炭酸たんさんしお

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炭酸たんさんイオンのたまぼうモデル

炭酸たんさんしお(たんさんえん、えい: carbonate)は、炭酸たんさんイオンcarbonateCO32−)をふく化合かごうぶつ総称そうしょうである。英語えいごの carbonate は炭酸たんさんしお炭酸たんさんイオンのほか炭酸たんさんエステル炭酸たんさん塩化えんか炭化たんか飲料いんりょうなどに炭酸たんさんくわえる操作そうさのこともす。無機むき炭素たんそ化合かごうぶつ一種いっしゅで、炭酸たんさんしおなかには、生物せいぶつにとって重要じゅうよう物質ぶっしつである炭酸たんさんカルシウムや、産業さんぎょうにとって重要じゅうよう炭酸たんさんナトリウムなどがある。炭酸たんさんしおアルカリ金属きんぞく以外いがいみずけないものがおおい。一般いっぱん加熱かねつにより二酸化炭素にさんかたんそ発生はっせいして金属きんぞく酸化さんかぶつしょうじる。

用途ようと[編集へんしゅう]

炭酸たんさんイオンをふくしお希釈きしゃくしたこうさんれい塩酸えんさん)をくわえると気体きたい二酸化炭素にさんかたんそ発生はっせいするため、炭酸たんさんイオンの検出けんしゅつ使つかわれている。

炭酸たんさんイオンをふくしおは、産業さんぎょう鉱物こうぶつがくてき重要じゅうよう化合かごうぶつぐんである。もっと有名ゆうめいなのは石灰岩せっかいがん主成分しゅせいぶんである方解石ほうかいせき(カルサイト)である。加熱かねつすることによって炭酸たんさんしおから二酸化炭素にさんかたんそ除去じょきょする過程かてい焼成しょうせいぶ。

炭酸たんさんイオン[編集へんしゅう]

炭酸たんさんイオン(たんさんいおん、えい: carbonate)は、イオンしきCO32−分子ぶんしりょうが 60.01 g/mol で形式けいしき電荷でんかが-2の原子げんしアニオンである。1個いっこ炭素たんそ原子げんし中心ちゅうしんに3酸素さんそ原子げんし等価とうか結合けつごうした平面へいめん三角形さんかっけい構造こうぞうをとる(D3h分子ぶんし対称たいしょうせい)。C-O結合けつごう距離きょり方解石ほうかいせきちゅうで 128.3 pm である。炭酸たんさんイオンは、炭酸たんさん (H2CO3)共役きょうやく塩基えんきである炭酸たんさん水素すいそイオン (HCO
3
)
共役きょうやくさんになる[よう検証けんしょう]

炭酸たんさんイオンの正確せいかく分子ぶんし構造こうぞうルイス構造こうぞうしき表現ひょうげんすることは不可能ふかのうである。

これは炭酸たんさんイオンが共鳴きょうめい構造こうぞうつためである。

実際じっさいには、炭酸たんさんイオンの電荷でんか局在きょくざいによって3酸素さんそ原子げんしひとしく2/3ずつ分布ぶんぷした構造こうぞうをしている。

さん - 塩基えんき化学かがく[編集へんしゅう]

炭酸たんさんイオン CO32−ちゅう程度ていどつよ塩基えんきである。炭酸たんさんイオンは弱酸じゃくさんである炭酸たんさん水素すいそイオンの共役きょうやく塩基えんきであり、炭酸たんさん水素すいそイオンは弱酸じゃくさんである炭酸たんさんイオンのちゅう程度ていどつよ共役きょうやく塩基えんきである[よう検証けんしょう]

おも炭酸たんさんしお[編集へんしゅう]

炭酸たんさんしお鉱物こうぶつ[編集へんしゅう]

方解石ほうかいせき

鉱物こうぶつがくにおいて、炭酸たんさんしおからなる鉱物こうぶつ炭酸たんさんしお鉱物こうぶつ(たんさんえんこうぶつ、えい: carbonate mineral[1])という。ねつすいからの析出せきしゅつおよび鉱石こうせき風化ふうかなどにより生成せいせいし、以下いかのようなものがある。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 文部省もんぶしょうへん学術がくじゅつ用語ようごしゅう 地学ちがくへん日本にっぽん学術がくじゅつ振興しんこうかい、1984ねん、153ぺーじISBN 4-8181-8401-2http://sciterm.nii.ac.jp/cgi-bin/reference.cgi 

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]