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急性灰白髄炎 - Wikipedia コンテンツにスキップ

急性きゅうせいはいしろずいえん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
急性きゅうせいはいしろずいえん
ポリオによって右足みぎあし萎縮いしゅくしている男性だんせい
概要がいよう
診療しんりょう 感染かんせんしょうない科学かがく, 神経しんけいがく, 整形せいけい外科げかがく
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 A80, B91
ICD-9-CM 045, 138
DiseasesDB 10209
MedlinePlus 001402
eMedicine ped/1843 pmr/6

急性きゅうせいはいしろずいえん(きゅうせいかいはくずいえん、poliomyelitis)は、ポリオ (Polio) ともばれる、ピコルナウイルスエンテロウイルスぞくポリオウイルスによるウイルスせい感染かんせんしょう。ポリオは、Poliomyelitis(ポリオマイアライティス)の省略形しょうりゃくけい。ポリオウイルスが原因げんいんで、脊髄せきずいはいしろしつとく脊髄せきずいぜんかく)が炎症えんしょうこす。症例しょうれいやく75%は症候しょうこうせいである。 発生はっせいする可能かのうせいのある軽度けいど症状しょうじょうには、のどいたみや発熱はつねつふくまれる。 症例しょうれい割合わりあいで、頭痛ずつうくびのこわばり、感覚かんかく異常いじょうなどのよりおもあつ症状しょうじょう発症はっしょうする。これらの症状しょうじょう通常つうじょう1〜2週間しゅうかん以内いない回復かいふくする。一般いっぱんてきでない症状しょうじょうは、永久えいきゅうてき麻痺まひであり、極端きょくたん場合ばあいには死亡しぼうする可能かのうせいがある。 回復かいふくからすうねん、ポリオ症候群しょうこうぐん発生はっせいする可能かのうせいがあり、最初さいしょ感染かんせんひとっていたものと同様どうよう筋肉きんにく衰弱すいじゃく発達はったつおそい。はじめのすう日間にちかん胃腸いちょうえんのような症状しょうじょうあらわれ、その1パーセント以下いかかくりつで、ウイルスに関連かんれんした左右さゆう非対称ひたいしょうせい弛緩しかんせい麻痺まひ下肢かしおおい)をていする病気びょうきである。

日本にっぽんでは、感染かんせんしょう予防よぼうおよ感染かんせんしょう患者かんじゃたいする医療いりょうかんする法律ほうりつで、2るい感染かんせんしょう分類ぶんるいされている[1]

徴候ちょうこう症状しょうじょう

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ポリオウイルス感染かんせん症状しょうじょう
症状しょうじょう 症例しょうれい比率ひりつ[2]
症状しょうじょう 72%
軽微けいび症状しょうじょう 24%
麻痺まひがた

無菌むきんせいずいまくえん

1–5%
麻痺まひがた急性きゅうせいはいしろずいえん 0.1–0.5%
脊髄せきずいポリオ 麻痺まひがた症例しょうれいの79%
延髄えんずい脊髄せきずいポリオ 麻痺まひがた症例しょうれいの19%
延髄えんずいポリオ 麻痺まひがた症例しょうれいの2%

急性きゅうせいはいしろずいえん」のはポリオウイルスの3つの血清けっせいがた、いずれの血清けっせいがた起因きいんする感染かんせんしょうたいしても使用しようされる。ポリオ感染かんせん症状しょうじょうおおきく2つに分類ぶんるいできる。1つが不全ふぜんがたポリオともばれる中枢ちゅうすう神経しんけいけい(CNS)がかかわらない軽微けいび症状しょうじょう、もう1つがCNSのかかわるじゅうあつし症状しょうじょうであり、後者こうしゃ麻痺まひともな場合ばあいともなわない場合ばあいがある[3]正常せいじょう免疫めんえきけいったヒトではポリオウイルスの感染かんせんはそのやく90 - 95%があらわせいである[4]まれにポリオウイルスの感染かんせん上部じょうぶ気道きどう感染かんせんしょう咽頭いんとうつう発熱はつねつなど)、消化しょうか障害しょうがい嘔吐おうと腹痛はらいた便秘べんぴまれ下痢げり)、感冒かんぼうよう症状しょうじょうなどの軽微けいび症状しょうじょうこす[2]

ウイルスが中枢ちゅうすう神経しんけいけい進入しんにゅうするのは感染かんせんしゃないの1%程度ていどである。CNSの感染かんせんともな場合ばあいおおくの患者かんじゃ頭痛ずつうくびつう背部はいぶつう腹痛はらいた末端まったんつう発熱はつねつ嘔吐おうと脱力だつりょく神経しんけい過敏かびん(irritability)をともな麻痺まひがたずいまくえん発展はってんする[5][6]。1000にん感染かんせんしゃうち、1から5にん麻痺まひがた疾患しっかんへと進行しんこう[4]筋力きんりょく低下ていか自立じりつ困難こんなんになり、最終さいしゅうてき急性きゅうせい弛緩しかんせい麻痺まひとしてられる完全かんぜん麻痺まひ状態じょうたいおちい[7]麻痺まひ部位ぶいおうじ、麻痺まひがたのポリオは脊髄せきずいがた延髄えんずいかたたま麻痺まひがた)、延髄えんずい脊髄せきずいがたたま麻痺まひ脊髄せきずい麻痺まひがた)に分類ぶんるいされる。のう自体じたい感染かんせんおよ脳炎のうえんまれであり、かつ基本きほんてき新生児しんせいじ限定げんていされる。脳炎のうえんにおいては錯乱さくらん精神せいしん状態じょうたい変化へんか頭痛ずつう発熱はつねつ、そしてまれ発作ほっさ痙性麻痺まひしょうじる[8]

病原びょうげんたい

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ポリオウイルスの透過とうかがた電子でんし顕微鏡けんびきょうぞう

急性きゅうせいはいしろずいえんポリオウイルスとしてられるエンテロウイルスぞくのウイルスの感染かんせんによってしょうじる。このぞくRNAウイルス消化しょうかけい増殖ぞうしょく[9]とく咽頭いんとう小腸しょうちょう感染かんせんとする。初期しょき徴候ちょうこう症状しょうじょうまでの潜伏期せんぷくきは3にちから35にちまでのはばをとるが、一般いっぱんてきには6にちから20日はつかあいだとなる[2]。ポリオウイルスはヒトのみに感染かんせんし、疾患しっかんこす病原びょうげんたいである[10]構造こうぞうきわめて単純たんじゅんで、一本いっぽんくさりの (+) くさりRNAゲノムとそれをつつタンパク質たんぱくしつからカプシドのみによって構成こうせいされる[10]。カプシドはポリオウイルスの遺伝いでん物質ぶっしつ保護ほごするだけでなく、ポリオウイルスを特定とくてい細胞さいぼう感染かんせんさせることもできる。これまでに3つの血清けっせいがた同定どうていされてきた。それぞれ1がた、2がた、3がた命名めいめいされ、それぞれわずかにカプシドタンパクしつちがいがある[11]。3つの血清けっせいがたすべてがきわめて病原びょうげんせいたかく、同一どういつ症状しょうじょうこす[10]。1がたもっと感染かんせん頻度ひんどたかかたで、麻痺まひとの関連かんれんせいもっとつよ[12]

症状しょうじょうるかどうか[13]自然しぜん感染かんせんかポリオワクチンによる予防よぼう接種せっしゅかどうかをわず、ポリオウイルスの曝露ばくろけたヒトは免疫めんえき獲得かくとくする。免疫めんえきつヒトの体内たいないにはひらたもも消化しょうかけいにポリオウイルスにたいするIgA存在そんざいし、ウイルスの増殖ぞうしょくふせぐ。また、ポリオウイルスにたいするIgGIgMはウイルスが中枢ちゅうすう神経しんけいけい運動うんどうニューロン進入しんにゅうするのをふせ[14]。ある血清けっせいがたたいする自然しぜん感染かんせんないしワクチンは血清けっせいがたたいする免疫めんえき誘導ゆうどうしないため、完全かんぜん防御ぼうぎょにはかく血清けっせいがた曝露ばくろ必要ひつようとする[14]

まれにポリオウイルス以外いがいエンテロウイルス感染かんせんすることでポリオウイルスさま症状しょうじょうこすこともある[15][16]

感染かんせん経路けいろ

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急性きゅうせいはいしろずいえんくそこう経路けいろ腸管ちょうかん感染かんせんげん)ないし口口くちぐち経路けいろ口腔こうくう咽頭いんとう感染かんせんげん)によって感染かんせんし、いずれの経路けいろ感染かんせんせいたか[14]流行りゅうこう地域ちいきではほぼすべてのヒトに野生やせいがたポリオウイルスが感染かんせんする[17]温帯おんたい気候きこうにおいてはぶしせい流行りゅうこうし、なつからあきにかけて新規しんき感染かんせん増加ぞうかする[14]一方いっぽう熱帯ねったい地域ちいきではこの流行りゅうこうぶしせいはほとんど不明瞭ふめいりょうとなる[17]潜伏期せんぷくき(incubation period)としてられる曝露ばくろから初期しょき症状しょうじょうまでの期間きかんは、通常つうじょう6にちから20日はつかで、最短さいたんで3にち最長さいちょうでは35日間にちかんとなる[18]。ウイルス粒子りゅうし初期しょき感染かんせんのちすう週間しゅうかんにわたって糞便ふんべんなか排泄はいせつされる[18]。ポリオは基本きほんてきには汚染おせんされたものみず摂取せっしゅによるくそこう経路けいろ伝播でんぱする。一方いっぽう偶発ぐうはつてき口口くちぐち経路けいろによって伝播でんぱすることもあり[12]とく公衆こうしゅう衛生えいせい整備せいびされた衛生えいせいてき地域ちいきによって観察かんさつされる[14]。ポリオの感染かんせんせい発症はっしょう前後ぜんご7から10日とおかあいだもっとたかくなるが、唾液だえき糞便ふんべんちゅうにウイルスが存在そんざいしているかぎ感染かんせん可能かのうせいがある[12]

ポリオの感染かんせんじゅうあつし危険きけんせいたかくする因子いんしとして、免疫めんえき不全ふぜん[19]栄養失調えいようしっちょう[20]麻痺まひ発症はっしょう直後ちょくご物理ぶつりてき運動うんどう[21]ワクチン治療ちりょうやく接種せっしゅによるすじ骨格こっかくけい損傷そんしょう[22]妊娠にんしん[23]がある。妊娠にんしんにウイルスは血液けつえき胎盤たいばん関門かんもん通過つうかできるが[よう出典しゅってん]胎児たいじ母体ぼたい感染かんせんにも[よう出典しゅってん]ポリオワクチン接種せっしゅにも影響えいきょうけないようである[24]母体ぼたい抗体こうたいもまた胎盤たいばん通過つうかし、新生児しんせいじ生後せいご2~3ヶ月かげつわたりポリオ感染かんせんから保護ほごする受動じゅどう免疫めんえきあたえる[25]

病態びょうたい生理せいり

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ポリオにより閉塞へいそくした腰部ようぶぜん脊髄せきずい動脈どうみゃく

ポリオウイルスはくちから体内たいない侵入しんにゅうし、最初さいしょ咽頭いんとう小腸しょうちょう粘膜ねんまく細胞さいぼう感染かんせんする。細胞さいぼうへの感染かんせんにおいては細胞さいぼう表面ひょうめん発現はつげんし、ポリオウイルス受容じゅようたいとしてもられる免疫めんえきグロブリンよう受容じゅようたいCD155分子ぶんし結合けつごうすることで細胞さいぼうない進入しんにゅうする[26]細胞さいぼうない侵入しんにゅうしたウイルスは宿主しゅくしゅ細胞さいぼうセントラルドグマり、複製ふくせい開始かいしする。ポリオウイルスはおよそ1週間しゅうかん消化しょうかけい細胞さいぼうない増殖ぞうしょくし、そこからさらにひらたももとくひらたももはい中心ちゅうしんにいる、濾胞じゅじょう細胞さいぼう)、パイエルばんM細胞さいぼうふく腸管ちょうかんリンパ組織そしき、および頸部ないしちょうあいだまくリンパぶしへと感染かんせんひろげ、その十分じゅうぶん増殖ぞうしょくかさねる。そしてウイルスはさらにりゅうへと進入しんにゅうする[27]

ウイルスしょうとしてられるりゅうへのウイルスの拡散かくさんにより、ポリオウイルスは全身ぜんしん拡散かくさんする。ポリオウイルスはちゅうおよびリンパえきちゅう長期間ちょうきかん生存せいぞん増殖ぞうしょく可能かのうで、17週間しゅうかんにわたり循環じゅんかんすることがある[28]少数しょうすう症例しょうれいにおいてはウイルスが褐色かっしょく脂肪しぼうほそもう内皮ないひけいすじなどのほか組織そしきでも増殖ぞうしょくする[29]。この持続じぞくてきなウイルスの増殖ぞうしょく重度じゅうどのウイルスしょうまねき、軽微けいび感冒かんぼうさま症状しょうじょう発展はってんにつながる。まれにこれがさらに進行しんこうし、ウイルスが中枢ちゅうすう神経しんけいけい侵入しんにゅう局所きょくしょてき炎症えんしょう反応はんのうさそえおこりする。中枢ちゅうすう神経しんけいけいにウイルスが侵入しんにゅうしてもなお、おおくの症例しょうれいではのうつつ層状そうじょう組織そしきずいまく炎症えんしょう限局げんきょくし、これは麻痺まひがた無菌むきんせいずいまくえんばれる[5]。CNSへの感染かんせんがウイルスにあたえる利点りてんいとかんがえられており、CNSへの感染かんせん通常つうじょう消化しょうか感染かんせんから事故じこてきしょうじるようである[30]。ウイルスがCNSへとひろがる方法ほうほうはほとんど理解りかいされていないが、基本きほんてきには偶発ぐうはつてきであるようで、感染かんせんしゃ年齢ねんれいせい社会しゃかい経済けいざいがくてき地位ちいはCNSへの移行いこう有無うむにはほとんど影響えいきょうしない[30]

麻痺まひがたポリオ

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ポリオウイルス感染かんせん続発ぞくはつする骨格こっかくすじ組織そしき神経しんけい細胞さいぼう破壊はかい麻痺まひ原因げんいんとなる。

感染かんせんしゃのおよそ1%でポリオウイルスは特定とくてい神経しんけい線維せんいにそって感染かんせんひろげ、脊髄せきずい脳幹のうかん運動うんどう皮質ひしつ運動うんどうニューロンこのんで細胞さいぼうないにおいて増殖ぞうしょく、これを破壊はかいする。これが麻痺まひがた急性きゅうせいはいしろずいえん形成けいせいにつながる。麻痺まひがたのポリオの様々さまざま臨床りんしょうがた脊髄せきずいがた延髄えんずいがた延髄えんずい脊髄せきずいがた)は神経しんけいける損傷そんしょうおおきさと炎症えんしょうきる部位ぶい影響えいきょうけるCNSの部位ぶいことなるだけで本質ほんしつてきには同一どういつである。

神経しんけい細胞さいぼう破壊はかいこう神経しんけいぶしうち病変びょうへん形成けいせいする。同様どうよう病変びょうへんあみさまたい前庭ぜんてい神経しんけいかく小脳しょうのうむし深部しんぶ小脳しょうのうかくにも形成けいせいされうる[30]麻痺まひ関連かんれんした破壊はかいてき変化へんかははほかにもぜんのう領域りょういきとく視床ししょう下部かぶ視床ししょう発生はっせいする[30]。ポリオウイルスが麻痺まひこす分子ぶんし機構きこうはほとんど理解りかいされていない。

早期そうき麻痺まひがたポリオの症状しょうじょう高熱こうねつ頭痛ずつう背部はいぶくびのこわばり、様々さまざま部位ぶいにおける非対称ひたいしょうせい筋力きんりょく低下ていか接触せっしょくへの過敏かびん嚥下えんか困難こんなん筋肉きんにくつうおもてざい反射はんしゃ深部しんぶ反射はんしゃ消失しょうしつしび神経しんけい過敏かびん便秘べんぴ排尿はいにょう困難こんなんなどである。麻痺まひへは通常つうじょう発症はっしょうの1にちから10にち進行しんこうし、2にちから3にち継続けいぞく発熱はつねつおさまるとそれ以上いじょう進行しんこうしない[31]

麻痺まひがたポリオ発症はっしょう期待きたい年齢ねんれいとも増加ぞうかし、麻痺まひ範囲はんい同様どうようである。小児しょうににおいてはCNSに感染かんせんした症例しょうれいでも麻痺まひがたずいまくえん帰結きけつすることがほとんどであり、麻痺まひは1000けんたりでわずか1けんにおいてのみ発生はっせいする。一方いっぽう成人せいじん場合ばあい麻痺まひがたは75けんたり1けん頻度ひんど発生はっせいする[32]。5さい以下いかでは片方かたがたあし麻痺まひもっとおおい。しかし、成人せいじんでは胸部きょうぶおよび腹部ふくぶおか広範こうはん麻痺まひ四肢ししにも影響えいきょうする(頸髄損傷そんしょうことがよりおおくなる[33]麻痺まひがた頻度ひんど感染かんせんしたポリオウイルスの血清けっせいがたによっても変化へんかし、一番いちばんたかい1がたでは1/200、一番いちばんひくい2がたでは1/2000の頻度ひんどでそれぞれ麻痺まひしょうじる[34]

脊髄せきずいポリオ

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脊髄せきずいぜんかくにおける運動うんどうニューロン位置いち

脊髄せきずいポリオは麻痺まひがたポリオで一番いちばんおおかたで、ぜんかく、すなわち脊柱せきちゅうはらがわにあるはいしろしつ運動うんどうニューロンにウイルスが侵入しんにゅうした結果けっかとしてしょうじ、この運動うんどうニューロンはどう四肢しし肋間ろっかん筋肉きんにくふくむ、筋肉きんにく運動うんどう支配しはいする[7]。ウイルスの侵入しんにゅう神経しんけい炎症えんしょうしょうじ、運動うんどうニューロンの神経しんけいぶし損傷そんしょう破壊はかいつながる。脊髄せきずい神経しんけい細胞さいぼうぬと、ワーラー変性へんせい発生はっせいんだ神経しんけい細胞さいぼう元々もともと支配しはいしていた筋肉きんにくよわってしまう[35]神経しんけい細胞さいぼう破壊はかいによって支配しはいすじのう脊髄せきずいからの信号しんごうれなくなり、神経しんけい刺激しげきらなくなったすじ萎縮いしゅくよわった筋肉きんにく制御せいぎょ困難こんなんになって最終さいしゅうてき完全かんぜん麻痺まひいた[7]麻痺まひおもあつたび急速きゅうそく最大さいだいたっし(2にちから4にち)、通常つうじょう発熱はつねつ筋肉きんにくつうともなう。深部しんぶけん反射はんしゃにも影響えいきょうはおよび、消失きえうせないし低下ていかする。一方いっぽう麻痺まひした四肢しし感覚かんかく障害しょうがいこることはない[36]

脊髄せきずい麻痺まひ範囲はんい影響えいきょうけた神経しんけい領域りょういき依存いぞんし、頸部胸部きょうぶ腰部ようぶかく領域りょういき影響えいきょうおよ可能かのうせいがある[37]。ウイルスの影響えいきょうからだ両側りょうがわにおよぶこともあるが、おおくの場合ばあい麻痺まひ非対称ひたいしょうてきである[27]。どの四肢ししも、そしてどの四肢ししわせも麻痺まひになりうる。つまり、かたあしこともあれば片腕かたうでこともあり、また両脚りょうきゃくりょううでにおよぶこともある。麻痺まひはしばしばとおくらい指先ゆびさき爪先つまさき)よりもきん上腕じょうわん大腿だいたい)でよりおもとくとなる[27]

延髄えんずいポリオ

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延髄えんずい(オレンジ)位置いち解剖かいぼう

麻痺まひがたポリオの2%をめる延髄えんずいポリオはポリオウイルスが脳幹のうかん延髄えんずいにおいて神経しんけいおかし、破壊はかいすること発生はっせいする[2]延髄えんずい領域りょういき大脳皮質だいのうひしつ脳幹のうかんへとつなげるはくただし経路けいろである。この部位ぶい神経しんけい細胞さいぼう破壊はかい脳神経のうしんけい支配しはいされる筋力きんりょく低下ていかさせ、脳炎のうえん症状しょうじょうこし、呼吸こきゅう困難こんなん発話はつわ障害しょうがい嚥下えんか障害しょうがいまね[6]。このかたのポリオによって影響えいきょうける神経しんけい重要じゅうようなのはしたのど神経しんけい嚥下えんかのど機能きのうした運動うんどう味覚みかく部分ぶぶんてき支配しはい)、迷走めいそう神経しんけい心臓しんぞう小腸しょうちょうはい信号しんごうおくる)、およびふく神経しんけいうえ頸部の運動うんどう支配しはい)である。嚥下えんか機能きのうたいしてあたえる影響えいきょうにより、粘膜ねんまく分泌ぶんぴつぶつ気道きどう流入りゅうにゅう増加ぞうか窒息ちっそくまね[31]徴候ちょうこう症状しょうじょうとして顔面がんめん麻痺まひほおなみだかん歯肉はにく、および顔面がんめん上記じょうき構造こうぞう周囲しゅういすじ支配しはいする、三叉みつまた神経しんけい顔面がんめん神経しんけい破壊はかいによってしょうじる)、ふく咀嚼そしゃく困難こんなん呼吸こきゅうすう呼吸こきゅう深度しんど呼吸こきゅうリズムの異常いじょう呼吸こきゅう停止ていし進行しんこうしうる)がある。はい水腫すいしゅショックしょうじることがあり、いたことがある[37]

延髄えんずい脊髄せきずいポリオ

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ぜん麻痺まひがたポリオ症例しょうれいのおおよそ19%は延髄えんずい症状しょうじょう脊髄せきずい症状しょうじょう両者りょうしゃしめし、このかたのポリオは呼吸こきゅう障害しょうがいがたポリオ (respiratory polio)、あるいは延髄えんずい脊髄せきずいポリオとばれる[2]。この場合ばあい、ウイルスは頸髄の上部じょうぶ頸椎のC3からC5まで)に障害しょうがいあたえ、横隔膜おうかくまく麻痺まひしょうじる。このかたのポリオで影響えいきょうける神経しんけい重要じゅうようなのがよこへだた神経しんけい横隔膜おうかくまくうごかしてはいふくらます)と嚥下えんか必要ひつようすじ支配しはいする神経しんけいである。これらの神経しんけい破壊はかいすることで、このかたのポリオは呼吸こきゅう影響えいきょうし、患者かんじゃ人工じんこう呼吸こきゅうによる補助ほじょしには呼吸こきゅう困難こんなん、あるいは呼吸こきゅう不可能ふかのう状態じょうたいとなる。また、うであし麻痺まひしょうじうるほか嚥下えんかしん機能きのうにも影響えいきょうあたえることもある[38]

診断しんだん

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患者かんじゃ急性きゅうせい脱力だつりょく麻痺まひ一本いっぽんないしすうほん四肢ししにおいて発症はっしょうし、あきらかな原因げんいんしに麻痺まひした四肢ししけん反射はんしゃ減衰げんすいないし消失しょうしつし、かつ知覚ちかく意識いしき消失しょうしつ場合ばあい臨床りんしょう症状しょうじょうから麻痺まひがたポリオがうたがわれる[39]

通常つうじょう実験じっけんしつてき診断しんだん糞便ふんべん試料しりょう咽頭いんとうぬぐえきからポリオウイルスを分離ぶんりすることによっておこなわれる。ポリオウイルスにたいする抗体こうたいにも診断しんだんてき価値かちがあり、発症はっしょう初期しょき試料しりょうとそれから3週間しゅうかん試料しりょう比較ひかくし、ちからが4ばい増加ぞうかした場合ばあいはポリオウイルス感染かんせん示唆しさされる。ただし、入院にゅういんにはすで多量たりょう抗体こうたい検出けんしゅつすることがあり、ちから増加ぞうかかならずしも検出けんしゅつされない[2]腰椎ようつい穿刺せんしによってられる患者かんじゃのう脊髄せきずいえき解析かいせきは、白血球はっけっきゅうかず基本きほんてきリンパだま)の増加ぞうかタンパク質たんぱくしつレベルの軽度けいど増加ぞうか証明しょうめいする。のう脊髄せきずいえきからのウイルス分離ぶんり麻痺まひがたポリオにたいする診断しんだんてき価値かちつが、めったに検出けんしゅつされない[2]

急性きゅうせい脱力だつりょく麻痺まひおちいった患者かんじゃからポリオウイルスが分離ぶんりされた場合ばあいはさらにDNA指紋しもんほうや、最近さいきんではPCRほうによるさらなる検査けんさおこなわれ、分離ぶんりされたウイルスが野生やせいがた自然しぜん感染かんせんによって感染かんせんするウイルス)か、それともワクチンかぶ(ポリオワクチンを生産せいさんするためにもちいられるかぶ由来ゆらいするウイルス)かをあきらかにする[40]野生やせいがたポリオウイルスによってしょうじる麻痺まひがたポリオ症例しょうれいいちけんにつき、200から3000にん感染かんせんせいあらわせいキャリア存在そんざいすると算出さんしゅつされるため、ウイルスの感染かんせんげんあきらかにするのは重要じゅうようである[41]

治療ちりょう

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ポリオには特異とくいてき治療ちりょうほうい。治療ちりょう焦点しょうてんは、対症療法たいしょうりょうほうによる不快ふかい症状しょうじょう緩和かんわ回復かいふく補助ほじょ合併症がっぺいしょう予防よぼうかれてきた。支持しじ療法りょうほう萎縮いしゅくしたすじ感染かんせんふせ抗生こうせい物質ぶっしついたみを緩和かんわする鎮痛ちんつうやくかる運動うんどう栄養えいよう療法りょうほうふく[42]。ポリオの治療ちりょうはしばしば長期ちょうきわたるリハビリを必要ひつようとし、作業さぎょう療法りょうほう理学りがく療法りょうほう運動うんどう療法りょうほう装具そうぐ装着そうちゃくくつがた装具そうぐ装着そうちゃくなどがおこなわれ、そして整形せいけい手術しゅじゅつおこなわれることもある[37]

移動いどうがた人工じんこう呼吸こきゅうが、呼吸こきゅう補助ほじょのために必要ひつようになることもある。歴史れきしてき患者かんじゃ自発じはつ呼吸こきゅうをできるようになるまで(一般いっぱんてきに1週間しゅうかんから2週間しゅうかん)、てつはいともばれるおかせかさねてきかげあつ呼吸こきゅうが、急性きゅうせいポリオ感染かんせんにおける人工じんこうてき呼吸こきゅう維持いじのために使つかわれた。現在げんざいでは永続えいぞくてき呼吸こきゅう麻痺まひおおくのポリオ生存せいぞんしゃむねからはらおおう、近代きんだいてきなジャケットタイプのかげあつ呼吸こきゅう使用しようしている[43]

ほかにも歴史れきしてきポリオ治療ちりょうほうとしてみず療法りょうほう電気でんき療法りょうほう、マッサージと受動じゅどう運動うんどうけん伸長しんちょうほう神経しんけい移植いしょくなどの外科げか療法りょうほうなどがおこなわれた[7]

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ポリオのために右足みぎあし変形へんけいした子供こども

不全ふぜんがたポリオの場合ばあい患者かんじゃ完全かんぜん回復かいふくする。無菌むきんせいずいまくえんのみにわった場合ばあい症状しょうじょうは2にちから10日とおか継続けいぞくするが、これも完全かんぜん回復かいふくする[44]脊髄せきずいポリオの場合ばあい、ポリオウイルスの影響えいきょうけた神経しんけい細胞さいぼう完全かんぜん破壊はかいされると、麻痺まひ永続えいぞくてきとなる。一方いっぽう神経しんけい細胞さいぼう破壊はかいされず、一時いちじてき機能きのう不全ふぜんおちいった場合ばあい発症はっしょう4から6週間しゅうかん回復かいふくする[44]脊髄せきずいポリオ患者かんじゃ半分はんぶんかんなおし、よんぶんいち軽度けいど障害しょうがいち、のこりのよんぶんいち重度じゅうど障害しょうがいのこ[45]急性きゅうせい麻痺まひ生涯しょうがいにわたる麻痺まひも、そのおもあつたびウイルスしょう度合どあいに比例ひれいし、かつ免疫めんえき強度きょうど反比例はんぴれいするようである[30]脊髄せきずいポリオがいたことめずらしい[31]

呼吸こきゅう補助ほじょ呼吸こきゅう症状しょうじょうともな急性きゅうせいはいしろずいえん帰結きけつ窒息ちっそく分泌ぶんぴつぶつ吸入きゅうにゅうによる肺炎はいえんふく[43]麻痺まひがたポリオ患者かんじゃ全体ぜんたいで5 - 10 %の患者かんじゃ呼吸こきゅうすじ麻痺まひ原因げんいんいたる。致命ちめいりつ年齢ねんれいによってことなり、小児しょうにで2 - 5%、成人せいじんで15 - 30%までの患者かんじゃ死亡しぼうする[2]延髄えんずいポリオは呼吸こきゅう補助ほじょいとしばしばまね[38]呼吸こきゅう補助ほじょがあれば致命ちめいりつ患者かんじゃ年齢ねんれいによって25から75%のはばをとる[2][46]間欠かんけつせいあつ呼吸こきゅう利用りようできれば致死ちしりつは15%まで低下ていかしうる[47]

回復かいふく

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急性きゅうせいはいしろずいえん麻痺まひおおくの場合ばあい一時いちじてきなものである[7]麻痺まひしていたすじへの神経しんけい刺激しげきは1ヶ月かげつ以内いない復活ふっかつし、通常つうじょう6から8ヶ月かげつ完全かんぜん回復かいふくする[44]麻痺まひがた急性きゅうせいはいしろずいえん回復かいふくかんする神経しんけい生理学せいりがくてき行程こうてい完全かんぜん効果こうかてきであり、元々もともと運動うんどうニューロンが半分はんぶんうしなわれたとしても筋肉きんにく正常せいじょう機能きのう維持いじできる[48]感染かんせん12から18ヶ月かげつ筋力きんりょくがわずかに回復かいふくすることもありるが、麻痺まひが1ねん経過けいかしてもなお継続けいぞくする場合ばあい永続えいぞくてき麻痺まひになるようである[44]

ポリオからの回復かいふくかかわる修復しゅうふく機構きこうひとつに神経しんけい終末しゅうまつはし発芽はつががある。この機構きこうによって脳幹のうかん脊髄せきずい運動うんどうニューロンはあらたな枝分えだわかれやじくさく発芽はつが構築こうちくする[49]あたらしい分岐ぶんきはポリオ感染かんせん急性きゅうせい神経しんけい支配しはいうしなった筋繊維きんせんいふたた神経しんけい刺激しげきあたえることができ[50]筋繊維きんせんい収縮しゅうしゅく能力のうりょく回復かいふくして強度きょうど改善かいぜんできるようになる[51]終末しゅうまつはし発芽はつがすうほんいちじるしく肥大ひだいした運動うんどうニューロンをし、肥大ひだいした運動うんどうニューロンは以前いぜんの4から5ばい仕事しごとをこなす[32]たとえば、ある運動うんどうニューロンが元々もともと200ほん筋繊維きんせんい支配しはいしていた場合ばあい、その運動うんどうニューロンは800から1000ほん筋繊維きんせんい支配しはいするようになる。リハビリの段階だんかいにおいてしょうじ、筋力きんりょく復元ふくげん寄与きよするほか回復かいふく機構きこうとして、運動うんどうによる筋繊維きんせんい肥大ひだいと、IIがた筋繊維きんせんいIがた筋繊維きんせんいへの変換へんかんがある[50][52]

以上いじょうのような生理学せいりがく行程こうていくわえ、生体せいたい麻痺まひ後遺症こういしょうっていても機能きのう維持いじするために代償だいしょう機構きこう数多かずおおっている。代償だいしょう機構きこうにはよわすじ本来ほんらい収縮しゅうしゅく能力のうりょくえてもちいたり、元々もともとあまり使つかわれないすじ運動うんどう能力のうりょく成長せいちょうさせたりすることげられる[52]

後遺症こういしょう

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麻痺まひがたポリオにおいて、後遺症こういしょうとなる合併症がっぺいしょうは、回復かいふく最初さいしょ段階だんかいつづいて発生はっせいする[6]すじ不全ふぜん麻痺まひ麻痺まひ骨格こっかく変形へんけい関節かんせつかかわちぢみ運動うんどう障害しょうがいしょうじることがある。一旦いったん四肢ししすじ脱力だつりょく状態じょうたいおちいると、すじ機能きのうまでを妨害ぼうがいする。このほかすじ機能きのう妨害ぼうがいによってしょうじる典型てんけいてき徴候ちょうこうとんがあしうちはんあし状態じょうたい)である。とんがあしのような骨格こっかく変形へんけいは、つまさきしたげるすじそここごめ)がはたら一方いっぽうでつまさきげるすじこごめ)がはたらかないとき発生はっせいし、あし自然しぜんたおむようになる。この変形へんけい治療ちりょうされず放置ほうちされるとがわアキレス腱あきれすけん収縮しゅうしゅくし、あし正常せいじょう位置いちことができなくなる。うちはんあしいたったポリオの犠牲ぎせいしゃはかかとを接地せっちできず、普通ふつうあるかたができない。また、同様どうよう現象げんしょううで麻痺まひでもしょうじうる[53]患者かんじゃによってはポリオの影響えいきょうけたあし成長せいちょう阻害そがいされ、反対はんたいがわあし正常せいじょう発育はついくすることもある。結果けっかてき一方いっぽうあしがもう一方いっぽうあしくらべてみじかくなり、患者かんじゃ片側かたがわかたむきながらあしきずる。そして脊椎せきついがわ彎症のような脊椎せきつい変形へんけいいた[53]

ポストポリオ症候群しょうこうぐん

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幼少ようしょうにおいて麻痺まひがたポリオを発症はっしょうしたひとの25%から50%は急性きゅうせい症状しょうじょう回復かいふくからすうじゅうねんに、とくあらたな筋力きんりょく低下ていか極度きょくど倦怠けんたいかんなどのさらなる症状しょうじょう発現はつげんする[54]。この状態じょうたいポストポリオ症候群しょうこうぐん(PPS、ポリオ症候群しょうこうぐん)、ポストポリオ後遺症こういしょうとしてられる[55]。ポストポリオ症候群しょうこうぐん症状しょうじょう麻痺まひがたポリオの回復かいふく形成けいせいされた過剰かじょう肥大ひだいした運動うんどう単位たんい失調しっちょう関与かんよしているとかんがえられている[56][57]。ポストポリオ症候群しょうこうぐんのリスクを増大ぞうだいする寄与きよ因子いんしには運動うんどう単位たんい喪失そうしつともなよわい急性きゅうせいからの回復かいふくのこった後遺症こういしょう存在そんざい神経しんけい過剰かじょう使用しよう使用しよう両者りょうしゃふくまれる。ポストポリオ症候群しょうこうぐんはゆっくりと進行しんこうする病気びょうきで、これにたいする特異とくいてき治療ちりょうほう存在そんざいしない[55]。ポストポリオ症候群しょうこうぐん感染かんせんによってきるものではなく、この症状しょうじょう発現はつげんしたひとはポリオウイルスを排出はいしゅつしない[2]

予防よぼう

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経口けいこうせいポリオワクチンを投与とうよされる子供こども

経口けいこうせいポリオワクチン(3または1またかつポリオワクチン(3)の接種せっしゅが、唯一ゆいいつ予防よぼうほうである。野生やせいかぶ流行りゅうこうはワクチンが予防よぼう効果こうか発揮はっきする。なまワクチンでは弱毒じゃくどくしたきたポリオウイルスそのものを接種せっしゅして感染かんせんさせるため、ワクチンウイルス感染かんせんによる麻痺まひせいポリオ発症はっしょうが100まんぶんの1の割合わりあいしょうじる。

ポリオは、ウイルスが中枢ちゅうすう神経しんけい感染かんせんすることによってこされるので、ホルマリン処理しょりされウイルスがきていないかつワクチンを接種せっしゅしてもポリオは発症はっしょうしない[58]

野生やせいかぶによるポリオ感染かんせんくなった地域ちいき国家こっかでは、麻痺まひこさない、より安全あんぜんかつワクチン移行いこうしている[59]

日本にっぽんでは、2012ねん平成へいせい24ねん)9がつ1にちなまポリオワクチンの定期ていき予防よぼう接種せっしゅ中止ちゅうしされ、単独たんどくかつポリオワクチンが導入どうにゅうされ、2012ねん平成へいせい24ねん)11月1にちからは、よんしゅ混合こんごうワクチンジフテリア百日咳ひゃくにちぜき破傷風はしょうふうかつポリオ)が導入どうにゅうされた。かつポリオワクチンは、初回しょかい接種せっしゅ3かい追加ついか接種せっしゅ1かい合計ごうけい4かい接種せっしゅ必要ひつようである[60]

ポリオは、1988ねん世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)総会そうかいにおいて、2000ねんまでの根絶こんぜつ決議けつぎされたが、2019ねん現在げんざいで1がたと3がたポリオは根絶こんぜつされていない状況じょうきょうである[61]根絶こんぜつ計画けいかくにより流行りゅうこう地域ちいき非常ひじょうせばまっている。WHOが2020ねんアフリカ大陸たいりくでの根絶こんぜつ宣言せんげんし、この時点じてん野生やせいかぶによるポリオつね在国ざいこくパキスタンアフガニスタン[62]。となっている。しかし、渡航とこうしゃなどによるで、周辺しゅうへんこくでも報告ほうこくれい相次あいついでいるので、感染かんせんしょう情報じょうほうにはつね注意ちゅういようする。

日本にっぽんでは、厚生こうせい労働省ろうどうしょう検疫けんえきしょが、ナイジェリア、パキスタン、アフガニスタンおよびその流行りゅうこうへの渡航とこうしゃたいして、追加ついか接種せっしゅ推奨すいしょうしている[63]。WHOの推奨すいしょうでは、この追加ついか接種せっしゅは、経口けいこうせいポリオワクチンかかつポリオワクチンの接種せっしゅを3かい完了かんりょうしていることが前提ぜんていである[64]

また日本にっぽんでは、1975ねん昭和しょうわ50ねん)から1977ねん昭和しょうわ52ねん)にまれたひとは、ポリオ3がたたいする免疫めんえき抗体こうたい)を割合わりあい年齢ねんれいそうくらべてひくいため、国立こくりつ感染かんせんしょう研究所けんきゅうじょ流行りゅうこう地域ちいき渡航とこうかかわらずさい接種せっしゅ勧奨かんしょうしているが、ワクチン接種せっしゅ自由じゆう診療しんりょう任意にんい接種せっしゅである[65]

疫学えきがく各国かっこく状況じょうきょう

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2018ねんにおけるポリオ発生はっせい件数けんすう[61]

くに 野生やせいしゅ 状況じょうきょう
パキスタンの旗 パキスタン 12 流行りゅうこう地域ちいき、1がた
アフガニスタンの旗 アフガニスタン 21 流行りゅうこう地域ちいき、1がた
合計ごうけい 33

一般いっぱんには、脊髄せきずいせい小児しょうに麻痺まひりゃくして小児しょうに麻痺まひ)とばれることがおおいが、これは5さい以下いか小児しょうに罹患りかんりつたかい(90%以上いじょう)ことからで、成人せいじんでも感染かんせんしうる[66]

ぶしてきには、なつからあきにかけておお発生はっせいする。1961ねんから、ポリオワクチン予防よぼう接種せっしゅ実施じっしされている。日本にっぽんでは、1980ねん野生やせいかぶによるポリオ感染かんせん根絶こんぜつされ、その定期ていき接種せっしゅおこなわれる経口けいこうせいポリオワクチン(OPV:Oral Polio Vaccine)からしか発症はっしょうしていないが、世界せかいでは、パキスタンアフガニスタン流行りゅうこう地域ちいきである[62]世界せかい保健ほけん機関きかん (WHO) は、ぜん世界せかいでの根絶こんぜつ目指めざしている[67]

ポリオは1988ねんには世界せかい125カ国かこくにおいて年間ねんかん35まん症例しょうれい発生はっせいしていたが、日本にっぽんふく国際こくさい社会しゃかい真摯しんしみにより、2009ねんにはやく1600症例しょうれいにまで減少げんしょうした。その推移すいいは2010ねん1349れい、2011ねん650れい、2012ねんは223れい、2013ねんは385れい、2014ねんは359れい、2015ねんは71れい、2016ねんは37れい[68]、2017ねん22れい[69]、2018ねんは33れい[61]となっている。

2020ねん現在げんざい、ポリオのつね在国ざいこくはパキスタン、アフガニスタンの2カ国かこくのみ[62]となり、根絶こんぜつけた最終さいしゅう段階だんかいはいっている。しかし、これらの国々くにぐにいずれも政治せいじ社会しゃかいてき理由りゆうから、子供こどもたちへの予防よぼう接種せっしゅ困難こんなんであったり、資金しきんりょう低下ていかによって、ポリオ根絶こんぜつけた足踏あしぶ状態じょうたいつづいている[66]

しかし、ここでポリオ根絶こんぜつけた取組とりくみを加速かそくさせなければ、ポリオ発症はっしょうれいすう増加ぞうかてんじ、さらに周辺しゅうへんこくへの感染かんせん被害ひがいこし、これまでの根絶こんぜつへの努力どりょく無駄むだになってしまうおそれがある。実際じっさいに、2011ねん時点じてんでは、つね在国ざいこく4カ国かこく周辺しゅうへん17カ国かこくにおいてもポリオ症例しょうれい報告ほうこくされていた[70]。2012ねん2がつ、12ヶ月かげつあいだあらたなポリオの発生はっせいがなかったインドは、正式せいしきつね在国ざいこくから削除さくじょされ、おおきな前進ぜんしんである。

2014ねん3がつ27にちには、WHOにより以下いか地域ちいきふく東南とうなんアジア地域ちいきにおけるポリオの根絶こんぜつ宣言せんげんされた:インド、インドネシアスリランカタイ朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくネパールバングラデシュひがしティモールブータンミャンマーモルディブ[71]。これらの地域ちいき追加ついかされたことにより、世界せかい人口じんこうの80%がポリオの根絶こんぜつされた地域ちいきんでいることになる[71]

2020ねんには、ナイジェリアが根絶こんぜつこくとしてみとめられたため、アフリカ大陸たいりくからポリオが根絶こんぜつされた[62]後述こうじゅつ)。

つね在国ざいこく

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パキスタン
2010ねんには144症例しょうれい2011ねんは198症例しょうれい報告ほうこくされた。カラチバローチスターンしゅう連邦れんぽう直轄ちょっかつ部族ぶぞく地域ちいき(パキスタン国内こくない北西ほくせいのアフガニスタン国境こっきょう地帯ちたい)が流行りゅうこう中心ちゅうしん[よう出典しゅってん]4カ国かこく(その根絶こんぜつこくふくむ)のつね在国ざいこくのうち、もっと症例しょうれいすう増加ぞうかしている[72]。また、アフガニスタンとの国境こっきょう地帯ちたいにおけるだい規模きぼひと移動いどうによる、度重たびかさなるさい感染かんせん課題かだいである[73]。パキスタンでのワクチン接種せっしゅ紛争ふんそうおよ組織そしきてき問題もんだいによってさまたげられている。2013ねんから2014ねんにかけて合計ごうけい66にんのワクチン接種せっしゅおこな医療いりょう関係かんけいしゃ殺害さつがいされた[74]アラブ首長しゅちょうこく連邦れんぽうによる1000まんにん子供こどもたいする4.4おくディルハム支援しえん[75]および軍事ぐんじてき状況じょうきょう変化へんか医療いりょう関係かんけいしゃへの襲撃しゅうげきしゃ逮捕たいほにより[76]、2015ねんにおいては発生はっせいりつが70%低下ていかしている。
アフガニスタン
2010ねんには25症例しょうれい、2011ねんは80症例しょうれい報告ほうこくされた。紛争ふんそうのためどもたちへのアクセスが困難こんなんヘルマンドしゅうカンダハールしゅうウルーズガーンしゅうにおける13の地域ちいき流行りゅうこう中心ちゅうしん[77]アフガニスタン紛争ふんそうしゅたる交戦こうせん勢力せいりょくはいずれもポリオワクチン接種せっしゅ支援しえんおこなっており[78]、ポリオの発生はっせいりつ急速きゅうそく低下ていかしている。

2010年代ねんだい以降いこう根絶こんぜつこく

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なお、長年ながねんにわたってつね在国ざいこくリストだった国家こっかに、インドとナイジェリアがある。

インド
2010ねんには42症例しょうれい報告ほうこくがあったが、2011ねんは1症例しょうれい報告ほうこくされたのみであった。ウッタル・プラデーシュしゅうビハールしゅう流行りゅうこう中心ちゅうしんであるが、mOPV1(1がた単価たんかポリオせいワクチン)の集中しゅうちゅう使用しようにより2008ねんは3がたポリオがおも流行りゅうこうしている。そのため、mOPV1にくわえてmOPV3(3がた単価たんかポリオせいワクチン)を使用しよう流行りゅうこう阻止そしはかった。2010ねんからは、1がた、3がたの2ポリオワクチンbOPVがもちいられている。2012ねん2がつ、1年間ねんかんあらたな患者かんじゃ発生はっせいいことが確認かくにんされたことから、WHOは、インドをつね在国ざいこくリストからはずした[79]。その、2014ねん3がつ27にちには根絶こんぜつ宣言せんげんされた[71]
ナイジェリア
2003ねんに、当時とうじポリオが根絶こんぜつされているとされていたナイジェリア北部ほくぶにおいて、ポリオワクチンはイスラム教いすらむきょう信仰しんこう対抗たいこうするためのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくおよ国際こくさい連合れんごう陰謀いんぼうであり、しん信仰しんこうしゃたちを去勢きょせいするようにつくられているというファトワ宣言せんげんされた[80]。その、ナイジェリアでポリオがさい発生はっせいほかすうこくひろまった[81]。2010ねんには21症例しょうれい、2011ねんは62症例しょうれい報告ほうこくされた。2013ねんにはポリオワクチンの管理かんりおこなっていた9にん医療いりょう関係かんけいしゃがバイクにったガンマンによって襲撃しゅうげきされ、ころされる事件じけんカノ発生はっせいした。これは最初さいしょ[82]最後さいご襲撃しゅうげきであった[83]現地げんち伝統でんとうてき宗教しゅうきょうてき指導しどうしゃやポリオ生存せいぞんしゃがポリオワクチンの接種せっしゅ運動うんどう再開さいかいのために貢献こうけん[84]、ナイジェリアでは2014ねん7がつ24にち以来いらいポリオは発生はっせいしていないとみなされ、ナイジェリアは2015ねん9がつ26にちつね在国ざいこくリストからいったん除外じょがいされた[85]。もしもあらたなポリオの発生はっせいがなければ、2017ねんにはポリオ根絶こんぜつ宣言せんげんされる予定よていであったが、2016ねんボルノしゅうにて2めい新規しんき患者かんじゃ発生はっせい根絶こんぜつ宣言せんげん事実じじつじょう先送さきおくりとなった[86]。しかしながら以降いこう発症はっしょうれい報告ほうこくされず、2020ねん8がつ25にち世界せかい保健ほけん機関きかんはアフリカでポリオが根絶こんぜつされたと宣言せんげんした[62]

日本にっぽん

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日本にっぽんにおけるポリオは、全国ぜんこく各地かくち流行りゅうこうがみられ、1910年代ねんだい1920年代ねんだい1930年代ねんだい後半こうはんから1940年代ねんだい後半こうはん1951ねん1がつから6がつには、半年はんとしで1500めい患者かんじゃた。このことから厚生省こうせいしょう当時とうじ)は1951ねんちゅうに、法定ほうてい伝染でんせんびょう指定していしている。この時点じてんでは、死亡しぼうりつやくわりとされている[87]

1960ねんはるには北海道ほっかいどう中心ちゅうしんに5,000めい以上いじょう患者かんじゃ発生はっせいするだい流行りゅうこうとなった。そのため1961ねんソビエト連邦れんぽうから経口けいこうせいポリオワクチン(OPV)を緊急きんきゅう輸入ゆにゅうし、一斉いっせい投与とうよすることによって流行りゅうこう急速きゅうそく終息しゅうそくした。つづいて日本にっぽんさんOPVが認可にんかされ、1963ねんからは日本にっぽんさんOPVの2かい投与とうよによる定期ていき接種せっしゅおこなわれていた。1981ねん以後いご野生やせいかぶのポリオの発生はっせいられず、2000ねんにWHOにたいしポリオの根絶こんぜつ報告ほうこくした[88]

ただしOPVはごくまれ(すうじゅうまんすうひゃくまんかいに1かい)に手足てあし麻痺まひしょうじる。このため日本にっぽんおなじように野生やせいかぶのポリオウイルスの流行りゅうこうしていない国々くにぐにでは、ワクチンによる小児しょうにまひをふせぐために、1990年代ねんだい後半こうはんから経口けいこうせいワクチンをかつワクチンにえてきた[89]

日本にっぽんでは、野生やせいかぶによる麻痺まひせいポリオ患者かんじゃ発生はっせいは、1980ねん最後さいごにみられないが、経口けいこうせいポリオワクチンを接種せっしゅすることでまれ麻痺まひせいポリオを発症はっしょうすることがあるほか、ワクチンかぶ由来ゆらいのウイルスによる小児しょうに以外いがい患者かんじゃ発生はっせい報告ほうこくされている[4]

2008ねん3がつまでに予防よぼう接種せっしゅ健康けんこう被害ひがい認定にんてい審査しんさかいにおいて、なまポリオワクチン接種せっしゅ麻痺まひ発症はっしょうしたと認定にんていされた事例じれいは、1989ねん以降いこう80けんである。また、どう審査しんさかいにおいてワクチンを接種せっしゅされたものからの感染かんせん認定にんていされた事例じれいは、2004ねん以降いこう5けんである[90]。この経口けいこうせいポリオワクチンによるポリオ発症はっしょう問題もんだいされて、かつワクチンのさい導入どうにゅうもとめる民間みんかんこえがった[91]

こうした事態じたいけ、2012ねん4がつ19にち厚生こうせい労働省ろうどうしょう薬事やくじ食品しょくひん衛生えいせい審議しんぎかい医薬品いやくひんだい部会ぶかい開催かいさいされ、承認しょうにん申請しんせいおこなわれているかつワクチンのうち1しゅについて製造せいぞう販売はんばいおこなっても問題もんだいないとの結論けつろんたっし、2012ねん9がつ1にちなまポリオワクチンの定期ていき予防よぼう接種せっしゅ中止ちゅうしされ、単独たんどくかつポリオワクチンが導入どうにゅうされ、2012ねん11月1にちからは、4しゅ混合こんごうワクチン(ジフテリア・ひゃくにちせき・破傷風はしょうふうかつポリオ)が導入どうにゅうされた。かつポリオワクチンは、初回しょかい接種せっしゅ3かい追加ついか接種せっしゅ1かい合計ごうけい4かい接種せっしゅ必要ひつようである。[60]

日本にっぽんは、1997ねん日本にっぽんふくむWHO西太平洋にしたいへいよう地域ちいきにおいて達成たっせいしたポリオ根絶こんぜつ[92]経験けいけんかし、世界せかいにおけるポリオ根絶こんぜつイニシアティブにおいても先駆せんくしゃとして貢献こうけんしてきたが2011ねん8がつ日本国にっぽんこく政府せいふビル&メリンダ・ゲイツ財団ざいだんとの官民かんみんパートナーシップのした革新かくしんてき手法しゅほうもちいてやく50おくえんのポリオ根絶こんぜつ支援しえん実施じっしすることを発表はっぴょうした。

これは、パキスタン政府せいふによってポリオ根絶こんぜつ事業じぎょう一定いってい成果せいかすことができれば、ビル&メリンダ・ゲイツ財団ざいだんがパキスタン政府せいふわって日本国にっぽんこく政府せいふ債務さいむ返済へんさいするという「ローン・コンバージョン」とばれる手法しゅほうで、これによってパキスタン政府せいふのポリオ根絶こんぜつけたよりいちそう努力どりょくしつつ、最終さいしゅうてきにパキスタン政府せいふ債務さいむ負担ふたんすことなく、ポリオ根絶こんぜつ対策たいさく支援しえんすることが可能かのうとなる[93]

類人猿るいじんえん

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ポリオは大型おおがた類人猿るいじんえん感染かんせんする。1964ねん当時とうじアメリカのフロリダしゅうにあったヤーキス国立こくりつ霊長れいちょうるい研究けんきゅうセンター英語えいごばん流行りゅうこうした[94]。1966ねんにはタンザニアゴンベ渓流けいりゅう国立こくりつ公園こうえん野生やせいチンパンジーにポリオが流行りゅうこうした。やく60とう集団しゅうだんのうち10とう罹患りかんし、うち4とうに、のこる6とう障害しょうがいのこった[95]。ゴンベでの流行りゅうこうは、近隣きんりん地区ちくでのひとあいだ流行りゅうこうのちのタイミングであることから、ひとからの感染かんせんうたがわれている[94][96]

歴史れきし

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スラムがいまずしい家庭かてい未熟みじゅくとしてまれたウィルマ・ルドルフ

ポリオの医学いがくてき記載きさいは、1840ねんドイツシュトゥットガルト郊外こうがいカンシュタット英語えいごばん医師いしヤーコプ・ハイネ英語えいごばんによるものがはじめてであり、1887ねんにはスウェーデン小児科しょうにかカール・オスカル・メディン英語えいごばんによってポリオのストックホルムでの流行りゅうこうについて詳細しょうさい報告ほうこくがなされたことより、ヨーロッパでは当初とうしょ「ハイネ-メディンびょう」としょうされたこともあった[97]。ポリオは、19世紀せいき後半こうはんから20世紀せいき前半ぜんはんにかけて欧米おうべい諸国しょこくだい流行りゅうこうし、だい世界せかい大戦たいせんこう世界せかいてき流行りゅうこうした。

ポリオ患者かんじゃとしてられる著名ちょめいじん数多かずおおい。たとえば、日本にっぽん社会党しゃかいとう委員いいんちょうであり横浜よこはま市長しちょう経験けいけんした飛鳥あすか一雄かずおニュートリノ研究けんきゅう2002ねんノーベル物理ぶつりがくしょう受賞じゅしょうした小柴こしば昌俊まさとしリハビリのための日本にっぽん舞踊ぶようみちびかれ歌舞伎かぶき女形おんながたとなった代目だいめ坂東ばんどう玉三郎たまさぶろう1960ねんローマオリンピック女子じょし短距離たんきょり3種目しゅもく女子じょし100m200m400mR)できんメダル獲得かくとくしたウィルマ・ルドルフユニバーサルデザイン造語ぞうごしたロナルド・メイスヴァイオリニストであり指揮しきしゃでもあるイツァーク・パールマンなどがられる。

米国べいこくにおける歴史れきし

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くるまいす姿すがたのフランクリン・ルーズベルト

ポリオ患者かんじゃとして有名ゆうめいであった人物じんぶつだい32だいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく大統領だいとうりょうフランクリン・ルーズベルトがいる。1921ねんにポリオに罹患りかんしたフランクリン・ルーズベルトはみずからの麻痺まひ症状しょうじょう治療ちりょうのために、1926ねんジョージアしゅうワームスプリングス英語えいごばん温泉おんせん土地とち購入こうにゅうして別宅べったくてた。しばしば同地どうち滞在たいざいしたため、別宅べったくは「リトルホワイトハウス」とばれ、1945ねん4がつにそこで死去しきょしている[97]

フランクリン・ルーズベルトは、後遺症こういしょうにより下半身かはんしんはほぼ麻痺まひしてしまったことから、みずからの障害しょうがい体験たいけんとおして障害しょうがいしゃ支援しえんには積極せっきょくてきで、大統領だいとうりょう就任しゅうにん、ポリオ対策たいさくのために国立こくりつ小児しょうに麻痺まひ財団ざいだんthe National Foundation for Infantile Paralysis[注釈ちゅうしゃく 1]設立せつりつして募金ぼきん活動かつどうおこない、ワームスプリングスにはかれ死後しごルーズベルトポリオ病院びょういん英語えいごばんてられた[97]。ただ、日常にちじょう生活せいかつにおいてくるまいすもちいていたものの、その姿すがたマスメディアにみられるのをきらい、くるまいす姿すがた写真しゃしんも2まいしかのこっていない。また、メディアがわもあえてそのことを報道ほうどうしなかったため、当時とうじのアメリカ国民こくみん大統領だいとうりょう麻痺まひがあったことはほとんどらなかったという[97]

2003ねん、フランクリン・ルーズベルトはじつはポリオではなく、神経しんけい疾患しっかんであるギランバレー症候群しょうこうぐんであったという記事きじアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく医学いがく情報じょうほう報告ほうこくされた[98]。それによれば、39さいという壮年そうねんたっしてから発症はっしょうしたことや、かれ症状しょうじょう8項目こうもくのうちの6項目こうもくがギランバレー症候群しょうこうぐん特徴とくちょうてき症状しょうじょうしめし、ポリオをしめ症状しょうじょうは2項目こうもくにすぎなかったことから、ギランバレー症候群しょうこうぐんであった可能かのうせいたかいということである。ワームスプリングスのポリオ病院びょういんも、今日きょうではリハビリテーション施設しせつわっている[97]

日本にっぽんにおける歴史れきし

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日本にっぽんでは、1910年代ねんだい1920年代ねんだい1930年代ねんだい後半こうはんから1940年代ねんだい後半こうはん1951ねん昭和しょうわ26ねん)1がつから6がつにかけて、および1960ねん昭和しょうわ35ねん)に流行りゅうこうしている。とくに1960ねんはる北海道ほっかいどうにはじまっただい流行りゅうこうでは、全国ぜんこくで5,606にん日本にっぽん史上しじょう最大さいだい患者かんじゃ届出とどけでがあった。このとき、ワクチン接種せっしゅもとめる世論せろんおおきなたかまりをみせ、ジョナス・ソークによるアメリカせいかつワクチンか、ソビエト連邦れんぽうせい弱毒じゃくどくなまワクチン投与とうよしか解決かいけつのみえない状況じょうきょうとなった[97]効果こうかにおいてはなまワクチンのほうすぐれているが、当時とうじ日本にっぽんではなまワクチンの安全あんぜんせい確認かくにんされておらず、国産こくさんなまワクチンもなかった。また、輸入ゆにゅうするとしても冷戦れいせんのさなかにあって西側にしがわぞくしていた日本にっぽんえるべき課題かだいおおかったのである[97]

そうしたなか、だい2池田いけだ内閣ないかく厚生こうせい大臣だいじん古井ふるい自由民主党じゆうみんしゅとううち反対はんたいおさえて「責任せきにん大臣だいじんちます」と宣言せんげんして1961ねん昭和しょうわ36ねん6月21にちソ連それん(および一部いちぶカナダ)からの緊急きんきゅう輸入ゆにゅう決定けっていされた。7がつ17にちテレビ司会しかいしゃ高橋たかはし圭三けいぞうNHK)がなまワクチンを接種せっしゅする様子ようす放映ほうえいされた。じつは、このポリオ根絶こんぜつキャンペーンしん立役者たてやくしゃはのちに日本にっぽん社会党しゃかいとう国会こっかい議員ぎいんとなった上田うえだあきらであったという。NHK社会しゃかい放送ほうそう記者きしゃとして活躍かつやくし、そのNHKの労働ろうどう組合くみあいである日放労にちほうろう委員いいんちょうとなった上田うえだは、このときポリオ根絶こんぜつをめざした「上田うえだプラン」をとなえてNHKをうごかし、厚生省こうせいしょううごかしたという[97][99]なまワクチン輸入ゆにゅうについては、のちに松山まつやまよしさん監督かんとく映画えいがわれいちつぶむぎなれど』の主題しゅだいともなっている。

日本にっぽんでは、こうして世界せかいにさきがけて徹底てっていした全国ぜんこく一斉いっせい投与とうよ(NID[注釈ちゅうしゃく 2])をおこなって、それがをむすんで患者かんじゃすう1963ねん昭和しょうわ38ねん)には100にん以下いか激減げきげんして、1981ねん昭和しょうわ56ねん以降いこう集団しゅうだんてきなポリオの発生はっせい確認かくにんされていない。日本にっぽん政府せいふ2000ねん平成へいせい12ねん)にWHOにたいし、ポリオ根絶こんぜつ報告ほうこくしている。

近年きんねん日本にっぽんではポリオ感染かんせんによる障害しょうがいしゃかず増加ぞうかし、深刻しんこく問題もんだいとなっている。なまワクチンの投与とうよは、上述じょうじゅつのように、だい流行りゅうこう緊急きんきゅう使用しようにはきわだった効果こうかゆうした実績じっせきがあるものの、このワクチンによる免疫めんえき獲得かくとくりつひく世代せだいおやになったこんにち、なまワクチンがむしろ小児しょうに麻痺まひおも原因げんいんとなっており、なまワクチンに使用しようされたウイルスがつよどくする事態じたい発生はっせいしている[100]被害ひがいしゃからは医療いりょう行政ぎょうせいへの抗議こうぎとともにかつワクチンへのえをもとめるこえており、2012ねん4がつ19にち厚生こうせい労働省ろうどうしょう薬事やくじ食品しょくひん衛生えいせい審議しんぎかい医薬品いやくひんだい部会ぶかい開催かいさいされ、承認しょうにん申請しんせいおこなわれているかつワクチンのうち1しゅについては製造せいぞう販売はんばいおこなっても問題もんだいないとの結論けつろんて、同年どうねん9がつ1にちよりポリオの定期ていき接種せっしゅなまワクチンからかつワクチンにえられた[101]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 現在げんざいは、March of Dime(10えん募金ぼきん)となって、ポリオ以外いがい様々さまざま募金ぼきん活動かつどう実施じっししている。
  2. ^ National Immunization Daysりゃく

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  94. ^ a b ジェーン・グドール『野生やせいチンパンジーの世界せかい』(ミネルみねるァ書房ぁしょぼう、1990ねん)100ぺーじ
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  98. ^ 加藤かとうしげるこう人類じんるい感染かんせんしょうたたかい-だい5かい"ポリオ"」(2010)。はら出典しゅってんは、Godman AS et al:What was the cause of Franklin Delano Roosevelt's paralytic illness? Journal of Medical Biography.11:232-240(2003)
  99. ^ 上田うえだあきらちょ根絶こんぜつ』-世界せかいはつのポリオ発生はっせいゼロを実現じつげんしたロマン・ドキュメント-
  100. ^ ポリオのかい「ポリオワクチンについて」
  101. ^ “ポリオ:定期ていき接種せっしゅかつワクチンに 4かい接種せっしゅ必要ひつよう. 毎日新聞まいにちしんぶん. (2012ねん8がつ31にち). http://mainichi.jp/select/news/20120901k0000m040020000c.html 2012ねん9がつ1にち閲覧えつらん [リンク]

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 野生やせいチンパンジーの世界せかいジェーン・グドールしる杉山すぎやまみゆきまる松沢まつざわ哲郎てつろうやくミネルみねるァ書房ぁしょぼう、1990ねん原著げんちょ1986ねん
  • 『ワクチン神話しんわ捏造ねつぞう歴史れきし 医療いりょう政治せいじ権威けんいつくった幻想げんそう崩壊ほうかい』ロマン・ビストリアニク、スザンヌ・ハンフリーズちょかみひとみやく坪内つぼうち俊憲としのり監修かんしゅう、ヒカルランド、2023ねん

関連かんれん作品さくひん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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