この項目 こうもく では、香料 こうりょう について説明 せつめい しています。石油 せきゆ の精製 せいせい については「製油 せいゆ 」をご覧 らん ください。
精油 せいゆ (せいゆ)またはエッセンシャルオイル (英語 えいご : essential oil )は、植物 しょくぶつ から産出 さんしゅつ される揮発 きはつ 性 せい の油 あぶら で[ 1] 、それぞれ特有 とくゆう の芳香 ほうこう を持 も ち、水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう 、熱 ねつ 水 すい 蒸留 じょうりゅう 法 ほう (直接 ちょくせつ 蒸留 じょうりゅう 法 ほう )などによって植物 しょくぶつ から留 とめ 出 で することができる[ 2] 。植物 しょくぶつ は、代謝 たいしゃ 産出 さんしゅつ 物 ぶつ 、排出 はいしゅつ 物 ぶつ 、フェロモン 、昆虫 こんちゅう の忌避 きひ 剤 ざい などとして精油 せいゆ を産出 さんしゅつ すると考 かんが えられており、葉 は や花弁 はなびら 、根 ね などの特別 とくべつ な腺 せん に貯蔵 ちょぞう される[ 2] 。一般 いっぱん に多数 たすう の化合 かごう 物 ぶつ の複雑 ふくざつ な混合 こんごう 物 ぶつ で、その芳香 ほうこう から主 おも に食品 しょくひん 産業 さんぎょう で香料 こうりょう として利用 りよう されている[ 2] 。
おおむね液状 えきじょう で水 みず より軽 かる く、水 みず に溶 と けず(疎水 そすい 性 せい )、アルコール 、二硫化炭素 にりゅうかたんそ 、石油 せきゆ エーテル 、脂肪 しぼう 油 ゆ などに溶 と ける(親 しん 油性 ゆせい )[ 1] 。普通 ふつう の油脂 ゆし のようにアシルグリセロール (英語 えいご : Acylglycerol )、いわゆるグリセリド(英語 えいご :Glyceride、グリセリン と脂肪酸 しぼうさん エステル の総称 そうしょう )ではなく、植物 しょくぶつ の「精 しらげ 、精髄 せいずい 」(ラテン語 らてんご : essentia )という意味 いみ で精油 せいゆ と呼 よ ばれ[ 3] 、油脂 ゆし とは区別 くべつ されている[ 4] 。
現在 げんざい 知 し られている精油 せいゆ は1500種類 しゅるい に及 およ ぶが、香料 こうりょう または合成 ごうせい 香料 こうりょう 原料 げんりょう として利用 りよう されるのは約 やく 100種類 しゅるい ほどである[ 4] 。
大量 たいりょう の植物 しょくぶつ からわずかしか採 と れないため、バラ精油 せいゆ のようにかなり高額 こうがく なものもある。材料 ざいりょう によって収 おさむ 油 あぶら 率 りつ が大幅 おおはば に異 こと なり、バラの場合 ばあい 約 やく 5tの花 はな から精油 せいゆ 1kgが採取 さいしゅ され、収 おさむ 油 あぶら 率 りつ は0.02%。柑橘類 かんきつるい は、果実 かじつ に対 たい して収 おさむ 油 あぶら 率 りつ は0.2 - 0.5%程度 ていど である[ 5] 。精油 せいゆ の値段 ねだん は手間賃 てまちん ではなく、主 しゅ として市場 いちば の需要 じゅよう に左右 さゆう される[ 6] 。
アロマオイル などと混同 こんどう されることもままあるが、合成 ごうせい 香料 こうりょう を使用 しよう して大量 たいりょう 生産 せいさん されるそれらとは区別 くべつ される。商品 しょうひん としての精油 せいゆ は100%植物 しょくぶつ 由来 ゆらい であり、合成 ごうせい 物質 ぶっしつ の添加 てんか 、成分 せいぶん 調整 ちょうせい 、アルコール希釈 きしゃく などの加工 かこう は行 おこ なわれていないと思 おも われがちだが、必 かなら ずしもそうではなく、脱 だつ テルペン処理 しょり やブレンディングなど、何 なん らかの処理 しょり がされているものも少 すく なくない[ 2] 。アロマテラピーという言葉 ことば を作 つく った調 しらべ 香 こう 師 し ガットフォセ は、香水 こうすい 用 よう に脱 だつ テルペン処理 しょり などがされた精油 せいゆ を使用 しよう していた[ 2] 。
揮発 きはつ 性 せい 溶剤 ようざい を用 もち いて抽出 ちゅうしゅつ された香気 こうき 成分 せいぶん を含 ふく む物質 ぶっしつ を、コンクリート (仏 ふつ : Concrète 、コンクレット)[ 6] という。このコンクリートの溶解 ようかい 性 せい 部分 ぶぶん を抽出 ちゅうしゅつ したアブソリュート (仏 ふつ : Absolue 、アプソリュ)[ 6] や、超 ちょう 臨界 りんかい 二酸化炭素 にさんかたんそ (英語 えいご 版 ばん ) で抽出 ちゅうしゅつ したアブソリュート[ 6] 、柑橘類 かんきつるい から圧搾 あっさく 法 ほう で得 え られたエッセンス [ 6] は、揮発 きはつ しない成分 せいぶん や水溶 すいよう 性 せい タンパク質 たんぱくしつ を含 ふく み、精油 せいゆ とは異 こと なる物質 ぶっしつ と考 かんが えられているが、精油 せいゆ と呼 よ ばれる場合 ばあい もある[ 2] 。
ナノテクノロジー の進化 しんか で、精油 せいゆ のマイクロカプセル 化 か の技術 ぎじゅつ が確立 かくりつ し、様々 さまざま なものに添加 てんか され活用 かつよう されている。その一方 いっぽう 、香 こう 害 がい (香料 こうりょう を含 ふく む製品 せいひん を過剰 かじょう に使用 しよう することで、周囲 しゅうい に不快 ふかい 感 かん や害 がい を与 あた えること)[ 7] [ 8] が問題 もんだい となっている。岐阜 ぎふ 市 し では、精油 せいゆ などの香料 こうりょう がアレルギー 体質 たいしつ や化学 かがく 物質 ぶっしつ 過敏 かびん 症 しょう の人 ひと のアレルギー、喘息 ぜんそく などを誘発 ゆうはつ する[ 9] として、自粛 じしゅく を呼 よ びかけるポスターを掲示 けいじ している[ 10] [ 11] 。多様 たよう な問題 もんだい が起 お こっているが、特 とく に感 かん 作 さく 作用 さよう (ある抗原 こうげん に対 たい し生体 せいたい をアレルギー反応 はんのう をおこしうる状態 じょうたい にする作用 さよう )が問題 もんだい 視 し されている[ 2] [ 12] [ 13] [ 14] 。
テルペン類 るい のうち、カルボニル基 もと やヒドロキシ基 もと などの官能 かんのう 基 もと を持 も つ誘導体 ゆうどうたい はテルペノイド と呼 よ ばれ、イソプレン (左上 ひだりうえ )を基本 きほん 単位 たんい として構成 こうせい される。
精油 せいゆ を構成 こうせい する成分 せいぶん の大 だい 部分 ぶぶん は、アセチルCoA から生 しょう じる[ 2] 。精油 せいゆ は一般 いっぱん に多数 たすう の化合 かごう 物 ぶつ の複雑 ふくざつ な混合 こんごう 物 ぶつ で、主要 しゅよう な成分 せいぶん だけで10種類 しゅるい を超 こ えるものも少 すく なくない。主 おも な成分 せいぶん はテルペン 類 るい またはベンゼン 類 るい の炭化 たんか 水素 すいそ 、アルコール、アルデヒド 、ケトン 、フェノール類 るい 、各種 かくしゅ のエステル 類 るい などである[ 1] 。複雑 ふくざつ な構造 こうぞう を持 も ち、相互 そうご に分離 ぶんり することが困難 こんなん な場合 ばあい も多 おお い。そのため精油 せいゆ の化学 かがく 的 てき 研究 けんきゅう は、19世紀 せいき 末 まつ まで大 だい 部分 ぶぶん が取 と り残 のこ されていた。精油 せいゆ の研究 けんきゅう からテルペン化学 かがく や合成 ごうせい 香料 こうりょう が発展 はってん した[ 4] 。
精油 せいゆ の成分 せいぶん は植物 しょくぶつ の種類 しゅるい だけでなく、生育 せいいく の程度 ていど 、場所 ばしょ 、採取 さいしゅ された季 き 節 ぶし 、天候 てんこう によっても大幅 おおはば に異 こと なる。またゲノム が不安定 ふあんてい で多様 たよう な香 かお りがあるタイム のように、様々 さまざま な化学 かがく 種 しゅ (英語 えいご 版 ばん ) (ケモタイプ)が認 みと められる場合 ばあい も多 おお く、ある植物 しょくぶつ の組成 そせい が常 つね に一定 いってい であることはありえない。概 おおむ ね同 おな じ香 かお りの精油 せいゆ であっても、成分 せいぶん 組成 そせい が異 こと なると、生物 せいぶつ 活性 かっせい (薬効 やっこう )が異 こと なる可能 かのう 性 せい がある[ 2] 。(精油 せいゆ 同様 どうよう 、生薬 きぐすり についても同 おな じ問題 もんだい があり、保険 ほけん 適用 てきよう される漢方薬 かんぽうやく は、一定 いってい の薬効 やっこう が得 え られるように、ある程度 ていど 成分 せいぶん が調整 ちょうせい されエキス剤 ざい に加工 かこう されている。ただし、エキス剤 ざい は加工 かこう する過程 かてい で揮発 きはつ ・蒸発 じょうはつ しやすい精油 せいゆ などの成分 せいぶん が失 うしな われる場合 ばあい があるため、一長一短 いっちょういったん であると言 い える。[ 15] [ 16] )
アロマテラピーでは、精油 せいゆ 成分 せいぶん の化学 かがく 基 もと (化合 かごう 物 ぶつ 中 ちゅう の原子 げんし 団 だん を区分 くぶん した呼称 こしょう )によるグループ分 わ けが重視 じゅうし されているが、同 おな じ化学 かがく 基 もと を持 も つ物質 ぶっしつ でも異 こと なる香 かお りを持 も っており、各 かく 物質 ぶっしつ の生物 せいぶつ 活性 かっせい も化学 かがく 基 もと ではなく成分 せいぶん によって異 こと なるため、化学 かがく 基 もと によるグループ分 わ けは適当 てきとう ではない[ 2] 。
一般 いっぱん に精油 せいゆ は植物 しょくぶつ の特殊 とくしゅ な分泌 ぶんぴつ 腺 せん で合成 ごうせい され、腺 せん 組織 そしき に蓄 たくわ えられる[ 2] 。単純 たんじゅん に代謝 たいしゃ 産物 さんぶつ 、排出 はいしゅつ 物 ぶつ としても生 う み出 だ されると考 かんが えられるが、植物 しょくぶつ にとって様々 さまざま な有用 ゆうよう な作用 さよう を及 およ ぼすものもある。次 つぎ のような理由 りゆう で植物 しょくぶつ は精油 せいゆ を産出 さんしゅつ すると考 かんが えられている。
香 かお りの誘因 ゆういん 効果 こうか (フェロモン )により鳥 とり や昆虫 こんちゅう に受粉 じゅふん や種子 しゅし の運搬 うんぱん を託 たく す。
精油 せいゆ の芳香 ほうこう などの忌避 きひ 効果 こうか によって害虫 がいちゅう やカビ (真 ま 菌 きん )などの有害 ゆうがい な菌 きん から植物 しょくぶつ を守 まも る。
葉 は に粘液 ねんえき 性 せい のある精油 せいゆ を産出 さんしゅつ し食 た べられないように身 み を守 まも る。
周囲 しゅうい に他 た の植物 しょくぶつ が生育 せいいく するのを抑制 よくせい する。
精油 せいゆ が汗 あせ のように蒸散 じょうさん することにより、自 みずか らを冷却 れいきゃく し太陽熱 たいようねつ からその植物 しょくぶつ を守 まも る。
日本 にっぽん に伝来 でんらい した直接 ちょくせつ 蒸留 じょうりゅう (水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう )の器具 きぐ ・らんびきの断面 だんめん 模 も 式 しき 図 ず
水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう は、中世 ちゅうせい イスラーム世界 せかい の錬金術 れんきんじゅつ と化学 かがく (英語 えいご 版 ばん ) の隆盛 りゅうせい に伴 ともな いアラビア で発達 はったつ し、精油 せいゆ は香料 こうりょう や薬 くすり として利用 りよう された。それ以前 いぜん の古代 こだい エジプトなどでは、精油 せいゆ はアンフルラージュ 、圧搾 あっさく 法 ほう などの方法 ほうほう で抽出 ちゅうしゅつ され [要 よう 出典 しゅってん ] 、香油 こうゆ 、薬 くすり 油 ゆ として利用 りよう された。水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう の最古 さいこ の記録 きろく は、アンダルス (現 げん スペイン・アンダルシア地方 ちほう )の偉大 いだい な科学 かがく 者 しゃ で、医師 いし ・薬剤師 やくざいし ・植物 しょくぶつ 学者 がくしゃ ・科学 かがく 者 しゃ であったイブン・アルバイタール (1188年 ねん - 1248年 ねん )の『薬 くすり と栄養 えいよう 全書 ぜんしょ 』(Kitab al-Jami fi al-Adwiya al-Mufrada)であるといわれる[ 17] 。精油 せいゆ の製造 せいぞう 法 ほう は中世 ちゅうせい ヨーロッパに伝 つた わり、医療 いりょう に広 ひろ く利用 りよう され[ 18] 、のちに香水 こうすい に用 もち いられた。
水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 装置 そうち アレンビック(らんびき )は、江戸 えど 時代 じだい には日本 にっぽん に伝来 でんらい しており、精油 せいゆ は蘭方 らんぽう (西洋 せいよう 医学 いがく )で治療 ちりょう に使 つか われた[ 19] 。江戸 えど 幕府 ばくふ が東 ひがし インド会社 かいしゃ に、ガラス製 せい 蒸留 じょうりゅう 装置 そうち の輸入 ゆにゅう や蒸留 じょうりゅう 技術 ぎじゅつ 者 しゃ の派遣 はけん を依頼 いらい した記録 きろく が残 のこ っており、蒸留 じょうりゅう 小屋 こや が設置 せっち され(場所 ばしょ はおそらく出島 でじま と推測 すいそく されている)、日本人 にっぽんじん に高度 こうど な蒸留 じょうりゅう 技術 ぎじゅつ が伝承 でんしょう された[ 20] 。精油 せいゆ や芳香 ほうこう 蒸留 じょうりゅう 水 すい が蘭方 らんぽう (西洋 せいよう 医学 いがく )で盛 さか んに用 もち いられ、ハーブや香辛料 こうしんりょう の情報 じょうほう 、精油 せいゆ の効能 こうのう や利用 りよう 法 ほう が翻訳 ほんやく されて伝 つた えられた[ 21] 。
また、日本 にっぽん では明治 めいじ から昭和 しょうわ にかけ、精油 せいゆ 産業 さんぎょう が盛 さか んだった。薄荷 はっか は日本 にっぽん では19世紀 せいき から生産 せいさん され、1902年 ねん (明治 めいじ 35年 ねん )頃 ごろ から北海道 ほっかいどう ・北見 きたみ で生産 せいさん が始 はじ まった[ 22] 。1939年 ねん (昭和 しょうわ 14年 ねん )に全盛期 ぜんせいき を迎 むか え、世界 せかい 市場 いちば の約 やく 70%を占 し めるほどであったが、輸入 ゆにゅう 自由 じゆう 化 か 、合成 ごうせい 薄荷 はっか の登場 とうじょう 、人件 じんけん 費 ひ 高騰 こうとう などの影響 えいきょう で衰退 すいたい し、1983年 ねん (昭和 しょうわ 58年 ねん )に北見 きたみ の薄荷精 はっかせい 製 せい 工場 こうじょう は閉鎖 へいさ した[ 23] 。樟脳 しょうのう は、楠 くすのき が豊富 ほうふ な日本 にっぽん 統治 とうち 下 か の台湾 たいわん で、樟脳 しょうのう 油 ゆ が大量 たいりょう に生産 せいさん され、セルロイド 製造 せいぞう や防虫 ぼうちゅう 剤 ざい に利用 りよう された。最盛 さいせい 期 き は世界 せかい 最大 さいだい の生産 せいさん 量 りょう であったともいわれるが、化学 かがく 防虫 ぼうちゅう 剤 ざい 、セルロイド代替 だいたい 品 ひん の登場 とうじょう で衰退 すいたい し、現在 げんざい 国内 こくない ではごく一部 いちぶ で生産 せいさん されるのみである[ 24] 。精油 せいゆ 原料 げんりょう としてラベンダー は、1937年 ねん (昭和 しょうわ 12年 ねん )に曽田香料 そだこうりょう 株式会社 かぶしきがいしゃ の創業 そうぎょう 者 しゃ ・曽田 そた 政治 せいじ が、フランスのアントワン・ヴィアル社 しゃ から種子 しゅし を入手 にゅうしゅ したことから北海道 ほっかいどう で栽培 さいばい され、1942年 ねん (昭和 しょうわ 17年 ねん )にはラベンダー油 ゆ が採取 さいしゅ された。同 どう 時期 じき に伊豆 いず でもラベンダーやゼラニウムなどが栽培 さいばい され、精油 せいゆ が製造 せいぞう された記録 きろく が残 のこ っている[ 20] 。1972年 ねん (昭和 しょうわ 47年 ねん )頃 ごろ から合成 ごうせい 香料 こうりょう 技術 ぎじゅつ の進歩 しんぽ と輸入 ゆにゅう 自由 じゆう 化 か の影響 えいきょう を受 う けて衰退 すいたい し、現在 げんざい は主 おも に観光 かんこう 資源 しげん として観賞 かんしょう 用 よう に栽培 さいばい されている[ 25] 。
精油 せいゆ は特有 とくゆう の芳香 ほうこう を持 も つものが多 おお く、香料 こうりょう として、副次的 ふくじてき に抗菌 こうきん 作用 さよう を期待 きたい して、主 おも に食品 しょくひん 産業 さんぎょう で、また家庭 かてい 用品 ようひん 、殺虫 さっちゅう 剤 ざい 、食肉 しょくにく 産業 さんぎょう 、香水 こうすい ・化粧 けしょう 品 ひん などで用 もち いられる。ナノテクノロジーの進化 しんか で、2006年 ねん にアメリカの企業 きぎょう Blue Californiaが精油 せいゆ のマイクロカプセル 化 か に成功 せいこう した。ミクロ にパウダー化 か されることで、水溶 すいよう 性 せい として扱 あつか えるようになり、洗濯 せんたく 洗剤 せんざい 、柔軟 じゅうなん 剤 ざい 、衣類 いるい (繊維 せんい への固着 こちゃく )[ 26] など、様々 さまざま なものに添加 てんか されるようになった[ 27] [ 28] [ 29] 。精油 せいゆ には強 つよ い洗浄 せんじょう 力 りょく を持 も つものもあり、塗料 とりょう 業界 ぎょうかい でも使 つか われている[ 2] 。
また、アラビア、ヨーロッパでは伝統 でんとう 的 てき に精油 せいゆ を用 もち いた治療 ちりょう が行 おこな われ、現在 げんざい ではアロマテラピー またはアロマセラピーと呼 よ ばれ、医療 いりょう や美容 びよう に用 もち いられている[ 30] 。
植物 しょくぶつ から採取 さいしゅ された精油 せいゆ は、水分 すいぶん 、不純物 ふじゅんぶつ を除 のぞ いてそのまま香料 こうりょう として用 もち いられる。また、楠 くすのき から抽出 ちゅうしゅつ される樟脳 しょうのう 油 あぶら のように、さらに蒸留 じょうりゅう して数種類 すうしゅるい の精油 せいゆ 成分 せいぶん に分 わ けることもある。樟脳 しょうのう 油 ゆ からは白 しろ 油 ゆ ・赤 あか 油 ゆ ・藍色 あいいろ 油 ゆ が、薄荷 はっか 油 あぶら からは冷却 れいきゃく 法 ほう によって薄荷脳 はっかのう (メントール )と薄荷油 はっかゆ が得 え られる[ 4] [ 31] 。
水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 装置 そうち
精油 せいゆ は主 おも に水蒸気 すいじょうき を用 もち いた蒸留 じょうりゅう 法 ほう で抽出 ちゅうしゅつ される。アブソリュート 、エッセンスなどは厳密 げんみつ には精油 せいゆ ではないが、精油 せいゆ と呼 よ ばれることもある。ここでは蒸留 じょうりゅう 法 ほう 以外 いがい の香気 こうき 成分 せいぶん 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう (英語 えいご 版 ばん ) についても説明 せつめい する。
サンダルウッドの水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 、エジプト
ラベンダー農場 のうじょう の水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 装置 そうち 、イギリス
水蒸気 すいじょうき を利用 りよう した蒸留 じょうりゅう 法 ほう
水蒸気 すいじょうき を利用 りよう した蒸留 じょうりゅう 法 ほう には、熱 ねつ 水 すい 蒸留 じょうりゅう 法 ほう (英 えい :hydrodistillation 水 すい 蒸留 じょうりゅう 法 ほう [ 32] 、直接 ちょくせつ 蒸留 じょうりゅう 法 ほう [ 32] 、ハイドロ式 しき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう 、らんびき式 しき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう 、煮 に だし式 しき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう )、水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう (英 えい :steam distillation スチーム蒸留 じょうりゅう 法 ほう [ 33] 、常 つね 圧 あつ 水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう )、水 みず 拡散 かくさん 法 ほう [ 32] 、低温 ていおん 真空 しんくう 蒸留 じょうりゅう 法 ほう (英 えい :hydrodiffusion 減圧 げんあつ 水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう [ 34] )[ 33] などがある。水蒸気 すいじょうき を利用 りよう した蒸留 じょうりゅう は古代 こだい から用 もち いられた方法 ほうほう で、原理 げんり や作業 さぎょう も単純 たんじゅん である。精油 せいゆ のほとんどが水蒸気 すいじょうき で分離 ぶんり できることから広 ひろ く利用 りよう された[ 35] 。熱 ねつ 水 すい 蒸留 じょうりゅう 法 ほう では材料 ざいりょう 植物 しょくぶつ を水 みず と混 ま ぜて撹拌 かくはん し、これを蒸留 じょうりゅう 器 き (アランビック 、らんびき )に入 い れて沸騰 ふっとう させる[ 32] 。植物 しょくぶつ を煮 に るため、エステル などの化合 かごう 物 ぶつ は分解 ぶんかい される[ 36] 。熱 ねつ 水 すい 蒸留 じょうりゅう 法 ほう は、ローズオットー の抽出 ちゅうしゅつ などに用 もち いられる[ 36] 。水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう では、植物 しょくぶつ に下 した から蒸気 じょうき を吹 ふ きかける[ 32] 。精油 せいゆ の製造 せいぞう で主 おも に利用 りよう されるのはこの方法 ほうほう である[ 36] 。熱 ねつ 水 すい 蒸留 じょうりゅう 法 ほう ・水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう では、精油 せいゆ 成分 せいぶん を含 ふく む蒸気 じょうき は蒸留 じょうりゅう 器 き 上部 じょうぶ から伸 の びる水冷 すいれい 管 かん で冷却 れいきゃく し、精油 せいゆ と水蒸気 すいじょうき は別 べつ の容器 ようき に集 あつ められる[ 35] 。精油 せいゆ は疎水 そすい 性 せい であるため、水 みず と分離 ぶんり している。(詳細 しょうさい は「水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 」を参照 さんしょう 。)水 みず 拡散 かくさん 法 ほう は水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう とほとんど同 おな じやり方 かた だが、冷却 れいきゃく 水 すい を節約 せつやく するために、上記 じょうき の吹 ふ き出 だ し口 くち が蒸留 じょうりゅう 器 き の上部 じょうぶ に、凝縮 ぎょうしゅく 器 き への排出 はいしゅつ 口 こう が下部 かぶ にある[ 32] 。これら蒸気 じょうき を用 もち いた方法 ほうほう は、100℃以上 いじょう の熱 ねつ がかかるので、熱 ねつ により香 かお りが変質 へんしつ する精油 せいゆ の採油 さいゆ 方法 ほうほう としては適切 てきせつ でない。
真空 しんくう 低温 ていおん 蒸留 じょうりゅう 法 ほう は近年 きんねん 開発 かいはつ された新 あたら しい方法 ほうほう で、植物 しょくぶつ 内 ない の浸透 しんとう 圧 あつ で遊離 ゆうり した油分 ゆぶん を低温 ていおん (70- 80℃)・低圧 ていあつ (0.1バール)で蒸留 じょうりゅう する[ 33] 。低 ひく い温度 おんど で蒸留 じょうりゅう できるため、従来 じゅうらい の方法 ほうほう より良質 りょうしつ の精油 せいゆ を得 え ることができる[ 34] 。
抽出 ちゅうしゅつ 時間 じかん が短 みじか いほど香 かお りのよい精油 せいゆ が得 え られ、長 なが くなるほどグレードは下 さ がる[ 2] 。
これらの方法 ほうほう では、蒸留 じょうりゅう 後 ご の蒸留 じょうりゅう 水 すい に水溶 すいよう 性 せい の芳香 ほうこう 物質 ぶっしつ が微量 びりょう に含 ふく まれており、芳香 ほうこう 蒸留 じょうりゅう 水 すい (ハイドロゾル 、フローラルウォーター)と呼 よ ばれる。含有 がんゆう する精油 せいゆ 成分 せいぶん は微量 びりょう であり、芳香 ほうこう 蒸留 じょうりゅう 水 すい の香 かお りは精油 せいゆ とかなり異 こと なる場合 ばあい もある。バラ精油 せいゆ のように生産 せいさん にコストがかかるものの場合 ばあい 、芳香 ほうこう 蒸留 じょうりゅう 水 すい は蒸留 じょうりゅう 装置 そうち に戻 もど されたり、溶剤 ようざい 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう を使 つか うなどして、水溶液 すいようえき 中 ちゅう の精油 せいゆ も回収 かいしゅう されることが多 おお い[ 2] 。
高温 こうおん 乾留 かんりゅう 法 ほう (英 えい :Dry/destructive distillation)
分解 ぶんかい 蒸留 じょうりゅう 法 ほう 、乾燥 かんそう 蒸留 じょうりゅう 法 ほう [ 35] 、乾留 かんりゅう とも。蒸溜 じょうりゅう 装置 そうち の中 なか に網 あみ を張 は って、その上 うえ に材料 ざいりょう 植物 しょくぶつ を載 の せ、乾燥 かんそう した高温 こうおん 空気 くうき を下 した から通 とお す方法 ほうほう 。香 かお りの成分 せいぶん が膨張 ぼうちょう して分離 ぶんり ・蒸発 じょうはつ し、容器 ようき 上部 じょうぶ の冷却 れいきゃく 管 かん を通 とお って冷却 れいきゃく され、集 あつ められる。熱 ねつ 水 すい 蒸留 じょうりゅう 法 ほう では精油 せいゆ 成分 せいぶん に加水 かすい 分解 ぶんかい が起 お こるため、乾燥 かんそう した状態 じょうたい のままで精油 せいゆ を抽出 ちゅうしゅつ する方法 ほうほう として考案 こうあん された[ 35] 。松根 おうね 油 あぶら の抽出 ちゅうしゅつ などに利用 りよう される。(詳細 しょうさい は「乾留 かんりゅう 」を参照 さんしょう 。)
分別 ふんべつ 蒸留 じょうりゅう 法 ほう (英 えい :Fractionation distillation)
分離 ぶんり 蒸留 じょうりゅう 法 ほう 、部分 ぶぶん 蒸留 じょうりゅう 法 ほう 、分留 ぶんりゅう とも。抽出 ちゅうしゅつ された香気 こうき 成分 せいぶん を、さらに細 こま かく分離 ぶんり する方法 ほうほう 。精油 せいゆ からテルペンを分離 ぶんり すること(精油 せいゆ の脱 だつ テルペン化 か )などに用 もち いられる。(詳細 しょうさい は「蒸留 じょうりゅう 」を参照 さんしょう 。)
21世紀 せいき に日本 にっぽん で開発 かいはつ された新 あたら しい抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう で、溶剤 ようざい や水 みず を利用 りよう しない。真空 しんくう ポンプでタンク内 ない を減圧 げんあつ 状態 じょうたい に保 たも ち、マイクロ波 は で植物 しょくぶつ を加熱 かねつ する。蒸発 じょうはつ した植物 しょくぶつ 中 ちゅう の有用 ゆうよう 成分 せいぶん を冷却 れいきゃく 凝縮 ぎょうしゅく 器 き で液体 えきたい に戻 もど し、回収 かいしゅう 器 き で集 あつ める[ 37] 。有効 ゆうこう 成分 せいぶん を低温 ていおん ・短時間 たんじかん で抽出 ちゅうしゅつ でき、有用 ゆうよう 成分 せいぶん の回収 かいしゅう 率 りつ ・品質 ひんしつ が高 たか く、オール電化 でんか で操作 そうさ も簡易 かんい である[ 36] 。ハイドロゾルの作成 さくせい も可能 かのう である[ 37] 。
アンフルラージュ は、油脂 ゆし に花 はな の芳香 ほうこう 成分 せいぶん を溶解 ようかい させる古 ふる くからある抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう 。
脱臭 だっしゅう した固形 こけい の動物 どうぶつ 性 せい 脂肪 しぼう (通常 つうじょう は精製 せいせい した豚 ぶた 油 ゆ [ 38] )に花 はな びらなど香料 こうりょう 植物 しょくぶつ を置 お いて香気 こうき 成分 せいぶん を溶解 ようかい させたのち、エタノール で精油 せいゆ のみを脂肪 しぼう から抽出 ちゅうしゅつ する。香気 こうき 成分 せいぶん を含 ふく む脂肪 しぼう はポマード といい、これをデカンタにかけて分離 ぶんり させ、取 と り出 だ してエタノール と混 ま ぜる[ 35] 。エタノールによって抽出 ちゅうしゅつ された精油 せいゆ はエキストラクト(エキス) [要 よう 出典 しゅってん ] 、さらにそこからエタノールを蒸発 じょうはつ させて除去 じょきょ したものはアブソリュート と呼 よ ばれる。(アンフルラージュだけでなく、溶剤 ようざい 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう 、超 ちょう 臨界 りんかい 流体 りゅうたい 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう などで最終 さいしゅう 的 てき に得 え られた香料 こうりょう もアブソリュートと呼 よ ぶ。)ジャスミン やチューベローズ (月下 げっか 香 が )など、摘 つ みとった後 のち も香 かお りを失 うしな わない花 はな に用 もち いられた[ 35] 。冷 ひえ 浸 びた 法 ほう では熱 ねつ による変質 へんしつ の無 な い非常 ひじょう に高 こう 品質 ひんしつ な精油 せいゆ が得 え られるが、コストが高 たか く収 おさむ 油 あぶら 率 りつ が低 ひく いため、現在 げんざい ではほとんど行 おこな われていない。溶媒 ようばい 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう の理論 りろん のベースになっている[ 2] 。
熟成 じゅくせい 法 ほう とも。冷 ひえ 浸 びた 法 ほう とほとんど同 おな じやり方 かた だが、成分 せいぶん の純度 じゅんど を高 たか める作業 さぎょう が高温 こうおん で行 おこな われる。バラ やオレンジ の花 はな のように、摘 つ みとった後 のち に香 かお りが失 うしな われる花 はな に利用 りよう された[ 35] 。
ジャスミン・アブソリュート。ある程度 ていど の色素 しきそ を含 ふく むため、色 いろ がついている。
浸出 しんしゅつ 法 ほう は、フランス語 ふらんすご でマセラシオン (Macération)、英語 えいご でマセレーション (Maceration)[ 39] 。
溶剤 ようざい 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう 、液 えき 液 えき 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう (英語 えいご :Liquid‐liquid extraction)とも。分離 ぶんり する2種類 しゅるい の溶剤 ようざい を用 もち いた抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう で、芳香 ほうこう 成分 せいぶん を揮発 きはつ 性 せい 溶媒 ようばい に溶 と かしだして抽出 ちゅうしゅつ する。19世紀 せいき 終 お わりに誕生 たんじょう した[ 6] 。木 き や地衣 ちい 類 るい 、根 ね は粉砕 ふんさい して、花 はな ・葉 は ・樹脂 じゅし はそのままの形 かたち で利用 りよう する。材料 ざいりょう を溶剤 ようざい (溶媒 ようばい :石油 せきゆ エーテル 、ヘキサン 、エチルアルコール など)に浸 ひた し芳香 ほうこう 物質 ぶっしつ を溶 と かし出 だ した後 のち 、コンサントラーに入 い れて溶剤 ようざい を気化 きか させると、芳香 ほうこう 物質 ぶっしつ を含 ふく むワックス 状 じょう の塊 かたまり コンクリート が残 のこ る。これをエチルアルコール と共 とも に撹拌 かくはん して凍 こお らせ、濾過 ろか すると、香気 こうき 成分 せいぶん を含 ふく むアルコール と非 ひ 混和 こんわ 性 せい の植物 しょくぶつ の蝋 ろう が残 のこ る。その後 ご アルコールを気化 きか させると、アブソリュート と呼 よ ばれる精油 せいゆ に近 ちか い物質 ぶっしつ が得 え られる[ 6] 。水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう より多 おお くの香気 こうき 成分 せいぶん を抽出 ちゅうしゅつ できる場合 ばあい が多 おお い。また、低 ひく い温度 おんど で抽出 ちゅうしゅつ するため、水蒸気 すいじょうき による加水 かすい 分解 ぶんかい がなく、材料 ざいりょう 植物 しょくぶつ そのものに近 ちか い香 かお りを得 え ることができ[ 6] 、バラ やジャスミン などの繊細 せんさい な香 かお りの花 はな に利用 りよう される。ある程度 ていど の色素 しきそ が含 ふく まれ、ワックス、溶剤 ようざい が残留 ざんりゅう していることが多 おお い。柑橘 かんきつ 系 けい 精油 せいゆ の抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう は低温 ていおん 圧搾 あっさく 法 ほう が知 し られるが、主 おも な抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう はそれではなく、柑橘 かんきつ 製品 せいひん の副産物 ふくさんぶつ として溶媒 ようばい 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう で生産 せいさん されている[ 2] 。
超 ちょう 臨界 りんかい 流体 りゅうたい 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう (英 えい :Supercritical fluid extraction)
二酸化炭素 にさんかたんそ 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう [ 2] とも。液体 えきたい の二酸化炭素 にさんかたんそ には強 つよ い溶解 ようかい 力 りょく があるため、超 ちょう 臨界 りんかい 流体 りゅうたい の状態 じょうたい にして芳香 ほうこう 成分 せいぶん を溶 と かし出 だ して抽出 ちゅうしゅつ する方法 ほうほう で、1970年代 ねんだい 後期 こうき に開発 かいはつ された。カフェインレス コーヒーを作 つく る方法 ほうほう と同 おな じものである。二酸化炭素 にさんかたんそ に200気圧 きあつ という高 たか い圧力 あつりょく をかけ超 ちょう 臨界 りんかい 状態 じょうたい にし、この中 なか に植物 しょくぶつ を入 い れておき芳香 ほうこう 成分 せいぶん をその中 なか に拡散 かくさん ・浸透 しんとう させる。その後 ご 圧力 あつりょく を抜 ぬ き流体 りゅうたい を気化 きか させると芳香 ほうこう 成分 せいぶん だけ残 のこ る。低温 ていおん で瞬間 しゅんかん 的 てき に抽出 ちゅうしゅつ ができ、熱 ねつ による成分 せいぶん の変質 へんしつ がなく、材料 ざいりょう 植物 しょくぶつ そのものに近 ちか い香 かお りが得 え られる。二酸化炭素 にさんかたんそ を用 もち いるため、精油 せいゆ 成分 せいぶん に化学 かがく 的 てき な影響 えいきょう を与 あた えたり、溶剤 ようざい 抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう のように溶剤 ようざい が残 のこ るおそれもなく、公害 こうがい 物質 ぶっしつ を出 だ すこともない[ 6] 。高 たか い気圧 きあつ をかけるため多額 たがく の設備 せつび 投資 とうし が必要 ひつよう だが、食品 しょくひん 業界 ぎょうかい では最 もっと もよく利用 りよう される抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう である[ 2] 。この方法 ほうほう で抽出 ちゅうしゅつ した精油 せいゆ はアブソリュート(Abs.) 、CO2エキストラクト [要 よう 出典 しゅってん ] と呼 よ ばれる。
エタノール抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう (英 えい :Ethanol extraction)
アルコール抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう とも。手軽 てがる な精油 せいゆ の利用 りよう 法 ほう としては、植物 しょくぶつ をアルコールに浸 ひた し精油 せいゆ を溶 と かし出 だ したものもあり、これはティンクチャー またはチンキ と呼 よ ばれる。(例 れい :ハーブ チンキ、アヘン チンキ)精油 せいゆ 成分 せいぶん が溶 と けている液体 えきたい であり、薬用 やくよう 酒 しゅ などがこの方法 ほうほう で作 つく られる。
リモネンの構造 こうぞう 式 しき
圧搾 あっさく 法 ほう (英 えい :Expression)は、物理 ぶつり 的 てき に圧力 あつりょく を加 くわ えて絞 しぼ り出 だ す方法 ほうほう で、精油 せいゆ の形 かたち では壊 こわ れやすい柑橘 かんきつ 類 るい にだけ利用 りよう される[ 6] 。この方法 ほうほう は、水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう が確立 かくりつ する前 まえ から利用 りよう された [要 よう 出典 しゅってん ] 。圧搾 あっさく 法 ほう で抽出 ちゅうしゅつ されたものも、厳密 げんみつ に分類 ぶんるい しなければ、一応 いちおう 「精油 せいゆ 」に含 ふく まれる。ただし、同 おな じ植物 しょくぶつ 原料 げんりょう を用 もち いても、水蒸気 すいじょうき 蒸留 じょうりゅう 法 ほう と圧搾 あっさく 法 ほう では、抽出 ちゅうしゅつ された精油 せいゆ の成分 せいぶん 組成 そせい は全 まった く異 こと なる。
柑橘類 かんきつるい は、果皮 かひ の色 いろ のついた部分 ぶぶん にあるオレイフェール細胞 さいぼう に精油 せいゆ を含有 がんゆう しているので、果皮 かひ に圧力 あつりょく を加 くわ えて破裂 はれつ させる[ 6] 。果皮 かひ を絞 しぼ るスクイーズ法 ほう と果皮 かひ をおろしがねのようなもので擦 こす るエキュエル法 ほう がある[要 よう 出典 しゅってん ] 。昔 むかし は手作業 てさぎょう で行 おこな っていたが、現在 げんざい では機械 きかい 化 か されている。L-リモネン などのテルペン類 るい は熱 ねつ による香 かお りの劣化 れっか が激 はげ しいので、圧力 あつりょく をかける時 とき に発生 はっせい するわずかな熱 ねつ による変性 へんせい を防 ふせ ぐため、冷却 れいきゃく しながら圧搾 あっさく 処理 しょり (低温 ていおん 圧搾 あっさく 法 ほう 、コールド・プレス)を行 おこな う。この抽出 ちゅうしゅつ 物 ぶつ には水 みず が含 ふく まれるため、ジュース 、パルプ も共 とも に遠心 えんしん 分離 ぶんり 器 き にかけて(または上澄 うわず みを取 と って)水 みず と分離 ぶんり する。得 え られた抽出 ちゅうしゅつ 物 ぶつ はエッセンス と呼 よ ばれる[ 6] 。(これはオリーブオイル抽出 ちゅうしゅつ (英語 えいご 版 ばん ) と似 に た方法 ほうほう である。)他 た の抽出 ちゅうしゅつ 法 ほう に比 くら べて不純物 ふじゅんぶつ を含 ふく むため、品質 ひんしつ の劣化 れっか が早 はや い。柑橘 かんきつ 系 けい の精油 せいゆ は化学 かがく 的 てき に不安定 ふあんてい であり、通常 つうじょう ブチルヒドロキシトルエン (BHT)やブチルヒドロキシアニソール (BHA)などが酸化 さんか 防止 ぼうし 剤 ざい として添加 てんか されるため、100%天然 てんねん の精油 せいゆ というのは考 かんが えにくい[ 2] 。ワックスや色素 しきそ などの不揮発 ふきはつ 性 せい 成分 せいぶん が含 ふく まれ、光 ひかり 毒性 どくせい のあるフロクマリン を含 ふく む場合 ばあい も多 おお い。フクロクマリンが除去 じょきょ されたFCF精油 せいゆ も生産 せいさん されている[ 2] 。
ガスクロマトグラフィー
ガスクロマトグラフィーで3種類 しゅるい の物質 ぶっしつ を分析 ぶんせき した場合 ばあい の典型 てんけい 的 てき な結果 けっか 例 れい 。横 よこ 軸 じく が保持 ほじ 時間 じかん (retention time)、縦 たて 軸 じく が検出 けんしゅつ 電圧 でんあつ 。三角形 さんかっけい 部 ぶ の面積 めんせき が検出 けんしゅつ された物質 ぶっしつ の量 りょう となる。
1950年代 ねんだい にガスクロマトグラフィー が誕生 たんじょう し、複雑 ふくざつ な揮発 きはつ 性 せい の混合 こんごう 性 せい の分子 ぶんし を分離 ぶんり できるようになり、1960年代 ねんだい には質量 しつりょう 分析 ぶんせき 器 うつわ と対 たい にして利用 りよう され、精油 せいゆ の成分 せいぶん が識別 しきべつ できるようになった[ 6] 。他 た には、旋光性 せい 、比重 ひじゅう 、屈折 くっせつ 率 りつ などの物理 ぶつり 的 てき な分析 ぶんせき 、赤 あか 外 がい 分光 ぶんこう 法 ほう 、酸化 さんか 、エステル価 か の測定 そくてい などの科学 かがく 的 てき 分析 ぶんせき がある。ただ、ガスクロマトグラフィーや質量 しつりょう 分析 ぶんせき 器 き は、どんなに感度 かんど が良 よ くても、化学 かがく 的 てき に天然 てんねん のものと同 おな じであれば、合成 ごうせい 香料 こうりょう を検出 けんしゅつ することはできない[ 2] 。人 ひと が実際 じっさい に香 かお りを嗅 か ぐ官能 かんのう 試験 しけん も行 おこな われる[ 40] 。
精油 せいゆ 製品 せいひん は、ヨーロッパにおける信頼 しんらい 性 せい の高 たか いの規格 きかく として、フランス規格 きかく 化 か 協会 きょうかい (Association Française de Normalisation 、略称 りゃくしょう AFNOR)による規格 きかく があり、いくつかの精油 せいゆ については標準 ひょうじゅん 的 てき 化学 かがく 組成 そせい を示 しめ したモノグラフ を発行 はっこう している[ 30] 。電気 でんき 分野 ぶんや を除 のぞ く工業 こうぎょう 分野 ぶんや の国際 こくさい 的 てき な標準 ひょうじゅん を策定 さくてい する国際 こくさい 標準 ひょうじゅん 化 か 機構 きこう (International Organization for Standardization、略称 りゃくしょう : ISO)でも精油 せいゆ の国際 こくさい 的 てき な規格 きかく が定 さだ められており、これはフランス規格 きかく 化 か 協会 きょうかい の基準 きじゅん を受 う け入 い れている[ 40] 。TC54という委員 いいん 会 かい が包装 ほうそう 、状態 じょうたい 、保管 ほかん 、サンプリング、旋光度 ど の測定 そくてい 、組成 そせい などを評価 ひょうか している。精油 せいゆ の組成 そせい 成分 せいぶん 類 るい の各 かく 量 りょう が基準 きじゅん に合 あ わない場合 ばあい 、または天然 てんねん 精油 せいゆ に存在 そんざい しない成分 せいぶん があった場合 ばあい に、基準 きじゅん に合 あ わない精油 せいゆ と見 み なされる[ 40] 。ただし、基準 きじゅん に合致 がっち しても100%天然 てんねん であると保証 ほしょう されるわけではなく、100%天然 てんねん であっても、組成 そせい 成分 せいぶん が基準 きじゅん に合致 がっち しなければ規格 きかく 外 がい と判断 はんだん される。
精油 せいゆ の成分 せいぶん は植物 しょくぶつ の種類 しゅるい だけでなく、生育 せいいく の程度 ていど 、場所 ばしょ 、採取 さいしゅ された季 き 節 ぶし 、天候 てんこう によっても大幅 おおはば に異 こと なるが、国際 こくさい 標準 ひょうじゅん 化 か 機構 きこう (ISO)が成分 せいぶん 組成 そせい の基準 きじゅん に合 あ わせるために、収穫 しゅうかく 時期 じき ・場所 ばしょ の異 こと なる精油 せいゆ 、他 た の植物 しょくぶつ 精油 せいゆ や合成 ごうせい 成分 せいぶん のブレンドが行 おこな われることがあり、ISOの基準 きじゅん が精油 せいゆ の加工 かこう の一因 いちいん になってしまっている[ 2] 。
他 た に、芳香 ほうこう 材料 ざいりょう 研究所 けんきゅうじょ (RIFM、香 こう 粧品香料 こうりょう 原料 げんりょう 安全 あんぜん 性 せい 研究所 けんきゅうじょ [ 41] とも)、国際 こくさい 香 が 粧品香料 こうりょう 協会 きょうかい (IFRA)、イギリス薬局方 やっきょくほう (BP )、ヨーロッパ薬局方 やっきょくほう (英語 えいご 版 ばん ) (EP)、アメリカ薬局方 やっきょくほう (英語 えいご 版 ばん ) (USP)、国際 こくさい 精油 せいゆ &香料 こうりょう 貿易 ぼうえき 協会 きょうかい (IFEAT)などの規格 きかく もある[ 30] 。また、ほとんどの精油 せいゆ は、アメリカ食品 しょくひん 香料 こうりょう 製造 せいぞう 者 しゃ 協会 きょうかい (英語 えいご 版 ばん ) (FEMA)から安全 あんぜん 食品 しょくひん 認定 にんてい (GRAS)を、アメリカ食品 しょくひん 医薬品 いやくひん 局 きょく (FDA)から食用 しょくよう 承認 しょうにん を受 う けている。食用 しょくよう 認証 にんしょう を得 え ている精油 せいゆ 、つまりほとんどすべての精油 せいゆ は、動物 どうぶつ 実験 じっけん で毒性 どくせい が確認 かくにん されている[ 2] 。
イギリスでは、精油 せいゆ 供給 きょうきゅう 業者 ぎょうしゃ が製品 せいひん 安全 あんぜん データシート (MSDS)を提供 ていきょう することが法的 ほうてき に義務付 ぎむづ けられている。標準 ひょうじゅん 的 てき に次 つぎ の事項 じこう が表示 ひょうじ される。
官能 かんのう 試験 しけん の要約 ようやく
植物 しょくぶつ の名前 なまえ と生息 せいそく 地 ち
クロマトグラフィー/質量 しつりょう 分析 ぶんせき 器 き (GC/MS)の結果 けっか (主要 しゅよう ピーク)
比重 ひじゅう
屈折 くっせつ 率 りつ
旋光度 ど
引火 いんか 点 てん
薬効 やっこう ・効果 こうか が認 みと められたウイキョウ 油 あぶら 、オレンジ 油 あぶら 、桂皮 けいひ 油 あぶら 、丁子 ちょうじ 油 あぶら 、テレピン油 ゆ 、薄荷 はっか 油 あぶら 、ユーカリ 油 あぶら が日本 にっぽん 薬局方 やっきょくほう に収載 しゅうさい されており、医薬品 いやくひん として扱 あつか われる[ 42] 。これらの精油 せいゆ を含 ふく むものは医薬品 いやくひん とみなされるが、含有 がんゆう する濃度 のうど が低 ひく い場合 ばあい 、化粧 けしょう 品 ひん への配合 はいごう が許 ゆる されるときがある[ 43] 。日本 にっぽん 薬局方 やっきょくほう に収載 しゅうさい されたもの以外 いがい で、化粧 けしょう 品 ひん の範疇 はんちゅう にも入 はい らず医薬品 いやくひん 的 てき 効能 こうのう も謳 うた わない精油 せいゆ は、高 こう 濃度 のうど の芳香 ほうこう 成分 せいぶん ・薬効 やっこう 成分 せいぶん を含 ふく むにも関 かか わらず雑品 ざっぴん 扱 あつか いであり、販売 はんばい ・輸入 ゆにゅう に規制 きせい は存在 そんざい しない[ 44] [ 45]
公益社 こうえきしゃ 団 だん 法人 ほうじん 日本 にっぽん アロマ環境 かんきょう 協会 きょうかい (AEAJ)が、表示 ひょうじ 基準 きじゅん 適合 てきごう 精油 せいゆ の認定 にんてい 制度 せいど を設 もう けている[ 46] 。これは同 どう 協会 きょうかい の法人 ほうじん 正会員 せいかいいん のみを対象 たいしょう にした認定 にんてい 制度 せいど で、次 つぎ の3項目 こうもく を認定 にんてい 条件 じょうけん とし、「精油 せいゆ のブランド」を認定 にんてい する制度 せいど である[ 47] 。精油 せいゆ の表示 ひょうじ に対 たい する認定 にんてい 制度 せいど であり、品質 ひんしつ に関 かん しては認定 にんてい 基準 きじゅん に含 ふく まれず、表示 ひょうじ が十全 じゅうぜん であるかが基準 きじゅん となっている。
精油 せいゆ 商品 しょうひん に、定 さだ められた「精油 せいゆ 製品 せいひん 情報 じょうほう 」が整 ととの っていること:ブランド名 めい 、品名 ひんめい 、学名 がくめい 、抽出 ちゅうしゅつ 部分 ぶぶん (位 い )、抽出 ちゅうしゅつ 方法 ほうほう 、生産 せいさん 国 こく (生産 せいさん 地 ち )または原産 げんさん 国 こく (原産地 げんさんち )、内容 ないよう 量 りょう 、発売 はつばい 元 もと または輸入 ゆにゅう 元 もと
精油 せいゆ 商品 しょうひん に、定 さだ められた「使用 しよう 上 じょう の注意 ちゅうい 事項 じこう 」が明記 めいき されていること
協会 きょうかい が求 もと める「企業 きぎょう モラル」を遵守 じゅんしゅ する旨 むね の「確認 かくにん 書 しょ 」を提出 ていしゅつ すること
成分 せいぶん 組成 そせい に関 かん する規格 きかく はなく、クロマトグラフィー/質量 しつりょう 分析 ぶんせき 器 き (GC/MS)の結果 けっか の提出 ていしゅつ などは行 おこな われず、100%天然 てんねん であることを保証 ほしょう するものではない。
精油 せいゆ 製品 せいひん には次 つぎ の3つのグレードがある[ 30] 。
インダストリアルグレード :産業 さんぎょう 用 よう に使用 しよう され、合成 ごうせい 香料 こうりょう が含 ふく まれる。
100%ピュア&ナチュラルグレード :合成 ごうせい 香料 こうりょう は含 ふく まれないが、残留 ざんりゅう 農薬 のうやく についての保証 ほしょう はない。
オーガニックグレード :有機 ゆうき 栽培 さいばい された香料 こうりょう 植物 しょくぶつ から採取 さいしゅ され、残留 ざんりゅう 農薬 のうやく は含 ふく まれない。アロマテラピーで利用 りよう される。ヨーロッパでは、フランスの国際 こくさい 有機 ゆうき 認定 にんてい 機関 きかん ECOCERT による認証 にんしょう がある。有機 ゆうき 栽培 さいばい では農薬 のうやく を使 つか わないため、生産 せいさん 性 せい が減少 げんしょう しコストが上 あ がる。付加 ふか 価値 かち はつくが、通常 つうじょう の3倍 ばい の値段 ねだん で販売 はんばい できたとしても、オーガニックグレード精油 せいゆ は実際 じっさい より過剰 かじょう に出回 でまわ っていると考 かんが えられている[ 2] 。オーガニックグレードは食品 しょくひん や化粧 けしょう 品 ひん 業界 ぎょうかい の需要 じゅよう はあまりなく、需要 じゅよう はアロマセラピストの小 ちい さな市場 いちば に限 かぎ られている。100%ピュア&ナチュラルグレードとオーガニックグレード精油 せいゆ の組成 そせい に違 ちが いはなく、オーガニックグレードには残留 ざんりゅう 農薬 のうやく が含 ふく まれてないはずだが、相当 そうとう 量 りょう のサンプルを提供 ていきょう しない限 かぎ り、残留 ざんりゅう 農薬 のうやく の有無 うむ を判断 はんだん することは難 むずか しい[ 2] 。
医療 いりょう グレード、メディカルグレード、セラピーグレードなどという通称 つうしょう もある。これらの呼称 こしょう は、医療 いりょう に用 もち いるほど高 こう 品質 ひんしつ な精油 せいゆ であると主張 しゅちょう する際 さい に使用 しよう されるようだが、このような基準 きじゅん があるわけではなく、単 たん なる造語 ぞうご にすぎない[ 48] 。
ほとんどの精油 せいゆ は、食品 しょくひん 添加 てんか 物 ぶつ や香水 こうすい として利用 りよう する際 さい にはアルコールで希釈 きしゃく する必要 ひつよう があり、アルコールに溶 と けやすくし、劣化 れっか や不溶 ふよう 沈殿 ちんでん 物 ぶつ を防 ふせ ぐために、脱 だつ テルペン処理 しょり が施 ほどこ される[ 2] 。不快 ふかい な臭 にお いの元 もと や毒性 どくせい 成分 せいぶん を取 と り除 のぞ く処理 しょり も行 おこな われる。水増 みずま しや品質 ひんしつ を良 よ く見 み せるため、規格 きかく に合 あ わせるために、合成 ごうせい 物質 ぶっしつ の添加 てんか 、ブレンディングなどの偽 にせ 和 わ も広 ひろ く行 おこな われている。
精油 せいゆ の流通 りゅうつう 量 りょう は生産 せいさん 量 りょう を大 おお きく上回 うわまわ っており、天然 てんねん の精油 せいゆ に、別 べつ の安価 あんか な精油 せいゆ や合成 ごうせい 物質 ぶっしつ を加 くわ え、様々 さまざま な溶剤 ようざい で偽 にせ 和 わ する偽装 ぎそう 行為 こうい は広 ひろ く行 おこな われている。偽 にせ 和 わ とは、1種類 しゅるい 以上 いじょう の粗悪 そあく な成分 せいぶん の添加 てんか などを行 おこな い、製品 せいひん の基準 きじゅん を下 さ げる行為 こうい と解釈 かいしゃく されている。規格 きかく 化 か 、成分 せいぶん 補強 ほきょう 、液体 えきたい 化 か 、成分 せいぶん 再 さい 構成 こうせい (天然 てんねん 精油 せいゆ と似 に た香 かお りを化学 かがく 的 てき に再現 さいげん すること)、営利 えいり 化 か (水増 みずま し)が行 おこな われ、ラベルと違 ちが う学名 がくめい の精油 せいゆ が販売 はんばい されることもある。真正 しんしょう ラベンダー油 ゆ の名 な でラバンジン油 ゆ が、サンダルウッド油 ゆ の名 な で合成 ごうせい 香料 こうりょう サンタルが販売 はんばい された例 れい もある。ヨーロッパ薬局方 やっきょくほう に記載 きさい された精油 せいゆ で、薬局 やっきょく 等 とう で販売 はんばい されているものを成分 せいぶん 分析 ぶんせき したところ、その品質 ひんしつ は許容 きょよう 範囲 はんい を超 こ えた物 もの であったという報告 ほうこく もある[ 2] 。
フランスにおける真正 しんしょう ラベンダー の生産 せいさん 量 りょう は、1967年 ねん の87トンから1998年 ねん には12トンと減少 げんしょう しているが、この期間 きかん でラベンダー油 ゆ の世界 せかい 需要 じゅよう は100倍 ばい に増加 ぞうか している[ 40] 。生産 せいさん 量 りょう と流通 りゅうつう 量 りょう の差分 さぶん は、偽 にせ 和 わ によって水増 みずま しされた精油 せいゆ によって賄 まかな われている。長年 ながねん 精油 せいゆ で偽 にせ 和 わ が行 おこな われてきたことで、皮膚 ひふ 炎 えん や皮膚 ひふ 感 かん 作 さく の発生 はっせい 率 りつ が上昇 じょうしょう している。無害 むがい と考 かんが えられる精油 せいゆ も、人 ひと によって毒性 どくせい が発現 はつげん しているが、偽 にせ 和 わ に用 もち いられた成分 せいぶん による免疫 めんえき 感 かん 作 さく の可能 かのう 性 せい が高 たか い。職業病 しょくぎょうびょう としてアロマセラピストの皮膚 ひふ 炎 えん も増加 ぞうか している[ 2] 。
精油 せいゆ が医療 いりょう に使 つか われるようになったのは、精油 せいゆ には、材料 ざいりょう の植物 しょくぶつ が持 も つのと同 おな じ生物 せいぶつ 活性 かっせい (薬効 やっこう )が凝縮 ぎょうしゅく されているのではないか、という推論 すいろん による。そのためアロマセラピーでは、現在 げんざい でも昔 むかし の植物 しょくぶつ 療法 りょうほう の薬効 やっこう が引用 いんよう されることが多 おお いが、この推論 すいろん は間違 まちが っていることがわかっている[ 2] 。例 たと えばオレンジ油 ゆ は外皮 がいひ から抽出 ちゅうしゅつ される脂 あぶら 溶性 ようせい 成分 せいぶん からなり、果皮 かひ や果肉 かにく に含 ふく まれる水溶 すいよう 性 せい のビタミンB 類 るい やビタミンC 、カルシウム 、タンパク質 たんぱくしつ などは含 ふく まれない。つまり、材料 ざいりょう 植物 しょくぶつ に見 み られる薬効 やっこう のすべてが精油 せいゆ にあるわけではない。近年 きんねん の研究 けんきゅう で、植物 しょくぶつ の各 かく 成分 せいぶん には異 こと なる薬理 やくり 作用 さよう があることがわかってきた[ 2] 。
近年 きんねん の研究 けんきゅう と比 くら べると、過去 かこ の臨床 りんしょう 研究 けんきゅう には、デザインや結果 けっか に欠陥 けっかん が見受 みう けられる。科学 かがく 者 しゃ による信頼 しんらい に足 た る臨床 りんしょう 研究 けんきゅう も徐々 じょじょ に増 ふ え、精油 せいゆ の効果 こうか に肯定 こうてい 的 てき な研究 けんきゅう 結果 けっか も報告 ほうこく されている。
イギリス薬局方 やっきょくほう には、シナモン (下痢 げり 止 と め、駆 か 風 ふう 薬 やく (胃腸 いちょう 内 ない のガス止 と め))、クローブ バッド、クローブリーフ(歯痛 しつう 用 よう 局部 きょくぶ 麻酔 ますい 薬 やく 、関節 かんせつ 炎 えん 、副 ふく 鼻腔 びこう 炎 えん )、カモミール ・ジャーマン(抗 こう 炎症 えんしょう 剤 ざい )、ペパーミント (消化 しょうか 不良 ふりょう 、気管支炎 きかんしえん 、過敏 かびん 性 せい 腸 ちょう 症候群 しょうこうぐん )などが掲載 けいさい されている。また慣習 かんしゅう 的 てき ・伝統 でんとう 的 てき に、抗 こう 炎症 えんしょう 剤 ざい や消毒 しょうどく 薬 やく 、去痰 きょたん 薬 やく や駆 か 風 ふう 薬 やく として利用 りよう されるものもある。
精油 せいゆ は食品 しょくひん 、化粧 けしょう 品 ひん 、香水 こうすい などで希釈 きしゃく 物質 ぶっしつ と共 とも に広 ひろ く利用 りよう され、数 すう 多 おお くの問題 もんだい が起 お こっているが、特 とく に感 かん 作 さく 作用 さよう (ある抗原 こうげん に対 たい し生体 せいたい をアレルギー 反応 はんのう をおこしうる状態 じょうたい にする作用 さよう )が問題 もんだい 視 し されている。精油 せいゆ のマイクロカプセル 化 か 、パウダー化 か など科学 かがく 技術 ぎじゅつ の発達 はったつ で、顧客 こきゃく の要望 ようぼう に合 あ わせてデザインされた精油 せいゆ が数多 かずおお く作 つく られ、様々 さまざま なものに添加 てんか されるようになった。吸収 きゅうしゅう しやすい状態 じょうたい に加工 かこう された多様 たよう な精油 せいゆ に頻繁 ひんぱん に接触 せっしょく することで、毒性 どくせい のリスクが上昇 じょうしょう したのである。精油 せいゆ の安全 あんぜん 性 せい は、現在 げんざい 全体 ぜんたい 的 てき に見直 みなお し・再 さい 調査 ちょうさ がされており、精油 せいゆ を使 つか った製品 せいひん や売買 ばいばい 、使用 しよう の規制 きせい が強化 きょうか されつつある。現在 げんざい ヨーロッパでは、2002年 ねん 欧州 おうしゅう 指令 しれい により、精油 せいゆ は使用 しよう 条件 じょうけん と警告 けいこく をラベルに記載 きさい するよう義務付 ぎむづ けられている。欧州 おうしゅう 連合 れんごう (EU)では、欧州 おうしゅう における新 あたら しい化学 かがく 品 ひん 規制 きせい REACH (REACH規則 きそく :Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals)が、2008年 ねん から運用 うんよう されており、精油 せいゆ を含 ふく む香料 こうりょう も対象 たいしょう となっている[ 49] [ 50] [ 51] 。ラベンダーなどの一部 いちぶ の精油 せいゆ が、アレルギーを引 ひ き起 お こす可能 かのう 性 せい があるなどの理由 りゆう で規制 きせい 対象 たいしょう となっており、将来 しょうらい 的 てき に「内服 ないふく または吸入 きゅうにゅう した場合 ばあい 、死亡 しぼう する可能 かのう 性 せい がある。」という警告 けいこく ラベルが義務付 ぎむづ けられる可能 かのう 性 せい がある[ 52] 。
全 すべ ての精油 せいゆ は高 こう 濃度 のうど で使用 しよう すると毒性 どくせい があり、特 とく に内服 ないふく は危険 きけん である。(現在 げんざい 内服 ないふく は、フランスのごく一部 いちぶ の病院 びょういん 、または科学 かがく 的 てき 研究 けんきゅう に興味 きょうみ のない一部 いちぶ のセラピストが行 おこ なっている。)強 つよ い毒性 どくせい のある精油 せいゆ は低 てい 濃度 のうど でも危険 きけん であるが、アロマテラピーでは使用 しよう されない。無毒 むどく とされる精油 せいゆ を用 もち いても、人 ひと によっては毒性 どくせい が発現 はつげん するが、これは免疫 めんえき 感 かん 作 さく の影響 えいきょう であると思 おも われる。極 きわ めて微量 びりょう の精油 せいゆ でも、継続 けいぞく 的 てき に使用 しよう することで毒性 どくせい が発現 はつげん する可能 かのう 性 せい がある。ある調査 ちょうさ では、アロマセラピストの23%が手 て に皮膚 ひふ 炎 えん を起 お こしていた。また、通常 つうじょう の療法 りょうほう と代替 だいたい 療法 りょうほう を併用 へいよう すると逆 ぎゃく の効果 こうか が現 あらわ れるという報告 ほうこく が増加 ぞうか しており、医師 いし とアロマセラピストが連携 れんけい していない場合 ばあい 、深刻 しんこく な問題 もんだい が起 お こりかねない[ 2] 。
アロマテラピーの書籍 しょせき には、科学 かがく 的 てき に有効 ゆうこう 性 せい が証明 しょうめい されていない、矛盾 むじゅん だらけの薬効 やっこう が数多 かずおお く記載 きさい されている。植物 しょくぶつ の学名 がくめい が述 の べられていないものも多 おお く、どのように作用 さよう するかの説明 せつめい もない場合 ばあい がほとんどである。素人目 しろうとめ に科学 かがく 的 てき に見 み えても、実際 じっさい には不十分 ふじゅうぶん 極 きわ まりない情報 じょうほう も多 おお く、それがエビデンスとして利用 りよう される例 れい もある。アメリカでは1997年 ねん に精油 せいゆ の無 む 根拠 こんきょ な効能 こうのう を謳 うた ったLafabre and Aromaが訴 うった えられており[ 2] 、2014年 ねん にはヤングリヴィング とドテラ が、医薬品 いやくひん として認可 にんか されていない自社 じしゃ 精油 せいゆ の無 む 根拠 こんきょ な薬効 やっこう を喧伝 けんでん したとして、アメリカ食品 しょくひん 医薬品 いやくひん 局 きょく (FDA)から警告 けいこく を受 う けている[ 53] [ 54] [ 55] 。アロマテラピーの書籍 しょせき には、乳幼児 にゅうようじ にカモミール油 ゆ を1日 にち 3回 かい 、5~10滴 てき 内服 ないふく させるような危険 きけん な療法 りょうほう を勧 すす めるものすら存在 そんざい するが、実際 じっさい にこれが行 おこな われた場合 ばあい 、死亡 しぼう 事故 じこ が起 お こる可能 かのう 性 せい がある。多 おお くの書籍 しょせき があるにもかかわらず、有害 ゆうがい 作用 さよう が記載 きさい されているものは少 すく ない。
多 おお くのアロマセラピストは科学 かがく 的 てき 研究 けんきゅう に興味 きょうみ がなく、学術 がくじゅつ 的 てき 研究 けんきゅう を完全 かんぜん 否定 ひてい するセラピストも存在 そんざい する[ 2] 。アロマテラピーはニューエイジ と関係 かんけい が深 ふか いためか、むしろ独自 どくじ の宇宙 うちゅう 論 ろん や占星術 せんせいじゅつ 、宝石 ほうせき 、色彩 しきさい 、音楽 おんがく 療法 りょうほう などを重視 じゅうし し、リフレクソロジー や指圧 しあつ 、レイキ (手 て かざし)、ヨガ などの民間 みんかん 資格 しかく を持 も ち治療 ちりょう に併用 へいよう する場合 ばあい も多 おお い[ 2] 。何 なん らかの疾患 しっかん 治療 ちりょう 中 ちゅう のクライアントを施術 しじゅつ する際 さい に担当 たんとう 医 い と連携 れんけい をとらなかったり、科学 かがく 知識 ちしき の不足 ふそく からアレルギー反応 はんのう による炎症 えんしょう を「好転 こうてん 反応 はんのう 」と間違 まちが って説明 せつめい するなどの問題 もんだい もある。アメリカ食品 しょくひん 医薬品 いやくひん 局 きょく (FDA)などから承認 しょうにん を受 う けていることを根拠 こんきょ に、精油 せいゆ の内服 ないふく や原液 げんえき 塗布 とふ を推奨 すいしょう するセラピストも存在 そんざい するが、無論 むろん これらの承認 しょうにん は、どんな濃度 のうど であっても内服 ないふく ・塗布 とふ に害 がい がないということを意味 いみ するわけではない。また、新種 しんしゅ や野生 やせい 種 しゅ からとられた精油 せいゆ 、未知 みち のケモタイプの精油 せいゆ など、安全 あんぜん 性 せい が確認 かくにん されていないものも治療 ちりょう に使 つか われる例 れい があるが、これはクライアントを実験 じっけん 動物 どうぶつ として扱 あつか うに等 ひと しく、問題 もんだい となっている。
また、ペットの治療 ちりょう に精油 せいゆ が使 つか われることがあるが、猫 ねこ などの肉食 にくしょく 動物 どうぶつ は精油 せいゆ を代謝 たいしゃ することができないため、中毒 ちゅうどく の危険 きけん が非常 ひじょう に高 たか い。雑食 ざっしょく の犬 いぬ でも中毒 ちゅうどく 事故 じこ の報告 ほうこく が見 み られる[ 56] 。
精油 せいゆ 原料 げんりょう となる植物 しょくぶつ は多岐 たき にわたる。オレンジのように花 はな 、葉 は 、果実 かじつ から異 こと なる精油 せいゆ が得 え られるような植物 しょくぶつ もある。以下 いか に主 おも な採油 さいゆ 植物 しょくぶつ とその部位 ぶい を示 しめ す。
香料 こうりょう 需要 じゅよう の拡大 かくだい や精油 せいゆ を使 つか うアロマセラピーの普及 ふきゅう で、精油 せいゆ の生産 せいさん 量 りょう が急速 きゅうそく に拡大 かくだい し、原料 げんりょう 植物 しょくぶつ の乱獲 らんかく やプランテーション による自然 しぜん 破壊 はかい が問題 もんだい になっている。ローズウッド (クスノキ科 か ) は乱獲 らんかく により絶滅 ぜつめつ に瀕 ひん しており、ワシントン条約 じょうやく のレッドリスト に登録 とうろく されている[ 57] [ 58] [ 59] 。白檀 びゃくだん (サンダルウッド )、乳香 にゅうこう (フランキンセンス )などの香木 こうぼく )も乱獲 らんかく の対象 たいしょう となっており[ 60] 、樹木 じゅもく は植林 しょくりん などの対策 たいさく も取 と られているが、これらの樹木 じゅもく は成長 せいちょう が遅 おそ いため、植生 しょくせい の回復 かいふく にも時間 じかん がかかる[ 61] 。またティーツリーのような人気 にんき 精油 せいゆ では、急速 きゅうそく な需要 じゅよう の拡大 かくだい で野生 やせい 種 しゅ の伐採 ばっさい とプランテーションによる自然 しぜん 破壊 はかい が大 だい 規模 きぼ に行 おこな われた[ 62] 。
香水 こうすい の世界 せかい では、香 こう 調 ちょう (ノート)により香 かお りを分類 ぶんるい する考 かんが え方 かた がある。香 かお りを楽 たの しむアロマテラピーでも、このような分類 ぶんるい が援用 えんよう されることもあるようである。考 かんが え方 かた により4種類 しゅるい 、7種類 しゅるい 、8種類 しゅるい 、12種類 しゅるい と分類 ぶんるい 数 すう は多様 たよう で、分類 ぶんるい 法 ほう により含 ふく まれる香 かお りは異 こと なる。以下 いか 精油 せいゆ に関係 かんけい のある香 こう 調 ちょう の代表 だいひょう 的 てき なものを列記 れっき した。(シプレー調 ちょう など複数 ふくすう の精油 せいゆ を用 もち いる香 こう 調 ちょう は省 はぶ いた。)
アーシー調 ちょう [ 38] :土 ど やほこりなどを思 おも わせる香 かお り。
アンバー調 ちょう ・オリエンタル 調 しらべ :西洋 せいよう から見 み た東洋 とうよう を思 おも わせるエキゾチックな香 かお りで、ムスク などの動物 どうぶつ 由来 ゆらい の香 かお りもこれに分類 ぶんるい される。
ウッディ調 ちょう :樹木 じゅもく のような香 かお り。樹木 じゅもく の樹皮 じゅひ や枝 えだ 、葉 は 、実 み などから抽出 ちゅうしゅつ される。
カンファー調 ちょう :樟脳 しょうのう やメントール のようなさっぱりした香 かお り。
シトラス 調 しらべ :柑橘 かんきつ 系 けい のさわやかな甘 あま い香 かお り。柑橘 かんきつ 系 けい の果物 くだもの や、それに似 に た香 かお りのハーブから抽出 ちゅうしゅつ される。
スパイス 調 しらべ :香辛料 こうしんりょう のような刺激 しげき 的 てき な香 かお り。主 おも に香辛料 こうしんりょう から抽出 ちゅうしゅつ 。刺激 しげき が強 つよ いものが多 おお い。
ハーブ 調 しらべ :ハーブや薬草 やくそう を思 おも わせるスッキリした香 かお り。ハーブの花 はな や葉 は から抽出 ちゅうしゅつ される。
バルサム調 ちょう ・レジン調 ちょう [ 38] :甘 あま く温 あたた かみのある香 かお り。香木 こうぼく の樹脂 じゅし から抽出 ちゅうしゅつ される。
フローラル調 ちょう :華 はな やかで甘 あま い花 はな の香 かお り。主 おも に花 はな から抽出 ちゅうしゅつ され、高価 こうか なものが多 おお い。
製品 せいひん 化 か された精油 せいゆ は、開封 かいふう 後 ご 約 やく 1年 ねん が目安 めやす となるものが多 おお い。柑橘 かんきつ 系 けい (ベルガモット、レモンなど)は約 やく 半年 はんとし とされる。例外 れいがい 的 てき に、サンダルウッド、乳香 にゅうこう 、パチュリー、ローズオットーの精油 せいゆ のように、歳 とし を経 へ るごとに質 しつ が良 よ くなるものもある[ 38] 。
精油 せいゆ や精油 せいゆ を用 もち いた治療 ちりょう であるアロマテラピーの研究 けんきゅう は日々 ひび 進 すす んでいるが、日本語 にほんご の最新 さいしん 情報 じょうほう は極 きわ めて少 すく ない。正確 せいかく な情報 じょうほう を得 え るには、外国 がいこく のものを含 ふく め最新 さいしん の論文 ろんぶん ・専門 せんもん 雑誌 ざっし ・専門 せんもん 書 しょ を当 あ たることが望 のぞ ましい。過去 かこ に評価 ひょうか の高 たか かった専門 せんもん 書 しょ も、古 ふる いものには間違 まちが った情報 じょうほう (更新 こうしん された情報 じょうほう )があるため注意 ちゅうい が必要 ひつよう である。
長谷川香料 はせがわこうりょう 株式会社 かぶしきがいしゃ 著 ちょ 『香料 こうりょう の科学 かがく 』 講談社 こうだんしゃ 、2013年 ねん
マリア・リス・バルチン 著 ちょ 『アロマセラピーサイエンス』 田邉 たなべ 和子 かずこ 松村 まつむら 康生 やすお 監訳 かんやく 、フレグランスジャーナル社 しゃ 、2011年 ねん (原著 げんちょ はPharmaceutical Pr、2005年 ねん )
K. Husnu Can Baser、Gerhard Buchbauer 編集 へんしゅう Handbook of Essential Oils: Science, Technology, and Applications 、CRC Press、2010年 ねん
ジャン=クロード・エレナ 著 ちょ 『香水 こうすい -香 かお りの秘密 ひみつ と調 しらべ 香 こう 師 し の技 わざ 』 芳野 よしの まい 訳 やく 、白水 しろみず 社 しゃ 、2010年 ねん
ルカ・トゥリン 著 ちょ 『香 かお りの愉 たの しみ、匂 にお いの秘密 ひみつ 』 山下 やました 篤子 あつこ 訳 やく 、河出書房新社 かわでしょぼうしんしゃ 、2008年 ねん
今西 いまにし 二郎 じろう 著 ちょ 『補完 ほかん ・代替 だいたい 医療 いりょう メディカル・アロマセラピー』 金 きむ 芳 かおる 堂 どう 、2006年 ねん
高山 たかやま 林太郎 りんたろう 著 ちょ 『ルーツ of アロマテラピー』 現代書林 げんだいしょりん 、2002年 ねん
ヒロ・ヒライ 著 ちょ 『エリクシルから第 だい 五 ご 精髄 せいずい 、そしてアルカナへ: 蒸留 じょうりゅう 術 じゅつ とルネサンス錬金術 れんきんじゅつ 』 Kindle、2014年 ねん (初出 しょしゅつ :「アロマトピア 第 だい 53号 ごう 」 2002年 ねん )
ヒロ・ヒライ 著 ちょ 『蒸留 じょうりゅう 術 じゅつ とイスラム錬金術 れんきんじゅつ 』 Kindle、2014年 ねん (初出 しょしゅつ 「アロマトピア 第 だい 48号 ごう 」 2001年 ねん )
荘司 しょうじ 菊雄 きくお 著 ちょ 『においのはなし―アロマテラピー・精油 せいゆ ・健康 けんこう を科学 かがく する』 技報堂 ぎほうどう 出版 しゅっぱん 、2001年 ねん
クリシー・ワイルドウッド 著 ちょ 『アロマテラピーの精油 せいゆ でつくる自然 しぜん 香水 こうすい 』 高山 たかやま 林太郎 りんたろう 訳 やく 、フレグランスジャーナル社 しゃ 、1996年 ねん
フランス香水 こうすい 委員 いいん 会 かい 監修 かんしゅう 『香水 こうすい 賛歌 さんか 魅惑 みわく の香 かお り』 朝日新聞社 あさひしんぶんしゃ 、1994年 ねん
久保 くぼ 亮 あきら 五 ご 他 た 編集 へんしゅう 『岩波 いわなみ 理化学 りかがく 辞典 じてん 第 だい 4版 はん 』 岩波書店 いわなみしょてん 、1987年 ねん
化学 かがく 大 だい 辞典 じてん 編集 へんしゅう 委員 いいん 会 かい 編集 へんしゅう 『化学 かがく 大 だい 辞典 じてん 』 共立 きょうりつ 出版 しゅっぱん 、1977年 ねん
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