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航空こうくう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボーイング747-400

航空こうくう(こうくう)とは、なんらかの装置そうちもちいて飛行ひこうすることである[1]

航空こうくうという言葉ことばフランス語ふらんすご語源ごげんとする "aviation" に対応たいおうした日本語にほんごであり、aviation はとり意味いみする "avis" と接尾せつびの "-ation" をわせた言葉ことばである[1][2][3]

概説がいせつ

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航空機こうくうき

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飛行ひこうもちいる装置そうち航空機こうくうきい、空気くうきよりかるい「けい航空機こうくうき」と空気くうきよりおもい「じゅう航空機こうくうき」に分類ぶんるいされ[4]航空こうくうという言葉ことば一般いっぱんじゅう航空機こうくうき飛行ひこうかんしてもちいられる[2]けい航空機こうくうきには気球ききゅう飛行船ひこうせんふくまれ、じゅう航空機こうくうきには固定こていつばさ回転かいてんつばさそなえた飛行機ひこうきグライダーヘリコプターなどがふくまれる[5]

民間みんかん軍事ぐんじ

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航空こうくうはその目的もくてきにより、「民間みんかん航空こうくう」と「軍事ぐんじ航空こうくう」にけることができる[1]民間みんかん航空こうくう軍事ぐんじ航空こうくう以外いがいすべての航空こうくう活動かつどうし、航空こうくう輸送ゆそう航空機こうくうきもちいた調査ちょうさ測量そくりょう航空こうくうスポーツなどがふくまれる[6]警察けいさつ消防しょうぼう海上保安庁かいじょうほあんちょうなどの公的こうてき航空こうくう活動かつどう民間みんかん航空こうくうふくむが、政府せいふ直轄ちょっかつする救難きゅうなん監視かんし目的もくてき活動かつどうふくまれない場合ばあいがある[1][6]

航空こうくう産業さんぎょう

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航空こうくうかんする産業さんぎょう航空こうくう産業さんぎょう」には、航空機こうくうき設計せっけい生産せいさん販売はんばい・メンテナンスにたずさわる「航空機こうくうき産業さんぎょう」、ひと貨物かもつとう輸送ゆそうする「航空こうくう運送うんそう」、そして航空機こうくうきもちいて運送うんそう以外いがい薬剤やくざい散布さんぷ写真しゃしん撮影さつえい広告こうこく宣伝せんでんなどをおこなう「産業さんぎょう航空こうくう」がふくまれる[7][8][9]航空こうくうをシステムとしてると、航空機こうくうき製造せいぞうしゃ航空機こうくうき運用うんようしゃ航空こうくう会社かいしゃなど)だけでなく、政府せいふ国際こくさい機関きかん大学だいがく研究けんきゅう機関きかん金融きんゆう機関きかんなどが密接みっせつかつ複雑ふくざつ関係かんけいしている[10]

学問がくもん

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航空こうくうかんする学問がくもん分野ぶんやには、航空こうくうのための技術ぎじゅつおよび科学かがくのあらゆる研究けんきゅう分野ぶんやふくめたひろ学問がくもんとして「航空こうくうがく」があり、飛行ひこうする航空機こうくうき各部かくぶはたら空気くうきりょくやその運動うんどうあつかう「航空こうくう力学りきがく」や、航空機こうくうき設計せっけい試験しけん製造せいぞうおよび運用うんようあつかう「航空こうくう工学こうがく」などがある[11][12][13][14]

その

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航空こうくう歴史れきし航空こうくうい、航空こうくう関連かんれんする事故じこ航空こうくう事故じこう。

歴史れきし

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航空こうくう歴史れきしを「航空こうくう」とう。

概略がいりゃくうと、おおむね中世ちゅうせい滑空かっくう実験じっけん歴史れきしからはじまり、ねつ気球ききゅう飛行船ひこうせん開発かいはつ運航うんこうなどの歴史れきして、その飛行機ひこうき多種たしゅ多様たよう航空機こうくうきにまつわる膨大ぼうだいりょうしょ活動かつどうがそこにふくまれる。航空機こうくうき産業さんぎょう航空こうくう会社かいしゃ歴史れきし航空こうくう行政ぎょうせい歴史れきしもここにはふくまれる。ひろくは、日本語にほんごで「航空こうくう宇宙うちゅう産業さんぎょう」などとばれる領域りょういき歴史れきしふくみ、その場合ばあいスペースシャトルなどの設計せっけい開発かいはつ運用うんようとう歴史れきしもここにはふくまれる[15]

目的もくてきによる分類ぶんるい

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民間みんかん航空こうくう

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民間みんかん航空こうくうえい: civil aviation)とは、軍事ぐんじ航空こうくう以外いがいすべての航空こうくう総称そうしょうであり、一般いっぱん航空こうくう航空こうくう運送うんそう事業じぎょうけられる。日本にっぽん航空こうくうほう英訳えいやくCivil Aeronautics Act[16]となっているとおり、民間みんかん航空こうくうたいする法律ほうりつである。

国際こくさいてきには、国際こくさい民間みんかん航空こうくう機関きかん (ICAO)が、技能ぎのう証明しょうめい航空こうくう規則きそく気象きしょう航空こうくう計測けいそく単位たんい運航うんこう安全あんぜん登録とうろくたいそらせい空港くうこうでの出入国しゅつにゅうこく通信つうしん装置そうち交通こうつう管制かんせい運用うんよう遭難そうなん救助きゅうじょ事故じこ調査ちょうさ飛行場ひこうじょう設計せっけい航空こうくう情報じょうほう収集しゅうしゅう伝達でんたつ方法ほうほう環境かんきょう保護ほご航空こうくう保安ほあん危険きけんぶつ輸送ゆそう安全あんぜん管理かんりかんして国際こくさい基準きじゅん勧告かんこく、ガイドラインを作成さくせいしている[17]

航空こうくう運送うんそう事業じぎょう

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民間みんかん企業きぎょうによっていとなまれている航空こうくうなかでも、とく旅客機りょかくき貨物かもつ使用しようする旅客りょかく貨物かもつ輸送ゆそう事業じぎょうしている。航空こうくう運送うんそうにな航空こうくう会社かいしゃ(エアライン)である。

日本にっぽん航空こうくうほう航空こうくう運送うんそう事業じぎょうは、「他人たにん需要じゅようおうじ、航空機こうくうき使用しようして有償ゆうしょう旅客りょかくまた貨物かもつ運送うんそうする事業じぎょう」と定義ていぎされ、国際こくさい航空こうくう運送うんそう事業じぎょう国内こくない定期ていき航空こうくう運送うんそう事業じぎょうとう区別くべつがある。かつて日本にっぽん航空こうくうほう航空こうくう運送うんそう事業じぎょう定期ていき航空こうくう運送うんそう事業じぎょう不定期ふていき航空こうくう運送うんそう事業じぎょう利用りよう航空こうくう運送うんそう事業じぎょうけていたが、現在げんざいその区別くべつはなくなっている。

航空機こうくうき使用しよう事業じぎょう

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日本にっぽん航空こうくうほうでは、「他人たにん需要じゅようおうじ、航空機こうくうき使用しようして有償ゆうしょう旅客りょかくまた貨物かもつ運送うんそう以外いがい行為こうい請負うけおいおこな事業じぎょう」と定義ていぎされている。

具体ぐたいてき事業じぎょう内容ないようは、写真しゃしん撮影さつえい報道ほうどう取材しゅざい農薬のうやく散布さんぷ操縦そうじゅう訓練くんれん送電そうでんせん巡視じゅんしなどであり、回転かいてんつばさヘリコプター)でおこなわれることがおおい。

一般いっぱん航空こうくう

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ジェネラルアビエーション(えい: general aviation, 一般いっぱん航空こうくう)とは、民間みんかん航空こうくうのうち航空こうくう運送うんそう事業じぎょうのぞいた、あらゆる航空こうくう活動かつどう概念がいねん用語ようごである。日本にっぽんでは「ジェネアビ」とりゃくされることもある。

ジェネラルアビエーションは以下いかの4つにおおきくけられる。

日本にっぽんでは自家用じかようかずすくないなどの事情じじょうがあるため、「ジェネアビ」といながらもっぱら「産業さんぎょう航空こうくう」をしていることがある。

軍事ぐんじ航空こうくう

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軍事ぐんじ航空こうくうとは、軍事ぐんじもちいる航空機こうくうき軍用ぐんよう)の設計せっけい開発かいはつ製造せいぞう運用うんよう利用りようしている。

結果けっかとして、航空機こうくうき利用りようした、直接的ちょくせつてき戦闘せんとう行動こうどう空中くうちゅうせんばくげきなど)や、地上ちじょう海上かいじょう軍事ぐんじ行動こうどう支援しえん偵察ていさつ輸送ゆそう連絡れんらくなど)といったぐん活動かつどうす。空軍くうぐんのそれがおおきな割合わりあいめるが、海軍かいぐん陸軍りくぐんそのぐん航空機こうくうき利用りようしておりそれらの活動かつどうす。

航空こうくう事故じこ

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航空こうくう関連かんれんする事故じことく航空機こうくうき運航うんこうちゅう事故じこ航空こうくう事故じこう。おもなものでは、墜落ついらく不時着ふじちゃく、オーバーラン、衝突しょうとつ火災かさいなどがある。

単位たんいけい計量けいりょう制度せいどへの影響えいきょう

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航空こうくうにおいては、ヤード・ポンドほう由来ゆらい単位たんいであるフィートマイル(航空こうくうにおいてはうみさとす)、ノット水銀柱すいぎんちゅうインチ標準ひょうじゅんてき使用しようされている。フィート、マイル、ノットは飛行機ひこうき降下こうかにおいてきわめて重要じゅうようかつ簡便かんべん計算けいさんしきあたえる[注釈ちゅうしゃく 1]水銀柱すいぎんちゅうインチは高度こうどけい規正きせい単位たんいもちいると高度こうどけい表示ひょうじ変化へんかがわかりやすくなる[注釈ちゅうしゃく 2]。このため国際こくさい単位たんいけい各国かっこく計量けいりょう制度せいど法令ほうれいにおいて目的もくてき限定げんていしたうえ使用しようみとめられている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 飛行機ひこうき通常つうじょう3降下こうかかく降下こうかするように設計せっけいされている。これを満足まんぞくするには「1000フィートの降下こうかに3マイルの飛行ひこう必要ひつよう」「ノット単位たんい対地たいち速度そくどに6をじょうじて単位たんいをフィートごとぶんえると適切てきせつ降下こうかりつになる」をもちいて計算けいさんするとよいことがられている。
  2. ^ フィート単位たんい高度こうどけいにおいて高度こうどけい規正きせいを0.1インチえると、高度こうどけい表示ひょうじは100フィート変化へんかする。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d 落合おちあい一夫かずお航空こうくう」『日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) / JapanKnowledge Lib』小学館しょうがくかんhttp://japanknowledge.com/lib/display/?lid=10010000825432015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  2. ^ a b 航空こうくう」『ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん だい項目こうもく事典じてん』ブリタニカ・ジャパンhttp://japan.eb.com/mb/article-1122352015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  3. ^ プログレッシブ英和えいわちゅう辞典じてん”. 2015ねん11月4にち閲覧えつらん
  4. ^ 落合おちあい一夫かずお航空機こうくうき」『日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) / JapanKnowledge Lib』小学館しょうがくかんhttp://japanknowledge.com/lib/display/?lid=10010000825562015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  5. ^ 航空機こうくうき」『ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん』ブリタニカ・ジャパンhttp://japan.eb.com/rg/article-038595002015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  6. ^ a b 民間みんかん航空こうくう」『ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん』ブリタニカ・ジャパンhttp://japan.eb.com/rg/article-117294002015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  7. ^ 東京大学とうきょうだいがく航空こうくうイノベーション研究けんきゅうかい, 鈴木すずき真二しんじ & 岡野おかのまさ 2012, 「まえがき」
  8. ^ 山田やまだすすむ航空機こうくうき産業さんぎょう現代げんだい産業さんぎょう」『情報じょうほう知識ちしき imidas 2015 / JapanKnowledge Lib』集英社しゅうえいしゃhttp://japanknowledge.com/lib/display/?lid=10010002909582015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  9. ^ 秋葉あきばあきら航空こうくう輸送ゆそう」『日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) / JapanKnowledge Lib』小学館しょうがくかんhttp://japanknowledge.com/lib/display/?lid=10010002909582015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  10. ^ 東京大学とうきょうだいがく航空こうくうイノベーション研究けんきゅうかい, 鈴木すずき真二しんじ & 岡野おかのまさ 2012, 「目的もくてき対象たいしょう範囲はんい
  11. ^ 落合おちあい一夫かずお航空こうくう力学りきがく」『日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) / JapanKnowledge Lib』小学館しょうがくかんhttp://japanknowledge.com/lib/display/?lid=10010000825562015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  12. ^ 航空こうくうがく」『ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん』ブリタニカ・ジャパンhttp://japan.eb.com/rg/article-038591002015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  13. ^ 航空こうくう工学こうがく」『ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん』ブリタニカ・ジャパンhttp://japan.eb.com/rg/article-038617002015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  14. ^ 航空こうくう力学りきがく」『ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん』ブリタニカ・ジャパンhttp://japan.eb.com/rg/article-038649002015ねん11月4にち閲覧えつらん 
  15. ^ たとえば、Millbrooke 1999 などがふくんでいる
  16. ^ 法務省ほうむしょう日本法令にほんほうれい外国がいこくやくデータベース
  17. ^ 国際こくさい民間みんかん航空こうくう機関きかん(ICAO) - 外務省がいむしょう

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 東京大学とうきょうだいがく航空こうくうイノベーション研究けんきゅうかい; 鈴木すずき真二しんじ; 岡野おかのまさ へん現代げんだい航空こうくうろん : 技術ぎじゅつから産業さんぎょう政策せいさくまで東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱんかい、2012ねんISBN 978-4-13-072150-9https://ci.nii.ac.jp/ncid/BB10227502 
  • Millbrooke, Anne Marie (1999), Aviation history, Jeppesen Sanderson, ISBN 0884872351 


関連かんれん項目こうもく

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公共こうきょう機関きかん関係かんけい

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業務ぎょうむ関係かんけい

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航空機こうくうき関連かんれん

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外部がいぶリンク

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