世界 せかい の疾病 しっぺい 負荷 ふか (WHO、2019年 ねん )[1]
順位 じゅんい
疾病 しっぺい
DALYs (万 まん )
DALYs (%)
DALYs(10万 まん 人 にん 当 あ たり)
1
新生児 しんせいじ 疾患 しっかん
20,182.1
8.0
2,618
2
虚 きょ 血 ち 性 せい 心 こころ 疾患 しっかん
18,084.7
7.1
2,346
3
脳卒中 のうそっちゅう
13,942.9
5.5
1,809
4
下 しも 気道 きどう 感染 かんせん 症 しょう
10,565.2
4.2
1,371
5
下痢 げり 性 せい 疾患 しっかん
7,931.1
3.1
1,029
6
交通 こうつう 事故 じこ
7,911.6
3.1
1,026
7
COPD
7,398.1
2.9
960
8
糖尿 とうにょう 病 びょう
7,041.1
2.8
913
9
結核 けっかく
6,602.4
2.6
857
10
先天 せんてん 異常 いじょう
5,179.7
2.0
672
11
背中 せなか と首 くび の痛 いた み
4,653.2
1.8
604
12
うつ病 びょう 性 せい 障害 しょうがい
4,635.9
1.8
601
13
肝硬変 かんこうへん
4,279.8
1.7
555
14
気管 きかん 、気管支 きかんし 、肺 はい がん
4,137.8
1.6
537
15
腎臓 じんぞう 病 びょう
4,057.1
1.6
526
16
HIV / AIDS
4,014.7
1.6
521
17
その他 た の難聴 なんちょう
3,947.7
1.6
512
18
墜死 ついし
3,821.6
1.5
496
19
マラリア
3,339.8
1.3
433
20
裸眼 らがん の屈折 くっせつ 異常 いじょう
3,198.1
1.3
415
結核 けっかく (けっかく、Tuberculosis )とは、マイコバクテリウム属 ぞく の細菌 さいきん 、主 おも に結核 けっかく 菌 きん (Mycobacterium tuberculosis )により引 ひ き起 お こされる感染 かんせん 症 しょう [2] [3] 。
日本 にっぽん では、江戸 えど 時代 じだい から明治 めいじ 初期 しょき まで肺結核 はいけっかく は労咳 ろうがい (癆痎、ろうがい)、労 ろう 瘵(ろうさい)と呼 よ ばれた[4] [5] 。肺病 はいびょう は、肺 はい の病気 びょうき の総称 そうしょう であったが、俗称 ぞくしょう として肺結核 はいけっかく の意味 いみ もあった[6] 。多 おお くの人 ひと が罹患 りかん する病気 びょうき で好 こう 発 はつ 部位 ぶい は肺 はい であるが、全身 ぜんしん の臓器 ぞうき ・器官 きかん に感染 かんせん し、顕著 けんちょ な症状 しょうじょう を呈 てい している部位 ぶい 名 めい の前後 ぜんご に「結核 けっかく 」を付 つ け加 くわ えるなどした呼 よ び方 かた により細分 さいぶん 化 か される(肺結核 はいけっかく 、肺 はい 外 がい 結核 けっかく 、カリエス 参照 さんしょう )。
結核 けっかく 菌 きん は1882年 ねん に医師 いし ・細菌 さいきん 学者 がくしゃ であったロベルト・コッホ によって発見 はっけん された。炎症 えんしょう を起 お こす結核 けっかく 菌 きん の周囲 しゅうい を炎症 えんしょう した細胞 さいぼう が取 と り囲 かこ み結節 けっせつ を形成 けいせい する様子 ようす から、結核 けっかく と呼 よ ばれるようになった[7] 。別 べつ の説 せつ では、7世紀 せいき の中国 ちゅうごく で、結核 けっかく 性 せい 頸部リンパ節 ぶし 炎 えん (古称 こしょう :瘰癧 るいれき )の見 み た目 め が「くだものの種 たね (核 かく )が連 つら なったような」様子 ようす から結核 けっかく と呼 よ ばれ、結核 けっかく 性 せい 頸部リンパ節 ぶし 炎 えん と労咳 ろうがい は別 べつ の病気 びょうき と考 かんが えられていたが同 おな じものだという研究 けんきゅう 結果 けっか から結核 けっかく となった話 はなし がある[8] 。
感染 かんせん 経路 けいろ は結核 けっかく 菌 きん を含 ふく む飛沫 しぶき 核 かく の吸入 きゅうにゅう による空気 くうき 感染 かんせん で[3] 、結核 けっかく 患者 かんじゃ からの咳 せき 、くしゃみ 、唾液 だえき より感染 かんせん する[3] 。世界 せかい 人口 じんこう の約 やく 4分 ぶん の1が結核 けっかく 菌 きん に感染 かんせん しており、その中 なか の5‐10%に結核 けっかく の症状 しょうじょう を発症 はっしょう し、発症 はっしょう した人 ひと からしか感染 かんせん は起 お きない[3] 。抗菌 こうきん 剤 ざい が効 き かない多 た 剤 ざい 耐 たい 性 せい 肺結核 はいけっかく (MDR-TB)や「超 ちょう 多 た 剤 ざい 耐 たい 性 せい 」(XDR)の薬剤 やくざい 耐 たい 性 せい が問題 もんだい となっている[9] [10] 。
世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん (WHO)によると、結核 けっかく は新型 しんがた コロナウイルス感染 かんせん 症 しょう (COVID-19) の次 つぎ に死者 ししゃ の多 おお い感染 かんせん 症 しょう であり[3] 、2021年 ねん には1000万 まん 人 にん の患者 かんじゃ が発症 はっしょう し160万 まん 人 にん が死亡 しぼう したと推定 すいてい している[3] 。
世界 せかい の10大 だい 死因 しいん のひとつで、結核 けっかく 死亡 しぼう の95%以上 いじょう は低 てい 中 ちゅう 所得 しょとく 国 こく で発生 はっせい 、うちインド、次 つ いで、インドネシア、中国 ちゅうごく 、フィリピン、パキスタン、ナイジェリア、南 みなみ アフリカ共和 きょうわ 国 こく の7か国 こく で、全体 ぜんたい の64%を占 し めているとされる[11] 。とくにインドは2019年 ねん 264万 まん 人 にん の患者 かんじゃ が発生 はっせい 、人口 じんこう 10万 まん 人 にん あたりの罹患 りかん 率 りつ は日本 にっぽん の約 やく 19倍 ばい 、世界 せかい の結核 けっかく 患者 かんじゃ の26%を占 し めるとされる[12] 。
現在 げんざい では抗生 こうせい 物質 ぶっしつ による治療 ちりょう 薬 やく があるものの、多 た 剤 ざい 耐 たい 性 せい 結核 けっかく の出現 しゅつげん の問題 もんだい もあり、また、小児 しょうに には使用 しよう が推奨 すいしょう されていないという問題 もんだい がある[12] 。小児 しょうに の死亡 しぼう 率 りつ も高 たか く、2016年 ねん には、推定 すいてい で100万 まん 人 にん の小児 しょうに が結核 けっかく を発症 はっしょう し、25万 まん 人 にん が結核 けっかく で死亡 しぼう (HIVに感染 かんせん した小児 しょうに を含 ふく む)したとされる[11] 。また、結核 けっかく は、HIV感染 かんせん 者 しゃ の死亡 しぼう の第 だい 一 いち 原因 げんいん であり、2016年 ねん には、世界 せかい のHIV感染 かんせん 者 しゃ の死因 しいん の40%が結核 けっかく だったとされる[11] 。
このままでは国際 こくさい 連合 れんごう が持続 じぞく 可能 かのう な開発 かいはつ 目標 もくひょう (SDGs)で掲 かか げる「2030年 ねん までの結核 けっかく 流行 りゅうこう 終息 しゅうそく 」達成 たっせい が難 むずか しいとして各国 かっこく の対策 たいさく 強化 きょうか を求 もと めている[13] 。また世界 せかい では50万 まん 人 にん の0-14歳 さい 児童 じどう が結核 けっかく に感染 かんせん しており、2013年 ねん では8万 まん 人 にん (HIV陰性 いんせい )が死亡 しぼう した[3] 。またHIV患者 かんじゃ はリスクが26-31倍 ばい となり、HIV患者 かんじゃ の4人 にん に1人 ひとり は結核 けっかく で死亡 しぼう している[3] 。
病原 びょうげん 体 たい のMycobacterium tuberculosis
結核 けっかく は、抗 こう 酸 さん 菌 きん 群 ぐん に属 ぞく する Mycobacterium tuberculosis (ヒト型 がた 結核 けっかく 菌 きん )、M. bovis (ウシ型 がた 結核 けっかく 菌 きん )、M. africanum (アフリカ型 がた 結核 けっかく 菌 きん )等 とう 結核 けっかく 菌 きん 群 ぐん によっておこるが、日本 にっぽん の結核 けっかく は主 おも に M. tuberculosis による。
なお、Mycobacterium tuberculosis の読 よ みは、日本 にっぽん 細菌 さいきん 学会 がっかい 編 へん の『微生物 びせいぶつ 学 がく 用語 ようご 集 しゅう 』にはラテン語 らてんご 読 よ みに準 じゅん じて「マイコバクテリウム・ツベルクローシス」と記載 きさい されている(正 まさ しくはミュコバクテリウム・ツベルクローシス)。tuberculosis は英語 えいご 風 ふう に「テュバキュローシス」と読 よ まれることもある。
空気 くうき 感染 かんせん が多 おお く肺 はい などの呼吸 こきゅう 器官 きかん においての発症 はっしょう が目立 めだ つが、中枢 ちゅうすう 神経 しんけい (髄 ずい 膜 まく 炎 えん )、リンパ 組織 そしき 、血 ち 流 りゅう (粟粒 あわつぶ 結核 けっかく )、泌尿 生殖 せいしょく 器 き 、骨 ほね 、関節 かんせつ などにも感染 かんせん し、発症 はっしょう する器官 きかん も全身 ぜんしん に及 およ ぶ。結核 けっかく 菌 きん は様々 さまざま な器官 きかん において細胞 さいぼう 内 ない 寄生 きせい を行 おこな い、免疫 めんえき システムは結核 けっかく 菌 きん を宿主 しゅくしゅ 細胞 さいぼう ごと排除 はいじょ しようとするため、広範 こうはん に組織 そしき が破壊 はかい され、放置 ほうち すれば重 じゅう 篤 あつし な症状 しょうじょう を起 お こして高 たか い頻度 ひんど で死 し に至 いた る。肺結核 はいけっかく における激 はげ しい肺 はい 出血 しゅっけつ とそれによる喀血 かっけつ 、またそれによって起 お こる窒息 ちっそく 死 し がこうした病態 びょうたい を象徴 しょうちょう している。こうして死去 しきょ した患者 かんじゃ の体液 たいえき が乾燥 かんそう で浮遊 ふゆう した場合 ばあい 、菌 きん が生存 せいぞん していれば罹患 りかん する事 こと が有 あ り得 え る。
感染 かんせん 者 しゃ の大半 たいはん は症状 しょうじょう を発症 はっしょう する場合 ばあい は少 すく なく、無 む 症候 しょうこう 性 せい 、潜伏 せんぷく 感染 かんせん が一般 いっぱん 的 てき である。但 ただ し、潜伏 せんぷく 感染 かんせん の約 やく 10分 ぶん の1が最終 さいしゅう 的 てき に症状 しょうじょう を発症 はっしょう し、治療 ちりょう を行 おこな わない場合 ばあい 、発病 はつびょう 者 しゃ の約 やく 半分 はんぶん が死亡 しぼう する。結核 けっかく 菌 きん がこのように最 もっと も病原 びょうげん 力 りょく の強 つよ い細菌 さいきん の一 ひと つである原因 げんいん は、
感染 かんせん 力 りょく が強 つよ く肺 はい から肺 はい へ空気 くうき 感染 かんせん する。
免疫 めんえき 細胞 さいぼう のマクロファージ 内 うち で繁殖 はんしょく できる。
現存 げんそん するBCG ワクチン は地域 ちいき によって効果 こうか がとても低 ひく い。
などによる[14] 。結核 けっかく 菌 きん は、細菌 さいきん を殺 ころ す人間 にんげん の主要 しゅよう な免疫 めんえき 細胞 さいぼう であるマクロファージ(食 しょく 細胞 さいぼう )の中 なか で繁殖 はんしょく できるという、極 きわ めて特殊 とくしゅ な機構 きこう を持 も つ[15] 。この機構 きこう は結核 けっかく 菌 きん がマクロファージのリソソーム とファゴソームの融合 ゆうごう を阻害 そがい する能力 のうりょく を持 も つことによる[15] 。ただし、それでも大半 たいはん の正常 せいじょう な免疫 めんえき 能力 のうりょく をもつ健常 けんじょう 者 しゃ では、T細胞 さいぼう の助 たす けを借 か りてマクロファージごと細菌 さいきん を殺 ころ して封 ふう じ込 こ めるため無 む 症状 しょうじょう か軽 かる い症状 しょうじょう で済 す むが、免疫 めんえき 能力 のうりょく の劣 おと った人間 にんげん には重 おも い症状 しょうじょう が発症 はっしょう する。
一 いち 次 じ 結核 けっかく
吸入 きゅうにゅう された結核 けっかく 菌 きん がリンパ行 ぎょう 性 せい 、血行 けっこう 性 せい に体 からだ 中 ちゅう に広 ひろ がり細胞 さいぼう 内 ない に寄生 きせい して潜伏 せんぷく する。無 む 症状 しょうじょう である。免疫 めんえき 応答 おうとう が不十分 ふじゅうぶん な宿主 しゅくしゅ においては結核 けっかく 症 しょう を発症 はっしょう する。典型 てんけい 的 てき には上 うえ 肺 はい 野 の 、肺尖 はいせん 部 ぶ 領域 りょういき の肺結核 はいけっかく を発症 はっしょう する。乳幼児 にゅうようじ や小児 しょうに 、免疫 めんえき 力 りょく の低 ひく い高齢 こうれい 者 しゃ に多 おお く見 み られる。
二 に 次 じ 結核 けっかく
成人 せいじん の結核 けっかく 。
再 さい 活性 かっせい 化 か
充分 じゅうぶん な免疫 めんえき 応答 おうとう が得 え られても、宿主 しゅくしゅ の免疫 めんえき 機能 きのう が後天的 こうてんてき に障害 しょうがい されると、結核 けっかく 菌 きん は活性 かっせい 化 か する。宿主 しゅくしゅ の免疫 めんえき 機能 きのう が障害 しょうがい される例 れい としては、加 か 齢 よわい 、栄養失調 えいようしっちょう 、後天 こうてん 性 せい 免疫 めんえき 不全 ふぜん 症候群 しょうこうぐん (AIDS)、糖尿 とうにょう 病 びょう 、悪性 あくせい 腫瘍 しゅよう 、ステロイド や免疫 めんえき 抑制 よくせい 剤 ざい といった薬物 やくぶつ の使用 しよう が挙 あ げられる。
肺結核 はいけっかく (A 15 )は呼吸 こきゅう 器 き 疾患 しっかん で、日本 にっぽん における感染 かんせん 者 しゃ の80%は肺 はい への感染 かんせん である。
結核 けっかく の症状 しょうじょう
当初 とうしょ は全身 ぜんしん 倦怠 けんたい 感 かんじ 、食欲 しょくよく 不振 ふしん 、体重 たいじゅう 減少 げんしょう 、37℃ 前後 ぜんご の微熱 びねつ が長期間 ちょうきかん にわたって続 つづ く、就寝 しゅうしん 中 ちゅう に大量 たいりょう の汗 あせ をかく等 ひとし 、非特異 ひとくい 的 てき であり、咳嗽 がいそう (痰 たん は伴 ともな うことも伴 ともな わないこともあり、また血痰 けったん を伴 ともな うことがある)が疾患 しっかん の進行 しんこう にしたがって顕在 けんざい 化 か する。抗生 こうせい 物質 ぶっしつ による治療 ちりょう 法 ほう が確立 かくりつ する以前 いぜん は「不治 ふじ の病 やまい 」と呼 よ ばれていた。
ツベルクリン反応 はんのう 、インターフェロンγ がんま 遊離 ゆうり 試験 しけん 、顕微鏡 けんびきょう 下 した での病原 びょうげん 体 たい の検出 けんしゅつ 、核酸 かくさん 増幅 ぞうふく 検査 けんさ (核酸 かくさん 増幅 ぞうふく 法 ほう )、画像 がぞう 検査 けんさ などの検査 けんさ 方法 ほうほう がある。
後述 こうじゅつ の通 とお り、日本 にっぽん ではBCG 接種 せっしゅ が義務 ぎむ であるため、欧米 おうべい より信頼 しんらい 性 せい が乏 とぼ しい検査 けんさ となっている。それでも、発赤 はっせき 20mm以上 いじょう 、硬 かた 結 ゆい 10mm以上 いじょう の「強 つよし 陽性 ようせい 」の所見 しょけん は、活動 かつどう 性 せい の結核 けっかく 感染 かんせん を示唆 しさ する。「中等 ちゅうとう 度 ど 陽性 ようせい 」は、特 とく に結核 けっかく の診断 しんだん の可能 かのう 性 せい を高 たか めるものでも低 ひく くするものでもないと考 かんが えられる。免疫 めんえき 不全 ふぜん 患者 かんじゃ や悪性 あくせい リンパ腫 りんぱしゅ では、結核 けっかく に関 かん する免疫 めんえき 寛容 かんよう が成立 せいりつ していたり現在 げんざい は結核 けっかく 菌 きん 感染 かんせん があったりしても、ツベルクリン反応 はんのう が陰性 いんせい になり、「アネルギー 」と呼 よ ばれる。
この検査 けんさ は、血液 けつえき を結核 けっかく 菌 きん 特異 とくい 的 てき なタンパク (ESAT-6およびCFP-10)で刺激 しげき し、結核 けっかく 菌 きん 特異 とくい 的 てき T細胞 さいぼう の産 さん 生 せい するインターフェロン γ がんま の産 さん 生 せい 量 りょう をみることで、結核 けっかく 感染 かんせん を診断 しんだん する検査 けんさ 法 ほう である。BCGや非 ひ 結核 けっかく 性 せい 抗 こう 酸 さん 菌 きん 感染 かんせん の影響 えいきょう を受 う けず、感度 かんど 89%、特異 とくい 度 ど 98%と報告 ほうこく [16] される。検査 けんさ 時 じ には検体 けんたい の温度 おんど 管理 かんり を行 おこな う必要 ひつよう がある(採血 さいけつ から搬入 はんにゅう までの時間 じかん 10時間 じかん 以内 いない 、搬送 はんそう 温度 おんど は摂氏 せっし 17℃から27℃)。また、数時間 すうじかん から一両日 いちりょうじつ で検査 けんさ 結果 けっか を出 だ すことができるとされている。また同様 どうよう の原理 げんり のT-SPOT .TB検査 けんさ も用 もち いられる。
QFTならびにT-スポットは、インターフェロンγ がんま 遊離 ゆうり 試験 しけん (IGRA) と総称 そうしょう される[17] [18] [19] 。
核酸 かくさん 増幅 ぞうふく 法 ほう としてリアルタイムPCR (TaqMan PCR)[20] 、核酸 かくさん 増幅 ぞうふく とキャピラリ電気 でんき 泳 およげ 動 どう を組 く み合 あ わせたPCR-CE法 ほう としてミュータスワコーMTB[21] がある。また、核酸 かくさん 検出 けんしゅつ 法 ほう としては、DNA -RNA ハイブリダイゼーション(アキュプローブ法 ほう )、DNA-DNAハイブリダイゼーション(DDHマイコバクテリア)などがある。他 た に迅速 じんそく 診断 しんだん 法 ほう としてキャピリアTB蛋白 たんぱく 検出 けんしゅつ 法 ほう )がある[20] 。
肺 はい の病巣 びょうそう の断面 だんめん 標本 ひょうほん
TBLBで見 み つかった結核 けっかく 肉芽 にくが 腫 しゅ
ラングハンス型 がた 巨 きょ 細胞 さいぼう
喀痰 かくたん 塗抹 とまつ 検査 けんさ (チール・ニールセン染色 せんしょく )は喀痰 かくたん 中 ちゅう の抗 こう 酸 さん 菌 きん の有無 うむ および排 はい 菌 きん 量 りょう をみる検査 けんさ であり、まず行 おこな うべき方法 ほうほう である。また蛍光 けいこう 塗抹 とまつ 検査 けんさ を利用 りよう することもできる。
なお、結核 けっかく を疑 うたが った患者 かんじゃ から採 と 痰 たん を行 おこな う場合 ばあい は、専用 せんよう ブースを用意 ようい して採集 さいしゅう する。これまで喀痰 かくたん 中 ちゅう の排 はい 菌 きん 量 りょう はガフキー号 ごう 数 すう で表記 ひょうき されてきた。新 しん 結核 けっかく 菌 きん 検査 けんさ 指針 ししん では、検出 けんしゅつ 菌 きん 数 すう を 1+, 2+, 3+ で表 あらわ すこととなった(± はガフキー1号 ごう 、1+ は2号 ごう 、2+ は5号 ごう 、3+ は9号 ごう に相当 そうとう )。
塗抹 とまつ 検査 けんさ では、結核 けっかく 菌 きん か非 ひ 結核 けっかく 性 せい 抗 こう 酸 さん 菌 きん かの同定 どうてい はできない。菌 きん の同定 どうてい および薬剤 やくざい 耐 たい 性 せい を調 しら べるには喀痰 かくたん 培養 ばいよう 検査 けんさ を行 おこな うが、結核 けっかく 菌 きん は培養 ばいよう による繁殖 はんしょく が遅 おそ く、3-6週間 しゅうかん 必要 ひつよう で早期 そうき 診断 しんだん には適 てき さない。
早期 そうき 診断 しんだん には、喀痰 かくたん の結核 けっかく 菌 きん DNAのPCR 検査 けんさ が有用 ゆうよう である。感度 かんど ・特異 とくい 度 ど が高 たか く日本 にっぽん でも普及 ふきゅう してきている。ただPCR法 ほう は、死 し 菌 きん でもDNAを検出 けんしゅつ することで、陽性 ようせい になってしまう。
気管支 きかんし 鏡 きょう 下 した のBAL(気管支 きかんし 肺 はい 胞洗浄 せんじょう )やTBLB(経 けい 気管支 きかんし 肺 はい 生 なま 検 けん )も診断 しんだん に有用 ゆうよう である。胃液 いえき 検査 けんさ は培養 ばいよう のみが検査 けんさ に適 てき するので、早期 そうき 診断 しんだん に有用 ゆうよう ではない。血液 けつえき 培養 ばいよう をする場合 ばあい は、専用 せんよう のスピッツ が必要 ひつよう である。
胸水 きょうすい がある場合 ばあい 、胸水 きょうすい 培養 ばいよう で結核 けっかく 菌 きん が陽性 ようせい になるのは25%未満 みまん である。胸膜 きょうまく 生 せい 検 けん が必要 ひつよう である。
多彩 たさい な像 ぞう を呈 てい するため肺結核 はいけっかく は画像 がぞう のみでの正確 せいかく な診断 しんだん は困難 こんなん である。喀痰 かくたん 検査 けんさ や血液 けつえき 検査 けんさ とともに総合 そうごう 的 てき に診断 しんだん する。
かつては、抗菌 こうきん 剤 ざい のストレプトマイシン 単 たん 剤 ざい の投与 とうよ で効果 こうか があったが、現在 げんざい は薬剤 やくざい 耐 たい 性 せい 獲得 かくとく の危険 きけん があるため、単 たん 剤 ざい での治療 ちりょう は行 おこな わない。
イソニアジド (INH)、リファンピシン (RFP)、ピラジナミド (PZA)、エタンブトール (EB)(またはストレプトマイシン (SM))の4剤 ざい 併用 へいよう 薬物 やくぶつ 療法 りょうほう を行 おこな うべきであると考 かんが えられている。ほかに、デラマニド製剤 せいざい (デルティバ)[23] も使用 しよう される。結核 けっかく 菌 きん はこのそれぞれの薬物 やくぶつ に耐 たい 性 せい をもつものが存在 そんざい するが、イソニアジドおよびリファンピシンの2剤 ざい に耐 たい 性 せい を持 も つ菌 きん は「多 た 剤 ざい 耐 たい 性 せい 結核 けっかく 菌 きん 」と呼 よ ばれ、治療 ちりょう に難渋 なんじゅう することがある。一度 いちど 発症 はっしょう した場合 ばあい は、6〜9ヶ月 かげつ の投薬 とうやく 療法 りょうほう が一般 いっぱん 的 てき である。
治療 ちりょう を正確 せいかく に完了 かんりょう した場合 ばあい 、再発 さいはつ 率 りつ は5%未満 みまん である。しかし、治療 ちりょう 中断 ちゅうだん により結核 けっかく 菌 きん に薬剤 やくざい 耐 たい 性 せい ができ、集団 しゅうだん 感染 かんせん することが問題 もんだい となっている。そのため、特 とく にストリート やホームレス の住人 じゅうにん に対 たい して、確実 かくじつ な薬 くすり の服用 ふくよう を目指 めざ した直接 ちょくせつ 監視 かんし 下 か 短期 たんき 化学 かがく 療法 りょうほう (d irectly o bserved t reatment, s hort-course, DOTS )の実施 じっし 拡大 かくだい が求 もと められている。
肺結核 はいけっかく は空気 くうき 感染 かんせん が起 お こるため、排 はい 菌 きん のある結核 けっかく 患者 かんじゃ は感染 かんせん 症 しょう 予防 よぼう 法 ほう (感染 かんせん 症 しょう の予防 よぼう 及 およ び感染 かんせん 症 しょう の患者 かんじゃ に対 たい する医療 いりょう に関 かん する法律 ほうりつ )により、負 ふ 圧 あつ 設備 せつび のある結核 けっかく 病棟 びょうとう への入院 にゅういん が義務 ぎむ づけられている。医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ はN95マスク (FFP3マスク)を装着 そうちゃく する必要 ひつよう がある。患者 かんじゃ の搬送 はんそう は最低限 さいていげん にすべきであるが、どうしても必要 ひつよう な場合 ばあい は患者 かんじゃ に通常 つうじょう のマスクを、医療 いりょう 従事 じゅうじ 者 しゃ にN95マスクを装着 そうちゃく し、窓 まど を開 あ けるなど換気 かんき に留意 りゅうい する。
喀痰 かくたん 中 ちゅう の排 はい 菌 きん のない(ガフキー0号 ごう )患者 かんじゃ は、強制 きょうせい 入院 にゅういん の対象 たいしょう ではない。
結核 けっかく 性 せい 髄 ずい 膜 まく 炎 えん (A 17.0 Tuberculous meningitis) は、亜 あ 急性 きゅうせい 髄 ずい 膜 まく 炎 えん の鑑別 かんべつ の一 ひと つである。真 ま 菌 きん 性 せい 、梅毒 ばいどく 性 せい 、癌 がん 性 せい 髄 ずい 膜 まく 炎 えん との鑑別 かんべつ を要 よう する。
症状 しょうじょう
無気力 むきりょく 、過敏 かびん 、食欲 しょくよく 不振 ふしん 、発熱 はつねつ 、頭痛 ずつう 、嘔吐 おうと 、痙攣 けいれん 、昏睡 こんすい である。行動 こうどう の変化 へんか を認 みと めることもある。また、多 た 部位 ぶい の結核 けっかく 菌 きん 感染 かんせん の症状 しょうじょう を認 みと めることがある。
身体 しんたい 所見 しょけん
項 こう 部 ぶ 硬直 こうちょく 、脳神経 のうしんけい 麻痺 まひ 症状 しょうじょう を認 みと めることがある。
検査 けんさ 所見 しょけん
髄 ずい 液 えき は黄色 きいろ くて、cell 100-500(単 たん 核 かく 球 だま 優位 ゆうい )、高 こう 蛋白 たんぱく 、低 ひく グルコース を示 しめ す。細菌 さいきん 性 せい 髄 ずい 膜 まく 炎 えん と比 くら べて明 あき らかに弱 よわ い所見 しょけん を示 しめ す。髄 ずい 液 えき の塗抹 とまつ 検査 けんさ は通常 つうじょう 陰性 いんせい で、培養 ばいよう も最大 さいだい 25%の症例 しょうれい で陰性 いんせい である。髄 ずい 液 えき PCR 検査 けんさ は感度 かんど が高 たか い。
治療 ちりょう 法 ほう
肺結核 はいけっかく 症 しょう と同様 どうよう であり、12ヶ月 かげつ の投薬 とうやく を行 おこな う。イソニアジド、リファンピシン、ピラジナミドは髄 ずい 液 えき 移行 いこう 性 せい がよい。エタンブトール、ストレプトマイシンは基本 きほん 的 てき に髄 ずい 液 えき 移行 いこう 性 せい は不良 ふりょう であるが、髄 ずい 膜 まく の炎症 えんしょう が認 みと められる場合 ばあい には髄 ずい 液 えき 中 ちゅう に移行 いこう する。デキサメタゾンは細菌 さいきん 性 せい のようなエビデンス はないが、用 もち いることがある。
頚部 けいぶ 腫 しゅ 瘤 こぶ の鑑別 かんべつ の一 ひと つである。感染 かんせん 症 しょう による反応 はんのう 性 せい リンパ節 ぶし 腫脹 しゅちょう や、腫瘍 しゅよう 性 せい 、サルコイドーシス 、猫 ねこ ひっかき病 びょう 、組織 そしき 球 だま 性 せい 壊死 えし 性 せい リンパ節 ぶし 炎 えん (菊池 きくち 病 びょう )、自己 じこ 免疫 めんえき 性 せい リンパ節 ぶし 炎 えん との鑑別 かんべつ を要 よう する。診断 しんだん は、針 はり 吸引 きゅういん による細胞 さいぼう 診 み 、塗抹 とまつ 、培養 ばいよう 、PCR検査 けんさ による。リンパ節 ぶし 生 せい 検 けん が必要 ひつよう なこともある。治療 ちりょう の第 だい 一 いち 選択肢 せんたくし は、肺結核 はいけっかく と同様 どうよう の薬物 やくぶつ 療法 りょうほう である。
先進 せんしん 国 こく ではまれである。発熱 はつねつ 、寝汗 ねあせ 、疲労 ひろう が数 すう 週間 しゅうかん から数 すう ヶ月 かげつ 続 つづ く。心 こころ 嚢水の塗抹 とまつ ・培養 ばいよう による結核 けっかく 菌 きん 陽性 ようせい 率 りつ は低 ひく い。心 こころ 膜 まく 生 せい 検 けん による肉芽 にくが 腫 しゅ の証明 しょうめい や培養 ばいよう 、PCRは診断 しんだん を確定 かくてい するが侵 おかせ 襲 かさね 性 せい が高 たか い。他 た 部位 ぶい における結核 けっかく 菌 きん の証明 しょうめい によって診断 しんだん を推定 すいてい するのが一般 いっぱん 的 てき であると考 かんが えられる。治療 ちりょう は肺結核 はいけっかく と同様 どうよう の薬物 やくぶつ 療法 りょうほう 。しかし収縮 しゅうしゅく 性 せい 心外 しんがい 膜 まく 炎 えん を後遺症 こういしょう として残 のこ すことがある。
K 67.3 Tuberculous peritonitis
症状 しょうじょう
微熱 びねつ 、腹痛 はらいた 、食欲 しょくよく 不振 ふしん 、体重 たいじゅう 減少 げんしょう など非特異 ひとくい 的 てき である。
検査 けんさ 所見 しょけん
腹水 ふくすい の抗 こう 酸 さん 菌 きん 塗抹 とまつ 検査 けんさ は通常 つうじょう 陰性 いんせい であり、培養 ばいよう の陽性 ようせい 率 りつ は20%に過 す ぎない。ただし大量 たいりょう の腹水 ふくすい を培養 ばいよう することにより85%まで高 たか めることができる。腹水 ふくすい のアデノシン ・デアミナーゼADA値 ち は肝硬変 かんこうへん による腹水 ふくすい がある患者 かんじゃ では、結核 けっかく 性 せい 腹膜炎 ふくまくえん の合併 がっぺい を予測 よそく できると示 しめ されている。しかしその他 た の場合 ばあい には有用 ゆうよう ではない。
診断 しんだん の確定 かくてい は腹腔 ふくこう 鏡 きょう 検査 けんさ であり、特徴 とくちょう 的 てき な腹膜 ふくまく 結節 けっせつ を認 みと め腹膜 ふくまく 生 せい 検 けん で肉芽 にくが 腫 しゅ を認 みと めることができる。
治療 ちりょう 法 ほう
肺結核 はいけっかく と同様 どうよう である。
腸 ちょう 結核 けっかく は結核 けっかく 菌 きん が引 ひ き起 お こす腸 ちょう 炎 えん のこと。典型 てんけい 的 てき には回 かい 盲 めくら 部 ぶ に起 お こり、クローン病 びょう との鑑別 かんべつ が問題 もんだい となる。ただしその他 た のどの部位 ぶい も侵 おか されうる。大腸 だいちょう が侵 おか された場合 ばあい は潰瘍 かいよう 性 せい 大腸 だいちょう 炎 えん との鑑別 かんべつ が重要 じゅうよう 。
症状 しょうじょう
慢性 まんせい 的 てき な腹痛 はらいた 、閉塞 へいそく 症状 しょうじょう 、食欲 しょくよく 不振 ふしん 、体重 たいじゅう 減少 げんしょう 、下痢 げり などである。血便 けつべん (下 しも 血 ち )、吐 は き気 け ・嘔吐 おうと 、腹部 ふくぶ 膨満感 かん 、微熱 びねつ を伴 ともな うこともある。
画像 がぞう 所見 しょけん
50%未満 みまん の患者 かんじゃ では活動 かつどう 性 せい 肺結核 はいけっかく を伴 ともな い、胸部 きょうぶ レントゲン撮影 さつえい で認 みと めることができる。
結腸 けっちょう では、大腸 だいちょう 内視鏡 ないしきょう 検査 けんさ にて多発 たはつ 潰瘍 かいよう 、潰瘍 かいよう 化 か した集 しゅう 塊 かたまり 、無 む 茎 くき 性 せい ポリープ 、小憩 しょうけい 室 しつ を認 みと める。
診断 しんだん 確定 かくてい は、大腸 だいちょう 内視鏡 ないしきょう 下 か の生 なま 検 けん にて乾酪 かんらく 性 せい 肉芽 にくが 腫 しゅ を認 みと めたり結核 けっかく 菌 きん 培養 ばいよう が陽性 ようせい であるときである。生 なま 検 けん 標本 ひょうほん のPCRによる結核 けっかく 菌 きん DNA の検出 けんしゅつ は、迅速 じんそく で最 もっと も感度 かんど が高 たか い。
2007年 ねん 現在 げんざい 、ダブルバルーン内視鏡 ないしきょう やカプセル内視鏡 ないしきょう により小腸 しょうちょう 結核 けっかく も診断 しんだん できるようになった。
合併症 がっぺいしょう
腸閉塞 ちょうへいそく 、狭窄 きょうさく 、穿孔 せんこう 、大量 たいりょう 出血 しゅっけつ 、瘻孔 形成 けいせい 、中毒 ちゅうどく 性 せい 巨大 きょだい 結腸 けっちょう 症 しょう が起 お こることがある。
治療 ちりょう
肺結核 はいけっかく と同様 どうよう である。合併症 がっぺいしょう が起 お こった場合 ばあい は手術 しゅじゅつ が必要 ひつよう なこともある。
無菌 むきん 性 せい 膿 うみ 尿 にょう の原因 げんいん の一 ひと つ。漆喰 しっくい 腎 じん を発症 はっしょう する。尿 にょう 培養 ばいよう にて結核 けっかく 菌 きん が証明 しょうめい される。治療 ちりょう 法 ほう は、肺結核 はいけっかく と同様 どうよう である。
慢性 まんせい 副 ふく 腎不全 じんふぜん の鑑別 かんべつ の一 ひと つ。特 とく に結核 けっかく 症 しょう の頻度 ひんど が高 たか い地域 ちいき では慢性 まんせい 副 ふく 腎不全 じんふぜん の主要 しゅよう な原因 げんいん である。自己 じこ 免疫 めんえき 性 せい 副 ふく 腎不全 じんふぜん 、Waterhouse-Friedrichsen症候群 しょうこうぐん 、抗 こう リン脂質 ししつ 抗体 こうたい 症候群 しょうこうぐん 、抗 こう 凝固 ぎょうこ 薬 やく の使用 しよう による両側 りょうがわ 副腎 ふくじん 出血 しゅっけつ 、転移 てんい 性 せい 腫瘍 しゅよう など鑑別 かんべつ は多岐 たき にわたる。
骨盤 こつばん 痛 つう と、骨盤 こつばん 腫 しゅ 瘤 こぶ を生 しょう じ、発展 はってん 途上 とじょう 国 こく に多 おお い。骨盤 こつばん 内 ない 炎症 えんしょう 性 せい 疾患 しっかん PIDの鑑別 かんべつ 診断 しんだん の一 ひと つである。
A 18.0 Tuberculosis of bones and joints
胸椎 きょうつい ・腰椎 ようつい の結核 けっかく 症 しょう や単 たん 関節 かんせつ の結核 けっかく 症 しょう (主 おも に膝 ひざ 関節 かんせつ )が知 し られている。代表 だいひょう 的 てき な疾患 しっかん は脊椎 せきつい カリエス である。診断 しんだん は、骨 ほね ・骨膜 こつまく ・所属 しょぞく リンパ節 ぶし 生 せい 検 けん による乾酪 かんらく 壊死 えし の証明 しょうめい や関節 かんせつ 液 えき 、膿汁 のうじゅう の塗抹 とまつ ・培養 ばいよう ・PCRである。鑑別 かんべつ 疾患 しっかん は、亜 あ 急性 きゅうせい ・慢性 まんせい の感染 かんせん 性 せい 関節 かんせつ 炎 えん や骨 ほね の感染 かんせん 症 しょう 、関節 かんせつ リウマチ 、痛風 つうふう 、転移 てんい 性 せい 腫瘍 しゅよう である。治療 ちりょう は、肺結核 はいけっかく と同様 どうよう であるが滑 すべり 膜 まく 切除 せつじょ 術 じゅつ を行 おこな うこともある。
結核 けっかく 性 せい 脊椎 せきつい 炎 えん は別名 べつめい Pott's病 びょう とも呼 よ ばれる。治療 ちりょう には、抗 こう 結核 けっかく 薬 やく を12〜18ヶ月 かげつ 間 あいだ 用 もち いる[30] 。
結核 けっかく 性 せい 関節 かんせつ 炎 えん 、慢性 まんせい 関節 かんせつ リウマチ 、慢性 まんせい 化膿 かのう 性 せい 滑 すべり 膜 まく 炎 えん 、色 いろ 素性 すじょう 絨毛 じゅうもう 結節 けっせつ 性 せい 滑 すべり 膜 まく 炎 えん 、滑 すべり 膜 まく 性 せい 骨 こつ 軟骨 なんこつ 腫 しゅ 症 しょう などの疾患 しっかん では滑 すべり 膜 まく に炎症 えんしょう や腫瘍 しゅよう 形成 けいせい を生 しょう じるため、これを切除 せつじょ する滑 すべり 膜 まく 切除 せつじょ 術 じゅつ (英 えい : synovectomy 、独 どく : Synovektomie )が行 おこな われる。これにより疼痛 とうつう 、腫脹 しゅちょう などの局所 きょくしょ 症状 しょうじょう を改善 かいぜん し、関節 かんせつ 破壊 はかい の進行 しんこう を防 ふせ ぐ。関節 かんせつ 軟骨 なんこつ 、軟骨 なんこつ 下 か 骨質 こっしつ に炎症 えんしょう が波及 はきゅう しない時期 じき に行 おこな うものを早期 そうき 滑 すべり 膜 まく 切除 せつじょ 術 じゅつ とし、炎症 えんしょう の波及 はきゅう 後 ご に行 おこな うものを晩期 ばんき 滑 すべり 膜 まく 切除 せつじょ 術 じゅつ とするが、早期 そうき の方 ほう が機能 きのう 的 てき 予 よ 後 ご が良好 りょうこう である。
A 18.4 Tuberculosis of skin and subcutaneous tissue
皮膚 ひふ 結核 けっかく は結核 けっかく 菌 きん が血行 けっこう 性 せい またはリンパ行 ぎょう 性 せい 、まれに外部 がいぶ から直接 ちょくせつ 感染 かんせん することによって発症 はっしょう する肺 はい 外 がい 結核 けっかく の一 ひと つである。病巣 びょうそう から結核 けっかく 菌 きん が証明 しょうめい されるか否 ひ かによって分類 ぶんるい があり、前者 ぜんしゃ を真性 しんせい (真正 しんせい )皮膚 ひふ 結核 けっかく 、後者 こうしゃ を結核 けっかく 疹 と呼 よ ぶ。そして各々 おのおの の分類 ぶんるい にさらに多 おお くの疾患 しっかん が属 ぞく する。なお、皮膚 ひふ 結核 けっかく の別称 べっしょう として狼 おおかみ 瘡 かさ (ろうそう)という語 かたり があり、英語 えいご ではループス (lupus)と呼 よ ばれる。現在 げんざい は自己 じこ 免疫 めんえき 疾患 しっかん ・膠 にかわ 原 ばら 病 びょう として知 し られる全身 ぜんしん 性 せい エリテマトーデス は急性 きゅうせい 播種 はしゅ 状 じょう 紅 べに 斑 むら 性 せい 狼 おおかみ 瘡 かさ とも呼 よ ばれるが、その名 な の語源 ごげん は発見 はっけん 当時 とうじ は結核 けっかく 性 せい 疾患 しっかん であると考 かんが えられたために命名 めいめい されたものである。
このカテゴリーに属 ぞく する疾患 しっかん は、病巣 びょうそう に結核 けっかく 菌 きん が証明 しょうめい されるのが最大 さいだい の特徴 とくちょう である。従 したが って感染 かんせん 力 りょく がある。
皮膚 ひふ 初感染 しょかんせん 病巣 びょうそう
通常 つうじょう 結核 けっかく は飛沫 しぶき 感染 かんせん による感染 かんせん 経路 けいろ を採 と るが、極 きわ めてまれに皮膚 ひふ に直接 ちょくせつ 感染 かんせん するケースがある。これを皮膚 ひふ 初感染 しょかんせん 病巣 びょうそう と呼 よ び、感染 かんせん 後 ご 顔面 がんめん や四肢 しし に水疱 すいほう や潰瘍 かいよう を生 しょう じる。その後 ご リンパ節 ぶし の腫脹 しゅちょう を来 き たした後 のち ツベルクリン反応 はんのう が陽性 ようせい に転 てん じて、病変 びょうへん は瘢痕 はんこん を残 のこ して治癒 ちゆ する。なお、BCG はツベルクリン反応 はんのう 陰性 いんせい の場合 ばあい に接種 せっしゅ するが、弱毒 じゃくどく 化 か した結核 けっかく 菌 きん を人為 じんい 的 てき に皮膚 ひふ から感染 かんせん させて免疫 めんえき を獲得 かくとく させる。したがってBCGは人工 じんこう 的 てき 皮膚 ひふ 初感染 しょかんせん 病巣 びょうそう ともいえるし、逆 ぎゃく に皮膚 ひふ 初感染 しょかんせん 病巣 びょうそう は天然 てんねん BCGとも呼 よ べる。
尋常 じんじょう 性 せい 狼 おおかみ 瘡 かさ
かつて「ループス」といえばこの疾患 しっかん を指 さ していた。真性 しんせい 皮膚 ひふ 結核 けっかく の中 なか では最 もっと も標準 ひょうじゅん 的 てき な疾患 しっかん であり、かつては皮膚 ひふ 結核 けっかく の中 なか で患者 かんじゃ が最 もっと も多 おお かった。顔面 がんめん を好 この んで侵 おか し、紅 べに 斑 まだら が次第 しだい に拡大 かくだい して潰瘍 かいよう となりやがて瘢痕 はんこん を残 のこ して自然 しぜん 治癒 ちゆ する。だが再発 さいはつ しやすく同 どう 一部 いちぶ 位 い に繰 く り返 かえ し発症 はっしょう し醜 みにく い瘢痕 はんこん となり、さらにはその瘢痕 はんこん 部 ぶ から有 ゆう 棘 とげ 細胞 さいぼう 癌 がん が発生 はっせい することがある(狼 おおかみ 瘡 かさ 瘢痕 はんこん 癌 がん )。
皮膚 ひふ 腺 せん 病 びょう
現在 げんざい 日本 にっぽん で最 もっと も多 おお い真性 しんせい 皮膚 ひふ 結核 けっかく である。肺 はい などから血行 けっこう 性 せい ・リンパ行 ぎょう 性 せい に結核 けっかく 菌 きん が散布 さんぷ され、リンパ節 ぶし で増殖 ぞうしょく する際 さい に皮膚 ひふ に病変 びょうへん を形成 けいせい するものである。頚部 けいぶ に最 もっと も多 おお く病変 びょうへん を形成 けいせい するが、これは頚部 けいぶ リンパ節 ぶし 結核 けっかく から皮膚 ひふ に病変 びょうへん が波及 はきゅう したものである。最初 さいしょ は赤 あか く、しこりを触 ふ れる程度 ていど であるがやがて腫脹 しゅちょう は大 おお きくなり、皮膚 ひふ を破 やぶ って膿汁 のうじゅう を排出 はいしゅつ する。この膿汁 のうじゅう には多量 たりょう の結核 けっかく 菌 きん が存在 そんざい し、感染 かんせん 原因 げんいん となる。
皮膚 ひふ 疣 いぼ 状 じょう 結核 けっかく
外傷 がいしょう 部位 ぶい などに結核 けっかく 菌 きん が付着 ふちゃく して発症 はっしょう する。肱 ひじ 、膝 ひざ などの露出 ろしゅつ 部 ぶ に多 おお く、いぼ 状 じょう の局面 きょくめん が形成 けいせい され遠心 えんしん 性 せい に拡大 かくだい するが中心 ちゅうしん 部 ぶ は病変 びょうへん が無 な くなり治癒 ちゆ した状態 じょうたい になる。獣医 じゅうい や飼育 しいく 業者 ぎょうしゃ に多 おお く発症 はっしょう するが、日本 にっぽん ではこのような感染 かんせん 経路 けいろ はほとんどない。
潰瘍 かいよう 性 せい 粟粒 あわつぶ 結核 けっかく
肺結核 はいけっかく 、腸 ちょう 結核 けっかく 、腎 じん 結核 けっかく 、膀胱 ぼうこう 結核 けっかく などの臓器 ぞうき 結核 けっかく から結核 けっかく 菌 きん が口腔 こうくう 、尿道 にょうどう 、直腸 ちょくちょう 肛門 こうもん に付着 ふちゃく し増殖 ぞうしょく して病変 びょうへん を形成 けいせい する。丘 おか 疹から始 はじ まり次第 しだい に潰瘍 かいよう や局面 きょくめん 、壊死 えし などの様々 さまざま な皮膚 ひふ 病変 びょうへん が多発 たはつ する。病変 びょうへん にはチーズ 状 じょう の塊 かたまり が厚 あつ く付着 ふちゃく するがこの中 なか には極 きわ めて多 おお くの結核 けっかく 菌 きん が存在 そんざい する。この疾患 しっかん がある患者 かんじゃ は概 がい して末期 まっき の結核 けっかく 患者 かんじゃ であり、大体 だいたい において死亡 しぼう する。現在 げんざい 日本 にっぽん でこのような病変 びょうへん を見 み ることは少 すく なく、皮膚 ひふ 科 か の専門 せんもん 書 しょ にもまず写真 しゃしん が掲載 けいさい されていない。
急性 きゅうせい 皮膚 ひふ 粟粒 あわつぶ 結核 けっかく
結核 けっかく 性 せい 敗血症 はいけつしょう である粟粒 あわつぶ 結核 けっかく (ぞくりゅうけっかく)の皮膚 ひふ 病変 びょうへん であり、小児 しょうに を多 おお く侵 おか す。丘 おか 疹、紅 べに 斑 むら 、潰瘍 かいよう 、紫斑 しはん 、壊疽 えそ などの多彩 たさい な症状 しょうじょう が全身 ぜんしん に多発 たはつ する。非常 ひじょう にまれな病態 びょうたい である。潰瘍 かいよう 性 せい 粟粒 あわつぶ 結核 けっかく と同様 どうよう 、皮膚 ひふ 科 か の専門 せんもん 書 しょ に写真 しゃしん が掲載 けいさい されていることはまずない。
tuberculidカテゴリーに属 ぞく する疾患 しっかん は、病巣 びょうそう に結核 けっかく 菌 きん が証明 しょうめい されない。発症 はっしょう 機 き 序 じょ としては結核 けっかく に元来 がんらい 過敏 かびん 性 せい を有 ゆう しているヒトが結核 けっかく 菌 きん に感染 かんせん した際 さい 、血行 けっこう 性 せい に結核 けっかく 菌 きん や菌 きん が分解 ぶんかい された後 のち の産物 さんぶつ などが散布 さんぷ されて皮膚 ひふ に到着 とうちゃく 、それに伴 ともな い様々 さまざま な皮膚 ひふ 病変 びょうへん を発症 はっしょう する。細菌 さいきん アレルギー による多 た 形 かたち 滲出 しんしゅつ 性 せい 紅 べに 斑 まだら や真 ま 菌 きん アレルギーによる白 しろ 癬疹 と同様 どうよう の機 き 序 じょ で発生 はっせい する、結核 けっかく アレルギ あれるぎ ー性 せい 皮膚 ひふ 疾患 しっかん ともいえる。ツベルクリン反応 はんのう はほぼ100%陽性 ようせい である。
腺 せん 病 びょう 性 せい 苔 こけ 癬
主 おも に若年 じゃくねん 者 しゃ の胴体 どうたい や四肢 しし に発症 はっしょう し、扁平 へんぺい 苔 こけ 癬 に似 に た粟粒 あわつぶ 大 だい の丘 おか 疹が播種 はしゅ 性 せい または集 しゅう 族 ぞく 性 せい に多発 たはつ する。丘 おか 疹の頂点 ちょうてん に小 ちい さな膿疱 のうほう が形成 けいせい される。自覚 じかく 症状 しょうじょう はない。主 おも に初感染 しょかんせん 者 しゃ に起 お こり、BCGの副作用 ふくさよう として発症 はっしょう することもある。
壊疽 えそ 性 せい 丘 おか 疹状結核 けっかく 疹
結核 けっかく アレルギー による血管 けっかん 炎 えん である。若 わか い女性 じょせい の四肢 しし に暗 くら 赤色 あかいろ の丘 おか 疹として多発 たはつ し、その後 ご 発疹 はっしん の中心 ちゅうしん が壊疽 えそ に陥 おちい り痂 かさぶた 皮 がわ を形成 けいせい 。潰瘍 かいよう を経 へ て瘢痕 はんこん 治癒 ちゆ する。疾患 しっかん 名 めい こそ「壊疽 えそ 」と付 つ くが重 じゅう 篤 あつし なものではなく、予 よ 後 ご は良好 りょうこう である。
陰茎 いんけい 結核 けっかく 疹
その名 な の通 とお り男性 だんせい に限定 げんてい して発症 はっしょう する結核 けっかく 疹であり、腎 じん 結核 けっかく や膀胱 ぼうこう 結核 けっかく など泌尿器 ひにょうき 系 けい の結核 けっかく に続発 ぞくはつ ・合併 がっぺい することが多 おお い。亀 かめ 頭 あたま ・包皮 ほうひ に米 べい 粒 つぶ 大 だい よりはやや小 ちい さな丘 おか 疹が発生 はっせい 、膿疱 のうほう ・潰瘍 かいよう を経 へ て瘢痕 はんこん 化 か する。しかしこの過程 かてい において亀 かめ 頭部 とうぶ の形状 けいじょう が不 ふ 整形 せいけい の凹凸 おうとつ となり、醜 みにく い瘢痕 はんこん となる。陰茎 いんけい 形成 けいせい 性 せい 硬 かた 結 むすぶ 症 しょう を合併 がっぺい することが多 おお いとされているが、海外 かいがい では否定 ひてい 的 てき である。
バザン硬 かた 結 むすぶ 性 せい 紅 べに 斑 まだら
結核 けっかく 疹の中 なか では最 もっと も多 おお く、皮膚 ひふ 結核 けっかく 全体 ぜんたい でも最 もっと も症例 しょうれい 数 すう が多 おお い 。足 あし が太 ふと い若 わか い女性 じょせい の下腿 かたい に多 おお く、最大 さいだい でも鶏卵 けいらん よりやや小 ちい さい紅 べに 斑 まだら として発症 はっしょう 。紅 べに 斑 まだら は硬 かた くなりやがて深 ふか い潰瘍 かいよう となり、1〜2ヶ月 かげつ の経過 けいか で瘢痕 はんこん 治癒 ちゆ する。自覚 じかく 症状 しょうじょう はない。皮下 ひか 組織 そしき に発症 はっしょう した結核 けっかく 性 せい 肉芽 にくが 腫 しゅ 性 せい 脂 あぶら 肪織炎 えん が本態 ほんたい である。
結核 けっかく 性 せい 結節 けっせつ 性 せい 紅 べに 斑 まだら
結節 けっせつ 性 せい 紅 べに 斑 まだら は細菌 さいきん アレルギーが原因 げんいん で発症 はっしょう する皮膚 ひふ 疾患 しっかん の一 ひと つであるが、結核 けっかく も主要 しゅよう な原因 げんいん の一 ひと つである。バザン硬 かた 結 むすぶ 性 せい 紅 べに 斑 むら に似 に るが、最大 さいだい の違 ちが いは潰瘍 かいよう を形成 けいせい しないことである。
結節 けっせつ 性 せい 結核 けっかく 性 せい 静脈 じょうみゃく 炎 えん
亜 あ 急性 きゅうせい に発症 はっしょう し、発熱 はつねつ や倦怠 けんたい 感 かん といった前駆症状 ぜんくしょうじょう を伴 ともな うことがあるが多 おお くは無 む 症状 しょうじょう で四肢 しし に皮下 ひか 硬 かた 結 ゆい を生 しょう じる。自覚 じかく 症状 しょうじょう はない。
なお、かつては顔面 がんめん 播種 はしゅ 状 じょう 粟粒 あわつぶ 性 せい 狼 おおかみ 瘡 かさ も結核 けっかく 疹として加 くわ えられていた。結核 けっかく の特徴 とくちょう である乾酪 かんらく 壊死 えし を組織 そしき 所見 しょけん で確認 かくにん できるためであったが、結核 けっかく の合併 がっぺい が少 すく ないこと、ツベルクリン反応 はんのう 陰性 いんせい 例 れい が多 おお いこと、さらに結核 けっかく が減少 げんしょう しているにもかかわらずこの疾患 しっかん は増加 ぞうか していることなどから、現在 げんざい は肉芽 にくが 腫 しゅ や痤瘡 に近 ちか い疾患 しっかん の位置 いち づけになっている。酒 さけ さ様 よう 結核 けっかく 疹 も同様 どうよう の理由 りゆう で除外 じょがい されている。バザン硬 かた 結 むすぶ 性 せい 紅 べに 斑 むら では非 ひ 結核 けっかく 性 せい の症例 しょうれい も比較的 ひかくてき 多 おお く報告 ほうこく されている。
治療 ちりょう は真性 しんせい 皮膚 ひふ 結核 けっかく ・結核 けっかく 疹とも肺結核 はいけっかく に準 じゅん じた抗 こう 結核 けっかく 剤 ざい による治療 ちりょう が行 おこな われるが、丸山 まるやま ワクチン による治療 ちりょう も行 おこな われる。また尋常 じんじょう 性 せい 狼 おおかみ 瘡 かさ ・皮膚 ひふ 疣 いぼ 状 じょう 結核 けっかく ・バザン硬 かた 結 むすぶ 性 せい 紅 べに 斑 むら では紫外線 しがいせん 照射 しょうしゃ や副腎 ふくじん 皮質 ひしつ ステロイド の局所 きょくしょ 注射 ちゅうしゃ が抗 こう 結核 けっかく 剤 ざい との併用 へいよう で行 おこな われる場合 ばあい もある。抗 こう 結核 けっかく 剤 ざい が無効 むこう の場合 ばあい や皮膚 ひふ 腺 せん 病 びょう では外科 げか 的 てき な治療 ちりょう も行 おこな われる。
BCGのワクチン包装 ほうそう
予防 よぼう 策 さく としてBCGワクチン の接種 せっしゅ があるが、その実施 じっし 状 じょう 況 きょう は国 くに により異 こと なる。ワクチンを接種 せっしゅ するメリットは、小児 しょうに の結核 けっかく 性 せい 髄 ずい 膜 まく 炎 えん と粟粒 あわつぶ 結核 けっかく の頻度 ひんど を有意 ゆうい に減少 げんしょう させることにある(有効 ゆうこう 性 せい 80%)。しかし、成人 せいじん の結核 けっかく 症 しょう を減少 げんしょう させるという根拠 こんきょ はない(有効 ゆうこう 性 せい 50%)。一方 いっぽう デメリットとしては、ツベルクリン反応 はんのう を陽性 ようせい 化 か させてしまうため結核 けっかく の診断 しんだん が遅 おく れることにある。また新生児 しんせいじ へのワクチン接種 せっしゅ は結核 けっかく リスクを増加 ぞうか させるため、よく議論 ぎろん を行 おこな うべきである。
BCGワクチンの接種 せっしゅ は、日本 にっぽん では実施 じっし されている。アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく では行 おこな われていない。ヨーロッパ 諸国 しょこく では行 おこな われている国 くに もあるが、フランス など中止 ちゅうし した国 くに もある。英国 えいこく では10-14歳 さい 小児 しょうに へのルーチン接種 せっしゅ は推奨 すいしょう されなくなった。結核 けっかく 菌 きん の頻度 ひんど が低 ひく い地域 ちいき ではBCGを行 おこな うメリットは低 ひく く、むしろデメリットが大 おお きいと考 かんが えられる。中止 ちゅうし したスウェーデン 、旧 きゅう 東 ひがし ドイツ 、チェコスロバキア などは、中止 ちゅうし 後 ご 小児 しょうに 結核 けっかく が増加 ぞうか した経緯 けいい がある。
かつて日本 にっぽん では、まずツベルクリン反応 はんのう 検査 けんさ を行 おこな い、陰性 いんせい 反応 はんのう が出 で た者 もの のみにBCGワクチンを接種 せっしゅ していたが、2005年 ねん 4月 がつ 1日 にち に結核 けっかく 予防 よぼう 法 ほう が改定 かいてい され、ツベルクリン反応 はんのう 検査 けんさ を行 おこな わずに全員 ぜんいん に接種 せっしゅ する形 かたち になった[33] 。
なお、日本 にっぽん では2007年 ねん (平成 へいせい 19年 ねん )3月 がつ 31日 にち をもって結核 けっかく 予防 よぼう 法 ほう が廃止 はいし され、結核 けっかく については感染 かんせん 症 しょう の予防 よぼう 及 およ び感染 かんせん 症 しょう の患者 かんじゃ に対 たい する医療 いりょう に関 かん する法律 ほうりつ (感染 かんせん 症 しょう 法 ほう )に統合 とうごう され、二 に 類 るい 感染 かんせん 症 しょう に指定 してい し同 どう 法 ほう の適用 てきよう を受 う けることとなるとともに(感染 かんせん 症 しょう 法 ほう 6条 じょう 3項 こう )、BCGワクチンの予防 よぼう 接種 せっしゅ については予防 よぼう 接種 せっしゅ 法 ほう (昭和 しょうわ 23年 ねん 6月 がつ 30日 にち 法律 ほうりつ 第 だい 68号 ごう )に再編 さいへん され定 さだ められることとなった。
医師 いし は肺結核 はいけっかく を診断 しんだん した際 さい は、院内 いんない 感染 かんせん 防止 ぼうし のため病院 びょういん スタッフに対 たい してすみやかに通知 つうち すべきである。また、患者 かんじゃ と同 おな じ家屋 かおく 内 ない で生活 せいかつ する者 もの に対 たい し、スクリーニング(罹患 りかん を疑 うたが われる対象 たいしょう 者 しゃ を選別 せんべつ する措置 そち )を提供 ていきょう すべきである。
紀元前 きげんぜん 1000年 ねん 頃 ころ のエジプト第 だい 21王朝 おうちょう のミイラには、骨 ほね の結核 けっかく である脊椎 せきつい カリエス とみられる遺体 いたい がある。2009年 ねん 末 すえ 、エルサレム で発見 はっけん された1世紀 せいき 前半 ぜんはん の男性 だんせい の骨 ほね から結核 けっかく 菌 きん とらい菌 きん のDNAが発見 はっけん され、イエス・キリスト の時代 じだい のエルサレムの上流 じょうりゅう 階級 かいきゅう では、既 すで に流行 りゅうこう していたことが確認 かくにん された[4] 。
中国 ちゅうごく 前漢 ぜんかん 時代 じだい のミイラ から結核 けっかく にかかった痕跡 こんせき が確認 かくにん されている。2006年 ねん に韓国 かんこく 南部 なんぶ の勒島(ヌクト)の遺跡 いせき から出土 しゅつど した若 わか い女性 じょせい の人骨 じんこつ の脊椎 せきつい 3か所 しょ にカリエス を発見 はっけん した[4] 。
日本 にっぽん では青谷 あおや 上 のぼる 寺地 てらち 遺跡 いせき (鳥取 とっとり 市 し )で出土 しゅつど した弥生 やよい 時代 じだい 後期 こうき の弥生 やよい 人 じん の骨 ほね の中 なか に脊椎 せきつい カリエスとみられるものがあり、朝鮮半島 ちょうせんはんとう の島 しま に埋葬 まいそう されたほぼ同 どう 時期 じき の人骨 じんこつ にも結核 けっかく の痕 あと がある。日本 にっぽん 古 こ 病理 びょうり 学 がく 研究 けんきゅう 会 かい 会長 かいちょう の鈴木 すずき 隆雄 たかお (桜美林大学 おうびりんだいがく 教授 きょうじゅ )は、結核 けっかく は中国 ちゅうごく から朝鮮半島 ちょうせんはんとう に広 ひろ がり、渡来 とらい 人 じん を通 つう じて日本 にっぽん 列島 れっとう に上陸 じょうりく したと推測 すいそく している[35] 。
2019年 ねん 2月 がつ 4日 にち 、鳥取大学 とっとりだいがく の岡崎 おかざき 健治 けんじ らの研究 けんきゅう チームが、中国 ちゅうごく の上海 しゃんはい にある広富 ひろとみ 林 りん 遺跡 いせき で出土 しゅつど した女性 じょせい 人骨 じんこつ から約 やく 5千 せん 年 ねん 前 まえ の結核 けっかく 発症 はっしょう の痕跡 こんせき を発見 はっけん したことを明 あき らかにした。東 ひがし アジアでは最古 さいこ の結核 けっかく 症例 しょうれい という。人骨 じんこつ は埋葬 まいそう された20~30代 だい の女性 じょせい のもので、2010年 ねん に出土 しゅつど した184体 たい の人骨 じんこつ を分析 ぶんせき する過程 かてい で発見 はっけん した[36] 。特徴 とくちょう 的 てき なのは、背骨 せぼね の胸椎 きょうつい と腰椎 ようつい の一部 いちぶ に、脊椎 せきつい カリエスが認 みと められた。結核 けっかく は縄文 じょうもん 時代 じだい の日本 にっぽん 列島 れっとう では未確認 みかくにん で、研究 けんきゅう 者 しゃ は弥生 やよい 時代 じだい に渡来 とらい したと考 かんが えており、今回 こんかい の発見 はっけん は、結核 けっかく はこの地域 ちいき から稲作 いなさく 文化 ぶんか とセットで日本 にっぽん にもたらされた可能 かのう 性 せい を示唆 しさ するという。研究 けんきゅう 内容 ないよう は、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく の学術 がくじゅつ 誌 し 『INternational Journal of Paleopathology』に発表 はっぴょう された[37] 。
集団 しゅうだん 生活 せいかつ が基本 きほん なため集団 しゅうだん 感染 かんせん の危険 きけん が高 たか い軍隊 ぐんたい では流行 りゅうこう で兵力 へいりょく が急激 きゅうげき に減 へ ることから、結核 けっかく には非常 ひじょう に気 き を使 つか っており、軍 ぐん の防疫 ぼうえき 部隊 ぶたい や軍 ぐん 病院 びょういん では独自 どくじ に予防 よぼう 研究 けんきゅう も行 おこな われていた。
徴兵 ちょうへい 検査 けんさ では特 とく に厳重 げんじゅう な胸部 きょうぶ 検査 けんさ をし、さらに陸軍 りくぐん 士官 しかん 学校 がっこう などでは、度々 たびたび ツベルクリン反応 はんのう 検査 けんさ をしたり、寝台 しんだい は頭 あたま と足 あし の向 む きを交互 こうご にしたりするなどして対応 たいおう していた。
肺浸潤 はいしんじゅん や胸膜炎 きょうまくえん など結核 けっかく と関連 かんれん する症状 しょうじょう が見 み つかるといったん丙 へい 種 しゅ 合格 ごうかく として様子 ようす を見 み るため、煙草 たばこ で肺 はい や気管 きかん を傷 いた めて徴兵 ちょうへい を免 まぬか れようとする偽装 ぎそう もあった。山田 やまだ 風 かぜ 太郎 たろう は胸膜炎 きょうまくえん のため丙 へい 種 しゅ 合格 ごうかく となった後 のち 、軍需 ぐんじゅ 工場 こうじょう で働 はたら きながら旧制 きゅうせい 東京 とうきょう 医学 いがく 専門 せんもん 学校 がっこう に合格 ごうかく して医学 いがく 生 せい となり、徴兵 ちょうへい 免除 めんじょ となり戦地 せんち に赴 おもむ くことなく終戦 しゅうせん を迎 むか えた。三島 みしま 由紀夫 ゆきお は日本 にっぽん 軍 ぐん の徴兵 ちょうへい 検査 けんさ には合格 ごうかく したが、招集 しょうしゅう される数日 すうじつ 前 まえ に、母親 ははおや から移 うつ された風邪 かぜ を軍医 ぐんい が結核 けっかく と誤診 ごしん して即日 そくじつ 帰郷 ききょう となった。このように兵 へい の不足 ふそく や兵役 へいえき 逃 のが れ に厳 きび しい国家 こっか でも、呼吸 こきゅう 器 き 系 けい の病気 びょうき が疑 うたが われる者 もの は、安全 あんぜん を考慮 こうりょ して入隊 にゅうたい させないなど、厳重 げんじゅう な水際 みずぎわ 対策 たいさく が行 おこな われていた。しかし検査 けんさ 時 じ に潜伏 せんぷく 期間 きかん だった者 もの から感染 かんせん する事例 じれい が度々 どど 発生 はっせい し、軍 ぐん を悩 なや ませていた。
治療 ちりょう 法 ほう が未 み 発達 はったつ だった時代 じだい には、結核 けっかく が原因 げんいん で早期 そうき に退役 たいえき した者 もの も多 おお い。兵役 へいえき 中 ちゅう に結核 けっかく を発症 はっしょう した場合 ばあい 「軍隊 ぐんたい で結核 けっかく にかかった」などの悪評 あくひょう が広 ひろ がることを防 ふせ ぐため、「肺病 はいびょう 」などの「ぼかした表現 ひょうげん 」を使 つか うことも多 おお かった。
アメリカ軍 ぐん では、結核 けっかく で退役 たいえき した者 もの にも負傷 ふしょう 者 しゃ と同 おな じく軍 ぐん 病院 びょういん の利用 りよう 、大学 だいがく への進学 しんがく 補助 ほじょ 、障害 しょうがい 年金 ねんきん の支給 しきゅう があった。また第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん では、完治 かんじ した者 もの がアメリカ本土 ほんど で勤務 きんむ する軍属 ぐんぞく などとして、徴兵 ちょうへい されることもあった。SF作家 さっか ロバート・A・ハインライン は、1929年 ねん にアナポリス海軍兵学校 かいぐんへいがっこう を卒業 そつぎょう してアメリカ海軍 かいぐん に入隊 にゅうたい したが、結核 けっかく により1934年 ねん に退役 たいえき 。アメリカ軍 ぐん の施設 しせつ で治療 ちりょう を受 う けるも、障害 しょうがい 年金 ねんきん が少 すく ないため困窮 こんきゅう し、職 しょく を転々 てんてん とした。また完 かん 治 なお していたため、1943年 ねん から技術 ぎじゅつ 士官 しかん として海軍 かいぐん に復帰 ふっき している。
死亡 しぼう 率 りつ が高 たか かった頃 ころ は、病名 びょうめい 「結核 けっかく 」はあまりにも直接的 ちょくせつてき で人々 ひとびと の口 くち に出 だ しづらかったため、学名 がくめい の Tuberculosis から、医師 いし は診療 しんりょう 録 ろく に "TB" と略 りゃく した。また、ドイツ語 ご 読 よ みが当 あ たり前 まえ だったため、「テーベー」とい習 いなら わした。ここから出発 しゅっぱつ して一般人 いっぱんじん も「テーベー」と呼 よ ぶことが多 おお かった。
結核 けっかく による死者 ししゃ 数 すう を年齢 ねんれい 調整 ちょうせい した障害 しょうがい 調整 ちょうせい 生命 せいめい 年 ねん のヒートマップ。1日 にち あたり、10万 まん 人 にん あたりを表 あらわ す2004年 ねん のデータ[38] 。 no data
≤ 10
≥ 10–25
≥ 25–50
≥ 50–75
≥ 75–100
≥ 100–250
≥ 250–500
≥ 500–750
≥ 750–1000
≥ 1000–2000
≥ 2000–3000
≥ 3000
結核 けっかく 患者 かんじゃ の分布 ぶんぷ は均一 きんいつ ではなく偏在 へんざい し、多 おお くのアジア やアフリカ の国 くに では約 やく 80%の人 ひと が結核 けっかく の感染 かんせん (=発病 はつびょう ではない)検査 けんさ で陽性 ようせい を示 しめ すが、一方 いっぽう 、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく では5〜10%が陽性 ようせい であるのみである[2] 。アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく で毎年 まいとし 2万 まん 5千 せん 人 にん が新 あら たに発生 はっせい し、その40%が結核 けっかく の流行 りゅうこう 地域 ちいき からの移民 いみん であると推定 すいてい されている[2] 。
世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん (WHO)は2010年 ねん 3月 がつ 18日 にち 、従来 じゅうらい の薬 くすり による治療 ちりょう が極 きわ めて困難 こんなん な「超 ちょう 多 た 剤 ざい 耐 たい 性 せい 」(XDR)結核 けっかく の感染 かんせん が2010年 ねん 3月 がつ 時点 じてん で、世界 せかい 58カ国 かこく で確認 かくにん されたと発表 はっぴょう した。XDR結核 けっかく の感染 かんせん 者 しゃ は推定 すいてい で、年間 ねんかん 2万 まん 5000人 にん に上 のぼ るとした。また、XDRを含 ふく めた、薬 くすり による治療 ちりょう が難 むずか しい「多 た 剤 ざい 耐 たい 性 せい (MDR)結核 けっかく の感染 かんせん 者 しゃ は08年 ねん で年間 ねんかん 44万 まん 人 にん 、死者 ししゃ は15万 まん 人 にん に上 のぼ ったと推計 すいけい した。2013年 ねん のMDR-TB感染 かんせん 者 しゃ 数 すう は48万 まん 人 にん に上 のぼ る[3] 。「薬剤 やくざい 耐 たい 性 せい 」も参照 さんしょう 。
日本 にっぽん では2000年 ねん 以降 いこう も毎年 まいとし 新 あら たに2万 まん 人 にん 程度 ていど が発症 はっしょう し[39] 、2010年 ねん の統計 とうけい では人口 じんこう 10万 まん 人 にん あたり18.2人 ふたり と世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん の「結核 けっかく 中 ちゅう 蔓延 まんえん 国 こく 」に該当 がいとう している[40] 。厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう によると、2016年 ねん は約 やく 1万 まん 8000人 にん が新 あら たに罹患 りかん し(人口 じんこう 10万 まん 人 にん あたり13.9人 にん )、約 やく 1,900人 にん が死亡 しぼう した。厚労省 こうろうしょう は2020年 ねん 東京 とうきょう オリンピック までの「低 てい 蔓延 まんえん 国 こく 」(罹患 りかん 者 しゃ が10万 まん 人 にん あたり10人 にん 以下 いか )移行 いこう を目指 めざ したが、達成 たっせい 出来 でき なかった[13] 。厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう が2022年 ねん 8月 がつ 30日 にち に発表 はっぴょう した2021年 ねん の結核 けっかく 診断 しんだん 患者 かんじゃ 数 すう は1万 まん 1519人 にん で人口 じんこう 10万 まん 人 にん あたりの新規 しんき 患者 かんじゃ 数 すう は9.2人 ふたり で統計 とうけい が残 のこ る1951年 ねん 以降 いこう で初 はじ めて10人 にん を下回 したまわ り、WHO分類 ぶんるい の「低 てい 蔓延 まんえん 国 こく 」となったが、これは欧州 おうしゅう ・北米 ほくべい を含 ふく む主要 しゅよう 先進 せんしん 国 こく (G7 )で最 もっと も遅 おそ い[41] 。
世界 せかい 保健 ほけん 機関 きかん (WHO)では結核 けっかく 患者 かんじゃ が多 おお い国 くに 、多 た 剤 ざい 耐 たい 性 せい 結核 けっかく が多 おお い国 くに 、HIV合併 がっぺい 結核 けっかく が多 おお い国 くに を結核 けっかく 患者 かんじゃ 高 だか 負荷 ふか 国 こく (high burden country)としている[42] [43] 。
学校 がっこう における結核 けっかく 対策 たいさく の一 ひと つとして、結核 けっかく 患者 かんじゃ 高 だか 負荷 ふか 国 こく の中 なか で最 もっと も罹患 りかん 率 りつ (人口 じんこう 10万 まん 対 つい )が低 ひく い国 くに (2016年 ねん 時点 じてん はブラジル:罹患 りかん 率 りつ 42)を基準 きじゅん に、それ以上 いじょう に推定 すいてい 罹患 りかん 率 りつ が高 たか い国 くに を結核 けっかく 高 だか 蔓延 まんえん 国 こく (結核 けっかく 高 だか まん延 えん 国 こく )として扱 あつか っている[42] [43] 。
日本 にっぽん は湿気 しっけ が多 おお く、結核 けっかく になりやすい気候 きこう 条件 じょうけん である。第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 前後 ぜんご は衛生 えいせい ・栄養 えいよう 面 めん で劣悪 れつあく だったことも、感染 かんせん に拍車 はくしゃ をかけていた。
前述 ぜんじゅつ のように2021年 ねん 時点 じてん で「低 てい 蔓延 まんえん 国 こく 」になったが、高齢 こうれい 化 か により患者 かんじゃ 数 すう が再 ふたた び増加 ぞうか に転 てん じる恐 おそ れもあり、厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう や結核 けっかく 予防 よぼう 会 かい が結核 けっかく 予防 よぼう の啓発 けいはつ 活動 かつどう を進 すす めている。日本 にっぽん での結核 けっかく 感染 かんせん 率 りつ ・発病 はつびょう 率 りつ ・死亡 しぼう 率 りつ の著 いちじる しい減少 げんしょう の結果 けっか 、結核 けっかく の危険 きけん 性 せい に対 たい する国民 こくみん の関心 かんしん が低下 ていか しているので[44] 、厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう は「結核 けっかく は過去 かこ の病気 びょうき ではない 」というスローガン で、大阪 おおさか 府 ふ も「結核 けっかく は過去 かこ の病気 びょうき でも老人 ろうじん の病気 びょうき でもない 」と注意 ちゅうい を喚起 かんき している。日本 にっぽん での2010年 ねん の新規 しんき 登録 とうろく 患者 かんじゃ 数 すう は23,261人 にん 、罹患 りかん 率 りつ は人口 じんこう 10万 まん 人 にん 対 たい 18.2、結核 けっかく 死亡 しぼう 者 しゃ 数 すう は2,100人 にん であった[45] 。患者 かんじゃ のうち高齢 こうれい 者 しゃ の占 し める割合 わりあい が高 たか く、70歳 さい 以上 いじょう は51.2%、80歳 さい 以上 いじょう は29.7%であった。結核 けっかく は公費 こうひ 負担 ふたん 医療 いりょう の対象 たいしょう である。
2009年 ねん (平成 へいせい 21年 ねん )3月18日 にち 、当時 とうじ の天皇 てんのう (明仁 あきひと ) が第 だい 60回 かい 結核 けっかく 予防 よぼう 全国 ぜんこく 大会 たいかい において「青年 せいねん 期 き に結核 けっかく を患 わずら い、特効薬 とっこうやく によって一命 いちめい を取 と り留 と めた」ことを述 の べた[46] 。
その約 やく 半月 はんつき 後 ご 、芸能人 げいのうじん における発症 はっしょう 例 れい (ハリセンボン :箕輪 みのわ はるか の発症 はっしょう 以来 いらい 、数 すう か月 げつ 経過 けいか での精密 せいみつ 検査 けんさ 結果 けっか )があり、法律 ほうりつ に基 もと づいて隔離 かくり 入院 にゅういん となったことが報 ほう じられた。またその際 さい 、本人 ほんにん が結核 けっかく に気付 きづ かず、多 おお くの者 もの に結核 けっかく 菌 きん を感染 かんせん させた可能 かのう 性 せい があるとして、芸能 げいのう 事務所 じむしょ が注意 ちゅうい 喚起 かんき したのはもちろんのこと、各区 かっく 保健所 ほけんじょ のレベルでは対応 たいおう が難 むずか しいとして、東京 とうきょう 都 と 福祉 ふくし 保健 ほけん 局 きょく が専用 せんよう 窓口 まどぐち を設 もう けて、対応 たいおう に追 お われる事態 じたい となった[47] 。
2011年 ねん 3月2日 にち 、タレントのJOY が東京 とうきょう 都 と 内 うち の病院 びょういん での精密 せいみつ 検査 けんさ で、肺結核 はいけっかく 感染 かんせん の疑 うたが いが出 で たため入院 にゅういん 、居住 きょじゅう 地 ち である渋谷 しぶや 区 く 保健所 ほけんじょ も調査 ちょうさ を行 おこな った。療養 りょうよう のため活動 かつどう 休止 きゅうし していたが、6月13日 にち に退院 たいいん 。この闘病 とうびょう 経験 けいけん から「ストップ結核 けっかく パートナーシップ日本 にっぽん 」の大使 たいし に任命 にんめい されている[48] 。
2012年 ねん 7月 がつ 9日 にち に、東京 とうきょう 青梅 おうめ 病院 びょういん で78人 にん が肺結核 はいけっかく に感染 かんせん 、10人 にん が発病 はつびょう 、3人 にん が死亡 しぼう したと東京 とうきょう 都 と が発表 はっぴょう した。
結核 けっかく は人 ひと 獣 じゅう 共通 きょうつう 感染 かんせん 症 しょう としても知 し られている。ウシ型 がた 結核 けっかく 菌 きん はウシ (牛 うし )、シカ (鹿 しか )、ヤギ (山羊 やぎ )、スイギュウ (水牛 すいぎゅう )などにも感染 かんせん し、特 とく に牛 うし と鹿 しか は感受性 かんじゅせい が高 たか いとされる[49] 。ウシ型 がた 結核 けっかく 菌 きん はヒト型 がた 結核 けっかく 菌 きん とは区別 くべつ されるが、病 やまい 畜との接触 せっしょく または汚染 おせん 物 ぶつ を介 かい して人 ひと にも感染 かんせん することがある[49] 。
ウシ型 がた 結核 けっかく 菌 きん の人 ひと への感染 かんせん は、欧米 おうべい 諸国 しょこく では結核 けっかく 患者 かんじゃ の1.2%と報告 ほうこく されているが、日本 にっぽん では人 ひと へのウシ型 がた 菌 きん 感染 かんせん 例 れい はほとんどない[49] 。厚生 こうせい 労働省 ろうどうしょう 検疫 けんえき 所 しょ 、オーストリア保健 ほけん ・食品 しょくひん 安全 あんぜん 局 きょく (AGES)では、十分 じゅうぶん な殺菌 さっきん がなされていない乳製品 にゅうせいひん で、ヒトが結核 けっかく に感染 かんせん する可能 かのう 性 せい があるとしている[50] [51] 。
ウシ型 がた 結核 けっかく 菌 きん の主 おも な感染 かんせん 経路 けいろ は経 けい 気道 きどう 感染 かんせん で、初期 しょき には肺 はい および周辺 しゅうへん リンパ節 ぶし に限局 げんきょく した結核 けっかく 巣 す が現 あらわ れる[49] 。感染 かんせん が全身 ぜんしん に進行 しんこう すると肋膜 ろくまく や胸膜 きょうまく に真珠 しんじゅ のような結核 けっかく 結節 けっせつ が密 みつ 発 はっ するため「真珠 しんじゅ 病 びょう 」とも呼 よ ばれている[49] 。さらに進行 しんこう すると呼吸 こきゅう 器 き 症状 しょうじょう が現 あらわ れ、全身 ぜんしん 状態 じょうたい が悪化 あっか して死 し に至 いた ることもある[49] 。日本 にっぽん では家畜 かちく 伝染 でんせん 病 びょう 予防 よぼう 法 ほう において法定 ほうてい 伝染 でんせん 病 びょう に指定 してい されている(対象 たいしょう は牛 うし 、水牛 すいぎゅう 、鹿 しか 、山羊 やぎ )[49] 。2009年 ねん 10月 がつ 、池田 いけだ 市立 しりつ 五 ご 月 がつ 山 やま 動物 どうぶつ 園 えん のニホンジカ が結核 けっかく で死亡 しぼう し、臨時 りんじ 休園 きゅうえん に追 お い込 こ まれた。
結核 けっかく 、特 とく に肺結核 はいけっかく は労咳 ろうがい と呼 よ ばれ、古 ふる くから日本 にっぽん に多 おお く見 み られる病気 びょうき の一 ひと つであった。平安 へいあん 時代 じだい 、清少納言 せいしょうなごん は『枕草子 まくらのそうし 』のなかで「胸 むね の病 やまい 」について書 か きしており、紫式部 むらさきしきぶ の『源氏物語 げんじものがたり 』でも紫 むらさき の上 じょう が胸 むね の病 やまい を患 わずら い、光源氏 ひかるげんじ が悲 かな しむさまが描 えが かれているが、これが結核 けっかく であるかはわからない。
明治 めいじ 期 き には国民 こくみん 病 びょう といわれるまでに罹患 りかん 者 しゃ の多 おお い疾病 しっぺい であったため、近代 きんだい 以降 いこう の文化 ぶんか 史 し に強 つよ い影響 えいきょう を与 あた えている。抗生 こうせい 物質 ぶっしつ のなかった当時 とうじ は、治療 ちりょう としては、栄養 えいよう のあるものを食 た べて、働 はたら かずに静養 せいよう し、自然 しぜん 治癒 ちゆ を期待 きたい するくらいしかなかった。このため、逆説 ぎゃくせつ 的 てき に"贅沢 ぜいたく 病 びょう "と呼 よ ばれることもあった。しかし、当時 とうじ の一般 いっぱん の人々 ひとびと にとっては、このような事 こと は事実 じじつ 上 じょう 不可能 ふかのう であり、そのため結核 けっかく はほとんど打 う つ手 て のない死病 しびょう 同然 どうぜん に受 う け止 と められており、実際 じっさい にこの病 やまい によって若 わか くして命 いのち を落 お とす人 ひと が少 すく なくなかった。戦前 せんぜん は生活 せいかつ 水準 すいじゅん の低 ひく さから来 く る栄養 えいよう 状態 じょうたい ・社会 しゃかい 全般 ぜんぱん の衛生 えいせい 水準 すいじゅん の低 ひく さ、とくに徴兵 ちょうへい 制 せい の施行 しこう や都市 とし 化 か ・工業 こうぎょう 化 か の進展 しんてん とともに職 しょく 住環境 じゅうかんきょう の密集 みっしゅう 化 か が進 すす み、感染 かんせん 者 しゃ 数 すう とそれによる死者 ししゃ 数 すう の増加 ぞうか により、亡国 ぼうこく 病 びょう とまで呼 よ ばれた[52] 。1945年 ねん フランク・キャプラによって兵士 へいし 教育 きょういく のために作 つく られた『汝 なんじ の敵 てき 日本 にっぽん を知 し れ』では、当時 とうじ の日本 にっぽん の生活 せいかつ 水準 すいじゅん を世界 せかい でも最低 さいてい レベルとし、40歳 さい になるまでに結核 けっかく で死 し ぬことも多 おお いと述 の べている。当然 とうぜん 、その対策 たいさく も重要 じゅうよう な政策 せいさく 課題 かだい で、日本 にっぽん では、結核 けっかく 予防 よぼう を目的 もくてき としたBCG接種 せっしゅ が1929年 ねん 頃 ごろ から試験 しけん 的 てき に始 はじ まり、戦後 せんご に義務 ぎむ 化 か された[53] 。義務 ぎむ 化 か による学校 がっこう での強制 きょうせい 接種 せっしゅ がスムーズに受 う け入 い れられたのも、一 ひと つには、死病 しびょう との恐怖 きょうふ 心 しん があったからとも考 かんが えられる。
結核 けっかく 患者 かんじゃ は熱 ねつ のため頬 ほお が赤 あか く、目 め が大 おお きくうるみ、痩 や せて肌 はだ は白 しろ くなるため、悲劇 ひげき 性 せい や運命 うんめい の非情 ひじょう さ、世 よ の無常 むじょう 、あるいは悲壮 ひそう さを伴 ともな う美的 びてき 感覚 かんかく を感 かん じさせる。また喀血 かっけつ 症状 しょうじょう が古 ふる くからの「血 ち を吐 は くまで(恋 こい や悩 なや みに)苦 くる しむ」というい回 いまわ しに重 かさ ね合 あ わされて捉 とら えられたことなどから、小説 しょうせつ や映画 えいが の中 なか では薄倖 はっこう の才子 さいし 佳人 かじん の病気 びょうき として描 えが かれることが多 おお かった。時代 じだい 劇 げき においては、用心棒 ようじんぼう などを務 つと める剣豪 けんごう に、死期 しき を悟 さと った凄 すご みをまとわせる演出 えんしゅつ 上 じょう の設定 せってい としても使 つか われた。一方 いっぽう で、「子供 こども の頃 ころ に結核 けっかく 患者 かんじゃ の出 で た家 いえ の前 まえ を通 とお るときは、感染 かんせん するのが怖 こわ くて、息 いき を止 と めて急 いそ いで走 はし り抜 ぬ けた」という思 おも い出 で を語 かた る人 ひと もいて、実際 じっさい の生活 せいかつ 局面 きょくめん では、とてもロマンチックなものではなかったようである。
また、大昔 おおむかし は結核 けっかく 患者 かんじゃ がよく出 で る家系 かけい のことを労咳 ろうがい 筋 すじ と差別 さべつ 的 てき な意味合 いみあ いで呼 よ ばれ忌 い み嫌 きら われたりもしたこともあった。江戸 えど 時代 じだい においても、遺伝 いでん 的 てき な病 やまい ではないかと考 かんが える向 む きもあった。近代 きんだい に入 はい っても、結局 けっきょく 、栄養 えいよう 状態 じょうたい の悪 わる かった当時 とうじ は人々 ひとびと の抵抗 ていこう 力 りょく も弱 よわ いため、感染 かんせん による罹患 りかん 率 りつ も高 たか く、また事実 じじつ 上 じょう の死病 しびょう と怖 こわ れられる病気 びょうき であったため、ひとたび発症 はっしょう すると看病 かんびょう してくれる人間 にんげん が家族 かぞく くらいしかなく、看病 かんびょう する人間 にんげん もまた次々 つぎつぎ と感染 かんせん していくといったふうに、いったん患者 かんじゃ が出 で た家 いえ は次々 つぎつぎ と患者 かんじゃ が続 つづ く傾向 けいこう があり、そのため結核 けっかく 筋 すじ (けっかくすじ)と呼 よ ばれて周囲 しゅうい から避 さ けられ、就職 しゅうしょく や結婚 けっこん に差支 さしつか えが生 しょう じるケースも多 おお かった。結核 けっかく 筋 すじ という言葉 ことば 自体 じたい は、第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 前 まえ に子供 こども であった人 ひと で知 し っている人 ひと がいるため、戦後 せんご に治療 ちりょう 薬 やく のペニシリンが普及 ふきゅう する頃 ころ まで存在 そんざい していたと思 おも われる。
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結核 けっかく に
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一類 いちるい 感染 かんせん 症 しょう 二 に 類 るい 感染 かんせん 症 しょう 三 さん 類 るい 感染 かんせん 症 しょう 四 よん 類 るい 感染 かんせん 症 しょう 五 ご 類 るい 感染 かんせん 症 しょう 新型 しんがた インフルエンザ等 とう 感染 かんせん 症 しょう
家畜 かちく 伝染 でんせん 病 びょう
言葉 ことば 組織 そしき ・施設 しせつ 等 とう 協定 きょうてい ・法律 ほうりつ 等 とう
複数 ふくすう 種 しゅ ウシ ヒツジ 、ヤギ ウマ ブタ トリ ウサギ ハチ 魚類 ぎょるい 軟体動物 なんたいどうぶつ
Bonamia ostreae感染 かんせん 症 しょう - Bonamia exitiosus感染 かんせん 症 しょう - Marteilia refringens感染 かんせん 症 しょう - Mikrocytos roughleyi感染 かんせん 症 しょう - Perkinsus marinus感染 かんせん 症 しょう - Perkinsus olseni感染 かんせん 症 しょう - Xenohaliotis californiensis感染 かんせん 症 しょう
甲殻 こうかく 類 るい
タウラ症候群 しょうこうぐん - 白 しろ 点 てん 病 びょう - イエローヘッド病 びょう - バキュロウイルス・ペナエイによる感染 かんせん 症 しょう - モノドン型 がた バキュロウイルスによる感染 かんせん 症 しょう - 伝染 でんせん 性 せい 皮下 ひか 造血 ぞうけつ 器 き 壊死 えし 症 しょう - ザリガニ病 びょう
その他 た