昭和しょうわ29年ねん台風たいふう第だい23号ごう	‐	1954年ねん12月24日にち 15時じ

上陸じょうりく日び時じが（一いち年ねんの中なかで）早はやい台風たいふう

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	上陸じょうりく日時にちじ	上陸じょうりく地点ちてん
1	第だい03号ごう/昭和しょうわ31年ねん台風たいふう第だい3号ごう	Thelma	1956年ねん4月がつ25日にち 7時じ30分ふん	46鹿児島かごしま県けん/大隅半島おおすみはんとう南部なんぶ
2	第だい06号ごう/昭和しょうわ40年ねん台風たいふう第だい6号ごう	Amy	1965年ねん5月27日にち 12時じ	12千葉ちば県けん/房総半島ぼうそうはんとう
3	第だい04号ごう/平成へいせい15年ねん台風たいふう第だい4号ごう	Linfa	2003年ねん5月31日にち 6時じ30分ふん	38愛媛えひめ県けん宇和島うわじま市し付近ふきん
4	第だい02号ごう/ジュディ台風たいふう（昭和しょうわ28年ねん台風たいふう第だい2号ごう）	Judy	1953年ねん6月7日にち 9時じ	43熊本くまもと県けん八代やしろ市し付近ふきん
5	第だい04号ごう/平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい4号ごう	Conson	2004年ねん6月11日にち 16時じ	39高知こうち県けん室戸むろと市し付近ふきん
6	第だい03号ごう/昭和しょうわ38年ねん台風たいふう第だい3号ごう	Rose	1963年ねん6月13日にち 22時じ	39高知こうち県けん宿毛すくも市し付近ふきん
7	第だい04号ごう/平成へいせい24年ねん台風たいふう第だい4号ごう	Guchol	2012年ねん6月19日にち 17時じ	30和歌山わかやま県けん南部なんぶ
8	第だい07号ごう/平成へいせい9年ねん台風たいふう第だい7号ごう	Opal	1997年ねん6月がつ20日はつか 11時じ30分ふん	23愛知あいち県けん豊橋とよはし市し付近ふきん
9	第だい03号ごう/昭和しょうわ53年ねん台風たいふう第だい3号ごう	Polly	1978年ねん6月がつ20日はつか 18時じ	42長崎ながさき県けん/西彼杵半島にしそのぎはんとう
10	第だい06号ごう/平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい6号ごう	Dianmu	2004年ねん6月21日にち 9時じ30分ふん	39高知こうち県けん室戸むろと市し付近ふきん

上陸じょうりく日び時じが（一いち年ねんの中なかで）遅おそい台風たいふう

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	上陸じょうりく日時にちじ	上陸じょうりく地点ちてん
1	第だい28号ごう/平成へいせい2年ねん台風たいふう第だい28号ごう	Page	1990年ねん11月30日にち 14時じ	30和歌山わかやま県けん白浜しらはま町まち南みなみ
2	第だい34号ごう/昭和しょうわ42年ねん台風たいふう第だい34号ごう	Dinah	1967年ねん10月28日にち 3時じ30分ふん	23愛知あいち県けん南部なんぶ
3	第だい21号ごう/平成へいせい29年ねん台風たいふう第だい21号ごう	Lan	2017年ねん10月23日にち 3時じ	22静岡しずおか県けん掛川かけがわ市し付近ふきん
4	第だい23号ごう/平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Tokage	2004年ねん10月がつ20日はつか 13時じ	39高知こうち県けん土佐清水とさしみず市し付近ふきん
5	第だい26号ごう/昭和しょうわ30年ねん台風たいふう第だい26号ごう	Opal	1955年ねん10月がつ20日はつか 12時じ	30和歌山わかやま県けん田辺たなべ市し付近ふきん
6	第だい20号ごう/昭和しょうわ54年ねん台風たいふう第だい20号ごう	Tip	1979年ねん10月19日にち 9時じ30分ふん	30和歌山わかやま県けん白浜しらはま町まち付近ふきん
7	第だい10号ごう/平成へいせい10年ねん台風たいふう第だい10号ごう	Zeb	1998年ねん10月17日にち 16時じ30分ふん	46鹿児島かごしま県けん枕崎まくらざき市し付近ふきん
8	第だい19号ごう/昭和しょうわ62年ねん台風たいふう第だい19号ごう	Kelly	1987年ねん10月17日にち 0時じ	39高知こうち県けん室戸むろと市し付近ふきん
9	第だい15号ごう/ルース台風たいふう （昭和しょうわ26年ねん台風たいふう第だい15号ごう）	Ruth	1951年ねん10月14日にち 19時じ	46鹿児島かごしま県けんいちき串木野くしきの市し（現げん）付近ふきん
10	第だい19号ごう/平成へいせい26年ねん台風たいふう第だい19号ごう	Vongfong	2014年ねん10月13日にち 8時じ30分ふん	46鹿児島かごしま県けん枕崎まくらざき市し付近ふきん

長寿ちょうじゅ台風たいふう（台風たいふうでなかった期間きかんを除のぞく）

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	台風たいふう期間きかん	発生はっせい日時にちじ	消滅しょうめつ日時にちじ
1	平成へいせい29年ねん台風たいふう第だい5号ごう	Noru	19日にち0時じ間あいだ	2017年ねん7月がつ20日はつか 21時じ	2017年ねん8月がつ8日にち 21時じ
	昭和しょうわ47年ねん台風たいふう第だい7号ごう	Rita		1972年ねん7月がつ7日にち 21時じ	1972年ねん7月がつ26日にち 21時じ
3	昭和しょうわ42年ねん台風たいふう第だい22号ごう	Opal	18日にち6時じ間あいだ	1967年ねん8月がつ30日にち 9時じ	1967年ねん9月17日にち 15時じ
4	昭和しょうわ61年ねん台風たいふう第だい14号ごう	Wayne	17日にち18時じ間あいだ	1986年ねん8月がつ18日にち 15時じ	1986年ねん9月6日にち 21時じ
5	昭和しょうわ47年ねん台風たいふう第だい9号ごう	Tess	15日にち12時じ間あいだ	1972年ねん7月がつ9日にち 3時じ	1972年ねん7月がつ24日にち 15時じ
6	平成へいせい9年ねん台風たいふう第だい28号ごう	Paka	14日にち12時じ間あいだ	1997年ねん12月8日にち 3時じ	1997年ねん12月22日にち 15時じ
	平成へいせい6年ねん台風たいふう第だい31号ごう	Verne		1994年ねん10月18日にち 9時じ	1994年ねん11月1日にち 21時じ
	昭和しょうわ26年ねん台風たいふう第だい20号ごう	Amy		1951年ねん12月3日にち 9時じ	1951年ねん12月17日にち 21時じ
9	平成へいせい4年ねん台風たいふう第だい30号ごう	Gay	14日にち6時じ間あいだ	1992年ねん11月16日にち 3時じ	1992年ねん11月30日にち 9時じ
10	平成へいせい15年ねん台風たいふう第だい2号ごう	Kujira	14日にち3時じ間あいだ	2003年ねん4月がつ11日にち 9時じ	2003年ねん4月がつ25日にち 12時じ

規模きぼに関かんする記録きろく

海上かいじょうにおける中心ちゅうしん気圧きあつが低ひくい台風たいふう

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	中心ちゅうしん気圧きあつ (hPa)	観測かんそく年月日ねんがっぴ	観測かんそく地点ちてん
1	昭和しょうわ54年ねん台風たいふう第だい20号ごう	Tip	870	1979年ねん10月12日にち	沖ノ鳥島おきのとりしま南東なんとう
2	昭和しょうわ48年ねん台風たいふう第だい15号ごう	Nora	875	1973年ねん10月6日にち	フィリピン東方とうほう
	昭和しょうわ50年ねん台風たいふう第だい20号ごう	June		1975年ねん11月19日にち	マリアナ近海きんかい
4	狩野川かのがわ台風たいふう （昭和しょうわ33年ねん台風たいふう第だい22号ごう）	Ida	877	1958年ねん9月24日にち	沖ノ鳥島おきのとりしま付近ふきん
5	昭和しょうわ41年ねん台風たいふう第だい4号ごう	Kit	880	1966年ねん6月26日にち	南大東島みなみだいとうじま南方なんぽう
	昭和しょうわ53年ねん台風たいふう第だい26号ごう	Rita		1978年ねん10月25日にち	フィリピン東方とうほう
	昭和しょうわ59年ねん台風たいふう第だい22号ごう	Vanessa		1984年ねん10月26日にち
8	昭和しょうわ28年ねん台風たいふう第だい7号ごう	Nina	885	1953年ねん8月がつ13日にち	フィリピン東方とうほう
	昭和しょうわ34年ねん台風たいふう第だい9号ごう	Joan		1959年ねん8月がつ29日にち	宮古島みやこじま南方なんぽう
	昭和しょうわ46年ねん台風たいふう第だい35号ごう	Irma		1971年ねん11月12日にち	フィリピン東方とうほう
	昭和しょうわ58年ねん台風たいふう第だい10号ごう	Forrest		1983年ねん9月23日にち	沖ノ鳥島おきのとりしま南方なんぽう
	平成へいせい22年ねん台風たいふう第だい13号ごう	Megi		2010年ねん10月17日にち	フィリピン東方とうほう

陸上りくじょう（気象きしょう官署かんしょ）における中心ちゅうしん気圧きあつが低ひくい台風たいふう

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	中心ちゅうしん気圧きあつ（hPa）	観測かんそく年月日ねんがっぴ	観測かんそく地点ちてん
1	沖永良部おきのえらぶ台風たいふう （昭和しょうわ52年ねん台風たいふう第だい9号ごう）	Babe	907.3	1977年ねん（昭和しょうわ52年ねん）9月9日にち	沖永良部おきのえらぶ（鹿児島かごしま）
2	宮古島みやこじま台風たいふう （昭和しょうわ34年ねん台風たいふう第だい14号ごう）	Sarah	908.1	1959年ねん（昭和しょうわ34年ねん）9月15日にち	宮古島みやこじま（沖縄おきなわ）
3	室戸むろと台風たいふう	-	911.6	1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）9月21日にち	室戸岬むろとみさき（高知こうち）
4	平成へいせい15年ねん台風たいふう第だい14号ごう	Maemi	912.0	2003年ねん（平成へいせい15年ねん）9月11日にち	宮古島みやこじま（沖縄おきなわ）
5	枕崎まくらざき台風たいふう （昭和しょうわ20年ねん台風たいふう第だい16号ごう）	Ida	916.1	1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）9月17日にち	枕崎まくらざき（鹿児島かごしま）
6	第だい2室しつ戸と台風たいふう （昭和しょうわ36年ねん台風たいふう第だい18号ごう）	Nancy	918.0	1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）9月がつ15日にち	名瀬なぜ（鹿児島かごしま）
7	昭和しょうわ5年ねん8月がつの台風たいふう （名称めいしょうなし）	-	922.0	1930年ねん（昭和しょうわ5年ねん）8月がつ9日にち	南大東島みなみだいとうじま（沖縄おきなわ）
8	昭和しょうわ38年ねん台風たいふう第だい14号ごう	Gloria	923.5	1963年ねん（昭和しょうわ38年ねん）9月がつ10日とおか	石垣島いしがきじま（沖縄おきなわ）
9	平成へいせい18年ねん台風たいふう第だい13号ごう	Shanshan	923.8	2006年ねん（平成へいせい18年ねん）9月16日にち	西表島いりおもてじま（沖縄おきなわ）
10	平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい18号ごう	Songda	924.4	2004年ねん（平成へいせい16年ねん）9月5日にち	名護なご（沖縄おきなわ）

上陸じょうりく時じ（直前ちょくぜん）の中心ちゅうしん気圧きあつが低ひくい台風たいふう

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	中心ちゅうしん気圧きあつ（hPa）	上陸じょうりく日時にちじ	上陸じょうりく地点ちてん
1	第だい2室しつ戸と台風たいふう （昭和しょうわ36年ねん台風たいふう第だい18号ごう）	Nancy	925	1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）9月16日にち 9時じ	室戸岬むろとみさき西方せいほう
2	伊勢湾いせわん台風たいふう （昭和しょうわ34年ねん台風たいふう第だい15号ごう）	Vera	929	1959年ねん（昭和しょうわ34年ねん）9月26日にち 18時じ	潮岬しおのみさき西方せいほう
3	平成へいせい5年ねん台風たいふう第だい13号ごう	Yancy	930	1993年ねん（平成へいせい5年ねん）9月3日にち 16時じ	薩摩半島さつまはんとう南部なんぶ
4	ルース台風たいふう （昭和しょうわ26年ねん台風たいふう第だい15号ごう）	Ruth	935	1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）10月14日にち 19時じ	串木野くしきの市し付近ふきん
5	令れい和わ4年ねん台風たいふう第だい14号ごう	Nanmadol	940	2022年ねん（令れい和わ4年ねん）9月18日にち 19時じ	鹿児島かごしま市し付近ふきん
	平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい19号ごう	Mireille		1991年ねん（平成へいせい3年ねん）9月27日にち 16時じ	佐世保させぼ市し南みなみ
	昭和しょうわ46年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Trix		1971年ねん（昭和しょうわ46年ねん）8月がつ29日にち 23時じ	佐多岬さたみさき
	昭和しょうわ40年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Shirley		1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）9月がつ10日とおか 8時じ	安芸あき市し付近ふきん
	昭和しょうわ40年ねん台風たいふう第だい15号ごう	Jean		1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）8月がつ6日にち 4時じ	牛深うしぶか市し付近ふきん
	昭和しょうわ39年ねん台風たいふう第だい20号ごう	Wilda		1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）9月24日にち 17時じ	佐多岬さたみさき
	昭和しょうわ30年ねん台風たいふう第だい22号ごう	Louise		1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）9月29日にち 22時じ	薩摩半島さつまはんとう
	昭和しょうわ29年ねん台風たいふう第だい5号ごう	Grace		1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）8月がつ18日にち 2時じ	鹿児島かごしま県けん西部せいぶ
（参考さんこう）	室戸むろと台風たいふう		911.6	1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）9月21日にち	室戸岬むろとみさき西方せいほう
	枕崎まくらざき台風たいふう （昭和しょうわ20年ねん台風たいふう第だい16号ごう）	Ida	916.3	1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）9月17日にち	枕崎まくらざき町まち付近ふきん

最大さいだい風速ふうそく（気象庁きしょうちょう解析かいせき・10分間ふんかん平均へいきん）

順位じゅんい	台風たいふう	国際こくさい名めい	年とし	最大さいだい風速ふうそく (kt)
1	昭和しょうわ54年ねん台風たいふう第だい20号ごう	Tip	1979年ねん	140
2	平成へいせい25年ねん台風たいふう第だい30号ごう	Haiyan	2013年ねん	125
	平成へいせい22年ねん台風たいふう第だい13号ごう	Megi	2010年ねん
	昭和しょうわ57年ねん台風たいふう第だい10号ごう	Bess	1982年ねん
5	令れい和わ3年ねん台風たいふう第だい2号ごう	Surigae	2021年ねん	120
	令れい和わ2年ねん台風たいふう第だい19号ごう	Goni	2020年ねん
	平成へいせい28年ねん台風たいふう第だい14号ごう	Meranti	2016年ねん
	平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい28号ごう	Yuri	1991年ねん
	平成へいせい2年ねん台風たいふう第だい19号ごう	Flo	1990年ねん
	昭和しょうわ61年ねん台風たいふう第だい3号ごう	Lola	1986年ねん
	昭和しょうわ60年ねん台風たいふう第だい22号ごう	Dot	1985年ねん
	昭和しょうわ59年ねん台風たいふう第だい22号ごう	Vanessa	1984年ねん
	昭和しょうわ58年ねん台風たいふう第だい5号ごう	Abby	1983年ねん
	昭和しょうわ57年ねん台風たいふう第だい21号ごう	Mac	1982年ねん
	昭和しょうわ56年ねん台風たいふう第だい22号ごう	Elsie	1981年ねん
	昭和しょうわ55年ねん台風たいふう第だい19号ごう	Wynne	1980年ねん
	昭和しょうわ53年ねん台風たいふう第だい26号ごう	Rita	1978年ねん

最大さいだい風速ふうそく（米べい海軍かいぐん解析かいせき・1分間ふんかん平均へいきん）

順位じゅんい	台風たいふう	国際こくさい名めい	年とし	最大さいだい風速ふうそく (kt)
1	第だい2室しつ戸と台風たいふう (昭和しょうわ36年ねん台風たいふう第だい18号ごう)	Nancy	1961年ねん	185
2	昭和しょうわ36年ねん台風たいふう第だい24号ごう	Violet	1961年ねん	180
	昭和しょうわ30年ねん台風たいふう第だい28号ごう	Ruth	1955年ねん
4	狩野川かのがわ台風たいふう (昭和しょうわ33年ねん台風たいふう第だい22号ごう)	Ida	1958年ねん	175
5	令れい和わ3年ねん台風たいふう第だい2号ごう	Surigae	2021年ねん	170
	令れい和わ2年ねん台風たいふう第だい19号ごう	Goni	2020年ねん
	平成へいせい28年ねん台風たいふう第だい14号ごう	Meranti	2016年ねん
	平成へいせい25年ねん台風たいふう第だい30号ごう	Haiyan	2013年ねん
	昭和しょうわ41年ねん台風たいふう第だい4号ごう	Kit	1966年ねん
	昭和しょうわ39年ねん台風たいふう第だい34号ごう	Opal	1964年ねん
	昭和しょうわ39年ねん台風たいふう第だい18号ごう	Sally	1964年ねん
	昭和しょうわ34年ねん台風たいふう第だい9号ごう	Joan	1959年ねん

最大さいだい風速ふうそく（陸上りくじょう）

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	最大さいだい 風速ふうそく （m/s）	風向ふうこう	観測かんそく年月日ねんがっぴ	観測かんそく地点ちてん
1	昭和しょうわ40年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Shirley	69.8	西南せいなん西にし	1965年ねん9月がつ10日とおか	室戸岬むろとみさき （高知こうち・気象きしょう官署かんしょ）
2	ルース台風たいふう （昭和しょうわ26年ねん台風たいふう第だい15号ごう）	Ruth	69.3	南みなみ	1951年ねん10月14日にち	細島ほそじま （宮崎みやざき・燈台とうだい）
3			67.1	南東なんとう		佐田さた岬みさき （愛媛えひめ・燈台とうだい）
4	第だい2室しつ戸と台風たいふう （昭和しょうわ36年ねん台風たいふう第だい18号ごう）	Nancy	66.7	西南せいなん西にし	1961年ねん9月16日にち	室戸岬むろとみさき （高知こうち・気象きしょう官署かんしょ）
5	昭和しょうわ29年ねん台風たいふう第だい13号ごう	Kathy	65.0	南南西なんなんせい	1954年ねん9月7日にち	都井岬といみさき （宮崎みやざき・燈台とうだい）
6	洞爺とうや丸まる台風たいふう （昭和しょうわ29年ねん台風たいふう第だい15号ごう）	Marie	63.3	南南西なんなんせい	1954年ねん9月27日にち	神威かもい岬みさき （北海道ほっかいどう・燈台とうだい）
7	第だい2宮古島みやこじま台風たいふう （昭和しょうわ41年ねん台風たいふう第だい18号ごう）	Cora	60.8	北東ほくとう	1966年ねん9月5日にち	宮古島みやこじま （沖縄おきなわ・気象きしょう官署かんしょ）
8	洞爺とうや丸まる台風たいふう （昭和しょうわ29年ねん台風たいふう第だい15号ごう）	Marie	58.8	西南せいなん西にし	1954年ねん9月26日にち	佐多岬さたみさき （鹿児島かごしま・燈台とうだい）
9	昭和しょうわ45年ねん台風たいふう第だい10号ごう	Anita	57.5	北西ほくせい	1970年ねん8月がつ21日にち	土佐とさ沖ノ島おきのしま （高知こうち・燈台とうだい）
10	昭和しょうわ5年ねん8月がつの台風たいふう （名称めいしょうなし）	-	57.0※	北東ほくとう	1930年ねん8月がつ9日にち	南大東島みなみだいとうじま （沖縄おきなわ）

※ - 測はか器うつわ破損はそんのため推定すいてい値ち

最大さいだい瞬間しゅんかん風速ふうそく

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	最大さいだい 瞬間しゅんかん 風速ふうそく （m/s）	風向ふうこう	観測かんそく年月日ねんがっぴ	観測かんそく地点ちてん
1	第だい2宮古島みやこじま台風たいふう （昭和しょうわ41年ねん台風たいふう第だい18号ごう）	Cora	85.3	北東ほくとう	1966年ねん（昭和しょうわ41年ねん）9月5日にち	宮古島みやこじま （沖縄おきなわ・気象きしょう官署かんしょ）
2	第だい2室しつ戸と台風たいふう （昭和しょうわ36年ねん台風たいふう第だい18号ごう）	Nancy	84.5	西南せいなん西にし	1961年ねん（昭和しょうわ36年ねん）9月16日にち	室戸岬むろとみさき （高知こうち・気象きしょう官署かんしょ）
3	平成へいせい27年ねん台風たいふう第だい21号ごう	Dujuan	81.1	南東なんとう	2015年ねん（平成へいせい27年ねん）9月28日にち	与那国島よなぐにじま （沖縄おきなわ・気象きしょう官署かんしょ）
4	第だい3宮古島みやこじま台風たいふう （昭和しょうわ43年ねん台風たいふう第だい16号ごう）	Della	79.8	北東ほくとう	1968年ねん（昭和しょうわ43年ねん）9月22日にち	宮古島みやこじま （沖縄おきなわ・気象きしょう官署かんしょ）
5	昭和しょうわ45年ねん台風たいふう第だい9号ごう	Wilda	78.9	東南東とうなんとう	1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）8月がつ13日にち	名瀬なぜ （鹿児島かごしま・気象きしょう官署かんしょ）
6	昭和しょうわ40年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Shirley	77.1	西南せいなん西にし	1965年ねん（昭和しょうわ40年ねん）9月がつ10日とおか	室戸岬むろとみさき （高知こうち・気象きしょう官署かんしょ）
7	枕崎まくらざき台風たいふう （昭和しょうわ20年ねん台風たいふう第だい16号ごう）	Ida	75.5	南南東なんなんとう	1945年ねん（昭和しょうわ20年ねん）9月17日にち	細島ほそじま （宮崎みやざき・燈台とうだい）
8	平成へいせい15年ねん台風たいふう第だい14号ごう	Maemi	74.1	北きた	2003年ねん（平成へいせい15年ねん）9月11日にち	宮古島みやこじま （沖縄おきなわ・気象きしょう官署かんしょ）
9	昭和しょうわ31年ねん台風たいふう第だい12号ごう	Emma	73.6	南みなみ	1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）9月8日にち	那覇なは （沖縄おきなわ・気象きしょう官署かんしょ）
10	昭和しょうわ39年ねん台風たいふう第だい20号ごう	Wilda	> 72.3	西にし	1964年ねん（昭和しょうわ39年ねん）9月25日にち	宇和島うわじま （愛媛えひめ・気象きしょう官署かんしょ）

強風きょうふう域いきが大おおきい台風たいふう（直径ちょっけい順じゅん）

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	年とし	強風きょうふう域いき最大さいだい直径ちょっけい (km)
1	平成へいせい9年ねん台風たいふう第だい13号ごう	Winnie	1997年ねん	2360
2	昭和しょうわ62年ねん台風たいふう第だい13号ごう	Freda	1987年ねん	2220
	平成へいせい2年ねん台風たいふう第だい12号ごう	Yancy	1990年ねん
	平成へいせい9年ねん台風たいふう第だい25号ごう	Keith	1997年ねん
5	令れい和わ3年ねん台風たいふう第だい18号ごう	Kompasu	2021年ねん	2200
6	平成へいせい7年ねん台風たいふう第だい12号ごう	Oscar	1995年ねん	2130
7	昭和しょうわ61年ねん台風たいふう第だい10号ごう	Sarah	1986年ねん	2040
	平成へいせい2年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Kyle	1990年ねん
	平成へいせい8年ねん台風たいふう第だい9号ごう	Herb	1996年ねん
10	昭和しょうわ56年ねん台風たいふう第だい24号ごう	Gay	1981年ねん	1940
	平成へいせい13年ねん台風たいふう第だい4号ごう	Utor	2001年ねん

連続れんぞくでの猛烈もうれつな勢力せいりょくの期間きかんが長ながい台風たいふう

順位じゅんい	台風たいふう	国際こくさい名めい	年とし	猛烈もうれつな勢力せいりょくであった期間きかん
1	昭和しょうわ53年ねん台風たいふう第だい26号ごう	Rita	1978年ねん	96時じ間あいだ
2	平成へいせい30年ねん台風たいふう第だい22号ごう	Mangkhut	2018年ねん	90時じ間あいだ
3	平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい16号ごう	Chaba	2004年ねん	78時じ間あいだ
4	令れい和わ元年がんねん東日本ひがしにっぽん台風たいふう (令れい和わ元年がんねん台風たいふう第だい19号ごう)	Hagibis	2019年ねん	72時じ間あいだ
	昭和しょうわ59年ねん台風たいふう第だい22号ごう	Vanessa	1984年ねん
	昭和しょうわ56年ねん台風たいふう第だい22号ごう	Elsie	1981年ねん
	昭和しょうわ54年ねん台風たいふう第だい20号ごう	Tip	1979年ねん
8	平成へいせい9年ねん台風たいふう第だい24号ごう	Joan	1997年ねん	66時じ間あいだ
9	平成へいせい24年ねん台風たいふう第だい17号ごう	Jelawat	2012年ねん	60時じ間あいだ
	平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい28号ごう	Yuri	1991年ねん
	平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Ruth	1991年ねん

その他たの記録きろく

南下なんかした台風たいふう（南下なんか幅はば順じゅん）

順位じゅんい	名称めいしょう	国際こくさい名めい	年とし	南下なんか幅はば (緯度いど)
1	平成へいせい15年ねん台風たいふう第だい18号ごう	Parma	2003年ねん	8.9
2	平成へいせい29年ねん台風たいふう第だい5号ごう	Noru	2017年ねん	8.2
3	平成へいせい5年ねん台風たいふう第だい27号ごう	Manny	1993年ねん	7.5
	平成へいせい16年ねん台風たいふう第だい25号ごう	Muifa	2004年ねん
5	昭和しょうわ61年ねん台風たいふう第だい14号ごう	Wayne	1986年ねん	6.9
6	平成へいせい12年ねん台風たいふう第だい15号ごう	Bopha	2000年ねん	6.7
7	平成へいせい3年ねん台風たいふう第だい20号ごう	Nat	1991年ねん	6.6
8	平成へいせい8年ねん台風たいふう第だい25号ごう	Ernie	1996年ねん	6.4
9	平成へいせい30年ねん台風たいふう第だい12号ごう	Jongdari	2018年ねん	6.3
10	昭和しょうわ39年ねん台風たいふう第だい14号ごう	Kathy	1964年ねん	6.2
	昭和しょうわ52年ねん台風たいふう第だい12号ごう	Dinath	1977年ねん
	昭和しょうわ59年ねん台風たいふう第だい25号ごう	Bill	1984年ねん
	令れい和わ4年ねん台風たいふう第だい11号ごう	Hinnamnor	2022年ねん

各かく番号ばんごうの台風たいふう

詳細しょうさいは「Category:台風たいふう (番号ばんごう別べつ)」を参照さんしょう

各かく年としの台風たいふう

詳細しょうさいは「年別ねんべつ台風たいふう記事きじ一覧いちらん」を参照さんしょう

特殊とくしゅな台風たいふう

複雑ふくざつな動うごきをする台風たいふう

詳細しょうさいは「複雑ふくざつな動うごきをする台風たいふう」を参照さんしょう

複雑ふくざつな進路しんろを辿たどり、時ときに進路しんろ予報よほうが難むずかしいことのある台風たいふうのこと。「迷走めいそう台風たいふう」とも呼よばれるが、気象庁きしょうちょうではこの用語ようごは用もちいられない。

長寿ちょうじゅ台風たいふう

詳細しょうさいは「長寿ちょうじゅ台風たいふう」を参照さんしょう

台風たいふうに発達はったつしてから熱帯ねったい低てい気圧きあつや温帯おんたい低てい気圧きあつに変かわるまでの期間きかんが長ながい台風たいふうのこと。対義語たいぎごは「短命たんめい台風たいふう」。前述ぜんじゅつの「複雑ふくざつな動うごきをする台風たいふう」が「長寿ちょうじゅ台風たいふう」になることが多おおい。

越境えっきょう台風たいふう

詳細しょうさいは「越境えっきょう台風たいふう」を参照さんしょう

太平洋たいへいようのうち、日本にっぽんの気象庁きしょうちょうが観測かんそく対象たいしょうとする範囲はんい (太平洋たいへいよう北西ほくせい部ぶ・南シナ海みなみしなかい) 以外いがいで、ハリケーンやサイクロンなどとして発生はっせいしたものが、観測かんそく範囲はんいの境界きょうかい線せんを越こえて「台風たいふう」と分類ぶんるいされるようになった熱帯ねったい低てい気圧きあつのこと。逆ぎゃくに台風たいふうが越境えっきょうしてハリケーンやサイクロンになったものを差さすこともある。

復活ふっかつ台風たいふう

詳細しょうさいは「復活ふっかつ台風たいふう」を参照さんしょう

1回かい以上いじょう勢力せいりょくが衰おとろえ、最大さいだい風速ふうそくが17.2m/s (33.5 kt) 以下いかの熱帯ねったい低てい気圧きあつとなってから、再ふたたび発達はったつし最大さいだい風速ふうそくが17.2m/s以上いじょうになって、「台風たいふう」になった熱帯ねったい低てい気圧きあつのこと。

越年えつねん台風たいふう

「年越としこし台風たいふう」とも呼よばれ、その名なの通とおり年ねんを跨またいで発生はっせいする台風たいふう。基本きほん的てきに12月に発生はっせいし翌年よくねんの1月がつに消滅しょうめつする。このような台風たいふうの出現しゅつげんは非常ひじょうに珍めずらしく、過去かこ（1951年ねん以降いこう）に5件けんしか例れいがない。越年えつねん台風たいふうの1つである2000年ねんの平成へいせい12年ねん台風たいふう第だい23号ごうは、20世紀せいきと21世紀せいきを跨またいだ、（観測かんそく記録きろくが残のこる範囲はんいで）過去かこ唯一ゆいいつの「世紀せいき越こし台風たいふう」でもあった。

越年えつねん台風たいふう一覧いちらん（UTC基準きじゅん）

台風たいふう	国際こくさい名めい	発生はっせい日び時じ（UTC）	消滅しょうめつ日び時じ（UTC）
昭和しょうわ27年ねん台風たいふう第だい27号ごう	Hester	1952年ねん12月28日にち 0時じ	1953年ねん1月がつ5日にち 12時じ
昭和しょうわ34年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Harriet	1959年ねん12月24日にち 0時じ	1960年ねん1月がつ2日にち 12時じ
昭和しょうわ52年ねん台風たいふう第だい21号ごう	Mary	1977年ねん12月21日にち 9時じ	1978年ねん1月がつ2日にち 18時じ
昭和しょうわ61年ねん台風たいふう第だい29号ごう	Norris	1986年ねん12月23日にち 0時じ	1987年ねん1月がつ2日にち 0時じ
平成へいせい12年ねん台風たいふう第だい23号ごう	Soulik	2000年ねん12月30日にち 0時じ	2001年ねん1月がつ4日にち 18時じ

台風たいふうの将来しょうらい予測よそく

「スーパー台風たいふう」も参照さんしょう

地球ちきゅう温暖おんだん化かが進すすんだ将来しょうらい、発生はっせいする台風たいふうの勢力せいりょくは現在げんざいよりも強つよくなり、いわゆる「スーパー台風たいふう」と呼よばれるような強力きょうりょくな台風たいふうの発生はっせいが増加ぞうかし、それによる日本にっぽんへの影響えいきょうなども含ふくめて増加ぞうかするであろうと懸念けねんされている。しかしその一方いっぽうで、台風たいふうの発生はっせい数すうは温暖おんだん化かにより現在げんざいよりも少すくなくなるともいわれている。

参考さんこう文献ぶんけん

• Typhoon Committee (2023年ねん). “Typhoon Committee Operational Manual Meteorological Component 2023 edition” (英語えいご). World Meteorological Organization. 2024年ねん9月がつ16日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2024年ねん9月がつ16日にち閲覧えつらん。
• 朝日新聞あさひしんぶん校閲こうえつ部ぶ「台風たいふう—タイフーンに漢字かんじ当あてる」『まっとうな日本語にほんご』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、2005年ねん9月がつ、42-43頁ぺーじ。ISBN 4-02-250054-9。 
• NHK放送ほうそう文化ぶんか研究所けんきゅうじょ 編へん『NHK気象きしょう・災害さいがいハンドブック』NHK出版しゅっぱん、2005年ねん11月。 
• 小倉おぐら義光よしみつ『一般いっぱん気象きしょう学がく』（第だい2版はん補ほ訂てい版ばん）東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2016年ねん3月がつ。ISBN 978-4-13-062725-2。 
• 新村しんむら出いずる「颱風たいふう小しょう記き」『国語こくご学がく叢くさむら録ろく』一条いちじょう書房しょぼう、1943年ねん11月、88-97頁ぺーじ。NDLJP:1126264/51。 『新村しんむら出いずる全集ぜんしゅう 第だい三さん巻かん』（1972年ねん5月がつ）所収しょしゅう。
• 高橋たかはし浩ひろし一郎いちろう『気象きしょうを見みる眼め』共立きょうりつ出版しゅっぱん〈科学かがくブックス21〉、1974年ねん。NDLJP:9582171/85。 
• 田中たなか博ひろし『地球ちきゅう大気たいきの科学かがく』共立きょうりつ出版しゅっぱん、2017年ねん6月がつ。ISBN 978-4-320-04711-2。 
• 坪つぼ木き和久かずひさ『激甚げきじん気象きしょうはなぜ起おこる』新潮社しんちょうしゃ〈新潮しんちょう選書せんしょ〉、2020年ねん5月がつ。ISBN 978-4-10-603856-3。 
• 日本にっぽん気象きしょう予報よほう士し会かい 編へん『身近みぢかな気象きしょうの事典じてん』新田にった尚しょう 監修かんしゅう、東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、2011年ねん5月がつ。 
• 二宮にのみや洸こう三さん、山岸やまぎし米よね二郎じろう、新田にった尚しょう『わかりやすい気象きしょうの用語ようご事典じてん』オおーム社むしゃ、1999年ねん8月がつ。 
• 平塚ひらつか和夫かずお 編へん『日常にちじょうの気象きしょう事典じてん』東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、2000年ねん3月がつ。 
• 山岸やまぎし米よね二郎じろう『日本にっぽん付近ふきんの低てい気圧きあつのいろいろ』東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん〈新あたらしい気象きしょう技術ぎじゅつと気象きしょう学がく〉、2012年ねん2月がつ。ISBN 978-4-490-20757-6。 
• 『最新さいしん 気象きしょうの事典じてん』和かず達いたる清夫すみお 監修かんしゅう（3版はん）、東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、1997年ねん4月がつ。 

関連かんれん項目こうもく

• 年別ねんべつ台風たいふう記事きじ一覧いちらん
• 極ごく低てい気圧きあつ（真冬まふゆの台風たいふうとも呼よばれる）
• 越境えっきょう台風たいふう
• 復活ふっかつ台風たいふう
• 複雑ふくざつな動うごきをする台風たいふう
• 台風たいふう情報じょうほう
• 自然しぜん災害さいがい
• 八朔はっさく - 二に百ひゃく十じゅう日にち - 二に百ひゃく二に十じゅう日にち
• 台風たいふうの目め
• 気象庁きしょうちょうが命名めいめいした自然しぜん現象げんしょうの一覧いちらん
• 豆まめ台風たいふう
• 袋ふくろ風ふう
• 岩崎いわさき卓たく爾なんじ
• モンスーンジャイア
• ウィリー・ウィリー

外部がいぶリンク

• 台風たいふうについて （日本語にほんご） - 気象庁きしょうちょう
• デジタル台風たいふう （日本語にほんご）
• TRMM台風たいふうデータベース （日本語にほんご）
• Typhoon21 （日本語にほんご）
• 世界せかいの熱帯ねったい低てい気圧きあつ・台風たいふうのリアルタイム情報じょうほう - WMO
• 台湾たいわん台風たいふう情報じょうほうセンター
• 台風たいふう科学かがく技術ぎじゅつ研究けんきゅうセンター - 横浜国立大学よこはまこくりつだいがく総合そうごう学術がくじゅつ高等こうとう研究けんきゅう院いん
• 『台風たいふう』 - コトバンク