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食品しょくひん添加てんかぶつ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
食品しょくひん添加てんかぶつ

食品しょくひん添加てんかぶつ(しょくひんてんかぶつ、英語えいご: food additives)とは、食品しょくひん製造せいぞうさい添加てんかする物質ぶっしつのこと。広義こうぎには食品しょくひん包装ほうそう使つかわれる樹脂じゅしなどを、間接かんせつ食品しょくひん添加てんかぶつとしてあつか場合ばあいがある。

おも用途ようと

また、化学かがく合成ごうせいによるものと、そうでないものに分類ぶんるいされる。

国際こくさい機関きかん

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1956ねん、WHO(世界せかい保健ほけん機関きかん)は、JECFA (Joint FAO/WHO Expert Committee on Food AdditivesFAO/WHO合同ごうどう食品しょくひん添加てんかぶつ専門せんもん会議かいぎ) を設立せつりつした。 JECFAは、ADI (Acceptable Daily Intake、いちにち摂取せっしゅ許容きょようりょう) を算出さんしゅつしている。動物どうぶつもちいて慢性まんせいどくせい急性きゅうせい毒性どくせいはつがんせい催奇せいなどがリスク評価ひょうかされ、健康けんこう影響えいきょうあたえないりょうであるADIが算出さんしゅつされる。

1962ねんコーデックス委員いいんかい((FAO/WHO合同ごうどう食品しょくひん規格きかく委員いいんかい、CAC: Joint FAO/WHO Codex Alimentarius Commission) が設立せつりつされ、食品しょくひん国際こくさいてき規格きかく策定さくていしている。

ADIは具体ぐたいてきには下記かきのような記載きさい方法ほうほうをとる[1][2]


暫定ざんていADI (Temporary ADI)

追加ついかデータがられるまでの期間きかん暫定ざんていてき設定せっていされたADI。安全あんぜん係数けいすう通常つうじょうおおきく設定せっていされている。

れい流動りゅうどうパラフィン


・ADI を特定とくていしない (Not specified)また制限せいげんしない (Not limited)

摂取せっしゅりょう上限じょうげん数値すうち明確めいかくさだめないADI は、きわめて毒性どくせいひく物質ぶっしつかぎられるもので、食品しょくひんちゅうつねざいする成分せいぶんまた食品しょくひんとみなしるものしくはヒトの通常つうじょう代謝たいしゃぶつとみなしるものに設定せっていされる。入手にゅうしゅ(化学かがくてきな、生物せいぶつがくてきおよ毒性どくせいがくじょうの)データにより、目的もくてきとする効果こうかるために必要ひつようりょうでのその物質ぶっしつ使用しようおよ食品しょくひんちゅう存在そんざいするものからもたらされる当該とうがい物質ぶっしつ毎日まいにち摂取せっしゅが、健康けんこう危害きがいをもたらさないことがしめされている。この理由りゆうおよ個々ここ評価ひょうかしめした理由りゆうもとづき、mg/kg/にちでADI を設定せっていする必要ひつようがないとかんがえられる。

れい)L-アスコルビンさん炭酸たんさんカルシウムグルタミン酸ぐるたみんさんナトリウム


・ADI 設定せっていせず (No ADI allocated)

(a) データが十分じゅうぶんになく評価ひょうか場合ばあい

(b) JECFA もとめた追加ついかデータが提供ていきょうされなかった場合ばあい

(c) 安全あんぜんせいもと結果けっか食品しょくひん添加てんかぶつとしての使用しよう適当てきとうとされた場合ばあい

などにこの用語ようごもちいられる。(c)の場合ばあい、"使用しよう禁止きんし"(Not to be used)、従来じゅうらい設定せっていされていたADIがあらたな毒性どくせい情報じょうほうにより、取消とりけされた場合ばあい、"削除さくじょ" (Withdrawn)の用語ようごもちいられる。

れいきむ金属きんぞく


現在げんざい使用しようみとめる (Acceptable)

現在げんざい特定とくてい用途ようと(およ摂取せっしゅりょうでの)使用しよう毒性どくせいがくてき問題もんだいがないとかんがえられる場合ばあいもちいられる。

れいアセトアルデヒド、DL-アラニン


・LGMP (Limited by Good Manufacturing Practice)

当該とうがい食品しょくひん添加てんかぶつ食品しょくひんへの使用しようは、技術ぎじゅつじょう官能かんのうじょうまた理由りゆうからおのずから制限せいげんされる。したがって、当該とうがい添加てんかぶつ最大さいだい限度げんど設定せってい対象たいしょうとする必要ひつようはない。

れいエタノール


・Group ADI

毒性どくせいがくてき同様どうよう作用さようしめ一群いちぐん化合かごうぶつについて、基本きほん骨格こっかく化合かごうぶつしくは総量そうりょう許容きょようりょう設定せっていすることにより、それら化合かごうぶつ累積るいせきてき摂取せっしゅ制限せいげんしているいちにち摂取せっしゅ許容きょようりょう


・MTDI (最大さいだいたいよういちにち摂取せっしゅりょう、Maximum Tolerable Daily Intake)

この記号きごうは(たとえば、リンさんしおとしてのリンのように)必須ひっす栄養素えいようそであり、かつ食品しょくひんなかにはかなら存在そんざいする成分せいぶんにつき記載きさいするときにもちいる。

れい)ピロリンさんよんカリウム、ピロリンさん水素すいそカルシウム


・PTWI (暫定ざんてい週間しゅうかんたいよう摂取せっしゅりょう)

重金属じゅうきんぞくるいのような蓄積ちくせきせいのある化学かがく物質ぶっしつ(コンタミナント)の安全あんぜんあらわす。健全けんぜん栄養えいようのある食品しょくひんかなら混在こんざいする化学かがく物質ぶっしつたいするヒトの週間しゅうかんたいよう暴露ばくろりょうである。

れい)グルコンさんだいいちてつ硫酸りゅうさんアルミニウムカリウム(やきミョウバン


日本にっぽん

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日本にっぽんでは着色ちゃくしょくりょうなどが古来こらい使用しようされてきたが、有害ゆうがいせいたいする認識にんしきひろたれていなかった[3]。それにくわ明治維新めいじいしん以降いこう開国かいこくにより、毒性どくせい当時とうじ不明ふめいであった外国がいこくさん色素しきそ多数たすう輸入ゆにゅうされてきた[3]。このため、1876ねん明治めいじ9ねん)に東京とうきょう食品しょくひん外国がいこくせい着色ちゃくしょくりょう使用しようすることをきんじ、日本にっぽん食品しょくひん添加てんかぶつ規制きせいはじまったとされている[3]

その中毒ちゅうどく事件じけん多発たはつしたこともあり、「飲食いんしょくぶつ其ノほか物品ぶっぴん取締とりしまりせきスル法律ほうりつ」および関連かんれんする法律ほうりつ1900ねん明治めいじ33ねん)からのすう年間ねんかん公布こうふされ、食品しょくひん添加てんかぶつ関連かんれんへの統括とうかつてき制限せいげん規制きせいはじまった[3]。しかしながら、そのサッカリンズルチンなどの有害ゆうがい指定していされた甘味あまみりょう不正ふせい利用りようつづき、だい世界せかい大戦たいせんなかには一部いちぶ使用しよう解禁かいきんされている[3]。また防腐ぼうふざいとしては、サリチル酸さりちるさんナフトール硝酸しょうさんひとしかんする議論ぎろんが、だい世界せかい大戦たいせんまえからつづけられた[3]

食品しょくひん衛生えいせいほうでは、だい4じょうだい2こうで「食品しょくひん製造せいぞう過程かていにおいてまた加工かこうしくは保存ほぞん目的もくてきで、食品しょくひん添加てんか混和こんわ浸潤しんじゅんその方法ほうほうによって使用しようするものをいう」と定義ていぎされ、種類しゅるいりょう規制きせいされている。添加てんかぶつ安全あんぜん確認かくにんされたものを指定してい使用しようできた(ポジティブリスト)。当初とうしょ使用しようしてもいいと指定していされた食品しょくひん添加てんかのかずは、60種類しゅるいであった。

  • 1957ねん1955ねんこった森永もりながヒ素ひそミルク中毒ちゅうどく事件じけんによって食品しょくひん衛生えいせいほう見直みなおされ、化学かがく合成ごうせいされたものは指定していしたもの以外いがい添加てんかできないこととなった。こうして、1960年代ねんだいまで指定してい添加てんかぶつ急増きゅうぞうしていき、そのかずは350程度ていどとなった。
  • 1969ねん合成ごうせい甘味あまみりょうチクロはつがんせいつかり指定していされた。※日米にちべい以外いがいでは追試ついし結果けっか無害むがいとして使用しよう再開さいかいされている。
  • 1974ねん合成ごうせい保存ほぞんりょうフリルフラマイド(AF2)にはつがんせいつかり指定していされた。
  • 1991ねん物質ぶっしつめい表示ひょうじ義務付ぎむづけ。
  • 1995ねん天然てんねん由来ゆらい添加てんかぶつ指定していせいとなる。しかし、天然てんねん由来ゆらい添加てんかぶつ安全あんぜんせい評価ひょうかされずに既存きそん添加てんかぶつ分類ぶんるいされた。
  • 1998ねん、「既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい評価ひょうかかんする研究けんきゅう調査ちょうさ平成へいせい8年度ねんど調査ちょうさ)」[4]によって、既存きそん天然てんねん添加てんかぶつ489品目ひんもくのうち、139品目ひんもくすみやかな調査ちょうさもとめられるがのこりは安全あんぜんせいたかいものであると結論けつろんされた。以降いこう安全あんぜんせい報告ほうこく継続けいぞくされる。
  • 2000ねん、「既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい評価ひょうかかんする研究けんきゅう調査ちょうさ平成へいせい11年度ねんど調査ちょうさ)」[5]
  • 2004ねん、「既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい見直みなおしにかんする調査ちょうさ研究けんきゅう平成へいせい15年度ねんど調査ちょうさ)」[6]
  • 2005ねん、「既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい見直みなおしにかんする調査ちょうさ研究けんきゅう平成へいせい16年度ねんど調査ちょうさ)」[7]
  • 2007ねん、「既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい見直みなおしにかんする調査ちょうさ研究けんきゅう平成へいせい19年度ねんど調査ちょうさ)」[8]

2005ねん6がつ1にち時点じてんで、指定していされている添加てんかぶつは361品目ひんもく既存きそん添加てんかぶつ名簿めいぼ収載しゅうさいされているもの450品目ひんもく天然てんねん香料こうりょうが600品目ひんもく許可きょかされている。また、エタノールやブドウ果汁かじゅうなどが「一般いっぱん食品しょくひんとして飲食いんしょくきょうされているものであって添加てんかぶつとして使用しようされるもの」として一般いっぱん飲食いんしょくぶつ添加てんかぶつ100品目ひんもくさだめられている。

安全あんぜんせいは、ADIと実際じっさい摂取せっしゅしているりょう比較ひかくするリスク評価ひょうかにより判断はんだんされる。マーケットバスケット方式ほうしきもちいた食品しょくひん添加てんかぶついちにち摂取せっしゅりょう調査ちょうさ結果けっかによれば、安全あんぜんせいじょう問題もんだいないレベルであることが確認かくにんされている[9]

食品しょくひん添加てんかぶつについて、日本にっぽん基準きじゅん外国がいこく基準きじゅんはいまだ統一とういつはなされていない・このため、輸入ゆにゅう食品しょくひんから日本にっぽんでは許可きょかされていない添加てんかぶつ検出けんしゅつされることがある。日本にっぽんでは上記じょうきのように食品しょくひん添加てんかぶつ指定してい制度せいどっているため、指定していされていない添加てんかぶつは「無認可むにんか」となる。「無認可むにんか」という表現ひょうげんは、安全あんぜんせいじょう問題もんだいがあって禁止きんしされていると誤解ごかいしょうじることもある。

輸入ゆにゅう柑橘類かんきつるい果物くだもの使つかわれるポストハーベスト農薬のうやく食品しょくひん添加てんかぶつ分類ぶんるいされている。

表示ひょうじ

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食品しょくひん添加てんかぶつ食品しょくひん加工かこうさい添加てんかされる段階だんかい、また添加てんか目的もくてき添加てんかぶつ名称めいしょう使用しようりょうなどを一般いっぱん消費しょうひしゃにもわかりやすく表示ひょうじする方法ほうほうとしては、食品しょくひん加工かこうさい衛生えいせい管理かんり工程こうていであるHACCP(ハサップ)に、食品しょくひん添加てんかぶつ投入とうにゅう使用しよう工程こうてい添加てんかぶつめいおよ使用しよう数量すうりょう明記めいきして一般いっぱん消費しょうひしゃけに開示かいじすることがかんがえられる。
もし食品しょくひん製造せいぞう工程こうてい企業きぎょう秘密ひみつ存在そんざいするのであれば、食品しょくひん製法せいほう特許とっきょ食品しょくひん製造せいぞうしゃ知的ちてき財産ざいさんけん保護ほごして、HACCPを一般いっぱん消費しょうひしゃ開示かいじする方法ほうほうかんがえられる。

食品しょくひん衛生えいせいほうによって食品しょくひん添加てんかぶつかかわる製品せいひんへの表示ひょうじさだめられている。その表示ひょうじ方法ほうほう下記かきとおり。

  1. 一定いってい条件じょうけんにより表示ひょうじ免除めんじょされる。
  2. 一括いっかつ表示ひょうじ」もみとめられている。
  3. 使用しようした重量じゅうりょうたいしておおじゅんに、さだめられた方法ほうほう表示ひょうじしなければならない。
    1. 原則げんそくてき正式せいしき物質ぶっしつめい表示ひょうじする。ただし一般いっぱんてき別名べつめい簡略かんりゃくめいがある物質ぶっしつは、わりにその名前なまえ表記ひょうきされているものがある(れいビタミンC重曹じゅうそう[10]

表示ひょうじ免除めんじょ

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以下いかべる食品しょくひん添加てんかぶつは、食品しょくひん衛生えいせいほうにより製品せいひんへの表示ひょうじ免除めんじょされている。

  • 食品しょくひん原材料げんざいりょう製造せいぞうまた加工かこう過程かてい使用しようされ、その食品しょくひん製造せいぞう過程かていでは使用しようされない食品しょくひん添加てんかぶつで、最終さいしゅう食品しょくひん効果こうか発揮はっきすることができるりょうよりあきらかにすくない場合ばあいキャリーオーバー)。人間にんげん五感ごかん味覚みかく嗅覚きゅうかく視覚しかく)で判別はんべつできるような、調味ちょうみりょう香料こうりょうおよび着色ちゃくしょくりょうといった添加てんかぶつには原則げんそくとしてキャリーオーバーはみとめられない[10]
  • 食品しょくひん加工かこうさい使用しようされる添加てんかぶつのうち、食品しょくひん完成かんせいまえ除去じょきょされたり、中和ちゅうわされたりするもの(加工かこうすけざい[10]
  • 栄養えいよう強化きょうか目的もくてき使用しようされる食品しょくひん添加てんかぶつ。ただし、農林のうりん物資ぶっし規格きかくおよ品質ひんしつ表示ひょうじ適正てきせいかんする法律ほうりつ(JASほう)における個別こべつ品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅん表示ひょうじ義務ぎむのあるものは免除めんじょされない[10]
  • 店頭てんとうでのバラり(包装ほうそうしていない)、およびパンのパンなど店内てんない製造せいぞう販売はんばいするもの[10]
  • 食品しょくひんひとつひとつのパッケージがちいさいもの(30平方へいほうセンチメートル以下いか[10]

一括いっかつ表示ひょうじ

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これは食品しょくひん添加てんかぶつおな目的もくてきのために複数ふくすうもちいられる場合ばあいは、個別こべつ食品しょくひん添加てんかぶつ名称めいしょう表示ひょうじしなくとも「一括いっかつ表示ひょうじ」してよいということである。一括いっかつ表示ひょうじできるのはつぎの14種類しゅるい[10]

重量じゅうりょうじゅん表示ひょうじ

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この表示ひょうじ方法ほうほうは、使用しようした重量じゅうりょうたいしておおじゅん、なおかつ下記かきべている3つの表示ひょうじ方法ほうほう沿って、表示ひょうじしなければならない。

  • 物質ぶっしつめい物質ぶっしつめいそのものを表記ひょうき
  • 用途ようとめい目的もくてきあわせて表記ひょうき
  • 一括いっかつめい効果こうか一括いっかつ表記ひょうき

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

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  • 1906ねん連邦れんぽう純正じゅんせい食品しょくひん薬品やくひんほう英語えいごばん (Pure Food and Drug Act) が国会こっかい通過つうかした。危険きけんせいのある添加てんかぶつ使用しようきんじる内容ないようであった。
  • 1907ねん条例じょうれいにより、80あま流通りゅうつうしていたコールタールを原料げんりょうとするタール色素しきそは7種類しゅるいのみ使用しよう可能かのうほか禁止きんしとなった[11]。(1973ねんに、さらに4しゅ禁止きんしになった[11]。のちに赤色あかいろ2ごう赤色あかいろ3ごう禁止きんしとなったため、このときまでに流通りゅうつうしていたものは青色あおいろ2ごうのみがのこっていることになる。)
  • 1938ねん連邦れんぽう食品しょくひん医薬品いやくひん化粧けしょうひんほう (Food, Drug, and Cosmetic Act) が制定せいていされる。
  • 1958ねん食品しょくひん添加てんかぶつ修正しゅうせいによって、デラニー条項じょうこう (Delaney Clause) が制定せいていされ、これによりはつがんせいのある物質ぶっしつ食品しょくひんへの使用しよう禁止きんしされている。またふるくから使用しようされてきたすうひゃく添加てんかぶつGRAS(Generally Recognized as Safe、一般いっぱんてき安全あんぜんとみなされる物質ぶっしつ)として公表こうひょうされた。
  • 1977ねん人工じんこう甘味あまみりょうサッカリンが、デラニー条項じょうこうにもとづいて禁止きんしとなる。実験じっけんでは、日常にちじょうてきりょうあたえたラットに膀胱ぼうこうがんがこった。
  • 1991ねん、サッカリンの禁止きんし撤回てっかいされた。
  • 1992ねん、デラニー条項じょうこうは、どんな程度ていどはつがんせいでも許可きょかしないとされる。

ヨーロッパ

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1980年代ねんだい欧州共同体おうしゅうきょうどうたい (EEC) で、E番号ばんごうという表示ひょうじによって、E100番台ばんだい合成ごうせい着色ちゃくしょくりょう、E200番台ばんだい合成ごうせい保存ほぞんりょうなどとかりやすい表示ひょうじ整理せいりされた。

イギリス

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1856ねんウィリアム・ヘンリー・パーキンがコールタールから染料せんりょう合成ごうせいし、以降いこう合成ごうせい染料せんりょう業界ぎょうかいができる。

1977ねん食品しょくひん添加てんかぶつ除去じょきょするファインゴールド食事しょくじ療法りょうほうはイギリスにもれ「注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい子供こどもをサポートするかい[12]につながった。

1986ねん、ラベル表示ひょうじ義務付ぎむづける法案ほうあん施行しこうする。

2009ねんまつより、メーカーが自主じしゅ規制きせいするよう勧告かんこくされているタール色素しきそ赤色あかいろ40ごう赤色あかいろ102ごうカルモイシン黄色おうしょく4ごう黄色おうしょく5ごうキノリンイエロー英語えいごばん[13]

食品しょくひん添加てんかぶつ是非ぜひ

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健康けんこうめぐっての是非ぜひ

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合成ごうせい添加てんかぶつだい世界せかい大戦たいせん以後いご使つかわれるようになったものが大半たいはんである。

厚生こうせい労働省ろうどうしょう食品しょくひん添加てんかぶつ認可にんかまえおこな各種かくしゅ安全あんぜんせい試験しけんは、食品しょくひん添加てんかぶつ単品たんぴんでのみきょうためし動物どうぶつ投与とうよするものであり、一般いっぱん消費しょうひしゃ日々ひび複数ふくすう食品しょくひん添加てんかぶつ摂取せっしゅしている現状げんじょうかんがみ、かんがえられる「複数ふくすう食品しょくひん添加てんかぶつ同士どうしによるふく合作がっさくよう」は試験しけんされていない。

タール色素しきそ中心ちゅうしんとした一部いちぶ添加てんかぶつでは各国かっこく規制きせいされているものが日本にっぽんでは流通りゅうつうしているため、一部いちぶ消費しょうひしゃ安全あんぜんせい異議いぎをとなえている[だれ?]。こうした疑問ぎもんたいしては、食品しょくひん安全あんぜん委員いいんかいのホームページのほか、JECFAでの科学かがくてき審議しんぎ結果けっか参考さんこうとなる[よう出典しゅってん]

1975ねん、アメリカのアレルギーであるベン・F.ファインゴールド は『なぜあなたの子供こどもあばれんぼう勉強べんきょうぎらいか』という著書ちょしょ出版しゅっぱんし、サリチル酸さりちるさん構造こうぞうふく合成ごうせい食品しょくひん添加てんかぶつはいらない食事しょくじによって、アレルギー症状しょうじょう回復かいふくすると同時どうじ半数はんすう以上いじょう子供こどものADHD(注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい)も改善かいぜんされることを報告ほうこくした。

1985ねん英国えいこくロンドン最大さいだい小児しょうに病院びょういんといわれるグレート・オーモンド・ストリート小児しょうに病院びょういんで76にん子供こどもじゅうめくらけんほうによる比較ひかくおこなわれ、合成ごうせい着色ちゃくしょくりょう合成ごうせい保存ほぞんりょう除去じょきょした食事しょくじによって80%以上いじょう子供こども活動かつどうおさまる傾向けいこうがみられたものの、正常せいじょうまでADHDが改善かいぜんしたのは28%であった。頭痛ずつうなどの症状しょうじょう改善かいぜんしたのは38%であった[14]じゅうめくらけんほう合成ごうせい保存ほぞんりょう合成ごうせい着色ちゃくしょくりょう除去じょきょしたらADHDの子供こどもの73%に改善かいぜん傾向けいこうられた[15]

2007ねん英国えいこく食品しょくひん基準きじゅんちょうはいくつかの合成ごうせい着色ちゃくしょくりょう合成ごうせい保存ほぞんりょう安息香あんそくこうさんナトリウムのじったものがどものADHDを増加ぞうかさせるというじゅうめくらけんほう結果けっか[16][17]けて、けたほうがいいと勧告かんこく[18]2008ねん4がつ英国えいこく食品しょくひん基準きじゅんちょう(FSA)は注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい(ADHD)と関連かんれんうたがわれるタール色素しきそ6種類しゅるいについて2009ねんまつまでにメーカーが自主じしゅ規制きせいするよう勧告かんこくした[13]。ガーディアンによれば、この政府せいふ勧告かんこくによる自主じしゅ規制きせいまえに、大手おおてメーカーは2008ねんちゅうにもそれらの食品しょくひん添加てんかぶつ除去じょきょする[19]

2008ねん3がつ、これをけて、欧州おうしゅう食品しょくひん安全あんぜんちょうEFSA)は、イギリスでの研究けんきゅう結果けっかは1にちあたりの摂取せっしゅ許容きょようりょう(ADI)の変更へんこうにのための基準きじゅんにはできないと報告ほうこくした[20]。しかし、4がつイギリスはふたた排除はいじょすべきだと勧告かんこくおこな[13]、8がつには欧州おうしゅう摂取せっしゅりょう見直みなおしをはじめ「注意ちゅうい欠陥けっかんどうせい障害しょうがい影響えいきょうするかもしれない」という警告けいこく表示ひょうじがされることになると報道ほうどうされた[19]

1999ねん食品しょくひん添加てんかぶつ危険きけんせい指摘してきする『ってはいけない』が出版しゅっぱんされ、ミリオンセラーとなった[よう出典しゅってん]

2005ねん11月、食品しょくひん添加てんかぶつもとセールスマンである安部あべつかさが、『食品しょくひん裏側うらがわ—みんな大好だいすきな食品しょくひん添加てんかぶつ』を出版しゅっぱんし、注目ちゅうもくされた[よう出典しゅってん]。 かれは、「(食品しょくひん添加てんかぶつ利用りようすることで実現じつげんした)簡単かんたん便利べんり生活せいかつもいいが、その代償だいしょうとしてうしなっているものは確実かくじつにある。」とべている[21]

添加てんかすること自体じたい是非ぜひ

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食品しょくひん添加てんかぶつくわえられていることをいやがる消費しょうひしゃすくなくないが、たとえば、豆腐とうふこんにゃくは、そもそも添加てんかぶつくわえないと凝固ぎょうこしないなど、添加てんかぶつがないと製造せいぞうできない食品しょくひんがあることも事実じじつである。育児いくじようこなミルク各種かくしゅビタミンるい炭酸たんさんカルシウム硫酸りゅうさんどう硫酸りゅうさん亜鉛あえんなど食品しょくひん添加てんかぶつ必須ひっす成分せいぶん強化きょうかしなければ、乳児にゅうじ健康けんこうじゅうあつし障害しょうがい発生はっせいしうる危険きけんせいさえあると主張しゅちょうするもの[よう出典しゅってん]

また、「添加てんか食品しょくひん添加てんかでない食品しょくひんよりも健康けんこうい」という科学かがくてき証拠しょうこまったく、添加てんかなどの用品ようひんにおけるゼロリスク商法しょうほうは、消費しょうひしゃ誤解ごかい不安ふあんひろげるだけで、加工かこう食品しょくひんたいする信頼しんらい構築こうちくにはむすびつかないという意見いけんもある[22][23]

食品しょくひん添加てんかぶつ使用しようで、食中毒しょくちゅうどくきん繁殖はんしょくおさえられる利点りてん重視じゅうしすべき」との指摘してきもある。食品しょくひん添加てんかぶつ製造せいぞう販売はんばい企業きぎょう構成こうせいする一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽん食品しょくひん添加てんかぶつ協会きょうかいは、「添加てんか」「(食品しょくひん添加てんかぶつ使用しよう」といった表記ひょうき自粛じしゅくを、食品しょくひん関連かんれん業界ぎょうかいける見解けんかい公表こうひょう問題もんだいてんとして「消費しょうひしゃ不安ふあん利用りようしている」「実際じっさい添加てんかぶつ使つかわれているのに事実じじつはんした表示ひょうじられる」「一般いっぱん同種どうしゅ食品しょくひん添加てんかぶつ使つかわないのに添加てんか強調きょうちょうしている」といった趣旨しゅし主張しゅちょうしている[24][25]

一部いちぶ食品しょくひん添加てんかぶつスーパーマーケットなどで、うま調味ちょうみりょう製菓せいか材料ざいりょう着色ちゃくしょくりょう(タール色素しきそ)、サッカリンや着色ちゃくしょくりょう含有がんゆうたくあんもとといった漬物つけもの加工かこうえきなどのかたちで、一般いっぱん消費しょうひしゃけに販売はんばいされている。

文化ぶんか

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 指定してい添加てんかぶつ規則きそく別表べっぴょういち)のJECFAによる安全あんぜんせい評価ひょうか公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん 日本にっぽん食品しょくひん化学かがく研究けんきゅう振興しんこう財団ざいだん』2014ねん6がつ3にち。2019ねん4がつ4にち閲覧えつらん
  2. ^ しん食品しょくひん添加てんかぶつマニュアル だい4はん日本にっぽん食品しょくひん添加てんかぶつ協会きょうかい、2013ねん
  3. ^ a b c d e f 山本やまもと俊一しゅんいち日本にっぽん食品しょくひん衛生えいせい -とく食品しょくひん衛生えいせいほう以前いぜん食品しょくひん添加てんかぶつについて-」『食品しょくひん衛生えいせいがく雑誌ざっしだい21かんだい5ごう日本にっぽん食品しょくひん衛生えいせい学会がっかい、1980ねん、327-334ぺーじdoi:10.3358/shokueishi.21.327 
  4. ^ 既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい評価ひょうかかんする研究けんきゅう調査ちょうさ平成へいせい8年度ねんど調査ちょうさ
  5. ^ 既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい評価ひょうかかんする研究けんきゅう調査ちょうさ平成へいせい11年度ねんど調査ちょうさ
  6. ^ 既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい見直みなおしにかんする調査ちょうさ研究けんきゅう平成へいせい15年度ねんど調査ちょうさ
  7. ^ 既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい見直みなおしにかんする調査ちょうさ研究けんきゅう平成へいせい16年度ねんど調査ちょうさ
  8. ^ 既存きそん添加てんかぶつ安全あんぜんせい見直みなおしにかんする調査ちょうさ研究けんきゅう平成へいせい19年度ねんど調査ちょうさ (PDF) (厚生こうせい労働省ろうどうしょう
  9. ^ 厚生こうせい労働省ろうどうしょう食品しょくひん添加てんかぶつかんするホームページ厚生こうせい労働省ろうどうしょう
  10. ^ a b c d e f g 『スタンダード栄養えいよう食物しょくもつシリーズ8 食品しょくひん衛生えいせいがくだいはん)』 一色いっしき賢司けんじへん、2010ねん東京とうきょう化学かがく同人どうじん、p.120-122、ISBN 978-4-8079-1603-0
  11. ^ a b ベン・F.ファインゴールドちょ 『なぜあなたの子供こどもあばれんぼう勉強べんきょうぎらいか』 北原きたはら静夫しずおやく 人文書院じんぶんしょいん 1978ねん7がつ。130-131ぺーじ
  12. ^ The Hyperactive Children`s Support Group (英語えいご)
  13. ^ a b c Board discusses colours advice (Food Standards Agency, Friday 11 April 2008)
  14. ^ Egger J, Carter CM, Graham PJ, et al. Controlled trial of oligoantigenic treatment in the hyperkinetic syndrome. Lancet 1(8428), 1985 Mar 9, pp540-5. PMID 2857900
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  16. ^ Donna McCann et al "Food additives and hyperactive behaviour in 3-year-old and 8/9-year-old children in the community: a randomised, double-blinded, placebo-controlled trial" Lancet, 370(9598), 2007 Nov 3, pp1560-7. PMID 17825405
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関連かんれん項目こうもく

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参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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