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一般 いっぱん 的 てき な意味 いみ での交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい (こうさはんのうせい、英 えい : cross-reactivity )は、予期 よき した主 しゅ 反応 はんのう 以外 いがい の反応 はんのう を開始 かいし する被 ひ 験 けん 物質 ぶっしつ の反応 はんのう 性 せい である。このことは、医学 いがく における診断 しんだん テスト を含 ふく む、あらゆる種類 しゅるい のテストやアッセイ に影響 えいきょう を及 およ ぼし、偽 にせ 陽性 ようせい の原因 げんいん となる可能 かのう 性 せい がある。免疫 めんえき 学 がく では、交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい の定義 ていぎ は、特 とく に抗原 こうげん に対 たい する免疫 めんえき 系 けい の応答 おうとう を指 さ す。免疫 めんえき 系 けい と2つの異 こと なる病原 びょうげん 体 たい の抗原 こうげん との間 あいだ 、あるいは1つの病原 びょうげん 体 たい と非 ひ 病原 びょうげん 体 たい 上 じょう のタンパク質 たんぱくしつ との間 あいだ に交差 こうさ 反応 はんのう が起 お こる可能 かのう 性 せい があり、これがアレルギー の原因 げんいん となる場合 ばあい もある。
医療 いりょう 検査 けんさ における交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
迅速 じんそく 診断 しんだん 検査 けんさ (英語 えいご 版 ばん ) を含 ふく む医療 いりょう 検査 けんさ では、交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい が交絡 (こうらく)の原因 げんいん となる場合 ばあい もあれば、有益 ゆうえき な助 たす けとなることもある。偽 にせ 陽性 ようせい エラーを引 ひ き起 お こす交絡の例 れい として、ラテックス吸着 きゅうちゃく 試験 しけん (英語 えいご 版 ばん ) において、目的 もくてき の抗原 こうげん ではなく別 べつ の抗原 こうげん で凝集 ぎょうしゅう が起 お こる場合 ばあい があげられる。交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい が有益 ゆうえき となる例 れい としては、他 た の抗原 こうげん に特異 とくい 的 てき な抗体 こうたい を使用 しよう してエプスタイン・バール・ウイルス を検出 けんしゅつ する異 い 好 このみ 性 せい 抗体 こうたい 試験 しけん (英語 えいご 版 ばん ) がある。また、交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい は、ELISA やRIA などの免疫 めんえき およびタンパク質 たんぱくしつ 結合 けつごう ベースのアッセイで妥当 だとう 性 せい 確認 かくにん する際 さい に、一般 いっぱん 的 てき に評価 ひょうか される指標 しひょう でもある。この場合 ばあい 、交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい は通常 つうじょう 、アッセイの反応 はんのう を一連 いちれん の類似 るいじ 分析 ぶんせき 物 ぶつ と比較 ひかく することで定量 ていりょう 化 か され、パーセンテージで表 あらわ される。実際 じっさい には、複数 ふくすう の関連 かんれん 化合 かごう 物 ぶつ の一定 いってい 濃度 のうど 範囲 はんい で検量 けんりょう 線 せん を作成 さくせい し、検量 けんりょう 線 せん の中点 ちゅうてん (IC50 )を予測 よそく して比較 ひかく する。次 つぎ にこの図 ず から、標的 ひょうてき 化合 かごう 物 ぶつ に対 たい して干渉 かんしょう する可能 かのう 性 せい がある化合 かごう 物 ぶつ に対 たい するアッセイ応答 おうとう の推定 すいてい 値 ち を得 え る。
医薬品 いやくひん 開発 かいはつ への応用 おうよう [ 編集 へんしゅう ]
組織 そしき 交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい アッセイ(tissue cross-reactivity assay)は、免疫 めんえき 組織 そしき 化学 かがく に基 もと づいた標準 ひょうじゅん 的 てき な方法 ほうほう であり、治療 ちりょう 用 よう 抗体 こうたい のヒト第 だい I相 あい 試験 しけん の前 まえ に必要 ひつよう である。
薬物 やくぶつ 検査 けんさ では、多 おお くの尿 にょう 中 ちゅう 薬物 やくぶつ 検査 けんさ が免疫 めんえき 測定 そくてい 法 ほう を使用 しよう するため、ある程度 ていど の交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい がある。特定 とくてい の薬物 やくぶつ または他 た の化学 かがく 物質 ぶっしつ が、別 べつ のカテゴリーの薬物 やくぶつ に対 たい して偽 にせ 陽性 ようせい を与 あた えることがある[1] 。
免疫 めんえき 学 がく における交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい [ 編集 へんしゅう ]
免疫 めんえき 学 がく において交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい は、免疫 めんえき 原 ばら とは異 こと なる抗原 こうげん と抗体 こうたい との間 あいだ の反応 はんのう という、より狭 せま い意味 いみ を持 も つ。また、交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい は必 かなら ずしも交差 こうさ 防御 ぼうぎょ を意味 いみ するものではないが、交差 こうさ 免疫 めんえき (crossimmunity)や交差 こうさ 防御 ぼうぎょ 免疫 めんえき (cross-protective immunity)と呼 よ ばれることもある[2] 。場合 ばあい によっては、交差 こうさ 反応 はんのう が破壊 はかい 的 てき に作用 さよう し、ある病原 びょうげん 体 たい に対 たい する免疫 めんえき 応答 おうとう が、別 べつ の病原 びょうげん 体 たい に対 たい する免疫 めんえき 応答 おうとう を妨害 ぼうがい または低下 ていか させる可能 かのう 性 せい がある。
適応 てきおう 免疫 めんえき 応答 おうとう は、それを刺激 しげき した抗原 こうげん (免疫 めんえき 原 ばら と呼 よ ばれる)に特異 とくい 的 てき である。しかし、自然 しぜん 界 かい に存在 そんざい する見 み かけ上 じょう の抗原 こうげん の多 おお くは、実際 じっさい にはいくつかのエピトープ を含 ふく む高分子 こうぶんし の混合 こんごう 物 ぶつ である(たとえば、病原 びょうげん 体 たい 、毒素 どくそ 、タンパク質 たんぱくしつ 、花粉 かふん から)。ウイルス のような複雑 ふくざつ な抗原 こうげん に接触 せっしょく すると、ウイルスのさまざまな高分子 こうぶんし や、それぞれの高分子 こうぶんし の個々 ここ のエピトープに対 たい して、複数 ふくすう の免疫 めんえき 応答 おうとう が刺激 しげき される。たとえば、破傷風 はしょうふう 毒素 どくそ は単一 たんいつ タンパク質 たんぱくしつ の高分子 こうぶんし 抗原 こうげん であるが、タンパク質 たんぱくしつ の三 さん 次 じ 構造 こうぞう が多 おお くの異 こと なるエピトープをもたらすため、多 おお くの免疫 めんえき 応答 おうとう を刺激 しげき する。免疫 めんえき 応答 おうとう を引 ひ き起 お こす毒素 どくそ は、その応答 おうとう を刺激 しげき するエピトープを持 も っている。タンパク質 たんぱくしつ を変性 へんせい させると、その機能 きのう を失 うしな わせることができるが、免疫 めんえき 系 けい に免疫 めんえき 応答 おうとう を起 お こすことができるため、患者 かんじゃ に害 がい を与 あた えることなく免疫 めんえき を作 つく り出 だ すことができる。
インフルエンザの株 かぶ は多数 たすう あり、ある株 かぶ に反応 はんのう して産 さん 生 む された抗原 こうげん が異 こと なる株 かぶ に対 たい して防御 ぼうぎょ を与 あた える可能 かのう 性 せい があるため、交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい はインフルエンザのワクチン接種 せっしゅ に影響 えいきょう を及 およ ぼす[3] 。ただし、交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい は近 きん 縁 えん のウイルス間 あいだ である必要 ひつよう はなく、たとえば、インフルエンザウイルス 特異 とくい 的 てき CD8+T細胞 さいぼう とC型 がた 肝炎 かんえん ウイルス 抗原 こうげん との間 あいだ には交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい がある[4] 。
また、病原 びょうげん 体 たい と非 ひ 病原 びょうげん 体 たい (食品 しょくひん など)に含 ふく まれるタンパク質 たんぱくしつ との間 あいだ に交差 こうさ 反応 はんのう が起 お こることもある。また、2つの非 ひ 病原 びょうげん 体 たい の間 あいだ で交差 こうさ 反応 はんのう が起 お こることもある。たとえば、ラテックス とバナナ の間 あいだ のアレルゲン交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい の原因 げんいん として、ヘベイン (英語 えいご 版 ばん ) 様 よう タンパク質 たんぱくしつ ドメインが考 かんが えられている[5] 。
交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい は、同 おな じ種 しゅ または異 こと なる種 たね からの無関係 むかんけい なタンパク質 たんぱくしつ が持 も つ同一 どういつ の炭水化物 たんすいかぶつ 構造 こうぞう によって引 ひ き起 お こされることがある。このような交差 こうさ 反応 はんのう 性 せい 炭水化物 たんすいかぶつ 決定 けってい 因子 いんし (英語 えいご 版 ばん ) (CCD)は、アレルギー検査 けんさ (英語 えいご 版 ばん ) において問題 もんだい となり、全 ぜん 患者 かんじゃ の約 やく 5分 ぶん の1が、コアにα あるふぁ 1,3結合 けつごう フコース を含 ふく むAsn結合 けつごう オリゴ糖 とう (N-グリカン )に対 たい するIgE 抗体 こうたい を示 しめ す[6] 。CCDは明 あき らかにアレルギー症状 しょうじょう を誘発 ゆうはつ しないため、CCDへのIgEの結合 けつごう に基 もと づくin vitro検査 けんさ での陽性 ようせい は、偽 にせ 陽性 ようせい と評価 ひょうか されるべきである。
交差 こうさ 反応 はんのう 例 れい
クラゲの刺 さ し傷 きず でできるポリグルタミン酸 ぐるたみんさん (PGA)から、納豆 なっとう アレルギー[7]
特定 とくてい のダニにかまれることで、Alpha-gal アレルギー (哺乳類 ほにゅうるい の肉 にく アレルギー)[8]
医療 いりょう 関係 かんけい 者 しゃ の手袋 てぶくろ などに使 つか われるラテックスのアレルギー 患者 かんじゃ の30‐50%が、アボカド・バナナ・クリ・キウイなどの果物 くだもの ともアレルギー症状 しょうじょう があり、逆 ぎゃく に果物 くだもの アレルギー患者 かんじゃ は11%程度 ていど がラテックスに対 たい してアレルギー症状 しょうじょう を起 お こす[9] 。
参照 さんしょう 項目 こうもく [ 編集 へんしゅう ]
^ Saitman A, Park HD, Fitzgerald RL (September 2014). "False-positive interferences of common urine drug screen immunoassays: a review" . Journal of Analytical Toxicology . 38 (7): 387–96. doi :10.1093/jat/bku075 . PMID 24986836 。
^ Porrozzi R, Teva A, Amaral VF, Santos da Costa MV, Grimaldi G (September 2004). "Cross-immunity experiments between different species or strains of Leishmania in rhesus macaques (Macaca mulatta)" . The American Journal of Tropical Medicine and Hygiene . 71 (3): 297–305. doi :10.4269/ajtmh.2004.71.297 . PMID 15381810 。
^ Mandelboim M, Bromberg M, Sherbany H, Zucker I, Yaary K, Bassal R, et al. (June 2014). "Significant cross reactive antibodies to influenza virus in adults and children during a period of marked antigenic drift" . BMC Infectious Diseases . 14 : 346. doi :10.1186/1471-2334-14-346 . PMC 4107950 . PMID 24950742 。
^ Kasprowicz V, Ward SM, Turner A, Grammatikos A, Nolan BE, Lewis-Ximenez L, Sharp C, Woodruff J, Fleming VM, Sims S, Walker BD, Sewell AK, Lauer GM, Klenerman P (March 2008). "Defining the directionality and quality of influenza virus-specific CD8+ T cell cross-reactivity in individuals infected with hepatitis C virus" . The Journal of Clinical Investigation . 118 (3): 1143–53. doi :10.1172/JCI33082 . PMC 2214846 . PMID 18246203 。
^ Mikkola JH, Alenius H, Kalkkinen N, Turjanmaa K, Palosuo T, Reunala T (December 1998). "Hevein-like protein domains as a possible cause for allergen cross-reactivity between latex and banana". The Journal of Allergy and Clinical Immunology . 102 (6 Pt 1): 1005–12. doi :10.1016/S0091-6749(98)70339-2 . PMID 9847442 。
^ Altmann F (2007). "The role of protein glycosylation in allergy" . International Archives of Allergy and Immunology . 142 (2): 99–115. doi :10.1159/000096114 . PMID 17033195 。
^ 日本 にっぽん 放送 ほうそう 協会 きょうかい . “サーファーと納豆 なっとう ? 食物 しょくもつ アレルギーを引 ひ き起 お こす意外 いがい な組 く み合 あ わせ - クローズアップ現代 げんだい ”. クローズアップ現代 げんだい - NHK . 2023年 ねん 4月 がつ 26日 にち 閲覧 えつらん 。
^ CDC (2023年 ねん 4月 がつ 14日 にち ). “Alpha-gal syndrome ” (英語 えいご ). Centers for Disease Control and Prevention . 2023年 ねん 4月 がつ 27日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 北林 きたばやし , 耐 たい 「ラテックスアレルギー 病態 びょうたい 生理 せいり と診断 しんだん ・治療 ちりょう 」『日本 にっぽん ゴム協会 きょうかい 誌 し 』第 だい 88巻 かん 第 だい 9号 ごう 、2015年 ねん 、351–357頁 ぺーじ 、doi :10.2324/gomu.88.351 、ISSN 0029-022X 。