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免疫めんえき (医学いがく)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

免疫めんえき(めんえき、えい: immunity)というのは実体じったいてき言葉ことばで、感染かんせん病気びょうき、あるいはのぞまれない侵入しんにゅう生物せいぶつ回避かいひするために十分じゅうぶん生物せいぶつてき防御ぼうぎょりょくっている状態じょうたいす。免疫めんえきには特異とくいてき要素ようそをもつものと、非特異ひとくいてき要素ようそをもつものがある。非特異ひとくいてき要素ようそ障壁しょうへきとしてはたらいたり、 抗原こうげん特異とくいせいかかわらず、ひろ範囲はんい微生物びせいぶつ排除はいじょするはたらきをもつ。免疫めんえきけいのもうひとつの種類しゅるい要素ようそは、遭遇そうぐうしたあたらしい病気びょうき各々おのおのにそれら要素ようそ適応てきおうさせて病原びょうげんたい特異とくいてき免疫めんえきしょうじることができるようにする。

適応てきおう免疫めんえきはしばしば免疫めんえきがどのように誘導ゆうどうされるかに依存いぞんして2つの主要しゅようかたけられる。自然しぜん獲得かくとくされた免疫めんえきは、病気びょうきこす病原びょうげんたいとの接触せっしょくしょうじ、このさい病原びょうげんたい接触せっしょく故意こいではない。たいして人為じんいてき獲得かくとく免疫めんえきはウイルス接種せっしゅのような意図いとてき行為こういによってのみ発達はったつするものである。自然しぜん獲得かくとく免疫めんえき人為じんいてき獲得かくとく免疫めんえき免疫めんえき宿主しゅくしゅ誘導ゆうどうされるかあるいは免疫めんえきされた宿主しゅくしゅから受動じゅどうてき移動いどうするかによってさらにけられる。受動じゅどう免疫めんえき免疫めんえきをもった宿主しゅくしゅから抗体こうたい活性かっせいT細胞さいぼう移動いどうして付与ふよされる。有効ゆうこうなのは短期間たんきかん普通ふつうすうげつしかつづかない。一方いっぽう能動のうどう免疫めんえき宿主しゅくしゅ体内たいない抗原こうげんによって誘導ゆうどうされもっと長期間ちょうきかんつづいてときには生涯しょうがいにわたる。下図したず免疫めんえきのこれら分類ぶんるいをまとめた。

適応てきおう免疫めんえきのよりこまかい分類ぶんるい関与かんよする細胞さいぼう特徴とくちょうでなされる。体液たいえきせい免疫めんえき分泌ぶんぴつされた抗体こうたい媒介ばいかいされるが細胞さいぼうせい免疫めんえき提供ていきょうされる防御ぼうぎょT細胞さいぼうのみである。体液たいえきせい免疫めんえき生体せいたい自分じぶん自身じしん抗体こうたいさんせいするとき能動のうどうてきであり、個人こじんあいだ抗体こうたいうつすとき受動じゅどうてきである。同様どうよう細胞さいぼうせい免疫めんえきでは生体せいたい自身じしんのT細胞さいぼう刺激しげきされるとき能動のうどうてきで、生体せいたいからT細胞さいぼうをもってるときは受動じゅどうてきである。

免疫めんえき理論りろん歴史れきし

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19世紀せいきのコレラ流行りゅうこうあらわしたもの

免疫めんえき概念がいねんすうせんねんあいだ人類じんるい興味きょうみいていた。前史ぜんし時代じだい病気びょうきたいするかんがえは、ちょう自然しぜんてきちから原因げんいんで、かみあるいはてきのそばでたましいたずねてきた、わるおこないや悪魔あくまかんがえをかみばっするかたちられたものとされた。[1] ヒポクラテスと19世紀せいきあいだには科学かがくてき方法ほうほう基礎きそつくられ、病気びょうきよっつの気質きしつ粘液ねんえきたん)、黄色おうしょく胆汁たんじゅう黒色こくしょく胆汁たんじゅう)の1つが変化へんかするかバランスがくずれることにかえせられた。[2] この期間きかん人気にんきがあったのは瘴気しょうきろんである。コレラや黒死病こくしびょうは"わる空気くうき"の有毒ゆうどくかたちである瘴気しょうきによってこるとされた。[1] だれでも瘴気しょうき接触せっしょくすると病気びょうきかかった。

近代きんだいてき言葉ことば免疫めんえき」immunityはラテン語らてんごのimmunisに由来ゆらいする。兵役へいえきサービス、納税のうぜい、あるいは公共こうきょうへのサービスからの免除めんじょ意味いみしている。[3] いた記録きろくに「免疫めんえき概念がいねん最初さいしょあらわれるのは、アテネのトゥキディデスによってBC430ねんかれたものである。かれは「病人びょうにんにそうなひと病気びょうきから回復かいふくした人々ひとびとによって手厚てあつ看護かんごされた。なぜならかれらは病気びょうき経過けいかかっておりかれ自身じしんはもう心配しんぱいはなかったから。そして以前いぜん病気びょうきかかったものは2かいかからずぬことはない」としるした。[3] 免疫めんえき(immunes)なる言葉ことばがBC60ねんごろ詩人しじんマルクス・アンナエウス・ルカヌスによってまれた叙事詩じょじし『ファルサリア』ちゅうにも見受みうけられる。かれきたアフリカ部族ぶぞくへびどく抵抗ていこうせい描写びょうしゃした。[2]

特定とくてい病気びょうき病原びょうげんたいによってこされる免疫めんえき(immunity)についての記述きじゅつ最初さいしょ臨床りんしょうてき視点してんでなされたのは、おそらくイスラムの医者いしゃアル・ラーズィーによってかれた『Kitab fi al-jadari wa-al-hasbah』(天然痘てんねんとうおよび麻疹ましんについての論文ろんぶん翻訳ほんやく1848ねん[4])であるだろう。論文ろんぶんちゅうかれ天然痘てんねんとう麻疹ましん臨床りんしょう描写びょうしゃおこない、これらの特定とくてい病気びょうきこすものに接触せっしょくすると長続ながつづきする免疫めんえきimmunityがつくことをしめした(かれ免疫めんえきimmunityと言葉ことば使つかわなかったのだが)。[2] しかし誕生たんじょうあいだもない科学かがくである免疫めんえきがくが、いかに細菌さいきん病気びょうきこすか、そして感染かんせんいかにひとからだがさらに障害しょうがいけないよう抵抗ていこうりょく獲得かくとくするのかの説明せつめいはじめるまで、ルイ・パスツールによる病気びょうき病原びょうげんからだせつまでたねばならなかった。[3]

ルイ・パスツール、実験じっけんしつにて。1885ねん

受動じゅどう免疫めんえきによる治療ちりょうはポントスのミトリダテス6せいはじまるだろう。かれどくたいして、自身じしん強固きょうこにしたいとおもい、抵抗ていこうりょくけるために毎日まいにち致死ちしりょう以下いかどくんだ。ミトリダテスは地球ちきゅうじょうのあらゆるどくからまもるために宇宙うちゅう解毒げどくしゃになるともった。[2] やく2,000ねんちかくのあいだどく病気びょうき原因げんいんもっとちかいものとかんがえられ、ルネサンス時代じだい様々さまざま物質ぶっしつ複雑ふくざつ混合こんごうぶつ、これはミトリデイトとばれたが、それが中毒ちゅうどく治癒ちゆもちいられた。[2] この治療ちりょうほう改良かいりょうばんは『Theriacum Andromachi』で、19世紀せいきまでよくもちいられた。[5] 1888ねんエミリー・ルーとアレキサンドル・イェルサンはジフテリアきん毒素どくそたんはなした。そして1890ねんベーリング北里きたさとによってジフテリアと破傷風はしょうふうたいする免疫めんえきもとづいて抗毒素こうどくそ発見はっけんされたのち抗毒素こうどくそ近代きんだい治療ちりょう免疫めんえきがく主要しゅよう最初さいしょ成功せいこうとなった。[2]

ヨーロッパでは能動のうどう免疫めんえき導入どうにゅうはじめられ、そのこころみに天然痘てんねんとうふくまれていた。しかしながら免疫めんえき処置しょちすくなくともせんねんあいだ様々さまざまかたち存在そんざいしていた。[3] 免疫めんえき処置しょち最初さいしょもちいたのはられていないが、AD1,000ねんごろであり、中国人ちゅうごくじん天然痘てんねんとうのかさぶたでつくられた粉末ふんまつかわかしむというような免疫めんえき処置しょちかたちとなるものを実際じっさいおこなはじめていた。[3] 15世紀せいきごろのインドとオスマン帝国ていこくひがしアフリカで、(天然痘てんねんとうのかさぶたのつぶからつくった粉末ふんまつもちいて皮膚ひふくことによって)あばたをつくることはごく普通ふつうのことになっていた。[3] このあばたづくりは18世紀せいきはじめメアリー・ウォートレー・モンターギュじょうによって西洋せいよう紹介しょうかいされた。[3] 1796ねんエドワード・ジェンナーんでいないウイルスだが天然痘てんねんとうたいする免疫めんえき誘導ゆうどうする牛痘ぎゅうとうもちいたより安全あんぜん接種せっしゅほう導入どうにゅうした。ジェンナーのったやりかた成功せいこうとそれが一般いっぱんてきみとめられたことは、その19世紀せいきわりにワクチン接種せっしゅ性質せいしつ一般いっぱんせいがパスツールによってみちびされ発展はってんしたことへつながった。[2]

受動じゅどう免疫めんえき

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受動じゅどう免疫めんえき既存きそん抗体こうたいかたちで、ある個人こじんから他人たにん能動のうどう免疫めんえき移動いどうすることである。受動じゅどう免疫めんえき母親ははおや抗体こうたい胎盤たいばん経由けいゆして胎児たいじ移動いどうされるときに自然しぜんこりうる。受動じゅどう免疫めんえきは、こうレベルのヒト(あるいはウマ)のなんらかの病原びょうげんたいどくたいする抗体こうたい免疫めんえきのない個体こたいうつすような場合ばあいに、人為じんいてきにも誘導ゆうどうされる。受動じゅどう免疫めんえき処置しょち感染かんせんたかいリスクがあるときかからだ自身じしん免疫めんえき応答おうとう発達はったつさせるに十分じゅうぶん時間じかんてき余裕よゆうがないとき、あるいは罹患りかんちゅうか、免疫めんえき抑制よくせいてき病気びょうき症状しょうじょうおさめるためにもちいられる。[6] 受動じゅどう免疫めんえき即時そくじてき防御ぼうぎょ提供ていきょうするが、生体せいたい自身じしん記憶きおくしょうじさせない。したがって患者かんじゃあとおな病原びょうげんたい感染かんせんするリスクをもつ。[7]

自然しぜん獲得かくとく受動じゅどう免疫めんえき

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母親ははおやによる受動じゅどう免疫めんえき自然しぜんおこなわれる獲得かくとく受動じゅどう免疫めんえきかたであり、妊娠にんしんちゅう母親ははおやによって胎児たいじはこばれる抗体こうたい媒介ばいかいとした免疫めんえきしている。母親ははおや由来ゆらい抗体こうたい(MatAb)は胎盤たいばん細胞さいぼうのFcRn受容じゅようたいによって胎盤たいばんとおって胎児たいじわたされる。これは大体だいたい妊娠にんしんだい3がつこり、[8] IgGが唯一ゆいいつ胎盤たいばん通過つうか可能かのう抗体こうたいイソタイプである。[8] 受動じゅどう免疫めんえき母乳ぼにゅうちゅうのIgA抗体こうたい移動いどうによっても提供ていきょうされ新生児しんせいじ自身じしん抗体こうたい合成ごうせいできるまで新生児しんせいじ消化しょうかかんはいって細菌さいきん感染かんせん防御ぼうぎょする。[7]

生産せいさんされたジフテリア抗毒素こうどくそ最初さいしょ瓶詰びんづめの1つ(1895ねんという年号ねんごう表示ひょうじえる)

人為じんいてき獲得かくとく受動じゅどう免疫めんえき

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人為じんいてき獲得かくとく受動じゅどう免疫めんえき抗体こうたい移動いどうさせて短期間たんきかん免疫めんえき処置しょちおこなうもので、抗体こうたいはヒトあるいは動物どうぶつ血漿けっしょうとしてプールした免疫めんえきグロブリンとしてせいちゅう(IVIG)で、すじちゅう(IG)で、ないしモノクローナル抗体こうたい(NAb)のかたちでなどいくつかのかたちにして投与とうよされうる。受動じゅどうてき移動いどうたとえばていγがんまグロブリンしょうのような免疫めんえき不全ふぜんしょう場合ばあい予防よぼうてきもちいられている。[9] これは急性きゅうせい感染かんせんしょうのいくつかのかた治療ちりょう中毒ちゅうどく治療ちりょうにももちいられている。[6] 受動じゅどう免疫めんえきによって誘導ゆうどうされる免疫めんえきはごくみじか期間きかんしかつづかないもので、可能かのうせいのあるリスクとしては、とくにヒト由来ゆらいγがんまグロブリンによる過敏かびんしょう反応はんのう血清けっせいびょうである。[7]

受動じゅどう免疫めんえき人為じんいてき誘導ゆうどうは1世紀せいき以上いじょう感染かんせんしょう治療ちりょうするのにもちいられてきた。そして、抗体こうたいはまだ姿すがたせていなかったので、しばしばあるしゅ感染かんせんしょう唯一ゆいいつ特異とくいてき治療ちりょうであった。免疫めんえきグロブリン療法りょうほうは、1930年代ねんだいまで、また、抗生こうせい物質ぶっしつサルフォナマイドが導入どうにゅうされたのちも、重症じゅうしょう呼吸こきゅう感染かんせんしょう治療ちりょうにおいてだい一線いっせん治療ちりょうほうでありつづけた。[9]

細胞さいぼうせい免疫めんえき受動じゅどうてき移動いどう

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細胞さいぼうせい免疫めんえき受動じゅどうてきあるいは適応てきおうてき移動いどうはある個人こじん感受性かんじゅせいのあるあるいは活性かっせいしたT細胞さいぼう他人たにんうつすことで付与ふよされる。これはヒトでは滅多めったおこなわれない。組織そしき適合てきごうせい(の一致いっち)のあるドナーが必要ひつようとされることがしばしば困難こんなんであることによる。不一致ふいっちのドナーをもちいるとこのかた移動いどうじゅうあつし移植いしょくへんたい宿主しゅくしゅびょう危険きけんをもたらす。[6] しかしいくつかのがんのかた免疫めんえき不全ふぜんふくんだ病気びょうき治療ちりょうにはもちいられてきた。骨髄こつづい移植いしょくでは(分化ぶんかの)造血ぞうけつせいみき細胞さいぼううつされるので、このかた移動いどうは、これとことなっている。

能動のうどう免疫めんえき別名べつめい自動じどう免疫めんえき自力じりき免疫めんえき

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免疫めんえき応答おうとう病原びょうげんたい感染かんせん(あるいはワクチン初回しょかい投与とうよ)からはじまり能動のうどうてき免疫めんえき記憶きおく形成けいせいして維持いじされる時間じかんてき経過けいか

B細胞さいぼうとT細胞さいぼう病原びょうげんたいによって活性かっせいされると記憶きおくB細胞さいぼうおよびT細胞さいぼうさんされる。動物どうぶつ生涯しょうがいにわたってこの記憶きおく細胞さいぼうは、遭遇そうぐうしたそれぞれの特異とくいせいのある病原びょうげんたい記憶きおくしておりその病原びょうげんたいふたた感知かんちされると、つよい応答おうとうす。このかた免疫めんえき能動のうどうてきかつからだ免疫めんえきけい将来しょうらい接触せっしょくたいして準備じゅんびするので適応てきおうてきである。能動のうどう免疫めんえきはしばしば細胞さいぼうせい体液たいえきせいふくみ、自然しぜん免疫めんえきけいからの入力にゅうりょくふくむ。自然しぜん免疫めんえきけい誕生たんじょうからそなわり経験けいけん有無うむかかわらず病原びょうげんたいから個人こじん防御ぼうぎょする。しかし適応てきおう免疫めんえき感染かんせんあるいは免疫めんえき処置しょちがなされたのちだけ発動はつどうするので、生存せいぞんちゅう"獲得かくとく"されるものである。

自然しぜん獲得かくとく能動のうどう免疫めんえき

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自然しぜん獲得かくとくされる能動のうどう免疫めんえきはヒトがきた病原びょうげんたい接触せっしょくしたときにこる。そして初回しょかい免疫めんえき応答おうとうこされ免疫めんえき記憶きおく保持ほじいたる。[6] このかた免疫めんえき人為じんいてきでないので自然しぜんである。免疫めんえきけい機能きのうおおくの異常いじょう能動のうどう免疫めんえき形成けいせい影響えいきょうをもちうる。たとえば免疫めんえき不全ふぜん免疫めんえき抑制よくせいにおいてられるように。

人為じんいてき獲得かくとく能動のうどう免疫めんえき

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人為じんいてき獲得かくとく能動のうどう免疫めんえき抗原こうげんふくんだ物質ぶっしつであるワクチンによって誘導ゆうどうできる。ワクチンは抗原こうげんたいする初期しょき応答おうとう刺激しげきし、病気びょうき症状しょうじょうこさない。[6] ワクチン接種せっしゅという言葉ことばはエドワード・ジェンナーがかんがえだし、ワクチン接種せっしゅにおける開拓かいたくしゃてき研究けんきゅうかんがみ、ルイ・パスツールもそれにわせた。パスツールのもちいた方法ほうほうは、それらの病気びょうき感染かんせんせい病原びょうげんたいたいし、それらの病原びょうげんたい重大じゅうだい病気びょうきこす能力のうりょくうしなうような処理しょりをする必要ひつようがあった。パスツールはジェンナーの発見はっけん敬意けいいあらわしてワクチンという名称めいしょう一般いっぱんめいとして採用さいようした。パスツールの研究けんきゅうはジェンナーのうえ構築こうちくされた。

1979ねん天然痘てんねんとう撲滅ぼくめつ以前いぜんの、ワクチン接種せっしゅびかけのポスター。うえから、「新年しんねんたりワクチン接種せっしゅをしましょう」、「天然痘てんねんとうウイルス(smallpox)にたいする」、「いますぐワクチン接種せっしゅを」などとある。

1807ねんバイエルじんたちが、兵役へいえき動員どういんのために必要ひつような、天然痘てんねんとうたいするワクチン接種せっしゅ最初さいしょのグループとなった。天然痘てんねんとうひろがりが戦闘せんとう関与かんよしていたため、[10] その戦争せんそうひろがりとともにワクチン接種せっしゅ施行しこうえてった。

伝統でんとうてきなワクチンには4がたがある:[11]

  • 活性かっせいワクチンは化学かがく薬品やくひん熱処理ねつしょりころされた微生物びせいぶつからなり、もはや感染かんせんせいはもたない。れいは、インフルエンザ、コレラ、せんペスト、Aがた肝炎かんえんかくワクチン。コレラのかたのワクチンのだい部分ぶぶん追加ついか免疫めんえき必要ひつようかもれない。
  • きた弱毒じゃくどくワクチンは、病気びょうきこすちからをなくす条件じょうけん培養ばいようした微生物びせいぶつからなる。これによる応答おうとう持続じぞくせいがあり一般いっぱん追加ついか免疫めんえき不要ふようである。れい黄熱病おうねつびょうのほか、麻疹ましん風疹ふうしん、おたふく風邪かぜかくワクチン。
  • 微生物びせいぶつさんせいするるい毒素どくそからなる。るい毒素どくそ微生物びせいぶつ毒素どくそ活性かっせいした物質ぶっしつで、これらが(微生物びせいぶつ自身じしんよりも)病気びょうきをもたらす場合ばあい毒素どくそ出合であまえもちいる。るい毒素どくそベースのワクチンには破傷風はしょうふうとジフテリアかくワクチンがふくまれる。
  • サブユニットワクチンは、病気びょうき起因きいんせい病原びょうげんたいしょう断片だんぺんから構成こうせいされる。このれいとして目立めだつのはBがた肝炎かんえんワクチンである。

だい部分ぶぶんのワクチンは消化しょうかかんからの吸収きゅうしゅうはあまり期待きたいできないので皮下ひか注射ちゅうしゃおこなわれる。ポリオ、ちょうチフス、およびコレラの弱毒じゃくどくせいワクチンは、ちょうをベースとした免疫めんえき付与ふよするため経口けいこうてきあたえられる。

引用いんよう文献ぶんけん

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  1. ^ a b INTRODUCTION TO THE HISTORY OF DISEASE”. 2007ねん11がつ10日とおか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2008ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g Silverstein, Arthur M. (1989) History of Immunology (Hardcover) Academic Press. Note: The first six pages of this text are available online at: (Amazon.com easy reader)
  3. ^ a b c d e f g The Concept of Immunity. History and Applications.”. 2012ねん1がつ20日はつか時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2008ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  4. ^ A "al-Razi." 2003 The Columbia Electronic Encyclopedia, Sixth Edition. Columbia University Press (from Answers.com, 2006.)
  5. ^ ^  この記事きじには現在げんざいパブリックドメインであるつぎ出版しゅっぱんぶつからのテキストがふくまれている: Chambers, Ephraim, ed. (1728). Cyclopædia, or an Universal Dictionary of Arts and Sciences (1st ed.). James and John Knapton, et al. {{cite encyclopedia}}: |title=必須ひっすです。 (説明せつめい) "Mithridate".
  6. ^ a b c d e Microbiology and Immunology On-Line Textbook: USC School of Medicine
  7. ^ a b c Janeway, Charles; Paul Travers, Mark Walport, and Mark Shlomchik (2001). Immunobiology; Fifth Edition. New York and London: Garland Science. ISBN 0-8153-4101-6. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/bv.fcgi?call=bv.View..ShowTOC&rid=imm.TOC&depth=10 .
  8. ^ a b Coico, R., Sunshine, G., and Benjamin, E. (2003). “Immunology: A Short Course.” Pg. 48.
  9. ^ a b Keller, Margaret A.; Stiehm, E. Richard (2000). “Passive Immunity in Prevention and Treatment of Infectious Diseases”. Clinical Microbiology Reviews 13 (4): 602-614. doi:10.1128/CMR.13.4.602-614.2000. PMID 11023960. http://cmr.asm.org/cgi/content/full/13/4/602. 
  10. ^ Smallpox: Variolation”. www.nlm.nih.gov. 2008ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  11. ^ Immunization: You call the shots. The National Immunization Program at the Centers for Disease Control and Prevention

関連かんれん項目こうもく

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