労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい

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事業じぎょうしょ衛生えいせいから転送てんそう
建設けんせつ現場げんば入口いりくちにて労働ろうどう安全あんぜんびかける看板かんばん中国ちゅうごく
安全あんぜん衛生えいせいはた

労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい(ろうどうあんぜんえいせい、occupational safety and health)とは、就業しゅうぎょう環境かんきょうにおける安全あんぜん保健ほけんゆたかさまもることを目的もくてきとする分野ぶんやである。労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいプログラムの目的もくてきひとつには、安全あんぜんせい改良かいりょう就労しゅうろう環境かんきょう健全けんぜんにすることにある[1]

労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせいは、倫理りんりてき法的ほうてき経営けいえいてきにも重要じゅうようである。すべての組織そしき従業じゅうぎょういんおよび関係かんけいしゃたいして、常時じょうじ安全あんぜんせい確保かくほする義務ぎむっている[2]

労働ろうどう災害さいがい[編集へんしゅう]

かわ手袋てぶくろ安全あんぜんメガネ、ヘルメットは建設けんせつ現場げんば安全あんぜん管理かんりにおいて重要じゅうようである

物理ぶつり機械きかいてき災害さいがい[編集へんしゅう]

生物せいぶつ化学かがくてき災害さいがい[編集へんしゅう]

バイオハザード[編集へんしゅう]

バイオハザードの記号きごう

ケミカルハザード[編集へんしゅう]

心理しんり社会しゃかいてき災害さいがい[編集へんしゅう]

おおくの経済けいざい協力きょうりょく開発かいはつ機構きこう(OECD)各国かっこくにおいては、雇用こようぬし雇用こようしゃ身体しんたいてき健康けんこうまもるだけでなく、精神せいしんてき健康けんこうをも考慮こうりょする義務ぎむがある。事業じぎょうリスク管理かんりのひとつとして、心理しんりてき精神せいしんてき災害さいがい(リスクファクター)も考慮こうりょ管理かんりされる必要ひつようている[3]

職業しょくぎょうせいストレス職場しょくば暴力ぼうりょくなどの問題もんだいは、精神せいしんてきリスクと関連かんれんせいがあり、世界せかいてき労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい課題かだいであると認識にんしきされている[4]

欧州おうしゅう労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい機関きかん(EU-OSHA)の調査ちょうさによる、もっと重大じゅうだい精神せいしんてきリスクには以下いかげられる。

  • 労働ろうどう契約けいやく不安定ふあんていせい
  • グローバルによる労働ろうどうしゃ不安定ふあんてい
  • 新型しんがた労働ろうどう契約けいやく
  • 仕事しごとへの不安ふあんかん
  • 労働ろうどうりょく高齢こうれい
  • 長時間ちょうじかん労働ろうどう
  • 労働ろうどう重圧じゅうあつ
  • リーン生産せいさんとアウトソーシング
  • 感情かんじょう労働ろうどう高度こうど
  • ワークライフバランスの劣化れっか[3]

産業さんぎょうべつ[編集へんしゅう]

建設けんせつぎょう[編集へんしゅう]

農業のうぎょう[編集へんしゅう]

サービスぎょう[編集へんしゅう]

鉱業こうぎょう[編集へんしゅう]

医療いりょう福祉ふくし[編集へんしゅう]

医療いりょう従事じゅうじしゃ労災ろうさい針刺はりさ事故じこ」による肝炎かんえんとう感染かんせん原因げんいんとなる使用しよう注射ちゅうしゃはり
使用しよう注射ちゅうしゃはりはフタをせず(リキャップせず)直接ちょくせつ専用せんようゴミ箱ごみばこ

医療いりょう従事じゅうじしゃ現場げんばでは、健康けんこうがいをもたらす環境かんきょう数多かずおお存在そんざいし(バイオハザード)、かれらは長時間ちょうじかん労働ろうどう・シフトせい肉体にくたい労働ろうどう暴力ぼうりょく感染かんせんしょう危険きけん化学かがく薬品やくひんなどによる疾病しっぺいリスクにさらされている。

米国べいこく労働省ろうどうしょう統計とうけいによれば、2011ねんには米国べいこく病院びょういんにおいて253,700けん労働ろうどう災害さいがい確認かくにんされており、これはフルタイムワーカー100にんあたり6.8けん相当そうとうする[5]病院びょういんセクターにおける労災ろうさい発生はっせいりつは、これまで伝統でんとうてきにリスクがたかいとされていた建築けんちくぎょう製造せいぞうぎょうよりも高率こうりつであった。

米国べいこくのOccupational Health Safety Network (OHSN)は、米国べいこく国立こくりつ労働ろうどう安全あんぜん機構きこうNational Institute for Occupational Safety and Health, NIOSH)によって設立せつりつされた、医療いりょう従事じゅうじしゃにおける健康けんこう安全あんぜんリスクにおけるセキュアなオンライン監査かんさシステムである。OHSNはこれらのデータをもとにし、医療いりょう従事じゅうじしゃにおける労災ろうさいリスクの研究けんきゅうおこなっている。病院びょういんおよびその医療いりょう機関きかんは、OHSNへ労災ろうさいデータをアップロードすることが可能かのうであり、あつめられたデータは機密きみつ情報じょうほうとしてあつかわれ、どの施設しせつからないよう調整ちょうせいしたうえで分析ぶんせきデータとしてもちいられる。

NIOSHとOHSNは共同きょうどう労災ろうさいをタイムリーに分析ぶんせきし、対策たいさく立案りつあんおよび問題もんだい介入かいにゅうおこなっている。現在げんざいのOHSNでは、もっともリスクのたかくかつ予防よぼう可能かのうであり、かつ医療いりょう従事じゅうじしゃ肉体にくたいてき障害しょうがいをもたらす3つの外傷がいしょう注力ちゅうりょくしており、それは患者かんじゃ取扱とりあつかいちゅう肉体にくたいてき外傷がいしょう滑走かっそう転倒てんとう転落てんらく、そして職場しょくば暴力ぼうりょくである。OHSNへのデータ登録とうろくは、すべての医療いりょう機関きかんたいしてひらかれている。

各国かっこく規制きせい[編集へんしゅう]

EU[編集へんしゅう]

ノルウェーにおいては、労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい管理かんりしゃ(Occupational Health and Safety Practitioner)の責務せきむ以下いかげられる[6]

  • 労働ろうどう環境かんきょうのシステマティックな評価ひょうか
  • 職場しょくばにおける疾病しっぺい削減さくげん予防よぼう指針ししんについての承認しょうにん
  • 従業じゅうぎょういん保健ほけん状態じょうたいかんする情報じょうほう提供ていきょう
  • 労働ろうどう衛生えいせい、エルゴミクス、職場しょくば環境かんきょうにおける危険きけんリスクなどにかんする情報じょうほう提供ていきょう

オランダにおいては、安全あんぜん衛生えいせい管理かんりしゃもとめられる責務せきむには以下いかがある[7]

  • 営利えいり健康けんこう診断しんだん
  • 従業じゅうぎょういんけの、労働ろうどう環境かんきょうかんするカウンセリングルーム
  • 健康けんこうアセスメント(業務ぎょうむ関係かんけい必要ひつようならば)

米国べいこく[編集へんしゅう]

日本にっぽん[編集へんしゅう]

危険きけん予知よち[編集へんしゅう]

安全あんぜん衛生えいせい責任せきにんしゃ[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ Oak Ridge National Lab Safety Document
  2. ^ Employers Safe Working Practices, Health & Safety Policy”. Citation.co.uk. 2013ねん2がつ15にち閲覧えつらん
  3. ^ a b https://osha.europa.eu/en/publications/reports/7807118
  4. ^ EU-OSHA (2007). Expert forecast on emerging psychosocial risks related to occupational safety and health. Luxembourg: Office for Official Publications of the European Communities.
  5. ^ Occupational Safety and Health Administration. Facts About Hospital Worker Safety. https://www.osha.gov/dsg/hospitals/documents/1.2_Factbook_508.pdf Retrieved February 3, 2014.
  6. ^ Hale A, Ytehus I, 2004, ‘Changing requirements for the safety profession: roles and tasks’, Journal of Occupational Health & Safety – Australia and New Zealand
  7. ^ Hale, A et alia. 2004

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]