しょく安全あんぜん

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しょく安全あんぜん(しょくのあんぜん)とは、食品しょくひん安全あんぜんせい[1]、あるいは食事しょくじ文化ぶんかものしょくかたふくめた安全あんぜんせい[2]意味いみもちいられる言葉ことばである。しょく安全あんぜんせい[3]しょく安全あんぜん問題もんだい[4]しょく安全あんぜん確保かくほ[4]といった表現ひょうげん、あるいはしょく安全あんぜん安心あんしん食品しょくひん安全あんぜん安心あんしんといった表現ひょうげんもちいられる[4]

概要がいよう[編集へんしゅう]

ひと健康けんこうきるために、呼吸こきゅうし、べて、生活せいかついとな[5]しょくをめぐる問題もんだいは、生存せいぞんにとってもっとも基本きほんてき問題もんだい[6]であり、「しょくいのちである[7]」とも表現ひょうげんされる。安全あんぜんでない食料しょくりょう流通りゅうつうする社会しゃかい人間にんげん存在そんざい根底こんていからあやうくする[7]。1ねん365にち毎日まいにちとる食事しょくじに、安全あんぜんなものをのぞむのは当然とうぜんである[8]。ところが、しょく安全あんぜん関係かんけいするだい事件じけんは、過去かこから現在げんざいまでよう東西とうざいわず頻繁ひんぱん発生はっせいしており[9]たない。

しょく安全あんぜんかんがえるうえかすことができないのは、食品しょくひん公害こうがいかえり、その被害ひがい犠牲ぎせいおもいをまなぶことである[10]、ともされる。しょく安全あんぜんかんしては、生産せいさん流通りゅうつう消費しょうひのどのひとつがつまづいても深刻しんこく事態じたいとなりうる[6]のであり、生産せいさんしゃ流通りゅうつう業者ぎょうしゃ生活せいかつしゃのすべてをんだ問題もんだいとなっている[11]

現代げんだいでは食生活しょくせいかつ環境かんきょう文化ぶんかが、かつての様式ようしきから変化へんかし、生鮮せいせん野菜やさいにくさかなってきて調理ちょうりするだけでなく、加工かこう食品しょくひん一般いっぱん家庭かてい普及ふきゅうし、また惣菜そうざい調理ちょうりみの食材しょくざい利用りようされており、食品しょくひんひとくちはい経路けいろ経緯けいい多様たようしているので、食品しょくひん安全あんぜんせい確保かくほすることは、以前いぜんくらべると複雑ふくざつむずかしい問題もんだいとなってきている[12]

しょく安全あんぜん確保かくほのために、必要ひつよう仕組しくみ・かたとしては、事故じこ後処理あとしょりおこなうだけではなく、有毒ゆうどく物質ぶっしつ評価ひょうか管理かんりとうといった、しょく安全あんぜん影響えいきょうあたえる要因よういんについて、事前じぜんリスク管理かんりおこなうことが重要じゅうようだということが、国際こくさいてき共通きょうつう認識にんしきとなっている[13]

しかし、食品しょくひんちゅう含有がんゆう残留ざんりゅう)する規制きせいは、各国かっこく都合つごうわせた採用さいようされ、ゼロリスクが目的もくてきではなく「リスクをおさえ、基準きじゅん以上いじょう含有がんゆう廃棄はいきされる穀物こくもつ抑制よくせいし、飢餓きが発生はっせいさせないための」として認識にんしきされている[14]

食品しょくひんによる危害きがい健康けんこう被害ひがい事故じこ[編集へんしゅう]

食品しょくひん危険きけんなものがはいっていれば健康けんこう重大じゅうだい危害きがい[15]我々われわれ毎日まいにちべる食事しょくじ食品しょくひん)に関心かんしんち、十分じゅうぶん注意ちゅういをはらわなければならない[15]

食品しょくひんによってこる危害きがい以下いかのように区分くぶんすることが可能かのうである[16]

  1. 急性きゅうせいてき危害きがい:薬物やくぶつ化学かがく物質ぶっしつによる急性きゅうせい食中毒しょくちゅうどくなどの健康けんこう被害ひがい
  2. 短期たんきてき危害きがい:微生物びせいぶつ細菌さいきんえることによる食中毒しょくちゅうどくなどの健康けんこう被害ひがい
  3. 中期ちゅうきてき危害きがい:生活せいかつ習慣しゅうかんびょうなどの栄養素えいようそかたよによる健康けんこう被害ひがい
  4. 長期ちょうきてき危害きがい:環境かんきょうホルモンなどの影響えいきょうによる健康けんこう被害ひがい

食品しょくひん事故じこ食中毒しょくちゅうどく[編集へんしゅう]

食品しょくひんくちからはいり、消化しょうか器官きかん消化しょうか吸収きゅうしゅうされるので、毒物どくぶつ微生物びせいぶつなど危険きけんなものがはいっていると、人体じんたいにその影響えいきょう直接ちょくせつてくる[17]急性きゅうせいのものであれば、一部いちぶは、くちれたとき即時そくじしたり、嘔吐おうと下痢げりとなってされることもある。細菌さいきんせい食中毒しょくちゅうどくでは潜伏期せんぷくきあいだがあり、数時間すうじかんから数日すうじつ発症はっしょうする。だが、慢性まんせいのものでは徐々じょじょ身体しんたい影響えいきょう健康けんこう被害ひがい)がてくることがある。また、食品しょくひん事故じこいのちとすこともある[18]

べいちゅう節夫せつお食品しょくひん事故じこのタイプとしては以下いかのような分類ぶんるいげた[19]

  1. 公害こうがいふくまれる化学かがく物質ぶっしつによる食中毒しょくちゅうどく事故じこ日本にっぽんでは水俣病みなまたびょうだい水俣病みなまたびょうなどがこれにたる[20]
  2. 食品しょくひんメーカーの製造せいぞう工程こうていじょう混入こんにゅうした化学かがく物質ぶっしつによる食中毒しょくちゅうどく事故じこ中国ちゅうごくせい冷凍れいとう食品しょくひんによる農薬のうやく中毒ちゅうどく事件じけんなど。日本にっぽん食品しょくひんメーカーの事故じこでは森永もりながヒ素ひそミルク事件じけんカネミ油症かねみゆしょう事件じけんがこれに該当がいとう[20]
  3. 細菌さいきんせい食中毒しょくちゅうどくきんによる食中毒しょくちゅうどく事故じこ日本にっぽんでは1996ねん岡山おかやまさかいきたO157事件じけん雪印乳業ゆきじるしにゅうぎょう集団しゅうだん食中毒しょくちゅうどく事件じけん該当がいとう[20]
  4. 故意こいなどの犯罪はんざいてき要素ようそ食中毒しょくちゅうどく事故じこ和歌山わかやま毒物どくぶつカレー事件じけんアクリフーズ農薬のうやく混入こんにゅう事件じけんなどが該当がいとう

[※ 1]

食中毒しょくちゅうどく原因げんいん要因よういん以下いかの3種類しゅるいけられることがある[21]

  1. 病原びょうげんたいなどの、いわゆる「ばいきん」(微生物びせいぶつ)によるもの
  2. 化学かがく物質ぶっしつによるもの(薬品やくひんなど)
  3. 自然しぜんどくによるもの(どくきのこふぐどくなど)
年次ねんじべつ食中毒しょくちゅうどく発生はっせいじょうきょう
出典しゅってん:『食品しょくひん衛生えいせい責任せきにんしゃハンドブック』だい6はんp.63)
年次ねんじ 事件じけんすう 患者かんじゃすう 死者ししゃすう
1995 699 26,325 300
1996 1,217 46,327 15
1997 1,960 39,989 8
1998 3,010 46,179 9
1999 2,697 35,214 7
2000 2,247 43,307 4
2001 1,928 25,862 4
2002 1,850 27,629 18
2003 1,585 29,355 6
2004 1,666 28,175 5
2005 1,545 27,019 7
2006 1,491 39,026 6
2007 1,289 33,477 7
2008 1,369 24,303 4
2009 1,048 20,249 0
2010 1000000 25,972 0

しょく環境かんきょう[編集へんしゅう]

健康けんこうてき安全あんぜん食生活しょくせいかつおくるためには、健全けんぜんしょくをめぐる環境かんきょうしょく環境かんきょう)がかせない[22]しょく安全あんぜんにかかわる環境かんきょう自然しぜん環境かんきょうだけではない。作物さくもつ家畜かちくさかな栽培さいばい採取さいしゅ飼育しいく捕獲ほかくされ、加工かこう運搬うんぱん調理ちょうりされて、食卓しょくたくがるまでのプロセスがしょく環境かんきょう定義ていぎされるべきである[22]。また、行政ぎょうせい組織そしき規格きかく国際こくさい関係かんけいなどもしょく環境かんきょうとされている[22]

しょく安全あんぜん左右さゆうするしょく環境かんきょう出典しゅってん:『しょく環境かんきょう科学かがく入門にゅうもん』p.1)
しょく環境かんきょう要因よういん 内容ないよう
自然しぜん環境かんきょう 土壌どじょうみず大気たいき環境かんきょう汚染おせん物質ぶっしつ微生物びせいぶつ
食料しょくりょう供給きょうきゅうシステム 栽培さいばい飼育しいく製造せいぞう加工かこう流通りゅうつう供給きょうきゅう
政策せいさく行政ぎょうせい法体ほうたいけい 法律ほうりつ規格きかく基準きじゅん監視かんし検査けんさ、リスク評価ひょうか
情報じょうほう リスクコミュニケーション情報じょうほう公開こうかい表示ひょうじしょく教育きょういく
しょく文化ぶんかしょくのライフスタイル もの選択せんたくかた
国際こくさい関係かんけい 輸出ゆしゅつ輸入ゆにゅうWTO協定きょうてい[※ 2]国籍こくせき企業きぎょう
倫理りんり 環境かんきょう企業きぎょう[※ 3]生命せいめい倫理りんり
しょくかんする情報じょうほう
情報じょうほうしょく安全あんぜん実現じつげんするためにかせない要因よういんである。消費しょうひしゃ食材しょくざいにしつつ直接ちょくせつ確認かくにんできる唯一ゆいいつ情報じょうほう食品しょくひん表示ひょうじ食品しょくひん表示ひょうじ)である[23]。また、しょく教育きょういくがなければ、消費しょうひしゃしょく安全あんぜんたいする関心かんしんうすれ、適切てきせつ情報じょうほうみみはいらない[23]
食品しょくひん業者ぎょうしゃ倫理りんり・モラル
しょく環境かんきょう重要じゅうよう要因よういん倫理りんりがある。食品しょくひん企業きぎょう食品しょくひん製造せいぞうするにあたって法令ほうれい遵守じゅんしゅしようとしているのか、社会しゃかいてき使命しめいをどうかんがえているのかは、しょく安全あんぜん直結ちょっけつする[23]
技術ぎじゅつ悪影響あくえいきょう
科学かがく技術ぎじゅつの「発展はってん」もしょく環境かんきょう変化へんか影響えいきょうをもたらす。より安価あんか食料しょくりょう供給きょうきゅう可能かのうにしている一方いっぽうで、遺伝子いでんし食品しょくひんつくしたり、重金属じゅうきんぞくPCBダイオキシン環境かんきょうホルモンなどの環境かんきょう汚染おせんつくし、食品しょくひん汚染おせんをもたらしている[24]
食生活しょくせいかつしつ
食生活しょくせいかつのライフスタイルの変化へんかしょく安全あんぜん影響えいきょうあたえている[24]
マーガリンふくまれるトランス脂肪酸しぼうさんのように、ひと精製せいせいされた異質いしつ脂肪しぼうぶんもある。これは「人体じんたい有害ゆうがいな」脂肪しぼうぶんなされており、生命せいめい維持いじかせない各種かくしゅ必須ひっす脂肪酸しぼうさん(Essential Fatty Acids)とはなん関係かんけいい。

安全あんぜん安心あんしん[編集へんしゅう]

しょく安心あんしん[編集へんしゅう]

しょく安全あんぜん」という表現ひょうげんとともに、日本にっぽん国内こくないでは「しょく安心あんしん」という言葉ことばもちいられている。《安全あんぜん》と《安心あんしん》のちがいが学術がくじゅつてき明確めいかく定義ていぎされているわけではないが、およそ以下いかのようにえる、ともされる[25]

安全あんぜん具体ぐたいてき危険きけん物理ぶつりてき排除はいじょされている状態じょうたい[25]
安心あんしん心配しんぱい不安ふあんがない主体しゅたいてき主観しゅかんてきしん状態じょうたい[25]

このように定義ていぎされると、自然しぜん科学かがくけい人間にんげんなどは、つい《安心あんしん》を軽視けいししてしまう傾向けいこうがあるが、そのような態度たいど判断はんだん間違まちがっている[26]。《安心あんしん》の問題もんだい重要じゅうようされるのは、個々ここ人々ひとびと社会しゃかいサービスに依存いぞんしてらさざるをえない状態じょうたいにあり、状態じょうたい自分じぶんでコントロールすることができず、全体ぜんたい状況じょうきょうることも困難こんなんなためである。一連いちれん不祥事ふしょうじによって不安ふあん発生はっせいしている。[25]人々ひとびと安心あんしんるためには、システムが安全あんぜんでなければならないことはうまでもないが、それだけでは十分じゅうぶんではなく、関係かんけいしゃからシステムが安全あんぜんである、との信頼しんらいられていなければならない。《安心あんしん》とは安全あんぜんについての信頼しんらいかんである。

品質ひんしつ保証ほしょう[編集へんしゅう]

安全あんぜん安心あんしん関係かんけいについては、ISO国際こくさい標準ひょうじゅん機構きこう)における定義ていぎかんがかた参考さんこうになる。ISO8402(1984ねん)においては「品質ひんしつ保証ほしょう」の定義ていぎ以下いかのようにあたえられた。

品質ひんしつ保証ほしょうとは、品質ひんしつ確保かくほされているという信頼しんらいかん購入こうにゅうしゃあたえるための計画けいかくてき体系たいけいてき活動かつどうである。

品質ひんしつ保証ほしょうとは、evidence(証拠しょうこ)にもとづいて品質ひんしつ規格きかく適合てきごうしていることをしめして、購入こうにゅうしゃ信頼しんらい獲得かくとくするための活動かつどうである[27]

ISO9000(1987ねん〜)においては、《安心あんしん》とは、安全あんぜん保証ほしょうである。「安全あんぜん保証ほしょう」とは、関係かんけいしゃにそれが安全あんぜんであることについて十分じゅうぶん信頼しんらいかんあたえるための計画けいかくてき体系たいけいてき活動かつどう、とえる[27]

歴史れきし[編集へんしゅう]

古代こだい中世ちゅうせい産業さんぎょう革命かくめい[編集へんしゅう]

しょく安全あんぜんかんするふる記述きじゅつとしては古代こだいローマ時代じだいのものがある。それによると、古代こだいローマにおいて、「ワインのあじがおかしい」と苦情くじょうべる市民しみんたちの人数にんずうえたときに、調査官ちょうさかんにその問題もんだい調しらべさせた。するとワイン製造せいぞうしゃらがワインを(正規せいき原料げんりょうだけでなく)アロエやくすり使つかって人工じんこうてき熟成じゅくせいさせていたことがあかるみにた。また、(古代こだい)ローマのパンが、パンに「しろ」と当時とうじばれた炭酸たんさんしお酸化さんかマグネシウムぜたことが発覚はっかく告発こくはつされた、という記録きろくのこっている[28]

イギリスにおいては中世ちゅうせい時代じだいまで、社会しゃかい農業のうぎょう中心ちゅうしんとしてっており、人々ひとびとのほとんどがちいさなむららしていたのでたがいにいであり、食物しょくもつぶつをされる危険きけんはほとんどなく、食品しょくひんは、まずまず健康けんこうてき安全あんぜんだった。ところが産業さんぎょう革命かくめいはじまって、人々ひとびと農村のうそんからまちうつむようになるとともに、インチキな食品しょくひん横行おうこうするようになった。ひとたびおおきなまちができると、金儲かねもうけのためなら道徳どうとく倫理りんりのことをなんともおもわないような食品しょくひん製造せいぞう業者ぎょうしゃ商人しょうにんあつまってきたのである[29]

19世紀せいき[編集へんしゅう]

1819ねんには100にん以上いじょう醸造じょうぞう業者ぎょうしゃやその関係かんけいしゃが、くろビール材料ざいりょうとして、正規せいき麦芽ばくがやホップでなく、様々さまざま代用だいようぶつ混入こんにゅうしたつみ有罪ゆうざい判決はんけつけた。[30]

1820ねんにはイギリスのフレデリック・アークム en:Friedrich Accumが、インチキ食品しょくひんおよび料理りょうりれるどくについての科学かがくてき論文ろんぶん発表はっぴょうした。タイトルは There is death in the potなべなかがある』である[30][※ 4]。アークムは、当時とうじのイギリスとしては基本きほんてきものであるパンビール紅茶こうちゃワイン砂糖さとう菓子かし香辛料こうしんりょうおおくにぶつがあることを科学かがくてき証明しょうめいした。この論文ろんぶん最多さいたとされているのはパンへの不正ふせいぶつであり、ロンドンのパンはパンにみょうばんぜるという不正ふせいおこなっていた。そうすればやす材料ざいりょうでもしろくて高級こうきゅうそうにえるのである。だが、このみょうばんは(どくとまではえないにしても)消化しょうか不良ふりょうなどをともなった。[30][※ 5]

食品しょくひんへの不正ふせい物質ぶっしつ混入こんにゅうはありとあらゆる種類しゅるい食品しょくひんおこなわれていた。たとえば砂糖さとうには、どう炭酸たんさんなまりぜるなどということもおこなわれていた。こうした不正ふせいがあまりに広範囲こうはんいおこなわれたので、都市とし住民じゅうみん健康けんこう生命せいめい深刻しんこく打撃だげきけていた。子供こどもたちはぶつれたパンや、みずうすめたミルクをくちにしていたので、感染かんせんしょう病気びょうきにかかりやすくなってしまった。幼児ようじ子供こどもよりも抵抗ていこうりょくよわ存在そんざい)にいたっては、死亡しぼうりつおどろくほどたかかった。唐辛子とうがらしなどに不正ふせいなまりぜられたために、大人おとなですらからだ麻痺まひした。影響えいきょう短期間たんきかんではまず身体しんたい蓄積ちくせきした。なまりどう水銀すいぎんヒ素ひそなどの元素げんそが、微量びりょうずつではあっても長期間ちょうきかんにわたって人々ひとびと体内たいない蓄積ちくせきしてゆき、おおくのひと慢性まんせい胃炎いえんになり(慢性まんせい胃炎いえん当時とうじのイギリスの都市とし住民じゅうみん蔓延まんえんした病気びょうきとなっていた)、またにかけたり、実際じっさいんだりした[31]

1844ねんにイギリスで設立せつりつされたロッチデール先駆せんくしゃ協同きょうどう組合くみあい原則げんそくに「品質ひんしつ維持いじ」をかかげていたのは、食品しょくひんへの異物いぶつ混入こんにゅうによるかさしが公然こうぜんおこなわれていたことが理由りゆうである。

1850ねんころ、イギリスの医師いし医学いがく専門せんもんランセット』の編集へんしゅうしゃでもあり、検死けんしかんでもあるトーマス・ワクリー[※ 6]en:Thomas Wakley)は、その仕事しごとがらすうおおくの人々ひとびと粗悪そあく食品しょくひん製造せいぞう業者ぎょうしゃのせいでんだりしんだりするのをたりにしていた。ワクリーはこの問題もんだいかんして徹底的てっていてき調査ちょうさおこなうことを要求ようきゅうした[32]。すると、アーサー・ハスル博士はかせ (Arthur Hill Hassall)[※ 7](ロンドンのロイヤル・フリー・ホスピタルの内科ないかけん講師こうし)がその調査ちょうさ担当たんとうすることになった。この調査ちょうさのために2400けん試験しけんおこなわれた。これほどまで品種ひんしゅ食品しょくひんについて、かつ厳密げんみつなやりかた系統けいとうだった試験しけんおこなわれたのはおそらく世界せかいはつである[32]。その試験しけん結果けっかあきらかになったのは、当時とうじのイギリスでは「基本きほん食品しょくひん正常せいじょう状態じょうたいうことは、ほぼ不可能ふかのう」という結論けつろんだった。そして、その調査ちょうさによってあきらかになった粗悪そあくひん製造せいぞう取引とりひきにかかわった製造せいぞう業者ぎょうしゃ商人しょうにんたちの公表こうひょうされることになった[32]。(アーサー・ハスルは調査ちょうさ結果けっかほんにまとめ、FOOD AND ITS ADULTERATIONS食品しょくひんとそのぜもの処理しょり』というタイトルで1855ねん刊行かんこうした。[※ 8]

ブラッドフォードどく菓子かし事件じけん風刺ふうし

次第しだいにイギリス議会ぎかいもこの問題もんだいしょく安全あんぜん問題もんだい)に注目ちゅうもくしはじめ、議会ぎかいない複数ふくすう委員いいんかい発足ほっそくした。185556ねんごろに、医師いし化学かがくしゃ製造せいぞう業者ぎょうしゃ商人しょうにんなどが、(議会ぎかいで)議員ぎいんらのまえ証言しょうげんおこなった。もっとも、当時とうじのイギリスの政治せいじも(他国たこく時代じだい同様どうように)腐敗ふはいしており、議員ぎいんらは後援こうえんしゃから献金けんきんると、後援こうえんしゃにとって都合つごうわる法案ほうあんはことごとく廃案はいあんにしつづけていたものだった。だが、食品しょくひん関連かんれん問題もんだいかんしてはブラッドフォードどく菓子かし中毒ちゅうどく事件じけん児童じどうなど200にん死亡しぼうする事件じけんきるなどしたことから(さいわいにして)そうはならずにみ、1860ねんに「食物しょくもつおよ薬剤やくざい粗悪そあく防止ぼうしほう」が成立せいりつした。それ以後いご悪質あくしつ製造せいぞう業者ぎょうしゃ商人しょうにんから大衆たいしゅう消費しょうひしゃ)をまも法律ほうりつがいくつも制定せいていされてゆくことになった。大衆たいしゅうはじめて「なべなか」から法律ほうりつによってまもられるようになったのである。そしてそのいまにいたるまで悪徳あくとく業者ぎょうしゃとのたたかいはつづいている。[33]

19世紀せいきなかごろのアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおいては、牛乳ぎゅうにゅう不正ふせい物質ぶっしつ混入こんにゅうされることが頻発ひんぱつし、1853ねん1がつ22にち、ニューヨーク・タイムズは DEATH IN THE JUG.ジャグ[※ 9]なかがある」 という記事きじ掲載けいさい。ニューヨーク市内しない供給きょうきゅうされた牛乳ぎゅうにゅう本当ほんとう生産せいさんりょうやく680まんガロンであったのにたいし、同年どうねんどう地域ちいきじつ消費しょうひりょうやく750まんガロンと推計すいけいされるので、結局けっきょくやく70まんガロンにもおよぶ、牛乳ぎゅうにゅう以外いがいなんらかのインチキの液体えきたい混入こんにゅうしている、と指摘してきされた(swill milk scandal 残滓ざんし牛乳ぎゅうにゅう事件じけん)。この問題もんだいはいくつもの新聞しんぶん指摘してきされたにもかかわらず、すぐに解決かいけつすることができず、解決かいけつしたのは結局けっきょく19世紀せいき末期まっきになってからのことであり、乳業にゅうぎょうにおける低温ていおん加熱かねつ殺菌さっきんほう導入どうにゅう牛乳ぎゅうにゅう小口こぐち梱包こんぽう技術ぎじゅつ牛乳ぎゅうにゅうびんなど)の発明はつめい、しっかりした規制きせい方法ほうほう確立かくりつたねばならなかった。

米国べいこくにおける問題もんだい対応たいおう[編集へんしゅう]

食品しょくひん工業こうぎょう製品せいひんにより、加工かこう業者ぎょうしゃ安全あんぜん意識いしき欠如けつじょといった問題もんだい発生はっせいしている[34]

には、病原びょうげん細菌さいきん汚染おせん摘発てきはつおおく、いで重金属じゅうきんぞく汚染おせんおおい。これは、家畜かちくとう屎尿しにょう処理しょり工業こうぎょうによる土壌どじょう汚染おせんによるもので、環境かんきょう汚染おせんしょく安全あんぜん密接みっせつつながっていることをしめしている[34]

米国べいこく輸出入ゆしゅつにゅう食品しょくひんたいする対応たいおうとう
2007ねんには中国ちゅうごくから輸入ゆにゅうする食品しょくひん安全あんぜんせい新聞しんぶんげられたが、そもそも輸入ゆにゅう食品しょくひん増加ぞうかするなかで、検査けんさ機関きかん人数にんずうすくなく、体制たいせい不備ふび指摘してきされている。食品しょくひん医薬品いやくひんきょく(FDA)の検査けんさいんは、全米ぜんべいで700にんしかおらず、以前いぜんくらべて人数にんずう減少げんしょうしている。輸入ゆにゅう食品しょくひん全体ぜんたいたいする検査けんさすう割合わりあいは、10ねんまえの8.0%→0.6%まで低下ていかしている[34]
輸出ゆしゅつ食品しょくひんについては、残留ざんりゅう農薬のうやく問題もんだい指摘してきされている(ポストハーベスト農薬のうやく参照さんしょう)。
米国べいこくでの事件じけん

EUの対応たいおう[編集へんしゅう]

2000年代ねんだいはいり、EU生産せいさん現場げんばから食卓しょくたくいたるまで、一貫いっかんした食品しょくひん安全あんぜんシステムの構築こうちく目指めざしている。生産せいさん流通りゅうつう業者ぎょうしゃたいしては安全あんぜんせいかんする規制きせいもうけ、規制きせいまもることを義務ぎむづけるとともに、EUも監視かんしする体制たいせいっている[34]

域内いきない安全あんぜんせいについては、病原びょうげん細菌さいきん汚染おせん摘発てきはつおおく、いで重金属じゅうきんぞく汚染おせんおおい。米国べいこく同様どうよう環境かんきょう汚染おせんによる影響えいきょうである[34]

EUの輸出入ゆしゅつにゅう食品しょくひんたいする対応たいおう
EU領域りょういきがいから輸入ゆにゅうされる食品しょくひんたいしても、EUない同様どうよう体制たいせいもとめているが、EU勧告かんこくたしているくに[34]
2013ねんには、牛肉ぎゅうにく使用しようしたとされる食品しょくひんに、馬肉ばにく混入こんにゅうしていることが発覚はっかくした馬肉ばにく混入こんにゅう問題もんだい発生はっせいした。

中国ちゅうごくにおける問題もんだい対応たいおう[編集へんしゅう]

中国ちゅうごくさん食品しょくひん安全あんぜんせい参照さんしょうのこと。

日本にっぽんにおける問題もんだい対応たいおう[編集へんしゅう]

歴史れきし[編集へんしゅう]

公害こうがい不良ふりょう配給はいきゅうひん[編集へんしゅう]

戦後せんごになって、公害こうがいたいする認識にんしきたかまり、富山とやまけん神通川じんづうがわ流域りゅういきで1910年代ねんだいから発生はっせいしていたイタイイタイ病いたいいたいびょう問題もんだいされた。原因げんいん上流じょうりゅうにある三井金属みついきんぞく神岡かみおか工業こうぎょうしょかわながした金属きんぞく廃液はいえきカドミウムふくまれており、しも流域りゅういき田畑たはた汚染おせん、そこで収穫しゅうかくされたコメなどの作物さくもつみず利用りようした人々ひとびとほねがゆがんだり、ひびがはいったりした(神通川じんづうがわ流域りゅういきでは1998ねんにもカドミウムじんしょう多発たはつした、という)[35]。その水俣病みなまたびょうなどとともによんだい公害こうがいびょうかぞえられるようになった。

戦後せんご配給はいきゅう体制たいせいたいして、1948ねんにはおくむめおらによる主婦しゅふ連合れんごうかい発足ほっそくし、消費しょうひしゃ運動うんどうはじまり、良品りょうひん配給はいきゅうなどにたいして抗議こうぎ運動うんどうこるようになる[36]。1951ねん昭和しょうわ26ねん)、配給はいきゅうまいビルマ産米さんまいの3ぶんの1がカビ汚染おせんされたへんまいだったことが発覚はっかくするへんまい事件じけん発生はっせい[37]

1955ねん6がつ昭和しょうわ30ねん森永もりながヒ素ひそミルク事件じけん発生はっせい森永乳業もりながにゅうぎょう製造せいぞうされたこなミルクに多量たりょうヒ素ひそふくまれていた。死者ししゃ131めい患者かんじゃすう12,159めい昭和しょうわ31ねん2がつ時点じてん[38]

1956ねん5がつ昭和しょうわ31ねん熊本くまもとけん水俣病みなまたびょう発生はっせいチッソ水俣みなまた工場こうじょう排水はいすいにより汚染おせんされた水俣みなまたわん魚介ぎょかいるいべた住民じゅうみん食中毒しょくちゅうどく被害ひがいしょうじた。死者ししゃ157めい患者かんじゃ968めい昭和しょうわ51ねん4がつ時点じてん[38]

1965ねん6がつ(昭和しょうわ40ねん)、新潟にいがたけんだい水俣病みなまたびょう新潟にいがた水俣病みなまたびょう)が発生はっせい昭和電工しょうわでんこう鹿瀬かのせ工場こうじょう排水はいすいに、アセトアルデヒド合成ごうせいおこなさい有機ゆうき水銀すいぎんふくまれており、それによって汚染おせんされたかわぎょべた人々ひとびと被害ひがいしょうじた。死者ししゃ33めい患者かんじゃすう625めい昭和しょうわ51ねん3がつ時点じてん[38]

1968ねん3がつ昭和しょうわ43ねんカネミ油症かねみゆしょう事件じけん発生はっせい死者ししゃ28めい患者かんじゃすう1,283めい[38]

産業さんぎょう優先ゆうせんから消費しょうひしゃ優先ゆうせん[編集へんしゅう]

高度こうど経済けいざい成長せいちょう時期じきになると、様々さまざま消費しょうひしゃ問題もんだいきる。1960ねんには牛肉ぎゅうにく大和やまと缶詰かんづめ中身なかみ当時とうじ安価あんかだったくじらにく馬肉ばにくであったことが発覚はっかくした「うそつき缶詰かんづめ事件じけん(にせうしかん事件じけん)」が発生はっせい主婦しゅふ連合れんごうかい問題もんだいし、1962ねんには不当ふとう景品けいひんるいおよ不当ふとう表示ひょうじ防止ぼうしほう立法りっぽう契機けいきとなった。

1968ねん消費しょうひしゃ保護ほご基本きほんほう制定せいていされ、ようやく産業さんぎょう優先ゆうせんかんがかたから消費しょうひしゃ優先ゆうせん原則げんそくへと移行いこうし、消費しょうひしゃ保護ほご基本きほんてき方向ほうこうしめされることとなった[39]。また、1970ねんには消費しょうひ生活せいかつセンター開設かいせつされた。当時とうじ消費しょうひしゃ最大さいだい関心事かんしんじ食品しょくひん安全あんぜんせいであった。当時とうじ牛乳ぎゅうにゅうBHC汚染おせんはつがんせい問題もんだいとなったフリルフラマイド(AF2)やチクロなどの食品しょくひん添加てんかぶつさかな水銀すいぎん汚染おせんなどの問題もんだい発生はっせいしていた。 1970ねん〜79ねんまでにせられた相談そうだん件数けんすうでも食料しょくりょうひん相談そうだんが1めている[40]食品しょくひん添加てんかぶつ健康けんこう食品しょくひんなどにかんする相談そうだんおおかった。

昭和しょうわ60年代ねんだい(1985ねん〜)になると、消費しょうひ生活せいかつ多様たよう複雑ふくざつし、消費しょうひ生活せいかつセンターへの相談そうだんとしては、住居じゅうきょひん教養きょうよう娯楽ごらくひん保健ほけん衛生えいせいひんなどの相談そうだん件数けんすう増加ぞうかし、食料しょくりょうひんわせ件数けんすうは3になった。ただし、食料しょくりょうひん相談そうだん件数けんすうはほぼよこばいで、ったわけではなく、わせがえた[41]

O157食中毒しょくちゅうどく事件じけん雪印ゆきじるし集団しゅうだん食中毒しょくちゅうどく事件じけん[編集へんしゅう]

1990ねん埼玉さいたまけん浦和うらわ幼稚園ようちえんO157食中毒しょくちゅうどく事件じけん発生はっせい死者ししゃ2めい患者かんじゃ268めい[42]

1996ねん5がつ平成へいせい8ねん)、岡山おかやまけん邑久おくぐん邑久おくまち学校がっこう給食きゅうしょくO157食中毒しょくちゅうどく事件じけん発生はっせい死者ししゃ2めい患者かんじゃすう468めい[38]

1996ねん7がつ大阪おおさかさかい学校がっこう給食きゅうしょくさかい学童がくどう集団しゅうだん下痢げりしょう発生はっせい死者ししゃ2めい患者かんじゃすう6,309めい[38]

1998ねん7がつ平成へいせい10ねん和歌山わかやまけん和歌山わかやまのある地区ちくでのなつまつりにされたカレーライス毒物どくぶつ混入こんにゅうされ死者ししゃ事件じけん和歌山わかやま毒物どくぶつカレー事件じけん)が発生はっせい死者ししゃ4めい患者かんじゃ67めい[38]

1998ねん8がつ平成へいせい10ねん長野ながのけん須坂すざかロン茶ろんちゃ毒物どくぶつ混入こんにゅうされ死者ししゃ事件じけん長野ながの青酸せいさんロン茶ろんちゃ殺人さつじん事件じけん)が発生はっせい死者ししゃ1めい患者かんじゃ1めい[43]

2000ねん7がつ大阪おおさか大阪おおさか雪印乳業ゆきじるしにゅうぎょう大阪おおさか工場こうじょう生産せいさんされたてい脂肪しぼうちちによって食中毒しょくちゅうどく雪印ゆきじるし集団しゅうだん食中毒しょくちゅうどく事件じけん)が発生はっせい死者ししゃ1めい患者かんじゃすう14,849めい[38]

JASほう改正かいせい[編集へんしゅう]

2000ねん7がつ、「農林のうりん物資ぶっし規格きかくおよ品質ひんしつ表示ひょうじ適正てきせいかんする法律ほうりつ一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつ」(通称つうしょう改正かいせいJASほう)が成立せいりつ(2001ねん4がつ1にち施行しこう)。内容ないようとしては食品しょくひん表示ひょうじについてつぎ改良かいりょうてんふくんでいた。

  1. すべての飲食料品いんしょくりょうひん品質ひんしつ表示ひょうじ義務ぎむすべての生鮮せいせん食品しょくひん原産地げんさんち表示ひょうじ義務ぎむ[※ 10]
  2. 有機ゆうき食品しょくひん第三者だいさんしゃ認証にんしょう制度せいど導入どうにゅう第三者だいさんしゃ認証にんしょうしたものしか「有機ゆうき」と表示ひょうじしてはならないことになった)。
  3. 遺伝子いでんし食品しょくひん表示ひょうじ義務ぎむ[44]。2001ねん4がつ1にち改正かいせいJASほう施行しこう

JASほう改正かいせいされによって、すべての生鮮せいせん食品しょくひん原産地げんさんち表示ひょうじ義務ぎむづけられたのち偽装ぎそう表示ひょうじたず、輸入ゆにゅうにくを「鹿児島かごしまさん」と表示ひょうじするものや、輸入ゆにゅうにくを8わり混入こんにゅうしているロースハムやベーコンを「国産こくさん」と表示ひょうじするもの等々とうとうこうたなかった[45]。そのため、消費しょうひしゃ食品しょくひん表示ひょうじ信頼しんらいすることができなくなった[45]ともいわれる。

BSE(狂牛病きょきょうぎゅうびょう)事件じけん[編集へんしゅう]

2001ねん平成へいせい14ねん)9がつ日本にっぽんでもBSEうし海綿かいめんじょう脳症のうしょう狂牛病きょきょうぎゅうびょう)が確認かくにんされた。10月、にく骨粉こっぷん製造せいぞう出荷しゅっか輸入ゆにゅう停止ていしされ、在庫ざいこぶん焼却しょうきゃく処分しょぶんする方針ほうしん日本にっぽん政府せいふによってされた。政府せいふはまた屠殺とさつうしぜんあたま検査けんさ対策たいさくをとった。消費しょうひしゃおおくは狂牛病きょきょうぎゅうびょうはヨーロッパでの出来事できごとで、日本にっぽんでは発生はっせいするとはおもわれていなかったので、非常ひじょうなショックをおぼえた[45]

牛肉ぎゅうにく偽装ぎそう事件じけん[編集へんしゅう]

2002ねん日本にっぽん政府せいふうし海綿かいめんじょう脳症のうしょう対策たいさくの「国産こくさん牛肉ぎゅうにく制度せいど」を悪用あくようし、輸入ゆにゅうにく国産こくさん偽装ぎそう助成じょせいきん詐取さしゅする詐欺さぎ事件じけん相次あいついで発覚はっかくした(牛肉ぎゅうにく偽装ぎそう事件じけん)。1月、雪印食品ゆきじるししょくひん関西かんさいミートセンターで偽装ぎそう牛肉ぎゅうにく事件じけん発覚はっかく、その調査ちょうさ関東かんとうミートセンターや雪印食品ゆきじるししょくひん本社ほんしゃのミート営業えいぎょう調達ちょうたつでも同様どうよう偽装ぎそうつかった。詐欺さぎ容疑ようぎ一斉いっせい捜索そうさくけ、その雪印食品ゆきじるししょくひん解散かいさんまれることになった(偽装ぎそう判明はんめいしたりょうやく30トン)。6月、福岡ふくおか本社ほんしゃ食肉しょくにく加工かこう会社かいしゃが、輸入ゆにゅうスジにく国産こくさんにく偽装ぎそうし、制度せいど悪用あくようして不正ふせい利益りえきようとしていたことが発覚はっかくした(偽装ぎそう判明はんめいしたりょうは120トンあまり)。8月、日本にほんハム(株)かぶしきがいしゃ牛肉ぎゅうにく偽装ぎそう内部ないぶ告発こくはつによって発覚はっかくした。同社どうしゃは、売上うりあげだかが75%減少げんしょうした。[46]

どう2002ねんBSE問題もんだいかんする調査ちょうさ検討けんとう委員いいんかい報告ほうこくしょ提出ていしゅつ[47]

食品しょくひん安全あんぜん基本きほんほう制定せいてい[編集へんしゅう]

2003ねん5がつ食品しょくひん安全あんぜん基本きほんほう制定せいていされた。

2003ねん7がつ1にち内閣ないかく直属ちょくぞく食品しょくひん安全あんぜん委員いいんかい発足ほっそく

食品しょくひん安全あんぜん基本きほんほう制定せいてい[編集へんしゅう]

うしなまレバー問題もんだい
2007ねん せいレバーによる食中毒しょくちゅうどく発生はっせい[48]。2011ねんにくチェーンてんなま牛肉ぎゅうにく料理りょうりユッケ」による食中毒しょくちゅうどく5にん死亡しぼう[48]よく2012ねんうしせいレバー提供ていきょう禁止きんしされた[48]。ところが2013ねん京都きょうと八幡やはた焼肉やきにくてんかくれてきゃくなまレバーを提供ていきょうしていたことで経営けいえいしゃ逮捕たいほされた[48]。2014ねんにも、京都きょうと焼肉やきにくてんうらメニューまで用意よういして当局とうきょくからかくれてきゃくなまレバーを提供ていきょうしていたことで店長てんちょう逮捕たいほされた[49]

企業きぎょうがわ対応たいおう[編集へんしゅう]

企業きぎょう食品しょくひん安全あんぜんかんしてどのような問題もんだいこしてきたかについては、上記じょうき歴史れきし参照さんしょうのこと。

企業きぎょうがわは、様々さまざま身勝手みがって理由りゆうで、表示ひょうじ偽造ぎぞう(偽装ぎそう表示ひょうじ)をおこなうことがある[50]

2009ねんから企業きぎょう関係かんけいしゃ委員いいんとなっている運営うんえいされている民間みんかん団体だんたい食品しょくひん表示ひょうじ検定けんてい協会きょうかいによって食品しょくひん表示ひょうじ検定けんていおこなわれている。

飲食いんしょくてん対応たいおう[編集へんしゅう]

飲食いんしょくてんなど外食がいしょく産業さんぎょうでは、おおくのみせでコスト削減さくげんのためにやす輸入ゆにゅう食材しょくざい使つかわれている。そのなかで、比較的ひかくてき安全あんぜん日本にっぽんさん食材しょくざい使つかうごきがある。日本にっぽんさん食材しょくざい使つかうと費用ひようがるが、「安全あんぜんのための必要ひつようなコスト」だとしている[51]

なお、外食がいしょく産業さんぎょうにおける商品しょうひん原産地げんさんち表示ひょうじについては、表示ひょうじもとめるガイドライン[52]はあるが、義務ぎむとはなっていない[51]

行政ぎょうせい対応たいおう[編集へんしゅう]

「BSE問題もんだいかんする調査ちょうさ検討けんとう委員いいんかい報告ほうこく」(2002)においては以下いかが「行政ぎょうせい対応たいおう問題もんだいてん」として指摘してきされた[53]

  • 危機きき意識いしき欠如けつじょ危機きき管理かんり体制たいせい欠落けつらく
  • 生産せいさんしゃ優先ゆうせん消費しょうひしゃ保護ほご軽視けいし行政ぎょうせい
  • 政策せいさく決定けってい過程かてい不透明ふとうめい行政ぎょうせい機構きこう
  • 農林水産省のうりんすいさんしょう厚生こうせい労働省ろうどうしょう連携れんけい不足ふそく
  • 専門せんもん意見いけん適切てきせつ反映はんえいしない行政ぎょうせい
  • 情報じょうほう公開こうかい不徹底ふてってい消費しょうひしゃ理解りかい不足ふそく

現在げんざい所管しょかん省庁しょうちょうは、農林水産省のうりんすいさんしょうと、厚生こうせい労働省ろうどうしょう。また、全体ぜんたいのリスク管理かんりおこな組織そしきとして、食品しょくひん安全あんぜん委員いいんかい内閣ないかく設置せっち)がかれている[54]。また、2002ねん6がつ11にちより食品しょくひん安全あんぜん担当たんとうする国務大臣こくむだいじんかれている。詳細しょうさい内閣ないかく特命とくめい担当たんとう大臣だいじん食品しょくひん安全あんぜん担当たんとう内閣ないかく特命とくめい担当たんとう大臣だいじん消費しょうひしゃおよ食品しょくひん安全あんぜん担当たんとう参照さんしょう

施策しさくとしては、農薬のうやく対策たいさくとして残留ざんりゅう農薬のうやくとうかんするポジティブリスト制度せいど消費しょうひしゃ食品しょくひんへの信頼しんらいすための対策たいさくとしてトレーサビリティ導入どうにゅうや、原料げんりょう原産地げんさんち表示ひょうじ推進すいしんなどをおこなっている[13]。しかし、この原産地げんさんち表示ひょうじが「日本にっぽん」とされていても実際じっさいは「中国ちゅうごくさんとう産地さんち偽装ぎそうや、原産地げんさんち表示ひょうじこば企業きぎょう問題もんだいもある。

2008ねん8がつ10日とおか太田おおた誠一せいいち 農林のうりん水産すいさん大臣だいじんは、「日本にっぽん国内こくない心配しんぱいないとおもっているが、消費しょうひしゃがやかましいから、さらに徹底てっていしていく。」と消費しょうひしゃ軽視けいしするような問題もんだい発言はつげん[55]おこなった。

消費しょうひしゃがわ対応たいおう[編集へんしゅう]

消費しょうひしゃ国民こくみん経済けいざいにおける最大さいだい集団しゅうだんであるにもかかわらず、組織そしきされていなかったため、事業じぎょうしゃたいして発言はつげんするちからたず、意見いけんいてもらえず無視むしされるというようなよわ立場たちばながらくたされていた[56]企業きぎょう製造せいぞうした商品しょうひん欠陥けっかんにより消費しょうひしゃ被害ひがい発生はっせいしても、消費しょうひしゃがわから損害そんがい賠償ばいしょうもうてることは実際じっさいじょう非常ひじょう困難こんなんであった[56]。しかし、1960年代ねんだい公害こうがい問題もんだいなどを背景はいけい食品しょくひん安全あんぜんせいへの意識いしきたかまり、政府せいふ産業さんぎょう優先ゆうせんから消費しょうひしゃ優先ゆうせんへと政策せいさく基本きほん方針ほうしん変更へんこうしていくようになった(#歴史れきし参照さんしょう)。

消費しょうひしゃ健康けんこうたいする関心かんしんたかく、消費しょうひ生活せいかつセンターせられる食品しょくひん成分せいぶんわせとしては、味噌汁みそしる塩分えんぶん清涼飲料水せいりょういんりょうすい糖分とうぶんやカルシウム、ビタミン、食物しょくもつ繊維せんい、オリゴとう、DHAなどについてのものがおお[41]

2007ねん偽装ぎそう表示ひょうじ問題もんだい相次あいついだ結果けっか価格かかくよりも原材料げんざいりょうとう表示ひょうじ注視ちゅうしするようになったとも報道ほうどうされている[57]

消費しょうひしゃ権利けんり[編集へんしゅう]

消費しょうひしゃには、くに自治体じちたい消費しょうひしゃ権利けんり擁護ようごするための法的ほうてき行政ぎょうせいてきなシステムを完備かんびすることを要求ようきゅうする権利けんりがあり[58]、また消費しょうひしゃ日本にっぽん政府せいふたいして食品しょくひん衛生えいせいほう整備せいびし、食品しょくひん衛生えいせい行政ぎょうせい体勢たいせい完備かんびすることを要求ようきゅうする権利けんりっている[58]。しかし、消費しょうひしゃ偽装ぎそう表示ひょうじ見破みやぶることは不可能ふかのうちかい。そのため政府せいふ法的ほうてき制度せいどとう完備かんびして、消費しょうひしゃまもるほかはないのである、ともわれる[58]消費しょうひしゃしょく安全あんぜんまもられることを要求ようきゅうする権利けんりは、食品しょくひん安全あんぜんせい確保かくほのためのシステム形成けいせいのために必要ひつよう重要じゅうよう権利けんりである[58]

消費しょうひしゃには様々さまざま権利けんりがある。ただし、その権利けんりはただ事態じたい傍観ぼうかんしていると、自然しぜんあたえられるといった性質せいしつのものではないので、消費しょうひしゃ権利けんりまもるために、自発じはつてきたたかったり努力どりょくしたりすることが、消費しょうひしゃ責務せきむだとかんがえられるようになってきている。消費しょうひしゃ積極せっきょくてきリスク・コミュニケーション参加さんかしなくてはならない、ともわれる[59]

日本にっぽんさん食品しょくひん[編集へんしゅう]

おおくの消費しょうひしゃ日本にっぽんさんもとめる傾向けいこうがあるのは、リスク低減ていげんさせるため、および安心あんしん追求ついきゅうである。ただし、中国ちゅうごくさん安全あんぜんせい問題もんだいのある食品しょくひん多数たすう存在そんざいした事実じじつが、日本にっぽんさん安全あんぜんせいを100パーセント保証ほしょうするものではないことは当然とうぜんであるが、とく日本にっぽんでは信仰しんこうにも国産こくさんへの傾倒けいとう顕著けんちょである。これはマスコミによる過剰かじょう報道ほうどうや、日本人にっぽんじん独自どくじ特性とくせい関係かんけいしているとかんがえられている。

日本にっぽんさん食品しょくひんも、生産せいさん段階だんかいおよ小売こうり段階だんかい安全あんぜんせいそこなう危険きけんせい多分たぶんにある。また、過去かこにもおおくの事故じこ判明はんめいしている。生産せいさん段階だんかいでは、農家のうかによる許可きょか農薬のうやく使用しようや、農薬のうやく規制きせいやぶるといった行為こういがある[34]小売こうり段階だんかいでは、ようひや商品しょうひんひや販売はんばい偽装ぎそう表示ひょうじなどがおこなわれる危険きけんせいがある。たとえば、2007ねんには27都道府県とどうふけんで、表示ひょうじ偽造ぎぞう発覚はっかくした[50]産地さんち偽装ぎそう参照さんしょうされたい)。

かつて、四国しこくシイタケ栽培さいばいする農業のうぎょう団体だんたい中国ちゅうごくさん国産こくさん残留ざんりゅう農薬のうやく比較ひかく分析ぶんせきしたところ、あきらかに国産こくさんシイタケのほう数値すうちたかかった。この団体だんたいは、この結果けっか公表こうひょうしなかった。から浸透しんとうさせるタイプの殺虫さっちゅうざいであるオルトランは、さいへの使用しようきんじられているにもかかわらず、実際じっさいにはおおくの農家のうか常識じょうしきてき使つかわれている。

日本にっぽん国外こくがいさん食品しょくひん[編集へんしゅう]

残留ざんりゅう農薬のうやくポストハーベストなど、ほか、遺伝子いでんし作物さくもつクローン食品しょくひんについても問題もんだい疑義ぎぎ指摘してきされている。

各国かっこくにおける輸入ゆにゅうこくべつ食品しょくひん違反いはん件数けんすう[編集へんしゅう]

各国かっこくにおける輸入ゆにゅうこく輸入ゆにゅうもとべつ食品しょくひん違反いはん件数けんすう(2006ねん
順位じゅんい 米国べいこく EU 日本にっぽん
(ワースト)1 中国ちゅうごく 1,877けん 中国ちゅうごく 263けん 中国ちゅうごく 530けん
(ワースト)2 インド 1,762けん トルコ 254けん 米国べいこく 239けん
(ワースト)3 メキシコ 1,600けん イラン 244けん ベトナム 147けん
ぜん件数けんすう 14,918けん 2,874けん 2,874けん

出典しゅってん:2007ねん9がつ4にちごう 週刊しゅうかんエコノミスト

放射能ほうしゃのうしょく安全あんぜん[編集へんしゅう]

ベラルーシ[編集へんしゅう]

ベラルーシチェルノブイリ原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこによって国土こくど放射ほうしゃせい物質ぶっしつふくんだくもおそわれ現在げんざいでも国土こくどの23%が放射能ほうしゃのう汚染おせん地帯ちたいとなっている[60]。その汚染おせんレベルは日本にっぽん福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ設定せっていされた警戒けいかい区域くいきから計画けいかく避難ひなん区域くいきとほぼ同等どうとうである[60]。チェルノブイリ事故じこでは住民じゅうみん様々さまざま健康けんこう被害ひがい[※ 11]。ベラルーシでは、チェルノブイリ原発げんぱつ事故じこから25ねんあいだに、放射能ほうしゃのう関連かんれんするしょく安全あんぜん確保かくほについて様々さまざま体制たいせい制度せいど構築こうちくされた[60]。それはつぎの3つをはしらとするものである[60]

  • 食品しょくひんたいするなに段階だんかいにおよぶ検査けんさ体制たいせい[60]
  • 食品しょくひんふくまれる放射ほうしゃせい物質ぶっしつかんするきびしい基準きじゅん[60]
  • 安全あんぜん食品しょくひんつくるための、生産せいさんしゃたいする技術ぎじゅつめん財政ざいせいめんでの支援しえん[60]

ベラルーシでは生産せいさん流通りゅうつう販売はんばい、それぞれの現場げんば放射ほうしゃせい物質ぶっしつ測定そくていつねおこなわれている[60]食品しょくひん検査けんさじょうしつ)はベラルーシの全国ぜんこく860かしょ設置せっちされており、全国ぜんこく年間ねんかん1100まんかい検査けんさ調査ちょうさ)されている。食品しょくひんった一般いっぱん消費しょうひしゃ)が、自分じぶんった食品しょくひんをこうした(食品しょくひん市場いちば・マーケットなどに併設へいせつされている)検査けんさしつんで検査けんさすることもでき、しかも検査けんさ無料むりょうで、消費しょうひしゃ自身じしん自分じぶん安全あんぜんたしかめることもできる[60]自分じぶん計器けいき数値すうちることもでき、安心あんしんできる)。

いちれいげると、(ベラルーシでは人々ひとびと日常にちじょうてきものをするのは食糧しょくりょうひん市場いちばで、それは日本にっぽんスーパーマーケットにおおよそたるわけであるが)食糧しょくりょうひん市場いちばでも、くにさだめた基準きじゅん以下いかであるという証明しょうめいしょいと食品しょくひん販売はんばいしてはいけない、とさだめられている。検査けんさ具体ぐたいてきにどのようにおこなわれているか解説かいせつするために、食品しょくひんをひとつげその検査けんさほう紹介しょうかいするためにれいげる。ベラルーシの人々ひとびとは(ちょうど日本人にっぽんじんおなじように)キノコなどのもりこう栄養えいようげん食材しょくざいとしているが、それらにもつねにしっかりと検査けんさおこなわれている[60]検査けんさ方法ほうほうとしては、まず(測定そくてい恣意しいせいまないように)食品しょくひんはいっているかくはこ外部がいぶから放射線ほうしゃせん測定そくていおこないそれぞれ放射線ほうしゃせんレベルがほぼおなじであることをたしかめ、はこなかのさまざまな部分ぶぶんから無作為むさくいえらび、重量じゅうりょうはかり、放射線ほうしゃせん測定そくていにかけている[60]市場いちば基本きほんてき検査けんさ装置そうち検査けんさしつそなえているのである[※ 12]。この検査けんさ場合ばあいでも、検査けんさようする時間じかんはおよそ10ふん[60]

基準きじゅんについては、1992ねん・1996ねん・1999ねん次第しだいきびしい設定せっていしてきており、2011ねん現在げんざいは1999ねんさだめられたものがもちいられており、それはつぎのようなものである[60]たとえば放射ほうしゃせいセシウムかんしては

※「Bq」はベクレルという単位たんいである。

次第しだい基準きじゅんきびしたが、基準きじゅんえてしまう汚染おせん食品しょくひんかずってきており、それは検査けんさ結果けっかをもとにしたベラルーシの生産せいさん現場げんば努力どりょく対策たいさくのおかげであり[60]わるたら、生産せいさん過程かていのどこがわるかったのか原因げんいん究明きゅうめいしたり、汚染おせん程度ていどおおきい土地とちではその影響えいきょうにくい作物さくもつえらんでえるなどの対策たいさくをとっているのである[60]

現場げんばつねにまめに測定そくていできるように、ベラルーシでは簡易かんい放射線ほうしゃせん測定そくていがこの25ねんあいだ開発かいはつされてきた歴史れきしがあり、日本にっぽんくらべるとはるかに安価あんか販売はんばいされている。そして政府せいふ予算よさん[※ 13]使つかって、市場いちば生産せいさん組合くみあい学校がっこうなどが購入こうにゅうしている[60]検査けんさいんかず確保かくほするために、もともと仕事しごとっている人々ひとびとでもくにさだめた一定いってい研修けんしゅうけることで放射ほうしゃせい物質ぶっしつ測定そくていおこな実際じっさいてき実践じっせんてき体制たいせいにして、ささやかではや検査けんさ体制たいせい実現じつげんしているのである[60]

では、なぜベラルーシでは汚染おせん地域ちいきでの居住きょじゅうやそこでれる食品しょくひん流通りゅうつう一律いちりつ禁止きんしにせず厳格げんかく検査けんさ体制たいせい確立かくりつすることになったのか? というと、国土こくどたいする放射能ほうしゃのう汚染おせん地域ちいき面積めんせき割合わりあいたかかったこと(ロシアよりもむしろたかかったこと)、ベラルーシの農業のうぎょうささえていた肝心かんじん地域ちいき南部なんぶ)が放射能ほうしゃのう汚染おせんされてしまったこと、などの理由りゆうがあり、ベラルーシとしてはこの汚染おせん地域ちいきをまるまるすべ放棄ほうきしてしまうわけにはいかず、しかたなく、汚染おせんされた土地とちなかでどのように安全あんぜんらすのか、真剣しんけんわざるをなくなった、という[60]

ウクライナ[編集へんしゅう]

ウクライナでも、甚大じんだい原発げんぱつ事故じこ経験けいけんとしては、1986ねんきゅうソ連それんきたチェルノブイリ原発げんぱつ事故じこがある。どう事故じこ影響えいきょうで、内部ないぶ被曝ひばくにより病気びょうき多発たはつしているという、この貴重きちょう経験けいけんかすことが必要ひつようである。「チェルノブイリ救援きゅうえん中部ちゅうぶ」の河田かわたあきらひがし理事りじは20ねん以上いじょうにわたり救援きゅうえん活動かつどうおこなってきたが、事故じこ10ねんった1997ねん内部ないぶ被曝ひばくまえて見直みなおしたウクライナの食品しょくひん基準きじゅんにならい日本にっぽん暫定ざんてい規制きせい見直みなおすべきである、と提案ていあんしている[61][62]以下いかにその暫定ざんてい規制きせいしめす。

ウクライナの食品しょくひん基準きじゅん食品しょくひんちゅうふくまれる放射ほうしゃせいセシウム基準きじゅん
※ ウクライナは内部ないぶ被曝ひばく重視じゅうしして1997ねん基準きじゅん改定かいていしている。ウクライナの食品しょくひん放射能ほうしゃのう基準きじゅん参照さんしょう

日本にっぽん[編集へんしゅう]

チェルノブイリ原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ[編集へんしゅう]

日本にっぽん行政ぎょうせい対応たいおう
1986ねんチェルノブイリ原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこけ、日本にっぽんでは同年どうねん輸入ゆにゅう食品しょくひんちゅう放射能ほうしゃのう暫定ざんてい限度げんどさだ[63]食品しょくひんちゅうのセシウム134と 137由来ゆらい放射能ほうしゃのう濃度のうどは370Bq/kg以下いかとした。
日本にっぽん輸入ゆにゅう停止ていし事例じれい
日本にっぽん過去かこ基準きじゅんえたとして1989ねん平成へいせい元年がんねん以降いこう税関ぜいかんにて発見はっけんされもどしを指示しじした食品しょくひんと、日本にっぽん国内こくない検出けんしゅつされた植物しょくぶつ放射線ほうしゃせんりょう比較ひかく一覧いちらんげる。なお、1988ねんまでにも、39けん合計ごうけいやく160トンの農産物のうさんぶつ暫定ざんてい限度げんどえたため、税関ぜいかんにてせきもどしを指示しじされている [64]
日本にっぽん過去かこ基準きじゅん(370 Bq/kg)をえたとして輸入ゆにゅう停止ていしした食品しょくひん[64]
発表はっぴょう測定そくてい日時にちじ 品種ひんしゅ 地域ちいきくに 測定そくてい(Bq/kg)
1989ねん1がつ11にち きのこ(くろらっぱたけ) フランス 650
1989ねん1がつ23にち 乾燥かんそうぜんまい ソビエト 655
1989ねん4がつ10日とおか 乾燥かんそうぜんまい ソビエト 379
1989ねん10がつ23にち きのこ(あんずたけ) フランス 532
1990ねん2がつ28にち ハーブちゃ(ダンデリオン) スイス 1,167
1990ねん10がつ3にち ハーブちゃ(セイヨウノコギリそう アルバニア 814
1991ねん2がつ14にち 乾燥かんそうきのこ(ヤマドリタケ) ユーゴスラビア 556
1991ねん3がつ13にち ミックススパイス フランス 1,028
1994ねん11月8にち 燻製くんせいトナカイにく フィンランド 388
1998ねん1がつ21にち 乾燥かんそうポルチーニ(ヤマドリダケ) イタリア 731
2001ねん11月8にち 乾燥かんそうポルチーニ(ヤマドリダケ) イタリア 418

福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ[編集へんしゅう]

事故じこしょく安全あんぜんかんする識者しきしゃ見解けんかい
日本にっぽん福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ放射線ほうしゃせん汚染おせんかんするしょく安全あんぜん確保かくほ、ということにけるならば、日本にっぽん場合ばあい、チェルノブイリやベラルーシの先例せんれい経験けいけんがあるので、(人類じんるい経験けいけんという)知識ちしきゼロの状態じょうたいからてるというような困難こんなんいのであり、チェルノブイリやベラルーシでの経験けいけん蓄積ちくせきからまねべばよいのであり、また、ベラルーシは経済けいざいてきには日本にっぽんよりもはるかに弱者じゃくしゃであるが、そういったくにですらしっかりと安全あんぜん確保かくほ体制たいせい実現じつげんできたのであるから、日本にっぽんでもかれらの経験けいけんをとりいれてそこに日本にっぽん技術ぎじゅつわせれば、日本にっぽんには日本にっぽんにあった放射能ほうしゃのう対策たいさくかならずできるはず、といった内容ないようのことをNHK解説かいせつ委員いいん石川いしかわ一洋かずひろは2011ねん11月に解説かいせつした[60]
なお、ベラルーシは地産ちさんけし地元じもと食糧しょくりょうをその土地とちべること)の割合わりあいおおく、また国民こくみん自分じぶん別荘べっそうみずか食料しょくりょう栽培さいばいしているのにたいし、日本にっぽん場合ばあい加工かこう食品しょくひん流通りゅうつう割合わりあいおおいので、どこで検査けんさするのか、どこをおさえればよいのか、というてんではことなるシステムが必要ひつようでしょう、といったことをどうNHK解説かいせつ委員いいん指摘してきした[60]
しょく安全あんぜんかんする行政ぎょうせい実際じっさい対応たいおう
福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ以降いこう、2012ねん3がつまつまで暫定ざんてい規制きせい通知つうちもとづき食品しょくひん衛生えいせいほう規制きせい対象たいしょうとして準用じゅんようしてきたが[65]食品しょくひん衛生えいせいほう下位かい法令ほうれいにあたるちちおよ乳製品にゅうせいひん成分せいぶん規格きかくとうかんする省令しょうれいおよび食品しょくひん添加てんかぶつとう規格きかく基準きじゅん改正かいせいされ[66][67]ちちおよ乳製品にゅうせいひん成分せいぶん規格きかくとうかんする省令しょうれいもとづきセシウム134およびセシウム137を規制きせい対象たいしょうとする省令しょうれいあらたに整備せいびされたことにより[68]、2012ねん4がつ1にちから食品しょくひんちゅう放射ほうしゃせい物質ぶっしつたいする規制きせい法的ほうてき食品しょくひん衛生えいせいほうしたおこなわれることとなった。

規制きせい具体ぐたいてき数値すうち基準きじゅんおよび詳細しょうさいならびに経緯けいい福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ影響えいきょうこう参照さんしょうされたい。

米国べいこく[編集へんしゅう]

米国べいこくでは飲料いんりょうすい最大さいだい汚染おせん基準きじゅん[69]として、タ線たせんおよびガンマ線がんません摂取せっしゅりょう年間ねんかん4mレム(すなわち40マイクロシーベルト以下いかとするようさだめている。放射ほうしゃせいヨウもと、および放射ほうしゃせいセシウムはこれに該当がいとうする。

1986ねんチェルノブイリ原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこ当時とうじ食品しょくひんちゅう放射ほうしゃせい物質ぶっしつたいする暫定ざんてい限度げんどは370Bq/kgであった[63]

欧州おうしゅう連合れんごう[編集へんしゅう]

1986ねんきたチェルノブイリ原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこでは、EC(げんEU)放射能ほうしゃのう残留ざんりゅう基準きじゅんは、乳幼児にゅうようじ食品しょくひんで370Bq/kg以下いか一般いっぱん食品しょくひんで600Bq/kg以下いかであった[63]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ べいちゅう節夫せつお書籍しょせき列挙れっきょされておらず、一般いっぱんには、「しょく安全あんぜん問題もんだいあつかときには分類ぶんるいリストにふくまれないことのほうがおおいが、「食品しょくひんによる窒息ちっそく」の事故じこというものもある。食品しょくひんによる窒息ちっそくよんせんれいもの死亡しぼう事故じこ毎年まいとししょうじている。原因げんいんとなっている食品しょくひんは、事故じこ件数けんすう着目ちゃくもくすると、もちおおく、いでオニギリ寿司すしなどの米飯べいはんであり、菓子かしるいでは団子だんごキャンディーなどがある。ピーナツイクラなどは、そのおおきさが原因げんいんで「気道きどうない異物いぶつ」になりやすい。パン水分すいぶんふくむことで付着ふちゃくせいすいながもうとしてもかえってぎゃく効果こうかになることもある。もちこんにゃくゼリーつめたくなるとかたくなり(温度おんどによるねばたび変化へんか事故じこ原因げんいんとなる。こんにゃくゼリーによる窒息ちっそく事故じこ年間ねんかん1.7にん件数けんすう少数しょうすうである(宮沢みやざわ賢一けんいち; 川田かわたあつし (2010ねん11月17にち). “こんにゃくゼリー窒息ちっそく訴訟そしょう両親りょうしんうったえを棄却ききゃく. asahi.com. http://www.asahi.com/national/update/1117/OSK201011170022.html 2010ねん11月18にち閲覧えつらん )が、マスコミに大々的だいだいてきげられ日本にっぽんでは人々ひとびと関心事かんしんじとなり、その、こんにゃく製品せいひん大手おおてメーカーも窒息ちっそく事故じこふせぐような形状けいじょう製品せいひん開発かいはつすることになった。
  2. ^ 国際こくさいもう国籍こくせき企業きぎょう米国べいこく主導しゅどうしてまとめげたWTO協定きょうていによって、日本にっぽんしょく安全あんぜん基準きじゅん緩和かんわされた(出典しゅってん:『しょく環境かんきょう科学かがく入門にゅうもん』p.3)、ともされている。
  3. ^ これにかんしては企業きぎょう倫理りんりこう参照さんしょう
  4. ^ A Treatise on Adulterations of Food and Culinary Poisons (1820)
  5. ^ イギリスの詩人しじんアルフレッド・テニスンつぎのようにコメントしたという「白墨はくぼくと みょうばんと しっくいが、貧乏人びんぼうにんにパンとしてられている」(ジョン・ハンフリース 2002, p. 54)
  6. ^ 翻訳ほんやくによっては「トーマス・ウェイクリー」とも。
  7. ^ 「Hassall」は翻訳ほんやくによっては「ハッサル」とも。
  8. ^ FOOD AND ITS ADULTERATIONSは、その一部いちぶ翻訳ほんやく青空あおぞら文庫ぶんこむことも可能かのう[1]である。
  9. ^ ジャグ (jug) とは一般いっぱんに、くちひらいた、取手とって(もちしゅ)のついたおおきな容器ようき。19世紀せいきではしばしば陶器とうきせい日本語にほんごでは「水差みずさし」といった表現ひょうげんちかい、が液体えきたいれると表現ひょうげん完全かんぜんには合致がっちしない。
  10. ^ どうほう以前いぜんは、生鮮せいせん食品しょくひんのうち、9品目ひんもく青果物せいかぶつにしか原産地げんさんち表示ひょうじ義務ぎむはなかった。
  11. ^ じつ放送ほうそうない写真しゃしんつきで言及げんきゅう
  12. ^ じつ放送ほうそうない言及げんきゅう
  13. ^ 補助ほじょきんとう

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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  2. ^ 山口やまぐちえいあきら編著へんちょしょく環境かんきょう科学かがく入門にゅうもん しょく安全あんぜん環境かんきょう問題もんだい視点してんから』など
  3. ^ 石田いしだ英雄ひでお『クレームにまなしょく安全あんぜん』など
  4. ^ a b c 日本にっぽん学術がくじゅつ協力きょうりょく財団ざいだんしょく安全あんぜん安心あんしんまもる』など
  5. ^ しょく安全あんぜん安心あんしんまもる』p.147
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  7. ^ a b 黒川くろかわきよし 2005, p. 147
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  27. ^ a b 黒川くろかわきよし 2005, p. 12
  28. ^ ジョン・ハンフリース 2002, p. 53
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  31. ^ ジョン・ハンフリース 2002, p. 55
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  41. ^ a b 石田いしだ英雄ひでお 2005, pp. 22–23
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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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  • 藤原ふじわらくにたちしょく安全あんぜんシステムをつくる事典じてん : BSE問題もんだい以後いご課題かだいのうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい、2003ねん3がつISBN 4540021958 
  • 黒川くろかわきよししょく安全あんぜん安心あんしんまもる』日本にっぽん学術がくじゅつ協力きょうりょく財団ざいだん、2005ねん3がつISBN 4939091171 
  • べいちゅう節夫せつお『やさしいしょく安全あんぜんム社むしゃ、2002ねん10がつISBN 4274024873 
  • ジョン・ハンフリース『きょうしょく時代じだい講談社こうだんしゃ、2002ねん3がつISBN 406211156X 原書げんしょ:John Humphrys, THE GREAT FOOD GAMBLE, ISBN 0340770465

関連かんれん書籍しょせき[編集へんしゅう]

(出版しゅっぱんねんじゅん)

  • ジェームス・S.・ターナー『からだのなか公害こうがい食品しょくひん医薬品いやくひん告発こくはつする』(ラルフ・ネーダー・レポート)坂本さかもとふじりょうスタディグループやく講談社こうだんしゃ、1971、JP 71009963
  • 高橋たかはしあきらただし自然しぜんしょく安全あんぜんか』のうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい、1989、ISBN 4540890735
  • 工藤くどう和子かずこ『おいしい安全あんぜんしょくガイド―安心あんしんできるべものづくりにける人々ひとびと鎌倉かまくら書房しょぼう、1992、ISBN 4308005396
  • さかながら仁之ひとしすけ『「わらってねる」安全あんぜんしょく実践じっせん講座こうざ講談社こうだんしゃ、1999、ISBN 4062690853
  • 増尾ますおきよし家庭かていでできるしょく安全あんぜんじゅつえらかた3ふんしたごしらえ3ふん。たった6ふん祥伝社しょうでんしゃ、2002、ISBN 4396410298
  • 食料しょくりょう農業のうぎょう政策せいさく研究けんきゅうセンター『食料しょくりょう白書はくしょ〈2003(平成へいせい15)年版ねんばん〉ライフスタイルの変化へんか食品しょくひん産業さんぎょうしょく外部がいぶ安全あんぜん安心あんしん志向しこう食料しょくりょう農業のうぎょう政策せいさく研究けんきゅうセンター、2002、ISBN 4540021915
  • 松本まつもと恒雄つねお『21世紀せいき消費しょうひしゃ政策せいさくしょく安全あんぜん』コープ出版しゅっぱん、2003、ISBN 487332193X
  • 内田うちだ正幸まさゆき『こんなモノえるか!?―「しょく」の安全あんぜんかんする101もん101とう講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ講談社こうだんしゃ)、2003、ISBN 4062736365
  • 渡辺わたなべひろし『「しょく安全あんぜん心配しんぱい無用むよう!』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、2003、ISBN 4022578149
  • 梅津うめづ憲治けんじ農薬のうやくしょく:安全あんぜん安心あんしん農薬のうやく安全あんぜんせい科学かがくとしてかんがえる』ソフトサイエンスしゃ、2003、ISBN 4881711067
  • 大島おおしま一二かずじ中国ちゅうごくさん農作物のうさくもつ食品しょくひん安全あんぜん問題もんだい (筑波つくば書房しょぼうブックレット―らしのなかのしょくのう)』筑波つくば書房しょぼう、2003、ISBN 4811902432
  • 村上むらかみ直久なおひさ世界せかいしょく安全あんぜんまもれるか―食品しょくひんパニックと危機きき管理かんり平凡社へいぼんしゃ新書しんしょ、2004、ISBN 4582852378
  • ジョスリングしょく安全あんぜんまも規制きせい貿易ぼうえき―これからのグローバル・フード・システム』ひかり協会きょうかい、2004、ISBN 4259546678
  • 日経にっけいBPしゃへん食品しょくひんクライシス―「しょく」のしつりょう安全あんぜんといえるのか』日経にっけいBPしゃ、2004、ISBN 4822224627
  • 野口のぐちたまゆう, 村上むらかみりつかいどくなぞしょく安全あんぜん安心あんしん成山なりやまどう書店しょてん、2004、ISBN 4425881915
  • 松田まつだ友義ともよしほか『しょく安全あんぜんとトレーサビリティ―農場のうじょうから食卓しょくたくまでの安全あんぜん安心あんしんシステムづくり』こう書房しょぼう、2004、ISBN 4782102461
  • 日経にっけいバイオビジネス編集へんしゅう『フードサイエンス&ビジネス―機能きのうせい食品しょくひん開発かいはつしょく安全あんぜん日経にっけいBPしゃ、2004、ISBN 4822212270
  • 安部あべつかさ食品しょくひん裏側うらがわ―みんな大好だいすきな食品しょくひん添加てんかぶつ東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ、2005ねんISBN 978-4492222669
  • 堀田ほった和彦かずひこしょく安心あんしん安全あんぜん経営けいえい戦略せんりゃく農林のうりん統計とうけい協会きょうかい、2005、ISBN 4541032201
  • 全国ぜんこくしょくけんれん『BSEからの警告けいこくしょく安全あんぜんとBSE根絶こんぜつをめざして』ほんいずみしゃ、2005、ISBN 4880239216
  • 松永まつなが和紀かずのりおどる「しょく安全あんぜん」―農薬のうやくからえる日本にっぽん食卓しょくたくひかり協会きょうかい、2006、ISBN 4259546937
  • 神門ごうど善久ぜんく日本にっぽんしょくのう 危機きき本質ほんしつ (シリーズ 日本にっぽんの〈現代げんだい〉)』NTT出版しゅっぱん、2006、ISBN 4757140991
  • とみしま邦雄くにお,べいちゅう 節夫せつおしょく安全あんぜんきわめる食品しょくひん衛生えいせい7S 実践じっせんへん (ISO22000のための食品しょくひん衛生えいせい7S実践じっせん講座こうざ)』にち科技かぎれん出版しゅっぱんしゃ、2006、ISBN 4817191732
  • 池戸いけのべ重信しげのぶ『よくわかるISO22000のかたかしかたしょく安全あんぜん安心あんしんへの手引てびき』日刊工業新聞社にっかんこうぎょうしんぶんしゃ、2006、ISBN 4526056855
  • 大島おおしま一二かずじ中国ちゅうごく野菜やさい日本にっぽん食卓しょくたく産地さんち流通りゅうつうしょく安全あんぜん安心あんしんあし書房しょぼう、2007、ISBN 4755612039
  • 岡田おかだ幹治かんじ『アメリカさん牛肉ぎゅうにくから、しょく安全あんぜんかんがえる』岩波書店いわなみしょてん、2007、ISBN 4000093967

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]