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SARSコロナウイルス

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SARSコロナウイルス
SARSコロナウイルスの電子でんし顕微鏡けんびきょう写真しゃしん
SARS感染かんせんによる死者ししゃくに地域ちいきくろ
SARS感染かんせんしゃくに地域ちいきあか
SARS感染かんせんしゃ確認かくにんされなかったくに地域ちいきはい
分類ぶんるい
レルム : リボウィリア Riboviria
さかい : オルトルナウイルスかい Orthornavirae
もん : ピスウイルスもん Pisuviricota
つな : ピソニウイルスこう Pisoniviricetes
: ニドウイルス Nidovirales
: コルニドウイルス
Cornidovirineae
: コロナウイルス
Coronaviridae
: オルトコロナウイルス Orthocoronavirinae
ぞく : ベータコロナウイルスぞく
Betacoronavirus
ぞく : サルベコウイルスぞく
Sarbecovirus
たね : SARS関連かんれんコロナウイルス
Severe acute respiratory syndrome-related coronavirus
かぶ : SARSコロナウイルス Severe acute respiratory syndrome coronavirus

SARSコロナウイルス(サーズコロナウイルス、えい: Severe acute respiratory syndrome coronavirus, SARS-CoV)は、一本いっぽんくさりプラスくさりRNAウイルスで、SARS関連かんれんコロナウイルス (SARSr-CoV) にぞくするコロナウイルスである。中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくから発見はっけんされ2003ねん流行りゅうこうした重症じゅうしょう急性きゅうせい呼吸こきゅう症候群しょうこうぐん (Severe acute respiratory syndrome = SARS) の病原びょうげんたいとして同定どうていされた。通称つうしょう SARSウイルス飛沫しぶき感染かんせんによりひろがるとみられている。

感染かんせんじょうきょう

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当初とうしょ中国ちゅうごく政府せいふ対応たいおうおく[1]により中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくそとでも多数たすう感染かんせんしゃ死者ししゃ確認かくにんされた。そのアジアカナダアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく中心ちゅうしん感染かんせん拡大かくだい、2003ねん3がつ12にち世界せかい保健ほけん機関きかん(WHO)からグローバルアラートされ、同年どうねん7がつ5にち終息しゅうそく宣言せんげん[2]されるまで、32の地域ちいきくににわたり8,000にん以上いじょう感染かんせんしゃした。研究けんきゅう結果けっかによると60さい以上いじょう致死ちしりつは50%をえていたと発表はっぴょうされている[3]

また、日本にっぽんでの感染かんせんしゃ確認かくにんされなかった。感染かんせん終息しゅうそくしているものの、SARSコロナウイルスに効果こうかがあるワクチンは2023ねん現在げんざいでも開発かいはつされていない[3]

症状しょうじょう

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感染かんせん数日すうじつあいだ症状しょうじょうのままだが、徐々じょじょ発熱はつねつせき筋肉きんにくつうのようないたみ、しびれがあらわれるとされている。病状びょうじょうとともに進行しんこうするリンパだま減少げんしょう血小板けっしょうばん減少げんしょう、APTTの延長えんちょう、LDH上昇じょうしょう血清けっせい電解でんかいしつ異常いじょうなどが複数ふくすう研究けんきゅうにより報告ほうこくされている[4]

患者かんじゃ早期そうき発見はっけん隔離かくり接触せっしょくしゃ隔離かくり検疫けんえき以外いがい有効ゆうこう予防よぼう措置そちがない。呼吸こきゅう感染かんせんしょう一般いっぱんてき予防よぼうさくとしては、マスク着用ちゃくよう手洗てあらうがい消毒しょうどくをこまめにする方法ほうほうがある[3][4]

状況じょうきょう推移すいい

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中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく広東かんとんしょう起点きてんとし、2003ねん3がつごろからだい流行りゅうこうきざしをはじめた。重症じゅうしょう急性きゅうせい呼吸こきゅう症候群しょうこうぐん原因げんいんが『新種しんしゅウイルスである』可能かのうせいは、2002ねん11月ごろから指摘してきされていた。

2003ねん
  • 3がつ下旬げじゅん中華民国ちゅうかみんこく台湾たいわん)のテレビ報道ほうどうで「なぞしんやまい発生はっせい」と報道ほうどうされる。
  • 3月27にち香港ほんこん大学だいがく研究けんきゅうチームがSARSの原因げんいん新種しんしゅのコロナウイルスと特定とくていしたと発表はっぴょうコッホのよん原則げんそく適合てきごう)。
  • 4がつ1にち世界せかい保健ほけん機関きかん (WHO) はコロナウイルスがおも原因げんいんとの見解けんかい公表こうひょう
  • 4がつ10日とおか、SARS患者かんじゃから検出けんしゅつされたコロナウイルスの遺伝子いでんし配列はいれつが、既知きちたねのものとはおおきくことなっているとのベルンハルト・ノッホ研究所けんきゅうじょドイツとうによる解析かいせき結果けっか発表はっぴょうされた。
  • アメリカ疾病しっぺい予防よぼう管理かんりセンター (CDC) は、世界せかい各地かくちのSARS患者かんじゃからほぼおな遺伝子いでんし配列はいれつのコロナウイルスを検出けんしゅつし、これが原因げんいんである可能かのうせいたかいことを発表はっぴょうした。
  • オランダのエラスムス大学だいがく研究けんきゅうチームが、SARS患者かんじゃから分離ぶんりされたしんコロナウイルスをサル投与とうよする方法ほうほうで、SARSの原因げんいんであることを検証けんしょうした。
  • 4がつ16にち、WHOはSARSの原因げんいん新種しんしゅのコロナウイルスと確認かくにんされたと発表はっぴょう、これをSARSコロナウイルスと命名めいめいした。
  • 7がつ5にち、WHOはSARSふう成功せいこう発表はっぴょう[5][2]
2004ねん以降いこう
  • 1がつから5がつにかけ散発さんぱつてき発生はっせいがあったが、その発生はっせい確認かくにんされていない。なお、2019ねん11月ごろから中国ちゅうごく湖北こほくしょう武漢ぶかん起点きてんとしてパンデミックこしている、SARSコロナウイルス2SARS-CoV-2[6]は、SARSコロナウイルスの直接ちょくせつ子孫しそんではないものの姉妹しまい関係かんけいにあり[7]おなコロナウイルスたねである[7][6]。このウイルスとSARSコロナウイルスで、ウイルスゲノムしょう同性どうせいは80%程度ていどである[8]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ日経にっけいBPしゃ. “天然痘てんねんとう勝利しょうり、SARSふうめ パンデミックたたかいの歴史れきし|ナショジオ|NIKKEI STYLE”. NIKKEI STYLE. 2020ねん10がつ20日はつか閲覧えつらん
  2. ^ a b 7がつ 5にち WHOがSARSふう宣言せんげん発表はっぴょう(2003ねん)(ブルーバックス編集へんしゅう”. ブルーバックス | 講談社こうだんしゃ (2020ねん7がつ5にち). 2020ねん10がつ20日はつか閲覧えつらん
  3. ^ a b c 重症じゅうしょう急性きゅうせい呼吸こきゅう症候群しょうこうぐん(SARS)”. www.forth.go.jp. 2020ねん10がつ20日はつか閲覧えつらん
  4. ^ a b SARS(重症じゅうしょう急性きゅうせい呼吸こきゅう症候群しょうこうぐん)とは”. www.niid.go.jp. 2020ねん10がつ20日はつか閲覧えつらん
  5. ^ SARS outbreak contained worldwide”. WHO (2003ねん7がつ5にち). 2017ねん9がつ24にち閲覧えつらん
  6. ^ a b Severe acute respiratory syndrome-related coronavirus: The species and its viruses – a statement of the Coronavirus Study Group (PDF) - ICTV
  7. ^ a b Coronavirus Study Group (2020ねん2がつ11にち). “Severe acute respiratory syndrome-related coronavirus: The species and its viruses”. bioRxiv. 2020ねん2がつ12にち閲覧えつらん
  8. ^ “Analysis of therapeutic targets for SARS-CoV-2 and discovery of potential drugs by computational methods”. Acta Pharmaceutica Sinica B. (February 2020). doi:10.1016/j.apsb.2020.02.008. 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん資料しりょう

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  • 田中たなか文広ふみひろトピックス SARSコロナウイルス (PDF) 」、『ウイルス』 日本にっぽんウイルス学会がっかい、2003ねん12月、だい53かんだい2ごう、pp.201-209。