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脳幹のうかん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
のう: 脳幹のうかん
のうじょうだん延髄えんずいはしちゅうのうあいだのう脳幹のうかん
のうないでの脳幹のうかん位置いち赤色あかいろしめした部分ぶぶん狭義きょうぎ脳幹のうかん下位かい脳幹のうかん)。オレンジしょくしめした部分ぶぶんあいだのう)までふくめて脳幹のうかんとすることもあり。
名称めいしょう
日本語にほんご 脳幹のうかん
英語えいご brain stem, brainstem
ラテン語らてんご truncus encephali
関連かんれん構造こうぞう
上位じょうい構造こうぞう のう
構成こうせい要素ようそ あいだのうちゅうのう小脳しょうのうのぞひしのうはし延髄えんずい)。あいだのうのぞいて下位かい脳幹のうかん
画像がぞう
アナトモグラフィー さん次元じげんCG
関連かんれん情報じょうほう
IBVD 体積たいせき面積めんせき
Brede Database 階層かいそう関係かんけい座標ざひょう情報じょうほう
NeuroNames 関連かんれん情報じょうほう一覧いちらん
NIF 総合そうごう検索けんさく
MeSH Brain+Stem
グレイ解剖かいぼうがく 書籍しょせきちゅう説明せつめい英語えいご
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脳幹のうかん(のうかん、えい: brain stem)は、中枢ちゅうすう神経しんけいけい構成こうせいする器官きかん集合しゅうごうたいひとつ。 広義こうぎにはちゅうのう延髄えんずいはしあいだのうふく部位ぶい狭義きょうぎにはちゅうのう延髄えんずいはしのみをす。また、あいだのうふくまない狭義きょうぎくくりを下位かい脳幹のうかん (lower brainstem) とぶ。

脳幹のうかん機能きのう[編集へんしゅう]

脳幹のうかん多種たしゅ多様たよう神経しんけいかくから構成こうせいされており、その機能きのう多様たようであり、このちいさな部分ぶぶん多数たすう生命せいめい維持いじ機能きのうふくむ。

  1. 多数たすう脳神経のうしんけい出入でいりし、多数たすう神経しんけいかく存在そんざいする。
  2. 自律じりつ神経しんけい機能きのう中枢ちゅうすう存在そんざいする。
  3. 意識いしき覚醒かくせい重要じゅうよう神経しんけい回路かいろがあるとされる。あみさまたいこう参照さんしょう
  4. 脊髄せきずいから視床ししょううえぎょうする感覚かんかく神経しんけい存在そんざいする。
  5. 上位じょうい中枢ちゅうすうから脊髄せきずい下降かこうする運動うんどう神経しんけい存在そんざいする。
  6. 姿勢しせい反射はんしゃ中枢ちゅうすうである。

脳幹のうかん形態けいたい評価ひょうか[編集へんしゅう]

おかせかさねてき頭部とうぶMRIによる評価ひょうかほう中心ちゅうしんべる。この評価ひょうかほう神経しんけい変性へんせい疾患しっかん診療しんりょう応用おうようされている。

部位ぶい 正常せいじょう測定そくてい (mm)[1]
ちゅうのうぶた 2.6±0.6
ちゅうのうぶた 11.1±1.4
はし上部じょうぶぶた 6.5±0.8
はし上部じょうぶ底部ていぶ 17.4±1.4
はし下部かぶぶた 4.6±0.9
はし下部かぶ底部ていぶ 15.3±1.0
延髄えんずい 11.3±1.4
だいよんのうしつ前後ぜんこうみち 11.7±1.7
だいよんのうしつよこみち 15.4±2.3

ちゅうのう[編集へんしゅう]

Brainstem. Anterior face.Deep dissection
脳幹のうかん構造こうぞう全面ぜんめんぞう

ちゅうのうはしぜんのうあいだのうおわりのう)のあいだ位置いちしてながさはおよそ2.5cmである。両側りょうがわがわあたまかぎ海馬かいば)のあいだ存在そんざいし、大脳だいのう外表そとおもてからはえない。じょうだんではちゅうのうちゅうのう水道すいどうによって2つの部位ぶいかれてえる。ちゅうのう水道すいどうよりがわ部分ぶぶん上丘かみおかしもおかからなる部位ぶいであるが、なべぶたのようにみえることからちゅうのうぶた(tectum)とばれる。ちゅうのう水道すいどうよりはらがわ部分ぶぶんなべ胴体どうたいぶたをされる部分ぶぶんであることからちゅうのうぶた(tegamentum)とぶ。

。このなかのうぶたにはくろしつはらがわぶたといったドパミンの経路けいろ重要じゅうよう領域りょういきふくまれている。進行しんこうせいかくうえせい麻痺まひではちゅうのうぶた萎縮いしゅくする結果けっかハミングバードサインが出現しゅつげんする。ちゅうのうぶたちゅうのうぶた大脳だいのうあしさん部位ぶいけて概説がいせつする。八木はちぼくらの方法ほうほうでは正中せいちゅうじょうだんぞうちゅうのう水道すいどうはらがわがわ前後ぜんごみち上丘かみおかしもおかあいだたかさで計測けいそくして便宜上べんぎじょうそれをちゅうのうぶたちゅうのうぶた前後ぜんごみちとする。

ちゅうのうぶた[編集へんしゅう]

ちゅうのうぶたちゅうのう水道すいどうがわ部分ぶぶん左右さゆういちつい上丘かみおかしもおかよんおかたいからなる。上丘かみおかしもおかよりも扁平へんぺいまつはてたい下方かほう位置いちする。上丘かみおかぶたともよばれ視覚しかく反射はんしゃ関与かんよする。さく外側そとがわひざじょうからだ上丘かみおかうで視覚しかく線維せんい一部いちぶけ、のこりは皮質ひしつ視覚しかく脊髄せきずいぶたからける。上丘かみおかからはぶた延髄えんずいぶた脊髄せきずいしたぎょうし、視覚しかく聴覚ちょうかく刺激しげきたいする頭部とうぶ頸部の運動うんどう関与かんよする。上丘かみおか前方ぜんぽうぶた前野まえのである。したおか聴覚ちょうかく反射はんしゃ関与かんよし、外側そとがわたい内側うちがわひざじょうからだおかうでて、がわあたま聴覚ちょうかく脊髄せきずいぶたからの一部いちぶ線維せんいはいる。

ちゅうのうぶた[編集へんしゅう]

ちゅうのうぶた大脳だいのうあしちゅうのうぶたあいだ位置いちして大脳だいのうあしとはくろしつ境界きょうかいされる。あかかくどう神経しんけいかく滑車かっしゃ神経しんけいかく視床ししょうかくぶたかくあみさまたいかく三叉みつまた神経しんけいちゅうのうかくしゅ知覚ちかくかくふくむ。あかかく小脳しょうのうじょうかくとともにてつ含有がんゆうりょうがおおいためT2WIでてい信号しんごうしめす。下方かほうでははしもうさまたい連続れんぞくする。たい線維せんい内側うちがわがわたてたばぶた通過つうかする。

大脳だいのうあし[編集へんしゅう]

大脳だいのうあし橋上はしがみえんから上前うわまえ外側そとがわ正中せいちゅうはさんでVじょうまるみをびた柱状ちゅうじょう構造こうぞうである。ほぼ全体ぜんたいしたぎょう線維せんい構成こうせいされている。両側りょうがわ大脳だいのうあしあいだあしあいだ窩であしあいだ底部ていぶのちゆうあなしつ多数たすう穿ほじどおり動脈どうみゃく貫通かんつうする。あしあいだ窩からはどう神経しんけい前方ぜんぽうかう。大脳だいのうあしぜん外側そとがわこう大動脈だいどうみゃくうえ小脳しょうのう動脈どうみゃく走行そうこうする。したおかしもえんから脳幹のうかん滑車かっしゃ神経しんけい大脳だいのうあし外側そとがわえん前方ぜんぽうかい走行そうこうする。

はし[編集へんしゅう]

はしちゅうのう延髄えんずいあいだ小脳しょうのう前方ぜんぽう位置いちする。左右さゆう三叉みつまた神経しんけい脳幹のうかんからでるあいだ部分ぶぶんはしでその外側そとがわ中小ちゅうしょうのうあしである。隆起りゅうきしたはしはら側部そくぶはし底部ていぶ正中せいちゅうみぞ正中せいちゅうみぞ)をのうそこ動脈どうみゃくうえぎょうする。背面はいめんだいよんのうしつそこうえはん形成けいせいする。はし底部ていぶはしぶた内側うちがわたいによって境界きょうかいされる。MRIでは内側うちがわたいがT1WIでてい信号しんごう、T2WIでこう信号しんごうしめされる。正常せいじょうでははし底部ていぶぶたは3.5:1である。はし底部ていぶ小脳しょうのう求心きゅうしんけい)に萎縮いしゅくがある場合ばあいには正常せいじょうのふくらみが消失しょうしつする。はし底部ていぶ最大さいだい正常せいじょう前後ぜんこうみちは15~17mmで14mm以下いか場合ばあいはし底部ていぶ萎縮いしゅくうたがう。はしぶた正常せいじょう前後ぜんこうみちやく4.5mmであり4.0mm以下いか場合ばあい萎縮いしゅくかんがえる。またはち木下きのしたらの方法ほうほうでは正中せいちゅうじょうだんぞうはし上下じょうげにほぼ3等分とうぶんし、その境界きょうかい線上せんじょう前後ぜんごみち計測けいそくし、それぞれをはし上部じょうぶ下部かぶ前後ぜんごみちとした。これを内側うちがわたいはらがわがわとにけ、それぞれを底部ていぶ被害ひがい前後ぜんごみちとした。

はしはら側部そくぶはし底部ていぶ[編集へんしゅう]

縦走じゅうそう線維せんい横走よこはしり線維せんいはいしろしつしょうかたまりであるはしかく混在こんざいする。内部ないぶはしかく介在かいざいするはし線維せんいあいだきりからだあたまあし方向ほうこう走行そうこうする。縦走じゅうそう線維せんい皮質ひしつ脊髄せきずいきりからだ)と皮質ひしつきょうからなりきりからだはいくつかのしょうたばとなって分散ぶんさんして走行そうこうする。皮質ひしつきょう神経しんけい線維せんいはしかく細胞さいぼうとシナプス結合けつごうする。はしかく細胞さいぼうじくさく正中せいちゅう交叉こうさしてよこそうし、集合しゅうごうしてちゅう小脳しょうのうあし構成こうせい大脳だいのうきょう小脳しょうのう結合けつごう形成けいせいされる。

はし側部そくぶはしぶた[編集へんしゅう]

そとてん神経しんけいかく顔面がんめん神経しんけいかく蝸牛かぎゅう神経しんけいかくおよび台形だいけいたいかく前庭ぜんてい神経しんけいかく三叉みつまた神経しんけい運動うんどうかくちゅうのうかくしゅ知覚ちかくかくのそれぞれ一部いちぶ台形だいけいたいいちがわ蝸牛かぎゅう神経しんけいはらがわかくから台形だいけいたいがわかくはい聴覚ちょうかく伝導でんどう一部いちぶ)、ちゅうのう延髄えんずい連絡れんらくするあみさまたいがある。はしぶた上方かみがたなかのうぶた下方かほう延髄えんずいぶた移行いこうする。

延髄えんずい[編集へんしゅう]

延髄えんずい脊髄せきずいとの境界きょうかいきりたい交叉こうさ下端かたんはしとの境界きょうかいはし延髄えんずいみぞである。延髄えんずいには前面ぜんめんぜん正中せいちゅうきれした神経しんけいぜん外側そとがわみぞしたのど神経しんけい迷走めいそう神経しんけいふく神経しんけいのち外側そとがわみぞがあり前部ぜんぶ外側そとがわ後部こうぶけられる。また正中せいちゅうぬいせんより左右さゆうけられる。前部ぜんぶきりたい構成こうせいされる。外側そとがわ上方かみがたオリーブ下方かほう脊髄せきずいがわさくおこりはじめからなる。後部こうぶだい四脳室底下半部と脊髄せきずいさくおこりはじめから構成こうせいされる。きりたいがわにははいしろしつなみいたじょうのU字形じけいしめしもオリーブかくがあり、内側うちがわ開口かいこうから多数たすう神経しんけい線維せんいがでて交叉こうさたいがわ小脳しょうのうあしはいる。正中せいちゅうぬいせん両側りょうがわ内側うちがわたいぶた脊髄せきずい内側うちがわたてたばがある。だい四脳室底下半部直下には両側りょうがわした神経しんけいかく迷走めいそう神経しんけいがわかく前庭ぜんてい神経しんけいかくがある。深部しんぶにはあみさまたいたばたばかくうたぐかく三叉みつまた神経しんけい脊髄せきずい脊髄せきずいかく脊髄せきずいぶたぜん脊髄せきずい小脳しょうのうこう脊髄せきずい小脳しょうのう外側そとがわ脊髄せきずい視床ししょうがあり、延髄えんずいのち外側そとがわにはしも小脳しょうのうあしがある。八木はちぼくらの方法ほうほうでは正中せいちゅうじょうだん上下じょうげ中央ちゅうおうたかさで前後ぜんごみち計測けいそくしている。

脊髄せきずい[編集へんしゅう]

脊髄せきずいだいさん頸椎レベルでのけいずい前後ぜんこうみち正常せいじょうで8.3±0.8mmとされている。

小脳しょうのう[編集へんしゅう]

こう頭蓋とうがい窩の後部こうぶひろめる小脳しょうのう両側りょうがわ半球はんきゅうとそれを中央ちゅうおう結合けつごうするむしからなる。さんつい小脳しょうのうあしによって脳幹のうかん結合けつごうしている。

小脳しょうのうかい小脳しょうのうきれ水平すいへい方向ほうこうはしるため横断おうだんぞうでは評価ひょうかしにくい。むし皮質ひしつ評価ひょうかには正中せいちゅうじょうだんぞう半球はんきゅう皮質ひしつ評価ひょうかにはじょうだん冠状かんじょうだんてきしている。小脳しょうのうきれが2.5~3.5mm以上いじょう萎縮いしゅくりと判断はんだんする。

中小ちゅうしょうのうあし小脳しょうのう求心きゅうしんけい)の萎縮いしゅく横断おうだんぞうでは中小ちゅうしょうのうあしあつみの減少げんしょう小脳しょうのうきょうかくそうひらきだいだいよんのうしつがわかた拡大かくだいしめされる。せい常例じょうれいでは下部かぶきょうレベルでのだいよんのうしつ最大さいだい左右さゆうみちは20mmほどとされる。またT1WIの冠状かんじょうだんぞうだいよんのうしつそこふく脳幹のうかんがわえん平行へいこう断面だんめんにて正常せいじょうなか小脳しょうのうあしうえ外方そっぽとつのなだらかな曲線きょくせんえがくが萎縮いしゅくがある場合ばあいはそのふくらみは消失しょうしつし、高度こうどになるとダイヤがたとげじょうていする。

小脳しょうのう遠心えんしんけいじょうかくじょう小脳しょうのうあしあかかくけい)の萎縮いしゅくともな変化へんかとしてはだいよんのうしつ拡大かくだい報告ほうこくされている。下部かぶきょうレベルではじょうかく萎縮いしゅくにより前後ぜんごに、上部じょうぶきょうレベルではうえ小脳しょうのうあし萎縮いしゅくによりがわかた拡大かくだいする。正中せいちゅうじょうだんぞうではだいよんのうしつ正常せいじょう最大さいだい前後ぜんこうみち13mmであり14mm以上いじょう拡大かくだいとされている。冠状かんじょうだんぞうだいよんのうしつそこからがわ5mmの断面だんめん正常せいじょうだいよんのうしつ二等辺三角形にとうへんさんかっけいにみえる。底部ていぶには小脳しょうのう小節しょうせつ小脳しょうのうひらたもも上方かみがた突出とっしゅつし、側壁そくへき直線ちょくせんじょうしめすが、がわにはじょうかくによる内側うちがわへのしょう突起とっきみとめる。じょうかくうえ小脳しょうのうあし萎縮いしゅくがあると側壁そくへきがわ内側うちがわ突起とっき不明瞭ふめいりょうとなり、側壁そくへきそと上方かみがたに膨隆して釣鐘つりがねじょうとなる。 八木はちぼくらの方法ほうほうではだいよんのうしつ正中せいちゅうじょうだんぞう最大さいだい前後ぜんこうみち計測けいそくし、これを前後ぜんごみちとした。水平すいへいだんぞうはし中央ちゅうおうレベルにおける最大さいだいよこみち計測けいそくし、これをよこみちとした。

脳幹のうかんのう梗塞こうそく[編集へんしゅう]

脳幹のうかん血管けっかん支配しはい[編集へんしゅう]

ヒトの場合ばあい説明せつめいする。脳幹のうかん、および小脳しょうのう椎骨ついこつ動脈どうみゃくけい栄養えいようされる。椎骨ついこつ動脈どうみゃくぜん脊髄せきずい動脈どうみゃくこうした小脳しょうのう動脈どうみゃく (PICA) をぶんえだしたのち左右さゆう合流ごうりゅうしてのうそこ動脈どうみゃくとなる。のうそこ動脈どうみゃく基本きほんてきはしはら側部そくぶのうそこみぞ沿ってうえぎょうし、ちゅうのうあしあいだ窩で左右さゆうこう大脳だいのうのうみゃく (PCA) にぶんえだする。のうそこ動脈どうみゃくからの主要しゅようぶんえだぜんした小脳しょうのう動脈どうみゃく (AICA) とうえ小脳しょうのう動脈どうみゃく (SCA) であるが、はし動脈どうみゃくという穿ほじどおりえだぶんえだしている。はし動脈どうみゃくにははた正中せいちゅう動脈どうみゃくたん回旋かいせん動脈どうみゃくちょう回旋かいせん動脈どうみゃくの3ぐんられている。

延髄えんずい支配しはい血管けっかん
延髄えんずいを灌流する血管けっかんぜん内側うちがわ延髄えんずいえだぜん外側そとがわ延髄えんずいえだ外側そとがわ延髄えんずいえだこう延髄えんずいえだの4ほんられている。ぜん内側うちがわ延髄えんずいえだ椎骨ついこつ動脈どうみゃくぜん脊髄せきずい動脈どうみゃくから形成けいせいされる。ぜん外側そとがわ延髄えんずいえだぜん内側うちがわ延髄えんずいえだからぶんえだする。外側そとがわ延髄えんずいえだしも小脳しょうのう動脈どうみゃく (PICA)、椎骨ついこつ動脈どうみゃくのうそこ動脈どうみゃくえだ形成けいせいされる。こう延髄えんずいえだぜんした小脳しょうのう動脈どうみゃく (AICA) から形成けいせいされる。
はし支配しはい血管けっかん
はし血管けっかん支配しはいのうそこ動脈どうみゃくからぶんえだする3種類しゅるい穿ほじどおりえだはし動脈どうみゃくわれるはた正中せいちゅう動脈どうみゃくたん回旋かいせん動脈どうみゃくちょう回旋かいせん動脈どうみゃくの3ぐんによってはしはら側部そくぶはしぶた栄養えいようされる。にはぜんした小脳しょうのう動脈どうみゃく (AICA) やうえ小脳しょうのう動脈どうみゃく (SCA) も関与かんよする。
ちゅうのう支配しはい血管けっかん
ちゅうのう還流かんりゅういき正中せいちゅう外側そとがわがわかく領域りょういきけられる。正中せいちゅう領域りょういきにはのうそこ動脈どうみゃくからぶんえだする動脈どうみゃく分布ぶんぷする。外側そとがわ領域りょういきがわ領域りょういきではこう大脳だいのう動脈どうみゃくからのえだぶんえだする。一部いちぶにはぜん脈絡みゃくらくくさむら動脈どうみゃくからのえだ分布ぶんぷする。

脳幹のうかん梗塞こうそく障害しょうがい部位ぶい症状しょうじょう関係かんけい[編集へんしゅう]

特徴とくちょうある症候群しょうこうぐん以下いかにまとめる。

部位ぶい 症候群しょうこうぐん 障害しょうがい部位ぶい 病巣びょうそうがわ症状しょうじょう 病巣びょうそう反対はんたいがわ症状しょうじょう
延髄えんずい ワレンベルグ症候群しょうこうぐん(Wallemberg症候群しょうこうぐん延髄えんずい外側そとがわ症候群しょうこうぐん PICA還流かんりゅういき延髄えんずいがい側部そくぶ 顔面がんめんゆたか痛覚つうかく障害しょうがい三叉みつまた神経しんけい脊髄せきずいかく)、小脳しょうのう失調しっちょうしも小脳しょうのうあし)、ホルネル症候群しょうこうぐん延髄えんずいもうさまたい)、めまい、前庭ぜんてい神経しんけいかく)、軟口蓋なんこうがい咽頭いんとう喉頭こうとう麻痺まひうたぐかく 頸部以下いか半身はんしんゆたか痛覚つうかく障害しょうがい脊髄せきずい視床ししょう
デジュリン症候群しょうこうぐん(Dejerine症候群しょうこうぐん延髄えんずい正中せいちゅう症候群しょうこうぐん ぜん脊髄せきずい動脈どうみゃく流域りゅういき延髄えんずいない側部そくぶ した半分はんぶん萎縮いしゅく麻痺まひずいないした神経しんけいかく以下いか 顔面がんめんのぞかた麻痺まひ交叉こうさぜんきりからだ)、頸部以下いか触覚しょっかく深部しんぶ知覚ちかく障害しょうがい内側うちがわたい
バビンスキー・ナジョット症候群しょうこうぐん(Babinski-Nageotti症候群しょうこうぐん ワレンベルグ症候群しょうこうぐんとでデジュリン症候群しょうこうぐん合併がっぺい単一たんいつ血管けっかん領域りょういきではない) ワレンベルグ症候群しょうこうぐんとでデジュリン症候群しょうこうぐん合併がっぺい ワレンベルグ症候群しょうこうぐんとでデジュリン症候群しょうこうぐん合併がっぺい
はし ミルズ症候群しょうこうぐん(Mills症候群しょうこうぐん橋上はしがみ部外ぶがいがわ症候群しょうこうぐん SCA灌流域りゅういき橋上はしがみ部外ぶがい側部そくぶ 小脳しょうのう失調しっちょう交叉こうさまえうえ小脳しょうのうあし)、随意ずいい運動うんどう交叉こうさまえうえ小脳しょうのうあし)、ホルネル症候群しょうこうぐんはしもうさまたい)、口蓋こうがいミオクローヌス(ギラン・モラレの三角さんかく 顔面がんめんふく半身はんしんゆたか痛覚つうかく障害しょうがい三叉みつまた神経しんけいたい脊髄せきずい視床ししょう)、聴力ちょうりょく障害しょうがい外側そとがわたい
レイモンド・セスチン症候群しょうこうぐん(Raymond-Cestan症候群しょうこうぐんはし上部じょうぶぶた症候群しょうこうぐん はし上部じょうぶぶた 小脳しょうのう失調しっちょう交叉こうさまえうえ小脳しょうのうあし)、MLF症候群しょうこうぐん病巣びょうそうがわへのがわかた注視ちゅうし麻痺まひ前頭まえがしら~PPRFへの交叉こうさ線維せんい)、口蓋こうがいミオクローヌス(ギラン・モラレの三角さんかく 顔面がんめんふく半身はんしん知覚ちかく障害しょうがい三叉みつまた神経しんけいたい脊髄せきずい視床ししょう内側うちがわたい
グルネ症候群しょうこうぐん(Grenet症候群しょうこうぐんはし中部ちゅうぶぶた症候群しょうこうぐん はし中部ちゅうぶぶた 顔面がんめん半分はんぶんゆたか痛覚つうかく触覚しょっかく障害しょうがい三叉みつまた神経しんけいかく)、咬筋麻痺まひ三叉みつまた神経しんけい運動うんどうかく)、小脳しょうのう失調しっちょう中小ちゅうしょうのうあし 頸部以下いか半身はんしんゆたか痛覚つうかく障害しょうがい脊髄せきずい視床ししょう
橋下はしもと部外ぶがいがわ症候群しょうこうぐん AICA灌流域りゅういき橋下はしもと部外ぶがい側部そくぶ 顔面がんめん半分はんぶんゆたか痛覚つうかく障害しょうがい三叉みつまた神経しんけい脊髄せきずいかく)、小脳しょうのう失調しっちょう中小ちゅうしょうのうあし)、ホルネル症候群しょうこうぐんはしもうさまたい)、難聴なんちょううえオリーブかく近傍きんぼう聴覚ちょうかく)、顔面がんめん神経しんけい麻痺まひずいないかく以下いか 頸部以下いか半身はんしんゆたか痛覚つうかく障害しょうがい脊髄せきずい視床ししょう
ミヤール・ギュブレール症候群しょうこうぐん(Millard-Gubler症候群しょうこうぐんはし下部かぶはらがわ症候群しょうこうぐん はし下部かぶはら側部そくぶ そとてん神経しんけい麻痺まひずいないかく以下いか)、顔面がんめん神経しんけい麻痺まひずいないかく以下いか かた麻痺まひきりからだ
フォヴィル症候群しょうこうぐん(Foville症候群しょうこうぐん はし下部かぶはらがわせっする そとてん神経しんけい麻痺まひずいないかく以下いか)、顔面がんめん神経しんけい麻痺まひずいないかく以下いか)、病巣びょうそうがわへのがわかた注視ちゅうし麻痺まひ (PPRF) かた麻痺まひきりからだ
ちゅうのう ウェーバー症候群しょうこうぐん(Weber症候群しょうこうぐん ちゅうのう上丘かみおかレベル どう神経しんけい麻痺まひずいないどう神経しんけい かた麻痺まひ大脳だいのうあしにおけるきりからだ
ベネディクト症候群しょうこうぐん(Benedikt症候群しょうこうぐん ちゅうのう上丘かみおかレベル どう神経しんけい麻痺まひずいないどう神経しんけい 不全ふぜんへん麻痺まひ交叉こうさまえあかかく脊髄せきずい大脳だいのうあしにおける交叉こうさぜんきりからだ)、上下じょうげ随意ずいい運動うんどうあかかく
クロード症候群しょうこうぐん(Claude症候群しょうこうぐん ちゅうのうおかレベル どう神経しんけい麻痺まひずいないどう神経しんけい 小脳しょうのう失調しっちょう交叉こうさうえ小脳しょうのうあし

また、病巣びょうそうがわ病巣びょうそう反対はんたいがわ症状しょうじょうがない場合ばあいもある。以下いかよう症候群しょうこうぐんられている。

部位ぶい 症候群しょうこうぐん 障害しょうがい部位ぶい 症状しょうじょう
はし 症候群しょうこうぐん(locked-in症候群しょうこうぐん はしはらがわ広範こうはん病変びょうへん 意識いしき清明せいめいはしもうさまたい正常せいじょう)、垂直すいちょくせい眼球がんきゅう運動うんどう開閉かいへい以外いがい随意ずいい運動うんどう消失しょうしつ皮質ひしつきょうきりからだ
ocular bobbing はし広範こうはん病変びょうへん りょう眼球がんきゅう急速きゅうそく沈下ちんかしてゆっくりともどる。
ちゅうのう パリノー症候群しょうこうぐん(Parinaud症候群しょうこうぐん あかかく側部そくぶ 垂直すいちょくせい注視ちゅうし麻痺まひ (riMLF) と輻輳ふくそう麻痺まひ責任せきにん神経しんけいかく不明ふめい
アーガイル・ロバートソン瞳孔どうこう ぶた全域ぜんいきからEWかくへのあいだ障害しょうがい たいひかり反射はんしゃ消失しょうしつ輻輳ふくそう調節ちょうせつ反射はんしゃ正常せいじょう

画像がぞう[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 臨床りんしょう神経しんけいがく 35.126-130,1995 はち木下きのした小島こじま平山ひらやま
  2. ^ Anatomography

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • のうMRI 2 代謝たいしゃだつずい変性へんせい外傷がいしょう ISBN 9784879623775
  • 頭部とうぶ画像がぞう解剖かいぼう 徹頭徹尾てっとうてつび疾患しっかん見極みきわ的確てきかく診断しんだんする ISBN 9784758308908

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]