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パラトープ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
パラトープがられる部分ぶぶん点線てんせんえん(左上ひだりうえ)でかこった抗体こうたい。1. フラグメント抗原こうげん結合けつごう英語えいごばん(Fab) 2. 抗体こうたい結晶けっしょう可能かのう領域りょういき(Fc) 3. じゅうくさり 4. けいくさり 5. 抗体こうたい可変かへん領域りょういき。パラトープは、抗原こうげん直接ちょくせつ接触せっしょくするかぎじょう部分ぶぶん[1]。 6. ヒンジ領域りょういき

パラトープえい: paratope)は、抗原こうげん結合けつごう部位ぶい(こうげんけつごうぶい、えい: antigen-binding site)ともばれ、抗体こうたい抗原こうげん認識にんしきして結合けつごうする部分ぶぶんである[1][2]。これは、抗体こうたい抗原こうげん結合けつごうフラグメント英語えいごばん先端せんたんにあるちいさな領域りょういきで、抗体こうたいじゅうくさりけいくさり一部いちぶふくまれている[1][2]かくパラトープは、6つの相補そうほせい決定けってい領域りょういきけいくさりじゅうくさりからそれぞれ3つずつ)から構成こうせいされており、はん平行へいこうβべーたシートりたたみからびている[2]。Yがた抗体こうたいかくアームの先端せんたんには、同一どういつのパラトープがある[2]

パラトープは、抗原こうげんエピトープ結合けつごうして接触せっしょくするB細胞さいぼう受容じゅようたい部分ぶぶん構成こうせいする[2]。1つのB細胞さいぼうじょうのすべてのB細胞さいぼう受容じゅようたいは、同一どういつのパラトープをっている[2]。パラトープはその特有とくゆうせいにより、1つのエピトープにのみこう親和しんわせい結合けつごうすることができ、その結果けっかかくB細胞さいぼうは1つのエピトープにしか応答おうとうできない。B細胞さいぼう受容じゅようたいのパラトープがその特異とくいてきなエピトープに結合けつごうすることは、適応てきおう免疫めんえき応答おうとう重要じゅうようなステップである。

たねあいだのパラトープの設計せっけい

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パラトープのデザインや構造こうぞうは、たねによっておおきくことなる。あご口上こうじょうつなあごのある脊椎動物せきついどうぶつ)では、V(D)J遺伝子いでんしさい構成こうせいにより、すうじゅうおくものことなるパラトープが発生はっせいする可能かのうせいがある[3][4]。ただし、パラトープのりょうは、V、D、Jかく遺伝子いでんし構成こうせい抗体こうたい構造こうぞうによって制限せいげんける[3]。そのため、おおくのことなるたねがこの制限せいげん回避かいひする方法ほうほう開発かいはつし、可能かのうなパラトープの多様たようせいたかめてきた。

うしでは、非常ひじょうなが相補そうほせい決定けってい領域りょういきがパラトープの多様たよう不可欠ふかけつ役割やくわりたしているとかんがえられている[3][5]。さらに、ニワトリもウサギの両方りょうほうが、可能かのうなパラトープのかずやすために遺伝子いでんし変換へんかんおこなっている[3]

参照さんしょう項目こうもく

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  1. ^ a b c Lefranc MP (2013). “Paratope” (英語えいご). Encyclopedia of Systems Biology. New York, NY: Springer. pp. 1632–1633. doi:10.1007/978-1-4419-9863-7_673. ISBN 978-1-4419-9863-7 
  2. ^ a b c d e f Punt J, Stranford SA, Jones PP, Owen JA (2019). Kuby immunology (Eighth ed.). New York. ISBN 978-1-4641-8978-4. OCLC 1002672752 
  3. ^ a b c d de los Rios M, Criscitiello MF, Smider VV (August 2015). “Structural and genetic diversity in antibody repertoires from diverse species”. Current Opinion in Structural Biology 33: 27–41. doi:10.1016/j.sbi.2015.06.002. PMC 7039331. PMID 26188469. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7039331/. 
  4. ^ Litman GW, Rast JP, Fugmann SD (August 2010). “The origins of vertebrate adaptive immunity”. Nature Reviews. Immunology 10 (8): 543–53. doi:10.1038/nri2807. PMC 2919748. PMID 20651744. http://www.nature.com/articles/nri2807. 
  5. ^ Wang F, Ekiert DC, Ahmad I, Yu W, Zhang Y, Bazirgan O, Torkamani A, Raudsepp T, Mwangi W, Criscitiello MF, Wilson IA, Schultz PG, Smider VV (June 2013). “Reshaping antibody diversity”. Cell 153 (6): 1379–93. doi:10.1016/j.cell.2013.04.049. PMC 4007204. PMID 23746848. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4007204/.