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病理びょうり検査けんさ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

病理びょうり検査けんさ(びょうりけんさ、pathological examination)とは、病気びょうき疾患しっかん)の診断しんだん原因げんいん病因びょういん)の究明きゅうめい目的もくてきとして、手術しゅじゅつまたは検査けんさ目的もくてき採取さいしゅされた臓器ぞうき組織そしき細胞さいぼうなどを対象たいしょう顕微鏡けんびきょうとうもちいてくわしい診断しんだんおこなうことである。同義語どうぎご病理びょうり診断しんだん組織そしき診断しんだん病理びょうり組織そしきがくてき診断しんだんなどがある。臨床りんしょう検査けんさのひとつ。

種類しゅるい

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病理びょうり診断しんだん種類しゅるいとして、

などがある。

病変びょうへん種類しゅるい目的もくてきによっては電子でんし顕微鏡けんびきょう診断しんだん電子でんし顕微鏡けんびきょうもちいたちょう微細びさい構造こうぞう観察かんさつ)、免疫めんえき染色せんしょく遺伝子いでんし検査けんさなどの特殊とくしゅ病理びょうり診断しんだん必要ひつようなこともある。

なにを検査けんさするのか

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病理びょうり検査けんさ対象たいしょうとなるのは人体じんたいからられるすべての臓器ぞうき組織そしき細胞さいぼう分子ぶんし遺伝子いでんしとうである。検体けんたい検査けんさ物質ぶっしつりょう測定そくてい主体しゅたいであるのにたいして、病理びょうり検査けんさ病変びょうへん観察かんさつによっておこなわれる。くわしく観察かんさつするために、ルーペ、光学こうがく顕微鏡けんびきょう電子でんし顕微鏡けんびきょうとう道具どうぐもちいる。細胞さいぼううすった組織そしき染色せんしょく特殊とくしゅ色素しきそいろける)をほどこして病理びょうり標本ひょうほん作製さくせいすることで顕微鏡けんびきょうでの観察かんさつ可能かのうになる。

病変びょうへんれていることを確認かくにんしたうえで、病理びょうり診断しんだんすすむ。観察かんさつ結果けっか病変びょうへん種類しゅるいひろがり、病勢びょうせいなどがかる。病変びょうへん種類しゅるいではたとえばしこりやこぶが炎症えんしょうによるものか、良性りょうせい腫瘍しゅよう悪性あくしょう腫瘍しゅようかがかる。悪性あくせい腫瘍しゅようならば程度ていどひろがりがかる。病理びょうり診断しんだんによってつぎ治療ちりょう方針ほうしんとうまってくる。れていないときはさい検査けんさ指示しじとう判断はんだんおこなう。

だれ担当たんとうしているのか

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ヒトの疾患しっかん診断しんだん目的もくてきとしておこな病理びょうり検査けんさ医療いりょう行為こうい行為こうい)である。したがって医師いし歯科しか医師いしのみが病理びょうり診断しんだんおこな権限けんげん責務せきむがある。臨床りんしょう検査けんさ技師ぎし病理びょうり標本ひょうほん作製さくせい重要じゅうよう役割やくわりになうことが期待きたいされている。標本ひょうほん作製さくせいしや染色せんしょくしつ病理びょうり診断しんだん品質ひんしつおおいに影響えいきょうする。実際じっさい病理びょうり検査けんさしつでは、病理びょうり検体けんたい受付うけつけ登録とうろく標本ひょうほん作製さくせい染色せんしょくまでを検査けんさ技師ぎしとう分担ぶんたん[1]病理びょうり診断しんだん医師いし(または歯科しか医師いし)がおこなっている。

手術しゅじゅつ材料ざいりょうなまけん材料ざいりょうなどを対象たいしょうに、ヒトの疾患しっかん病理びょうり診断しんだんなどを研究けんきゅうする領域りょういき総称そうしょうして「外科げか病理びょうり (surgical pathology)」とぶ。外科げか病理びょうりがくせんもんにする医師いしまたは歯科しか医師いし病理びょうりしょうする。外科げか病理びょうりがくでは疾患しっかんごとの病理びょうり形態けいたいがくてき特徴とくちょうあきらかにし、診断しんだん基準きじゅん組織そしきがくてき分類ぶんるい策定さくていしたりすることを研究けんきゅう目的もくてきとしている。腫瘍しゅようであれば判定はんてい必要ひつよう情報じょうほう提供ていきょう治療ちりょう適用てきよう妥当だとうせい評価ひょうかすることも外科げか病理びょうり専門医せんもんい役割やくわりである。

細胞さいぼう検査けんさでは、臨床りんしょう検査けんさ技師ぎし資格しかくゆう日本にっぽん臨床りんしょう細胞さいぼう学会がっかい認定にんていした細胞さいぼう検査けんさ(サイトスクリーナー)が異常いじょう細胞さいぼうひろげ(スクリーニング)を分担ぶんたんしている。最終さいしゅうてき細胞さいぼう診断しんだん医師いしまたは歯科しか医師いしう。

マスコミ記事きじとうでは剖検ぼうけん病理びょうり検査けんさぶことがある。剖検ぼうけん病理びょうり解剖かいぼう行政ぎょうせい解剖かいぼう司法しほう解剖かいぼう)では採取さいしゅした組織そしきについて病理びょうり標本ひょうほん作製さくせい病理びょうりがくてき手法しゅほうによって死因しいん究明きゅうめいするためである。剖検ぼうけん死体したい解剖かいぼう保存ほぞんほうしたがって死体したい解剖かいぼう資格しかくゆうする医師いしまたは歯科しか医師いしおこなう。

病理びょうり専門医せんもんい細胞さいぼう専門医せんもんい

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病理びょうり制度せいど役割やくわりはアメリカの医療いりょう発展はってんなか専門せんもんしょくとして確立かくりつされた。病院びょういん勤務きんむして臨床りんしょう検査けんさ病理びょうり検査けんさ専任せんにんおこな病理びょうりかず米国べいこくでは非常ひじょうおおい。専門医せんもんいすうとしては整形せいけい外科げか匹敵ひってきするかずといわれている。日本にっぽんでは病理びょうりがく基礎きそ医学いがく研究けんきゅう分野ぶんやとして発展はってんしてきた経緯けいいがあり、病理びょうり検査けんさ専門医せんもんい認定にんてい日本にっぽん病理びょうり学会がっかい本格ほんかくてきおこなはじめたのは1980年代ねんだい初頭しょとうからである。専門医せんもんいかず順調じゅんちょうえているが、大学だいがくなどで研究けんきゅうしょくにある医師いし相当そうとうすうめるのが現状げんじょうである。病院びょういん勤務きんむ病理びょうり診断しんだんせんもんおこな医師いし実数じっすうは1500めい前後ぜんこうといわれ、中規模ちゅうきぼ以上いじょう医療いりょう機関きかん病院びょういん)でも常勤じょうきん病理びょうり不在ふざい施設しせつがかなりのかずにのぼっている。小児科しょうにか産婦人科さんふじんか不足ふそくさけばれているが、2005ねん現在げんざい病理びょうり不足ふそく深刻しんこくである(病理びょうり実態じったい日本にっぽん病理びょうり学会がっかい社会しゃかい保険ほけんしょう委員いいんかい)。病理びょうり社会しゃかいてき認知にんちげる努力どりょく病理びょうりたくされている。また細胞さいぼう診断しんだん専門医せんもんいとして細胞さいぼう専門医せんもんい認定にんていされている。

病理びょうりがくてき検査けんさから病理びょうり診断しんだんへの進歩しんぽ

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2008ねんには病理びょうり検査けんさについて制度せいどめん変革へんかく相次あいついだ。病理びょうり検査けんさかんする診療しんりょう報酬ほうしゅう改定かいてい病理びょうり診断しんだん標榜ひょうぼう診療しんりょうりである。それまでは病理びょうりがくてき検査けんさ医療いりょう関連かんれんサービスの対象たいしょうである検体けんたい検査けんさはいっていたため、病理びょうり診断しんだん医療いりょう機関きかんから検査けんさしょとう外注がいちゅうされていることがある。

2008ねん4がつ診療しんりょう報酬ほうしゅう改定かいていで、それまではだい3検査けんさにあった病理びょうりがくてき検査けんさだい13うつり、名称めいしょう病理びょうり診断しんだん変更へんこうされた。病理びょうり組織そしき顕微鏡けんびきょう検査けんさ病理びょうり標本ひょうほん作製さくせいりょう変更へんこうされだい13病理びょうり診断しんだんふくまれている。

病理びょうりがくてき検査けんさ

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改定かいていまえは「病理びょうりがくてき検査けんさ」にはふたつの意味いみがあった。(以下いか「①びょう理学りがくてき検査けんさ」「②びょう理学りがくてき検査けんさ」とする)ひとつは臨床りんしょう検査けんさ技師ぎしとうかんする法律ほうりつにある「①びょう理学りがくてき検査けんさ」である。「①びょう理学りがくてき検査けんさ」の内容ないよう臨床りんしょう検査けんさ技師ぎしとうによる病理びょうり標本ひょうほん作成さくせい細胞さいぼう検査けんさ判定はんていとう想定そうていされており、行為こういにはぞくさないものに限定げんていされている。行為こういふくまないので、営利えいり企業きぎょうである登録とうろく衛生えいせい検査けんさしょによる検査けんさ受託じゅたく可能かのうとなっている。もうひとつは診療しんりょう報酬ほうしゅう点数てんすうひょうじょうでの「②びょう理学りがくてき検査けんさ」である。「②びょう理学りがくてき検査けんさ」は、患者かんじゃ支払しはらがわから場合ばあい病理びょうり細胞さいぼう検査けんさ名称めいしょうであり、医科いか歯科しか診療しんりょう報酬ほうしゅうのなかで、だい3検査けんさの1項目こうもくである。臨床りんしょう検査けんさ技師ぎしとうによる①の部分ぶぶん標本ひょうほん作製さくせい細胞さいぼうスクリーニング・判定はんていとう)と病変びょうへん判断はんだんという医師いしによる行為こういふくまれている。

法律ほうりつ公的こうてき資料しりょう別々べつべつに「病理びょうりがくてき検査けんさ」というおな文言もんごんもちいられ、定義ていぎが2じゅうであったために、臨床りんしょう検査けんさ技師ぎし病理びょうりあいだ業務ぎょうむやコンフリクトがしょうじるなどの不具合ふぐあいしょうじていた。また「①びょう理学りがくてき検査けんさ受託じゅたく営業えいぎょうする登録とうろく衛生えいせい検査けんさしょたいして、医療いりょう機関きかんから「②びょう理学りがくてき検査けんさ」が外注がいちゅうすることができたために、登録とうろく衛生えいせい検査けんさしょ経由けいゆして行為こういである病変びょうへん判断はんだんが、なかば公然こうぜんおこなわれてきた。病理びょうり専門医せんもんい細胞さいぼう専門医せんもんいも、衛生えいせい検査けんさしょにある「②びょう理学りがくてき検査けんさ」の診断しんだん部分ぶぶん請負うけおい、サイドビジネスとして収入しゅうにゅうており問題もんだい表面ひょうめんしにくかったとかんがえられる。登録とうろく衛生えいせい検査けんさしょでの病理びょうりがくてき検査けんさ営利えいり営利えいり共存きょうぞんするという事態じたいであった。

病理びょうり診断しんだん

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2008ねん3がつには病理びょうり診断しんだん標榜ひょうぼう診療しんりょうとしてみとめられた。病理びょうり診断しんだん細胞さいぼう診断しんだん医師いしおこな行為こういとして医療いりょうほう定義ていぎされたという画期的かっきてきなできごとである。検査けんさ診断しんだん解消かいしょうされ、技師ぎし医師いしによる協調きょうちょう(チーム医療いりょう)をえがくことができる下地したじができた。当然とうぜん病理びょうり専門医せんもんい細胞さいぼう専門医せんもんいみずかおこなった病理びょうり診断しんだん細胞さいぼう診断しんだんについて、医療いりょう機関きかんがいでのサイドビジネスではなく本業ほんぎょう病理びょうり診断しんだんでの医業いぎょう)として、すべての責任せきにんつことになる。これらの制度せいど変更へんこうは、病理びょうり診断しんだん重要じゅうようせい認識にんしきされた結果けっかであるとかんがえたい。日本にっぽん病理びょうり学会がっかいとうたした役割やくわりおおきい。関連かんれん団体だんたいたばね、あたらしい病理びょうり診断しんだんサービス体系たいけい実現じつげんすることも日本にっぽん病理びょうり学会がっかい責務せきむとなった日本にっぽん病理びょうり学会がっかい 診療しんりょう標榜ひょうぼうめい病理びょうり診断しんだん」と診療しんりょう報酬ほうしゅう改定かいていだい2しょうだい13 病理びょうり診断しんだん」の実現じつげんけて 08/04/08 )

がん検診けんしん・がん診断しんだん病理びょうり診断しんだん必須ひっすである。なまけん材料ざいりょう摘出てきしゅつされた臓器ぞうき病理びょうり診断しんだんもとづいてそののがん治療ちりょう方法ほうほう選択せんたくされる。また細胞さいぼう病変びょうへん診断しんだんにも応用おうようされるようになりぼそ胞診報告ほうこくしょ病名びょうめい記載きさいされ行為こういとなっている。このような病理びょうりがく進歩しんぽ役割やくわり変更へんこうわせた「標榜ひょうぼう診療しんりょう」であり「だい13病理びょうり診断しんだん」である。さらに医療いりょう内容ないよう説明せつめいする医科いか歯科しか診療しんりょう報酬ほうしゅう領収りょうしゅうしょれいには病理びょうり診断しんだんこう追加ついかされた(はつだい0305002ごう)。

診療しんりょう報酬ほうしゅう制度せいどでの「病理びょうり」のあつか

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診療しんりょうしょ病理びょうり検査けんさしつのない医療いりょう施設しせつ病理びょうり診断しんだんおこなわれた場合ばあい診断しんだん担当たんとうした病理びょうりには診療しんりょう報酬ほうしゅう評価ひょうかがない。病理びょうり診断しんだんにおいては、かならずしも患者かんじゃ面談めんだんしての診察しんさつ治療ちりょうなどの行為こういがないために、現行げんこう診療しんりょう報酬ほうしゅう制度せいどでは「診療しんりょう報酬ほうしゅう支払しはらうことができないとされているからである。見方みかたえれば診療しんりょう報酬ほうしゅう評価ひょうかされない病理びょうり診断しんだん存在そんざいしているということである。診療しんりょう報酬ほうしゅう評価ひょうか仕組しくみにった病理びょうり診断しんだんサービスの開発かいはつとともに、診療しんりょう報酬ほうしゅう制度せいど見直みなおしや診療しんりょう報酬ほうしゅう点数てんすう改正かいせいでの議論ぎろん期待きたいせられている。

日本にっぽん病理びょうり学会がっかい日本にっぽん臨床りんしょう細胞さいぼう学会がっかい学術がくじゅつ団体だんたいではあるが、病理びょうり専門医せんもんい細胞さいぼう専門医せんもんい認定にんてい機関きかんであるがゆえに、職能しょくのう団体だんたいでもあることはまぎれもない事実じじつである。病理びょうり診断しんだん細胞さいぼう診断しんだん関連かんれんしたかく団体だんたいにおいては、病理びょうり検査けんさしつがない医療いりょう施設しせつ開業医かいぎょういなど)で採取さいしゅされた病理びょうりがくてき検査けんさ検体けんたい標本ひょうほん作製さくせい病理びょうり診断しんだん細胞さいぼう診断しんだんについて病理びょうり診断しんだん体制たいせいをどのように整備せいびするかが緊急きんきゅう課題かだいとなっている。またあたらしい病理びょうり診断しんだんサービスや責任せきにん見合みあ診療しんりょう報酬ほうしゅう要求ようきゅう実現じつげんすることもおおきな課題かだいである。病理びょうり行為こうい診療しんりょう報酬ほうしゅう評価ひょうかいただくことは診断しんだんする場所ばしょ保険ほけんであることなど病理びょうりがわ条件じょうけん整備せいびすることでもある。診療しんりょう報酬ほうしゅう整備せいび病理びょうり診断しんだんにより病理びょうり専門医せんもんいえることを期待きたいしたい。がん予防よぼう、がん診断しんだん登録とうろくなどをつうじて地域ちいき医療いりょう貢献こうけんするようになると、医療いりょう質的しつてき向上こうじょう期待きたいできるのである。

登録とうろく衛生えいせい検査けんさしょのメリット

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いっぽう、登録とうろく衛生えいせい検査けんさしょおこなうことができる①びょう理学りがくてき検査けんさに②の行為こうい病変びょうへん判断はんだん)がふくまれなくなり、病理びょうり標本ひょうほん作製さくせい細胞さいぼう検査けんさ判定はんていという臨床りんしょう検査けんさ技師ぎしとうによる検査けんさ業務ぎょうむさい定義ていぎされることにより、企業きぎょうとしての事業じぎょうせい向上こうじょうするというメリットがある。

このように、医療いりょう質的しつてき向上こうじょう病理びょうり診断しんだん診療しんりょう報酬ほうしゅうでの検査けんさからの病理びょうり診断しんだん独立どくりつ営利えいり分離ぶんりによる衛生えいせい検査けんさしょ事業じぎょうせい向上こうじょうはそれぞれが関連かんれんしている。

病理びょうり検査けんさ報告ほうこくしょ病理びょうり診断しんだん報告ほうこくしょちがいについて(日本にっぽん病理びょうり学会がっかい

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医療いりょう機関きかん病理びょうり常勤じょうきんまたは常勤じょうきん病理びょうり標本ひょうほんについて観察かんさつする場合ばあいは、その報告ほうこくしょは「病理びょうり診断しんだん報告ほうこくしょ」である。診療しんりょう報酬ほうしゅう制度せいどじょう研鑽けんさんんだ病理びょうり病理びょうり診断しんだんおこなっている場合ばあい病理びょうり診断しんだんりょうN006が算定さんていされる。病理びょうり診断しんだん管理かんり加算かさん算定さんていされる。

病理びょうり外注がいちゅう場合ばあいは、病理びょうりがくてき検査けんさという検体けんたい検査けんさ外注がいちゅうであり、その報告ほうこくしょ検体けんたい検査けんさ報告ほうこくしょである。この場合ばあい病理びょうり検査けんさ報告ほうこくしょもとづいて、臨床りんしょう病変びょうへんについて判断はんだんするので、病理びょうり判断はんだんりょうN007が算定さんていされる。

このため、日本にっぽん病理びょうり学会がっかいでは、保険ほけん医療いりょう機関きかんない診断しんだんされた病理びょうり報告ほうこくしょは「病理びょうり診断しんだん報告ほうこくしょ」、衛生えいせい検査けんさしょとうでの病理びょうり報告ほうこくは「病理びょうり検査けんさ報告ほうこくしょ」と差別さべつしている。「病理びょうり検査けんさ報告ほうこくしょ」はあくまで「検査けんさ報告ほうこく助言じょげん」という認識にんしきである。佐々木ささきあつし連載れんさい 病理びょうりをとりまく社会しゃかい問題もんだい 病理びょうり診療しんりょう報酬ほうしゅう変遷へんせん今後こんご展望てんぼう病理びょうり臨床りんしょう 2014, 32:1172)

  • 検査けんさしょ受託じゅたくされた病理びょうり材料ざいりょうについて作製さくせいされた標本ひょうほん病理びょうり観察かんさつし、検体けんたい検査けんさ報告ほうこくしょ作成さくせいすることがあるが、これは「診断しんだん」ではない。診断しんだん行為こういであるから、当然とうぜんながら病理びょうり診断しんだん医療いりょう機関きかんでなされるものである。今世紀こんせいきはいり、病理びょうり診断しんだん重要じゅうようせい認識にんしきされてきたとはいえ、病理びょうり材料ざいりょうについて検体けんたい検査けんさとして、検査けんさセンター(おおくの場合ばあい登録とうろく衛生えいせい検査けんさしょ)に外注がいちゅうえている。外注がいちゅう割合わりあいは2000ねんごろは40-50%だったものが近年きんねんは80%ともわれ増加ぞうか一途いっとをたどっている。病理びょうり材料ざいりょうの20%が病理びょうり診断しんだんがなされているが、80%は病理びょうりがくてき検査けんさ報告ほうこくしょもとづいて臨床りんしょう病変びょうへんについて病理びょうり判断はんだんしていることになる。
  • 結局けっきょく日本にっぽん病理びょうり学会がっかい東奔西走とうほんせいそうし、内保うちほれんとう支援しえんけて、2008ねん病理びょうり診断しんだん標榜ひょうぼう診療しんりょうりや病理びょうり診断しんだん診療しんりょう報酬ほうしゅう位置いちづけ変更へんこうなどがおこなわれたというものの、市場いちばながれた病理びょうり材料ざいりょうについて、医療いりょう機関きかんないでの行為こういもどすまでにはいたらなかったとえる。患者かんじゃがわった病理びょうり診断しんだん意義いぎたかめるためには、さらなる政策せいさくテコ入てこいれが必要ひつようとなる。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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