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なつ

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なつのシンボルのひとつ「ヒマワリ
真夏まなつ海辺うみべ 7がつ30にち
なつ風物詩ふうぶつしである風鈴ふうりん
なつものやし中華ちゅうか

なつ(なつ)は、四季しきのひとつで、はるあきにはさまれたぶし天文学てんもんがくまとには夏至げしから秋分しゅうぶんまで。太陽暦たいようれきでは6がつから9月し、陰暦いんれきでは4がつから6がつとなる[1]

四季しき区分くぶんのある土地とちではもっと気温きおんたかい、3かげつ程度ていど期間きかんである。北半球きたはんきゅうではグレゴリオれきの6がつ - 8がつごろ、南半球みなみはんきゅうでは12月 - 2がつごろである。

定義ていぎ[編集へんしゅう]

ダーウィン(オーストラリア)のなつ雷雨らいう
なつみのったイチジク

なつ期間きかんにはいくつかの定義ていぎがある。以下いか北半球きたはんきゅうでの定義ていぎで、南半球みなみはんきゅうでは半年はんとしずれる。

日本にっぽんにおける定義ていぎ[編集へんしゅう]

様々さまざま四季しき定義ていぎ[2]
分類ぶんるい はる なつ あき ふゆ
伝統でんとうてきぶし こよみがつ区切くぎ 旧暦きゅうれき正月しょうがつ新暦しんれき2がつごろ)~ 旧暦きゅうれきよんがつ(新暦しんれき5がつごろ)~ 旧暦きゅうれきなながつ(新暦しんれき8がつごろ)~ 旧暦きゅうれきじゅうがつ(新暦しんれき11がつごろ)~
ふしがつ区切くぎ 立春りっしゅん(2/3ころ)~ 立夏りっか(5/5ころ)~ 立秋りっしゅう(8/7ころ)~ 立冬りっとう(11/7ころ)~
気象きしょうがくてきぶし 3月~ 6月~ 9月~ 12月~
天文学てんもんがくてきぶし 春分しゅんぶん3/20ころ)~ 夏至げし6/21ころ)~ 秋分しゅうぶん9/22ころ)~ 冬至とうじ12/22ころ)~

日本にっぽんにおける「なつ(なつ)」の定義ていぎは、中国ちゅうごくれきの「なつ(xià)」の定義ていぎつよ影響えいきょうけたうえ近代きんだいにおいてグレゴリオれき付随ふずいする欧米おうべい文化ぶんかてき影響えいきょうけて複雑ふくざつ様相ようそうていしている。

中国ちゅうごくれき以外いがい暦法れきほうらなかったぜん近代きんだい時期じきには、中国ちゅうごくれきの「なつ(xià)」の定義ていぎ日本人にっぽんじんもそのままれざるをなかった。しかし、海洋かいようせい気候きこうであり、肝心かんじん夏至げし時期じきには梅雨つゆにより日射にっしゃさえぎられる日本にっぽんでは、前述ぜんじゅつ昼間ひるまながさと気温きおんのズレは中国ちゅうごくよりいちじるしくおおきくなる。日本にっぽん列島れっとうにおいては、気温きおんのピークは立秋りっしゅう時期じきにずれこむため、気温きおんがピークになるころには、なつわってあきはじまってしまっているという現象げんしょうしょうじることになる。このギャップが、現在げんざいでも「こよみうえでは…なつあき)ですが…(気温きおん実感じっかんまったちがいます)」というフレーズが天気てんき予報よほうなどで頻繁ひんぱんもちいられる原因げんいんとなっている。

近代きんだいはいり、グレゴリオれき採用さいようしてからは、この矛盾むじゅんからは建前たてまえじょう解放かいほうされた。しかし、日本人にっぽんじんがりなりにも中国ちゅうごくれき定義ていぎせんねん以上いじょう馴染なじんできたため、欧米おうべいがた定義ていぎではぶし到来とうらいがあまりにもおそすぎ、日本にっぽんにおいては、6がつ7がつ8がつの3かげつなつであるとすることが一般いっぱんてきである[3]日本にっぽんにおいては気象きしょうがくにおいても、この独自どくじ定義ていぎもちいられている。気象庁きしょうちょうでは最高さいこう気温きおんが25℃以上いじょうなつ(なつび)、30℃以上いじょう真夏まなつ(まなつび)とんでいる。気象庁きしょうちょう地球ちきゅう温暖おんだんヒートアイランドなどの影響えいきょう最高さいこう気温きおんが35℃以上いじょうになるえているという背景はいけいから、2007ねん平成へいせい19ねん)よりあらたに35℃以上いじょう猛暑もうしょ(もうしょび)という呼称こしょう使つかうことにめた。比較的ひかくてき寒冷かんれいである北海道ほっかいどう東北とうほく北部ほくぶ以外いがいでは、このような毎年まいとし7・8がつ中心ちゅうしんに6がつから9がつごろにかけてしょうじる(とし地域ちいきによっては、5月でもしょうじる場合ばあいもある)から、この時期じきのあたりがなつ範囲はんいはいることになろう。

欧米おうべい西にしアジアにおける定義ていぎ[編集へんしゅう]

西にしアジアから西にしヨーロッパ、きたアメリカにかけてのひろ地域ちいきでは、なつとは夏至げしから秋分しゅうぶんまでの1ねんの1/4の期間きかんすのが伝統でんとうてき定義ていぎである。これはメソポタミア文明ぶんめいにおいて成立せいりつした西洋せいよう占星術せんせいじゅつ伝統でんとうぐもので、西欧せいおう占星術せんせいじゅつにおいては、太陽たいよう春分しゅんぶんてん通過つうかする(太陽たいようけい0時期じきはるはじまりとし、これを新年しんねんとしていわっていた(正確せいかくには太陽たいよう太陰暦たいいんれきにより、春分しゅんぶんちか新月しんげつ新年しんねんとした。ユダヤれき参照さんしょう)。このかんがかたによれば、なつとは、太陽たいようけい90から180いたるまでの期間きかん、すなわちきょかにみやから処女しょじょみや通過つうかする期間きかんとなる。近代きんだい天文学てんもんがくにおける「北半球きたはんきゅうなつ」の正式せいしき定義ていぎも、やはりこれにしたがっている。

なお、ケルトじんなど西にしヨーロッパのほか民族みんぞくは、べつこよみっていたらしいことがられている。

中国ちゅうごくにおける定義ていぎ[編集へんしゅう]

これにたいして、中華ちゅうか文明ぶんめいにおいては、なつ (xià) とは立夏りっかから立秋りっしゅうまでの1ねん14期間きかんとして一貫いっかんして定義ていぎされてきた。これは、中国ちゅうごく暦法れきほうにおいては、太陽たいよう南中なんちゅう高度こうどもっとひくくなる冬至とうじを、「ふゆ」の中央ちゅうおうであると定義ていぎして、十二支じゅうにし最初さいしょつき基準きじゅんてんついたちだん冬至とうじ)としたことに由来ゆらいする。このかんがかたによれば、なつとは、夏至げしを「なつ」の中央ちゅうおうとする1ねん14期間きかんということになる。なお、中国ちゅうごくしき太陽たいよう太陰暦たいいんれき(いわゆる旧暦きゅうれき)においては、立夏りっかから立秋りっしゅう期間きかんもっとちかい3かげつまたは4かげつ閏月じゅんげつ場合ばあい)のあいだ、すなわち4がつから6がつまでのあいだなつとなる。

しかし、太陽たいようエネルギーを最大さいだいける時期じき夏至げしであっても、地球ちきゅうあたたまるまでには時間じかんがかかるので、この定義ていぎによれば、「なつ」が気温きおんもっとたか時期じきとずれる問題もんだいしょうじる。しかし、黄河こうが文明ぶんめい発祥はっしょうである華北かほく地方ちほうあたたまりやすくめやすい大陸たいりくせい気候きこうであって、立秋りっしゅうよりややまえ気温きおんのピークがて(小暑しょうしょ大暑たいしょ立秋りっしゅうには気温きおん低下ていか実感じっかんできるため、中国ちゅうごく北部ほくぶにおいては、かろうじて語義ごぎ矛盾むじゅんまぬかれている[4]

気候きこう自然しぜん[編集へんしゅう]

なつラベンダーはたけ富田とみたファーム)
なつ代表だいひょうする風物ふうぶつのひとつアサガオ海野うみの宿やど

北半球きたはんきゅうの)なつには、太陽たいようエネルギーの放射ほうしゃ北半球きたはんきゅうかたよるため、ハドレー循環じゅんかんフェレル循環じゅんかん中心ちゅうしんとする大気たいき循環じゅんかん全体ぜんたいとしておおきく北側きたがわ移動いどうすることになる。ちゅう緯度いど地帯ちたいにおいては、亜熱帯あねったい高気圧こうきあつ北上ほくじょうすることになるが、そのもたらす気候きこうは、大陸たいりく西岸せいがん大陸たいりく東岸とうがん対照たいしょうてき様相ようそうしめす。大陸たいりく西岸せいがんでは、亜熱帯あねったい砂漠さばく地帯ちたい形成けいせいする亜熱帯あねったい高気圧こうきあつがそのまま北上ほくじょうして、地中海ちちゅうかいせい気候きこう地域ちいき高温こうおん乾燥かんそうをもたらす。都市としによっては、亜熱帯あねったい高気圧こうきあつ西岸せいがん海洋かいようせい気候きこう地域ちいきまで北上ほくじょうすることがあり、西にしヨーロッパなどに猛暑もうしょ旱魃かんばつをもたらす。他方たほう大陸たいりく東岸とうがんでは、夏期かきモンスーン北上ほくじょうして、熱帯ねったい地方ちほう海上かいじょうから大量たいりょう湿気しっけはこび、温暖おんだん冬季とうき少雨しょうう気候きこう温暖おんだん湿潤しつじゅん気候きこう地域ちいき高温こうおん多湿たしつ多雨たうをもたらすのが一般いっぱんてきである。日本にっぽんおおくの地域ちいきでは、8がつ中心ちゅうしんに、亜熱帯あねったい高気圧こうきあつひとつである太平洋たいへいよう高気圧こうきあつひろおおわれてしまい、高温こうおん多湿たしつながら晴天せいてん持続じぞくすることが通常つうじょうである。日本にっぽんにおける稲作いなさくは、この太平洋たいへいよう高気圧こうきあつによる高温こうおん晴天せいてん到来とうらい前提ぜんていとして成立せいりつしているため、太平洋たいへいよう高気圧こうきあつ十分じゅうぶん北上ほくじょうしない場合ばあいには、東日本ひがしにっぽん太平洋たいへいようがわ中心ちゅうしん稲作いなさくだい打撃だげきをうける(冷夏れいか)。また、みなみアメリカのぞ大陸たいりく東岸とうがんにおいては、晩夏ばんか中心ちゅうしんに、亜熱帯あねったい高気圧こうきあつえん沿って移動いどうする台風たいふうハリケーンサイクロンおそわれることがある。

このように、大陸たいりく東岸とうがんなつ高温こうおん多雨たう時期じきであり、動植物どうしょくぶつ活動かつどうもっとさかんな時期じきとなる。ひがしアジアきたアメリカ東部とうぶ原産げんさんとする植物しょくぶつは、なつ生育せいいく中心ちゅうしん時期じきとするものが大変たいへんおおい。他方たほう大陸たいりく西岸せいがんにおいては、なつ高温こうおんであるが乾燥かんそうおそわれる時期じきでもあり、とくちいさな植物しょくぶつにとっては生育せいいくむずかしい時期じきでもある。地中海ちちゅうかい沿岸えんがん西にしアジアアフリカ南端なんたんケープタウン周辺しゅうへん原産げんさんとする草本そうほん中心ちゅうしんに、なつ休眠きゅうみん時期じきとする植物しょくぶつおおい。

農業のうぎょう従事じゅうじしゃ以外いがい(もしくはおもにその人々ひとびと構成こうせいされる社会しゃかいおも都市とし社会しゃかい)にとってはなつべつ意味いみつ。おも休息きゅうそく時期じき(その暑熱しょねつ気候きこう回避かいひまたはぎゃく享受きょうじゅ)であるが、それ以外いがい意味いみなつたせるれいおおい。詳細しょうさいは「ひと生活せいかつとのかかわり」で後述こうじゅつ

なつにとれるものはしゅん参照さんしょう

日長ひながとの関係かんけい[編集へんしゅう]

なつ日長ひながながくなる時期じきでもある。南中なんちゅう高度こうどたかくなるから、日照ひでりつよくなり、気温きおんたかくなるのもそのためである。ごく地方ちほうでは白夜はくやられる。

ひと生活せいかつとのかかわり[編集へんしゅう]

なつうみ
収穫しゅうかくされたなつ野菜やさい

ちゅう高緯度こういどおおくのくににとって、なつもっと活動かつどうてき時期じきである。

農業のうぎょうめんでも重要じゅうようぶしである。温帯おんたいでは「みのりのぶし」とはなつえたあきすことが通例つうれいである。ただし、大陸たいりく東岸とうがんにおいては穀物こくもつ果実かじつふくめたほとんどすべての作物さくもつの「収穫しゅうかく時期じき」となるが、大陸たいりく西岸せいがんではあきとはもっぱら果物くだもの収穫しゅうかく時期じきであり(フランス革命かくめいれき葡萄ぶどうがつ」)、なつはじめがむぎるい収穫しゅうかくいわ感謝かんしゃする時期じきである(キリスト教きりすときょうユダヤきょうの「ペンテコステ」)

日本の旗 日本にっぽん[編集へんしゅう]

一般いっぱんには、ぶしくらべて人々ひとびと行動こうどうてきになり、戸外こがい活動かつどうなどを積極せっきょくてきおこな時期じきであるが、真夏まなつ過酷かこくあつさを屋内おくないもる人々ひとびともいる。全般ぜんぱんてきには、なつ初期しょき中心ちゅうしん消費しょうひ活動かつどうさかんになるとされるが、晩夏ばんか時期じき消費しょうひなま時期じきであるとされる。

屋外おくがい活動かつどう旅行りょこうなどは、梅雨つゆ時期じきには、その悪天候あくてんこうからいちじるしく制約せいやくされるものの、九州きゅうしゅう以北いほく梅雨つゆけ、学校がっこう夏休なつやすはいる7がつ下旬げじゅんから活発かっぱつになり、一般いっぱんサラリーマンおおくが休暇きゅうか時期じきである8がつ中旬ちゅうじゅん東京とうきょう以外いがい大半たいはん地域ちいき月遅つきおくぼん時期じきとなる)を中心ちゅうしんにピークをむかえる。8がつ中旬ちゅうじゅん中心ちゅうしんとして、交通こうつう機関きかんはげしく混雑こんざつする。

衣類いるいのファッションについても、高温こうおんのため不可避ふかひてきはだ露出ろしゅつえることから、婦人ふじんふく中心ちゅうしん世間せけんから注目ちゅうもくされることがおおく、その露出ろしゅつ開放かいほうかんゆえのアピールりょくから、後世こうせい記憶きおくのこるファッションがまれることもある。

しかし、休暇きゅうか勉強べんきょうついやす必要ひつようがある受験生じゅけんせいなど、その熱気ねっきから距離きょりかざるをないひともいる。日本にっぽん企業きぎょう夏期かき休暇きゅうか西にしヨーロッパ諸国しょこくよりみじかうえに、関東かんとう地方ちほうから西にしでは、夏期かき休暇きゅうかにはまだとおい7がつなかぎには梅雨つゆけ、酷暑こくしょ時期じき到来とうらいしてしまうことから、社会しゃかいじんにとっては「あつなか仕事しごとをしなければならない時期じきである」というイメージもまたつよい。平成へいせい後期こうきごろからクールビズなど勤務きんむちゅうすずしい服装ふくそう奨励しょうれいされており、徐々じょじょ国内こくない浸透しんとうしつつあるものの、いまだそれとは無縁むえん真夏まなつ戸外こがいでもスーツネクタイ着用ちゃくよう余儀よぎなくされるひとすくなからずいる。

みじか夏期かき休暇きゅうか時期じきを、どもの世話せわわれる父母ちちははもまたおおい。高温こうおん日照ひでりめぐまれるなつは、作物さくもつ生長せいちょう同時どうじ雑草ざっそう繁茂はんもいちじるしく、除草じょそう技術ぎじゅつ除草じょそう手段しゅだん発達はったつであった時代じだい稲作いなさく農家のうかにとっては炎天下えんてんかでの除草じょそう作業さぎょうわれるきびしいぶしであった。

農業のうぎょう伝統でんとう行事ぎょうじ[編集へんしゅう]

農業のうぎょうにおいては、農閑期のうかんき農繁期のうはんき両方りょうほう側面そくめんぶしである。稲作いなさくでは梅雨つゆなえ成長せいちょうから盛夏せいかいね開花かいかいたるまで重要じゅうようで、冷害れいがい干害かんがい警戒けいかいおこたれないが、「田植たうえ」と「稲刈いねかり」のあいだ期間きかんにも位置いちする。イネの光合成こうごうせいもっとさかんな時期じきでもある。この時期じき次第しだい収穫しゅうかくまるともえる。害虫がいちゅうたいしては虫送むしおく行事ぎょうじおこな地域ちいきがあり、これを七夕たなばた行事ぎょうじとしてっている場合ばあいおおい。水不足みずぶそく危険きけんであるため、雨乞あまご儀式ぎしきは、七夕たなばたぼん行事ぎょうじとしておこなわれた。

なつ野菜やさい収穫しゅうかくである。農業のうぎょう主体しゅたい地域ちいきなつ行事ぎょうじ時期じき内容ないようは、この農作業のうさぎょうのサイクルに影響えいきょうけたところがおおきい。

なつ行事ぎょうじ[編集へんしゅう]

なつ風物ふうぶつ 花火はなび積丹半島しゃこたんはんとう

などがある。

ヨーロッパ[編集へんしゅう]

ヨーロッパ人々ひとびととくなつ渇望かつぼうする。高緯度こういどのため冬期とうきにはいちじるしく昼間ひるまみじかうえ悪天候あくてんこうつづ西にしヨーロッパきたヨーロッパ諸国しょこくでは、なつ唯一ゆいいつの「太陽たいようぶし」であり、20世紀せいき以降いこう西にしヨーロッパ諸国しょこく労働ろうどうしゃは、なが夏期かき休暇きゅうかバカンス)をとることが通例つうれいとなった。アルプス以北いほくしょ国民こくみんは、公園こうえんなどで日光浴にっこうよくをしたり、さら太陽たいよう高温こうおんもとめて地中海ちちゅうかい方面ほうめんなどへ旅行りょこうかけるもの大変たいへんおおい。地中海ちちゅうかいせい気候きこうみなみヨーロッパにおいても、ふゆ比較的ひかくてき温暖おんだんではあるがあめおお日照ひでりすくないぶしでもあるため、なつ太陽たいようもとめる重要じゅうようぶしとなる。スペインイタリアなどでも、なつはバカンスのぶしであり、労働ろうどうしゃやすみをとって浜辺はまべす。また、スペインのサン・フェルミンさい牛追うしおまつり)やイタリアの馬術ばじゅつまつりなど、熱狂ねっきょうてきなつまつりも一部いちぶられる。

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく[編集へんしゅう]

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく場合ばあい労働ろうどうしゃ夏期かき休暇きゅうかはヨーロッパほどながくないが、休暇きゅうかぶしであることにわりはい。また、学校がっこう年度ねんどまつにあたり、しかも6がつには終業しゅうぎょうしてしまうので、学校がっこう夏休なつやすみは正真正銘しょうしんしょうめい長期ちょうき休暇きゅうかとなる。この時期じき高校生こうこうせいから大学院生だいがくいんせいまで、エクスターンアルバイトボランティア活動かつどうなどの多彩たさい社会しゃかい経験けいけんおこなうことが通例つうれいとされている。欧米おうべい大半たいはんスポーツあきはじまり初夏しょかわるシーズンを採用さいようしており、アメリカにおいても(野球やきゅうのぞく)おおくのスポーツがシーズンオフになる。ヨーロッパにおいても共通きょうつうであるが、このシーズンオフを使つかって、スポーツの国際こくさい大会たいかいひらかれることがおおい。近年きんねん夏季かきオリンピックが7・8がつ開催かいさいされることおおいのは、こうした事情じじょうによる。

なつにかけて気温きおん上昇じょうしょうするにつれ犯罪はんざいえる傾向けいこうがあるが、アメリカの場合ばあいじゅう発砲はっぽうがからむ、治安ちあんわる都市としでは若者わかもののギャング集団しゅうだん同士どうし縄張なわばあらそいが激化げきかするといった特徴とくちょうくわわる。これは、あつくなると路上ろじょう歩道ほどうごす時間じかんえ、若者わかもの同士どうし口論こうろんがエスカレートして銃撃じゅうげき殺人さつじんきやすくなるとするせつがある[5]

西にしアジア[編集へんしゅう]

西にしアジアなつ極度きょくどあつく、人々ひとびと昼間ひるまいえもって、よる交際こうさいものたのしむ生活せいかつおくる。にちちゅう気温きおんは40℃から50℃にたっすることもあり、湿度しつどたかく、よるになっても30℃を下回したまわらないこともおおい。しかもほとんどあめらず、乾燥かんそう地帯ちたいでは砂嵐すなあらし頻繁ひんぱん発生はっせいするため、なつ不用意ふようい出歩であるくことは,生命せいめい危険きけん直結ちょっけつする。

みなみアジア・東南とうなんアジア[編集へんしゅう]

インドなどみなみアジア東南とうなんアジアでは、なつモンスーンによる雨季うきとなり、雨期うき直前ちょくぜん酷暑こくしょより気温きおん低下ていかする。この雨季うき降雨こううみなみアジア・東南とうなんアジアの農業のうぎょうにとって生命せいめいせんであり、国民こくみんにとっての気象きしょうかんするさい重要じゅうよう関心事かんしんじである。インドでは気象きしょうきょくがモンスーンがインド半島はんとうのどこまで到来とうらいしているかを詳細しょうさい実況じっきょう予測よそくして国民こくみん提供ていきょうしている。その実況じっきょうはあたかも日本にっぽんにおけるさくら前線ぜんせんのようなかたちえがかれる[6]

南半球みなみはんきゅう[編集へんしゅう]

南半球みなみはんきゅう場合ばあいクリスマスなつ行事ぎょうじとしておこなう(オーストラリア各国かっこく)・カーニバル軽装けいそう服装ふくそうおこなわれる(ブラジルなど)など、ヨーロッパでのふゆ行事ぎょうじなつ行事ぎょうじとしていわうことになる。

なつ天文てんもん自然しぜん[編集へんしゅう]

星座せいざ[編集へんしゅう]

なつだい三角さんかく

北半球きたはんきゅうでは、なつ夜空よぞら目立めだつのは、そらかわへだててかいことわし、そのあいだにあるはくちょうである。それぞれにふくまれる一等星いっとうせいであるベガアルタイルデネブむすんだものをなつだい三角さんかくという。このベガを織女しょくじょ、アルタイルを牽牛けんぎゅうとして両者りょうしゃ夫婦ふうふなし、としいちだけ出会であえる、という伝説でんせつ七夕たなばたのいわれである。

みなみそらではさそり姿すがたあらわす。これはふゆオリオンえに出入でいりすることで有名ゆうめいである。

植物しょくぶつ[編集へんしゅう]

ミズバショウ雨竜沼湿原うりゅうぬましつげん

日本にっぽん炎天下えんてんかはなとしてはヒマワリサルスベリ有名ゆうめいなつ風物詩ふうぶつしとしてはアサガオ代表だいひょうかく日本にっぽんなつ本番ほんばんといわれる7がつ・8がつはすでに日長ひながみじかくなりはじめる時期じきたり、そのころに植物しょくぶつ往々おうおうにしてたん植物しょくぶつである。

高山こうざんでは高山たかやま植物しょくぶつ一斉いっせいはなかせる。なつわりにはをつけ、みじか活動かつどう期間きかんえる。「なつおも」というにはミズバショウがでるが、はるはなであり、なつには2mにもなるおおきなをつけている。

また、なつ後半こうはんには高温こうおん水不足みずぶそくのために植物しょくぶつ衰弱すいじゃくこす場合ばあいがあり、ときには落葉らくようこる場合ばあいがある。

昆虫こんちゅう[編集へんしゅう]

日本にっぽんなつ(盛夏せいか)にもっとも目立めだつのはセミである。だい部分ぶぶんのセミがなつ出現しゅつげんし、それぞれにごえひびかせる。むしあきのものとかんがえられがちだが、キリギリスなつ最盛さいせいである。

カブトムシクワガタムシなつのものとかんがえられている。クワガタムシには成虫せいちゅうとしすものがおおいが、カブトムシはなつだけ成虫せいちゅうあらわれる。ほかにもスズメバチカナブンなど、様々さまざま昆虫こんちゅう樹液じゅえき醗酵はっこうしたものにあつまるので、昆虫こんちゅう場所ばしょ合戦かっせんられる。子供こども昆虫こんちゅう採集さいしゅう目当めあてのひとつでもある。もっとも、なつりには昆虫こんちゅうすくなくなり、昆虫こんちゅう採集さいしゅうはこれをぞく夏枯なつがれという。昆虫こんちゅう一番いちばんおお時期じき初夏しょかである。

また、ホタルなつ風物詩ふうぶつしである。

うみ生物せいぶつ[編集へんしゅう]

なつ海岸かいがんがややさびれる。海藻かいそうるいしゅとしてはるから初夏しょかりをむかえ、そのおとろえる。これは、温度おんど上昇じょうしょうして活動かつどうさかんになるにつれ、肥料ひりょうぶんがあっという消費しょうひされてそれがとぼしくなるためとわれる。ホンダワラるい根元ねもとれて海面かいめんただよいでて、ながとなる。

他方たほう日本にっぽんでは黒潮くろしお影響えいきょうつよくなり、初夏しょかにはカツオりとなる。なつ後半こうはんにはさらにカツオノエボシなどが沿岸えんがん近寄ちかよるようになる。また、ウミガメ産卵さんらんのために海岸かいがんにやってくる。

なつ題材だいざいにした作品さくひん[編集へんしゅう]

文学ぶんがく[編集へんしゅう]

音楽おんがく[編集へんしゅう]

和楽わらく唱歌しょうか童謡どうようなど[編集へんしゅう]

クラシック[編集へんしゅう]

ポピュラーけい[編集へんしゅう]

参照さんしょう[編集へんしゅう]

  1. ^ なつ(なつ) - 語源ごげん由来ゆらい辞典じてん”. gogen-allguide.com. 2019ねん8がつ5にち閲覧えつらん
  2. ^ こよみWiki/ぶし - 国立こくりつ天文台てんもんだいれき計算けいさんしつ”. eco.mtk.nao.ac.jp. 2024ねん3がつ14にち閲覧えつらん
  3. ^ 温暖おんだん日本にっぽん四季しき変化へんか 「梅雨つゆ」がぶしになる可能かのうせい”. NEWSポストセブン (2020ねん12月7にち). 2021ねん1がつ4にち閲覧えつらん
  4. ^ なぜずれる? じゅうよん節気せっきぶしかん(No.0702)”. koyomi8.com. 2019ねん8がつ5にち閲覧えつらん
  5. ^ 1にちで21にん銃撃じゅうげき被害ひがい2人ふたり死亡しぼう 治安ちあん改善かいぜんしたはずのシカゴで”. CNN (2018ねん6がつ21にち). 2018ねん6がつ28にち閲覧えつらん
  6. ^ アーカイブされたコピー”. 2010ねん12月24にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2011ねん3がつ3にち閲覧えつらん
  7. ^ なつ景色けしき”. 東京とうきょう小唄こうた清元きよもと三味線しゃみせん教室きょうしつ (2010ねん2がつ13にち). 2023ねん10がつ26にち閲覧えつらん
  8. ^ 納涼のうりょう/童謡どうよう唱歌しょうか」の歌詞かし って「イイネ!」”. www.uta-net.com. 2023ねん10がつ26にち閲覧えつらん
  9. ^ たき廉太郎れんたろうによる混声こんせい合唱がっしょうきょくしゅう組歌くみうた 四季しきたき 廉太郎れんたろう”. 合唱がっしょう楽譜がくふのパナムジカ. 2023ねん10がつ26にち閲覧えつらん
  10. ^ ほたるこい/とりネット/鳥取とっとりけん公式こうしきサイト”. www.pref.tottori.lg.jp. 2023ねん10がつ26にち閲覧えつらん
  11. ^ 童謡どうよう「せみのうた」歌詞かし”. kashinavi.com. 2023ねん10がつ26にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]