ラベンダー

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ラヴァンドラぞく
ラベンダー
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
もん : 被子植物ひししょくぶつもん Magnoliophyta
つな : そう子葉しよう植物しょくぶつつな Magnoliopsida
: シソ Lamiales
: シソ Lamiaceae
ぞく : ラヴァンドラぞく Lavandula
たね

39しゅ代表だいひょうしゅ

  • Lavandula angustifolia
  • L. latifolia
  • L. stoechas
  • L. multifida
  • L. × intermedia

ラベンダーえい: lavender [ˈlævəndər]ふつ: lavande)は、シソラヴァンドラぞく(ラベンダーぞくLavandula)のはん木本もくほんせい植物しょくぶつ通称つうしょうである[1]。または、はん耐寒たいかんせいしょう低木ていぼくLavandula angustifolia通称つうしょう:ラベンダー、コモン・ラベンダー、イングリッシュ・ラベンダーなど)をす。

伝統でんとうてきにハーブとして古代こだいエジプト、ギリシャ、ローマ、アラビアヨーロッパなどでくすり調理ちょうり利用りようされ、芳香ほうこう植物しょくぶつとしてそのかおりが活用かつようされてきた。ラベンダーの栽培さいばいは1930年代ねんだい本格ほんかくてきおこなわれるようになるが、それ以前いぜん野生やせいしゅりがほとんどだった[2]

日本にっぽんにおけるラベンダーの初期しょき記述きじゅつとしては、江戸えど文政ぶんせい西洋せいよう薬物やくぶつしょに「ラーヘンデル」「ラーヘンデル」の詳細しょうさい説明せつめいがある[3]幕末ばくまつには一部いちぶではあるが、精油せいゆ輸入ゆにゅうされ、栽培さいばいおこなわれていたとかんがえられている。昭和しょうわには香料こうりょう原料げんりょうとして、北海道ほっかいどう富良野ふらの地方ちほうなどで栽培さいばいされて精油せいゆ生産せいさんされ、1970ねんにピークをむかえたが、合成ごうせい香料こうりょう台頭たいとう衰退すいたいした[3]現在げんざいでは富良野ふらのなどでラベンダーはたけ観光かんこう資源しげんとなっている。

現代げんだいでもL. angustifolia(コモン・ラベンダー)やL. latifolia(スパイク・ラベンダー)、L. x intermedia(ラバンジン)などが精油せいゆるために栽培さいばいされ、精油せいゆ香料こうりょうとしてもちいられたり、アロマセラピー芳香ほうこう療法りょうほう)としてリラクゼーションひとし利用りようされている[1]

ちなみに、ラベンダーしょく薄紫うすむらさきしょく意味いみする。

特徴とくちょう[編集へんしゅう]

Lavandula angustifolia

ラヴァンドラぞく(ラベンダーぞくlavandula)は、はん木本もくほんせい植物しょくぶつで、低木ていぼくのような草本そうほんしょう低木ていぼくしょう低木ていぼくである[4]多年生たねんせいのものとそうでないものがある。ヨーロッパ南部なんぶ中心ちゅうしんに39しゅられ、たかさは2メートル以下いか原産地げんさんち地中海ちちゅうかい沿岸えんがんインドカナリア諸島かなりあしょとうきたアフリカ中東ちゅうとうなどである[5]はるむらさきしろピンク色ぴんくいろはなかせる様々さまざまたねがある。なかでも紫色むらさきいろはなもっともポピュラーである。おおくのたねは、はなくきこまかいでおおわれており、そのあいだ精油せいゆせんがある[6]揮発きはつせいあぶらおおふくむため、草食そうしょく動物どうぶつはほとんどべないが、芳香ほうこうはちなどをせる。ユーカリおなじようになつあつさなどで自然しぜん発火はっかし、野火のびをよぶ。種子しゅし野火のびのち発芽はつがする性質せいしつがある[5]。ラヴァンドラぞくには、ラベンダー特有とくゆうかおりがないたね一部いちぶ存在そんざいする。園芸えんげいようとしても愛好あいこうされている。

おもにラベンダーとばれるL. angustifolia(コモン・ラベンダー)だけでなく、そのきんえんしゅ交雑こうざつしゅもラベンダーとばれることがあるため、ラベンダーの販売はんばいされるなえラベンダー英語えいごばんL. angustifolia のものとはかぎらない[7]

語源ごげん[編集へんしゅう]

英語えいごlavenderフランス語ふらんすごlavandre由来ゆらいする。lavandre語源ごげんとして様々さまざませつがあるが、「あらう」という意味いみラテン語らてんご lavolavare からるといわれる[8]古代こだいローマじんいたる洗濯せんたくもちいたり、浴用よくよう香料こうりょうとして疲労ひろう硬直こうちょくした関節かんせつやわらげるために利用りようしたという[9][10]学名がくめいLavandulaのヨーロッパ言語げんごでラベンダーを言葉ことばからリンネ命名めいめいしたとわれる。

しかし、この通説つうせつ裏付うらづける歴史れきしてき証拠しょうこはなく、一般いっぱんてき古代こだいギリシャじん・ローマじんはラベンダーを入浴にゅうよく利用りようしなかったなどの問題もんだいてんがあり、つくばなしである可能かのうせいがある。UpsonとAndrewsはマ帝国まていこくでの入浴にゅうよくかんする記述きじゅつ確認かくにんしたが、ラベンダーの使用しようはなかったという。UpsonとAndrewsは、ラテン語らてんごlivere中世ちゅうせいラテン語らてんごlavindula から推測すいそくし、「あおみをびた、あおみがかった」を意味いみするラテン語らてんごlivere由来ゆらいするというせつ提示ていじしている。

分類ぶんるいたね[編集へんしゅう]

Lavandula latifolia
Lavandula lanata
Lavandula dentata
Lavandula stoechas
Lavandula multifida

ヨーロッパ各地かくちさかんに品種ひんしゅ改良かいりょうおこなわれたことや、交雑こうざつたねしょうじやすい性質せいしつのために、学名がくめいはかなり混乱こんらんしており、分類ぶんるいかんしては現在げんざい研究けんきゅうすすめられている。また植物しょくぶつがくじょう分類ぶんるいではどういちしゅであっても、産地さんちにより抽出ちゅうしゅつされる精油せいゆ成分せいぶん組成そせいかおり、生物せいぶつ活性かっせい効能こうのう)がことなることから、生産せいさん地名ちめいくわえて区分くぶんしているものもある。歴史れきしてきにひとつの通称つうしょうが、複数ふくすうたねもちいられるれいられる。おなしゅのラベンダーでも、多数たすう通称つうしょうつものもすくなくない。

古代こだいローマでは、L. stoechas(イタリアン・ラベンダー)、L. pedunculata(スパニッシュ・ラベンダー)、L. dentata(キレハ・ラベンダー) はローマ時代じだいにすでにられていた[11]地中海ちちゅうかい地方ちほう自生じせいするいくつかのたね活用かつようされたが、それらはほとんど区別くべつされることはなかった。L. angustifolia(コモン・ラベンダー)をはじめて区別くべつしたのは、中世ちゅうせい修道しゅうどうおんなヒルデガルト・フォン・ビンゲン(ユリウスれき1098ねん - 1179ねん)である。中世ちゅうせいヨーロッパでは、ヨーロッパのラベンダーはストエカス(L. stoechasL. pedunculataL. dentata) とラヴェンドラ (L. spicaL. latifolia)の2つのグループにわけられていた。リンネは『植物しょくぶつたねSpecies Plantarum (1753ねん)で、当時とうじられていたラベンダーをひとつのぞくにまとめた。5しゅのラベンダーがげられ、L. multifidaL. dentata (スペイン)、L. stoechasL. spicaL. pedunculataL. stoechasふくまれていた。L. angustifoliaL. latifolia区別くべつされず、L. spica とされた。

最初さいしょ近代きんだいてき分類ぶんるい重要じゅうようなものは、1937ねんにキューのDorothy Chaytorがおこなったもので、28しゅをストエカスぶし、スパイカぶし、スブヌダぶし、プテロストエカスぶし、カエトスタシスぶし、デンタータぶしの6つのふし[注釈ちゅうしゃく 1]けたが、容易よういてることのできないたねのこされた[12]栽培さいばいしゅ園芸えんげいしゅはスパイカ、ストエカス、プテロストエカスの3せつからており[13]、カエトスタシスぶしはインドやイラン、スブヌダぶしはアラビアやソマリア分布ぶんぷする[14]現在げんざい日本にっぽんられるものは、園芸えんげいしょではイングリッシュけい(スパイカぶし)、フレンチけい(ストエカスぶし、デンタータぶし)、ラバンジンけいL.a.ssp angustifoliaL. latifolia交雑こうざつしゅ)、その大別たいべつされる[15]。フレンチけいはイングリッシュけいより開花かいかはや[15]。スパイカぶし(イングリッシュけい)のたね分類ぶんるい学名がくめい変遷へんせんがあるため、現在げんざいでもL. angustifoliL. officinalisL. veraなどのふる学名がくめい使用しようするなど、学名がくめい誤用ごようられる[13]

現代げんだいでは、クライストチャーチ植物しょくぶつえんなどでBotanical Officerをしていたヴァージニア・マクノートン(Virginia McNaughton)は、スパイカぶし、ストエカスぶし、プテロストエカスぶし、カエトスタシスぶし、スブヌダぶしの5つのふしかれるとしている[13]

最新さいしん分類ぶんるいはTim UpsonとSusyn Andrewsによる2004ねんのもので、ラヴァンドラ亜種あしゅ(ラヴァンドラぶし、デンタータぶし、ストエカスぶし)、ファブリカ亜種あしゅ(プテロストエカスぶし、スブヌダぶし、カエトスタシスぶしHasikenses ふし)、サバウディア亜種あしゅ(サバウディアぶし)の3亜種あしゅがあるとされた[4]以下いか、Tim UpsonとSusyn Andrewsによるによる分類ぶんるいおもたねげる。

Ⅰ ラヴァンドラ(Lavandula亜種あしゅ
i. ラヴァンドラ(Lavandulaふし (3しゅ):スパイカぶし[13]園芸えんげいしょなどでイングリッシュけい[16]としてられる。
  • Lavandula angustifolia Mill.地中海ちちゅうかい沿岸えんがん原産げんさん[15]L.a.ssp angustifoliaとピレネー山脈さんみゃく北部ほくぶスペイン原産げんさんL.a.ssp pyrenaicaの2亜種あしゅつが、L.a.ssp pyrenaicaはほとんどられず、L. angustifoliaといえばL.a.ssp angustifolia[13]通称つうしょうコモン・ラベンダー、イングリッシュ・ラベンダー、オールドイングリッシュ・ラベンダー、トゥルーラベンダー、真正しんしょうラベンダー。元々もともとはフランスで栽培さいばいされはじめた[13]線形せんけい対生たいせいし、わかくきではせいする。いろ最初さいしょしろっぽく、そだつにつれ緑色みどりいろになる[1]。6~7がつに、芳香ほうこうのあるあお紫色むらさきいろはな穂状すいじょうにたくさんつける。日本にっぽんなつ高温こうおん多湿たしつよわ[7]さい高級こうきゅう精油せいゆがとれ、高地こうちそだてるとたか品質ひんしつになるが、花穂かすいみじか採取さいしゅりょうすくないため、商業しょうぎょうようそだてられるものは、L. latifolia(スパイク・ラベンダー)が多少たしょうとも交雑こうざつした雑種ざっしゅであるとかんがえられている[17][13]
  • Lavandula latifolia Medik:通称つうしょうスパイク・ラベンダー、ヒロハ(広葉こうよう)ラベンダー。ポルトガル原産げんさんひろがりのあるへらがたち、グレイがかったむらさき花穂かすいをつける[7]はラベンダーのなかでもとくカンファーにおいがする。L. angustifoliaの3ばい精油せいゆ収穫しゅうかくできるが、香料こうりょうとしての品質ひんしつおとる。
  • Lavandula lanata Boiss:通称つうしょうウーリー・ラベンダー。スペイン南部なんぶ山地さんち原産げんさん[13]ぜんくさフランネルのようなしろ綿毛わたげおおわれており、花穂かすいこのましいカンファーしゅうがする[13]
交雑こうざつしゅ
  • Lavandula x intermediaL.a.ssp angustifoliaL. latifolia交雑こうざつしゅ通称つうしょうラバンジン、ラヴァンディン。耐寒たいかんせいつよ高温こうおん多湿たしつにもややたい[13]日本にっぽんでもそだてやすく、関東かんとう地方ちほう以西いせい気候きこう[7]丈夫じょうふはながたくさんき、精油せいゆおおれることから、商業しょうぎょうようひろ栽培さいばいされている[13]香料こうりょうとしての精油せいゆしつは、L. latifoliaよりさらにおとるが、低地ていちでも栽培さいばいできる。みのりせいたねができにくく、やす[13]
ii. デンタータ (Dentataeふし (1しゅ):フレンチけい[16]としてられる。
  • Lavandula dentata L.通称つうしょうキレハ(きり)ラベンダー、デンタータ・ラベンダー、フリンジド・ラベンダー、フレンチ・ラベンダー。世界中せかいじゅうひろ分布ぶんぷするが、海外かいがいではおもにフレンチ・ラベンダーとばれる[13]じょうになっており[13]つとのある薄紫うすむらさき花穂かすい[7]を1ねん大半たいはんつける[13]変異へんいしゅができやすい[13]
iii. ストエカス(Stoechas Ging.)ふし (3しゅ):フレンチけい[16]としてられる。
  • Lavandula stoechas L.:通称つうしょうイタリアン・ラベンダー、スパニッシュ・ラベンダー、フレンチ・ラベンダー、トップド・ラベンダー。歴史れきしてきにフレンチ・ラベンダーとばれ[13]日本にっぽんでもそうばれることがおおい。原産げんさん地中海ちちゅうかい沿岸えんがんきたアフリカ[13]。1 - 3mmのちいさなはな無数むすうにつけ[13]花穂かすい先端せんたんむらさき紅色こうしょくつとがある[7]ぜんくさにカンファーさま清涼せいりょうかんあるかおりがあり、たんおおわれている[13]しもさむさによわたねおおいが、あつさには比較的ひかくてきつよい。むかしから薬用やくよう使つかわれてきた[7]
  • Lavandula pedunculata Mill.(Cav.):通称つうしょうスパニッシュ・ラベンダー、フレンチ・ラベンダー。おもにスペインでられるが、原産げんさんはポルトガル、きたアメリカ、みなみバルカン半島ばるかんはんとうしょうアジア。花穂かすいまるくふくらみがありはなやかだが、あまり丈夫じょうぶではない[13]
Ⅱファブリカ(Fabricia亜種あしゅ
iv. プテロストエカス(Pterostoechas Ging.)ふし (16しゅ)
  • Lavandula multifida通称つうしょうファーンリーフ・ラベンダー、レース・ラベンダー、ムルチフィダ・ラベンダー、エジプシャン・ラベンダー。あいらしいあおむらさき花穂かすいをつけるが、ラベンダーの芳香ほうこうはない[13]はん耐寒たいかんせい多年草たねんそうとして園芸えんげいよう栽培さいばいされる。
  • Lavandula canariensis Mill.:通称つうしょうカナリー・ラベンダー。条件じょうけんければ1.5mにもなる[13]カナリア諸島かなりあしょとう原産げんさん[13]耐寒たいかんせいがない[13]
  • Lavandula pinnata L.:通称つうしょうピナータ・ラベンダー、ピンナタラベンダー、レースラベンダー。シダのような特徴とくちょうてきで、開花かいかには幻想げんそうてきうつくしさをち、園芸えんげいしゅとして人気にんきたか[13]
v. スブヌダ(Subnudaeふし (10しゅ)
vi. カエトスタシス(Chaetostachysふし (2しゅ)
  • Lavandula bipinnata (Roth) Kuntze
  • Lavandula gibsonii J. Graham
vii. Hasikenses ふし (2しゅ)
  • Lavandula hasikensis A.G. Mill.
  • Lavandula sublepidota Rech. f.
III. サバウディア(Sabaudia亜種あしゅ
viii.サバウディア(Sabaudiaふし (2しゅ)
  • Lavandula atriplicifolia Benth.
  • Lavandula erythraeae (Chiov.) Cufod.

栽培さいばい[編集へんしゅう]

フランスなど[編集へんしゅう]

高温こうおん多湿たしつ苦手にがてたねおおく、西岸せいがん海洋かいようせい気候きこう亜寒帯あかんたい湿潤しつじゅん気候きこう地域ちいきおお栽培さいばいされている。世界せかいてき有名ゆうめい生産せいさんはフランス南東なんとうプロヴァンス地方ちほうで、伝統でんとうてきおおくの地域ちいき商品しょうひん作物さくもつとして栽培さいばいされ、ラベンダーはたけ多数たすうある[5]

ラベンダーは近年きんねんまで野生やせいしゅ採取さいしゅされていた。1925ねんごろから伝統でんとうてき野生やせいしゅあつめをおこなってきた地域ちいき周辺しゅうへんアルプ=ド=オート=プロヴァンスけんのヴァランソール高原こうげん、ローヌ渓谷けいこく沿いの低地ていち地帯ちたいヴォクリューズけんのソー(Sault[注釈ちゅうしゃく 2]地方ちほうコミュヌ)、ヴァルレアヌス地方ちほうカルパントラアプト周辺しゅうへんなどのローヌがわ流域りゅういき)にラバンジン農家のうか多数たすうでき、徐々じょじょにほかの地域ちいきでもラバンジンが栽培さいばいされるようになり、1930年代ねんだいから本格ほんかくてき栽培さいばいがおこなわれるようになった[2]伝統でんとうてきなラベンダー農家のうかは、好条件こうじょうけんとはえない土地とち小規模しょうきぼ栽培さいばいつづけながら、生活せいかつできる程度ていど農業のうぎょうときには牧畜ぼくちく併行へいこうしてっていた。だい世界せかい大戦たいせん経済けいざいきゅう成長せいちょうしたがってラバンジン農家のうか機械きかいすすみ、ラベンダー栽培さいばい急速きゅうそく発展はってん野生やせいしゅあつめにってわった。同時どうじにラバンジンのれが急速きゅうそくひろがったが、その対策たいさくとして丈夫じょうぶ品種ひんしゅ「グロッソ」が栽培さいばいされるようになり、また合成ごうせい香料こうりょう価格かかく上昇じょうしょうしたことでラベンダー、ラバンジンは増産ぞうさんされた。しかし、1990年代ねんだいはじめまでにラベンダー利益りえきりつ悪化あっかしたため、栽培さいばい面積めんせきはそれまでのやく40%に減少げんしょうした[2]。1994ねんからフランス政府せいふ主導しゅどうさい活性かっせい計画けいかく多少たしょうなおし、年間ねんかん生産せいさんりょうは30トンじゃくから45トンきょう推移すいいしている[2]現在げんざい栽培さいばいはあまり標高ひょうこうたかくなく、ラバンジンが生産せいさんされる地域ちいきでラベンダーも生産せいさんされている[2]以前いぜん産地さんちであったオート=アルプけんアルプ=ド=オート=プロヴァンスけんのバレム、ディオワなどの山岳さんがくでは、平地ひらちのラバンジン産地さんちのような農業のうぎょうもとざい蒸留じょうりゅう設備せつびといったインフラがなかったため、ラベンダー栽培さいばいさい活性かっせい計画けいかく頓挫とんざし、標高ひょうこうひくいラバンジン産地さんちでラベンダーの栽培さいばいもおこなわれるようになった[2]

おも栽培さいばいは、ヴォクリューズけんのアルビオン高原こうげん地方ちほう、ソー地方ちほう、アプト、ドロームけんのバロニー山地さんち集中しゅうちゅうしており、ラベンダー以外いがい作物さくもつはほとんど栽培さいばいされない。この地域ちいきにおける生産せいさんがラベンダー全体ぜんたいやく8わりめている[2]。ソー地方ちほう有名ゆうめいで、ラベンダー農家のうか多数たすうあり、広大こうだいなラベンダーはたけひろがる。ソーの様々さまざまなラベンダー製品せいひんはフランス国内こくない、ヨーロッパ、世界せかい各地かくちとどけられている。ソーでは毎年まいとしなつに1にち「ラベンダーさい」がもよおされ、ラベンダーをもちいた様々さまざま製品せいひんとおりにならび、普段ふだん人口じんこう3000にんのコミュヌに世界せかい各地かくちから2まんにんほどの観光かんこうきゃくおとずれる。

近年きんねんプロヴァンスでは、ラベンダーはたけバクテリア被害ひがい深刻しんこく問題もんだいになっている。異常いじょう気象きしょう影響えいきょうで、有害ゆうがいなバクテリアを媒介ばいかいするヨコバイ大量たいりょう発生はっせいし、2007ねんから2010ねんあいだにラベンダーはたけの50%が被害ひがいけ、生産せいさん大幅おおはばんだ[18][19][20]

オーストラリアのタスマニア生産せいさんとしてられる[5]

日本にっぽん[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは北海道ほっかいどう富良野ふらの地方ちほうのラベンダーはたけ世界せかいてきにもられ[5]上富良野かみふらのまち中富良野なかふらのまちニセコまちのシンボルとしても指定していされる。栽培さいばい発祥はっしょう札幌さっぽろみなみ南沢みなみさわであり、曽田香料そだこうりょうによって1940ねん栽培さいばい開始かいしされた[21]札幌さっぽろでは、幌見峠ほろみとうげ頂上ちょうじょうみやもり地区ちく)にあるラベンダーはたけ有名ゆうめいであるが、規模きぼちいさい。

利用りよう[編集へんしゅう]

ラベンダーを使つかったカップケーキ

ラヴァンドラぞくは、ポプリ材料ざいりょうハーブティー、料理りょうりふう味付あじつけ、化粧水けしょうすいなどの美容びよう観賞かんしょうよう鉢植はちうえ)等々とうとう利用りようされてきた。またふるくから、おおくの薬効やっこうつハーブとして利用りようされた。

ギリシアじんは、シリアの都市としナールダ(おそらく現在げんざいのイラクのドホーク)からって、ラベンダーを「ナルド」とんだ[22][23]L. latifolia(スパイク・ラベンダー)は、もっと高価こうか香料こうりょうのひとつであるあままつかおり英語えいごばん(スパイクナルド)と混同こんどうされ、重用じゅうようされた。新約しんやく聖書せいしょベタニアのマリアがイエスにそそいだ「ナルドの香油こうゆ」は、あままつではなくラベンダーの香油こうゆであったともかんがえられている[13]。ラベンダーのはな非常ひじょう高価こうかで、古代こだいローマのプリニウス時代じだいには1ポンドたり100デナリという高額こうがくであり、中世ちゅうせいになっても貴重きちょうなものであった[10]

食用しょくよう[編集へんしゅう]

はな食用しょくようされ、食欲しょくよく増進ぞうしんのハーブとして料理りょうり菓子かし風味ふうみけにもちいられた。調味ちょうみりょうとしてサラダやドレッシングに利用りようされている[24]みなみフランスでラベンダーは伝統でんとうてき様々さまざま用途ようと利用りようされ、エルブ・ド・プロヴァンスというラベンダーをふくむハーブミックスがひろられるが、これはスパイス業者ぎょうしゃつくったもので、伝統でんとうてき南仏なんふつプロヴァンス料理りょうりでラベンダーはもちいられない[25][26]近年きんねん、エルブ・ド・プロヴァンスは料理りょうりでよく使用しようされるようになってきている。

エリザベス1せいはラベンダーのジャムこのみ、砂糖さとうけをにく料理りょうりやフルーツ・サラダの薬味やくみとして、菓子かし頭痛ずつうやくとしてしょくした[10]チャールズ1せいヘンリエッタ・マリアは、ラベンダーのはなきざんでこな砂糖さとうぜ、ローズウォーターでペーストじょうった砂糖さとう菓子かしだい好物こうぶつで、これをビスケットなどにってべていたという[よう出典しゅってん]

芳香ほうこうよう[編集へんしゅう]

乾燥かんそうさせたラベンダーをたばねたもの。防虫ぼうちゅうもちいる。

フランスなどでは、乾燥かんそうさせたはなちいさな布袋ほていれた一種いっしゅのサシェ(かおぶくろにおぶくろ)があり、それを洋服ようふく箪笥だんすれたり、ワードローブのなかげておいたりして、かおりを衣類いるいうつしたり防虫ぼうちゅうざいとして利用りようする。あるいはサシェをベッドのまくらちかくなどにいて寝室しんしつただよわせたり、まくらのつめものの一部いちぶとしてラベンダーをぜておいて、まくらあたまくだけで中身なかみ自然しぜんまれてかおりがただようことをたのしむ。

また、香水こうすい使つかわれる香料こうりょうとして重要じゅうよう役割やくわりたした。ラベンダーの芳香ほうこう成分せいぶんをアルコールにかしたラベンダーすいは、ローズマリーすいハンガリーウォーター)とともに、最古さいこアルコールベースの香水こうすいのひとつとされる[27]。1709ねんにイタリアの香料こうりょうしょうヨハン・マリア・ファリナがドイツのケルン発売はつばいされ人気にんきとなったかおりのよい薬用やくようしゅ「アクア・アドミラビリス」(奇跡きせきみず)、の「オーデコロン」(Eau de Cologne、ケルンのみず)には、微量びりょうのラベンダーがブレンドされていた[5][3]

現代げんだいでは、L. angustifolia(コモン・ラベンダー)やL. x intermedia(ラバンジン)の精油せいゆは、香料こうりょうアロマセラピーもちいられる。精油せいゆは、先端せんたん部分ぶぶんおよびはなから、水蒸気すいじょうき蒸留じょうりゅう抽出ちゅうしゅつされる。ヨーロッパ薬局方やっきょくほうには、L. angustifolia精油せいゆ収録しゅうろくされている。溶剤ようざい抽出ちゅうしゅつほうによるラベンダー・アブソリュートもある[28]おなL. angustifoliaもちいても、抽出ちゅうしゅつもちいる部位ぶいによって、精油せいゆ成分せいぶんおおきくことなる。L. x intermediaL. angustifoliaよりおおくの精油せいゆることができ、価格かかくやすいためひろ流通りゅうつうしているが、L. x intermedia精油せいゆL. angustifolia精油せいゆとして販売はんばいする業者ぎょうしゃ存在そんざいする。L. x intermedia(ラバンジン)の精油せいゆは、多少たしょうカンファーにおいがあり、L. angustifolia(コモン・ラベンダー)の精油せいゆとは成分せいぶん組成そせいことなる[28]

Lavandula latifolia(スパイクラベンダー)の精油せいゆは、油彩ゆさいよう揮発きはつせい溶剤ようざいとしても利用りようされる。同様どうよう目的もくてき使つかわれるテレビン油てれびんゆ比較ひかくして、非常ひじょう高価こうかなためあまり使つかわれないが、樹脂じゅし溶解ようかい能力のうりょくたかく、防腐ぼうふ性能せいのうもある。[29]

効能こうのう臨床りんしょう研究けんきゅう[編集へんしゅう]

ラベンダー

ラヴァンドラぞくは、ハーブ一種いっしゅとしてもちいられ、様々さまざま効能こうのう期待きたいされている。ふるくからおおくの病気びょうきたいする万能ばんのうやくとして利用りようされており[10]不安ふあん不穏ふおん不眠ふみん、うつ症状しょうじょう精神せいしん安定あんてい鎮痛ちんつうのむかつき、脱毛だつもう防虫ぼうちゅう殺菌さっきんなどに効果こうかがあるとされ、民間みんかん療法りょうほうまたは伝統でんとう療法りょうほうとして使つかわれている[30][31]。アメリカのNational Center for Complementary and Integrative Health(NCCIH、きゅう 国立こくりつ補完ほかん代替だいたい医療いりょうセンター)は、2012ねん時点じてんでは、伝承でんしょうされるおおくの効能こうのうたいし、有効ゆうこうせい科学かがくてき証明しょうめいされたものはごくわずかしかないとべている[31]

精油せいゆ薬用やくようされ、だいいち世界せかい大戦たいせんとき病院びょういん使用しようされていた[32]たねによって成分せいぶん組成そせいことなり、かおりだけでなく薬効やっこうことなる[よう出典しゅってん]

揮発きはつせいあぶらである精油せいゆには、L. angustifolia(コモン・ラベンダー)の水溶すいようせい成分せいぶんなどはふくまれないため、ハーブとしての効能こうのうをそのまま精油せいゆもちいることはできない[注釈ちゅうしゃく 3]L. angustifolia精油せいゆはアロマテラピーでもっとも使つかわれるもののひとつで、様々さまざま効能こうのうがあるといわれている。生化学せいかがくしゃのマリア・リス・バルチンは、一般いっぱんわれるL. angustifolia精油せいゆ効能こうのうには、近世きんせいのハーブ療法りょうほうニコラス・カルペパー英語えいごばん(1616 - 1654)がしるしたL. latifolia(スパイク・ラベンダー)の効能こうのうで、チンキやティーのかたち治療ちりょうもちいたものがあやまって引用いんようされたれいすくなくないと指摘してきしている[28]たとえばL. latifolia水溶すいようせい成分せいぶんには鎮痙作用さよう[注釈ちゅうしゃく 4]があるが、これがL. angustifolia精油せいゆ効能こうのうとして転用てんようされており、情報じょうほう混乱こんらんしていることがわかる[28]。またカルペパーは、ラベンダーには癲癇てんかん(てんかん)、痙攣けいれん(けいれん)など様々さまざま症状しょうじょう効果こうかがあるとべているが、スパイク(ラベンダーの精油せいゆ)は「その性質せいしつきわめてはげしくすような刺激しげきがあるため、使用しようには注意ちゅういようする。」としている[5]

効果こうかがあるとかんがえられるもの

一部いちぶ予備よびてき研究けんきゅう結果けっかでは、ラベンダーは、タイムあぶらローズマリーあぶらシダーウッドあぶらわせて使用しようすると、円形えんけい脱毛だつもうしょう効果こうかがある可能かのうせいしめされている[33][31]。いくつかの研究けんきゅうは、6 - 10週間しゅうかんラベンダー経口けいこう摂取せっしゅすることで、不安ふあん不眠ふみん改善かいぜんすることを示唆しさしているが、こう不安ふあんやくロラゼパムより効果こうかよわいようである[33]。ただし、初期しょきのアロマセラピーにおけるラベンダーでの不安ふあん治療ちりょう研究けんきゅう不十分ふじゅうぶんであり、エビデンスたりない[33]。またいくつかの研究けんきゅうは、ラベンダーかおりをいでいると高齢こうれいしゃ転倒てんとう減少げんしょうする、帝王切開ていおうせっかい静脈じょうみゃくない鎮痛ちんつうざい使用しようしながらラベンダー吸入きゅうにゅうすると、術後じゅつごいたみが軽減けいげんすることをしめしている[33]。2021ねん、メタアナリシスにより、ラベンダーカプセル「Silexan」が不安ふあん障害しょうがい患者かんじゃいたみや不眠ふみんなどの不安ふあん症状しょうじょう軽減けいげん有効ゆうこうであることが判明はんめいしました[34]

効果こうかがないとかんがえられるもの

がんによるいたみの軽減けいげん認知にんちしょう改善かいぜんかいかげいたみの軽減けいげんなどの効果こうかはないとかんがえられている[33]

エビデンスが不十分ふじゅうぶんであるもの

鎮静ちんせい効果こうか興奮こうふん)にかんする臨床りんしょう研究けんきゅう不十分ふじゅうぶんで、矛盾むじゅんする研究けんきゅう結果けっかがあるが[31]アルツハイマーしょう患者かんじゃ興奮こうふん改善かいぜんする可能かのうせいがある。かゆみや炎症えんしょうこしている皮膚ひふ湿疹しっしん)、疝痛せんつう便秘べんぴうつびょう気分きぶんみ(幸福こうふくかん)、月経げっけいやめ高血圧こうけつあつ不眠ふみん偏頭痛へんずつう頭痛ずつうシラミみみ感染かんせんしょうきず治療ちりょう食欲しょくよく不振ふしん歯痛しつうにきび、がんにたいする効果こうか忌避きひざい防虫ぼうちゅうざいとしての効果こうか研究けんきゅう十分じゅうぶんではなく、さらなる研究けんきゅう必要ひつようとされている[33]

安全あんぜんじょう懸念けねん[編集へんしゅう]

ラベンダーを経口けいこう摂取せっしゅした場合ばあい便秘べんぴ頭痛ずつう食欲しょくよく増加ぞうかこす可能かのうせいがある[33]。ラベンダー経口けいこう摂取せっしゅは、有害ゆうがいである可能かのうせいがある[31]

アメリカ国立こくりつ衛生えいせい研究所けんきゅうじょは、妊娠にんしんちゅう授乳じゅにゅうちゅうにおけるラベンダーの使用しようは、安全あんぜん確認かくにんされていないとしている[33]

皮膚ひふ刺激しげきせい[編集へんしゅう]

L. angustifolia(コモン・ラベンダー)やL. x intermedia(ラバンジン)などラヴァンドラぞく精油せいゆは、皮膚ひふへのかんさくせい[注釈ちゅうしゃく 5]のぞけば、比較的ひかくてき安全あんぜんせいたか精油せいゆである[よう出典しゅってん]

ラベンダーかんさくせいつよいので、日常にちじょう生活せいかつ使つか場合ばあい注意ちゅういしなければならない[35]L. x intermedia精油せいゆにせ合成ごうせい成分せいぶん添加てんかなど)が横行おうこうしており、これがひろ利用りようされた影響えいきょうで、ラヴァンドラぞく精油せいゆたいするかんさく上昇じょうしょうしているとかんがえられる[28]精油せいゆ精油せいゆもちいた化粧けしょうひんによる接触せっしょくせい皮膚ひふえんアレルギー反応はんのう報告ほうこくがあり、日本人にっぽんじんのラベンダー陽性ようせいりつパッチテストによる)は、1981ねん実験じっけんでは2.4%(被験者ひけんしゃすう778めい)だった[36]名古屋大学なごやだいがく医学部いがくぶ環境かんきょう皮膚ひふ科学かがく講座こうざ杉浦すぎうら真理子まりこらが、1990ねんから1998ねんの12年間ねんかん化粧けしょうひん接触せっしょく皮膚ひふえんうたがわれた患者かんじゃ1483れい対象たいしょうに、パッチテストをおこなったところ、陽性ようせいりつは1990ねん3.75%、1991ねん1.47%、1992ねん1.28%、1993ねん3.75%、1994ねん0% 、1995ねん1.14%、1996ねん0.90%、1997ねん8.73%、1998ねん13.86% だった[37][35]生活せいかつ変化へんかともな用品ようひんアレルギーのアレルゲンは変化へんかするが、アロマブームのなか香料こうりょうアレルギーが問題もんだいになっている[38]とくにラヴェンダーは、陽性ようせいりつたか天然てんねん香料こうりょうなかでも陽性ようせいりつ上昇じょうしょうしており、熊本大学くまもとだいがく皆本みなもと景子けいこ要注意ようちゅういであるとべている[39]。こうした天然てんねん香料こうりょうは、色素しきそ沈着ちんちゃくがた化粧けしょうひん皮膚ひふえんこす可能かのうせいのあるアレルゲンである[39]。しかし、日本にっぽん香料こうりょう一般いっぱん化粧けしょうひん成分せいぶんとしてあつかわれず、ただ「香料こうりょう」とだけ記載きさいされるので、化粧けしょうひんにラヴェンダーふくまれているかはわからない[39]

2004ねんin vitro試験管しけんかんないおこな試験しけん)で、ラベンダー細胞さいぼう毒性どくせい細胞さいぼう傷害しょうがいせい)がみとめられたという研究けんきゅう結果けっか公開こうかいされた[40]。これにたいしアロマセラピストのロバート・ティスランドは、すべてのin vitroは、その現象げんしょうこる可能かのうせい示唆しさするにすぎず、生体せいたい同様どうよう効果こうかがあるとめつけることはできないとべている[41]

ひかり毒性どくせい[編集へんしゅう]

2007ねん様々さまざま香料こうりょう感光かんこうせい英語えいごばんかんする研究けんきゅう発表はっぴょうされた。ラベンダーはひかり毒性どくせい反応はんのう誘発ゆうはつするとわれているが、研究けんきゅうでそのような現象げんしょうみとめられなかった[42]

女性じょせい乳房ちぶさ(幼年ようねんれい)[編集へんしゅう]

一部いちぶに、精油せいゆ思春期ししゅんきまえ少年しょうねんへの外用がいようによる反復はんぷくてき使用しようは、男子だんし乳房ちぶさ成長せいちょうする「女性じょせい乳房ちぶさ」の原因げんいんになるという見解けんかいられている。ただこれは、体重たいじゅうすくなく外部がいぶ微量びりょう物質ぶっしつ影響えいきょうりょく成立せいりつしやすい幼少ようしょう事例じれいった見解けんかいであること注意ちゅうい必要ひつよう自己じこのホルモン代謝たいしゃ影響えいきょう考慮こうりょせずに思春期ししゅんきまえ事例じれいであるため情報じょうほうされたとかんがえられ、認識にんしき一般いっぱんには注意ちゅうい必要ひつようだとおもわれる。

コロラド大学だいがくデンバーこう小児しょうに内分泌ないぶんぴつ学者がくしゃClifford Blochによると、4さい、7さい、10さいの「思春期ししゅんきぜん女性じょせい乳房ちぶさ」と診断しんだんした男児だんじ3にんが、ラベンダーのかおりの石鹸せっけん、スキンローション、またはシャンプーか整髪せいはつりょう使用しようしており、これらにはラベンダーあぶらまたはティーツリー含有がんゆうされていた。これらの製品せいひん使用しようをやめると、数カ月すうかげつ女性じょせい乳房ちぶさ症状しょうじょうえた。[43]

思春期ししゅんき年齢ねんれい到達とうたつした以降いこう男子だんし場合ばあいは、もともと女性じょせい乳房ちぶさ現象げんしょう自体じたい自然しぜんものであり、あまりめずらしい現象げんしょうではないこと留意りゅうい必要ひつようである。思春期ししゅんき初期しょきには男性だんせいホルモンにくらべて女性じょせいホルモンの分泌ぶんぴつがその代謝たいしゃ問題もんだいにより相対そうたいてき男子だんし体内たいないおおくなるため女性じょせい乳房ちぶさ自然しぜん発生はっせいりつたかく、環境かんきょうホルモンせつとう科学かがくてき信憑しんぴょうせいとぼしいこと注意ちゅうい必要ひつようである。また、男性だんせいでも乳房ちぶさ人体じんたいがわ因子いんしによりタナー段階だんかいIIIなみになることもめずらしくない。一定いっているい精神せいしんやく脳腫瘍のうしゅよう影響えいきょうによる下垂かすいたい制御せいぎょ変化へんかや、肝臓かんぞう疾患しっかんによる代謝たいしゃ能力のうりょく問題もんだいとう可能かのうせいおよ体質たいしつによる恒常こうじょうてき要因よういんものがある。一般いっぱんてき思春期ししゅんき女性じょせい乳房ちぶさ場合ばあいのち男性だんせいホルモンの分泌ぶんぴつえてくると1、2ねん消失しょうしつしていくとされる

また、インビトロ実験じっけん試験管しけんかんやシャーレないいた細胞さいぼうとう試験しけんたい直接ちょくせつ試験しけん物質ぶっしつ曝露ばくろさせその作用さよう見出みいだ実験じっけん)においての物質ぶっしついは、(余程よほど強力きょうりょく物質ぶっしつである場合ばあい生体せいたいない処理しょりたいした抵抗ていこうせい物質ぶっしつであったり人体じんたいへのりょうがある場合ばあいでないかぎり)そのまま人体じんたいめてかんがえること出来できないこと留意りゅうい必要ひつようである[31][44][45][43]

アメリカ国立こくりつ環境衛生科学研究所かんきょうえいせいかがくけんきゅうじょは、ヒトにゅうがん細胞さいぼう使つかって、これらの精油せいゆ遺伝子いでんし発現はつげんにどう影響えいきょうするかを調しらべた。その結果けっか主要しゅよう女性じょせいホルモンであるエストロゲンはたらきをするほか男性だんせいホルモンのアンドロゲン阻害そがいするらしいことがかった[43]

相互そうご作用さよう[編集へんしゅう]

薬剤やくざいサプリメントとの相互そうご作用さよう可能かのうせいがある[31]だきすいクロラール降圧こうあつやくバルビツールさんけいくすり鎮静ちんせいやく)、ベンゾジアゼピンこう精神せいしんやく)、中枢ちゅうすう神経しんけい抑制よくせいやく相互そうご作用さようがあるとかんがえられている[33]眠気ねむけこす、または血圧けつあつげる可能かのうせいがあるため、同様どうよう効果こうかつサプリメントと併用へいようするとつよ眠気ねむけこったり、血圧けつあつ大幅おおはば低下ていかする危険きけんせいがある[33]中枢ちゅうすう神経しんけいけい影響えいきょうあたえると推測すいそくされるため、手術しゅじゅつちゅう使用しようする薬剤やくざいとの相互そうご作用さようふせぐために、手術しゅじゅつの2週間しゅうかんまえ使用しようめる必要ひつようがある[33]

EUのREACH規則きそく[編集へんしゅう]

欧州おうしゅう連合れんごう(EU)では、欧州おうしゅうにおけるあたらしい化学かがくひん規制きせいREACH(REACH規則きそく、REACHほう:Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)が、2008ねんから運用うんようされている[46][47]。この規則きそくでは、EUで物質ぶっしつ調剤ちょうざいちゅう物質ぶっしつ該当がいとう)を年間ねんかん1トン以上いじょう製造せいぞうまた輸入ゆにゅうする事業じぎょうしゃたいし、登録とうろく手続てつづき義務付ぎむづけられている[46]登録とうろくほかにも、条件じょうけん該当がいとうする場合ばあいは、認可にんか制限せいげん届出とどけでなどの義務ぎむがある[46]対象たいしょうには精油せいゆなどの天然てんねん香料こうりょうふくまれ、香料こうりょう業界ぎょうかい生産せいさん農家のうか化粧けしょうひん業界ぎょうかいアロマセラピー業界ぎょうかいなどで議論ぎろんこしている[48]

ラベンダーの精油せいゆアレルギーこす可能かのうせいがあるとして、REACHの対象たいしょうとなっており、将来しょうらいてきに「内服ないふくまたは吸入きゅうにゅうした場合ばあい死亡しぼうする可能かのうせいがある。」というあかくろ警告けいこくラベルが義務付ぎむづけられる可能かのうせいがある[49]精油せいゆ合成ごうせい香料こうりょうなどとちがい、生産せいさん生産せいさんねんなどでも成分せいぶん組成そせいことなるため、その都度つど検査けんさ必要ひつようとなり、流通りゅうつう規制きせいされるため、ラベンダー農家のうか精油せいゆ業者ぎょうしゃとっておおきな負担ふたんとなる[50]。ラベンダー農家のうかおおくは、天然てんねん物質ぶっしつである精油せいゆをReachの対象たいしょうとすることにたいし、「ラベンダーは化学かがく製品せいひんではない。Reachの適用てきよう反対はんたい」などのメッセージ看板かんばんはたけかかげるなどして、反対はんたい立場たちば表明ひょうめいしている[49][48]

芳香ほうこう成分せいぶん[編集へんしゅう]

L. angustifolia(コモン・ラベンダー)の精油せいゆ

リナロール、酢酸さくさんリナリルを主要しゅよう成分せいぶんとする[51]

多数たすう成分せいぶんからなる。

L. latifolia(スパイク・ラベンダー)の精油せいゆ

リナロール、1,8-シネオール(ユーカリプトール)、カンファー(樟脳しょうのう)を主要しゅよう成分せいぶんとする。多数たすう成分せいぶんからなる。

日本人にっぽんじんとラベンダー[編集へんしゅう]

宇田川うだがわ榕庵ようあんしゃみつひらけむね』、蒸留じょうりゅう装置そうち
ラベンダー発祥はっしょう札幌さっぽろみなみ南沢みなみさわ

ヨーロッパでは伝統でんとうてき精油せいゆ医療いりょう利用りようされていたため、西洋せいよう医学いがく蘭方らんぽう)が日本にっぽんつたわると、日本にっぽん医師いし学者がくしゃ西洋せいよう薬用やくよう植物しょくぶつ精油せいゆ精油せいゆ蒸留じょうりゅうほう利用りようほう興味きょうみち、情報じょうほうあつめて医療いりょう利用りようした。ラベンダーは文政ぶんせいに、宇田川うだがわ玄真げんしん榛斎しんさい訳述やくじゅつ宇田川うだがわ榕庵ようあんこうによる西洋せいよう薬物やくぶつしょ遠西とおにし医方いほう名物めいぶつこう』(1822ねんおよ補遺ほい(1934ねんごろ)に「ラーヘンデル」「ラーヘンデル」のくわしい説明せつめいがあり、以降いこう江戸えど後期こうき翻訳ほんやくしょ蘭学らんがくしょにもラベンダーや精油せいゆについての記述きじゅつがある[3]フランス語ふらんすごlavande は、蘭学らんがくしゃ翻訳ほんやくによりオランダlavendel (ラーヘンデル)として紹介しょうかいされた。翻訳ほんやく作業さぎょうとおして蘭方らんぽうやく西洋せいようやく)に使つかきた植物しょくぶつ輸入ゆにゅうしようという機運きうんたかまった。遠藤えんどう正治しょうじによると、大槻おおつき玄沢げんたく宇田川うだがわ玄真げんしん幕府ばくふ申請しんせいしたオランダからの輸入ゆにゅうのリストにはラベンダーもふくまれていたという[3]。1819ねんにははな精油せいゆ輸入ゆにゅうされ、万延まんえん元年がんねん(1860ねん)にべい使節しせつだんによってもたらされた植物しょくぶつ種子しゅしには、ラベンダーの種子しゅしふくまれていた[3]日本にっぽんかお文化ぶんか研究けんきゅうする吉武よしたけ利文としふみは、本草学ほんぞうがくしゃ山本やまもとようしつおくられた種子しゅし記録きろくや、旗本はたもと本草ほんぞう馬場ばばせい圃(1785ねん - 1868ねん)のラベンダーのなどから、幕末ばくまつには一部いちぶではあるが、精油せいゆ輸入ゆにゅうされ、栽培さいばいおこなわれていたとかんがえられる、とべている[3]

ラベンダーの本格ほんかくてき栽培さいばい精油せいゆ蒸留じょうりゅうは、1937ねん昭和しょうわ12ねん)に曽田香料そだこうりょう株式会社かぶしきがいしゃ創業そうぎょうしゃ曽田そた政治せいじが、フランスのアントワン・ヴィアルしゃからラバンデュラ・オフィキナリス(Lavandu la officinalis)の種子しゅし入手にゅうしゅしたことにはじまり、1942ねん昭和しょうわ17ねん)には日本にっぽん最初さいしょのラベンダー採取さいしゅされたといわれてきた[52]。しかし吉武よしたけ利文としふみは、株式会社かぶしきがいしゃ永廣ながひろどう沿革えんかくには、1935ねん伊豆いず富戸ふと)でラベンダー・ゼラニューム(ゼラニウム)の栽培さいばい採油さいゆ開始かいししたとあり、それ裏付うらづける1939ねん資料しりょうもあるため、北海道ほっかいどうより伊豆いずほうすこはやかった可能かのうせいもあると指摘してきしている。戦時せんじ体制たいせいであった当時とうじ伊豆いずでは国産こくさん香料こうりょう生産せいさん目指めざされ、クロモジやゼラニウムの蒸留じょうりゅうほかに、ラベンダーも試験しけんてき栽培さいばい蒸留じょうりゅうおこなわれていたが、だい世界せかい大戦たいせんはじまると食料しょくりょう増産ぞうさんのためラベンダーの生産せいさんはできなくなった。戦後せんごは、伊豆いずでは一部いちぶのこるのみとなった。曽田香料そだこうりょう戦中せんちゅうラベンダーのげん種苗しゅびょう保存ほぞんし、終戦しゅうせん契約けいやくによる委託いたく栽培さいばいつのり、富良野ふらの地方ちほうなどでラベンダーの栽培さいばい蒸留じょうりゅうひろおこなわれた。しかし、1972ねん昭和しょうわ47ねんごろから合成ごうせい香料こうりょう技術ぎじゅつ進歩しんぽ輸入ゆにゅう自由じゆう影響えいきょうけて衰退すいたいした[52][53]

1960ねんだいまでは、ヨーロッパをたびする機会きかいのない日本にっぽん一般いっぱん大衆たいしゅうは、ラベンダーをほとんどらなかった[よう出典しゅってん]。フランスではラベンダーのかおぶくろやラベンダーもちいた製品せいひんがよくられるため、フランスをたびしたり滞在たいざいしたことのある日本人にっぽんじん機会きかいがあった。日本にっぽん経済けいざいてきゆたかになるにつれ海外かいがい旅行りょこうをするひとえ、ヨーロッパでラベンダー関連かんれん製品せいひんかおりを自身じしん体験たいけんし、興味きょうみひとえた。

1975ねん国鉄こくてつのカレンダーで北海道ほっかいどう富良野ふらののラベンダーはたけ紹介しょうかいされわせが殺到さっとうし、観光かんこう資源しげんとして栽培さいばいされるようになった[52]人気にんきテレビドラマ『きたくにから』(1981ねん - 1982ねん)でもラベンダーはたけ登場とうじょうして話題わだいとなった。富良野ふらののラベンダーはたけは、なつ北海道ほっかいどう旅行りょこう場所ばしょ一種いっしゅの「定番ていばん」となり、おおくの日本人にっぽんじんがラベンダーにしたしむようになった。

筒井つつい康隆やすたか小説しょうせつどきをかける少女しょうじょ』(1967ねん)やその映像えいぞう作品さくひんであるテレビドラマ『タイム・トラベラー』(1972ねん)、および原田はらだ知世ともよ主演しゅえん大林おおばやし宣彦のぶひこ監督かんとく映画えいがどきをかける少女しょうじょ』(1983ねん)に、物語ものがたりかぎとしてラベンダーのかおりが登場とうじょうした。それらの作品さくひんとくに1983ねん映画えいが)にせっしたひとは、その名前なまえかおりの特徴とくちょうった[54]

日本にっぽん自治体じちたいはな[編集へんしゅう]

ラベンダーしょく[編集へんしゅう]

HTMLカラーコード[編集へんしゅう]

lavender HTML のカラーコードでは、#DFA0D2 のいろ指定していで lavender を表現ひょうげんできる。
lavenderblush また、#FFF0F5 のいろ指定していで lavenderblush を表現ひょうげんできる。

シンボリズム[編集へんしゅう]

ラベンダーしょく同性愛どうせいあいしゃ象徴しょうちょうするいろでもある。ピンク・トライアングル参照さんしょう

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ ふし」は「ぞく」の下位かい分類ぶんるい
  2. ^ フランス語ふらんすごではauは「オ」と発音はつおんする。この地名ちめいでは「l」「t」はまない。
  3. ^ チンキには水溶すいようせいあぶら溶性ようせい成分せいぶんが、ティーには水溶すいようせい成分せいぶんふくまれる。精油せいゆ水溶すいようせい成分せいぶんふくまれない。
  4. ^ 内臓ないぞう平滑へいかつすじ収縮しゅうしゅく痙攣けいれんをゆるめて、内臓ないぞうつうやわらげる作用さよう
  5. ^ 生体せいたいをある抗原こうげんたいしてかんじやすくし、アレルギーがこりやすい状態じょうたいにすること。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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  • クリスティアヌ・ムニエ ちょ 『ラベンダーとラバンジン』 岡崎おかざき英生ひでお わけ、フレグランスジャーナルしゃ、2005ねん
  • ビル・ローズ ちょ図説ずせつ 世界せかいえた50の植物しょくぶつ柴田しばた譲治じょうじ 翻訳ほんやくはら書房しょぼう、2012ねん
  • 吉武よしたけ利文としふみ ちょ香料こうりょう植物しょくぶつ ものと人間にんげん文化ぶんか 159』 法政大学ほうせいだいがく出版しゅっぱんきょく、2012ねん
  • Tim Upson、Susyn Andrews ちょ The Genus Lavandula. Timber Pr 2004ねん

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]