痺 れ
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痺 れを起 こす疾患
[足 の痺 れ
[脊髄 病変 頚部 、胸部 、腰部 どこの障害 でも足 の痺 れは起 こりえる。脊髄 病変 を積極 的 に疑 う所見 としては膀胱 直腸 障害 である。歩行 障害 も認 める場合 が多 く、大抵 は階段 を下 るときが辛 いという。階段 を下 るとき辛 いというのは下肢 の痙性麻痺 や運動 失調 を強 く疑 うエピソードである。上 りが辛 いという場合 は筋力 低下 は疑 えるものの診断 学 的 価値 はかなり低 い情報 となってしまう。怒 責 や咳 、くしゃみによって放散 痛 が生 じることも脊髄 病変 では特徴 的 である。脊髄 病変 を起 こしやすい職業 歴 として柔道 、ラグビー、レスリングの選手 やタクシーの運転 手 が多 いということも念頭 に置 くべきである。
多発 神経 炎 脊髄 病変 を疑 えるエピソードがない場合 は多発 神経 炎 (ポリニューロパチー)を考 える。この病気 ではつま先 から徐々 に症状 が上 行 してきて、運動 神経 よりも感覚 神経 の方 が優位 に障害 されるのが特徴 的 である。多発 神経 炎 は原因 疾患 の検索 が重要 である。糖尿 病 、アルコール、薬剤 性 などが高 頻度 である。悪性 腫瘍 や全身 性 血管 炎 でも生 じうる。
手 の痺 れ
[頚 髄 病変 脊髄 の病変 でも手 の痺 れは生 じうる。手 が痺 れる場合 、その責任 病巣 は頚 髄 であり、頸椎症 が原因 疾患 であることが非常 に多 い。痺 れの領域 は基本 的 にはデルマトームに従 う。足 の痺 れの場合 と同 じで膀胱 直腸 障害 、階段 を下 る際 に辛 い、怒 責 で放散 痛 が生 じる、スポーツ選手 やタクシードライバーに多 い。手 根 管 症候群 手 根 管 症候群 は特発 性 のものでは中年 の女性 に多 い。長時間 のパソコン、キーボード操作 やピアノの演奏 などが誘発 因子 になることもある。基礎 疾患 としては妊娠 、透析 、甲状腺 機能 低下 症 、先端 巨大 症 といったものがある。特 に甲状腺 機能 低下 症 は手 根 管 症候群 が受診 契機 になることもある。筋 肥大 や嗄 声 といった症状 にも注意 したい。ファーレンテスト(Phalen Test、手首 関節 を屈曲 させることで痺 れを誘発 する)やティネル徴候 (Tinel Sign、手 根 管 の部分 で正中 神経 を叩 くことで痺 れを誘発 する)といった神経 徴候 が有名 である。感度 、特異 度 ともに優 れている検査 としてはハンドダイアグラムという検査 がある。これは痺 れている領域 を患者 に絵 で描 いてもらうもので、正中 神経 の支配 領域 である第 1~3指 のみである場合 はかなり手 根 管 症候群 が疑 わしい。掌 にまで及 ぶとほかの疾患 の合併 の可能 性 もある。この
脳卒中 との関係
[明 らかな急性 発症 であり筋 脱力 を伴 う場合 片側 の上下 肢 の分布 であるとき脳 血管 障害 を積極 的 に疑 う分布 の場合 (顔 と片側 と反対 側 の上下 肢 とか口 と手 掌 など)
こういった
痺 れの治療
[特発 性 良性 慢性 しびれ軽症 であればアリナミンF(ビタミンB1)50mg 1×やメチコバール(メコバラミン、ビタミンB12)1500μ g 3×、ユベラN(トコフェノール、ビタミンE)100mg 2×、ビタメジンカプセル50mg 1×(複 合 ビタミン剤 )などを使用 する。また心 因 性 の場合 も多 いため、抗 不安 薬 も併用 することもある。末梢 神経 障害 糖尿 病 性 ニューロパチーの場合 は軽症 の場合 はキネダック150mg 3×(エパレスタット)がよく用 いられる。キネダックはアルドース還元 酵素 の阻害 薬 でありアルドース還元 酵素 を特異 的 に阻害 し神経 内 のソルビトール蓄積 を抑制 する。神経 が不 可逆 的 阻害 を受 けていなければ有効 とされている。糖尿 病 性 神経症 の疼痛 やしびれに使用 されることが多 い。尿 が赤 くなるが、それは特 に問題 とならない。痛 みが強 くなってきた場合 はキネダック150mg 3×に加 えてメキシチール(メキシレチン)300mg 3×を併用 する場合 が多 い。メキシチールはⅠb群 の抗 不整脈 薬 であり、不整脈 を誘発 することがあるので投与 まえに心電図 を検査 することが望 ましい。1か月 をめどに使用 し効果 がなければ2週間 で退 薬 する。また痛 みが難治 性 となった場合 はテグレトール400mg 2×(カルバマゼピン)を使用 することも多 い。この痛 みによってうつ状態 となることも多 く、抗 うつ薬 、抗 不安 薬 が効果 的 な場合 もある。トフラニール30mg 3×(イミプラミン)は三 環 系 抗 うつ薬 であり、セルシン6mg 3×(ジアゼパム)は抗 不安 薬 である。セルシンとテグレトールの併用 はしばしば行 われる。なお、日常 生活 に支障 がでるほどの糖尿 病 性 神経症 では神経 が不 可逆 的 な変化 を起 こしておりこれらの薬物 が効果 的 でない場合 も多 い。その場合 、痛 み、しびれは訴 えないこともある。- アルコールや
栄養 障害 のニューロパチーを疑 った場合 はビタメジンカプセル(50)3C3×とメチコバール 1500μ g 3×を併用 することもある。 手 根 管 症候群 - この
場合 は原 疾患 の治療 とNSAIDsによる疼痛 を行 う場合 が多 い。浮腫 に対 してラシックス®(フロセミド);40mg1×も使用 される。 神経痛 - テグレトール(カルバマゼピン)が
頻用 される。帯状疱疹 後 などではフランドルテープが効果 的 なこともある。
他 の用法
[「
我慢 して待 つ例文 :もう痺 れが切 れた。(もう待 てない。)感動 例文 :あの人 の歌 には痺 れた。(あの人 の歌 に感動 した。)
参考 文献
[問題 解決 型 救急 初期 診療 ISBN 426012255X- Step By Step!
初期 診療 アプローチ(第 3巻 )ISBN 4903331679 神経 内科 ケーススタディ ISBN 4880024252- Q&Aとイラストで
学 ぶ神経 内科 ISBN 4880024635 考 える技術 臨床 的 思考 を分析 する ISBN 9784822261092- マッシー
池田 の神経 内科 快刀 乱麻 !(下巻 ) ISBN 4903331261