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自己じこ免疫めんえき疾患しっかん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

自己じこ免疫めんえき疾患しっかん(じこめんえきしっかん、えい: Autoimmune disease)とは、異物いぶつ認識にんしき排除はいじょするための役割やくわり免疫めんえきけいが、自分じぶん自身じしん正常せいじょう細胞さいぼう組織そしきたいしてまで過剰かじょう反応はんのう攻撃こうげきくわえてしまうことで症状しょうじょうこす、免疫めんえき寛容かんよう破綻はたんによる疾患しっかん総称そうしょう

自己じこ免疫めんえき疾患しっかんは、全身ぜんしんにわたり影響えいきょうおよ全身ぜんしんせい自己じこ免疫めんえき疾患しっかんと、特定とくてい臓器ぞうきだけが影響えいきょうける臓器ぞうき特異とくいてき疾患しっかんの2種類しゅるいけることができる。関節かんせつリウマチ全身ぜんしんせいエリテマトーデス(SLE)に代表だいひょうされるにかわばらびょうは、全身ぜんしんせい自己じこ免疫めんえき疾患しっかんである。

歴史れきし原因げんいん[編集へんしゅう]

20世紀せいきはじめには、ドイツのパウル・エールリヒにより提唱ていしょうされた、免疫めんえきけい自分じぶん自身じしん攻撃こうげきしないとする「自己じこ中毒ちゅうどく忌避きひせつ(Horror autotoxicus)」を代表だいひょうとするかんがかた主流しゅりゅうであった。しかし、その研究けんきゅうにより自分じぶんからだ構成こうせい成分せいぶん抗原こうげんとする自己じこ抗体こうたい発見はっけんされるにつれ、自己じこ免疫めんえき疾患しっかん存在そんざいあきらかになっていった。

炎症えんしょうせいちょう疾患しっかんのぞき、おおくの自己じこ免疫めんえき疾患しっかん女性じょせいおおい(炎症えんしょうせいちょう疾患しっかんについては男女だんじょはほとんどない)。理由りゆうあきらかになっていないが、ホルモン関与かんよしているというせつがある。また、マイクロキメリズムばれる「妊娠にんしんなか胎児たいじ母体ぼたいとのあいだ胎盤たいばんとおしてこる微量びりょう細胞さいぼうのやりり」があり、出産しゅっさん誕生たんじょう)、すうじゅうねん経過けいかしても他者たしゃ由来ゆらい細胞さいぼう存在そんざいしていることがあきらかになっている。「自己じこ免疫めんえき疾患しっかん」とばれている疾患しっかんなかにはマイクロキメリズムにより他者たしゃ由来ゆらい細胞さいぼう影響えいきょう発生はっせいしているものも存在そんざいするとの研究けんきゅう結果けっかがある[1]。ブタののうエアロゾル粘膜ねんまくから吸収きゅうしゅうしてしまい、自己じこ免疫めんえき疾患しっかん発症はっしょうしたれい存在そんざいする (en:Progressive inflammatory neuropathy)[2]

ペンダーの仮説かせつ「EBVの初感染しょかんせん扁桃腺へんとうせん自己じこ応答おうとうせいのナイーブB細胞さいぼうにEBVが感染かんせんし、それらのB細胞さいぼうをEBVははい中心ちゅうしん移行いこうさせ、そこでそのB細胞さいぼう分裂ぶんれつ増殖ぞうしょくしEBVの潜伏せんぷく感染かんせん状態じょうたいにある自己じこ反応はんのうせいのメモリーB細胞さいぼうとなる(矢印やじるし1)。そしてそれらのEBV感染かんせんB細胞さいぼう扁桃腺へんとうせんて、ちゅう循環じゅんかんする(矢印やじるし2)。EBVに感染かんせんしたB細胞さいぼうかず通常つうじょう増殖ぞうしょくしたり溶解ようかい感染かんせん状態じょうたいにあるEBV感染かんせんB細胞さいぼうころす、EBV特異とくいてき細胞さいぼう傷害しょうがいせいCD8+T細胞さいぼうによってコントロールされるが、もしこの防御ぼうぎょ機構きこう欠陥けっかんがあるとするとそうはならない。のこったEBV感染かんせん自己じこ応答おうとうせいメモリーB細胞さいぼう標的ひょうてきとする臓器ぞうき侵入しんにゅうし、そこでそれらのB細胞さいぼう居着いつき、しょうクローンせいのIgGや標的ひょうてき臓器ぞうき成分せいぶん攻撃こうげきする病原びょうげんせいのある自己じこ抗体こうたいさんせいする(矢印やじるし3)。外来がいらい抗原こうげん交叉こうさ反応はんのうすることで末梢まっしょうのリンパ器官きかん活性かっせいされた自己じこ応答おうとうせいのT細胞さいぼうは、ちゅう循環じゅんかんしそして標的ひょうてき臓器ぞうきはいり、そこで主要しゅよう組織そしき適合てきごう遺伝子いでんしふく合体がったい(major histocompatibility complex;MHC)に結合けつごうした標的ひょうてき臓器ぞうきペプチド(target organ peptides;Tp)を提示ていじするEBVに感染かんせんした自己じこ応答おうとうせいのB細胞さいぼうによってさい活性かっせいされる(矢印やじるし4)。これらのEBVに感染かんせんしたB細胞さいぼうきょう刺激しげき生存せいぞんシグナルをB7によって自己じこ応答おうとうせいのT細胞さいぼうのCD28受容じゅようたいあたえ、それによって通常つうじょう自己じこ応答おうとうせいのT細胞さいぼう標的ひょうてき臓器ぞうき侵入しんにゅうしたときにB7きょう刺激しげき分子ぶんし発現はつげんしていないノンプロフェッショナル抗原こうげん提示ていじ細胞さいぼう(antigen-presenting cells;APCs)と反応はんのうすることによってこる活性かっせい誘導ゆうどうせいのT細胞さいぼうアポトーシスを阻害そがいする(矢印やじるし6)。自己じこ応答おうとうせいのT細胞さいぼうがEBV感染かんせん自己じこ応答おうとうせいB細胞さいぼうさい活性かっせいされると、これらの自己じこ応答おうとうせいのT細胞さいぼうはインターロイキン2(IL-2)・インターフェロンγがんま(IFN-γがんま)・腫瘍しゅよう壊死えし因子いんしβべーた(tumour necrosis factor-βべーた;TNF-βべーた)といったサイトカインをさんし、そして標的ひょうてき細胞さいぼうへの自己じこ免疫めんえき応答おうとう指揮しきする(矢印やじるし5)。BCR;B cell receptor(B細胞さいぼう受容じゅようたい)、TCR;T cell receptor(T細胞さいぼう受容じゅようたい)」

オーストラリアのクイーンズランド大学だいがく医学部いがくぶのマイケル・P・ペンダー(Michael P. Pender)によって2003ねん[3]・2011ねん[4]・2012ねん[5]、9わり以上いじょう人間にんげん感染かんせんしているヘルペスウイルス一種いっしゅエプスタイン・バール・ウイルス(EBウイルス)による自己じこ免疫めんえき疾患しっかん発症はっしょうのメカニズム仮説かせつ提示ていじされた。この仮説かせつは「ペンダーの仮説かせつ(Pender's hypothesis)」とばれており、様々さまざま自己じこ免疫めんえき疾患しっかんとEBウイルスとのかかわりが指摘してきされていることから、多発たはつせい硬化こうかしょう関節かんせつリウマチ全身ぜんしんせいエリテマトーデスシェーグレン症候群しょうこうぐんぜん身性みじょうきょうかわしょう皮膚ひふ筋炎きんえん原発げんぱつせい胆汁たんじゅうせい肝硬変かんこうへん原発げんぱつせい硬化こうかせいきもかんえん潰瘍かいようせい大腸だいちょうえんクローンびょう乾癬かんせん尋常じんじょうせい白斑はくはん水疱すいほうせいるいてん疱瘡ほうそう円形えんけい脱毛だつもうしょう突発とっぱつせい拡張かくちょうがた心筋しんきんしょう1がた糖尿とうにょうびょうバセドウびょう橋本はしもとびょう重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょうIgAじんしょうまくせいじんしょう悪性あくせい貧血ひんけつ、といった自己じこ免疫めんえき疾患しっかん発症はっしょうに、どのように細胞さいぼう傷害しょうがいせいT細胞さいぼう機能きのう不全ふぜんビタミンD欠乏けつぼう・EBウイルスがどのようにかかわってくるかを考察こうさつしたものである。このペンダーの仮説かせつは、遺伝いでんとう原因げんいんによってEBウイルスにたいするCD8+T細胞さいぼう応答おうとうなんらかの不全ふぜんき、EBウイルスに感染かんせんした自己じこ反応はんのうせい記憶きおくB細胞さいぼう抗原こうげん提示ていじ細胞さいぼうとしてはたらき、通常つうじょう禁止きんしされた自己じこ抗原こうげんのT細胞さいぼう認識にんしき可能かのうとなり、自己じこ免疫めんえき応答おうとうしょうずるというものである。

とくに、EBウイルスの潜伏せんぷく感染かんせん遺伝子いでんし抗原こうげんのEBNA1(Epstein-Barr virus-encoded nuclear antigen 1)と全身ぜんしんせいエリテマトーデス自己じこ抗原こうげんとされているSmとの分子ぶんししょう同性どうせい(molecular mimicry)もあきらかになっており、EBNA1にたいしてつくられた抗体こうたい自己じこ抗原こうげんのSmに交叉こうさ反応はんのう(クロスリアクション)し、全身ぜんしんせいエリテマトーデス自己じこ抗体こうたいこうSm抗体こうたいとなっていることも示唆しさされている[6][7][8]

最近さいきんでは、大阪大学おおさかだいがく微生物びせいぶつびょう研究所けんきゅうじょ/免疫めんえきがくフロンティア研究けんきゅうセンターの研究けんきゅうグループは2015ねん全身ぜんしんせいエリテマトーデスや多発たはつせい硬化こうかしょうといった自己じこ免疫めんえき疾患しっかんとのかかわりがられているEBウイルスによる自己じこ免疫めんえき疾患しっかん発症はっしょうのメカニズムを分子生物学ぶんしせいぶつがくてきしめした[9][10][11]

通常つうじょうはい中心ちゅうしんB細胞さいぼう成熟せいじゅく段階だんかいにあるB細胞さいぼう)の表面ひょうめんに、排除はいじょする抗原こうげんわないB細胞さいぼう受容じゅようたいや、自分じぶん抗原こうげん反応はんのうするB細胞さいぼう受容じゅようたいがあれば、そのB細胞さいぼうアポトーシスにより排除はいじょされる。しかし、そのはい中心ちゅうしんB細胞さいぼうがEBウイルスに感染かんせんすると、EBウイルスの潜伏せんぷく感染かんせんがた遺伝子いでんしのLMP2AがB細胞さいぼう受容じゅようたいシグナルを模倣もほうし、さらに形質けいしつ細胞さいぼう抗体こうたいさんせい細胞さいぼう)への分化ぶんか促進そくしんする因子いんし(Zbtb20)が出現しゅつげんして、本来ほんらいはアポトーシスにより排除はいじょされるべき自己じこ反応はんのうせいB細胞さいぼうのこり(B細胞さいぼう選択せんたく異常いじょう)、自己じこ反応はんのうせい受容じゅようたいなどの抗体こうたいつづける形質けいしつ細胞さいぼうになる結果けっか自己じこ免疫めんえき疾患しっかん発症はっしょうするということである。

また同様どうように、鳥取大学とっとりだいがく医学部いがくぶ医学いがく分子ぶんし病理びょうりがく分野ぶんや研究けんきゅうグループは2017ねん、EBウイルスに感染かんせんしたB細胞さいぼうから自己じこ免疫めんえきせい甲状腺こうじょうせん機能きのう亢進こうしんしょうであるバセドウびょう自己じこ抗体こうたいであるこう甲状腺こうじょうせん刺激しげきホルモンレセプター抗体こうたい(TRAb)がさんされることを分子生物学ぶんしせいぶつがくてきしめした[12]

EBウイルスに感染かんせんしたB細胞さいぼう自己じこ反応はんのうせいかによらず、EBウイルスの潜伏せんぷく感染かんせんがた遺伝子いでんしのLMP1によるT細胞さいぼう依存いぞんせいのCD40きょう刺激しげきシグナルの模倣もほうによるNF-κかっぱB活性かっせいで、活性かっせい誘導ゆうどうシチジンデアミナーゼ(AID)の発現はつげん促進そくしんされT細胞さいぼう依存いぞんせいクラススイッチ可能かのうとなり、クローンせいにあらゆるアイソタイプの抗体こうたいさんせいをしる。EBウイルスに感染かんせんしたB細胞さいぼう自己じこ反応はんのうせい抗体こうたい可変かへんっていたとき自己じこ抗体こうたいさんるということである。とくに、バセドウびょうこすのはIgG1のアイソタイプをったTRAbであり、そのためにはTRAb陽性ようせいB細胞さいぼう免疫めんえきグロブリン抗体こうたい)のクラススイッチ遺伝子いでんしさい編成へんせいこす活性かっせい誘導ゆうどうシチジンデアミナーゼ(AID)の発現はつげん必須ひっすとなるが、EBウイルスの潜伏せんぷく感染かんせんがた遺伝子いでんしのLMP1はT細胞さいぼう依存いぞんせいにCD40のシグナルを模倣もほうしNF-κかっぱBを活性かっせいさせることができ、NF-κかっぱBはAID遺伝子いでんし(AICDA)の転写てんしゃ促進そくしんするので、バセドウびょうこすIgG1のアイソタイプをったTRAbのさんせい可能かのうになるということである。

一覧いちらん[編集へんしゅう]

臓器ぞうき特異とくいせい自己じこ免疫めんえき疾患しっかん[編集へんしゅう]

罹患りかん臓器ぞうき 疾患しっかん 標的ひょうてき臓器ぞうき組織そしき 自己じこ抗体こうたい 備考びこう
神経しんけいすじ ギラン・バレー症候群しょうこうぐん ガングリオシド こうガングリオシド抗体こうたい カンピロバクターなど細菌さいきんウイルス先行せんこう感染かんせん関与かんよ
重症じゅうしょうすじ無力むりょくしょう アセチルコリンレセプター こうアセチルコリンレセプター抗体こうたい
視神経ししんけい脊髄せきずいえん ずいさや こうアクアポリン4抗体こうたい
消化しょうか 慢性まんせい胃炎いえん
慢性まんせい萎縮いしゅくせい胃炎いえん
かべ細胞さいぼう こうかべ細胞さいぼう抗体こうたい きょあかだませい貧血ひんけつ合併がっぺい
自己じこ免疫めんえきせい肝炎かんえん かん実質じっしつ細胞さいぼう こうかく抗体こうたい
こう平滑へいかつすじ抗体こうたい
こう肝腎かんじんミクロソーム抗体こうたい とう
原発げんぱつせい胆汁たんじゅうせいきもかんえん きもしょうあいだきもかん こうミトコンドリア抗体こうたい
潰瘍かいようせい大腸だいちょうえん 大腸だいちょう p-ANCA(こうHMG1/HMG2抗体こうたい)
リンパだま親和しんわせい抗体こうたいなど
炎症えんしょうせいちょう疾患しっかん
クローンびょう 食道しょくどう大腸だいちょう
きもかん 原発げんぱつせい胆汁たんじゅうせいきもかんえん   IgG4関連かんれん疾患しっかん
実質じっしつ 自己じこ免疫めんえきせい膵炎
循環じゅんかん 高安たかやす動脈どうみゃくえん 大動脈だいどうみゃく こう大動脈だいどうみゃく抗体こうたい  
はい グッドパスチャー症候群しょうこうぐん はいじん こう基底きていまく抗体こうたい 急速きゅうそく進行しんこうせいいと球体きゅうたいじんえん合併がっぺい
腎臓じんぞう 急速きゅうそく進行しんこうせいいと球体きゅうたいじんえん じんいと球体きゅうたい こう基底きていまく抗体こうたい
こうMPO-ANCA抗体こうたい
こうDNA抗体こうたい
こうP-ANCA抗体こうたい とう
血液けつえき きょあかだませい貧血ひんけつ あかだまけい こう内因ないいん抗体こうたい 慢性まんせい萎縮いしゅくせい胃炎いえん合併がっぺい
自己じこ免疫めんえきせい溶血ようけつせい貧血ひんけつ 赤血球せっけっきゅう こう赤血球せっけっきゅう抗体こうたい  
自己じこ免疫めんえきせいこうちゅうだま減少げんしょうしょう こうちゅうだま こうこうちゅうだま抗体こうたい
特発とくはつせい血小板けっしょうばん減少げんしょうせい紫斑しはんびょう 血小板けっしょうばん こう血小板けっしょうばん抗体こうたい
内分泌ないぶんぴつ代謝たいしゃ バセドウびょう 甲状腺こうじょうせん刺激しげきホルモンレセプター こう甲状腺こうじょうせん刺激しげきホルモンレセプター抗体こうたい  
橋本はしもとびょう 甲状腺こうじょうせんミクロソーム
サイログロブリン
こう甲状腺こうじょうせんミクロソーム抗体こうたい
こうサイログロブリン抗体こうたい
原発げんぱつせい甲状腺こうじょうせん機能きのう低下ていかしょう 甲状腺こうじょうせん こうペルオキシダーゼ抗体こうたい
こう甲状腺こうじょうせん刺激しげき抗体こうたい とう
特発とくはつせいアジソンびょう 副腎ふくじん こう副腎ふくじん抗体こうたい
1がた糖尿とうにょうびょう ランゲルハンスとう こうランゲルハンスとう抗体こうたい
皮膚ひふ 慢性まんせいえんいたじょうエリテマトーデス   こうかく抗体こうたい 播種はしゅがたたかちから
限局げんきょくせいきょうかわしょう こう1ほんくさりDNA抗体こうたい むらじょうきょうかわしょうたかちから
てん疱瘡ほうそう 表皮ひょうひ IgGこう表皮ひょうひ細胞さいぼう抗体こうたい
膿疱のうほうせい乾癬かんせん TNF-αあるふぁ抗体こうたい
尋常じんじょうせい乾癬かんせん 表皮ひょうひ TNF-αあるふぁ抗体こうたい
るいてん疱瘡ほうそう 表皮ひょうひ基底きていまく IgGこう表皮ひょうひ基底きていまく抗体こうたい  
妊娠にんしんせい疱疹
せんじょうIgA水疱すいほうせい皮膚ひふしょう IgAこう表皮ひょうひ基底きていまく抗体こうたい
後天こうてんせい表皮ひょうひ水疱すいほうしょう IgGこう表皮ひょうひ基底きていまく抗体こうたい
円形えんけい脱毛だつもうしょう もうはは細胞さいぼう もうつつみ周囲しゅういへのCD4陽性ようせいリンパだま浸潤しんじゅん ぜんあたまがた悪性あくせいがた顕著けんちょ
尋常じんじょうせい白斑はくはん
サットン後天こうてんせい遠心えんしんせい白斑はくはん・サットンははまだら
メラノサイト こうメラノサイト抗体こうたい ひろしはつがた(Aがた)に顕著けんちょ、サットンははまだら場合ばあいいろ素性すじょうははまだらまわりに白斑はくはんが、出現しゅつげんははまだらえることがある
原田はらだびょう ブドウまく皮膚ひふ神経しんけい 病変びょうへんのリンパだま浸潤しんじゅん
自己じこ免疫めんえきせい神経症しんけいしょう 視神経ししんけい こうかく抗体こうたい
こうカルジオリピン抗体こうたい とう
各種かくしゅ疾患しっかん合併がっぺい
みみ 自己じこ免疫めんえきせい内耳ないじ障害しょうがい 内耳ないじ 68kDa内耳ないじ自己じこ抗体こうたい 自己じこ免疫めんえき疾患しっかん一部いちぶとしても発症はっしょう
男性だんせい生殖せいしょく 特発とくはつせい精子せいししょう 精巣せいそう こう精子せいし抗体こうたい  
産婦人科さんふじんか 習慣しゅうかんせい流産りゅうざん こうβべーた2-GPI抗体こうたい
こうカルジオリピン抗体こうたい とう

全身ぜんしんせい自己じこ免疫めんえき疾患しっかん[編集へんしゅう]

疾患しっかん 標的ひょうてき臓器ぞうき組織そしき 自己じこ抗体こうたい 備考びこう
関節かんせつリウマチ 関節かんせつすべりまく リウマトイド因子いんし
こうCCP抗体こうたい
全身ぜんしんせいエリテマトーデス 臓器ぞうき こうほんくさりDNA抗体こうたい
こうかく抗体こうたい ひとし
こうリン脂質ししつ抗体こうたい症候群しょうこうぐん 動脈どうみゃく静脈じょうみゃく子宮しきゅう ひとし こうリン脂質ししつ抗体こうたい
多発たはつせい筋炎きんえん
皮膚ひふ筋炎きんえん
皮膚ひふすじはい とう こうアミノアシルtRNA合成ごうせい酵素こうそ(ARS)抗体こうたい
こうJo-1抗体こうたい
こうMi-2抗体こうたい
こう155/140抗体こうたい
こうCADM-140抗体こうたい
つよかわしょう 皮膚ひふはい腎臓じんぞう ひとし こうトポイソメラーゼI抗体こうたい
こうRNAポリメラーゼIII抗体こうたい
こうセントロメア抗体こうたい とう
シェーグレン症候群しょうこうぐん 涙腺るいせん唾液腺だえきせん臓器ぞうき こうRo/SS-A抗体こうたい とう
IgG4関連かんれん疾患しっかん 臓器ぞうき
血管けっかんえん症候群しょうこうぐん 血管けっかん こうこうちゅうだま細胞さいぼうしつ抗体こうたい(ANCA関連かんれん血管けっかんえん 一部いちぶ公費こうひ対象たいしょう
混合こんごうせい結合けつごう組織そしきびょう 臓器ぞうき こうU1-RNP抗体こうたい

ちゅう桃色ももいろらん厚生こうせい労働省ろうどうしょう特定とくてい疾患しっかん研究けんきゅう対象たいしょう疾患しっかん、いわゆる難病なんびょうであり公費こうひ負担ふたん対象たいしょうとなる。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 日経にっけいサイエンス』(2008ねん5がつごう) - J.L.ネルソン(J. Lee Nelson)「マイクロキメリズム あなたの身体しんたいひそむ“他者たしゃ”の細胞さいぼう」(原題げんだいめい:Your cells Are My CellsSCIENTIFIC AMERICAN February 2008))
  2. ^ 「ブタののう」をんだ労働ろうどうしゃたちになぞ神経しんけい疾患しっかん WIRED.jp 2009ねん3がつ17にち
  3. ^ Pender MP (2003). "Infection of autoreactive B lymphocytes with EBV, causing chronic autoimmune diseases"Trends in Immunology24(11): 584-8., PMID 14596882, doi:10.1016/j.it.2003.09.005
  4. ^ Pender MP (2011). "The essential role of Epstein-Barr virus in the pathogenesis of multiple sclerosis"The Neuroscientist.  17 (4): 351-67., PMC 3764840PMID 21075971doi:10.1177/1073858410381531
  5. ^ Pender MP (2012). "CD8+ T-Cell Deficiency, Epstein-Barr Virus Infection, Vitamin D Deficiency, and Steps to Autoimmunity: A Unifying Hypothesis"Autoimmune Diseases2012: 189096., PMC 3270541, PMID 22312480, doi:10.1155/2012/189096
  6. ^ Sabbatini A, Bombardieri S, Migliorini P (1993). "Autoantibodies from patients with systemic lupus erythematosus bind a shared sequence of SmD and Epstein-Barr virus-encoded nuclear antigen EBNA I"European Journal of Immunology23 (5): 1146-52., PMID 8386666doi:10.1002/eji.1830230525
  7. ^ Incaprera M, Rindi L, Bazzichi A, Garzelli C (1998). "Potential role of the Epstein-Barr virus in systemic lupus erythematosus autoimmunity"Clinical & Experimental Rheumatology16 (3): 289-94., PMID 9631751
  8. ^ Poole BD, Scofield RH, Harley JB, James JA (2006). "Epstein-Barr virus and molecular mimicry in systemic lupus erythematosus"Autoimmunity39 (1): 63-70., PMID 16455583doi:10.1080/08916930500484849
  9. ^ Minamitani T, Yasui T, Ma Y, Zhou H, Okuzaki D, Tsai CY, Sakakibara S, Gewurz BE, Kieff E, Kikutani H (2015). "Evasion of affinity-based selection in germinal centers by Epstein-Barr virus LMP2A". Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 112 (37): 11612-7., PMC 4577157, PMID 26305967, doi:10.1073/pnas.1514484112
  10. ^ 自己じこ免疫めんえき疾患しっかんがねとなるウイルス因子いんし同定どうていリソウ 2015ねん8がつ25にち
  11. ^ 坂口さかぐち至徳しとく科学かがく現場げんばあるく】 だれもが感染かんせんヘルペス…EBウイルスの因子いんし解明かいめい 阪大はんだい自己じこ免疫めんえき疾患しっかん治療ちりょうみち産経さんけいWEST 2015ねん8がつ28にち
  12. ^ Nagata K, Kumata K, Nakayama Y, Satoh Y, Sugihara H, Hara S, Matsushita M, Kuwamoto S, Kato M, Murakami I, Hayashi K (2017). "Epstein-Barr Virus Lytic Reactivation Activates B Cells Polyclonally and Induces Activation-Induced Cytidine Deaminase Expression: A Mechanism Underlying Autoimmunity and Its Contribution to Graves' Disease"Viral Immunology30 (3): 240-249., PMC 5393416, PMID 2833576doi:10.1089/vim.2016.0179

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]