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炭酸たんさんアンモニウム

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
炭酸たんさんアンモニウム
IUPACめい Ammonium carbonate
別名べつめい すみやす鹿角かつのしお
組成そせいしき (NH4)2CO3
しきりょう 96.09 g/mol
形状けいじょう 無色むしょくまたは白色はくしょく固体こたい
CAS登録とうろく番号ばんごう 506-87-6
密度みつどそう 1.50 g/cm3, 固体こたい
みずへの溶解ようかい 溶 g/100 mL ( °C)
融点ゆうてん 58 °C(分解ぶんかい

炭酸たんさんアンモニウム(たんさん—、Ammonium carbonate)は、アンモニア炭酸たんさんしおで、形式けいしきじょう化学かがくしき(NH4)2CO3あらわされる化合かごうぶつである。しかし通常つうじょう炭酸たんさんアンモニウムとして入手にゅうしゅ可能かのうためしざいは、炭酸たんさん水素すいそアンモニウム (Ammonium hydrogen carbonate、NH4•HCO3) とカルバミンさんアンモニウム (ammonium carbamate、NH2COONH4) との混合こんごうぶつである。すみやす(たんあん)、鹿角かつのしお(ろっかくえん)ともばれる。

性質せいしつ

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無色むしょく結晶けっしょうまたは白色はくしょく粉末ふんまつで、つよいアンモニアしゅうつ。

58 ℃ でねつ分解ぶんかいし、二酸化炭素にさんかたんそ(石灰せっかいすいれるとしろにごる)とアンモニア(みずにぬれた赤色あかいろリトマスちかづけると青色あおいろ変化へんかする)とみず(塩化えんかコバルトちかづけると青色あおいろから赤色あかいろ変化へんかする)にわる。空気くうきちゅう放置ほうちしてもゆっくりと二酸化炭素にさんかたんそとアンモニアを放出ほうしゅつしながら分解ぶんかいし、炭酸たんさん水素すいそアンモニウムがのこる。みず溶で、水溶液すいようえき塩基えんきせいしめす。

合成ごうせい

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炭酸たんさんアンモニウムは、窒素ちっそふく有機ゆうき物質ぶっしつれいかみシカかく尿にょう分解ぶんかいぶつなど)を乾燥かんそう条件じょうけん加熱かねつして抽出ちゅうしゅつできる。しかし現在げんざいでは炭酸たんさんアンモニウムは、塩化えんかアンモニウムあるいは硫酸りゅうさんアンモニウムと、白亜はくあ石灰岩せっかいがん: 炭酸たんさんカルシウム主成分しゅせいぶん)をてつせい容器ようきなか赤熱しゃくねつし、てくる気体きたいなまりせい濃縮のうしゅくしてつくられる。生成せいせいぶつから昇華しょうかによりられる炭酸たんさんアンモニウムのしろ繊維状せんいじょうかたまりは、とうモルの炭酸たんさん水素すいそアンモニウムとカルバミンさんアンモニウムからる。この混合こんごうぶつは、その組成そせいよりセスキ炭酸たんさんアンモニウム (ammonium sesquicarbonate) ともばれる。それをアルコールふけかい(digestion)したり、空気くうきちゅう放置ほうちしたりすると、カルバミンさんアンモニウムが分解ぶんかい純粋じゅんすい炭酸たんさん水素すいそアンモニウムがられる。また、やく 30 ℃ で調製ちょうせいしたセスキ炭酸たんさんアンモニウムの水溶液すいようえきにアンモニアをつうじると、上記じょうき混合こんごうぶつとはことなる純粋じゅんすい炭酸たんさんアンモニウム ((NH4)2CO3) が、みず和物あえもの結晶けっしょうとしてられる。この化合かごうぶつもまた空気くうきちゅうでアンモニアを放出ほうしゅつし、炭酸たんさん水素すいそアンモニウムへともどる。

用途ようと

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炭酸たんさんアンモニウムはその刺激しげきしゅうから、必要ひつようなときにくだいて使つか気付きつやくとしてもちいられる。"baker's ammonia"(パンのアンモニア)としてもられ、かつてはふくらし用途ようと使つかわれていた。

接着せっちゃくざい原料げんりょう催吐やくとしてももちいられる。

関連かんれん項目こうもく

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