ラヴァンドラ属 ぞく
分類 ぶんるい
種 たね
39種 しゅ 。代表 だいひょう 種 しゅ は
Lavandula angustifolia
L. latifolia
L. stoechas
L. multifida
L. × intermedia
ラベンダー (英 えい : lavender [ˈlævəndər] 、仏 ふつ : lavande )は、シソ科 か ラヴァンドラ属 ぞく (ラベンダー属 ぞく 、Lavandula )の半 はん 木本 もくほん 性 せい 植物 しょくぶつ の通称 つうしょう である[1] 。または、半 はん 耐寒 たいかん 性 せい の小 しょう 低木 ていぼく Lavandula angustifolia (通称 つうしょう :ラベンダー、コモン・ラベンダー、イングリッシュ・ラベンダーなど)を指 さ す。
伝統 でんとう 的 てき にハーブとして古代 こだい エジプト、ギリシャ、ローマ、アラビア 、ヨーロッパ などで薬 くすり や調理 ちょうり に利用 りよう され、芳香 ほうこう 植物 しょくぶつ としてその香 かお りが活用 かつよう されてきた。ラベンダーの栽培 さいばい は1930年代 ねんだい に本格 ほんかく 的 てき に行 おこな われるようになるが、それ以前 いぜん は野生 やせい 種 しゅ の刈 か り取 と りがほとんどだった[2] 。
日本 にっぽん におけるラベンダーの初期 しょき の記述 きじゅつ としては、江戸 えど 文政 ぶんせい 期 き の西洋 せいよう 薬物 やくぶつ 書 しょ に「ラーヘンデル」「ラーヘンデル油 ゆ 」の名 な で詳細 しょうさい な説明 せつめい がある[3] 。幕末 ばくまつ 期 き には一部 いちぶ ではあるが、精油 せいゆ が輸入 ゆにゅう され、栽培 さいばい も行 おこな われていたと考 かんが えられている。昭和 しょうわ 期 き には香料 こうりょう 原料 げんりょう として、北海道 ほっかいどう 富良野 ふらの 地方 ちほう などで栽培 さいばい されて精油 せいゆ が生産 せいさん され、1970年 ねん にピークを迎 むか えたが、合成 ごうせい 香料 こうりょう の台頭 たいとう で衰退 すいたい した[3] 。現在 げんざい では富良野 ふらの などでラベンダー畑 はたけ が観光 かんこう 資源 しげん となっている。
現代 げんだい でもL. angustifolia (コモン・ラベンダー)やL. latifolia (スパイク・ラベンダー)、L. x intermedia (ラバンジン)などが精油 せいゆ を採 と るために栽培 さいばい され、精油 せいゆ は香料 こうりょう として用 もち いられたり、アロマセラピー (芳香 ほうこう 療法 りょうほう )としてリラクゼーション 等 ひとし に利用 りよう されている[1] 。
ちなみに、ラベンダー色 しょく は薄紫 うすむらさき 色 しょく を意味 いみ する。
Lavandula angustifolia
ラヴァンドラ属 ぞく (ラベンダー属 ぞく 、lavandula )は、半 はん 木本 もくほん 性 せい 植物 しょくぶつ で、低木 ていぼく のような草本 そうほん 、小 しょう 低木 ていぼく 、亜 あ 小 しょう 低木 ていぼく である[4] 。多年生 たねんせい のものとそうでないものがある。ヨーロッパ南部 なんぶ を中心 ちゅうしん に39種 しゅ が知 し られ、高 たか さは2メートル以下 いか 。原産地 げんさんち は地中海 ちちゅうかい 沿岸 えんがん 、インド 、カナリア諸島 かなりあしょとう 、北 きた アフリカ 、中東 ちゅうとう などである[5] 。春 はる に紫 むらさき や白 しろ 、ピンク色 ぴんくいろ の花 はな を咲 さ かせる様々 さまざま な種 たね がある。中 なか でも紫色 むらさきいろ の花 はな が最 もっと もポピュラーである。多 おお くの種 たね は、花 はな 、葉 は 、茎 くき は細 こま かい毛 け でおおわれており、その間 あいだ に精油 せいゆ を出 だ す腺 せん がある[6] 。揮発 きはつ 性 せい の油 あぶら を多 おお く含 ふく むため、草食 そうしょく 動物 どうぶつ はほとんど食 た べないが、芳香 ほうこう で蜂 はち などを引 ひ き寄 よ せる。ユーカリ と同 おな じように夏 なつ の熱 あつ さなどで自然 しぜん 発火 はっか し、野火 のび をよぶ。種子 しゅし は野火 のび の後 のち に発芽 はつが する性質 せいしつ がある[5] 。ラヴァンドラ属 ぞく には、ラベンダー特有 とくゆう の香 かお りがない種 たね も一部 いちぶ 存在 そんざい する。園芸 えんげい 用 よう としても愛好 あいこう されている。
主 おも にラベンダーと呼 よ ばれるL. angustifolia (コモン・ラベンダー)だけでなく、その近 きん 縁 えん 種 しゅ や交雑 こうざつ 種 しゅ もラベンダーと呼 よ ばれることがあるため、ラベンダーの名 な で販売 はんばい される苗 なえ やラベンダー油 ゆ (英語 えいご 版 ばん ) がL. angustifolia のものとは限 かぎ らない[7] 。
英語 えいご のlavender は古 こ フランス語 ふらんすご のlavandre に由来 ゆらい する。lavandre の語源 ごげん として様々 さまざま な説 せつ があるが、「洗 あら う」という意味 いみ のラテン語 らてんご lavo やlavare から来 く るといわれる[8] 。古代 こだい ローマ人 じん 達 いたる は洗濯 せんたく に用 もち いたり、浴用 よくよう 香料 こうりょう として疲労 ひろう や硬直 こうちょく した関節 かんせつ を和 やわ らげるために利用 りよう したという[9] [10] 。学名 がくめい のLavandula は他 た のヨーロッパ言語 げんご でラベンダーを指 さ す言葉 ことば からリンネ が命名 めいめい したと言 い われる。
しかし、この通説 つうせつ を裏付 うらづ ける歴史 れきし 的 てき 証拠 しょうこ はなく、一般 いっぱん 的 てき に古代 こだい ギリシャ人 じん ・ローマ人 じん はラベンダーを入浴 にゅうよく に利用 りよう しなかったなどの問題 もんだい 点 てん があり、作 つく り話 ばなし である可能 かのう 性 せい がある。UpsonとAndrewsはロ ろ ーマ帝国 まていこく での入浴 にゅうよく に関 かん する記述 きじゅつ を確認 かくにん したが、ラベンダーの使用 しよう はなかったという。UpsonとAndrewsは、ラテン語 らてんご のlivere と中世 ちゅうせい ラテン語 らてんご lavindula から推測 すいそく し、「青 あお みを帯 お びた、青 あお みがかった」を意味 いみ するラテン語 らてんご livere に由来 ゆらい するという説 せつ を提示 ていじ している。
Lavandula latifolia
Lavandula lanata
Lavandula dentata
Lavandula stoechas
Lavandula multifida
ヨーロッパ各地 かくち で盛 さか んに品種 ひんしゅ 改良 かいりょう が行 おこな われたことや、交雑 こうざつ 種 たね を生 しょう じやすい性質 せいしつ のために、呼 よ び名 な や学名 がくめい はかなり混乱 こんらん しており、分類 ぶんるい に関 かん しては現在 げんざい も研究 けんきゅう が進 すす められている。また植物 しょくぶつ 学 がく 上 じょう の分類 ぶんるい では同 どう 一 いち 種 しゅ であっても、産地 さんち により抽出 ちゅうしゅつ される精油 せいゆ の成分 せいぶん 組成 そせい や香 かお り、生物 せいぶつ 活性 かっせい (効能 こうのう )が異 こと なる事 こと から、生産 せいさん 地名 ちめい を加 くわ えて区分 くぶん しているものもある。歴史 れきし 的 てき にひとつの通称 つうしょう が、複数 ふくすう の種 たね に用 もち いられる例 れい も見 み られる。同 おな じ種 しゅ のラベンダーでも、多数 たすう の通称 つうしょう を持 も つものも少 すく なくない。
古代 こだい ローマでは、L. stoechas (イタリアン・ラベンダー)、L. pedunculata (スパニッシュ・ラベンダー)、L. dentata (キレハ・ラベンダー) はローマ時代 じだい にすでに知 し られていた[11] 。地中海 ちちゅうかい 地方 ちほう に自生 じせい するいくつかの種 たね が活用 かつよう されたが、それらはほとんど区別 くべつ されることはなかった。L. angustifolia (コモン・ラベンダー)を初 はじ めて他 た と区別 くべつ したのは、中世 ちゅうせい の修道 しゅうどう 女 おんな ヒルデガルト・フォン・ビンゲン (ユリウス暦 れき 1098年 ねん - 1179年 ねん )である。中世 ちゅうせい ヨーロッパでは、ヨーロッパのラベンダーはストエカス(L. stoechas 、L. pedunculata 、L. dentata ) とラヴェンドラ (L. spica 、L. latifolia )の2つのグループにわけられていた。リンネ は『植物 しょくぶつ の種 たね 』Species Plantarum (1753年 ねん )で、当時 とうじ 知 し られていたラベンダーを一 ひと つの属 ぞく にまとめた。5種 しゅ のラベンダーが挙 あ げられ、L. multifida 、L. dentata (スペイン)、L. stoechas 、L. spica 。L. pedunculata はL. stoechas に含 ふく まれていた。L. angustifolia とL. latifolia は区別 くべつ されず、L. spica とされた。
最初 さいしょ の近代 きんだい 的 てき な分類 ぶんるい で重要 じゅうよう なものは、1937年 ねん にキューのDorothy Chaytorが行 おこな ったもので、28種 しゅ をストエカス節 ぶし 、スパイカ節 ぶし 、スブヌダ節 ぶし 、プテロストエカス節 ぶし 、カエトスタシス節 ぶし 、デンタータ節 ぶし の6つの節 ふし [注釈 ちゅうしゃく 1] に分 わ けたが、容易 ようい に割 わ り当 あ てることのできない種 たね が残 のこ された[12] 。栽培 さいばい 種 しゅ や園芸 えんげい 種 しゅ はスパイカ、ストエカス、プテロストエカスの3節 せつ から出 で ており[13] 、カエトスタシス節 ぶし はインドやイラン 、スブヌダ節 ぶし はアラビアやソマリア に分布 ぶんぷ する[14] 。現在 げんざい 日本 にっぽん で見 み られるものは、園芸 えんげい 書 しょ ではイングリッシュ系 けい (スパイカ節 ぶし )、フレンチ系 けい (ストエカス節 ぶし 、デンタータ節 ぶし )、ラバンジン系 けい (L.a.ssp angustifolia とL. latifolia の交雑 こうざつ 種 しゅ )、その他 た に大別 たいべつ される[15] 。フレンチ系 けい はイングリッシュ系 けい より開花 かいか 期 き が早 はや い[15] 。スパイカ節 ぶし (イングリッシュ系 けい )の種 たね は分類 ぶんるい ・学名 がくめい に変遷 へんせん があるため、現在 げんざい でもL. angustifoli にL. officinalis やL. vera などの古 ふる い学名 がくめい の使用 しよう するなど、学名 がくめい の誤用 ごよう が見 み られる[13] 。
現代 げんだい では、クライストチャーチ植物 しょくぶつ 園 えん などでBotanical Officerをしていたヴァージニア・マクノートン(Virginia McNaughton)は、スパイカ節 ぶし 、ストエカス節 ぶし 、プテロストエカス節 ぶし 、カエトスタシス節 ぶし 、スブヌダ節 ぶし の5つの節 ふし に分 わ かれるとしている[13] 。
最新 さいしん の分類 ぶんるい はTim UpsonとSusyn Andrewsによる2004年 ねん のもので、ラヴァンドラ亜種 あしゅ (ラヴァンドラ節 ぶし 、デンタータ節 ぶし 、ストエカス節 ぶし )、ファブリカ亜種 あしゅ (プテロストエカス節 ぶし 、スブヌダ節 ぶし 、カエトスタシス節 ぶし 、Hasikenses 節 ふし )、サバウディア亜種 あしゅ (サバウディア節 ぶし )の3亜種 あしゅ があるとされた[4] 。以下 いか 、Tim UpsonとSusyn Andrewsによるによる分類 ぶんるい 。主 おも な種 たね を挙 あ げる。
Ⅰ ラヴァンドラ(Lavandula )亜種 あしゅ
i. ラヴァンドラ(Lavandula )節 ふし (3種 しゅ ):スパイカ節 ぶし [13] 、園芸 えんげい 書 しょ などでイングリッシュ系 けい [16] として知 し られる。
Lavandula angustifolia Mill. :地中海 ちちゅうかい 沿岸 えんがん 原産 げんさん [15] のL.a.ssp angustifolia とピレネー山脈 さんみゃく ・北部 ほくぶ スペイン原産 げんさん のL.a.ssp pyrenaica の2亜種 あしゅ を持 も つが、L.a.ssp pyrenaica はほとんど見 み られず、L. angustifolia といえばL.a.ssp angustifolia を指 さ す[13] 。通称 つうしょう コモン・ラベンダー、イングリッシュ・ラベンダー、オールドイングリッシュ・ラベンダー、トゥルーラベンダー、真正 しんしょう ラベンダー。元々 もともと はフランスで栽培 さいばい され始 はじ めた[13] 。葉 は は線形 せんけい で対生 たいせい し、若 わか い茎 くき では輪 わ 生 せい する。葉 は の色 いろ は最初 さいしょ 白 しろ っぽく、育 そだ つにつれ緑色 みどりいろ になる[1] 。6~7月 がつ に、芳香 ほうこう のある青 あお 紫色 むらさきいろ の花 はな を穂状 すいじょう にたくさんつける。日本 にっぽん の夏 なつ の高温 こうおん 多湿 たしつ に弱 よわ い[7] 。最 さい 高級 こうきゅう の精油 せいゆ がとれ、高地 こうち で育 そだ てると高 たか い品質 ひんしつ になるが、花穂 かすい が短 みじか く採取 さいしゅ 量 りょう が少 すく ないため、商業 しょうぎょう 用 よう に育 そだ てられるものは、L. latifolia (スパイク・ラベンダー)が多少 たしょう とも交雑 こうざつ した雑種 ざっしゅ であると考 かんが えられている[17] [13] 。
Lavandula latifolia Medik:通称 つうしょう スパイク・ラベンダー、ヒロハ(広葉 こうよう )ラベンダー。ポルトガル原産 げんさん 。広 ひろ がりのあるへら型 がた の葉 は を持 も ち、グレイがかった紫 むらさき の花穂 かすい をつける[7] 。葉 は はラベンダーの中 なか でも特 とく にカンファー 臭 におい がする。L. angustifolia の3倍 ばい の精油 せいゆ を収穫 しゅうかく できるが、香料 こうりょう としての品質 ひんしつ は劣 おと る。
Lavandula lanata Boiss:通称 つうしょう ウーリー・ラベンダー。スペイン南部 なんぶ の山地 さんち が原産 げんさん [13] 。全 ぜん 草 くさ フランネル のような白 しろ 綿毛 わたげ で覆 おお われており、花穂 かすい は好 この ましいカンファー臭 しゅう がする[13] 。
交雑 こうざつ 種 しゅ
Lavandula x intermedia :L.a.ssp angustifolia とL. latifolia の交雑 こうざつ 種 しゅ 。通称 つうしょう ラバンジン、ラヴァンディン。耐寒 たいかん 性 せい が強 つよ く高温 こうおん 多湿 たしつ にもやや耐 たい え[13] 、日本 にっぽん でも育 そだ てやすく、関東 かんとう 地方 ちほう 以西 いせい の気候 きこう に合 あ う[7] 。丈夫 じょうふ で花 はな がたくさん咲 さ き、精油 せいゆ も多 おお く取 と れることから、商業 しょうぎょう 用 よう に広 ひろ く栽培 さいばい されている[13] 。香料 こうりょう としての精油 せいゆ の質 しつ は、L. latifolia よりさらに劣 おと るが、低地 ていち でも栽培 さいばい できる。不 ふ 稔 みのり 性 せい で種 たね ができにくく、挿 さ し木 き で増 ふ やす[13] 。
ii. デンタータ (Dentatae )節 ふし (1種 しゅ ):フレンチ系 けい [16] として知 し られる。
Lavandula dentata L. :通称 つうしょう キレハ(切 きり 葉 は )ラベンダー、デンタータ・ラベンダー、フリンジド・ラベンダー、フレンチ・ラベンダー。世界中 せかいじゅう に広 ひろ く分布 ぶんぷ するが、海外 かいがい ではおもにフレンチ・ラベンダーと呼 よ ばれる[13] 。葉 は が歯 は 状 じょう になっており[13] 、苞 つと 葉 は のある薄紫 うすむらさき の花穂 かすい [7] を1年 ねん の大半 たいはん つける[13] 。変異 へんい 種 しゅ ができやすい[13] 。
iii. ストエカス(Stoechas Ging.)節 ふし (3種 しゅ ):フレンチ系 けい [16] として知 し られる。
Lavandula stoechas L.:通称 つうしょう イタリアン・ラベンダー、スパニッシュ・ラベンダー、フレンチ・ラベンダー、トップド・ラベンダー。歴史 れきし 的 てき にフレンチ・ラベンダーと呼 よ ばれ[13] 、日本 にっぽん でもそう呼 よ ばれることが多 おお い。原産 げんさん は地中海 ちちゅうかい 沿岸 えんがん ・北 きた アフリカ[13] 。1 - 3mmの小 ちい さな花 はな を無数 むすう につけ[13] 、花穂 かすい の先端 せんたん に紫 むらさき 紅色 こうしょく の苞 つと 葉 は がある[7] 。全 ぜん 草 くさ にカンファー様 さま の清涼 せいりょう 感 かん ある香 かお りがあり、短 たん 毛 げ で覆 おお われている[13] 。霜 しも や寒 さむ さに弱 よわ い種 たね が多 おお いが、暑 あつ さには比較的 ひかくてき 強 つよ い。昔 むかし から薬用 やくよう に使 つか われてきた[7] 。
Lavandula pedunculata Mill.(Cav.):通称 つうしょう スパニッシュ・ラベンダー、フレンチ・ラベンダー。主 おも にスペインで見 み られるが、原産 げんさん はポルトガル、北 きた アメリカ、南 みなみ バルカン半島 ばるかんはんとう 、小 しょう アジア。花穂 かすい は丸 まる くふくらみがあり華 はな やかだが、あまり丈夫 じょうぶ ではない[13] 。
Ⅱファブリカ(Fabricia )亜種 あしゅ
iv. プテロストエカス(Pterostoechas Ging.)節 ふし (16種 しゅ )
Lavandula multifida :通称 つうしょう ファーンリーフ・ラベンダー、レース・ラベンダー、ムルチフィダ・ラベンダー、エジプシャン・ラベンダー。愛 あい らしい青 あお 紫 むらさき の花穂 かすい をつけるが、ラベンダーの芳香 ほうこう はない[13] 。半 はん 耐寒 たいかん 性 せい の多年草 たねんそう として園芸 えんげい 用 よう に栽培 さいばい される。
Lavandula canariensis Mill.:通称 つうしょう カナリー・ラベンダー。条件 じょうけん が良 よ ければ1.5mにもなる[13] 。カナリア諸島 かなりあしょとう 原産 げんさん [13] 。耐寒 たいかん 性 せい がない[13] 。
Lavandula pinnata L.:通称 つうしょう ピナータ・ラベンダー、ピンナタラベンダー、レースラベンダー。シダ のような特徴 とくちょう 的 てき な葉 は で、開花 かいか 期 き には幻想 げんそう 的 てき な美 うつく しさを持 も ち、園芸 えんげい 種 しゅ として人気 にんき が高 たか い[13] 。
v. スブヌダ(Subnudae )節 ふし (10種 しゅ )
vi. カエトスタシス(Chaetostachys )節 ふし (2種 しゅ )
Lavandula bipinnata (Roth) Kuntze
Lavandula gibsonii J. Graham
vii. Hasikenses 節 ふし (2種 しゅ )
Lavandula hasikensis A.G. Mill.
Lavandula sublepidota Rech. f.
III. サバウディア(Sabaudia )亜種 あしゅ
viii.サバウディア(Sabaudia )節 ふし (2種 しゅ )
Lavandula atriplicifolia Benth.
Lavandula erythraeae (Chiov.) Cufod.
高温 こうおん 多湿 たしつ が苦手 にがて な種 たね が多 おお く、西岸 せいがん 海洋 かいよう 性 せい 気候 きこう や亜寒帯 あかんたい 湿潤 しつじゅん 気候 きこう の地域 ちいき で多 おお く栽培 さいばい されている。世界 せかい 的 てき に有名 ゆうめい な生産 せいさん 地 ち はフランス南東 なんとう 部 ぶ のプロヴァンス 地方 ちほう で、伝統 でんとう 的 てき に多 おお くの地域 ちいき で商品 しょうひん 作物 さくもつ として栽培 さいばい され、ラベンダー畑 はたけ が多数 たすう ある[5] 。
ラベンダーは近年 きんねん まで野生 やせい 種 しゅ が採取 さいしゅ されていた。1925年 ねん 頃 ごろ から伝統 でんとう 的 てき に野生 やせい 種 しゅ の狩 か り集 あつ めを行 おこな ってきた地域 ちいき の周辺 しゅうへん (アルプ=ド=オート=プロヴァンス県 けん のヴァランソール高原 こうげん 、ローヌ渓谷 けいこく 沿 ぞ いの低地 ていち 地帯 ちたい 、ヴォクリューズ県 けん のソー(Sault [注釈 ちゅうしゃく 2] )地方 ちほう (コミュヌ )、ヴァルレアヌス地方 ちほう 、カルパントラ 、アプト 周辺 しゅうへん などのローヌ川 がわ 流域 りゅういき )にラバンジン農家 のうか が多数 たすう でき、徐々 じょじょ にほかの地域 ちいき でもラバンジンが栽培 さいばい されるようになり、1930年代 ねんだい から本格 ほんかく 的 てき に栽培 さいばい がおこなわれるようになった[2] 。伝統 でんとう 的 てき なラベンダー農家 のうか は、好条件 こうじょうけん とは言 い えない土地 とち で小規模 しょうきぼ に栽培 さいばい を続 つづ けながら、生活 せいかつ できる程度 ていど の農業 のうぎょう や時 とき には牧畜 ぼくちく も併行 へいこう して行 い っていた。第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 ご の経済 けいざい の急 きゅう 成長 せいちょう に従 したが ってラバンジン農家 のうか の機械 きかい 化 か が進 すす み、ラベンダー栽培 さいばい も急速 きゅうそく に発展 はってん し野生 やせい 種 しゅ の狩 か り集 あつ めに取 と って替 か わった。同時 どうじ にラバンジンの立 た ち枯 が れが急速 きゅうそく に広 ひろ がったが、その対策 たいさく として丈夫 じょうぶ な品種 ひんしゅ 「グロッソ」が栽培 さいばい されるようになり、また合成 ごうせい 香料 こうりょう の価格 かかく が上昇 じょうしょう したことでラベンダー、ラバンジンは増産 ぞうさん された。しかし、1990年代 ねんだい 初 はじ めまでにラベンダー油 ゆ の利益 りえき 率 りつ が悪化 あっか したため、栽培 さいばい 面積 めんせき はそれまでの約 やく 40%に減少 げんしょう した[2] 。1994年 ねん からフランス政府 せいふ 主導 しゅどう の再 さい 活性 かっせい 化 か 計画 けいかく で多少 たしょう 持 も ち直 なお し、年間 ねんかん 生産 せいさん 量 りょう は30トン弱 じゃく から45トン強 きょう で推移 すいい している[2] 。現在 げんざい の栽培 さいばい 地 ち はあまり標高 ひょうこう が高 たか くなく、ラバンジンが生産 せいさん される地域 ちいき でラベンダーも生産 せいさん されている[2] 。以前 いぜん 産地 さんち であったオート=アルプ県 けん やアルプ=ド=オート=プロヴァンス県 けん のバレム、ディオワなどの山岳 さんがく 地 ち では、平地 ひらち のラバンジン産地 さんち のような農業 のうぎょう 基 もと 材 ざい 、蒸留 じょうりゅう 設備 せつび といったインフラがなかったため、ラベンダー栽培 さいばい の再 さい 活性 かっせい 化 か 計画 けいかく は頓挫 とんざ し、標高 ひょうこう の低 ひく いラバンジン産地 さんち でラベンダーの栽培 さいばい もおこなわれるようになった[2] 。
主 おも な栽培 さいばい 地 ち は、ヴォクリューズ県 けん のアルビオン高原 こうげん 地方 ちほう 、ソー地方 ちほう 、アプト、ドローム県 けん のバロニー山地 さんち に集中 しゅうちゅう しており、ラベンダー以外 いがい の作物 さくもつ はほとんど栽培 さいばい されない。この地域 ちいき における生産 せいさん がラベンダー油 ゆ 全体 ぜんたい の約 やく 8割 わり を占 し めている[2] 。ソー地方 ちほう が有名 ゆうめい で、ラベンダー農家 のうか が多数 たすう あり、広大 こうだい なラベンダー畑 はたけ が広 ひろ がる。ソーの様々 さまざま なラベンダー製品 せいひん はフランス国内 こくない 、ヨーロッパ、世界 せかい 各地 かくち に届 とど けられている。ソーでは毎年 まいとし 夏 なつ に1日 にち 「ラベンダー祭 さい 」が催 もよお され、ラベンダーを用 もち いた様々 さまざま な製品 せいひん が通 とお りに並 なら び、普段 ふだん は人口 じんこう 3000人 にん 位 い のコミュヌに世界 せかい 各地 かくち から2万 まん 人 にん ほどの観光 かんこう 客 きゃく が訪 おとず れる。
近年 きんねん プロヴァンスでは、ラベンダー畑 はたけ のバクテリア 被害 ひがい が深刻 しんこく な問題 もんだい になっている。異常 いじょう 気象 きしょう の影響 えいきょう で、有害 ゆうがい なバクテリアを媒介 ばいかい するヨコバイ が大量 たいりょう 発生 はっせい し、2007年 ねん から2010年 ねん の間 あいだ にラベンダー畑 はたけ の50%が被害 ひがい を受 う け、生産 せいさん が大幅 おおはば に落 お ち込 こ んだ[18] [19] [20] 。
オーストラリアのタスマニア も生産 せいさん 地 ち として知 し られる[5] 。
日本 にっぽん では北海道 ほっかいどう の富良野 ふらの 地方 ちほう のラベンダー畑 はたけ が世界 せかい 的 てき にも知 し られ[5] 、上富良野 かみふらの 町 まち 、中富良野 なかふらの 町 まち 、ニセコ町 まち のシンボルとしても指定 してい される。栽培 さいばい 発祥 はっしょう 地 ち は札幌 さっぽろ 市 し 南 みなみ 区 く 南沢 みなみさわ であり、曽田香料 そだこうりょう によって1940年 ねん に栽培 さいばい が開始 かいし された[21] 。札幌 さっぽろ 市 し では、幌見峠 ほろみとうげ 頂上 ちょうじょう (宮 みや の森 もり 地区 ちく )にあるラベンダー畑 はたけ が有名 ゆうめい であるが、規模 きぼ は小 ちい さい。
プロヴァンス(ソー村 むら )
日本 にっぽん (富良野 ふらの 地方 ちほう )
ラベンダーを使 つか ったカップケーキ
ラヴァンドラ属 ぞく は、ポプリ の材料 ざいりょう 、ハーブ ティー、料理 りょうり の風 ふう 味付 あじつ け、化粧水 けしょうすい などの美容 びよう 、観賞 かんしょう 用 よう (鉢植 はちう え)等々 とうとう に利用 りよう されてきた。また古 ふる くから、多 おお くの薬効 やっこう を持 も つハーブとして利用 りよう された。
ギリシア人 じん は、シリアの都市 とし ナールダ(おそらく現在 げんざい のイラクのドホーク )から採 と って、ラベンダーを「ナルド」と呼 よ んだ[22] [23] 。L. latifolia (スパイク・ラベンダー)は、最 もっと も高価 こうか な香料 こうりょう のひとつである甘 あま 松 まつ 香 かおり (英語 えいご 版 ばん ) (スパイクナルド)と混同 こんどう され、重用 じゅうよう された。新約 しんやく 聖書 せいしょ でベタニアのマリア がイエスに注 そそ いだ「ナルドの香油 こうゆ 」は、甘 あま 松 まつ 香 が ではなくラベンダーの香油 こうゆ であったとも考 かんが えられている[13] 。ラベンダーの花 はな は非常 ひじょう に高価 こうか で、古代 こだい ローマのプリニウス の時代 じだい には1ポンド当 あ たり100デナリという高額 こうがく であり、中世 ちゅうせい になっても貴重 きちょう なものであった[10] 。
花 はな や葉 は は食用 しょくよう され、食欲 しょくよく 増進 ぞうしん のハーブとして料理 りょうり や菓子 かし の風味 ふうみ 付 づ けに用 もち いられた。調味 ちょうみ 料 りょう としてサラダやドレッシングに利用 りよう されている[24] 。南 みなみ フランスでラベンダーは伝統 でんとう 的 てき に様々 さまざま な用途 ようと に利用 りよう され、エルブ・ド・プロヴァンス というラベンダーを含 ふく むハーブミックスが広 ひろ く知 し られるが、これはスパイス業者 ぎょうしゃ が作 つく ったもので、伝統 でんとう 的 てき な南仏 なんふつ のプロヴァンス 料理 りょうり でラベンダーは用 もち いられない[25] [26] 。近年 きんねん 、エルブ・ド・プロヴァンスは料理 りょうり でよく使用 しよう されるようになってきている。
エリザベス1世 せい はラベンダーのジャム を好 この み、砂糖 さとう 漬 づ けを肉 にく 料理 りょうり やフルーツ・サラダの薬味 やくみ として、菓子 かし や頭痛 ずつう 薬 やく として食 しょく した[10] 。チャールズ1世 せい の妃 ひ ヘンリエッタ・マリア は、ラベンダーの花 はな を刻 きざ んで粉 こな 砂糖 さとう と混 ま ぜ、ローズウォーターでペースト状 じょう に練 ね った砂糖 さとう 菓子 かし が大 だい 好物 こうぶつ で、これをビスケットなどに塗 ぬ って食 た べていたという[要 よう 出典 しゅってん ] 。
乾燥 かんそう させたラベンダーを束 たば ねたもの。防虫 ぼうちゅう に用 もち いる。
フランスなどでは、乾燥 かんそう させた花 はな を小 ちい さな布袋 ほてい に入 い れた一種 いっしゅ のサシェ(香 かお り袋 ぶくろ 、匂 にお い袋 ぶくろ )があり、それを洋服 ようふく 箪笥 だんす に入 い れたり、ワードローブの中 なか に下 さ げておいたりして、香 かお りを衣類 いるい に移 うつ したり防虫 ぼうちゅう 剤 ざい として利用 りよう する。あるいはサシェをベッドの枕 まくら の近 ちか くなどに置 お いて寝室 しんしつ に漂 ただよ わせたり、枕 まくら のつめものの一部 いちぶ としてラベンダーを混 ま ぜておいて、枕 まくら に頭 あたま を置 お くだけで中身 なかみ が自然 しぜん と揉 も まれて香 かお りが漂 ただよ うことを楽 たの しむ。
また、香水 こうすい に使 つか われる香料 こうりょう として重要 じゅうよう な役割 やくわり を果 は たした。ラベンダーの芳香 ほうこう 成分 せいぶん をアルコールに溶 と かしたラベンダー水 すい は、ローズマリー水 すい (ハンガリーウォーター )と共 とも に、最古 さいこ のアルコール ベースの香水 こうすい のひとつとされる[27] 。1709年 ねん にイタリアの香料 こうりょう 商 しょう ヨハン・マリア・ファリナ がドイツのケルン で発売 はつばい され人気 にんき となった香 かお りのよい薬用 やくよう 酒 しゅ 「アクア・アドミラビリス」(奇跡 きせき の水 みず )、後 ご の「オーデコロン 」(Eau de Cologne、ケルンの水 みず )には、微量 びりょう のラベンダーがブレンドされていた[5] [3] 。
現代 げんだい では、L. angustifolia (コモン・ラベンダー)やL. x intermedia (ラバンジン)の精油 せいゆ は、香料 こうりょう やアロマセラピー に用 もち いられる。精油 せいゆ は、先端 せんたん 部分 ぶぶん および花 はな から、水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう で抽出 ちゅうしゅつ される。ヨーロッパ薬局方 やっきょくほう には、L. angustifolia の精油 せいゆ が収録 しゅうろく されている。溶剤 ようざい 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう によるラベンダー・アブソリュートもある[28] 。同 おな じL. angustifolia を用 もち いても、抽出 ちゅうしゅつ に用 もち いる部位 ぶい によって、精油 せいゆ の成分 せいぶん は大 おお きく異 こと なる。L. x intermedia はL. angustifolia より多 おお くの精油 せいゆ を採 と ることができ、価格 かかく が安 やす いため広 ひろ く流通 りゅうつう しているが、L. x intermedia の精油 せいゆ をL. angustifolia の精油 せいゆ として販売 はんばい する業者 ぎょうしゃ も存在 そんざい する。L. x intermedia (ラバンジン)の精油 せいゆ は、多少 たしょう カンファー 臭 におい があり、L. angustifolia (コモン・ラベンダー)の精油 せいゆ とは成分 せいぶん 組成 そせい も異 こと なる[28] 。
Lavandula latifolia (スパイクラベンダー)の精油 せいゆ は、油彩 ゆさい 画 が 用 よう の揮発 きはつ 性 せい 溶剤 ようざい としても利用 りよう される。同様 どうよう の目的 もくてき に使 つか われるテレビン油 てれびんゆ に比較 ひかく して、非常 ひじょう に高価 こうか なためあまり使 つか われないが、樹脂 じゅし の溶解 ようかい 能力 のうりょく は高 たか く、防腐 ぼうふ 性能 せいのう もある。[29]
効能 こうのう ・臨床 りんしょう 研究 けんきゅう [ 編集 へんしゅう ]
ラベンダー油 ゆ
ラヴァンドラ属 ぞく は、ハーブ の一種 いっしゅ として用 もち いられ、様々 さまざま な効能 こうのう が期待 きたい されている。古 ふる くから多 おお くの病気 びょうき に対 たい する万能 ばんのう 薬 やく として利用 りよう されており[10] 、不安 ふあん 、不穏 ふおん 、不眠 ふみん 、うつ症状 しょうじょう 、精神 せいしん 安定 あんてい 、鎮痛 ちんつう 、胃 い のむかつき、脱毛 だつもう 、防虫 ぼうちゅう ・殺菌 さっきん などに効果 こうか があるとされ、民間 みんかん 療法 りょうほう または伝統 でんとう 療法 りょうほう として使 つか われている[30] [31] 。アメリカのNational Center for Complementary and Integrative Health(NCCIH、旧 きゅう 国立 こくりつ 補完 ほかん 代替 だいたい 医療 いりょう センター )は、2012年 ねん 時点 じてん では、伝承 でんしょう される多 おお くの効能 こうのう に対 たい し、有効 ゆうこう 性 せい が科学 かがく 的 てき に証明 しょうめい されたものはごくわずかしかないと述 の べている[31] 。
精油 せいゆ も薬用 やくよう され、第 だい 一 いち 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 時 とき に病院 びょういん で使用 しよう されていた[32] 。種 たね によって成分 せいぶん 組成 そせい は異 こと なり、香 かお りだけでなく薬効 やっこう も異 こと なる[要 よう 出典 しゅってん ] 。
揮発 きはつ 性 せい の油 あぶら である精油 せいゆ には、L. angustifolia (コモン・ラベンダー)の水溶 すいよう 性 せい 成分 せいぶん などは含 ふく まれないため、ハーブとしての効能 こうのう をそのまま精油 せいゆ に用 もち いることはできない[注釈 ちゅうしゃく 3] 。L. angustifolia の精油 せいゆ はアロマテラピーでもっとも使 つか われるもののひとつで、様々 さまざま な効能 こうのう があるといわれている。生化学 せいかがく 者 しゃ のマリア・リス・バルチンは、一般 いっぱん に言 い われるL. angustifolia の精油 せいゆ の効能 こうのう には、近世 きんせい のハーブ療法 りょうほう 家 か ・ニコラス・カルペパー (英語 えいご 版 ばん ) (1616 - 1654)が記 しる したL. latifolia (スパイク・ラベンダー)の効能 こうのう で、チンキ やティーの形 かたち で治療 ちりょう に用 もち いたものが誤 あやま って引用 いんよう された例 れい が少 すく なくないと指摘 してき している[28] 。例 たと えばL. latifolia の水溶 すいよう 性 せい 成分 せいぶん には鎮痙作用 さよう [注釈 ちゅうしゃく 4] があるが、これがL. angustifolia の精油 せいゆ の効能 こうのう として転用 てんよう されており、情報 じょうほう が混乱 こんらん していることがわかる[28] 。またカルペパーは、ラベンダーには癲癇 てんかん (てんかん)、痙攣 けいれん (けいれん)など様々 さまざま な症状 しょうじょう に効果 こうか があると述 の べているが、スパイク油 ゆ (ラベンダーの精油 せいゆ )は「その性質 せいしつ は極 きわ めて激 はげ しく刺 さ すような刺激 しげき があるため、使用 しよう には注意 ちゅうい を要 よう する。」としている[5] 。
効果 こうか があると考 かんが えられるもの
一部 いちぶ の予備 よび 的 てき な研究 けんきゅう 結果 けっか では、ラベンダー油 ゆ は、タイム 油 あぶら 、ローズマリー 油 あぶら 、シダーウッド 油 あぶら と組 く み合 あ わせて使用 しよう すると、円形 えんけい 脱毛 だつもう 症 しょう に効果 こうか がある可能 かのう 性 せい が示 しめ されている[33] [31] 。いくつかの研究 けんきゅう は、6 - 10週間 しゅうかん ラベンダー油 ゆ を経口 けいこう 摂取 せっしゅ することで、不安 ふあん や不眠 ふみん を改善 かいぜん することを示唆 しさ しているが、抗 こう 不安 ふあん 薬 やく ロラゼパム より効果 こうか は弱 よわ いようである[33] 。ただし、初期 しょき のアロマセラピーにおけるラベンダー油 ゆ での不安 ふあん 治療 ちりょう の研究 けんきゅう は不十分 ふじゅうぶん であり、エビデンス たり得 え ない[33] 。またいくつかの研究 けんきゅう は、ラベンダー油 ゆ の香 かお りを嗅 か いでいると高齢 こうれい 者 しゃ の転倒 てんとう が減少 げんしょう する、帝王切開 ていおうせっかい で静脈 じょうみゃく 内 ない 鎮痛 ちんつう 剤 ざい を使用 しよう しながらラベンダー油 ゆ を吸入 きゅうにゅう すると、術後 じゅつご の痛 いた みが軽減 けいげん することを示 しめ している[33] 。2021年 ねん 、メタアナリシスにより、ラベンダー油 ゆ カプセル「Silexan」が不安 ふあん 障害 しょうがい 患者 かんじゃ の痛 いた みや不眠 ふみん などの不安 ふあん 症状 しょうじょう の軽減 けいげん に有効 ゆうこう であることが判明 はんめい しました[34] 。
効果 こうか がないと考 かんが えられるもの
がん による痛 いた みの軽減 けいげん 、認知 にんち 症 しょう の改善 かいぜん 、会 かい 陰 かげ の痛 いた みの軽減 けいげん などの効果 こうか はないと考 かんが えられている[33] 。
エビデンスが不十分 ふじゅうぶん であるもの
鎮静 ちんせい 効果 こうか (興奮 こうふん )に関 かん する臨床 りんしょう 研究 けんきゅう は不十分 ふじゅうぶん で、矛盾 むじゅん する研究 けんきゅう 結果 けっか があるが[31] 、アルツハイマー症 しょう 患者 かんじゃ の興奮 こうふん を改善 かいぜん する可能 かのう 性 せい がある。かゆみや炎症 えんしょう を起 お こしている皮膚 ひふ (湿疹 しっしん )、疝痛 せんつう 、便秘 べんぴ 、鬱 うつ 病 びょう 、気分 きぶん の落 お ち込 こ み(幸福 こうふく 感 かん )、月経 げっけい 痛 やめ 、高血圧 こうけつあつ 、不眠 ふみん 、偏頭痛 へんずつう 、頭痛 ずつう 、シラミ 、耳 みみ の感染 かんせん 症 しょう 、傷 きず の治療 ちりょう 、食欲 しょくよく 不振 ふしん 、歯痛 しつう 、にきび 、吐 は き気 け 、がんに対 たい する効果 こうか 、蚊 か の忌避 きひ 剤 ざい 、防虫 ぼうちゅう 剤 ざい としての効果 こうか の研究 けんきゅう は十分 じゅうぶん ではなく、さらなる研究 けんきゅう が必要 ひつよう とされている[33] 。
安全 あんぜん 上 じょう の懸念 けねん [ 編集 へんしゅう ]
ラベンダーを経口 けいこう 摂取 せっしゅ した場合 ばあい 、便秘 べんぴ 、頭痛 ずつう 、食欲 しょくよく 増加 ぞうか を引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい がある[33] 。ラベンダー油 ゆ の経口 けいこう 摂取 せっしゅ は、有害 ゆうがい である可能 かのう 性 せい がある[31] 。
アメリカ国立 こくりつ 衛生 えいせい 研究所 けんきゅうじょ は、妊娠 にんしん 中 ちゅう ・授乳 じゅにゅう 中 ちゅう におけるラベンダーの使用 しよう は、安全 あんぜん が確認 かくにん されていないとしている[33] 。
L. angustifolia (コモン・ラベンダー)やL. x intermedia (ラバンジン)などラヴァンドラ属 ぞく の精油 せいゆ は、皮膚 ひふ への感 かん 作 さく 性 せい [注釈 ちゅうしゃく 5] を除 のぞ けば、比較的 ひかくてき 安全 あんぜん 性 せい の高 たか い精油 せいゆ である[要 よう 出典 しゅってん ] 。
ラベンダー油 ゆ の感 かん 作 さく 性 せい は強 つよ いので、日常 にちじょう 生活 せいかつ で使 つか う場合 ばあい は注意 ちゅうい しなければならない[35] 。L. x intermedia の精油 せいゆ で偽 にせ 和 わ (合成 ごうせい 成分 せいぶん の添加 てんか など)が横行 おうこう しており、これが広 ひろ く利用 りよう された影響 えいきょう で、ラヴァンドラ属 ぞく の精油 せいゆ に対 たい する感 かん 作 さく が上昇 じょうしょう していると考 かんが えられる[28] 。精油 せいゆ や精油 せいゆ を用 もち いた化粧 けしょう 品 ひん による接触 せっしょく 性 せい 皮膚 ひふ 炎 えん やアレルギー 反応 はんのう の報告 ほうこく があり、日本人 にっぽんじん のラベンダー油 ゆ の陽性 ようせい 率 りつ (パッチテスト による)は、1981年 ねん の実験 じっけん では2.4%(被験者 ひけんしゃ 数 すう 778名 めい )だった[36] 。名古屋大学 なごやだいがく 医学部 いがくぶ 環境 かんきょう 皮膚 ひふ 科学 かがく 講座 こうざ の杉浦 すぎうら 真理子 まりこ らが、1990年 ねん から1998年 ねん の12年間 ねんかん 、化粧 けしょう 品 ひん 接触 せっしょく 皮膚 ひふ 炎 えん が疑 うたが われた患者 かんじゃ 1483例 れい を対象 たいしょう に、パッチテストを行 おこな ったところ、陽性 ようせい 率 りつ は1990年 ねん 3.75%、1991年 ねん 1.47%、1992年 ねん 1.28%、1993年 ねん 3.75%、1994年 ねん 0% 、1995年 ねん 1.14%、1996年 ねん 0.90%、1997年 ねん 8.73%、1998年 ねん 13.86% だった[37] [35] 。生活 せいかつ の変化 へんか に伴 ともな い日 び 用品 ようひん アレルギーのアレルゲンは変化 へんか するが、アロマブームの中 なか 、香料 こうりょう アレルギーが問題 もんだい になっている[38] 。特 とく にラヴェンダー油 ゆ は、陽性 ようせい 率 りつ が高 たか い天然 てんねん 香料 こうりょう の中 なか でも陽性 ようせい 率 りつ が上昇 じょうしょう しており、熊本大学 くまもとだいがく の皆本 みなもと 景子 けいこ は要注意 ようちゅうい であると述 の べている[39] 。こうした天然 てんねん 香料 こうりょう は、色素 しきそ 沈着 ちんちゃく 型 がた 化粧 けしょう 品 ひん 皮膚 ひふ 炎 えん を起 お こす可能 かのう 性 せい のあるアレルゲンである[39] 。しかし、日本 にっぽん で香料 こうりょう は一般 いっぱん の化粧 けしょう 品 ひん 成分 せいぶん として扱 あつか われず、ただ「香料 こうりょう 」とだけ記載 きさい されるので、化粧 けしょう 品 ひん にラヴェンダー油 ゆ が含 ふく まれているかはわからない[39] 。
2004年 ねん にin vitro (試験管 しけんかん 内 ない で行 おこな う試験 しけん )で、ラベンダー油 ゆ に細胞 さいぼう 毒性 どくせい (細胞 さいぼう 傷害 しょうがい 性 せい )が認 みと められたという研究 けんきゅう 結果 けっか が公開 こうかい された[40] 。これに対 たい しアロマセラピストのロバート・ティスランドは、全 すべ てのin vitroは、その現象 げんしょう が起 お こる可能 かのう 性 せい を示唆 しさ するにすぎず、生体 せいたい で同様 どうよう の効果 こうか があると決 き めつけることはできないと述 の べている[41] 。
2007年 ねん に様々 さまざま な香料 こうりょう と感光 かんこう 性 せい (英語 えいご 版 ばん ) に関 かん する研究 けんきゅう が発表 はっぴょう された。ラベンダーは光 ひかり 毒性 どくせい 反応 はんのう を誘発 ゆうはつ すると言 い われているが、研究 けんきゅう でそのような現象 げんしょう は認 みと められなかった[42] 。
女性 じょせい 化 か 乳房 ちぶさ (幼年 ようねん 期 き の例 れい )[ 編集 へんしゅう ]
一部 いちぶ に、精油 せいゆ の思春期 ししゅんき 前 まえ の少年 しょうねん への外用 がいよう による反復 はんぷく 的 てき な使用 しよう は、男子 だんし の乳房 ちぶさ が成長 せいちょう する「女性 じょせい 化 か 乳房 ちぶさ 」の原因 げんいん になるという見解 けんかい が見 み られている。ただこれは、体重 たいじゅう が少 すく なく外部 がいぶ の微量 びりょう の物質 ぶっしつ の影響 えいきょう 力 りょく が成立 せいりつ しやすい幼少 ようしょう 期 き の事例 じれい に依 よ った見解 けんかい である事 こと に注意 ちゅうい が必要 ひつよう 。
自己 じこ のホルモン代謝 たいしゃ の影響 えいきょう を考慮 こうりょ せずに済 す む思春期 ししゅんき 前 まえ の事例 じれい である為 ため に情報 じょうほう 化 か されたと考 かんが えられ、認識 にんしき の一般 いっぱん 化 か には注意 ちゅうい が必要 ひつよう だと思 おも われる。
コロラド大学 だいがく デンバー校 こう の小児 しょうに 内分泌 ないぶんぴつ 学者 がくしゃ Clifford Blochによると、4歳 さい 、7歳 さい 、10歳 さい の「思春期 ししゅんき 前 ぜん 女性 じょせい 化 か 乳房 ちぶさ 」と診断 しんだん した男児 だんじ 3人 にん が、ラベンダーの香 かお りの石鹸 せっけん 、スキンローション、又 また はシャンプーか整髪 せいはつ 料 りょう を使用 しよう しており、これらにはラベンダー油 あぶら またはティーツリー油 ゆ が含有 がんゆう されていた。これらの製品 せいひん の使用 しよう をやめると、数カ月 すうかげつ で女性 じょせい 化 か 乳房 ちぶさ の症状 しょうじょう は消 き えた。[43] 。
思春期 ししゅんき 年齢 ねんれい に到達 とうたつ した以降 いこう の男子 だんし の場合 ばあい は、もともと女性 じょせい 化 か 乳房 ちぶさ の現象 げんしょう 自体 じたい は自然 しぜん に有 あ る物 もの であり、あまり珍 めずら しい現象 げんしょう ではない事 こと に留意 りゅうい が必要 ひつよう である。思春期 ししゅんき 初期 しょき には男性 だんせい ホルモンに比 くら べて女性 じょせい ホルモンの分泌 ぶんぴつ がその代謝 たいしゃ 問題 もんだい により相対 そうたい 的 てき に男子 だんし の体内 たいない で多 おお くなる為 ため 、女性 じょせい 化 か 乳房 ちぶさ は自然 しぜん 発生 はっせい 率 りつ が高 たか く、環境 かんきょう ホルモン説 せつ 等 とう も科学 かがく 的 てき 信憑 しんぴょう 性 せい に乏 とぼ しい事 こと に注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。また、男性 だんせい でも乳房 ちぶさ が人体 じんたい 側 がわ の因子 いんし によりタナー段階 だんかい III並 なみ になることも珍 めずら しくない。一定 いってい 類 るい の精神 せいしん 薬 やく や脳腫瘍 のうしゅよう の影響 えいきょう による下垂 かすい 体 たい 制御 せいぎょ の変化 へんか や、肝臓 かんぞう 疾患 しっかん による代謝 たいしゃ 能力 のうりょく 問題 もんだい 等 とう の可能 かのう 性 せい 及 およ び体質 たいしつ による恒常 こうじょう 的 てき な要因 よういん の物 もの がある。一般 いっぱん 的 てき な思春期 ししゅんき 時 じ の女性 じょせい 化 か 乳房 ちぶさ の場合 ばあい は後 のち に男性 だんせい ホルモンの分泌 ぶんぴつ が増 ふ えてくると1、2年 ねん で消失 しょうしつ していくとされる
また、インビトロ実験 じっけん (試験管 しけんかん やシャーレ内 ない に置 お いた細胞 さいぼう 等 とう の試験 しけん 体 たい へ直接 ちょくせつ 、試験 しけん 物質 ぶっしつ を曝露 ばくろ させその作用 さよう を見出 みいだ す実験 じっけん )においての物質 ぶっしつ の振 ふ る舞 ま いは、(余程 よほど 強力 きょうりょく な物質 ぶっしつ である場合 ばあい や生体 せいたい 内 ない 処理 しょり に対 たい した抵抗 ていこう 性 せい の有 あ る物質 ぶっしつ であったり人体 じんたい への量 りょう がある場合 ばあい でない限 かぎ り)そのまま人体 じんたい へ当 あ て嵌 は めて考 かんが える事 こと は出来 でき ない事 こと に留意 りゅうい が必要 ひつよう である[31] [44] [45] [43] 。
アメリカ国立 こくりつ 環境衛生科学研究所 かんきょうえいせいかがくけんきゅうじょ は、ヒト乳 にゅう がん細胞 さいぼう を使 つか って、これらの精油 せいゆ が遺伝子 いでんし の発現 はつげん にどう影響 えいきょう するかを調 しら べた。その結果 けっか 、主要 しゅよう な女性 じょせい ホルモンであるエストロゲン と似 に た働 はたら きをする他 ほか 、男性 だんせい ホルモンのアンドロゲン を阻害 そがい するらしいことが分 わ かった[43] 。
薬剤 やくざい 、サプリメント との相互 そうご 作用 さよう の可能 かのう 性 せい がある[31] 。抱 だき 水 すい クロラール 、降圧 こうあつ 薬 やく 、バルビツール酸 さん 系 けい 薬 くすり (鎮静 ちんせい 薬 やく )、ベンゾジアゼピン (向 こう 精神 せいしん 薬 やく )、中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 抑制 よくせい 薬 やく と相互 そうご 作用 さよう があると考 かんが えられている[33] 。眠気 ねむけ を引 ひ き起 お こす、または血圧 けつあつ を下 さ げる可能 かのう 性 せい があるため、同様 どうよう の効果 こうか を持 も つサプリメントと併用 へいよう すると強 つよ い眠気 ねむけ が起 お こったり、血圧 けつあつ が大幅 おおはば に低下 ていか する危険 きけん 性 せい がある[33] 。中枢 ちゅうすう 神経 しんけい 系 けい に影響 えいきょう を与 あた えると推測 すいそく されるため、手術 しゅじゅつ 中 ちゅう に使用 しよう する薬剤 やくざい との相互 そうご 作用 さよう を防 ふせ ぐために、手術 しゅじゅつ の2週間 しゅうかん 前 まえ に使用 しよう を止 と める必要 ひつよう がある[33] 。
EUのREACH規則 きそく [ 編集 へんしゅう ]
欧州 おうしゅう 連合 れんごう (EU)では、欧州 おうしゅう における新 あたら しい化学 かがく 品 ひん 規制 きせい REACH (REACH規則 きそく 、REACH法 ほう :Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)が、2008年 ねん から運用 うんよう されている[46] [47] 。この規則 きそく では、EUで物質 ぶっしつ (調剤 ちょうざい 中 ちゅう の物質 ぶっしつ も該当 がいとう )を年間 ねんかん 1トン以上 いじょう 製造 せいぞう 又 また は輸入 ゆにゅう する事業 じぎょう 者 しゃ に対 たい し、登録 とうろく 手続 てつづき が義務付 ぎむづ けられている[46] 。登録 とうろく の他 ほか にも、条件 じょうけん に該当 がいとう する場合 ばあい は、認可 にんか 、制限 せいげん 、届出 とどけで などの義務 ぎむ がある[46] 。対象 たいしょう には精油 せいゆ などの天然 てんねん 香料 こうりょう も含 ふく まれ、香料 こうりょう 業界 ぎょうかい ・生産 せいさん 農家 のうか ・化粧 けしょう 品 ひん 業界 ぎょうかい ・アロマセラピー 業界 ぎょうかい などで議論 ぎろん を巻 ま き起 お こしている[48] 。
ラベンダーの精油 せいゆ はアレルギー を引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい があるとして、REACHの対象 たいしょう となっており、将来 しょうらい 的 てき に「内服 ないふく または吸入 きゅうにゅう した場合 ばあい 、死亡 しぼう する可能 かのう 性 せい がある。」という赤 あか と黒 くろ の警告 けいこく ラベルが義務付 ぎむづ けられる可能 かのう 性 せい がある[49] 。精油 せいゆ は合成 ごうせい 香料 こうりょう などと違 ちが い、生産 せいさん 地 ち 、生産 せいさん 年 ねん などでも成分 せいぶん 組成 そせい が異 こと なるため、その都度 つど の検査 けんさ が必要 ひつよう となり、流通 りゅうつう も規制 きせい されるため、ラベンダー農家 のうか や精油 せいゆ 業者 ぎょうしゃ とって大 おお きな負担 ふたん となる[50] 。ラベンダー農家 のうか の多 おお くは、天然 てんねん 物質 ぶっしつ である精油 せいゆ をReachの対象 たいしょう とすることに対 たい し、「ラベンダーは化学 かがく 製品 せいひん ではない。Reachの適用 てきよう 反対 はんたい 」などのメッセージ看板 かんばん を畑 はたけ に掲 かか げるなどして、反対 はんたい の立場 たちば を表明 ひょうめい している[49] [48] 。
L. angustifolia (コモン・ラベンダー)の精油 せいゆ
リナロール、酢酸 さくさん リナリルを主要 しゅよう 成分 せいぶん とする[51] 。
他 た 多数 たすう の成分 せいぶん からなる。
L. latifolia (スパイク・ラベンダー)の精油 せいゆ
リナロール、1,8-シネオール (ユーカリプトール)、カンファー(樟脳 しょうのう )を主要 しゅよう 成分 せいぶん とする。他 た 多数 たすう の成分 せいぶん からなる。
酢酸 さくさん リナリル
リナロール
1,8-シネオール
カンファー
日本人 にっぽんじん とラベンダー[ 編集 へんしゅう ]
宇田川 うだがわ 榕庵 ようあん 『舎 しゃ 密 みつ 開 ひらけ 宗 むね 』、蒸留 じょうりゅう 装置 そうち
ラベンダー発祥 はっしょう の地 ち 。札幌 さっぽろ 市 し 南 みなみ 区 く 南沢 みなみさわ
ヨーロッパでは伝統 でんとう 的 てき に精油 せいゆ が医療 いりょう に利用 りよう されていたため、西洋 せいよう 医学 いがく (蘭方 らんぽう )が日本 にっぽん に伝 つた わると、日本 にっぽん の医師 いし や学者 がくしゃ は西洋 せいよう の薬用 やくよう 植物 しょくぶつ や精油 せいゆ 、精油 せいゆ の蒸留 じょうりゅう 法 ほう 、利用 りよう 法 ほう に興味 きょうみ を持 も ち、情報 じょうほう を集 あつ めて医療 いりょう に利用 りよう した。ラベンダーは文政 ぶんせい 期 き に、宇田川 うだがわ 玄真 げんしん (榛斎 しんさい )訳述 やくじゅつ ・宇田川 うだがわ 榕庵 ようあん 補 ほ 校 こう による西洋 せいよう 薬物 やくぶつ 書 しょ 『遠西 とおにし 医方 いほう 名物 めいぶつ 考 こう 』(1822年 ねん )及 およ び補遺 ほい (1934年 ねん 頃 ごろ )に「ラーヘンデル」「ラーヘンデル油 ゆ 」の名 な で詳 くわ しい説明 せつめい があり、以降 いこう 江戸 えど 後期 こうき の翻訳 ほんやく 書 しょ ・蘭学 らんがく 書 しょ にもラベンダーや精油 せいゆ についての記述 きじゅつ がある[3] 。フランス語 ふらんすご のlavande は、蘭学 らんがく 者 しゃ の翻訳 ほんやく によりオランダ語 ご のlavendel (ラーヘンデル)として紹介 しょうかい された。翻訳 ほんやく 作業 さぎょう を通 とお して蘭方 らんぽう 薬 やく (西洋 せいよう 薬 やく )に使 つか う生 い きた植物 しょくぶつ を輸入 ゆにゅう しようという機運 きうん が高 たか まった。遠藤 えんどう 正治 しょうじ によると、大槻 おおつき 玄沢 げんたく と宇田川 うだがわ 玄真 げんしん が幕府 ばくふ に申請 しんせい したオランダからの輸入 ゆにゅう のリストにはラベンダーも含 ふく まれていたという[3] 。1819年 ねん には花 はな と精油 せいゆ が輸入 ゆにゅう され、万延 まんえん 元年 がんねん (1860年 ねん )に遣 や 米 べい 使節 しせつ 団 だん によってもたらされた植物 しょくぶつ の種子 しゅし には、ラベンダーの種子 しゅし が含 ふく まれていた[3] 。日本 にっぽん の香 かお り文化 ぶんか を研究 けんきゅう する吉武 よしたけ 利文 としふみ は、本草学 ほんぞうがく 者 しゃ 山本 やまもと 榕 よう 室 しつ に送 おく られた種子 しゅし の記録 きろく や、旗本 はたもと で本草 ほんぞう 家 か の馬場 ばば 資 し 生 せい 圃(1785年 ねん - 1868年 ねん )のラベンダーの絵 え などから、幕末 ばくまつ 期 き には一部 いちぶ ではあるが、精油 せいゆ が輸入 ゆにゅう され、栽培 さいばい も行 おこな われていたと考 かんが えられる、と述 の べている[3] 。
ラベンダーの本格 ほんかく 的 てき な栽培 さいばい ・精油 せいゆ の蒸留 じょうりゅう は、1937年 ねん (昭和 しょうわ 12年 ねん )に曽田香料 そだこうりょう 株式会社 かぶしきがいしゃ の創業 そうぎょう 者 しゃ ・曽田 そた 政治 せいじ が、フランスのアントワン・ヴィアル社 しゃ からラバンデュラ・オフィキナリス(Lavandu la officinalis )の種子 しゅし を入手 にゅうしゅ したことに始 はじ まり、1942年 ねん (昭和 しょうわ 17年 ねん )には日本 にっぽん 最初 さいしょ のラベンダー油 ゆ が採取 さいしゅ されたといわれてきた[52] 。しかし吉武 よしたけ 利文 としふみ は、株式会社 かぶしきがいしゃ 永廣 ながひろ 堂 どう の沿革 えんかく には、1935年 ねん に伊豆 いず (富戸 ふと )でラベンダー油 ゆ ・ゼラニューム油 ゆ (ゼラニウム油 ゆ )の栽培 さいばい ・採油 さいゆ を開始 かいし したとあり、それ裏付 うらづ ける1939年 ねん の資料 しりょう もあるため、北海道 ほっかいどう より伊豆 いず の方 ほう が少 すこ し早 はや かった可能 かのう 性 せい もあると指摘 してき している。戦時 せんじ 体制 たいせい 下 か であった当時 とうじ 、伊豆 いず では国産 こくさん 香料 こうりょう の生産 せいさん が目指 めざ され、クロモジ やゼラニウムの蒸留 じょうりゅう の他 ほか に、ラベンダーも試験 しけん 的 てき に栽培 さいばい ・蒸留 じょうりゅう が行 おこな われていたが、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん が始 はじ まると食料 しょくりょう 増産 ぞうさん のためラベンダーの生産 せいさん はできなくなった。戦後 せんご は、伊豆 いず では一部 いちぶ に残 のこ るのみとなった。曽田香料 そだこうりょう は戦中 せんちゅう ラベンダーの原 げん 種苗 しゅびょう を保存 ほぞん し、終戦 しゅうせん 後 ご は契約 けいやく による委託 いたく 栽培 さいばい を募 つの り、富良野 ふらの 地方 ちほう などでラベンダーの栽培 さいばい ・蒸留 じょうりゅう が広 ひろ く行 おこな われた。しかし、1972年 ねん (昭和 しょうわ 47年 ねん )頃 ごろ から合成 ごうせい 香料 こうりょう 技術 ぎじゅつ の進歩 しんぽ と輸入 ゆにゅう 自由 じゆう 化 か の影響 えいきょう を受 う けて衰退 すいたい した[52] [53] 。
1960年 ねん 代 だい までは、ヨーロッパを旅 たび する機会 きかい のない日本 にっぽん の一般 いっぱん 大衆 たいしゅう は、ラベンダーをほとんど知 し らなかった[要 よう 出典 しゅってん ] 。フランスではラベンダーの香 かお り袋 ぶくろ やラベンダー油 ゆ を用 もち いた製品 せいひん がよく見 み られるため、フランスを旅 たび したり滞在 たいざい したことのある日本人 にっぽんじん は知 し る機会 きかい があった。日本 にっぽん が経済 けいざい 的 てき に豊 ゆた かになるにつれ海外 かいがい 旅行 りょこう をする人 ひと が増 ふ え、ヨーロッパでラベンダー関連 かんれん 製品 せいひん の香 かお りを自身 じしん で体験 たいけん し、興味 きょうみ を持 も つ人 ひと が増 ふ えた。
1975年 ねん に国鉄 こくてつ のカレンダーで北海道 ほっかいどう 富良野 ふらの のラベンダー畑 はたけ が紹介 しょうかい され問 と い合 あ わせが殺到 さっとう し、観光 かんこう 資源 しげん として栽培 さいばい されるようになった[52] 。人気 にんき テレビドラマ『北 きた の国 くに から 』(1981年 ねん - 1982年 ねん )でもラベンダー畑 はたけ が登場 とうじょう して話題 わだい となった。富良野 ふらの のラベンダー畑 はたけ は、夏 なつ の北海道 ほっかいどう 旅行 りょこう で立 た ち寄 よ る場所 ばしょ の一種 いっしゅ の「定番 ていばん 」となり、多 おお くの日本人 にっぽんじん がラベンダーに親 した しむようになった。
筒井 つつい 康隆 やすたか の小説 しょうせつ 『時 どき をかける少女 しょうじょ 』(1967年 ねん )やその映像 えいぞう 化 か 作品 さくひん であるテレビドラマ『タイム・トラベラー 』(1972年 ねん )、および原田 はらだ 知世 ともよ 主演 しゅえん ・大林 おおばやし 宣彦 のぶひこ 監督 かんとく の映画 えいが 『時 どき をかける少女 しょうじょ 』(1983年 ねん )に、物語 ものがたり の鍵 かぎ としてラベンダーの香 かお りが登場 とうじょう した。それらの作品 さくひん (特 とく に1983年 ねん の映画 えいが )に接 せっ した人 ひと は、その名前 なまえ と香 かお りの特徴 とくちょう を知 し った[54] 。
日本 にっぽん の自治体 じちたい の花 はな [ 編集 へんしゅう ]
lavender
HTML のカラーコードでは、#DFA0D2 の色 いろ 指定 してい で lavender を表現 ひょうげん できる。
lavenderblush
また、#FFF0F5 の色 いろ 指定 してい で lavenderblush を表現 ひょうげん できる。
ラベンダー色 しょく は同性愛 どうせいあい 者 しゃ を象徴 しょうちょう する色 いろ でもある。ピンク・トライアングル を参照 さんしょう 。
^ 「節 ふし 」は「属 ぞく 」の下位 かい 分類 ぶんるい 。
^ フランス語 ふらんすご ではauは「オ」と発音 はつおん する。この地名 ちめい では「l」「t」は読 よ まない。
^ チンキには水溶 すいよう 性 せい ・脂 あぶら 溶性 ようせい 成分 せいぶん が、ティーには水溶 すいよう 性 せい 成分 せいぶん が含 ふく まれる。精油 せいゆ に水溶 すいよう 性 せい 成分 せいぶん は含 ふく まれない。
^ 内臓 ないぞう 平滑 へいかつ 筋 すじ の収縮 しゅうしゅく ・痙攣 けいれん をゆるめて、内臓 ないぞう 痛 つう を和 やわ らげる作用 さよう 。
^ 生体 せいたい をある抗原 こうげん に対 たい して感 かん じやすくし、アレルギーが起 お こりやすい状態 じょうたい にすること。
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