ユダヤ教きょう

ユダヤ教きょう
	;
国くに・地域ちいき	イスラエルなど
信者しんじゃ数すう	1450万まん人にん～1740万まん人にん
成立せいりつ年ねん	紀元前きげんぜん1280年ねん頃ごろ（モーセの十戒じっかい）
信仰しんこう対象たいしょう	唯一ゆいいつ神かみ（ヤハウェ）
聖典せいてん	タナハ（旧約きゅうやく聖書せいしょ）
母体ぼたい	キリスト教きりすときょう
宗派しゅうは	正統せいとう派は; 保守ほしゅ派は; 伝統でんとう派は; シャブタイ派は; 改革かいかく派は; 再建さいけん派は; カライ派は; フランク派はなど;
聖地せいち	イスラエル・エルサレム; エジプト・シナイ山さん
教義きょうぎ	唯一ゆいいつ神かみヤハウェを信仰しんこうし、神かみの律りつ法ほうに従したがうユダヤ人じん(ヘブライ語ごで"ヤハウェを讃たたえる"という意味いみ)は救すくわれるとする選民せんみん思想しそうを持もつ
	テンプレートを表示ひょうじ

ユダヤ教きょう（ユダヤきょう、ヘブライ語ご: יהדות‎^{[注ちゅう 1]}）は、ユダヤ民族みんぞくの民族みんぞく宗教しゅうきょうである一神教いっしんきょう。ユダヤ民族みんぞくは唯一ゆいいつ神かみ（ヤハウェ）を信仰しんこうし、アブラハムの子孫しそんであるユダヤ人じんに伝つたえられたヘブライ語ご聖書せいしょを聖典せいてんとして先祖せんぞ代々だいだい受うけ継つぐ集団しゅうだんである。ヘブライ語ご聖書せいしょは、キリスト教きりすときょうで旧約きゅうやく聖書せいしょと呼よんでいるもので、ユダヤ教きょうではタナハと呼よぶ。

概要がいよう

『タナハ』 (ヘブライ語ごラテン文字もじ転記てんき：tanakh)、『ミクラー』 (miqra') と呼よばれる書しょを聖典せいてんとする。これはキリスト教きりすときょうの『旧約きゅうやく聖書せいしょ』に当あたる書物しょもつである。ただし、成立せいりつ状じょう況きょうが異ことなるので、キリスト教きょうとは書物しょもつの配列はいれつが異ことなる。イスラム教いすらむきょうでも『モーセ五ご書しょ』は『コーラン』に次ついで重要じゅうよう視しされる。ユダヤ教きょうでは、この他ほかにタルムードをはじめとしたラビ文献ぶんけんも重視じゅうしする。

しかし、ユダヤ教きょうは信仰しんこう、教義きょうぎそのもの以上いじょうに、その前提ぜんていとしての行為こうい・行動こうどうの実践じっせんと学究がっきゅうを重視じゅうしし、キリスト教きょう、特とくにルター主義しゅぎとは違ちがう^{[注ちゅう 2]}。タルムードとは複数ふくすうのラビの意見いけんが集約しゅうやくされたものであり、聖書せいしょの矛盾むじゅんを解消かいしょうするための説明せつめいもあれば、あまり洗練せんれんされていない教おしえもある。普遍ふへん的てきに通つうじる道徳どうとく的てきな教おしえもある一方いっぽうで、儀式ぎしき的てきで普遍ふへん的てきではないものもある。例たとえば、アミーダー・アーレーヌー・ムーサーフなどを含ふくんだシャハリート・ミンハー・マアリーブを行おこなわないこと、シェマア・イスラーエールを唱となえないこと、ミクラーを読よまないこと、食事しょくじの前まえとトイレの後のちの手洗てあらいと祈いのりを行おこなわないこと、戸口とぐちのメズーザーに手てを当あてて祈いのりを行おこなわないこと、カシュルートを実行じっこうしないこと、タルムード・トーラー、ベート・ミドラーシュ、イェシーバー、コーレールなどミクラーとラビ文献ぶんけんの研究けんきゅうを行おこなわないこと、シャッバートを行おこなわないこと、パーラーシャーを読よまないことなどである。ユダヤ教きょうにおいて信仰しんこうとは善行ぜんこうという土台どだいに基もとづくもので、信しんじるだけで救すくわれるという講義こうぎをするラビはとても考かんがえられない。そのため改宗かいしゅうにも時間じかんがかかり、単たんなる入信にゅうしんとは大おおきく異ことなる^{[注ちゅう 3]}。

以下いかに挙あげるのは儀式ぎしき的てきな異教いきょう由来ゆらいのものである

現代げんだいラビユダヤ教徒きょうとの務つとめ
カシュルートを実行じっこうする
シャッバートを実行じっこうする
地上ちじょうの動物どうぶつは全すべてシェヒーターを行おこなう
家いえに入はいるごとに、メズーザーに手てを当あてて祈いのる
ヘデルでの研究けんきゅう。
タッカーノート
イエメン・ユダヤ人じんのショーファール（角笛つのぶえ）
リンモーニーム、香炉こうろ
ネール・ターミード
改宗かいしゅう手続てつづき（ユダヤ人じんの場合ばあいは生後せいご8日にち以内いない）のベリート・ミーラー（割礼かつれい）で使用しようする道具どうぐ一式いっしき
改宗かいしゅう手続てつづきで使用しようするミクワー（ミクヴェ）

ユダヤ教きょうでは、以前いぜんの状態じょうたいに関係かんけいなく、「地上ちじょうの全すべての民みんが^[2]」聖せいなるものに近ちかづくことができる、救すくいを得えることができる、と考かんがえる。ダビデやマナセなどは、神かみに対たいして罪つみを犯おかしたが、悔くい改あらためた。また神かみはアブラハムの子こからイサクだけを、イサクの子こからはヤコブだけを選えらんだ。

すなわち、出自しゅつじや血縁けつえんよりも教徒きょうととしての行動こうどうが重要じゅうよう視しされることも多おおい。非ひユダヤ人じんも神かみの下僕げぼくとなり、神かみとの契約けいやくを守まもるならユダヤ教徒きょうとになることができるとされる^[3]。反対はんたいにイスラエルの子孫しそんであっても偶像ぐうぞう崇拝すうはいなどの罪つみを犯おかせば、サマリア人じんのように祝福しゅくふくから漏もれてしまう。

ユダヤ教きょうを信仰しんこうする者ものをユダヤ人じんと呼よぶため、初期しょきのキリスト教徒きりすときょうとはすべてユダヤ人じんだった。「ユダヤ人じんキリスト教徒きりすときょうと」という呼称こしょうも成立せいりつする。これはイエスがモーセの預言よげんしたメシアであることによる。

このように、内面ないめん的てきな信仰しんこうを育はぐくむために行動こうどう・生活せいかつを重視じゅうしし、また唯一ゆいいつの神かみは遍在へんざい（ヘブライ語ごラテン文字もじ転記てんき：maqom）すると考かんがえる傾向けいこう（特とくにハシディズムに良よく現あらわれる概念がいねん）がある(キリスト教きょうと共通きょうつうする)ため、ユダヤ教きょうの内部ないぶにはイスラム教いすらむきょう的てきな意味いみでの排他はいた性せいは存在そんざいしない^{[要よう出典しゅってん]}。

ラビユダヤ教きょうの7つの戒いましめとは、タルムードの記載きさいによれば神かみがノアを通つうじて全ぜん人類じんるいに与あたえたものといわれる七ななつの戒いましめのことである。7つの戒いましめを守まもろう道みちもユダヤ教きょう並なみの神かみへ帰かえる道みちであるとされる。

ユダヤ戒律かいりつの一部いちぶは他たの宗教しゅうきょうもみられる。たとえばユダヤ仏教ぶっきょう、ユダヤ=ヒンドゥー教きょうなどがある。

教義きょうぎ・信仰しんこう

ユダヤ教徒きょうとは聖書せいしょを学まなび常つねに神かみに近ちかづくために努力どりょくする。タルムードやミドラーシュや偽にせ典てんなども使つかわれる。タルムードは2世紀せいき頃ごろからユダヤ人じんの間あいだで幾いくたびも議論ぎろんの末すえに改良かいりょうを重かさねられてきたラビの意見いけんを編纂へんさんしたもので、聖書せいしょを編纂へんさんする際さいに漏もれた話はなしなどが載のっている^[4]。

メシア思想しそう

メシア（救世主きゅうせいしゅ）が来臨らいりんし，人々ひとびとを救すくうという預言よげんがある。神かみの国くにとは見みえる形かたちでやって来くるものではなく、また地上ちじょうのものでもなく、天てんにいる神かみと御ご使しと聖徒せいと達たちのものである。

メシアはダビデ王おうの末裔まつえいとされ，彼かれは地上ちじょうにメシア的てき王国おうこくと呼よばれる王国おうこくを樹立じゅりつするとされる。（このメシアがイエスであるとするのがキリスト教きりすときょうである。）

教育きょういく

ユダヤ教きょうにおいて最もっとも特徴とくちょうのある分野ぶんやは教育きょういくであり、ユダヤ教徒きょうとは教育きょういくこそが身みを守まもる手段しゅだんと考かんがえ、国くにを守まもるには兵隊へいたいを生うみ出だすよりも子供こどもによい教育きょういくを受うけさせるべきとされている。そのため一般いっぱん大衆たいしゅうのほとんどが文盲もんもうだった紀元前きげんぜんからユダヤ人じんの共同きょうどう体たいでは授業じゅぎょう料りょうを無料むりょうとする公立こうりつ学校がっこうが存在そんざいしていた。平均へいきん的てきなユダヤ教徒きょうとは非常ひじょうに教育きょういく熱心ねっしんで、また所得しょとく水準すいじゅんも高たかい。家庭かていでは子供こどもに聖書せいしょの知識ちしきを教おしえるように推奨すいしょうされる。また子供こどもでも神かみの知識ちしきがあれば神かみの知識ちしきのない老人ろうじんよりも優すぐれているとされ、ユダヤでは8歳さいで王おうになったものもいる。

シェオール、ハデスなどと呼よばれる死後しごの世界せかいが存在そんざいするとされる。そこで悪人あくにんは滅ほろぼされる。

また天てんというのは見みえる天てん(空そら)と見みえない天てんがある。

死後しごの審判しんぱんの時ときに、律りつ法ほうを守まもっていたものが救すくわれる。

またカバラ神学しんがくでは、魂たましいは個体こたいの記憶きおくの集合しゅうごう体たいであり、唯一ゆいいつ神かみはすべての生命せいめいに内在ないざいし、ただ唯一ゆいいつ神かみは永遠えいえんの魂たましい(命いのちの木き)である。個体こたいが善悪ぜんあくを分わかち、銘々めいめいの記憶きおくは神かみへ帰かえっている。神かみはただ記憶きおくを収集しゅうしゅうし、善悪ぜんあくを分わかたない。神かみでは、善ぜんの記憶きおくが再さい創造そうぞうの素材そざいになり、悪あくの記憶きおくがなくなる。

カバラでは以下いかのような寓話ぐうわがある：毎年まいとし贖罪しょくざいの日ひではすべての生命せいめいは死しんで、生いき返かえり、悪あくもなくなる。あるいは、毎年まいとし角すみ笛吹うすいきの祭さいから贖罪しょくざいの日ひまでの間あいだにすべての生命せいめいは死しんで、記憶きおくが神かみへ帰かえった。贖罪しょくざいの日ひから光ひかりの祭まつりまでの間あいだに神かみは再さい創造そうぞうし、善ぜんの記憶きおくがすべての生命せいめいへ帰かえった。死亡しぼうはただ贖罪しょくざいの日ひと同おなじである。

労働ろうどう

労働ろうどうは神かみの行おこなった行為こういのひとつであるため、神聖しんせいな行為こういと考かんがえられている。そして、安息日あんそくびと呼よばれる休日きゅうじつを週しゅう1回かいは必かならず行おこなうべきであり、安息日あんそくびの間あいだは労働ろうどうはしてはならず、機械きかいに触ふれてもいけない。自分じぶん自身じしんを見みつめ、自分じぶんと対話たいわしたり、家族かぞくと対話たいわしたりする。

人間にんげんは創造そうぞう主ぬしの代かわりに労働ろうどうをする存在そんざいとして作つくられたとされる。労働ろうどうにより得えた賃金ちんぎんや物質ぶっしつは一部いちぶを創造そうぞう主ぬしに捧ささげなければならない。

性せい

ユダヤ教きょうでは性せい衝動しょうどうや性行為せいこういは自然しぜんなもので、必要ひつよう悪あくと見みなすことは無ない。夫婦ふうふの性行為せいこういはそれを捻ねじ曲まげることがむしろ罪ざいであるとされる。また、快楽かいらくを伴ともなわない性行為せいこういも罪つみであるとされる。

ただし妊娠にんしん・出産しゅっさんを重視じゅうしする教義きょうぎのために、保守ほしゅ的てきな派閥はばつの一部いちぶには、自慰じい行為こういを悪あくとみなす意見いけんが存在そんざいする。

ミシュナーに記述きじゅつされたイェフーダー・ハン＝ナーシーの言葉ことばによると、女性じょせいは3歳さいと1日にちになったら結婚けっこんをすることができる^[5]。ニッダーとサンヘドリンの記述きじゅつによると、3歳さいと1日にちの少女しょうじょは父親ちちおやの許可きょかの下した、性行為せいこういによって婚約こんやくする^[6]^[7]。ラビ・メイルは、2歳さいと1日にちの少女しょうじょも性交せいこうによって婚約こんやくすることができると述のべている^[8]。ラヴ・ヒスダは3歳さい以下いかの少女しょうじょは性交せいこうで処女しょじょ膜まくが破やぶれたとしても再生さいせいすると述のべており^[9]、例たとえそれが改宗かいしゅう者しゃや捕虜ほりょや元もと奴隷どれいだったとしても、その少女しょうじょが3歳さいと1日にちよりも年少ねんしょうの場合ばあいは処女しょじょとみなされ、結婚けっこん契約けいやく額がくが支払しはらわれるとケトゥボットに記しるされている^[10]。アヴォダー・ザラー37aには、異教徒いきょうとの少女しょうじょは3歳さいと1日にちで性行為せいこういに適てきするという章句しょうくがある^[11]^[12]。異邦いほう人じんの娘むすめであるユスティニアは、6歳さいで結婚けっこんし、7歳さいで出産しゅっさんしたというが、一般いっぱん的てきには女性じょせいは12歳さいと1日にちになれば妊娠にんしんに適齢てきれいであると考かんがえられていた^[13]^[6]^[14]。

第だい一律いちりつ法ほうと第だい二に律りつ法ほう

モーセが神かみから受うけた律りつ法ほうを第だい一律いちりつ法ほう、ユダヤ人じんの罪つみによって加くわえられた律りつ法ほうを第だい二に律りつ法ほうという。第だい一律いちりつ法ほうは主おもに道徳どうとくについて、第だい二に律りつ法ほうは主おもに儀式ぎしきや祭日さいじつや生いけ贄にえについてである^[15]。第だい二に律りつ法ほうはユダヤ人じんが自分じぶん達たちの救世主きゅうせいしゅをどうやって殺ころすかということをヤハウェが予言よげんしたものである。第だい一律いちりつ法ほうは「あなたの神かみヤハウェを愛あいしなさい」が中心ちゅうしんとなり、あらゆることに応用おうようされる。ヤハウェは人間にんげんを霊れいにおいて自分じぶんの似に姿すがたに創つくったので、ヤハウェを愛あいする人間にんげんは人間にんげんも愛あいさなければならない。ヤハウェとヤハウェの霊れいは一ひとつであり、それに対応たいおうして人間にんげんは男女だんじょに作つくられた。そのためヤハウェが永遠えいえんに一ひとつであり、他たに神かみがいないので、男女だんじょの結婚けっこんも同様どうように永遠えいえんに一ひとつでなければならない。結婚けっこんを禁きんじてはいけない。他たの神かみ々を拝おがんではならないように、結婚けっこんした者もの以外いがいとの性交せいこうは禁きんじられる。また全すべてがヤハウェの物ものであるので、盗ぬすんではいけない。人間にんげんはヤハウェの似に姿すがたであるので、人間にんげんを殺ころしてはいけない。天地てんちの全すべての物ものはヤハウェが創つくったものであるので、ヤハウェに捧ささげ物ぶつをしてはいけない。ヤハウェは食物しょくもつのために植物しょくぶつを創つくったので、動物どうぶつを食たべてはいけない。ヤハウェは常つねに聖きよしでありその知恵ちえは止とまることなく流ながれ続つづけるので、安息日あんそくびだけでなく日々ひび聖ひじりでなければならない。悪あくを断たたなければならないので、ヤハウェは断食だんじきを求もとめない。心しんを覆おおう悪あくを取とり除のぞかなければならないので、ヤハウェは割礼かつれいを求もとめない。第だい二に律りつ法ほうには割礼かつれいのない人間にんげんは祭まつりのときにエルサレムで犠牲ぎせいの肉にくを食たべてはいけない、外そとで種たね無なしパンだけ食たべるようにと書かいてある。ユダヤ戦争せんそうのときに祭まつりでエルサレム内ないにいたものはローマ軍ぐんの包囲ほういに合あい多おおくが命いのちを落おとした。これは割礼かつれいやエルサレムでの礼拝れいはいや肉食にくしょくが悪わるいことを説明せつめいしている。ヤハウェは人間にんげんの心しんをご存知ぞんじであるので、心しんを尽つくして精神せいしんを尽つくして思おもいを尽つくして、人間にんげんは心しんをヤハウェに捧ささげなければならない。ヤハウェは天地てんちを自分じぶんの言葉ことばで創つくったので、人間にんげんは偽証ぎしょうしてはいけない。アルコールや煙草たばこは人体じんたいを傷きずつけるので摂取せっしゅしてはいけない。人間にんげんは霊れいにおいて清きよめられなければならないので、バプテスマの儀式ぎしきをしてはいけない。天てんが神かみの住すまいであり、人間にんげんは霊れいにおいて神かみを礼拝れいはいしなければいけないので、人間にんげんは神殿しんでんを造つくってはいけない。楽器がっきを作つくって無意味むいみな音おとを出だしてはいけない。アザゼルの山羊やぎという話はなしがあり、山羊やぎと羊ひつじを選えらび、山羊やぎを逃にがし羊ひつじを生いけ贄にえにするという話はなしが第だい二に律りつ法ほうにあるが、これは強盗ごうとうバラバとイエスを予言よげんしたものである。

教派きょうは

正統せいとう派は
- 超ちょう正統せいとう派は
  - ハシディズム
- 現代げんだい正統せいとう派はユダヤ教きょう
- 新しん正統せいとう派は「トーラー・イム・デレフ・エレツ Torah 'im Derekh Eretz：聖地せいちの道みちと共ともにあるトーラー」（新しん正統せいとう派は神学しんがく Neo-orthodoxyではない）
保守ほしゅ派は
伝統でんとう派は（マーソルティー）
シャブタイ派は（サバタイ派は）
改革かいかく派は
再建さいけん派は
カライ派は
フランク派は

他たにヒューマニズム・ユダヤ教きょう Humanistic Judaism、自由じゆう主義しゅぎユダヤ教きょう Liberal Judaism、進歩しんぽ主義しゅぎユダヤ教きょうといった教派きょうはがある。

信徒しんと分布ぶんぷ

21世紀せいき初頭しょとうにおいて、ユダヤ教徒きょうとが多数たすうを占しめている国家こっかはイスラエル一いち国こくのみであり、2014年ねんにおいては人口じんこうの約やく75%がユダヤ教徒きょうとによって占しめられている^[16]。これはイスラエルがもともと19世紀せいき末まつ以降いこうに盛さかんになったパレスチナにユダヤ民族みんぞくの故郷こきょうを再建さいけんしようとする運動うんどう、いわゆるシオニズムの結果けっかとして生うまれた国家こっかであり、ユダヤ教徒きょうと・ユダヤ人じんの祖国そこくとして建設けんせつされたことに由来ゆらいする。このために、1920年代ねんだい以降いこうパレスチナにはユダヤ教徒きょうとが大挙たいきょ移民いみんとして流入りゅうにゅうするようになり、1948年ねんのイスラエル独立どくりつ後ごにこの流ながれはさらに加速かそくした。イスラエル独立どくりつとそれに続つづく第だい一いち次じ中東ちゅうとう戦争せんそうによって、イスラエルとアラブ諸国しょこくとの関係かんけいが極度きょくどに悪化あっかし、それまでアラブ諸国しょこく内ないにおいてイスラム教徒きょうとと共存きょうぞんしていたユダヤ教徒きょうとのほとんどがイスラエルへと移民いみんしたからである。この移民いみんの波なみは1948年ねんから1951年ねんまでの間あいだに最盛さいせい期きを迎むかえ^[17]、その後ごも継続けいぞくした。イスラエル政府せいふは1950年ねんに帰還きかん法ほうを制定せいていし、国外こくがいのユダヤ教徒きょうとがイスラエルへと移民いみんすることを認みとめた。こうしたことからイスラエルにおいてユダヤ教徒きょうとは人口じんこうのみならず文化ぶんか的てきにも経済けいざい的てきにも主流しゅりゅう派はとなっている。しかし継続けいぞくするユダヤ教徒きょうと移民いみんの波なみにもかかわらず、イスラエルにおけるユダヤ教徒きょうとの割合わりあいは減少げんしょう傾向けいこうにある。

イスラエルは宗教しゅうきょうの自由じゆうを認みとめており、イスラム教徒きょうとなどユダヤ教きょう以外いがいの宗教しゅうきょうも信仰しんこうの自由じゆうは保障ほしょうされている^[18]が、ユダヤ教きょうのイスラエル国家こっかに対たいする影響えいきょう力りょくは強つよく、政治せいじと宗教しゅうきょうの関係かんけいに関かんしては同どう国内こくないで激はげしい論争ろんそうがある^[19]。各かく教派きょうはの自立じりつ性せいも高たかく、超ちょう正統せいとう派はに至いたってはイスラエルのユダヤ人じんに義務ぎむとして課かせられている兵役へいえきが免除めんじょされているほどだったが、2014年ねんにイスラエルのクネセトで超ちょう正統せいとう派はにも兵役へいえきの義務ぎむを課かす法案ほうあんが可決かけつされ、2017年ねんより超ちょう正統せいとう派はにも兵役へいえきが課かせられることとなった^[20]。イスラエルのユダヤ教徒きょうとは多おおくの教派きょうはに分立ぶんりつしており、厳格げんかくに戒律かいりつを守まもるものが約やく20%、ある程度ていど戒律かいりつを守まもっているものが60%、ほとんど戒律かいりつを気きにしないものが20%となっている^[21]。いくつかの教派きょうはは政界せいかいに進出しんしゅつしてある程度ていどの政治せいじ的てき発言はつげん力りょくを有ゆうしている。

それ以外いがいの国家こっかにおいてユダヤ教徒きょうとの割合わりあいが2%を超こえる国家こっかは存在そんざいしないが、歴史れきし的てきな事情じじょうからヨーロッパには古ふるくからユダヤ人じんのコミュニティが存在そんざいし、現代げんだいにおいても各国かっこくごとに数すう万まん人にんから数すう十じゅう万まん人にんのユダヤ教徒きょうとが存在そんざいする。新大陸しんたいりくの発見はっけん以降いこう、ヨーロッパから移民いみんの押おし寄よせた南北なんぼくアメリカ大陸あめりかたいりくにおいても事情じじょうは同おなじで、多おおくの国くににユダヤ教徒きょうとのコミュニティは存在そんざいする。特とくにユダヤ教徒きょうとの数かずが多おおいのはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくで、統計とうけいによって数値すうちが異ことなるもののおそらくイスラエルとほぼ同おなじかやや多おおい程度ていどのユダヤ教徒きょうとが存在そんざいすると推定すいていされている。

歴史れきし