金きんメダル

スポーツメダルとしての金きんメダルの一いち例れい

金きんメダル（きんメダル）とは、第だい1義ぎには、金きむで作つくられた記章きしょう/徽章きしょう、または、金きむめっきを施ほどこされた記章きしょう/徽章きしょうのこと。競技きょうぎ会かいや競演きょうえん会かい（コンクール）の優勝ゆうしょう者しゃに対たいする表彰ひょうしょう、その他たもろもろの記念きねんなどのために贈おくる場合ばあいが多おおい。第だい2義ぎとしては、第だい1義ぎでオリンピック優勝ゆうしょう者しゃに授与じゅよするところから転義てんぎして、大おおきなスポーツ競技きょうぎ会かいで第だい1位いになることをいう。

英語えいごでは「gold medal」といい、日本語にほんごでもこれを音おと写うつしした外来がいらい語ご「ゴールドメダル」が通用つうようする。漢語かんご（中国ちゅうごく語ごおよび日本語にほんご）では「金牌きんぱい（日本語にほんご音おん：きんぱい、拼音：jīnpái〈ヂィンパイ〉）」という。

スポーツメダルとしての金きんメダル

本来ほんらいは金きむ製せいで、円盤えんばん形がたをしており、表面ひょうめんには勝利しょうりを象徴しょうちょうする月桂樹げっけいじゅなどの模様もようが施ほどこされているメダルをこう呼よぶ。また、本体ほんたい上部じょうぶには、環たまきが付つけられ、首くびに掛かけてぶら下さげるための幅広はばひろの紐ひもやリボンが通とおされている。また、比喩ひゆ的てき表現ひょうげんとして「勝利しょうり」「優勝ゆうしょう」などの意味いみとしても使つかわれる。団体だんたいスポーツにおいて優勝旗ゆうしょうきやトロフィーなどはチームに与あたえられるが、金きんメダルは選手せんしゅ1人にんずつに与あたえられる。

近代きんだいオリンピックの金きんメダル

近代きんだいオリンピックにおける金きんメダルは、オリンピックメダルの一種いっしゅ。第だい1位いの成績せいせきを上あげた者ものに授与じゅよされるメダルである。社会しゃかい的てき価値かちにおいて金きむ・銀ぎん・銅どうに序列じょれつがあって金かねが最高さいこう位いであるように、第だい1位いの表彰ひょうしょうは金かねで表あらわされる。

2003年版ねんばんまでのオリンピック憲章けんしょうでは“純度じゅんど92.5%以上いじょうの銀ぎん（スターリングシルバーまたはブリタニアシルバー）製せいメダルの表面ひょうめんに6g以上いじょうの金かねめっきしたもの”（つまりバーメイルであること）（規則きそく70 付属ふぞく細則さいそく2-2）と定さだめられていた。これは、開催かいさい国こくによって経済けいざい的てき不利ふりが無ないようにとの配慮はいりょである。しかし、2004年度ねんど版ばん以降いこうの憲章けんしょうからはこの記述きじゅつは削除さくじょされ、「メダルと賞状しょうじょうの形式けいしきはIOCに事前じぜんに提出ていしゅつして承認しょうにんを得えなければならない。」（規則きそく59）という記述きじゅつを残のこすのみとなっている。

1912年ねん開催かいさいのストックホルムオリンピックまでは純金じゅんきん製せいの金きんメダルを採用さいようしていた。

メダルの意匠いしょうは大会たいかいによって異ことなる。1998年ねん長野ながのオリンピックでは一部いちぶに漆うるし塗ぬりが用もちいられた。2006年ねんトリノオリンピックでは形状けいじょうがドーナツ型かたで形態けいたいが様々さまざまであった。ただし、夏季かきオリンピックの表面ひょうめんについては、2004年ねんアテネオリンピックを機きに規格きかくが統一とういつされ、勝利しょうりの女神めがみニケがレリーフとして施ほどこしたものに固定こてい化かされた。この変更へんこうはギリシャが国際こくさいオリンピック委員いいん会かい (IOC) へ要請ようせいしたことによる。

ギャラリー

近代きんだいオリンピックの金きんメダル

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  1912年ねんストックホルムオリンピックの金きんメダル
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  1920年ねんアントワープオリンピックの金きんメダル
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  1952年ねんヘルシンキオリンピックの金きんメダル
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  1960年ねんローマオリンピックの金きんメダル
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  1964年ねん東京とうきょうオリンピックの金きんメダル
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  1968年ねんメキシコシティーオリンピックの金きんメダル
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  1972年ねん札幌さっぽろオリンピックの金きんメダル
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  1980年ねんモスクワオリンピックの金きんメダル
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  1988年ねんソウルオリンピックの金きんメダル
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  1998年ねん長野ながのオリンピックの金きんメダル
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  2008年ねん北京ぺきんオリンピックの金きんメダル
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  2012年ねんロンドンオリンピックの金きんメダル
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  2014年ねんソチオリンピックの金きんメダル
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  2020東京とうきょうオリンピックの金きんメダル

他たのスポーツ大会たいかいの金きんメダル

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  1990年ねんアジア競技きょうぎ大会たいかいの金きんメダル
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  1997年ねん世界せかいマスターズ陸上りくじょう競技きょうぎ選手権せんしゅけん大会たいかいの金きんメダル
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  UEFAチャンピオンズリーグ 2000-01 の金きんメダル
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  2006 ワールド・ベースボール・クラシックの金きんメダル
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  2011年ねんFISアルペンスキー世界せかい選手権せんしゅけん大会たいかい (2011 en) の金きんメダル
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  2013年ねん世界せかい距離きょり別べつスピードスケート選手権せんしゅけん大会たいかいの金きんメダル
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  2019年ねんジュニア世界せかい選手権せんしゅけん自転車じてんしゃ競技きょうぎ大会たいかい (2019 en) の金きんメダル

金きんメダルを噛かむ

金きんメダルを噛かんでみせるメダリスト達たち／画像がぞうの選手せんしゅ達たちは、2010年ねんバンクーバーオリンピックのボブスレー競技きょうぎで優勝ゆうしょうした、スティーブン・ホルコム（en. 左ひだり）率ひきいるアメリカ・チーム。

金きんメダルを噛かんでみせるメダリスト／画像がぞうの選手せんしゅは、ノルディックスキージュニア世界せかい選手権せんしゅけん2011 (en) のスキージャンプ優勝ゆうしょう者しゃコリン・マテル。

金きんメダルを獲得かくとくした選手せんしゅが、手てにしたメダルを噛かんでみせたり噛かむジェスチャーをするというパフォーマンスがある。これは、20世紀せいきの終おわり頃ころから見みられるようになった。米べいCNNTV（電子でんし版ばん）はメダルをかむしぐさは「喜よろこびに満みちた選手せんしゅの象徴しょうちょう的てきな光景こうけい」と指摘してきし、専門せんもん家かによる「メディアを満足まんぞくさせようとする努力どりょく」との分析ぶんせきを紹介しょうかいした。国際こくさいオリンピック史し学会がっかいの会長かいちょうだったデイヴィッド・ワレチンスキーも、メダルを噛かむパフォーマンスはもっぱら写真しゃしん家かからの要望ようぼうによって行おこなわれているとの見解けんかいを示しめしている。比較的ひかくてき柔やわらかい金かねの性質せいしつを利用りようし、金貨きんかを噛かんで真偽しんぎを確たしかめることは古ふるくから行おこなわれてきた。正確せいかくな起源きげんは不明ふめいだが、金きんメダルを噛かむパフォーマンスもこれに関連かんれんして生うまれたと考かんがえられている。

世界せかい初はつ

金きんメダルを噛かむパフォーマンスを誰だれが最初さいしょに行いったかについては諸説しょせつあるが、そのなかで最もっとも有力ゆうりょくとされているのは、1988年ねんソウルオリンピックの時とき、競泳きょうえい男子だんし200メートル自由形じゆうがたで優勝ゆうしょうしたオーストラリア代表だいひょう選手せんしゅダンカン・アームストロングである。理由りゆうについての詳細しょうさいは不明ふめいながら、一説いっせつには「金きんメダルが本物ほんものの金かねで出来できているか確たしかめようとした」という。その後ご、様々さまざまな国くに・地域ちいきの金かねメダリストがこれをやるようになり、ニュースや雑誌ざっし記事きじなどを通とおして広ひろく世界中せかいじゅうの人々ひとびとの目めに留とまる光景こうけいになった。

日本にっぽん初はつ

日本にっぽんでは、1996年ねんアトランタオリンピックの柔道じゅうどう男子だんし71kg級きゅう金きんメダリストとなった中村なかむら兼三けんぞうが、表彰ひょうしょう式しきの直後ちょくごに行いっており、信頼しんらいに足たる情報じょうほうに基もとづくもののなかでは、これが「日本にっぽんおよび日本人にっぽんじんとして初はつのパフォーマンス」と考かんがえられている。インターネット上うえでは、長ながい間あいだ、中村なかむらの試合しあいの2日にち後ごに行おこなわれた男子だんし60kg級きゅうで金きむメダリストとなった野村のむら忠宏ただひろが日本にっぽん初はつ・日本人にっぽんじん初はつと見みなされていたが、野村のむら自身じしんはこれを否定ひていし、「中村なかむら先輩せんぱいを真似まねたものだった」と告白こくはくしている。また、当時とうじのスポーツ紙しの取材しゅざい写真しゃしんでも中村なかむらのパフォーマンスを確認かくにんできるため、野村のむらの知しる限かぎりでは中村なかむらが最初さいしょということになる。スポーツ紙しに掲載けいさいされた中村なかむらの写真しゃしんについての関係かんけい者しゃの話はなしでは、中村なかむらのパフォーマンスは現場げんばのカメラマンの要請ようせいに応こたえてのものであった。その関係かんけい者しゃは、中村なかむらには「メダルを噛かむ」という発想はっそうは無なかったと考かんがえている。このような経緯けいいで中村なかむらから始はじまったようであるが、試合しあい前まえは無名むめいであったのに一躍いちやく若手わかてのホープとなった野村のむらに世間せけんの注目ちゅうもくが集あつまるなか、もっぱら野村のむらのパフォーマンスだけが大おおきく取とり上あげられることにより、「野村のむら忠宏ただひろが日本にっぽん初はつ」という誤認ごにんが生うまれたものと考かんがえられる。

組織そしき委員いいん会かいのユニークツイート

東京とうきょうオリンピック・パラリンピック競技きょうぎ大会たいかい組織そしき委員いいん会かいでは、表彰ひょうしょう式しきでメダルをかむしぐさをする選手せんしゅの写真しゃしんとともに「メダルは食たべられません」とTwitterに英語えいごで投稿とうこうした冗談じょうだんがネットや海外かいがいメディアでも話題わだいとなった。 組織そしき委いは、選手せんしゅの活躍かつやくを紹介しょうかいするいくつもの書かき込こみに交まじえて「公式こうしき見解けんかいとしてお伝つたえしたいと思おもいます。メダルは食たべられません！」と発信はっしん。メダルがリサイクルの金属きんぞく製せいであることを紹介しょうかいし、絵文字えもじ付つきで「メダルはかんではいけませんよ……でもきっとみんなかむんだろうけど」と書かき込こんだ。これに対たいして、2000件けんを超こえる「いいね」が付つき、欧米おうべいメディアもこのメッセージを報ほうじている。組織そしき委いは反響はんきょうを受うけてTwitterに「五輪ごりん選手せんしゅのどなたかメダルの味あじを教おしえてくれませんか」と再ふたたび冗談じょうだんを書かき込こんでいる。

関連かんれん項目こうもく

• 銀ぎんメダル
• 銅どうメダル
• オリンピックメダル
• オリンピックで多数たすうの金きんメダルを獲得かくとくした選手せんしゅ一覧いちらん
• 日本にっぽんの夏季かきオリンピック金きんメダル
• 日本にっぽんの夏季かきパラリンピック金きんメダル
• 日本にっぽんの冬季とうきオリンピック金きんメダル
• 日本にっぽんの冬季とうきパラリンピック金きんメダル
• 金きんメダル (王立おうりつ地理ちり学会がっかい)
• タイトルに「金きんメダル」を含ふくむページの一覧いちらん
• タイトルに「ゴールドメダル」を含ふくむページの一覧いちらん